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JP5928412B2 - 鋼板の竪型冷却装置、およびそれを用いた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

鋼板の竪型冷却装置、およびそれを用いた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、鋼板の竪型冷却装置、およびそれを用いた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関するものである。
BH鋼板(焼付硬化型鋼板)等のような降伏点伸びを有する鋼板をめっき原板とし、連続式溶融亜鉛めっき設備において溶融亜鉛めっき鋼板を製造する場合、製品にストレッチャーストレインや腰折れ等の欠陥が発生する場合がある。
上記に対して、腰折れ防止技術として、特許文献1には、腰折れが発生する以前に予め歪を与える技術が示されている。その他に、溶融亜鉛めっき鋼板が使用される過程の成形加工で発生するストレッチャーストレインの防止技術として、例えば、めっき後の調質圧延や、材質設計に関する技術は数多く公開されている(特許文献2、3)。
ここで、連続式溶融亜鉛めっき設備では、鋼板は溶融亜鉛浴に浸漬され次いで引き上げられ、ガスワイピングによって付着量を制御された後に、そのまま冷却されるか、或いは加熱合金化処理を行った後に冷却される。めっき処理後の冷却方法としては、一般的に、ミスト冷却やガス冷却が用いられるが、短い設備長で効率よく冷却するために冷却能力の高いミスト冷却方式が選択される場合が多い。
特許文献4には、ミスト冷却ボックス下部からの水滴漏れ防止を目的として、ミスト冷却ボックスの最下部の給気パッドを、高圧と低圧の2種類を隣接させ、水受けパンを所定位置に配置し、給気パッドからの上昇気流の風速を20m/s以上とする冷却方法が開示されている。
一般的に製造される溶融亜鉛めっき鋼板は、板幅が1000mmを超え、最大板幅は1900mmに迫ることもあり、幅方向での品質均一性が必要とされる。鋼板の場合には、上記のような加熱・冷却等の温度変化により、材質・形状の変化が起こる場合が多くあるため、板幅方向での加熱・冷却の均一性は重要な要件であるが、その制御は容易ではない。特に、340BH鋼板のように、500℃以下で降伏点伸びが発生する鋼板では、溶融亜鉛めっき後の冷却過程でストレッチャーストレインが発生する可能性が高く、板幅方向での温度制御が特に重要である。
特開2004−107682号公報 特開平4−323345号公報 特開2007−327104号公報 特開2000−73125号公報
特許文献1に記載の方法では、通板中の鋼帯にロールで曲げ、曲げ戻し加工を施す必要があるが、その際にロールに瑕が発生して鋼板への転写が発生することがある。また、材料の降伏伸びが完全に消失するわけではないので、その後の合金化後冷却中に鋼帯に温度ムラが発生すると、結局ストレッチャーストレインが発生することがわかった。
同様に、特許文献2、3に記載の方法を用いても、合金化後冷却中に鋼帯に温度ムラが発生してしまうと、ストレッチャーストレイン発生を回避できないことがわかった。
また、特許文献4に記載の方法では、ミスト冷却ボックス下部からの水滴漏れは確かに防止できるが、ボックス内の水滴滞留に対しては効果が小さく、ストレッチャーストレインの発生防止の点からは不十分である。
このように、従来では、例えば、降伏点伸びを有する鋼板を連続式溶融亜鉛めっき設備において溶融亜鉛めっきする際に、連続式溶融亜鉛めっき設備内、特に溶融亜鉛めっき後の冷却過程でのストレッチャーストレインの発生を適切に防止できなかった。
本発明は、上記のような課題を解決し、連続式溶融亜鉛めっき設備において、BH鋼板等のような降伏点伸びを有する鋼板を溶融亜鉛めっきする場合であっても、溶融亜鉛めっき後の冷却過程でのストレッチャーストレインの発生を適切に防止することができる竪型冷却装置およびそれを用いた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、冷却装置内に供給されたミストが液滴となりボックス外に排出されずに留まり、わずかな板形状の乱れなどにより、液滴が凝集し鋼板に再付着して、鋼板幅方向の一部のみに局所的な過冷却が発生することでストレッチャーストレインが発生することを見出した。そして、液滴の排出を行う排出口を備え、冷却装置内のノズルヘッダどうしの間隔を所定の間隔とすることで、前記問題点が解決されることも見出した。
本発明は上記知見に基づくものであり、特徴は以下の通りである。
[1]上下に開口を有し、内部を鋼板が上向き又は下向きに走行するボックスと、該鋼板に水ミストを噴射する鋼板長手および/または幅方向に多数個配設したスプレーノズルを備えるノズルヘッダと、下側開口からの水漏れを防止するシール機構とを備える鋼板の竪型冷却装置において、前記ボックス内の液滴の排出を行う排出口を備え、前記ノズルヘッダどうしは、開口面積率が30%以上である排出用の隙間を有するように離隔して設置されることを特徴とする鋼板の竪型冷却装置。
なお、前記開口面積率とは、鋼板側から見た片面側のノズルヘッダとボックスとで形成される断面積におけるノズルヘッダ間の隙間の総面積とボックス面積の割合であり、(ノズルヘッダ間の隙間の総面積/ボックス面積)×100で求められる値である。
[2]前記ノズルヘッダどうしの間隔は、鋼板長手方向に前記ノズルヘッダを分割することによって形成されることを特徴とする前記[1]に記載の鋼板の竪型冷却装置。
[3]前記ノズルヘッダどうしの間隔は、鋼板幅方向に前記ノズルヘッダを分割することによって形成されることを特徴とする前記[1]または[2]に記載の鋼板の竪型冷却装置。
[4]前記排出口は、鋼板幅方向に3つ以上に分割されていることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の鋼板の竪型冷却装置。
[5]前記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の鋼板の竪型冷却装置を用いて、溶融亜鉛めっき鋼板を製造することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
本発明によれば、BH鋼板等のような降伏点伸びを有する鋼板を溶融亜鉛めっきする場合であっても、溶融亜鉛めっき処理後の冷却過程でのストレッチャーストレインの発生を適切に防止することができる。
本発明の竪型冷却装置を用いることで、例えば、鋼板温度が300〜500℃の領域で冷却する場合でも、冷却ムラに起因する品質欠陥の発生を防止し、良好な品質の鋼板を製造することができる。
本発明の連続式溶融亜鉛めっき設備を模式的に示す図である。 本発明の竪型冷却装置の一例を示す概略図である。 本発明の竪型冷却装置の一例を示す概略図である。 局部抵抗係数ζと開口面積率との関係を示す図である。 水ミストの冷却特性を鋼板温度と冷却能力との関係で示す図である。 本発明のノズルヘッダ分割例を示す図である。
以下、本発明について具体的に説明する。
図1は本発明の一実施形態を模式的に示すものであり、連続式溶融亜鉛めっき設備全体を説明する図(設備の側面を示す図)である。図1において、1は溶融亜鉛めっき浴、2はシンクロール、3は合金化処理装置、4は竪型冷却装置(ミスト冷却装置)、5はガスワイピングノズル、6は(走査型放射)温度計、7は浴中サポートロール、8は浴上サポートロール、Sは鋼板である。連続式溶融亜鉛めっき設備では、鋼板Sを焼鈍した後(図示せず)、溶融亜鉛めっき浴1に浸漬し溶融亜鉛めっき処理を施し引き上げられ、ガスワイピングノズル5によって付着量を制御する。次いで、合金化処理装置3により合金化処理を行い、又は、合金化処理を行うことなく、めっき鋼板面に竪型冷却装置(ミスト冷却装置)4により水ミストを噴射して冷却を行うことにより、溶融亜鉛めっき鋼板が製造される。
図2および図3は、本発明の竪型冷却装置(ミスト冷却装置)4の概要図である。上下に開口を有し、内部を鋼板が上向き又は下向きに走行し、2分割されたボックス15と、鋼板に水ミストを噴射する鋼板幅方向に多数個配設したスプレーノズル10を備えるノズルヘッダ9と、下側開口からの水漏れを防止するシール機構としてシール装置14と液滴漏れ防止装置11、ボックス15内の液滴の排出を行う排出口13を備える。さらに、竪型冷却装置(ミスト冷却装置)4内に供給されたミスト(液滴)を受ける水受けパン12を備える。
スプレーノズル10から水ミストが鋼板Sに噴射されると、水ミストは鋼板Sに衝突し、蒸発するかもしくは跳ね返って排出口13から回収される。ミスト冷却装置4の内壁やノズルヘッダ9で接触して結露した液滴は、下方に流下し、水受けパン12で回収される。そして、ミスト冷却装置4の最下部には、下部への水漏れを防止するためのシール機構としてシール装置14と液滴漏れ防止装置11が設けられている。例えば、シール装置14としては、鋼板表面に圧力溜まりを形成する静圧パッドなどが挙げられる。ただし、シール装置はこの形態に限るものではない。液滴漏れ防止装置11としては鋼板近傍で上昇流を形成するガスノズルなどである。
さらに、本発明では、ノズルヘッダ9どうしは開口面積率が30%以上である排出用の隙間を有するように離隔して設置される。このように、本発明の竪型冷却装置では、ノズルヘッダ9どうしが離隔して設置されることで、前記ノズルヘッダ9間には、排出用の隙間を有することになる。その結果、冷却装置内に供給されたミスト(液滴)がボックス15内に留まることなく排出され、溶融亜鉛めっき処理後の冷却過程でのストレッチャーストレインの発生を適切に防止することができる。
水ミストの噴射およびボックスからの排出機構によって、ボックス内は、1〜50m/secのガス流れが通常発生している。ノズルヘッダ間の隙間の面積、すなわち、開口面積が狭いと、圧力損失が発生してガスおよび液滴が排出されにくくなる。ここで、圧力損失ΔPは、一般的に下記式(1)で表される(例えば、丸善「ダクト設計施工便覧」P.34)。
Figure 0005928412
局部抵抗係数ζが小さいほど、排出性がよいので望ましい。そこで、局部抵抗係数ζとノズルヘッダ9の間の隙間の開口面積率との関係を調査した。なお、開口面積率とは、鋼板側から見た片面側のノズルヘッダとボックスとで形成される断面積におけるノズルヘッダ間の隙間の総面積とボックス面積の割合であり、(ノズルヘッダ間の隙間の総面積/ボックス面積)×100で求められる値である。得られた結果を図4に示す。図4より、開口面積率が大きいほど局部抵抗係数ζは小さい。また、20%から30%にかけて大きく低下することがわかる。そこで、実際に、開口面積率を30%確保して、粒径300μm以下の水ミストで、後述する実施例と同じノズル配置や水量条件で冷却したところ、液滴がほぼ100%排出できることがわかった。したがって、開口面積率は30%以上とする。また、開口面積率はノズルヘッダを長手あるいは幅方向に移動させたり、ノズルヘッダを取り外すことで調整することができる。
スプレーノズル10間のピッチは、鋼板幅方向に均一な水量を鋼板に噴射できるよう配置することが好ましい。例えば、あらかじめスプレーノズル10単独での水ミストの噴射時の液滴の広がり角を調査し、複数のスプレーノズル10を設置した場合の水ミストの噴射の重なり具合を考慮して、幅方向に均一な水量を鋼板に噴射できるようにスプレーノズル10を配置することができる。このように配置することで冷却ムラを回避できる。
また、スプレーノズル10のノズルヘッダ幅方向の位置は、幅方向のスプレーノズル10のピッチの1/2〜1/5程度ずつ隣接するノズルヘッダに対してずらし設置することが好ましい。このように配置することで連続的に通過する鋼板に万遍なく冷却水を衝突させて幅方向均一に冷却することが可能となる。
鋼板の竪型冷却装置は、具体的には上述のように、連続溶融亜鉛めっきラインなどに設置される。生産される鋼板サイズとしては、幅2m程度まで対応することが必要となる。鋼板に衝突した水ミストは、鋼板エッジ部分から排出されやすいため、排出口13は幅方向3つ以上に分割されていて、排出量を各々調整できることが望ましい。例えば、幅方向に均等に3つ分割する場合などは、特に、板幅中央部分の排出量が、板幅エッジ部分の排出量よりも大きく設定されることが好ましい。板幅中央部分の排出量が、板幅エッジ部分の排出量よりも大きく設定することでミスト液滴が板幅エッジに偏るのを抑止し、液滴がボックス内の板幅エッジに滞留して鋼板に再付着するなどして局所的過冷却が発生するのを防止できる。なお、排出のためのファンを設けることもでき、各排出口につき1台ずつ設けてもいいし、1台のファンを用いてボックス全体を吸引し、各排出口にはダンパを用いて排出量を変更する形式でもいい。
ここで、水ミスト冷却の冷却特性として、図5に示すような水の沸騰現象が関係することが一般に知られている(例えば、「日本鉄鋼協会 鋼材の強制冷却」p.47)。水ミスト冷却は膜沸騰領域内であれば、鋼板温度に関わらずほぼ一定の冷却能力になる。しかし、鋼板温度が低下して遷移沸騰領域になると、鋼板温度が低温であるほど冷却能力が大きくなる発散型の冷却形態となり、板幅方向温度差が拡大しやすくなる。特に冷却前に加熱ムラがあると、冷却前の板幅方向温度偏差が冷却後は数倍にも拡大することになる。したがって、図5からは、水ミスト冷却は膜沸騰領域内で冷却することが好ましい。しかしながら、実際に本発明が冷却する温度域は200〜500℃である。遷移沸騰に移行する遷移温度は水量によって変化するものの、水ミストの場合は200〜500℃であり、本発明が対象とする温度域と遷移沸騰領域とは重複する。この点からも、水量制御が非常に重要になる。
また、発明者らは、図1の連続式溶融亜鉛めっき設備及び図2の竪型冷却装置を用いて、後述する実施例と同様の素材鋼板に対して実施例と同様のめっき処理(冷却)を行い、幅方向温度偏差発生原因について検討した。スプレーノズル10から噴射される水量の変動量は幅方向で±10%以内とした。その結果、スプレーノズル10から噴射される水量は幅方向で±10%以内とバランス良く噴射されているにもかかわらず、冷却帯出側の温度計6で監視すると、幅方向に不均一(概ね温度差50℃以上)が発生し、ストレッチャーストレイン性の品質欠陥が発生する場合があることがわかった。
そして、幅方向に温度差が生じる場合は、スプレーノズル10から噴射された液滴が速やかに排出されずに竪型冷却装置4内に留まり、一部に凝集することで、水量が増加したような状態となり、局部的な過冷却が発生する。
以上の点から、液滴の排出性を向上させるためには、排出口まで十分に広い流路があり速やかに排出されることが望ましい。しかし、スプレーノズル10のチップは小型であっても、ノズルヘッダ9は、幅方向水量およびはエア量の均一性を確保するために、内部断面積を大きくとる必要があり、ノズルヘッダ9は大きくならざるを得ない。ノズルヘッダ9を大きくすると液滴およびガスの抜け道がなくなる。一方、ノズルヘッダ9間を必要以上に広くとると、液滴の排出性およびガスの抜け性は向上するが、冷却能力は低下するので、設備長が長くなるという弊害がある。そこで、本発明では、ノズルヘッダ9を分割し、ノズルヘッダ9どうしの間隔は、鋼板長手方向に、および/または、鋼板幅方向に前記ノズルヘッダを分割することによって形成されることを好適条件とする。分割方法としては、長手方向に分割する方法、即ち、図6(a)のように幅方向1列分を1ヘッダとする方法や、幅方向および長手方向に分割する方法、即ち、図6(b)のように幅・長手数個分を1ヘッダとする方法などがあげられる。それぞれのノズルヘッダ9間の隙間をあけることで、排出開口面積を広げることができる。尚、ヘッダの分割方法は、図6に限るものではなく、幅方向、長手方向での冷却能力調整方法あるいは設備上の制約によって、種々の組合せが考えられる。ノズルヘッダ9を分割することで、スプレーノズル10から噴射された液滴が速やかに排出され、局部的な過冷却を防止することができる。
以上からなる本発明の鋼板の竪型冷却装置を用いて、溶融亜鉛めっき鋼板を製造する。具体的には、鋼板を連続焼鈍した後、溶融亜鉛めっき浴に浸漬し、ガスワイピングノズルで亜鉛付着量を調整した後、必要に応じて合金化処理装置で加熱して合金化処理し、その後、本発明の鋼板の竪型冷却装置で冷却する。
質量%で、C:0.001%、Si:0.12%、Mn:0.8%、P:0.020%、S:0.005%、残部Fe及び不可避的不純物からなる成分組成を有し、板厚0.65mmで引張強さTSが340MPaの鋼板を素材鋼板とし、図1に示す連続式溶融亜鉛めっき設備で溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。連続式溶融亜鉛めっき設備では、鋼板を連続焼鈍した後、浴温470℃の溶融亜鉛めっき浴1に浸漬し、ガスワイピングノズル5で亜鉛付着量を45g/mとなるように調整した後、520℃まで合金化処理装置3で加熱して合金化処理し、その後、ミスト冷却装置4で300℃まで冷却した。冷却水の偏りや滞留がない状態であるオフライン冷却実験では、遷移沸騰は発生しない水量条件としてある。
本発明例では、ミスト冷却装置4の出側位置に赤外線サーモグラフィー(図示せず)を設置した。また、冷媒として水と空気を混合させた水ミストを用い、スプレーノズル10として、フラットスプレー型ノズルを鋼板幅方向に200mm間隔で9箇所に設け、各ノズルからの水ミスト噴射量を冷却水流量調整弁(図示せず)による冷却水量の調整によって制御できるようにした。一方、水ミスト用の冷却エアは常時一定圧力(各配管ヘッダ部分で50kPa)で噴射するようにした。なお、スプレーノズル10は鋼板進行方向(鋼板長手方向)に200mm間隔で40列、隣接するスプレーノズル10が幅方向で50mmずつずれるように、鋼板からノズル噴射口までは200mmで配置されている。なお、個々のスプレーノズル10に流量計を設置するのが困難な場合は、冷媒噴射ノズル群を鋼板進行方向で列単位の複数ゾーンに分けてゾーン毎の冷却水量を測定し、個別のノズルについては、冷媒噴射ノズル直前の流量と流量調整弁開度、配管圧力の関係を予め把握しておき、流量調整弁開度と配管圧力を常時監視することで、適正条件に管理することができる。水ミストの排出用ブロアの排気能力は、冷却エアと冷却水の合計量よりも大きいものを選定し、ボックス内の排出口は幅方向に表裏それぞれ3分割した。排出口の幅は、センター部1100mm、両サイドは550mmとした。ヘッダタイプや、開口面積率などの条件について、表1に示す。
一方、比較例はノズル数や水量条件は本発明例と同等で、開口面積率を24%とした例である。
Figure 0005928412
本発明例では、均一な温度分布が実現し、ストレッチャーストレインが発生しない鋼板を製造可能となった。一方、比較例では、ミスト液滴の排出が悪いために局所的な過冷却が発生し、その後のプレス加工時にストレッチャーストレインが発生した。
1 溶融亜鉛浴
2 シンクロール
3 合金化処理装置
4 竪型冷却装置(ミスト冷却装置)
5 ガスワイピングノズル
6 温度計
7 浴中サポートロール
8 浴上サポートロール
9 ノズルヘッダ
10 スプレーノズル
11 液滴漏れ防止装置
12 水受けパン
13 排出口
14 シール装置
15 ボックス
S 鋼板

Claims (5)

  1. 上下に開口を有し、内部を鋼板が上向き又は下向きに走行するボックスと、
    該鋼板に水ミストを噴射する鋼板長手および/または幅方向に複数個配設したスプレーノズルを備えるノズルヘッダと、
    下側開口からの水漏れを防止するシール機構とを備える鋼板の竪型冷却装置において、
    前記ボックス内の液滴の排出を行う排出口を備え、
    前記ノズルヘッダどうしは、開口面積率が30%以上である排出用の隙間を有するように離隔して設置されることを特徴とする鋼板の竪型冷却装置。
    なお、前記開口面積率とは、鋼板側から見た片面側のノズルヘッダとボックスとで形成される断面積におけるノズルヘッダ間の隙間の総面積とボックス面積の割合であり、(ノズルヘッダ間の隙間の総面積/ボックス面積)×100で求められる値である。
  2. 前記ノズルヘッダどうしの間隔は、鋼板長手方向に前記ノズルヘッダを分割することによって形成されることを特徴とする請求項1に記載の鋼板の竪型冷却装置。
  3. 前記ノズルヘッダどうしの間隔は、鋼板幅方向に前記ノズルヘッダを分割することによって形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の鋼板の竪型冷却装置。
  4. 前記排出口は、鋼板幅方向に3つ以上に分割されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の鋼板の竪型冷却装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の鋼板の竪型冷却装置を用いて、溶融亜鉛めっき鋼板を製造することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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