JP5932622B2 - オーステナイト系耐熱鋼およびタービン部品 - Google Patents
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平均線膨張係数 =(L−L0)/L0(T−T0) …式(1)
Niは、Fe母相に固溶し、母相の固溶強化および線膨張係数の低下をもたらす。また、Niは、オーステナイト構造を安定化させる。Niの含有率が24%未満の場合には、上記した効果が十分に発揮されない。一方、Niの含有率が27%を超えると、材料コストの増加や加工性が低下する。そのため、Niの含有率を24〜27%とした。さらに好ましいNiの含有率は、25〜27%である。
Crは、Fe母相に固溶し、母相の固溶強化および線膨張係数の低下をもたらす。また、Crは、γ’相の固溶温度を上昇させるため、γ’相の析出が促進される。Crの含有率が16%未満の場合には、上記した効果が十分に発揮されない。一方、Crの含有率が25%を超えると、オーステナイト構造の不安定化をもたらすとともに、σ相が析出しやすくなる。そのため、Crの含有率を16〜25%とした。さらに好ましいCrの含有率は、20〜25%である。
Vは、Fe母相に固溶し、母相の固溶強化および線膨張係数の低下をもたらす。Vの含有率が0.1%未満の場合には、上記した効果が十分に発揮されない。一方、Vの含有率が0.5%を超えると、オーステナイト構造の不安定化をもたらすとともに、σ相が析出しやすくなる。そのため、Vの含有率を0.1〜0.5%とした。さらに好ましいVの含有率は、0.2〜0.4%である。
Tiは、Fe母相に固溶して母相を固溶強化するとともに、γ’相を構成する元素である。Tiの含有率が1.9%未満の場合には、母相の固溶強化やγ’相の析出の促進が図れない。一方、Tiの含有率が2.35%を超えると、オーステナイト構造の不安定化をもたらすとともに、η相が析出しやすくなる。そのため、Tiの含有率を1.9〜2.35%とした。さらに好ましいTiの含有率は、2.0〜2.2%である。
Alは、Fe母相に固溶して母相を固溶強化するとともに、γ’相を構成する元素である。Alの含有率が0.35%未満の場合には、母相の固溶強化やγ’相の析出の促進が図れない。一方、Alの含有率が2%を超えると、オーステナイト構造の不安定化をもたらすとともに、γ’相の過剰な析出により加工性と溶接性が低下する。そのため、Alの含有率を0.35〜2%とした。さらに好ましいAlの含有率は、0.5〜1.5%である。
Bは、Fe母相に固溶して、特に粒界偏析するため、粒界強化をもたらす。また、Bは、Tiを多く含む場合、η相の析出を抑制する効果がある。Bの含有率が0.001%未満の場合には、上記した効果が十分に発揮されない。一方、Bの含有率が0.01%を超えると、母相の融点が下がり、熱間加工性が低下する。そのため、Bの含有率を0.001〜0.01%とした。さらに好ましいBの含有率は、0.004〜0.006%である。
MoおよびWは、Fe母相に固溶し、母相の固溶強化および線膨張係数の低下をもたらす。MoとWとを合計(Mo+W)した含有率が10%を超えると、材料コストが増加するとともに、熱間加工性が低下する。そのため、(Mo+W)の含有率を10%以下とした。また、上記した効果を十分に発揮させるために、(Mo+W)の含有率の下限値は、1.5%以上であることが好ましい。さらに好ましい(Mo+W)の含有率は、6〜8%である。なお、Mo、Wのいずれかの含有率が0であってもよい。
TaおよびNbは、Fe母相に固溶し、母相の固溶強化および線膨張係数の低下をもたらす。また、TaおよびNbは、γ’相を形成して安定化させる。TaとNbとを合計(Ta+Nb)した含有率が5%を超えると、材料コストが増加するとともに、δ(Ni3(Nb,Ta))相(金属間化合物)が析出しやすくなる。そのため、(Ta+Nb)の含有率を5%以下とした。また、上記した効果を十分に発揮させるために、(Ta+Nb)の含有率の下限値は、0.5%以上であることが好ましい。さらに好ましい(Ta+Nb)の含有率は、2〜4%である。なお、Ta、Nbのいずれかの含有率が0であってもよい。
Si、Mn、PおよびSは、実施の形態のオーステナイト系耐熱鋼においては、不可避的不純物に分類されるものである。これらの不可避的不純物は、可能な限りその残存含有率を0%に近づけることが好ましい。
ここでは、実施の形態のオーステナイト系耐熱鋼において、線膨張係数が低く、引張特性に優れていることを説明する。
Claims (6)
- Ni:24〜27質量%、Cr:16〜25質量%、V:0.1〜0.5質量%、Ti:1.9〜2.35質量%、Al:0.35〜2質量%、B:0.001〜0.01質量%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とするオーステナイト系耐熱鋼。
- Crを20〜25質量%含有していることを特徴とする請求項1記載のオーステナイト系耐熱鋼。
- MoとWとを合計して10質量%以下をさらに含有していることを特徴とする請求項1または2記載のオーステナイト系耐熱鋼。
- TaとNbとを合計して5質量%以下をさらに含有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のオーステナイト系耐熱鋼。
- 室温から700℃の温度における平均線膨張係数が18×10−6/K以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のオーステナイト系耐熱鋼。
- 請求項1乃至5のいずれか1項記載のオーステナイト系耐熱鋼を用いて、少なくとも所定部位が作製されたことを特徴とするタービン部品。
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