以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、ここでは、置換又は無置換を明示していない基及び原子団には、置換基を有していないものと置換基を有しているものとの双方が含まれることとする。例えば、置換又は無置換を明示していない「アルキル基」は、置換基を有していないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有しているアルキル基(置換アルキル基)をも包含することとする。
<感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物>
まず、本発明に係る組成物について説明する。この組成物は、例えば、レジスト組成物である。本発明に係る組成物は、ネガ型の現像に用いてもよく、ポジ型の現像に用いてもよい。即ち、この組成物は、有機溶剤を含んだ現像液を用いた現像に用いてもよく、アルカリ現像液を用いた現像に用いてもよい。本発明に係る組成物は、典型的には、ネガ型の現像、即ち有機溶剤を含んだ現像液を用いた現像に用いられる。即ち、本発明に係る組成物は、典型的には、ネガ型のレジスト組成物である。
本発明に係る組成物は、[A]樹脂と、[B]溶剤とを含んでいる。この組成物は、[C]活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物(以下、酸発生剤ともいう)、[D]塩基性化合物、[E]疎水性樹脂、[F]界面活性剤、及び[G]その他の添加剤の少なくとも1つを更に含んでいてもよい。以下、これら各成分について、順に説明する。
[A]樹脂
本発明に係る組成物は、樹脂を含有している。この樹脂は、活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する構造部位を備えた繰り返し単位〔以下、繰り返し単位(R)ともいう〕を含んでいる。
本発明者らは、このような樹脂を含有した組成物を、有機溶剤を含んだ現像液を用いたパターン形成に供すると、限界解像力、ラフネス特性、露光ラチチュード(EL)、及びブリッジ欠陥特性を大幅に向上させ得ることを見出している。その理由は必ずしも明らかではないが、本発明者らは、以下のように推測している。
即ち、酸発生剤として、活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する低分子化合物のみを使用すると、組成物及び組成物膜中において、酸発生剤の凝集が生じる可能性がある。これに対し、繰り返し単位(R)を含んだ樹脂を用いると、このような凝集を抑止することができる。それゆえ、こうすると、活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する構造部位を、組成物及び組成物膜中において、比較的均一に分布させることができる。したがって、こうすると、例えば、組成物のラフネス特性を向上させることができる。また、繰り返し単位(R)を含んだ樹脂を用いると、酸発生剤として上記低分子化合物のみを用いた場合と比較して、組成物膜中における酸の拡散性をより低下させることが可能となる。それゆえ、こうすると、例えば、露光ラチチュード(EL)を改善することができる。そして、以上の効果の組み合わせにより、際立って優れた解像力が実現可能となる。
また、繰り返し単位(R)を含んだ樹脂を用いると、露光部における低分子量の酸の量を減らすことができる。したがって、こうすると、有機溶剤を含んだ現像液を用いた場合に、露光部の現像液に対する溶解性を低下させ易い。それゆえ、繰り返し単位(R)を含んだ樹脂を用いた場合、有機溶剤を含んだ現像液に対する溶解コントラストが特に向上する。なお、アルカリ現像液を用いた場合には、露光部が溶解するため、このような機構による溶解コントラストの向上は生じない。
〔1〕繰り返し単位(R)
繰り返し単位(R)は、活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する構造部位を備えていれば、いかなる構造を有していてもよい。
繰り返し単位(R)は、下記一般式(III)〜(VII)の何れかにより表されることが好ましく、下記一般式(III)、(VI)及び(VII)の何れかにより表されることがより好ましく、下記一般式(III)により表されることが更に好ましい。
式中、
R04、R05及びR07〜R09は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。
R06は、シアノ基、カルボキシ基、−CO−OR25又は−CO−N(R26)(R27)を表す。R06が−CO−N(R26)(R27)を表す場合、R26とR27とは、互いに結合して、窒素原子と共に環を形成していてもよい。
X1〜X3は、各々独立に、単結合、又は、アリーレン基、アルキレン基、シクロアルキレン基、−O−、−SO2−、−CO−、−N(R33)−若しくはこれらの複数を組み合わせた2価の連結基を表す。
R25は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
R26、R27及びR33は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
Wは、−O−、−S−又はメチレン基を表す。
lは、0又は1を表す。
Aは、活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する構造部位を表す。
R04、R05及びR07〜R09は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。R04、R05及びR07〜R09の各々は、水素原子又はアルキル基であることが好ましい。
R04、R05及びR07〜R09のアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルキル基の炭素数は、20以下であることが好ましく、8以下であることがより好ましい。このアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、及びドデシル基が挙げられる。
R04、R05及びR07〜R09のシクロアルキル基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。このシクロアルキル基の炭素数は、3〜8であることが好ましい。このようなシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基が挙げられる。
R04、R05及びR07〜R09のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。これらのうち、フッ素原子が特に好ましい。
R04、R05及びR07〜R09のアルコキシカルボニル基のアルキル基部分としては、R04、R05及びR07〜R09のアルキル基として先に挙げたのと同様のものが好ましい。
R06は、シアノ基、カルボキシ基、−CO−OR25又は−CO−N(R26)(R27)を表す。R06は、カルボキシ基又は−CO−OR25であることが好ましい。
X1〜X3は、各々独立に、単結合、又は、アリーレン基、アルキレン基、シクロアルキレン基、−O−、−SO2−、−CO−、−N(R33)−若しくはこれらの複数を組み合わせた2価の連結基を表す。X1〜X3の各々は、−COO−又はアリーレン基を含んでいることが好ましく、−COO−を含んでいることがより好ましい。
X1〜X3の2価の連結基が含み得るアリーレン基は、炭素数が6〜14であることが好ましい。このようなアリーレン基としては、例えば、フェニレン基、トリレン基及びナフチレン基が挙げられる。
X1〜X3の2価の連結基が含み得るアルキレン基は、炭素数が1〜8であることが好ましい。このようなアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、及びオクチレン基が挙げられる。
X1〜X3の2価の連結基が含み得るシクロアルキレン基は、炭素数が5〜8であることが好ましい。このようなシクロアルキレン基としては、例えば、シクロペンチレン基及びシクロヘキシレン基が挙げられる。
R25は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基又はアラルキル基を表す。R25は、アルキル基であることが好ましい。
R26、R27及びR33は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基又はアラルキル基を表す。R26、R27及びR33の各々は、水素原子又はアルキル基であることが好ましい。
R25〜R27及びR33のアルキル基としては、例えば、R04、R05及びR07〜R09のアルキル基として先に説明したのと同様のものが挙げられる。
R25〜R27及びR33のシクロアルキル基としては、例えば、R04、R05及びR07〜R09のシクロアルキル基として先に説明したのと同様のものが挙げられる。
R25〜R27及びR33のアルケニル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルケニル基の炭素数は、2〜6であることが好ましい。このようなアルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、及びヘキセニル基が挙げられる。
R25〜R27及びR33のシクロアルケニル基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。このシクロアルケニル基の炭素数は、3〜6であることが好ましい。このようなシクロアルケニル基としては、例えば、シクロヘキセニル基が挙げられる。
R25〜R27及びR33のアリール基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。このアリール基は、炭素数が6〜14の芳香族基であることが好ましい。このようなアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、クロロフェニル基、メトキシフェニル基、及びナフチル基が挙げられる。なお、アリール基同士が互いに結合して、複環を形成していてもよい。
R25〜R27及びR33のアラルキル基は、炭素数が7〜15であることが好ましい。このようなアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、及びクミル基が挙げられる。
上述した通り、R26とR27とは、互いに結合して、窒素原子と共に環を形成していてもよい。この環は、5〜8員環であることが好ましい。このような環としては、例えば、ピロリジン環、ピペリジン環、及びピペラジン環が挙げられる。
Wは、−O−、−S−又はメチレン基を表す。Wは、メチレン基であることが好ましい。
lは、0又は1を表す。lは0であることが好ましい。
上述した各基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、ヒドロキシ基;ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素原子);ニトロ基;シアノ基;アミド基;スルホンアミド基;例えばR04〜R09、R25〜R27及びR33について先に挙げたアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、及びブトキシ基等のアルコキシ基;メトキシカルボニル基及びエトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;ホルミル基、アセチル基及びベンゾイル基等のアシル基;アセトキシ基及びブチリルオキシ基等のアシロキシ基;並びにカルボキシ基が挙げられる。置換基の炭素数は、8以下であることが好ましい。
Aは、活性光線又は放射線の照射により分解して酸を生じる構造部位を表す。この構造単位については、以下で詳しく説明する。
活性光線又は放射線の照射により分解して酸を生じる構造部位(例えば、上記Aにより表される構造部位)としては、例えば、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、及びマイクロレジスト等に使用されている、光により酸を発生する化合物が有する構造部位が挙げられる。
上記構造部位は、活性光線又は放射線の照射により樹脂の側鎖に酸基を発生する構造を有していることが好ましい。このような構造を採用すると、発生した酸の拡散が更に抑制され、解像度、露光ラチチュード(EL)及びパターン形状を更に改善することが可能となる。
この構造部位は、イオン性の構造を有していてもよく、非イオン性の構造を有していてもよい。上記構造部位としては、非イオン性の構造部位を採用することが好ましい。こうすると、上記構造部位としてイオン性の構造部位を採用した場合と比較して、ラフネス特性を更に向上させることができる。その理由は必ずしも明らかではないが、本発明者らは、以下のように推測している。即ち、有機溶剤を含んだ現像液を用いた場合、非イオン性の構造を採用することに起因して、非露光部の現像液への溶解性が更に向上する。そのため、有機溶剤を含んだ現像液に対する溶解コントラストが更に向上する。また、アルカリ現像液を用いた場合にも、非露光部が非イオン性の構造を有していることにより、膜減りが更に生じ難くなる。その結果として、パターン形状を更に良化することができる。
(非イオン性の構造部位)
上述した通り、繰り返し単位(R)は、活性光線又は放射線の照射により分解して酸を生じる非イオン性の構造部位を備えていることが好ましい。このような非イオン性の構造部位の好ましい例としては、オキシム構造を備えた構造部位が挙げられる。
非イオン性の構造部位としては、例えば、下記一般式(N1)により表される構造部位が挙げられる。この構造部位は、オキシムスルホネート構造を有している。
式中、
R1及びR2は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。ここで、アリール基及びアラルキル基における芳香環は、芳香族複素環であってもよい。
X1及びX2は、各々独立に、単結合又は2価の連結基を表す。X1及びX2は、互いに結合して、環を形成していてもよい。
R1及びR2のアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルキル基の炭素数は、30以下であることが好ましく、18以下であることがより好ましい。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、及びドデシル基が挙げられる。
R1及びR2のシクロアルキル基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。このシクロアルキル基の炭素数は、3〜30であることが好ましい。このようなシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基が挙げられる。
R1及びR2のアルケニル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルケニル基の炭素数は、2〜30であることが好ましい。このようなアルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、及びヘキセニル基が挙げられる。
R1及びR2のシクロアルケニル基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。このシクロアルケニル基の炭素数は、3〜30であることが好ましい。このようなシクロアルケニル基としては、例えば、シクロヘキセニル基が挙げられる。
R1及びR2のアリール基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。このアリール基は、炭素数が6〜30の芳香族基であることが好ましい。このようなアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、クロロフェニル基、メトキシフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、及びターフェニル基が挙げられる。なお、アリール基同士が互いに結合して、複環を形成していてもよい。
R1及びR2のアラルキル基は、炭素数が7〜15であることが好ましい。このようなアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、及びクミル基が挙げられる。
なお、上述した通り、アリール基及びアラルキル基における芳香環は、芳香族複素環であってもよい。即ち、これら基は、酸素原子、窒素原子、及び硫黄原子などのヘテロ原子を含んだ複素環構造を有していてもよい。
上記の各基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、ヒドロキシ基;ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素原子);ニトロ基;シアノ基;アミド基;スルホンアミド基;例えばR1及びR2について先に挙げたアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、及びブトキシ基等のアルコキシ基;メトキシカルボニル基及びエトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;ホルミル基、アセチル基及びベンゾイル基等のアシル基;アセトキシ基及びブチリルオキシ基等のアシロキシ基;並びにカルボキシ基が挙げられる。置換基の炭素数は、8以下であることが好ましい。
X1及びX2の2価の連結基としては、例えば、以下に挙げる基、又は、これら構造単位の少なくとも2つを組み合わせてなる基を挙げることができる。これら連結基は、置換基を有していてもよい。X1又はX2としての2価の連結基の原子数は、40以下であることが好ましい。
上記2価の連結基が有していてもよい置換基としては、例えば、先にR1及びR2について説明したのと同様のものが挙げられる。
上述した通り、X1及びX2は、互いに結合して、環を形成していてもよい。この環は、5〜7員環であることが好ましい。また、この環は、硫黄原子又は不飽和結合を含んでいてもよい。
上記一般式(N1)により表される構造部位は、下記一般式(N1−I)及び(N1−II)の何れかにより表されることがより好ましい。
式中、
R1aは、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜18、鎖中に2価の連結基を有していてもよい。)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜30、環内に2価の連結基を有していてもよい)、単環若しくは多環のアリール基(好ましくは炭素数6〜30、複数のアリール基が単結合、エーテル基又はチオエーテル基を介して結合してもよい)、ヘテロアリール基(好ましくは炭素数6〜30)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜12)、シクロアルケニル基(好ましくは炭素数4〜30)、アラルキル基(好ましくは炭素数7〜15、ヘテロ原子を有していてもよい)、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜6)又はフェノキシカルボニル基を表す。
R2aは、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜18、鎖中に2価の連結基を有していてもよい。)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜30、環内に2価の連結基を有していてもよい)、単環若しくは多環のアリール基(好ましくは炭素数6〜30、複数のアリール基が単結合、エーテル基、又はチオエーテル基を介して結合してもよい)、ヘテロアリール基(好ましくは炭素数6〜30)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜12)、シクロアルケニル基(好ましくは炭素数4〜30)、アラルキル基(好ましくは炭素数7〜15、ヘテロ原子を有していてもよい)、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜6)、フェノキシカルボニル基、アルカノイル基(好ましくは炭素数2〜18)、ベンゾイル基、ニトロ基、−S(O)p−アルキル基(好ましくは炭素数1〜18、式中pは1又は2を表す)、−S(O)p−アリール基(好ましくは炭素数6〜12、式中pは1又は2を表す)、−SO2O−アルキル基(好ましくは炭素数1〜18)又は−SO2O−アリール基(好ましくは炭素数6〜12)を表す。
R1a及びR2aは、互いに結合して、環(好ましくは5〜7員環)を形成していてもよい。
mは、0又は1を表す。
R3a及びR4aは、各々独立に、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜18、鎖中に2価の連結基を有していてもよい。)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜30、環内に2価の連結基を有していてもよい)、単環若しくは多環のアリール基(好ましくは炭素数6〜30、複数のアリール基が単結合、エーテル基、チオエーテル基を介して結合してもよい)、ヘテロアリール基(好ましくは炭素数6〜30)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜12)、シクロアルケニル基(好ましくは炭素数4〜30)、シアノ基、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜6)、フェノキシカルボニル基、アルカノイル基(好ましくは炭素数2〜18)、ベンゾイル基、ニトロ基、シアノ基、−S(O)p−アルキル基(好ましくは炭素数1〜18、式中pは1又は2を表す)、−S(O)p−アリール基(好ましくは炭素数6〜12、式中pは1又は2を表す)、−SO2O−アルキル基(好ましくは炭素数1〜18)又は−SO2O−アリール基(好ましくは炭素数6〜12)を表す。
R3a及びR4aは、互いに結合して、環(好ましくは5〜7員環)を形成していてもよい。
R5a及びR6aは、各々独立に、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜18)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜30、環内に2価の連結基を有していてもよい)、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アリール基(好ましくは炭素数6〜30)又はヘテロアリール基(好ましくは炭素数6〜30)を表す。
R1a〜R6a中の2価の連結基としては、前記一般式(N1)におけるX1およびX2と同様の2価の連結基が挙げられ、エーテル基又はチオエーテル基がより好ましい。
Gは、エーテル基又はチオエーテル基を表す。
上述した各基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、ヒドロキシ基;ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素原子);ニトロ基;シアノ基;アミド基;スルホンアミド基;例えば一般式(N1)のR1及びR2について先に挙げたアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、及びブトキシ基等のアルコキシ基;メトキシカルボニル基及びエトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;ホルミル基、アセチル基及びベンゾイル基等のアシル基;アセトキシ基及びブチリルオキシ基等のアシロキシ基;並びにカルボキシ基が挙げられる。置換基の炭素数は、8以下であることが好ましい。
以下に、一般式(N1−I)又は(N1−II)により表される基の具体例を挙げる。
或いは、非イオン性の構造部位として、下記一般式(N2)〜(N9)の何れかにより表される構造部位も挙げられる。非イオン性の構造部位としては、一般式(N1)〜(N4)の何れかにより表される構造部位がより好ましく、一般式(N1)により表される構造部位が更に好ましい。
式中、
Ar6及びAr7は、各々独立に、アリール基を表す。このアリール基としては、例えば、先にR25〜R27及びR33について説明したのと同様のものが挙げられる。
R04は、アリーレン基、アルキレン基又はアルケニレン基を表す。このアルケニレン基は、炭素数が2〜6であることが好ましい。このようなアルケニレン基としては、例えば、エテニレン基、プロペニレン基及びブテニレン基が挙げられる。このアルケニレン基は、置換基を有していてもよい。R04のアリーレン基及びアルキレン基並びにR04により表される基が有していてもよい置換基としては、例えば、先にX1〜X3の2価の連結基について説明したのと同様のものが挙げられる。
R05〜R09、R013及びR015は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基が挙げられる。これら基としては、例えば、先にR25〜R27及びR33について説明したのと同様のものが挙げられる。なお、R05〜R09、R013及びR015のアルキル基が置換基を有している場合、このアルキル基は、ハロアルキル基であることが好ましい。
R011及びR014は、各々独立に、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素原子)、先に好ましい置換基として示したアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、又はアシロキシ基を表す。
R012は、ニトロ基、シアノ基、又は、過フルオロアルキル基を表す。この過フルオロアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基及びペンタフルオロエチル基が挙げられる。
非イオン性の構造部位の具体例としては、後述する繰り返し単位(R)の具体例における対応した部位を挙げることができる。
(イオン性の構造部位)
上述した通り、繰り返し単位(R)は、活性光線又は放射線の照射により分解して酸を生じるイオン性の構造部位を備えていてもよい。
イオン性の構造部位としては、例えば、オニウム塩を含んだ構造部位が挙げられる。このような構造単位としては、例えば、下記一般式(ZI)及び(ZII)の何れかにより表される構造単位が挙げられる。下記一般式(ZI)及び(ZII)により表される構造単位は、それぞれ、スルホニウム塩及びヨードニウム塩を含んでいる。
まず、一般式(ZI)により表される構造単位について説明する。
一般式(ZI)中、
R201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
R201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
Z-は、活性光線又は放射線の照射により分解して発生する酸アニオンを示し、非求核性アニオンが好ましい。非求核性アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン(−SO3 -)、カルボン酸アニオン(−CO2 -)、イミド酸アニオン、及びメチド酸アニオンが挙げられる。このイミド酸アニオンは、下記一般式(AN−1)により表されることが好ましい。また、メチド酸アニオンは、下記一般式(AN−2)により表されることが好ましい。
式中、
XA、XB1及びXB2は、各々独立に、−CO−又は−SO2−を表す。
RA、RB1及びRB2は、各々独立に、アルキル基を表す。このアルキル基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、フッ素原子が特に好ましい。
なお、RB1とRB2とは、互いに結合して、環を形成していてもよい。また、RA、RB1及びRB2の各々は、繰り返し単位(R)の側鎖を構成している任意の原子と結合して、環を形成していてもよい。この場合、RA、RB1及びRB2の各々は、例えば、単結合又はアルキレン基を表す。
非求核性アニオンとは、求核反応を起こす能力が著しく低いアニオンであり、分子内求核反応による経時分解を抑制することができるアニオンである。これにより樹脂の経時安定性が向上し、組成物の経時安定性も向上する。
上記一般式(ZI)におけるR201、R202及びR203の有機基としては、例えば、後述する構造単位(ZI−1)、(ZI−2)、(ZI−3)又は(ZI−4)における対応する基を挙げることができる。
構造単位(ZI−1)は、上記一般式(ZI)のR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である構造単位である。即ち、構造単位(ZI−1)は、アリールスルホニウムをカチオンとする構造単位である。
この構造単位では、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基又はシクロアルキル基でもよい。構造単位(ZI−1)としては、例えば、トリアリールスルホニウム、ジアリールアルキルスルホニウム、アリールジアルキルスルホニウム、ジアリールシクロアルキルスルホニウム、アリールジシクロアルキルスルホニウムに相当する構造単位を挙げることができる。
アリールスルホニウムにおけるアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。アリール基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造としては、ピロール、フラン、チオフェン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン等の構造を挙げることができる。アリールスルホニウムが2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウムが必要に応じて有しているアルキル基又はシクロアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖又は分岐アルキル基及び炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
R201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がフェニル基の場合に、置換基は、フェニル基のp−位に置換していることが好ましい。
次に、構造単位(ZI−2)について説明する。
構造単位(ZI−2)は、一般式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を有さない有機基を表す構造単位である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
R201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
R201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、更に好ましくは直鎖又は分岐の2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、特に好ましくは直鎖又は分岐2−オキソアルキル基である。
R201〜R203のアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。アルキル基として、より好ましくは2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基を挙げることができる。シクロアルキル基として、より好ましくは、2−オキソシクロアルキル基を挙げることができる。
2−オキソアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、好ましくは、上記のアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
2−オキソシクロアルキル基は、好ましくは、上記のシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。
R201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
構造単位(ZI−3)とは、下記一般式(ZI−3)により表される構造単位である。この構造単位は、フェナシルスルフォニウム塩構造を有している。
式中、
R1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又はフェニルチオ基を表す。
R6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアリール基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アリル基又はビニル基を表す。
R1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。R1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRxとRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
Zc-は、活性光線又は放射線の照射により分解して発生する酸アニオンを表し、好ましくは、非求核性アニオンを表す。このアニオンとしては、一般式(ZI)に於けるZ-と同様のものを挙げることができる。
R1c〜R7cとしてのアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜20個のアルキル基、好ましくは炭素数1〜12個の直鎖及び分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐プロピル基、直鎖又は分岐ブチル基、直鎖又は分岐ペンチル基)を挙げることができ、シクロアルキル基としては、例えば炭素数3〜8個のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
R1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
好ましくは、R1c〜R5cの内のいずれかが直鎖又は分岐アルキル基、シクロアルキル基又は直鎖、分岐もしくは環状アルコキシ基であり、更に好ましくは、R1c〜R5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
R6c及びR7cとしてのアリール基としては、好ましくは炭素数5〜15であり、例えば、フェニル基、ナフチル基を挙げることができる。
R6cとR7cとが結合して環を形成する場合に、R6cとR7cとが結合して形成する基としては、炭素数2〜10のアルキレン基が好ましく、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基などを挙げることができる。また、R6cとR7cとが結合して形成する環は、環内に酸素原子等のヘテロ原子を有していてもよい。
Rx及びRyとしてのアルキル基及びシクロアルキル基は、R1c〜R7cおけると同様のアルキル基及びシクロアルキル基を挙げることができる。
2−オキソアルキル基及び2−オキソシクロアルキル基は、R1c〜R7cとしてのアルキル基及びシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルアルキル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cおけると同様のアルコキシ基を挙げることができ、アルキル基については、例えば、炭素数1〜12のアルキル基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖(例えば、メチル基、エチル基を挙げることができる。
アリル基としては、特に制限は無いが、無置換又は単環若しくは多環のシクロアルキル基で置換されたアリル基であることが好ましい。
ビニル基としては特に制限は無いが、無置換又は単環若しくは多環のシクロアルキル基で置換されたビニル基であることが好ましい。
Rx及びRyが互いに結合して形成してもよい環構造としては、2価のRx及びRy(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等)が一般式(ZI−3)中の硫黄原子と共に形成する5員又は6員の環、特に好ましくは5員の環(即ち、テトラヒドロチオフェン環)が挙げられる。
Rx及びRyは、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基又はシクロアルキル基であり、より好ましくは6個以上、更に好ましくは8個以上のアルキル基又はシクロアルキル基である。
以下に、構造単位(ZI−3)のカチオン部分の具体例を挙げる。
構造単位(ZI−4)は、下記一般式(ZI−4)により表される構造単位である。
式中、
R13は水素原子、フッ素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、又は単環もしくは多環のシクロアルキル骨格を有する基を表す。これらの基は置換基を有してもよい。
R14は複数存在する場合は各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、又は単環もしくは多環のシクロアルキル骨格を有する基を表す。これらの基は置換基を有してもよい。
R15は各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基又はナフチル基を表す。2個のR15が互いに結合して環を形成してもよい。これらの基は置換基を有してもよい。
lは0〜2の整数を表す。
rは0〜8の整数を表す。
Z-は、活性光線又は放射線の照射により分解して発生する酸アニオンを表し、好ましくは、非求核性アニオンを表す。このアニオンとしては、一般式(ZI)に於けるZ-と同様のものを挙げることができる。
一般式(ZI−4)において、R13、R14及びR15のアルキル基としては、直鎖状若しくは分岐状であり、炭素原子数1〜10のものが好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。これらのアルキル基のうち、メチル基、エチル基、n−ブチル基、t−ブチル基等が好ましい。
R13、R14及びR15のシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル、シクロオクチル、シクロドデカニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロオクタジエニル、ノルボルニル、トリシクロデカニル、テトラシクロデカニル、アダマンチル等があげられ、特にシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチルが好ましい。
R13及びR14のアルコキシ基としては、直鎖状若しくは分岐状であり、炭素原子数1〜10のものが好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等を挙げることができる。これらのアルコキシ基のうち、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等が好ましい。
R13及びR14のアルコキシカルボニル基としては、直鎖状若しくは分岐状であり、炭素原子数2〜11のものが好ましく、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、ネオペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、n−ノニルオキシカルボニル基、n−デシルオキシカルボニル基等を挙げることができる。これらのアルコキシカルボニル基のうち、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基等が好ましい。
R13及びR14の単環もしくは多環のシクロアルキル骨格を有する基としては、例えば、単環もしくは多環のシクロアルキルオキシ基、及び、単環もしくは多環のシクロアルキル基を有するアルコキシ基が挙げられる。これら基は、置換基を更に有していてもよい。
R13及びR14の単環若しくは多環のシクロアルキルオキシ基としては、総炭素数が7以上であることが好ましく、総炭素数が7以上15以下であることがより好ましく、また、単環のシクロアルキル骨格を有することが好ましい。総炭素数7以上の単環のシクロアルキルオキシ基とは、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、シクロドデカニルオキシ基等のシクロアルキルオキシ基に、任意にメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、iso−アミル基等のアルキル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基、アセトキシ基、ブチリルオキシ基等のアシロキシ基、カルボキシ基等の置換基を有する単環のシクロアルキルオキシ基であって、該シクロアルキル基上の任意の置換基と合わせた総炭素数が7以上のものを表す。
また、総炭素数が7以上の多環のシクロアルキルオキシ基としては、ノルボルニルオキシ基、トリシクロデカニルオキシ基、テトラシクロデカニルオキシ基、アダマンタンチルオキシ基等が挙げられる。
R13及びR14の単環若しくは多環のシクロアルキル骨格を有するアルコキシ基としては、総炭素数が7以上であることが好ましく、総炭素数が7以上15以下であることがより好ましく、また、単環のシクロアルキル骨格を有するアルコキシ基であることが好ましい。総炭素数7以上の、単環のシクロアルキル骨格を有するアルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプトキシ、オクチルオキシ、ドデシルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、イソプロポキシ、sec-ブトキシ、t-ブトキシ、iso−アミルオキシ等のアルコキシ基に上述の置換基を有していてもよい単環シクロアルキル基が置換したものであり、置換基も含めた総炭素数が7以上のものを表す。例えば、シクロヘキシルメトキシ基、シクロペンチルエトキシ基、シクロヘキシルエトキシ基等が挙げられ、シクロヘキシルメトキシ基が好ましい。
また、総炭素数が7以上の多環のシクロアルキル骨格を有するアルコキシ基としては、ノルボルニルメトキシ基、ノルボルニルエトキシ基、トリシクロデカニルメトキシ基、トリシクロデカニルエトキシ基、テトラシクロデカニルメトキシ基、テトラシクロデカニルエトキシ基、アダマンタンチルメトキシ基、アダマンタンチルエトキシ基等が挙げられ、ノルボルニルメトキシ基、ノルボルニルエトキシ基等が好ましい。
R14のアルキルカルボニル基のアルキル基としては、上述したR13〜R15としてのアルキル基と同様の具体例が挙げられる。
R14のアルキルスルホニル基及びシクロアルキルスルホニル基としては、直鎖状、分岐状、環状であり、炭素原子数1〜10のものが好ましく、例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、n−プロパンスルホニル基、n−ブタンスルホニル基、tert−ブタンスルホニル基、n−ペンタンスルホニル基、ネオペンタンスルホニル基、n−ヘキサンスルホニル基、n−ヘプタンスルホニル基、n−オクタンスルホニル基、2−エチルヘキサンスルホニル基n−ノナンスルホニル基、n−デカンスルホニル基、シクロペンタンスルホニル基、シクロヘキサンスルホニル基等を挙げることができる。これらのアルキルスルホニル基及びシクロアルキルスルホニル基のうちメタンスルホニル基、エタンスルホニル基、n−プロパンスルホニル基、n−ブタンスルホニル基、シクロペンタンスルホニル基、シクロヘキサンスルホニル基等が好ましい。
上記各基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子)、ヒドロキシル基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基等を挙げることができる。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の炭素原子数1〜20の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシ基等を挙げることができる。
前記アルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、2−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、2−エトキシエチル基等の炭素原子数2〜21の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシアルキル基等を挙げることができる。
前記アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル等の炭素原子数2〜21の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシカルボニル基等を挙げることができる。
前記アルコキシカルボニルオキシ基としては、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、シクロペンチルオキシカルボニルオキシ基、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ等の炭素原子数2〜21の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシカルボニルオキシ基等を挙げることができる。
2個のR15が互いに結合して形成してもよい環構造としては、2個の2価のR15が一般式(ZI−4)中の硫黄原子と共に形成する5員又は6員の環、特に好ましくは5員の環(即ち、テトラヒドロチオフェン環)が挙げられ、アリール基又はシクロアルキル基と縮環していてもよい。この2価のR15は置換基を有してもよく、置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基等を挙げることができる。一般式(ZI−4)におけるR15としては、メチル基、エチル基、ナフチル基、2個のR15が互いに結合して硫黄原子と共にテトラヒドロチオフェン環構造を形成する2価の基等が好ましい。
R13及びR14が有し得る置換基としては、ヒドロキシ基、アルコキシ基、又はアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子(特に、フッ素原子)が好ましい。
lとしては、0又は1が好ましく、1がより好ましい。
rとしては、0〜2が好ましい。
以下に、構造単位(ZI−4)のカチオン部分の具体例を挙げる。
次に、一般式(ZII)により表される構造単位について説明する。
一般式(ZII)中、R204〜R205は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
R204〜R205のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基の具体例や好適な態様などは、前述の構造単位(ZI−1)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基として説明したアリール基と同様である。
R204〜R205のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。この置換基としても、前述の構造単位(ZI−1)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基が有していてもよいものが挙げられる。
Z-は、活性光線又は放射線の照射により分解して発生する酸アニオンを示し、非求核性アニオンが好ましく、一般式(ZI)に於けるZ-と同様のものを挙げることができる。
イオン性の構造単位としては、下記一般式(ZCI)又は(ZCII)により表される構造単位も好ましい。
式中、
R301、R302は、各々独立に、有機基を表す。
R301、R302としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R301〜R302が結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
R301、R302の有機基として具体的には、例えば前記一般式(ZI)におけるR201〜R203の例として挙げたアリール基、アルキル基、シクロアルキル基等を挙げることができる。
Mは、プロトンが付与して酸を形成する原子団を表す。
R303は有機基を表す。R303としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。R303の有機基として具体的には、例えば前記一般式(ZII)におけるR204、R205の具体例として挙げたアリール基、アルキル基、シクロアルキル基等を挙げることができる。
以下に、イオン性の構造単位の具体例を挙げる。
繰り返し単位(R)としては、例えば、下記一般式(III−1)〜(III−6)、一般式(IV−1)〜(IV−4)、及び一般式(V−1)〜(V−2)の何れかにより表されるものも挙げることができる。
上記一般式中、Ar1aは、先にX1 〜X3について説明したのと同様のアリーレン基を表す。
Ar2 a 〜Ar4 aは、前記の一般式(ZI)及び(ZII)におけるR201〜R203及びR204〜R205について説明したのと同様のアリール基を表す。
R01は、水素原子、メチル基、クロロメチル基、トリフルオロメチル基、又はシアノ基を表す。
R02及びR021は、先にX1 〜X3について説明したのと同様の、単結合、アリーレン基、アルキレン基、シクロアルキレン基、−O−、−SO2 −、CO−、−N(R33)−又はこれらの複数を組み合わせた2価の連結基を表す。
R03及びR019は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表す。これら基としては、例えば、先にR25について説明したのと同様のものが挙げられる。
繰り返し単位(R)の好ましいものとして、更に、下記一般式(I−7)〜(I−34)の何れかにより表されるものを挙げることができる。
上記一般式中、Ar1 及びAr5は、例えば先にX1 〜X3について説明したのと同様のアリーレン基を表す。Ar2 〜Ar3 及びAr6 〜Ar7 は、例えば先にR25〜R27及びR33について説明したのと同様のアリール基を表す。R01は、先に一般式(III−1)〜(III−6)、一般式(IV−1)〜(IV−4)、及び一般式(V−1)〜(V−2)について説明したものと同義である。
R02は、例えば先にX1 〜X3について説明したのと同様の、アリーレン基、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表す。R03、R05〜R010 、R013 及びR015は、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。R04は、アリーレン基、アルキレン基、又はアルケニレン基を表す。このアルケニレン基としては、置換基を有していてもよい、エチレン基、プロペニレン基、ブテニレン基等の炭素数2〜6個のアルケニレン基が好ましい。
R011及びR014 は、水酸基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、例えば先に好ましい更なる置換基として示したアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、又はアシロキシ基を表す。
R012 は、ニトロ基、シアノ基、又は、トリフルオロメチル基及びペンタフルオロエチル基等の過フルオロアルキル基を表す。
X- は、酸アニオンを表し、好ましくは非求核性アニオンを表す。X-としては、例えば、アリールスルホン酸、ヘテロアリールスルホン酸、アルキルスルホン酸、シクロアルキルスルホン酸、及び過フルオロアルキルスルホン酸のアニオンが挙げられる。
樹脂に占める繰り返し単位(R)の含有量は、全繰り返し単位に対して、0.5〜80モル%の範囲内であることが好ましく、1〜60モル%の範囲内であることがより好ましく、3〜40モル%の範囲内であることが特に好ましい。
繰り返し単位(R)に相当するモノマーの合成方法としては、特に限定されないが、例えば、前記繰り返し単位に対応する重合性不飽和結合を有する酸アニオンと既知のオニウム塩のハライドを交換して合成する方法が挙げられる。
より具体的には、前記繰り返し単位に対応する重合性不飽和結合を有する酸の金属イオン塩(例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)あるいはアンモニウム塩(アンモニウム、トリエチルアンモニウム塩等)と、ハロゲンイオン(塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等)を有するオニウム塩を、水あるいはメタノールの存在下で攪拌し、アニオン交換反応を行い、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロキシフラン等の有機溶媒と水で分液・洗浄操作をすることにより、目的とする繰り返し単位(R)に相当するモノマーを合成することができる。
また、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロキシフラン等の水との分離が可能な有機溶媒と水の存在下で攪拌してアニオン交換反応を行った後に、水で分液・洗浄操作をすることによって合成することもできる。
以下に、繰り返し単位(R)の具体例を挙げる。
〔2〕酸分解性基を備えた繰り返し単位
上記樹脂は、典型的には、酸分解性基(酸の作用により分解して極性基を生じる基)を備えた繰り返し単位を更に含んでいる。この繰り返し単位は、酸分解性基を、主鎖及び側鎖の一方のみに備えていてもよく、これらの両方に備えていてもよい。
酸分解性基は、極性基が酸の作用により分解し脱離する基によって保護された構造を有していることが好ましい。この極性基としては、例えば、フェノール性ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコール性ヒドロキシ基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、及びトリス(アルキルスルホニル)メチレン基が挙げられる。
好ましい極性基としては、例えば、カルボキシ基、アルコール性ヒドロキシ基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、及びスルホン酸基が挙げられる。
酸分解性基として好ましい基は、これらの極性基の水素原子を、酸の作用により脱離する基で置換した基である。
酸の作用により脱離する基としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、及び−C(R01)(R02)(OR39)が挙げられる。式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。R36とR37とは、互いに結合して、環を形成していてもよい。R01〜R02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
好ましい酸分解性基としては、例えば、クミルエステル基、エノールエステル基、アセタールエステル基、第3級のアルキルエステル基、及びアルコール性ヒドロキシ基が挙げられる。特に好ましい酸分解性基としては、例えば、第3級アルキルエステル基及びアルコール性ヒドロキシ基が挙げられる。
酸分解性基を備えた好ましい繰り返し単位としては、例えば、後述する繰り返し単位(R1)及び(R2)の少なくとも一方が挙げられる。
<繰り返し単位(R1)>
繰り返し単位(R1)は、第3級アルキルエステル基を備えている。繰り返し単位(R1)は、例えば、下記一般式(AI)により表される。
式中、Xa1は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基又は−CH2−R9で表される基を表す。ここで、R9は、ヒドロキシ基又は1価の有機基を表す。
Tは、単結合又は2価の連結基を表す。
Rx1〜Rx3は、各々独立に、アルキル基(直鎖若しくは分岐)又はシクロアルキル基(単環若しくは多環)を表す。Rx1〜Rx3の少なくとも2つが結合して、シクロアルキル基(単環若しくは多環)を形成していてもよい。
上記一般式(AI)により表される繰り返し単位は、酸の作用により分解して、下記一般式(AI’)により表される繰り返し単位へと変換される。
式中、Xa1及びTは、一般式(AI)における各々と同義である。
一般式(AI)により表される繰り返し単位が一般式(AI’)により表される繰り返し単位へと変換されることにより、樹脂の溶解パラメータが変化する。この変化の大きさは、例えば、一般式(AI)における各基(特にはRx1〜Rx3により表される基)の構成、及び、樹脂の全繰り返し単位に対する一般式(AI)により表される繰り返し単位の含有量に依存する。
一般式(AI)におけるXa1及びTは、典型的には、酸の作用による分解の前後で変化しない。したがって、これら基は、一般式(AI)により表される繰り返し単位に必要な性質に応じて適宜選択することができる。
Xa1は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基又は−CH2−R9で表される基を表す。ここで、R9は、ヒドロキシ基又は1価の有機基を表す。このR9としては、例えば、アシル基又は炭素数5以下のアルキル基が挙げられ、好ましくは炭素数3以下のアルキル基であり、さらに好ましくはメチル基である。Xa1は、好ましくは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
Tの2価の連結基としては、例えば、アルキレン基、−COO−Rt−基、及び−O−Rt−基が挙げられる。式中、Rtは、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表す。
Tは、単結合又は−COO−Rt−基が好ましい。Rtは、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、−CH2−基又は−(CH2)3−基がより好ましい。
Rx1〜Rx3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のものが好ましい。
Rx1〜Rx3のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、又は、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基及びアダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx1〜Rx3の少なくとも2つが結合して形成されるシクロアルキル基としては、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、又は、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基及びアダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。これらのうち、炭素数5〜6の単環のシクロアルキル基が特に好ましい。
特には、Rx1がメチル基またはエチル基であり、Rx2とRx3とが結合して上述のシクロアルキル基を形成している態様が好ましい。
上記各基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基(炭素数1〜4)、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基(炭素数1〜4)、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜6)などが挙げられ、炭素数8以下が好ましい。
樹脂は、一般式(AI)により表される繰り返し単位として、下記一般式(I)により表される繰り返し単位及び下記一般式(II)により表される繰り返し単位の少なくとも一方を含んでいることがより好ましい。
式(I)および(II)中、
R1及びR3は、各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基又は−CH2−R9で表される基を表す。R9は、ヒドロキシ基又は1価の有機基を表す。
R2、R4、R5及びR6は、各々独立して、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rは、R2が結合している炭素原子と共に脂環構造を形成するために必要な原子団を表す。
R1は、好ましくは水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
R2におけるアルキル基は、直鎖型でも分岐型でもよく、置換基を有していてもよい。
R2におけるシクロアルキル基は、単環でも多環でもよく、置換基を有していてもよい。
R2は好ましくはアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5のものであり、例えばメチル基、エチル基が挙げられる。
Rは、炭素原子とともに脂環構造を形成するのに必要な原子団を表す。Rが形成する脂環構造としては、好ましくは、単環の脂環構造であり、その炭素数は好ましくは3〜7、より好ましくは5または6である。
R3は好ましくは水素原子またはメチル基であり、より好ましくはメチル基である。
R4、R5及びR6におけるアルキル基は、直鎖型でも分岐型でもよく、置換基を有していてもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のものが好ましい。
R4、R5及びR6におけるシクロアルキル基は、単環でも多環でもよく、置換基を有していてもよい。シクロアルキル基としては、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、又は、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基及びアダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。
一般式(I)により表される繰り返し単位としては、例えば、下記一般式(1−a)により表される繰り返し単位が挙げられる。
式中、R1及びR2は、一般式(1)における各々と同義である。
また、一般式(II)により表される繰り返し単位は、以下の一般式(II−1)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
式(II−1)中、
R3〜R5は、一般式(II)におけるものと同義である。
樹脂は、繰り返し単位(R1)を2種類以上含んでいてもよい。例えば、樹脂は、一般式(AI)により表される繰り返し単位として、一般式(I)により表される繰り返し単位の少なくとも2種を含んでいてもよい。
樹脂が繰り返し単位(R1)を含んでいる場合、その合計としての含有率は、樹脂中の全繰り返し単位に対し、10〜99mol%が好ましく、より好ましくは20〜90mol%であり、更に好ましくは30〜80mol%である。
繰り返し単位(R1)の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
具体例中、Rx、Xa1は、水素原子、CH3、CF3、又はCH2OHを表す。Rxa、Rxbはそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基を表す。
樹脂が複数の繰り返し単位(R1)を含んでいる場合、それらの組み合わせとしては、以下に挙げるものが好ましい。下式において、Rは、各々独立に、水素原子又はメチル基を表す。
<繰り返し単位(R2)>
繰り返し単位(R2)は、酸の作用により分解してアルコール性ヒドロキシ基を生じる基を備えた繰り返し単位である。樹脂がこのような繰り返し単位を含んでいる場合、酸分解性基の分解による上記樹脂の極性変化が大きくなり、有機溶剤を含んだ現像液に対する溶解コントラストが更に向上する。また、この場合、露光後加熱(PEB)時の膜厚の低下を更に抑制することができる。加えて、この場合、アルカリ現像液及び有機溶剤を含んだ現像液の何れを用いた場合でも、解像力を更に向上させることが可能となる。
なお、上記の基が酸の作用により分解して生じ得るアルコール性ヒドロキシ基のpKaは、例えば12以上であり、典型的には12以上且つ20以下である。このpKaが過度に小さいと、樹脂を含んだ組成物の安定性が低下し、レジスト性能の経時変動が大きくなる場合がある。なお、ここで「pKa」とは、富士通株式会社製「ACD/pKa DB」を用いて、カスタマイズをしていない初期設定のもとで計算した値である。
繰り返し単位(R2)は、酸の作用により分解してアルコール性ヒドロキシ基を生じる基を2つ以上備えていることが好ましい。こうすると、有機溶剤を含んだ現像液に対する溶解コントラストを更に向上させることができる。
繰り返し単位(R2)は、下記一般式(I−1)乃至(I−10)からなる群より選択される少なくとも1つにより表されることが好ましい。この繰り返し単位は、下記一般式(I−1)乃至(I−3)からなる群より選択される少なくとも1つにより表されることがより好ましく、下記一般式(I−1)により表されることが更に好ましい。
式中、
Raは、各々独立に、水素原子、アルキル基又は−CH2−O−Ra2により表される基を表す。ここで、Ra2は、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。
R1は、(n+1)価の有機基を表す。
R2は、m≧2の場合は各々独立に、単結合又は(n+1)価の有機基を表す。
OPは、各々独立に、酸の作用により分解してアルコール性ヒドロキシ基を生じる前記基を表す。n≧2及び/又はm≧2の場合、2以上のOPが互いに結合して、環を形成していてもよい。
Wは、メチレン基、酸素原子又は硫黄原子を表す。
n及びmは、1以上の整数を表す。なお、一般式(I−2)、(I−3)又は(I−8)においてR2が単結合を表す場合、nは1である。
lは、0以上の整数を表す。
L1は、−COO−、−OCO−、−CONH−、−O−、−Ar−、−SO3−又は−SO2NH−により表される連結基を表す。ここで、Arは、2価の芳香環基を表す。
Rは、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。
R0は、水素原子又は有機基を表す。
L3は、(m+2)価の連結基を表す。
RLは、m≧2の場合は各々独立に、(n+1)価の連結基を表す。
RSは、p≧2の場合は各々独立に、置換基を表す。p≧2の場合、複数のRSは、互いに結合して環を形成していてもよい。
pは、0〜3の整数を表す。
Raは、水素原子、アルキル基又は−CH2−O−Ra2により表される基を表す。Raは、水素原子又は炭素数が1〜10のアルキル基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることがより好ましい。
Wは、メチレン基、酸素原子又は硫黄原子を表す。Wは、メチレン基又は酸素原子であることが好ましい。
R1は、(n+1)価の有機基を表す。R1は、好ましくは、非芳香族性の炭化水素基である。この場合、R1は、鎖状炭化水素基であってもよく、脂環状炭化水素基であってもよい。R1は、より好ましくは、脂環状炭化水素基である。
R2は、単結合又は(n+1)価の有機基を表す。R2は、好ましくは、単結合又は非芳香族性の炭化水素基である。この場合、R2は、鎖状炭化水素基であってもよく、脂環状炭化水素基であってもよい。
R1及び/又はR2が鎖状炭化水素基である場合、この鎖状炭化水素基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。また、この鎖状炭化水素基の炭素数は、1〜8であることが好ましい。例えば、R1及び/又はR2がアルキレン基である場合、R1及び/又はR2は、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基又はsec−ブチレン基であることが好ましい。
R1及び/又はR2が脂環状炭化水素基である場合、この脂環状炭化水素基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。この脂環状炭化水素基は、例えば、モノシクロ、ビシクロ、トリシクロ又はテトラシクロ構造を備えている。この脂環状炭化水素基の炭素数は、通常は5以上であり、6〜30であることが好ましく、7〜25であることがより好ましい。
この脂環状炭化水素基としては、例えば、以下に列挙する部分構造を備えたものが挙げられる。これら部分構造の各々は、置換基を有していてもよい。また、これら部分構造の各々において、メチレン基(−CH2−)は、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、カルボニル基〔−C(=O)−〕、スルホニル基〔−S(=O)2−〕、スルフィニル基〔−S(=O)−〕、又はイミノ基〔−N(R)−〕(Rは水素原子若しくはアルキル基)によって置換されていてもよい。
例えば、R1及び/又はR2がシクロアルキレン基である場合、R1及び/又はR2は、アダマンチレン基、ノルアダマンチレン基、デカヒドロナフチレン基、トリシクロデカニレン基、テトラシクロドデカニレン基、ノルボルニレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基、シクロデカニレン基、又はシクロドデカニレン基であることが好ましく、アダマンチレン基、ノルボルニレン基、シクロヘキシレン基、シクロペンチレン基、テトラシクロドデカニレン基又はトリシクロデカニレン基であることがより好ましい。
R1及び/又はR2の非芳香族性の炭化水素基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、カルボキシ基、及び炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基が挙げられる。上記のアルキル基、アルコキシ基及びアルコキシカルボニル基は、置換基を更に有していてもよい。この置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、及びアルコキシ基が挙げられる。
L1は、−COO−、−OCO−、−CONH−、−O−、−Ar−、−SO3−又は−SO2NH−により表される連結基を表す。ここで、Arは、2価の芳香環基を表す。L1は、好ましくは−COO−、−CONH−又は−Ar−により表される連結基であり、より好ましくは−COO−又は−CONH−により表される連結基である。
Rは、水素原子又はアルキル基を表す。アルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜6であり、より好ましくは1〜3である。Rは、好ましくは水素原子又はメチル基であり、より好ましくは水素原子である。
R0は、水素原子又は有機基を表す。有機基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキニル基、及びアルケニル基が挙げられる。R0は、好ましくは、水素原子又はアルキル基であり、より好ましくは、水素原子又はメチル基である。
L3は、(m+2)価の連結基を表す。即ち、L3は、3価以上の連結基を表す。このような連結基としては、例えば、後掲の具体例における対応した基が挙げられる。
RLは、(n+1)価の連結基を表す。即ち、RLは、2価以上の連結基を表す。このような連結基としては、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基及び後掲の具体例における対応した基が挙げられる。RLは、互いに結合して又は下記RSと結合して、環構造を形成していてもよい。
RSは、置換基を表す。この置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、及びハロゲン原子が挙げられる。
nは、1以上の整数である。nは、1〜3の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましい。また、nを2以上とすると、有機溶剤を含んだ現像液に対する溶解コントラストを更に向上させることが可能となる。従って、こうすると、限界解像力及びラフネス特性を更に向上させることができる。
mは、1以上の整数である。mは、1〜3の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましい。
lは、0以上の整数である。lは、0又は1であることが好ましい。
pは、0〜3の整数である。
以下に、酸の作用により分解してアルコール性ヒドロキシ基を生じる基を備えた繰り返し単位の具体例を示す。なお、具体例中、Ra及びOPは、一般式(I−1)乃至(I−3)における各々と同義である。また、複数のOPが互いに結合して環を形成している場合、対応する環構造は、便宜上「O−P−O」と表記している。
酸の作用により分解してアルコール性ヒドロキシ基を生じる基は、下記一般式(II−1)〜(II−4)からなる群より選択される少なくとも1つにより表されることが好ましい。
式中、
R3は、各々独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。R3は、互いに結合して、環を形成していてもよい。
R4は、各々独立に、1価の有機基を表す。R4は、互いに結合して、環を形成していてもよい。R3とR4とは、互いに結合して、環を形成していてもよい。
R5は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基、又はアルキニル基を表す。少なくとも2つのR5は、互いに結合して、環を形成していてもよい。但し、3つの前記R5のうち1つ又は2つが水素原子である場合は、残りの前記R5のうち少なくとも1つは、アリール基、アルケニル基、又はアルキニル基を表す。
酸の作用により分解してアルコール性ヒドロキシ基を生じる基は、下記一般式(II−5)〜(II−9)からなる群より選択される少なくとも1つにより表されることも好ましい。
式中、
R4は、一般式(II−1)〜(II−3)におけるものと同義である。
R6は、各々独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。R6は、互いに結合して、環を形成していてもよい。
酸の作用により分解してアルコール性ヒドロキシ基を生じる基は、一般式(II−1)乃至(II−3)から選択される少なくとも1つにより表されることがより好ましく、一般式(II−1)又は(II−3)により表されることが更に好ましく、一般式(II−1)により表されることが特に好ましい。
R3は、上述した通り、水素原子又は1価の有機基を表す。R3は、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基であることが好ましく、水素原子又はアルキル基であることがより好ましい。
R3のアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。R3のアルキル基の炭素数は、1〜10であることが好ましく、1〜3であることがより好ましい。R3のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、及びn−ブチル基が挙げられる。
R3のシクロアルキル基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。R3のシクロアルキル基の炭素数は、3〜10であることが好ましく、4〜8であることがより好ましい。R3のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、及びアダマンチル基が挙げられる。
また、一般式(II−1)において、R3の少なくとも一方は、1価の有機基であることが好ましい。このような構成を採用すると、特に高い感度を達成することができる。
R4は、1価の有機基を表す。R4は、アルキル基又はシクロアルキル基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。これらアルキル基及びシクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。
R4のアルキル基は、置換基を有していないか、又は、1つ以上のアリール基及び/又は1つ以上のシリル基を置換基として有していることが好ましい。無置換アルキル基の炭素数は、1〜20であることが好ましい。1つ以上のアリール基により置換されたアルキル基におけるアルキル基部分の炭素数は、1〜25であることが好ましい。1つ以上のシリル基により置換されたアルキル基におけるアルキル基部分の炭素数は、1〜30であることが好ましい。また、R4のシクロアルキル基が置換基を有していない場合、その炭素数は、3〜20であることが好ましい。
R5は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基、又はアルキニル基を表す。但し、3つのR5のうち1つ又は2つが水素原子である場合は、残りのR5のうち少なくとも1つは、アリール基、アルケニル基、又はアルキニル基を表す。R5は、水素原子又はアルキル基であることが好ましい。アルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基を有していなくてもよい。アルキル基が置換基を有していない場合、その炭素数は、1〜6であることが好ましく、1〜3であることが好ましい。
R6は、上述した通り、水素原子又は1価の有機基を表す。R6は、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基であることが好ましく、水素原子又はアルキル基であることがより好ましく、水素原子又は置換基を有していないアルキル基であることが更に好ましい。R6は、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1〜10であり且つ置換基を有していないアルキル基であることが更に好ましい。
なお、R4、R5及びR6のアルキル基及びシクロアルキル基としては、例えば、先にR3について説明したのと同様のものが挙げられる。
以下に、酸の作用により分解してアルコール性ヒドロキシ基を生じる基の具体例を示す。
樹脂は、酸の作用により分解してアルコール性ヒドロキシ基を生じる基を備えた繰り返し単位(R2)を2種類以上含んでいてもよい。このような構成を採用すると、反応性及び/又は現像性の微調整が可能となり、諸性能の最適化が容易となる。
樹脂が繰り返し単位(R2)を含んでいる場合、その合計としての含有量は、樹脂の全繰り返し単位に対して、好ましくは10mol%〜99mol%の範囲内とし、より好ましくは30mol%〜90mol%の範囲内とし、更に好ましくは50mol%〜80mol%の範囲内とする。
また、酸分解性基を備えた繰り返し単位の含有量は、樹脂の全繰り返し単位に対して、好ましくは10mol%〜99mol%の範囲内とし、より好ましくは20mol%〜90mol%の範囲内とし、更に好ましくは30mol%〜80mol%の範囲内とする。
〔3〕その他の繰り返し単位
樹脂は、他の繰り返し単位を更に含んでいてもよい。このような繰り返し単位としては、例えば、下記繰り返し単位(3A)、(3B)及び(3C)が挙げられる。
(3A)極性基を有する繰り返し単位
樹脂は、極性基を有する繰り返し単位(3A)を更に含んでいてもよい。こうすると、例えば、樹脂を含んだ組成物の感度を更に向上させることができる。
繰り返し単位(3A)が含み得る「極性基」としては、例えば、以下の(1)〜(4)が挙げられる。なお、以下において、「電気陰性度」とは、Paulingによる値を意味している。
(1)酸素原子と、酸素原子との電気陰性度の差が1.1以上である原子とが、単結合により結合した構造を含む官能基
このような極性基としては、例えば、ヒドロキシ基などのO−Hにより表される構造を含んだ基が挙げられる。
(2)窒素原子と、窒素原子との電気陰性度の差が0.6以上である原子とが、単結合により結合した構造を含む官能基
このような極性基としては、例えば、アミノ基などのN−Hにより表される構造を含んだ基が挙げられる。
(3)電気陰性度が0.5以上異なる2つの原子が二重結合又は三重結合により結合した構造を含む官能基
このような極性基としては、例えば、C≡N、C=O、N=O、S=O又はC=Nにより表される構造を含んだ基が挙げられる。
(4)イオン性部位を有する官能基
このような極性基としては、例えば、N+又はS+により表される部位を有する基が挙げられる。
繰り返し単位(3A)が含み得る「極性基」は、例えば、(I)ヒドロキシ基、(II)シアノ基、(III)ラクトン基、(IV)カルボン酸基又はスルホン酸基、(V)アミド基、スルホンアミド基又はこれらの誘導体に対応した基、(VI)アンモニウム基又はスルホニウム基、及び、これらの2以上を組み合わせてなる基からなる群より選択される少なくとも1つである。
この極性基は、アルコール性ヒドロキシ基、シアノ基、ラクトン基、又は、シアノラクトン構造を含んだ基であることが特に好ましい。
樹脂にアルコール性ヒドロキシ基を備えた繰り返し単位を更に含有させると、樹脂を含んだ組成物の露光ラチチュード(EL)を更に向上させることができる。
樹脂にシアノ基を備えた繰り返し単位を更に含有させると、樹脂を含んだ組成物の感度を更に向上させることができる。
樹脂にラクトン基を備えた繰り返し単位を更に含有させると、有機溶剤を含んだ現像液に対する溶解コントラストを更に向上させることができる。また、こうすると、樹脂を含んだ組成物のドライエッチング耐性、塗布性、及び基板との密着性を更に向上させることも可能となる。
樹脂にシアノ基を有するラクトン構造を含んだ基を備えた繰り返し単位を更に含有させると、有機溶剤を含んだ現像液に対する溶解コントラストを更に向上させることができる。また、こうすると、樹脂を含んだ組成物の感度、ドライエッチング耐性、塗布性、及び基板との密着性を更に向上させることも可能となる。加えて、こうすると、シアノ基及びラクトン基のそれぞれに起因した機能を単一の繰り返し単位に担わせることが可能となり、樹脂の設計の自由度を更に増大させることも可能となる。
以下に、「極性基」が含み得る構造の具体例を挙げる。
好ましい繰り返し単位(3A)としては、例えば、上記の繰り返し単位(R2)において、「酸の作用により分解してアルコール性ヒドロキシ基を生じる基を生じる基」を「アルコール性ヒドロキシ基」に置換したものが挙げられる。
このような繰り返し単位(3A)は、上記一般式(I−1)乃至(I−10)の各々において、「OP」を「OH」に置換した構造を有していることが好ましい。即ち、この繰り返し単位は、下記一般式(I−1H)乃至(I−10H)からなる群より選択される少なくとも1つにより表されることが好ましい。特には、この繰り返し単位(3A)は、下記一般式(I−1H)乃至(I−3H)からなる群より選択される少なくとも1つにより表されることがより好ましく、下記一般式(I−1H)により表されることが更に好ましい。
式中、Ra、R1、R2、OP、W、n、m、l、L1、R、R0、L3、RL、RS及びpは、一般式(I−1)乃至(I−10)における各々と同義である。
酸の作用により分解してアルコール性ヒドロキシ基を生じる基を備えた繰り返し単位と、上記一般式(I−1H)乃至(I−10H)からなる群より選択される少なくとも1つにより表される繰り返し単位とを併用すると、例えば、アルコール性ヒドロキシ基による酸拡散の抑制と、酸の作用により分解してアルコール性ヒドロキシ基を生じる基による感度の増大とにより、他の性能を劣化させることなしに、露光ラチチュード(EL)を改良することが可能となる。
上記の繰り返し単位(R2)において、「酸の作用により分解してアルコール性ヒドロキシ基を生じる基を生じる基」を「アルコール性ヒドロキシ基」に置換した繰り返し単位(A)の含有率は、樹脂中の全繰り返し単位に対し、5〜99mol%が好ましく、より好ましくは10〜90mol%、更に好ましくは20〜80mol%である。
以下に、一般式(I−1H)乃至(I−10H)の何れかにより表される繰り返し単位の具体例を示す。なお、具体例中、Raは、一般式(I−1H)乃至(I−10H)におけるものと同義である。
他の好ましい繰り返し単位(3A)としては、例えば、ヒドロキシ基又はシアノ基を有する繰り返し単位が挙げられる。これにより基板密着性、及び現像液親和性が向上する。
ヒドロキシ基又はシアノ基を有する繰り返し単位は、ヒドロキシ基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位であることが好ましく、酸分解性基を有さないことが好ましい。ヒドロキシ基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造に於ける、脂環炭化水素構造としては、アダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルナン基が好ましい。好ましいヒドロキシ基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造としては、下記一般式(VIIa)〜(VIId)で表される部分構造が好ましい。
一般式(VIIa)〜(VIIc)に於いて、
R2c〜R4cは、各々独立に、水素原子、ヒドロキシ基又はシアノ基を表す。ただし、R2c〜R4cの内の少なくとも1つは、ヒドロキシ基又はシアノ基を表す。好ましくは、R2c〜R4cの内の1つ又は2つが、ヒドロキシ基で、残りが水素原子である。一般式(VIIa)に於いて、更に好ましくは、R2c〜R4cの内の2つが、ヒドロキシ基で、残りが水素原子である。
一般式(VIIa)〜(VIId)で表される部分構造を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AIIa)〜(AIId)により表される繰り返し単位を挙げることができる。
一般式(AIIa)〜(AIId)に於いて、
R1cは、水素原子、メチル基、トリフロロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
R2c〜R4cは、一般式(VIIa)〜(VIIc)に於ける、R2c〜R4cと同義である。
ヒドロキシ基又はシアノ基を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂中の全繰り返し単位に対し、5〜70mol%が好ましく、より好ましくは5〜60mol%、更に好ましくは10〜50mol%である。
ヒドロキシ基又はシアノ基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
他の好ましい繰り返し単位(3A)としては、例えば、ラクトン構造を備えた繰り返し単位が挙げられる。
ラクトン構造を備えた繰り返し単位は、5〜7員環のラクトン構造を備えていることが好ましく、5〜7員環のラクトン構造にビシクロ構造又はスピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものが更に好ましい。
より具体的には、下記一般式(LC1−1)〜(LC1−17)の何れかにより表されるラクトン構造が挙げられる。好ましいラクトン構造としては、(LC1−1)、(LC1−4)、(LC1−5)、(LC1−6)、(LC1−13)、(LC1−14)及び(LC1−17)が挙げられる。特定のラクトン構造を用いることにより、ラインエッジラフネス及び現像欠陥を更に減少させ得る。
式中、Rb2は置換基を表し、n2は0〜4の整数を表す。n2は0〜2の整数であることが好ましい。
Rb2の好ましい例としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基、カルボキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、及び後述する酸分解性基が挙げられる。これらのうち、炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基又は酸分解性基が特に好ましい。
なお、n2≧2の場合、複数のRb2は、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。また、これら複数のRb2は、互いに結合して、環を形成していてもよい。
ラクトン構造を備えた繰り返し単位としては、例えば、下記一般式(AII’)により表される繰り返し単位が挙げられる。
一般式(AII’)中、
Rb0は、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rb0のアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、ヒドロキシ基、ハロゲン原子が挙げられる。Rb0のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。好ましくは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基であり、水素原子、メチル基が特に好ましい。
Vは、上記一般式(LC1−1)〜(LC1−17)の内のいずれかで示される構造を有する基を表す。
ラクトン構造を備えた繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
ラクトン構造を備えた繰り返し単位の好ましい例としては、下記の繰り返し単位が挙げられる。最適なラクトン基を選択することにより、例えば、パターンプロファイル及び/又は疎密依存性を最適化できる。
なお、ラクトン基を備えた繰り返し単位には、通常は光学異性体が存在するが、上述したように、何れの光学異性体を用いてもよい。また、1種の光学異性体を単独で用いても、複数の光学異性体を混合して用いてもよい。1種の光学異性体を主に用いる場合、その光学純度が90%ee以上であることが好ましく、95%ee以上であることがより好ましい。
ラクトン基を備えた繰り返し単位は、下記一般式(1)により表される繰り返し単位であってもよい。
一般式(1)中、
Aは、エステル結合又はアミド結合を表す。
R0は、nS≧2の場合は各々独立に、アルキレン基、シクロアルキレン基、又はそれらの組み合わせを表す。
Zは、nS≧2の場合は各々独立に、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合
又はウレア結合
を表す。式中、Rは、例えば、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
R8は、ラクトン構造を備えた1価の有機基を表す。
nSは、1〜5の整数を表す。nSは、1であることが好ましい。
R7は、水素原子、アルキル基又はハロゲン原子を表す。このアルキル基は、置換基を有していてもよい。R7は、好ましくは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を表す。
R0は、上述した通り、アルキレン基、シクロアルキレン基、又はそれらの組み合わせを表す。
R0としてのアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。アルキレン基の炭素数は、1〜6であることが好ましく、1〜3であることが更に好ましい。このようなアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、及びプロピレン基が挙げられる。
R0としてのシクロアルキレン基の炭素数は、3〜10であることが好ましく、5〜7であることが更に好ましい。このようなシクロアルキレン基としては、例えば、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、及びシクロヘキシレン基が挙げられる。
これらアルキレン基及びシクロアルキレン基の各々は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等のハロゲン原子;メルカプト基;ヒドロキシ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基及びベンジルオキシ基のアルコキシ基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びシクロヘプチル基等のシクロアルキル基;シアノ基;ニトロ基;スルホニル基;シリル基;エステル基;アシル基;ビニル基;及びアリール基が挙げられる。
Zは、上述した通り、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合又はウレア結合を表す。Zは、好ましくはエーテル結合又はエステル結合であり、特に好ましくはエステル結合を表す。
R8は、上述した通り、ラクトン構造を備えた1価の有機基を表す。この有機基は、例えば、上記一般式(LC1−1)〜(LC1−17)の何れかにより表されるラクトン構造を備えている。これらのうち、一般式(LC1−4)、(LC1−5)又は(LC1−17)により表される構造がより好ましく、一般式(LC1−4)により表される構造が特に好ましい。
R8は、無置換のラクトン構造を備えているか、又は、メチル基、シアノ基若しくはアルコキシカルボニル基を置換基として有するラクトン構造を備えていることが好ましい。特には、R8は、シアノ基を置換基として有するラクトン構造(即ち、シアノラクトン構造)を備えた1価の有機基であることが好ましい。
以下に、一般式(1)により表される繰り返し単位の具体例を示す。下記具体例中、Rは、水素原子、アルキル基又はハロゲン原子を表す。このアルキル基は、置換基を有していてもよい。Rは、好ましくは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を表す。
一般式(1)により表される繰り返し単位は、好ましくは、下記一般式(2)により表される繰り返し単位である。
一般式(2)中、
R7、A、R0、Z及びnSは、一般式(1)における各々と同義である。
Rbは、m≧2の場合には各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ヒドロキシ基又はアルコキシ基を表す。なお、m≧2の場合、2つ以上のRbが互いに結合し、環を形成していてもよい。
Xは、アルキレン基、酸素原子又は硫黄原子を表す。
mは、0〜5の整数を表す。mは、0又は1であることが好ましい。
Rbのアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル基が挙げられる。アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、及びt−ブトキシカルボニル基が挙げられる。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−ブトキシ基及びt−ブトキシ基が挙げられる。Rbのアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシカルボニル基及びアルコキシ基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、メトキシ基及びエトキシ基などのアルコキシ基;シアノ基;並びにフッ素原子などのハロゲン原子が挙げられる。Rbは、メチル基、シアノ基又はアルコキシカルボニル基であることがより好ましく、シアノ基であることが更に好ましい。
m≧1である場合、少なくとも1つのRbは、ラクトンのカルボニル基のα位又はβ位に置換していることが好ましい。特には、Rbは、ラクトンのカルボニル基のα位に置換していることが好ましい。
Xのアルキレン基としては、例えば、メチレン基及びエチレン基が挙げられる。Xは、酸素原子又はメチレン基であることが好ましく、メチレン基であることがより好ましい。
以下に、一般式(2)により表される繰り返し単位の具体例を示す。下記具体例中、Rは、水素原子、アルキル基又はハロゲン原子を表す。このアルキル基は、置換基を有していてもよい。Rは、好ましくは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を表す。
本発明の効果を高めるために、一般式(1)から選ばれる2種以上のラクトン繰り返し単位を併用することも可能である。併用する場合には一般式(1)の内、nSが1である繰り返し単位から2種以上を選択し併用することが好ましい。
ラクトン構造を備えた繰り返し単位の含有量は、樹脂中の全繰り返し単位に対し、10〜80mol%であることが好ましく、15〜70mol%であることがより好ましく、20〜60mol%であることが更に好ましい。
他の好ましい繰り返し単位(3A)としては、例えば、カルボキシ基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、ビススルホニルイミド基、又はα位が電子求引性基で置換された脂肪族アルコール基(例えばヘキサフロロイソプロパノール基)を備えたものが挙げられる。この繰り返し単位(3A)は、カルボキシ基を備えていることがより好ましい。
上記基を有する繰り返し単位を含有することにより、コンタクトホール用途での解像性が増す。このような繰り返し単位(3A)としては、アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に直接上記基が結合している繰り返し単位、あるいは連結基を介して樹脂の主鎖に上記基が結合している繰り返し単位、さらには上記基を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入、のいずれも好ましく、連結基は単環又は多環の環状炭化水素構造を有していてもよい。特に好ましくはアクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位である。
上記基を有する繰り返し単位(3A)の含有率は、樹脂中の全繰り返し単位に対し、0〜20mol%が好ましく、より好ましくは3〜15mol%、更に好ましくは5〜10mol%である。
上記基を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
具体例中、Rxは、H、CH3、CH2OH、又はCF3を表す。
(3B)極性基を備えていない脂環炭化水素構造を有し且つ酸分解性を示さない繰り返し単位
樹脂は、極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し且つ酸分解性を示さない繰り返し単位(3B)を更に含んでいてもよい。繰り返し単位(3B)としては、例えば、一般式(IV)により表される繰り返し単位が挙げられる。
一般式(IV)中、R5は少なくとも一つの環状構造を有し、水酸基及びシアノ基のいずれも有さない炭化水素基を表す。
Raは水素原子、アルキル基又は−CH2−O−Ra2基を表す。式中、Ra2は、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。Raは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、メチル基が特に好ましい。
R5が有する環状構造には、単環式炭化水素基及び多環式炭化水素基が含まれる。単環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基などの炭素数3から12のシクロアルキル基、シクロへキセニル基など炭素数3から12のシクロアルケニル基が挙げられる。好ましい単環式炭化水素基としては、炭素数3から7の単環式炭化水素基であり、より好ましくは、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
多環式炭化水素基には環集合炭化水素基、架橋環式炭化水素基が含まれ、環集合炭化水素基の例としては、ビシクロヘキシル基、パーヒドロナフタレニル基などが含まれる。架橋環式炭化水素環として、例えば、ピナン、ボルナン、ノルピナン、ノルボルナン、ビシクロオクタン環(ビシクロ[2.2.2]オクタン環、ビシクロ[3.2.1]オクタン環等)などの2環式炭化水素環及び、ホモブレダン、アダマンタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、トリシクロ[4.3.1.12,5]ウンデカン環などの3環式炭化水素環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、パーヒドロ−1,4−メタノ−5,8−メタノナフタレン環などの4環式炭化水素環などが挙げられる。また、架橋環式炭化水素環には、縮合環式炭化水素環、例えば、パーヒドロナフタレン(デカリン)、パーヒドロアントラセン、パーヒドロフェナントレン、パーヒドロアセナフテン、パーヒドロフルオレン、パーヒドロインデン、パーヒドロフェナレン環などの5〜8員シクロアルカン環が複数個縮合した縮合環も含まれる。
好ましい架橋環式炭化水素環として、ノルボルニル基、アダマンチル基、ビシクロオクタニル基、トリシクロ[5、2、1、02,6]デカニル基、などが挙げられる。より好ましい架橋環式炭化水素環としてノルボニル基、アダマンチル基が挙げられる。
これらの脂環式炭化水素基は置換基を有していても良く、好ましい置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、保護基で保護されたヒドロキシル基、保護基で保護されたアミノ基などが挙げられる。好ましいハロゲン原子としては臭素、塩素、フッ素原子、好ましいアルキル基としてはメチル、エチル、ブチル、t−ブチル基が挙げられる。上記のアルキル基はさらに置換基を有していても良く、更に有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、保護基で保護されたヒドロキシル基、保護基で保護されたアミノ基を挙げることができる。
保護基としては、例えばアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、置換メチル基、置換エチル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基が挙げられる。好ましいアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基、好ましい置換メチル基としてはメトキシメチル、メトキシチオメチル、ベンジルオキシメチル、t−ブトキシメチル、2−メトキシエトキシメチル基、好ましい置換エチル基としては、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル、好ましいアシル基としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル基などの炭素数1〜6の脂肪族アシル基、アルコキシカルボニル基としては炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基などが挙げられる。
繰り返し単位(3B)の含有率は、樹脂中の全繰り返し単位に対し、0〜40mol%が好ましく、より好ましくは1〜20mol%である。
繰り返し単位(3B)の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。式中、Raは、H、CH3、CH2OH、又はCF3を表す。
(3C)他の繰り返し単位
樹脂は、上記の繰り返し構造単位以外に、ドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、さらにレジストの一般的な必要な特性である解像力、耐熱性、感度等を調節する目的で様々な繰り返し構造単位を有することができる。
このような繰り返し構造単位としては、下記の単量体に相当する繰り返し構造単位を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
これにより、本発明の組成物に用いられる樹脂に要求される性能、特に、(1)塗布溶剤に対する溶解性、(2)製膜性(ガラス転移点)、(3)有機溶剤に対する現像性、(4)膜べり(親疎水性、極性基選択)、(5)未露光部の基板への密着性、(6)ドライエッチング耐性、等の微調整が可能となる。
このような単量体として、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等を挙げることができる。
その他にも、上記種々の繰り返し構造単位に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽和化合物であれば、共重合されていてもよい。
なお、樹脂において、各繰り返し構造単位の含有モル比は、組成物のドライエッチング耐性、標準現像液適性、基板密着性、パターン形状、解像力、耐熱性、及び感度等を調節するために適宜設定される。
なお、本発明に係る組成物をArF露光用に用いる場合、ArF光への透明性の点から、樹脂は、活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する構造部位以外には、ベンゼン環などの芳香族基を有さないことが好ましい。特には、樹脂は、単環又は多環の脂環炭化水素構造を有することが好ましい。
また、本発明に係る組成物が後述する疎水性樹脂を含んでいる場合、以上において説明した樹脂は、疎水性樹脂との相溶性の観点から、フッ素原子及び珪素原子を含有しないことが好ましい。
樹脂として好ましくは、繰り返し単位のすべてが(メタ)アクリレート系繰り返し単位で構成されたものである。この場合、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系繰り返し単位であるもの、繰り返し単位のすべてがアクリレート系繰り返し単位であるもの、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系繰り返し単位とアクリレート系繰り返し単位とによるもののいずれのものでも用いることができるが、アクリレート系繰り返し単位が全繰り返し単位の50mol%以下であることが好ましい。
本発明に係る組成物にKrFエキシマレーザー光、電子線、X線、波長50nm以下の高エネルギー光線(EUVなど)を照射する場合には、樹脂は、更に、ヒドロキシスチレン系繰り返し単位を有することが好ましい。更に好ましくはヒドロキシスチレン系繰り返し単位と、酸分解性基で保護されたヒドロキシスチレン系繰り返し単位、(メタ)アクリル酸3級アルキルエステル等の酸分解性繰り返し単位を有するが好ましい。
ヒドロキシスチレン系の好ましい酸分解性基を有する繰り返し単位としては、例えば、t−ブトキシカルボニルオキシスチレン、1−アルコキシエトキシスチレン、(メタ)アクリル酸3級アルキルエステルによる繰り返し単位等を挙げることができ、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート及びジアルキル(1−アダマンチル)メチル(メタ)アクリレートによる繰り返し単位がより好ましい。
本発明の樹脂は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種及び開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド溶剤、さらには後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノンのような本発明に係る組成物を溶解する溶媒が挙げられる。より好ましくは本発明に係る組成物に用いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシ基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは60〜100℃である。
上記樹脂の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、好ましくは1,000〜200,000であり、より好ましくは2,000〜20,000、更により好ましくは3,000〜15,000、特に好ましくは3,000〜10,000である。重量平均分子量を、1,000〜200,000とすることにより、耐熱性やドライエッチング耐性の劣化を防ぐことができ、且つ現像性が劣化したり、粘度が高くなって製膜性が劣化することを防ぐことができる。
分散度(分子量分布)は、通常1〜3であり、好ましくは1〜2.6、更に好ましくは1〜2、特に好ましくは1.4〜2.0の範囲のものが使用される。一般的に、分子量分布の小さいものほど、解像度、パターン形状、及びラフネス特性に優れている。
上記樹脂は、1種で使用してもよいし、複数種を併用してもよい。
本発明の一態様において、樹脂の組成物全体中の配合率は、全固形分中30〜99質量%が好ましく、より好ましくは60〜95質量%である。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、上述した樹脂以外の他の樹脂を併用してもよい。例えば、繰り返し単位(R)を含んだ樹脂と共に、繰り返し単位(R)を含んでいない樹脂(後述する疎水性樹脂を除く)を併用してもよい。この場合、前者の合計量と後者の合計量との質量比は、好ましくは50/50以上とし、より好ましくは70/30以上とする。なお、この場合、繰り返し単位(R)を含んでいない樹脂は、典型的には、上記の酸分解性基を備えた繰り返し単位を含んでいる。
[B]溶剤
本発明に係る組成物は、溶剤を含んでいる。この溶剤は、(S1)プロピレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートと、(S2)プロピレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸エステル、酢酸エステル、アルコキシプロピオン酸エステル、鎖状ケトン、環状ケトン、ラクトン、及びアルキレンカーボネートからなる群より選択される少なくとも1つとの少なくとも一方を含んでいる。なお、この溶剤は、成分(S1)及び(S2)以外の成分を更に含んでいてもよい。
本発明者らは、このような溶剤と上述した樹脂とを組み合わせて用いると、組成物の塗布性が向上すると共に、現像欠陥数の少ないパターンが形成可能となることを見出している。その理由は必ずしも明らかではないが、本発明者らは、これら溶剤は、上述した樹脂の溶解性、沸点、及び粘度のバランスが良いため、組成物膜の膜厚のムラやスピンコート中の析出物の発生などを抑制できることに起因していると考えている。
成分(S1)としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、及び、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートからなる群より選択される少なくとも1つが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが特に好ましい。
成分(S2)としては、以下のものが好ましい。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルとしては、プロピレングリコールモノメチルエーテル又はプロピレングリコールモノエチルエーテルが好ましい。
乳酸エステルとしては、乳酸エチル、乳酸ブチル、又は乳酸プロピルが好ましい。
酢酸エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、酢酸イソアミル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、又は酢酸3−メトキシブチルが好ましい。
アルコキシプロピオン酸エステルとしては、3−メトキシプロピオン酸メチル(MMP)、又は、3−エトキシプロピオン酸エチル(EEP)が好ましい。
鎖状ケトンとしては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、又はメチルアミルケトンが好ましい。
環状ケトンとしては、メチルシクロヘキサノン、イソホロン、又はシクロヘキサノンが好ましい。
ラクトンとしては、γ−ブチロラクトンが好ましい。
アルキレンカーボネートとしては、プロピレンカーボネートが好ましい。
成分(S2)としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、γ−ブチロラクトン又はプロピレンカーボネートがより好ましい。
成分(S2)としては、引火点(以下、fpともいう)が37℃以上であるものを用いることが好ましい。このような成分(S2)としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル(fp:47℃)、乳酸エチル(fp:53℃)、3−エトキシプロピオン酸エチル(fp:49℃)、メチルアミルケトン(fp:42℃)、シクロヘキサノン(fp:44℃)、酢酸ペンチル(fp:45℃)、γ−ブチロラクトン(fp:101℃)又はプロピレンカーボネート(fp:132℃)が好ましい。これらのうち、プロピレングリコールモノエチルエーテル、乳酸エチル、酢酸ペンチル、又はシクロヘキサノンが更に好ましく、プロピレングリコールモノエチルエーテル又は乳酸エチルが特に好ましい。なお、ここで「引火点」とは、東京化成工業株式会社又はシグマアルドリッチ社の試薬カタログに記載されている値を意味している。
溶剤は、成分(S1)を含んでいることが好ましい。溶剤は、実質的に成分(S1)のみからなるか、又は、成分(S1)と他の成分との混合溶剤であることがより好ましい。後者の場合、溶剤は、成分(S1)と成分(S2)との双方を含んでいることが更に好ましい。
成分(S1)と成分(S2)との質量比は、100:0乃至15:85の範囲内にあることが好ましく、100:0乃至40:60の範囲内にあることがより好ましく、100:0乃至60:40の範囲内にあることが更に好ましい。即ち、溶剤は、成分(S1)のみからなるか、又は、成分(S1)と成分(S2)との双方を含んでおり且つそれらの質量比が以下の通りであることが好ましい。即ち、後者の場合、成分(S2)に対する成分(S1)の質量比は、15/85以上であることが好ましく、40/60以上であることよりが好ましく、60/40以上であることが更に好ましい。このような構成を採用すると、現像欠陥数を更に減少させることが可能となる。
なお、溶剤が成分(S1)と成分(S2)との双方を含んでいる場合、成分(S2)に対する成分(S1)の質量比は、例えば、99/1以下とする。
上述した通り、溶剤は、成分(S1)及び(S2)以外の成分を更に含んでいてもよい。この場合、成分(S1)及び(S2)以外の成分の含有量は、溶剤の全量に対して、5質量%乃至30質量%の範囲内にあることが好ましい。
組成物に占める溶剤の含有量は、全成分の固形分濃度が2〜30質量%となるように定めることが好ましく、3〜20質量%となるように定めることがより好ましい。こうすると、組成物の塗布性を更に向上させることができる。
[C]酸発生剤
本発明に係る組成物は、上記樹脂以外に、酸発生剤を更に含有していてもよい。この酸発生剤としては、特に限定されないが、好ましくは、下記一般式(ZI’)、(ZII’)、又は(ZIII’)で表される化合物を挙げることができる。
上記一般式(ZI’)において、
R201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
R201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
Z-は、非求核性アニオンを表す。
Z-としては、例えば、スルホン酸アニオン(脂肪族スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンなど)、カルボン酸アニオン(脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオンなど)、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン等を挙げられる。
脂肪族スルホン酸アニオン及び脂肪族カルボン酸アニオンにおける脂肪族部位は、アルキル基であってもシクロアルキル基であってもよく、好ましくは炭素数1〜30の直鎖又は分岐のアルキル基及び炭素数3〜30のシクロアルキル基が挙げられる。
芳香族スルホン酸アニオン及び芳香族カルボン酸アニオンにおける芳香族基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
上記で挙げたアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。この具体例としては、ニトロ基、フッ素原子などのハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルイミノスルホニル基(好ましくは炭素数2〜15)、アリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数6〜20)、アルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数7〜20)、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数10〜20)、アルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数5〜20)、シクロアルキルアルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数8〜20)等を挙げることができる。各基が有するアリール基及び環構造については、置換基としてさらにアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。
アラルキルカルボン酸アニオンにおけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数6〜12のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルブチル基等を挙げることができる。
スルホニルイミドアニオンとしては、例えば、サッカリンアニオンを挙げることができる。
ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。これらのアルキル基の置換基としてはハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルオキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基等を挙げることができ、フッ素原子又はフッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。
その他のZ−としては、例えば、弗素化燐、弗素化硼素、弗素化アンチモン等を挙げることができる。
Z-としては、スルホン酸の少なくともα位がフッ素原子で置換された脂肪族スルホン酸アニオン、フッ素原子又はフッ素原子を有する基で置換された芳香族スルホン酸アニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。非求核性アニオンとして、より好ましくはパーフロロ脂肪族スルホン酸アニオン(更に好ましくは炭素数4〜8)、フッ素原子を有するベンゼンスルホン酸アニオン、更により好ましくはノナフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン、3,5−ビス(トリフロロメチル)ベンゼンスルホン酸アニオンである。
酸強度の観点からは、発生酸のpKaが−1以下であることが、感度向上のために好ましい。
R201、R202及びR203の有機基としては、アリール基(炭素数6〜15が好ましい)、直鎖又は分岐のアルキル基(炭素数1〜10が好ましい)、シクロアルキル基(炭素数3〜15が好ましい)などが挙げられる。
R201、R202及びR203のうち、少なくとも1つがアリール基であることが好ましく、三つ全てがアリール基であることがより好ましい。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などの他に、インドール残基、ピロール残基などのヘテロアリール基も可能である。これらアリール基は更に置換基を有していてもよい。その置換基としては、ニトロ基、フッ素原子などのハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、R201、R202及びR203から選ばれる2つが、単結合又は連結基を介して結合していてもよい。連結基としてはアルキレン基(炭素数1〜3が好ましい)、−O−,−S−,−CO−,−SO2−などがあげられるが、これらに限定されるものではない。
R201、R202及びR203のうち、少なくとも1つがアリール基でない場合の好ましい構造としては、特開2004−233661号公報の段落0047,0048、特開2003−35948号公報の段落0040〜0046、US2003/0224288A1号明細書に式(I-1)〜(I-70)として例示されている化合物、US2003/0077540A1号明細書に式(IA-1)〜(IA-54)、式(IB-1)〜(IB-24)として例示されている化合物等のカチオン構造を挙げることができる。
一般式(ZII’)、(ZIII’)中、
R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
R204〜R207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基としては、前述の化合物(ZI’)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基として説明したアリール基と同様である。
R204〜R207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。この置換基としても、前述の化合物(ZI’)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基が有していてもよいものが挙げられる。
Z-は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI’)に於けるZ-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
酸発生剤として、更に、下記一般式(ZIV’)、(ZV’)、(ZVI’)で表される化合物も挙げられる。
一般式(ZIV’)〜(ZVI’)中、
Ar3及びAr4は、各々独立に、アリール基を表す。
R208、R209及びR210は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
酸発生剤の中で、特に好ましい例を以下に挙げる。
酸発生剤は、1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
酸発生剤の組成物中の含有率は、組成物の全固形分を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
[D]塩基性化合物
本発明に係る組成物は、塩基性化合物を更に含んでいてもよい。塩基性化合物としては、好ましくは、下記式(A)〜(E)により表される構造を有する化合物が挙げられる。
一般式(A)及び(E)中、
R200、R201及びR202は、各々独立に、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)、又はアリール基(炭素数6〜20)を表す。R201とR202とは、互いに結合して、環を形成していてもよい。
R203、R204、R205及びR206は、各々独立に、炭素数1〜20個のアルキル基を表す。
上記アルキル基について、置換基を有するアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、又は炭素数1〜20のシアノアルキル基が好ましい。これらアルキル基は、無置換であることがより好ましい。
好ましい塩基性化合物としては、グアニジン、アミノピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピペラジン、アミノモルホリン、アミノアルキルモルフォリン及びピペリジンが挙げられる。更に好ましい塩基性化合物としては、イミダゾール構造、ジアザビシクロ構造、オニウムヒドロキシド構造、オニウムカルボキシレート構造、トリアルキルアミン構造、アニリン構造又はピリジン構造を有する化合物、ヒドロキシ基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体、並びにヒドロキシ基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体が挙げられる。
イミダゾール構造を有する化合物としては、例えば、イミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール及び2−フェニルベンゾイミダゾールが挙げられる。
ジアザビシクロ構造を有する化合物としては、例えば、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ−5−エン及び1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカー7−エンが挙げられる。
オニウムヒドロキシド構造を有する化合物としては、例えば、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリアリールスルホニウムヒドロキシド、フェナシルスルホニウムヒドロキシド及び2−オキソアルキル基を有するスルホニウムヒドロキシドが挙げられる。より具体的には、トリフェニルスルホニウムヒドロキシド、トリス(t−ブチルフェニル)スルホニウムヒドロキシド、ビス(t−ブチルフェニル)ヨードニウムヒドロキシド、フェナシルチオフェニウムヒドロキシド及び2−オキソプロピルチオフェニウムヒドロキシドが挙げられる。
オニウムカルボキシレート構造を有する化合物としては、例えば、アニオンとしてカルボキシレートを備えたオニウムヒドロキシド構造を有する化合物が挙げられる。このカルボキシレートとしては、例えば、アセテート、アダマンタン−1−カルボキシレート及びパーフルオロアルキルカルボキシレートが挙げられる。
トリアルキルアミン構造を有する化合物としては、例えば、トリ(n−ブチル)アミン及びトリ(n−オクチル)アミンが挙げられる。
アニリン化合物としては、2,6−ジイソプロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジブチルアニリン、及びN,N−ジヘキシルアニリンが挙げられる。
ヒドロキシ基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、及びトリス(メトキシエトキシエチル)アミンが挙げられる。
ヒドロキシ基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体としては、例えば、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリンが挙げられる。
好ましい塩基性化合物として、更に、フェノキシ基を有するアミン化合物、フェノキシ基を有するアンモニウム塩化合物、スルホン酸エステル基を有するアミン化合物及びスルホン酸エステル基を有するアンモニウム塩化合物が挙げられる。
これら化合物では、少なくとも1つのアルキル基が窒素原子に結合していることが好ましい。また、このアルキル基の鎖中に酸素原子が含まれ、オキシアルキレン基が形成されていることがより好ましい。このオキシアルキレン基の数は、分子内に1つ以上であることが好ましく、3〜9個であることがより好ましく、4〜6個であることが更に好ましい。これらオキシアルキレン基のうち、−CH2CH2O−、−CH(CH3)CH2O−又は−CH2CH2CH2O−により表される基が特に好ましい。
これら化合物の具体例としては、例えば、US2007/0224539Aの[0066]に例示されている化合物(C1−1)〜(C3−3)が挙げられる。
本発明に係る組成物は、塩基性化合物として、窒素原子を有し且つ酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物(以下において、「低分子化合物(D)」又は「化合物(D)」ともいう)を含んでいてもよい。
酸の作用により脱離する基としては、特に限定されないが、アセタール基、カルボネート基、カルバメート基、3級エステル基、3級水酸基、又はヘミアミナールエーテル基が好ましく、カルバメート基又はヘミアミナールエーテル基であることが特に好ましい。
化合物(D)の分子量は、100〜1000が好ましく、100〜700がより好ましく、100〜500が特に好ましい。
化合物(D)としては、酸の作用により脱離する基を窒素原子上に有するアミン誘導体が好ましい。
化合物(D)は、窒素原子上に、保護基を有するカルバメート基を有していてもよい。カルバメート基を構成する保護基は、例えば、下記一般式(d−1)で表すことができる。
一般式(d−1)において、
R’は、それぞれ独立に、水素原子、直鎖状又は分岐状アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はアルコキシアルキル基を表す。R’は相互に結合して環を形成していても良い。
R’として好ましくは、直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基である。より好ましくは、直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又はシクロアルキル基である。
このような基の具体例を以下に示す。
化合物(D)は、上述した各種の塩基性化合物と一般式(d−1)で表される構造とを任意に組み合わせることで構成することも出来る。
化合物(D)は、下記一般式(F)で表される構造を有するものであることが特に好ましい。
なお、化合物(D)は、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物であるかぎり、上述した各種の塩基性化合物に相当するものであってもよい。
一般式(F)において、Raは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。また、n=2のとき、2つのRaは同じでも異なっていてもよく、2つのRaは相互に結合して、2価の複素環式炭化水素基(好ましくは炭素数20以下)若しくはその誘導体を形成していてもよい。
Rbは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシアルキル基を示す。但し、−C(Rb)(Rb)(Rb)において、1つ以上のRbが水素原子のとき、残りのRbの少なくとも1つはシクロプロピル基、1−アルコキシアルキル基又はアリール基である。
少なくとも2つのRbが結合して、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環式炭化水素基若しくはその誘導体を形成していてもよい。
nは0〜2の整数を表し、mは1〜3の整数を表し、n+m=3である。
一般式(F)において、RaおよびRbが示すアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基は、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基、アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい。Rbが示すアルコキシアルキル基についても同様である。
前記Ra及び/又はRbのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基(これらのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基は、上記官能基、アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい)としては、
例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン等の直鎖状、分岐状のアルカンに由来する基、これらのアルカンに由来する基を、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基の1種以上或いは1個以上で置換した基、
シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、ノルボルナン、アダマンタン、ノラダマンタン等のシクロアルカンに由来する基、これらのシクロアルカンに由来する基を、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の直鎖状、分岐状のアルキル基の1種以上或いは1個以上で置換した基、
ベンゼン、ナフタレン、アントラセン等の芳香族化合物に由来する基、これらの芳香族化合物に由来する基を、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の直鎖状、分岐状のアルキル基の1種以上或いは1個以上で置換した基、
ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、インドール、インドリン、キノリン、パーヒドロキノリン、インダゾール、ベンズイミダゾール等の複素環化合物に由来する基、これらの複素環化合物に由来する基を直鎖状、分岐状のアルキル基或いは芳香族化合物に由来する基の1種以上或いは1個以上で置換した基、直鎖状、分岐状のアルカンに由来する基・シクロアルカンに由来する基をフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等の芳香族化合物に由来する基の1種以上或いは1個以上で置換した基等或いは前記の置換基がヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基で置換された基等が挙げられる。
また、前記Raが相互に結合して、形成する2価の複素環式炭化水素基(好ましくは炭素数1〜20)若しくはその誘導体としては、例えば、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、ホモピペラジン、4−アザベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、5−アザベンゾトリアゾール、1H−1,2,3−トリアゾール、1,4,7−トリアザシクロノナン、テトラゾール、7−アザインドール、インダゾール、ベンズイミダゾール、イミダゾ[1,2−a]ピリジン、(1S,4S)−(+)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デック−5−エン、インドール、インドリン、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン、パーヒドロキノリン、1,5,9−トリアザシクロドデカン等の複素環式化合物に由来する基、これらの複素環式化合物に由来する基を直鎖状、分岐状のアルカンに由来する基、シクロアルカンに由来する基、芳香族化合物に由来する基、複素環化合物に由来する基、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基の1種以上或いは1個以上で置換した基等が挙げられる。
本発明における特に好ましい化合物(D)を具体的に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
一般式(A)で表される化合物は市販のアミンから、Protective Groups in Organic Synthesis 第四版等に記載の方法で簡便に合成できる。もっとも一般的な方法としては市販のアミンに対してニ炭酸エステル又はハロギ酸エステルを作用させることによって得る方法がある。式中Xはハロゲン原子を表す。また、Ra、Rbの定義及び具体例は、上記一般式(F)で記載したものと同様である。
上述した塩基性化合物(化合物(D)を含む)は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
塩基性化合物の合計量は、組成物の全固形分を基準として、好ましくは0.001〜20質量%であり、より好ましくは0.001〜10質量%であり、更に好ましくは0.01〜5質量%である。
酸発生剤の合計量の塩基性化合物の合計量に対するモル比は、好ましくは2.5〜300であり、より好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。このモル比を過度に小さくすると、感度及び/又は解像度が低下する可能性がある。このモル比を過度に大きくすると、露光と加熱(ポストベーク)との間において、パターンの太りが生ずる場合がある。
[E]疎水性樹脂
本発明に係る組成物は、疎水性樹脂を更に含んでいてもよい。疎水性樹脂を含有させることにより、組成物膜表層に疎水性樹脂が偏在化し、液浸媒体として水を使用した場合の液浸液に対する膜の後退接触角を向上させことが可能となる。これにより、膜の液浸液追随性を向上させることができる。
ベーク後で露光前における膜の後退接触角は、温度23±3℃、湿度45±5%において60°〜90°が好ましく、より好ましくは65°以上、更に好ましくは70°以上、特に好ましくは75°以上である。
疎水性樹脂は前述のように界面に偏在するものであるが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性/非極性物質を均一に混合することに寄与しなくても良い。
液浸露光工程に於いては、露光ヘッドが高速でウエハ上をスキャンし露光パターンを形成していく動きに追随して、液浸液がウエハ上を動く必要があるので、動的な状態に於ける膜に対する液浸液の接触角が重要になり、液滴が残存することなく、露光ヘッドの高速なスキャンに追随する性能が感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物には求められる。
疎水性樹脂(HR)は、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する樹脂であることが好ましい。疎水性樹脂(HR)に於けるフッ素原子又は珪素原子は、樹脂の主鎖中に有していても、側鎖に置換していてもよい。疎水性樹脂がフッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有することで、膜表面の疎水性(水追従性)が向上し、現像残渣(スカム)が低減する。
疎水性樹脂(HR)は、フッ素原子を有する部分構造として、フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、又は、フッ素原子を有するアリール基を有する樹脂であることが好ましい。
フッ素原子を有するアルキル基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜4)は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖又は分岐アルキル基であり、さらに他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するシクロアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された単環又は多環のシクロアルキル基であり、さらに他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などのアリール基の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたものが挙げられ、さらに他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、又は、フッ素原子を有するアリール基として、好ましくは、下記一般式(F2)〜(F4)で表される基を挙げることができるが、本発明は、これに限定されるものではない。
一般式(F2)〜(F4)中、
R57〜R68は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R57〜R61、R62〜R64及びR65〜R68の内、少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)を表す。R57〜R61及びR65〜R67は、全てがフッ素原子であることが好ましい。R62、R63及びR68は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)が好ましく、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基であることがさらに好ましい。R62とR63は、互いに連結して環を形成してもよい。
一般式(F2)で表される基の具体例としては、例えば、p−フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル基等が挙げられる。
一般式(F3)で表される基の具体例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロプロピル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロブチル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、ノナフルオロブチル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロヘキシル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロ(トリメチル)ヘキシル基、2,2,3,3-テトラフルオロシクロブチル基、パーフルオロシクロヘキシル基などが挙げられる。ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基が好ましく、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基が更に好ましい。
一般式(F4)で表される基の具体例としては、例えば、−C(CF3)2OH、−C(C2F5)2OH、−C(CF3)(CH3)OH、−CH(CF3)OH等が挙げられ、−C(CF3)2OHが好ましい。
フッ素原子を有する好適な繰り返し単位としては、以下に示すものが挙げられる。
式中、R10、R11は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基であり、置換基を有するアルキル基としては特にフッ素化アルキル基を挙げることができる)を表す。
W3〜W6は、各々独立に、少なくとも1つ以上のフッ素原子を含有する有機基を表す。具体的には上記一般式(F2)〜(F4)で表される基が挙げられる。
また、これら以外にも、フッ素原子を有する繰り返し単位として、下記に示すような単位を有していてもよい。
式中、R4〜R7は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はアルキル基(好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基であり、置換基を有するアルキル基としては特にフッ素化アルキル基を挙げることができる)を表す。
ただし、R4〜R7の少なくとも1つはフッ素原子を表す。R4とR5もしくはR6とR7は環を形成していてもよい。
W2は、少なくとも1つのフッ素原子を含有する有機基を表す。具体的には前記(F2)〜(F4)の原子団が挙げられる。
Qは脂環式構造を表す。脂環式構造は置換基を有していてもよく、単環型でもよく、多環型でもよい。多環型の場合は有橋式であってもよい。単環型としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロブチル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。多環型としては、炭素数5以上のビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができ、炭素数6〜20のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、ジシクロペンチル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基等を挙げることができる。尚、シクロアルキル基中の炭素原子の一部が、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
L2は、単結合、あるいは2価の連結基を示す。2価の連結基としては、置換又は無置換のアリーレン基、置換又は無置換のアルキレン基、置換又は無置換のシクロアルキレン基、−O−、−SO2−、−CO−、−N(R)−(式中、Rは水素原子又はアルキル基を表す)、−NHSO2−又はこれらの複数を組み合わせた2価の連結基を示す。
疎水性樹脂(HR)は、珪素原子を含有してもよい。珪素原子を有する部分構造として、アルキルシリル構造(好ましくはトリアルキルシリル基)、又は環状シロキサン構造を有する樹脂であることが好ましい。
アルキルシリル構造、又は環状シロキサン構造としては、具体的には、下記一般式(CS−1)〜(CS−3)で表される基などが挙げられる。
一般式(CS−1)〜(CS−3)に於いて、
R12〜R26は、各々独立に、直鎖もしくは分岐アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)又はシクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)を表す。
L3〜L5は、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、アルキレン基、フェニレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、ウレタン基、又はウレア基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを挙げられる。
nは、1〜5の整数を表す。nは、好ましくは、2〜4の整数である。
以下に、フッ素原子又は珪素原子を含んだ繰り返し単位の具体例を示す。なお、具体例中、X1は、水素原子、−CH3、−F又は−CF3を表し、X2は、−F又は−CF3を表す。
更に、疎水性樹脂(HR)は、下記(x)及び(z)から選ばれる基を少なくとも1つを有していてもよい。
(x)極性基;
(z)酸の作用により分解する基。
(x)極性基としては、フェノール性ヒドロキシ基、カルボン酸基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基等が挙げられる。
好ましい極性基としては、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、スルホンイミド基、ビス(カルボニル)メチレン基が挙げられる。
極性基(x)を有する繰り返し単位としては、アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に直接極性基が結合している繰り返し単位、あるいは連結基を介して樹脂の主鎖に極性基が結合している繰り返し単位などが挙げられ、さらには極性基を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入することもでき、いずれの場合も好ましい。
極性基(x)を有する繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂中の全繰り返し単位に対し、1〜50mol%が好ましく、より好ましくは3〜35mol%、更に好ましくは5〜20mol%である。
極性基(x)を有する繰り返し単位の具体例を以下に示す。具体例中、Rxは、H、CH3、CH2OH、又はCF3を表す。
疎水性樹脂(HR)に於ける、酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位は、上記の酸分解性樹脂で挙げた酸分解性基を有する繰り返し単位と同様のものが挙げられる。
疎水性樹脂(HR)に於ける、酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂中の全繰り返し単位に対し、1〜80mol%が好ましく、より好ましくは10〜80mol%、更に好ましくは20〜60mol%である。
疎水性樹脂(HR)は、更に、下記一般式(VI)により表される繰り返し単位を有していてもよい。
一般式(VI)に於いて、
Rc31は、水素原子、フッ素で置換されていてもよいアルキル基、シアノ基又は−CH2−O−Rac2基を表す。式中、Rac2は、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。Rc31は、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、メチル基が特に好ましい。
Rc32は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基又はアリール基を有する基を表す。これら基はフッ素原子、珪素原子で置換されていても良い。
Lc3は、単結合又は2価の連結基を表す。
一般式(VI)に於ける、Rc32のアルキル基は、炭素数3〜20の直鎖若しくは分岐状アルキル基が好ましい。
シクロアルキル基は、炭素数3〜20のシクロアルキル基が好ましい。
アルケニル基は、炭素数3〜20のアルケニル基が好ましい。
シクロアルケニル基は、炭素数3〜20のシクロアルケニル基が好ましい。
アリール基は、炭素数6〜20のフェニル基、ナフチル基が好ましく、これらは置換基を有していてもよい。
Rc32は無置換のアルキル基又はフッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。
Lc3の2価の連結基は、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜5)、オキシ基、フェニレン基、エステル結合(−COO−で表される基)が好ましい。
疎水性樹脂(HR)は、一般式(VI)により表される繰り返し単位として、下記一般式(VII)又は(VIII)により表される繰り返し単位を含んでいてもよい。
一般式(VII)中、Rc5は少なくとも一つの環状構造を有し、ヒドロキシ基及びシアノ基のいずれも有さない炭化水素基を表す。
Racは水素原子、フッ素原子で置換されていても良いアルキル基、シアノ基又は−CH2−O−Rac2基を表す。式中、Rac2は、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。Racは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、メチル基が特に好ましい。
Rc5が有する環状構造には、単環式炭化水素基及び多環式炭化水素基が含まれる。単環式炭化水素基としては、例えば、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルケニル基が挙げられる。好ましい単環式炭化水素基としては、炭素数3から7の単環式炭化水素基である。
多環式炭化水素基には環集合炭化水素基、架橋環式炭化水素基が含まれる。架橋環式炭化水素環として、2環式炭化水素環、3環式炭化水素環、4環式炭化水素環などが挙げられる。また、架橋環式炭化水素環には、縮合環式炭化水素環(例えば、5〜8員シクロアルカン環が複数個縮合した縮合環)も含まれる。好ましい架橋環式炭化水素環としてノルボニル基、アダマンチル基が挙げられる。
これらの脂環式炭化水素基は置換基を有していても良く、好ましい置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、保護基で保護されたヒドロキシル基、保護基で保護されたアミノ基などが挙げられる。好ましいハロゲン原子としては臭素、塩素、フッ素原子、好ましいアルキル基としてはメチル、エチル、ブチル、t−ブチル基が挙げられる。上記のアルキル基はさらに置換基を有していても良く、更に有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、保護基で保護されたヒドロキシル基、保護基で保護されたアミノ基を挙げることができる。
保護基としては、例えばアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、置換メチル基、置換エチル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基が挙げられる。好ましいアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基、好ましい置換メチル基としてはメトキシメチル、メトキシチオメチル、ベンジルオキシメチル、t−ブトキシメチル、2−メトキシエトキシメチル基、好ましい置換エチル基としては、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル、好ましいアシル基としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル基などの炭素数1〜6の脂肪族アシル基、アルコキシカルボニル基としては炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基などが挙げられる。
一般式(VIII)中、Rc6はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基を表す。これら基はフッ素原子、珪素原子で置換されていても良い。
Rc6のアルキル基は、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐状アルキル基が好ましい。
シクロアルキル基は、炭素数3〜20のシクロアルキル基が好ましい。
アルケニル基は、炭素数3〜20のアルケニル基が好ましい。
シクロアルケニル基は、炭素数3〜20のシクロアルケニル基が好ましい。
アルコキシカルボニル基は、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましい。
アルキルカルボニルオキシ基は、炭素数2〜20のアルキルカルボニルオキシ基が好ましい。
nは0〜5の整数を表す。nが2以上の場合、複数のRc6は同一でも異なっていても良い。
Rc6は無置換のアルキル基又はフッ素原子で置換されたアルキル基が好ましく、トリフルオロメチル基、t−ブチル基が特に好ましい。
疎水性樹脂(HR)は、更に、下記一般式(CII−AB)により表される繰り返し単位を有することも好ましい。
式(CII−AB)中、
Rc11'及びRc12'は、各々独立に、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
Zc'は、結合した2つの炭素原子(C−C)を含み、脂環式構造を形成するための原子団を表す。
また、上記一般式(CII-AB)は、下記一般式(CII−AB1)又は一般式(CII−AB2)であることが更に好ましい。
式(CII−AB1)及び(CII−AB2)中、Rc13'〜Rc16'は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基あるいはシクロアルキル基を表す。
また、Rcl3'〜Rc16'のうち少なくとも2つが結合して環を形成してもよい。
nは0又は1を表す。
以下に一般式(VI)又は(CII−AB)により表される繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。式中、Raは、H、CH3、CH2OH、CF3又はCNを表す。
以下に疎水性樹脂(HR)の具体例を示す。また、下記表1及び表2に、各樹脂における繰り返し単位のモル比(各繰り返し単位と左から順に対応)、重量平均分子量、分散度を示す。
疎水性樹脂がフッ素原子を有する場合、フッ素原子の含有率は、樹脂(HR)の分子量に対し、5〜80質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。また、フッ素原子を含む繰り返し単位が、樹脂(HR)中の全繰り返し単位に対し、10〜100質量%であることが好ましく、30〜100質量%であることがより好ましい。
樹脂(HR)が珪素原子を有する場合、珪素原子の含有率は、樹脂(HR)の分子量に対し、2〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましい。また、珪素原子を含む繰り返し単位は、樹脂(HR)の全繰り返し単位に対し、10〜90質量%であることが好ましく、20〜80質量%であることがより好ましい。
樹脂(HR)の標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜100,000で、より好ましくは1,000〜50,000、更により好ましくは2,000〜15,000である。
疎水性樹脂は1種類単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。組成物中の樹脂(HR)の含有率は、組成物膜の後退接触角が前記範囲になるよう適宜調整して使用できるが、組成物の全固形分を基準として、0.01〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜9質量%であり、さらに好ましくは0.5〜8質量%である。
樹脂(HR)は、酸分解性樹脂と同様、金属等の不純物が少ないのは当然のことながら、残留単量体やオリゴマー成分が0〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0〜5質量%、0〜1質量%が更により好ましい。それにより、液中異物や感度等の経時変化のないレジストが得られる。また、解像度、パターン形状、パターンの側壁、ラフネスなどの点から、分子量分布(Mw/Mn、分散度ともいう)は、1〜3の範囲が好ましく、より好ましくは1〜2、さらに好ましくは1〜1.8、最も好ましくは1〜1.5の範囲である。
樹脂(HR)は、各種市販品を利用することもできるし、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種及び開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド溶剤、さらには上述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、シクロヘキサノンのような本発明の組成物を溶解する溶媒が挙げられる。より好ましくは本発明のレジスト組成物に用いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシ基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。反応の濃度は、通常5〜50質量%であり、好ましくは30〜50質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは60〜100℃である。
反応終了後、室温まで放冷し、精製する。精製は、水洗や適切な溶媒を組み合わせることにより残留単量体やオリゴマー成分を除去する液々抽出法、特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限外濾過等の溶液状態での精製方法や、樹脂溶液を貧溶媒へ滴下することで樹脂を貧溶媒中に凝固させることにより残留単量体等を除去する再沈澱法やろ別した樹脂スラリーを貧溶媒で洗浄する等の固体状態での精製方法等の通常の方法を適用できる。例えば、上記樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒(貧溶媒)を、該反応溶液の10倍以下の体積量、好ましくは10〜5倍の体積量で、接触させることにより樹脂を固体として析出させる。
ポリマー溶液からの沈殿又は再沈殿操作の際に用いる溶媒(沈殿又は再沈殿溶媒)としては、該ポリマーの貧溶媒であればよく、ポリマーの種類に応じて、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ニトロ化合物、エーテル、ケトン、エステル、カーボネート、アルコール、カルボン酸、水、これらの溶媒を含む混合溶媒等の中から適宜選択して使用できる。これらの中でも、沈殿又は再沈殿溶媒として、少なくともアルコール(特に、メタノールなど)又は水を含む溶媒が好ましい。
沈殿又は再沈殿溶媒の使用量は、効率や収率等を考慮して適宜選択できるが、一般には、ポリマー溶液100質量部に対して、100〜10000質量部、好ましくは200〜2000質量部、さらに好ましくは300〜1000質量部である。
沈殿又は再沈殿する際の温度としては、効率や操作性を考慮して適宜選択できるが、通常0〜50℃程度、好ましくは室温付近(例えば20〜35℃程度)である。沈殿又は再沈殿操作は、攪拌槽などの慣用の混合容器を用い、バッチ式、連続式等の公知の方法により行うことができる。
沈殿又は再沈殿したポリマーは、通常、濾過、遠心分離等の慣用の固液分離に付し、乾燥して使用に供される。濾過は、耐溶剤性の濾材を用い、好ましくは加圧下で行われる。乾燥は、常圧又は減圧下(好ましくは減圧下)、30〜100℃程度、好ましくは30〜50℃程度の温度で行われる。
尚、一度、樹脂を析出させて、分離した後に、再び溶媒に溶解させ、該樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒と接触させてもよい。即ち、上記ラジカル重合反応終了後、該ポリマーが難溶あるいは不溶の溶媒を接触させ、樹脂を析出させ(工程a)、樹脂を溶液から分離し(工程b)、改めて溶媒に溶解させ樹脂溶液Aを調製(工程c)、その後、該樹脂溶液Aに、該樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒を、樹脂溶液Aの10倍未満の体積量(好ましくは5倍以下の体積量)で、接触させることにより樹脂固体を析出させ(工程d)、析出した樹脂を分離する(工程e)ことを含む方法でもよい。
本発明に係るレジスト組成物から形成された膜について、活性光線又は放射線の照射時に、膜とレンズの間に空気よりも屈折率の高い液体(液浸媒体)を満たして露光(液浸露光)を行ってもよい。これにより解像性を高めることができる。用いる液浸媒体としては空気よりも屈折率の高い液体であればいずれのものでも用いることができるが好ましくは純水である。
液浸露光する際に使用する液浸液について、以下に説明する。
液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつレジスト膜上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう、屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光源がArFエキシマレーザー(波長;193nm)である場合には、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。
また、さらに屈折率が向上できるという点で屈折率1.5以上の媒体を用いることもできる。この媒体は、水溶液でもよく有機溶剤でもよい。
液浸液として水を用いる場合、水の表面張力を減少させるとともに、界面活性力を増大させるために、ウェハ上のレジスト膜を溶解させず、且つレンズ素子の下面の光学コートに対する影響が無視できる添加剤(液体)を僅かな割合で添加しても良い。その添加剤としては水とほぼ等しい屈折率を有する脂肪族系のアルコールが好ましく、具体的にはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。水とほぼ等しい屈折率を有するアルコールを添加することにより、水中のアルコール成分が蒸発して含有濃度が変化しても、液体全体としての屈折率変化を極めて小さくできるといった利点が得られる。一方で、193nm光に対して不透明な物質や屈折率が水と大きく異なる不純物が混入した場合、レジスト膜上に投影される光学像の歪みを招くため、使用する水としては、蒸留水が好ましい。更にイオン交換フィルター等を通して濾過を行った純水を用いてもよい。
水の電気抵抗は、18.3MQcm以上であることが望ましく、TOC(有機物濃度)は20ppb以下であることが望ましく、脱気処理をしていることが望ましい。
また、液浸液の屈折率を高めることにより、リソグラフィー性能を高めることが可能である。このような観点から、屈折率を高めるような添加剤を水に加えたり、水の代わりに重水(D2O)を用いてもよい。
本発明の組成物による膜と液浸液との間には、膜を直接、液浸液に接触させないために、液浸液難溶性膜(以下、「トップコート」ともいう)を設けてもよい。トップコートに必要な機能としては、組成物膜上層部への塗布適正、放射線、特に193nmに対する透明性、液浸液難溶性である。トップコートは、組成物膜と混合せず、さらに組成物膜上層に均一に塗布できることが好ましい。
トップコートは、193nm透明性という観点からは、芳香族を豊富に含有しないポリマーが好ましく、具体的には、炭化水素ポリマー、アクリル酸エステルポリマー、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、シリコン含有ポリマー、フッ素含有ポリマーなどが挙げられる。前述の疎水性樹脂(HR)はトップコートとしても好適なものである。トップコートから液浸液へ不純物が溶出すると光学レンズを汚染するという観点からは、トップコートに含まれるポリマーの残留モノマー成分は少ない方が好ましい。
トップコートを剥離する際は、現像液を使用してもよいし、別途剥離剤を使用してもよい。剥離剤としては、膜への浸透が小さい溶剤が好ましい。剥離工程が膜の現像処理工程と同時にできるという点では、有機溶媒を含んだ現像液で剥離できることが好ましい。
トップコートと液浸液との間には屈折率の差がない方が、解像力が向上する。ArFエキシマレーザー(波長:193nm)において、液浸液として水を用いる場合には、ArF液浸露光用トップコートは、液浸液の屈折率に近いことが好ましい。屈折率を液浸液に近くするという観点からは、トップコート中にフッ素原子を有することが好ましい。また、透明性・屈折率の観点から薄膜の方が好ましい。
トップコートは、膜と混合せず、さらに液浸液とも混合しないことが好ましい。この観点から、液浸液が水の場合には、トップコートに使用される溶剤は、本発明の組成物に使用される溶媒に難溶で、かつ非水溶性の媒体であることが好ましい。さらに、液浸液が有機溶剤である場合には、トップコートは水溶性であっても非水溶性であってもよい。
[F]界面活性剤
本発明に係る組成物は、界面活性剤を更に含んでいてもよい。界面活性剤を含有することにより、波長が250nm以下、特には220nm以下の露光光源を使用した場合に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥のより少ないパターンを形成することが可能となる。
界面活性剤としては、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤を用いることが特に好ましい。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤としては、例えば、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の[0276]に記載の界面活性剤が挙げられる。また、エフトップEF301若しくはEF303(新秋田化成(株)製);フロラードFC430、431若しくは4430(住友スリーエム(株)製);メガファックF171、F173、F176、F189、F113、F110、F177、F120若しくはR08(大日本インキ化学工業(株)製);サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105若しくは106(旭硝子(株)製);トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製);GF−300若しくはGF−150(東亜合成化学(株)製)、サーフロンS−393(セイミケミカル(株)製);エフトップEF121、EF122A、EF122B、RF122C、EF125M、EF135M、EF351、EF352、EF801、EF802若しくはEF601((株)ジェムコ製);PF636、PF656、PF6320若しくはPF6520(OMNOVA社製);又は、FTX−204G、208G、218G、230G、204D、208D、212D、218D若しくは222D((株)ネオス製)を用いてもよい。なお、ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)も、シリコン系界面活性剤として用いることができる。
また、界面活性剤は、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)又はオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物を用いて合成してもよい。具体的には、このフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を備えた重合体を、界面活性剤として用いてもよい。このフルオロ脂肪族化合物は、例えば、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することができる。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート若しくはメタクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布していても、ブロック共重合していてもよい。
ポリ(オキシアルキレン)基としては、例えば、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基及びポリ(オキシブチレン)基が挙げられる。また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)及びポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)等の、同じ鎖内に異なる鎖長のアルキレンを有するユニットであってもよい。
さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート若しくはメタクリレートとの共重合体は、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマー及び異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート若しくはメタクリレート等を同時に共重合してなる3元系以上の共重合体であってもよい。
例えば、市販の界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476及びF−472(大日本インキ化学工業(株)製)が挙げられる。さらに、C6F13基を有するアクリレート若しくはメタクリレートと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート若しくはメタクリレートとの共重合体、C6F13基を有するアクリレート若しくはメタクリレートと(ポリ(オキシエチレン))アクリレート若しくはメタクリレートと(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート若しくはメタクリレートとの共重合体、C8F17基を有するアクリレート若しくはメタクリレートと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート若しくはメタクリレートとの共重合体、及び、C8F17基を有するアクリレート若しくはメタクリレートと(ポリ(オキシエチレン))アクリレート若しくはメタクリレートと(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート若しくはメタクリレートとの共重合体等が挙げられる。
また、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の[0280]に記載されているフッ素系及び/又はシリコン系以外の界面活性剤を使用してもよい。
これら界面活性剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係る組成物が界面活性剤を含んでいる場合、その含有量は、組成物の全固形分を基準として、好ましくは0〜2質量%、より好ましくは0.0001〜2質量%、更に好ましくは0.0005〜1質量%である。
[G]その他の添加剤
本発明に係る組成物は、溶解阻止化合物、染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤、及び/又は現像液に対する溶解性を促進させる化合物(例えば、分子量1000以下のフェノール化合物、又はカルボキシ基を含んだ脂環族若しくは脂肪族化合物)を更に含んでいてもよい。
本発明に係る組成物は、溶解阻止化合物を更に含んでいてもよい。ここで「溶解阻止化合物」とは、酸の作用により分解して有機溶剤を含んだ現像液中での溶解度が減少する、分子量3000以下の化合物である。
この溶解阻止化合物としては、波長が220nm以下の光に対する透過性を低下させないため、Proceeding of SPIE, 2724, 355 (1996) に記載されている酸分解性基を含むコール酸誘導体等の、酸分解性基を含有する脂環族又は脂肪族化合物が好ましい。この酸分解性基及び脂環構造としては、例えば、先に説明したのと同様のものが挙げられる。
なお、本発明に係るレジスト組成物をKrFエキシマレーザーで露光するか又は電子線で照射する場合には、溶解阻止化合物としては、フェノール化合物のフェノール性ヒドロキシ基を酸分解基で置換した構造を含んだ化合物が好ましい。フェノール化合物としては、フェノール骨格を1〜9個含有するものが好ましく、2〜6個含有するものが更に好ましい。
本発明に係る組成物が溶解阻止化合物を含んでいる場合、その含有量は、組成物の全固形分を基準として、好ましくは3〜50質量%であり、より好ましくは5〜40質量%である。
以下に、溶解阻止化合物の具体例を挙げる。
分子量1000以下のフェノール化合物は、例えば、特開平4−122938号、特開平2−28531号、米国特許第4,916,210号、及び欧州特許第219294等に記載の方法を参考にして、容易に合成することができる。
カルボキシ基を含んだ脂環族若しくは脂肪族化合物としては、例えば、コール酸、デオキシコール酸及びリトコール酸等のステロイド構造を含んだカルボン酸誘導体、アダマンタンカルボン酸誘導体、アダマンタンジカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、並びにシクロヘキサンジカルボン酸が挙げられる。
<パターン形成方法>
本発明に係るパターン形成方法は、(A)上で説明した組成物を用いて膜を形成することと、(B)この膜を露光することと、(C)有機溶剤を含んだ現像液を用いて露光された膜を現像することとを含んでいる。この方法は、(D)リンス液を用いて、現像された膜をリンスすることを更に含んでいてもよい。
製膜後、露光工程の前に、前加熱(PB;Prebake)工程を含むことも好ましい。また、露光工程の後かつ現像工程の前に、露光後加熱(PEB;Post Exposure Bake)工程を含むことも好ましい。
加熱温度は、PB工程及びPEB工程共に、40〜130℃で行うことが好ましく、50〜120℃で行うことがより好ましく、60〜110℃で行うことが更に好ましい。特に、PEB工程を60〜90℃の低温で行った場合、露光ラチチュード(EL)及び解像力を顕著に向上させることができる。
また、加熱時間は、30〜300秒が好ましく、30〜180秒がより好ましく、30〜90秒が更に好ましい。
本発明に係るパターン形成方法において、組成物による膜を基板上に形成する工程、膜を露光する工程、加熱工程、及び現像工程は、一般的に知られている方法により行うことができる。
上記の露光に用いられる光源の波長に制限は無いが、例えば、KrFエキシマレーザー波長(248nm)、ArFエキシマレーザー波長(193nm)、及び、F2エキシマレーザー波長(157nm)が挙げられる。
本発明に係る組成物を用いて形成した膜に対しては、液浸露光を行ってもよい。これにより解像性を更に向上させることができる。用いる液浸媒体としては、空気よりも屈折率の高い液体であればいずれのものでも用いることができるが、好ましくは純水である。
この場合、上述した疎水性樹脂を組成物に予め添加しておいてもよく、膜を形成した後、その上に液浸液難溶性膜(以下、「トップコート」ともいう)を設けてもよい。なお、トップコートに求められる性能及びその使用法などについては、シーエムシー出版「液浸リソグラフィのプロセスと材料」の第7章に解説されている。
トップコートは、波長193nmのレーザーに対する透明性という観点からは、芳香族を豊富に含有しないポリマーが好ましく、例えば、炭化水素ポリマー、アクリル酸エステルポリマー、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、シリコン含有ポリマー、及びフッ素含有ポリマーが挙げられる。上述した疎水性樹脂は、トップコートとしても好適なものである。また、市販のトップコート材料も適宜使用可能である。
露光後にトップコートを剥離する際は、現像液を使用してもよいし、別途剥離剤を使用してもよい。剥離剤としては、膜への浸透が小さい溶剤が好ましい。剥離工程が膜の現像処理工程と同時にできるという点では、現像液により剥離できることが好ましい。
本発明において膜を形成する基板には、特に制限はない。この基板としては、IC等の半導体製造工程、液晶及びサーマルヘッド等の回路基板の製造工程、並びにその他のフォトファブリケーションのリソグラフィー工程で一般的に用いられる基板を用いることができる。このような基板としては、例えば、シリコン、SiN及びSiO2等の無機基板、並びに、SOG等の塗布系無機基板が挙げられる。更に、必要に応じて、膜と基板との間に、有機反射防止膜を形成させてもよい。
有機溶剤を含んだ現像液としては、例えば、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤等の極性溶剤、並びに、炭化水素系溶剤を含んだ現像液が挙げられる。
ケトン系溶剤としては、例えば、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、及びプロピレンカーボネートが挙げられる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸n−ペンチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチルー3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル、プロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル(MMP)、プロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル(EEP)、及び、プロピオン酸プロピルが挙げられる。特には、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル及び酢酸アミル等の酢酸アルキルエステル又はプロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、及びプロピオン酸プロピルなどのプロピオン酸アルキルエステルが好ましい。
アルコール系溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、4−メチルー2−ペンタノール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール及びn−デカノール等のアルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール及びトリエチレングリコール等のグリコール;並びに、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル及びメトキシメチルブタノール等のグリコールエーテルが挙げられる。
エーテル系溶剤としては、例えば、上記のグリコールエーテルの他、ジオキサン及びテトラヒドロフラン等が挙げられる。
アミド系溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンが挙げられる。
炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン及びアニソール等の芳香族炭化水素系溶剤、並びに、ペンタン、ヘキサン、オクタン及びデカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
上記の溶剤は、2種類以上を混合して用いてもよい。また、十分な性能を発揮できる範囲内で、上記以外の溶剤及び/又は水と混合して用いてもよい。但し、現像液全体としての含水率が10質量%未満であることが好ましく、現像液が実質的に水分を含有しないことがより好ましい。即ち、この現像液は、実質的に有機溶剤のみからなる現像液であることが好ましい。なお、この場合であっても、現像液は、後述する界面活性剤を含み得る。また、この場合、現像液は、雰囲気由来の不可避的不純物を含んでいてもよい。
現像液に対する有機溶剤の使用量は、現像液の全量に対して、80質量%以上100質量%以下であることが好ましく、90質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、95質量%以上100質量%以下であることが更に好ましい。
特に、現像液が含んでいる有機溶剤は、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤から選択される少なくとも1つであることが好ましい。
有機溶剤を含んだ現像液の蒸気圧は、20℃に於いて、5kPa以下であることが好ましく、3kPa以下であることが更に好ましく、2kPa以下であることが特に好ましい。現像液の蒸気圧を5kPa以下にすることにより、基板上又は現像カップ内での現像液の蒸発が抑制され、ウェハ面内の温度均一性が向上し、結果として、ウェハ面内の寸法均一性が向上する。
5kPa以下の蒸気圧を有する現像液の具体例としては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン及びメチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル及び乳酸プロピル等のエステル系溶剤;n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、4−メチルー2−ペンタノール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、及びn−デカノール等のアルコール系溶剤;エチレングリコール、ジエチレングリコール及びトリエチレングリコール等のグリコール系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル及びメトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤;テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド及びN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤;トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;並びに、オクタン及びデカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
2kPa以下の蒸気圧を有する現像液の具体例としては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン及びフェニルアセトン等のケトン系溶剤;酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、乳酸エチル、乳酸ブチル及び乳酸プロピル等のエステル系溶剤;n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、4−メチルー2−ペンタノール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール及びn−デカノール等のアルコール系溶剤;エチレングリコール、ジエチレングリコール及びトリエチレングリコール等のグリコール系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル及びメトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤;N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド及びN,N−ジメチルホルムアミドのアミド系溶剤;キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;並びに、オクタン及びデカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
現像液には、必要に応じて、界面活性剤を適当量添加することができる。
この界面活性剤に特に制限はないが、例えば、イオン性又は非イオン性のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤を用いることができる。これらのフッ素及び/又はシリコン系界面活性剤として、例えば、特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができる。この界面活性剤は、非イオン性であることが好ましい。非イオン性の界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を用いることが更に好ましい。
なお、界面活性剤の使用量は、現像液の全量に対して、通常は0.001〜5質量%であり、好ましくは0.005〜2質量%であり、更に好ましくは0.01〜0.5質量%である。
現像方法としては、例えば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、及び、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液吐出ノズルをスキャンしながら現像液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)が挙げられる。
上記各種の現像方法が、現像装置の現像ノズルから現像液をレジスト膜に向けて吐出する工程を含む場合、吐出される現像液の吐出圧(吐出される現像液の単位面積あたりの流速)は、好ましくは2mL/sec/mm2以下であり、より好ましくは1.5mL/sec/mm2以下であり、さらに好ましくは1mL/sec/mm2以下である。流速の下限は特に無いが、スループットを考慮すると、0.2mL/sec/mm2以上であることが好ましい。
吐出される現像液の吐出圧を上記の範囲とすることにより、現像後のレジスト残渣に由来するパターンの欠陥を著しく低減することができる。
このメカニズムの詳細は定かではないが、恐らくは、吐出圧を上記範囲とすることで、現像液がレジスト膜に与える圧力が小さくなり、組成物膜及び/又はパターンが不用意に削られたり崩れたりすることが抑制されるためと考えられる。
なお、現像液の吐出圧(mL/sec/mm2)は、現像装置中の現像ノズル出口における値である。
現像液の吐出圧を調整する方法としては、例えば、ポンプなどで吐出圧を調整する方法、及び、加圧タンクからの供給で圧力を調整することでを変える方法が挙げられる。
また、現像を行う工程の後に、他の溶媒に置換しながら、現像を停止する工程を実施してもよい。
本発明に係るパターン形成方法は、上記の現像工程の後に、リンス工程(有機溶剤を含んだリンス液を用いて膜を洗浄する工程)を更に含んでいることが好ましい。
リンス工程に用いるリンス液としては、現像後のパターンを溶解しないものであれば特に制限はなく、一般的な有機溶剤を含んだ溶液を使用することができる。
リンス液としては、例えば、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤から選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含んだものが挙げられる。このリンス液は、より好ましくは、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤及びアミド系溶剤から選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含んだものであり、更に好ましくは、アルコール系溶剤又はエステル系溶剤を含んだものである。
このリンス液は、1価アルコールを含んでいることがより好ましく、炭素数5以上の1価アルコールを含んでいることが更に好ましい。
これら1価アルコールは、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、環状であってもよい。これら1価アルコールとしては、例えば、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−ヘキサノール、シクロペンタノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、3−ヘキサノール、3−ヘプタノール、3−オクタノール、及び4−オクタノールが挙げられる。炭素数5以上の1価アルコールとしては、例えば、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、4−メチルー2−ペンタノール、1−ペンタノール、及び3−メチル−1−ブタノールが挙げられる。
上記の各成分は、2種類以上を混合して使用してもよく、上記以外の有機溶剤と混合して使用してもよい。
リンス液の含水率は、10質量%未満であることが好ましく、5質量%未満であることが好ましく、3質量%未満であることが更に好ましい。即ち、リンス液に対する有機溶剤の使用量は、リンス液の全量に対して、90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、95質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、97質量%以上100質量%以下であることが特に好ましい。リンス液の含水率を10質量%未満にすることにより、更に良好な現像特性を達成し得る。
リンス液の蒸気圧は、20℃に於いて、0.05kPa以上且つ5kPa以下であることが好ましく、0.1kPa以上且つ5kPa以下であることがより好ましく、0.12kPa以上且つ3kPa以下であることが更に好ましい。リンス液の蒸気圧を0.05kPa以上且つ5kPa以下にすることにより、ウェハ面内の温度均一性が向上すると共に、リンス液の浸透に起因した膨潤が抑制され、ウェハ面内の寸法均一性が良化する。
なお、リンス液には、界面活性剤を適当量添加してもよい。
リンス工程においては、現像を行ったウェハを、上記のリンス液を用いて洗浄する。洗浄処理の方法は特に限定されないが、例えば、一定速度で回転している基板上にリンス液を吐出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、及び、基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)が挙げられる。この中でも、回転塗布法で洗浄処理を行った後、基板を2000rpm〜4000rpmの回転数で回転させ、リンス液を基板上から除去することが好ましい。
本発明に係るパターン形成方法は、有機溶剤を含んだ現像液による現像工程に加えて、アルカリ現像液を用いた現像工程(ポジ型パターンの形成工程)を含んでいてもよい。アルカリ現像液を用いた現像工程と、有機溶剤を含んだ現像液を用いた現像工程との順序に特に制限はないが、アルカリ現像液を用いた現像を有機溶剤を含んだ現像液を用いた現像の前に行うことがより好ましい。また、各現像工程の前に、加熱工程を伴うことが好ましい。
アルカリ現像液の種類は特に限定されないが、通常は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液が用いられる。アルカリ現像液には、アルコール類及び/又は界面活性剤を適当量添加してもよい。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。アルカリ現像液としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38質量%水溶液を用いることが特に好ましい。
アルカリ現像液を用いた現像の後にリンス処理を行う場合、リンス液としては、典型的には純水を使用する。このリンス液には、界面活性剤を適当量添加してもよい。
<樹脂>
下記樹脂(A−1)〜(A−10)を、以下に示すようにして合成した。また、下記樹脂(CA−1)を準備した。
下記表3に、樹脂(A−1)〜(A−10)、及び(CA−1)における重量平均分子量Mw、分散度Mw/Mn、及び各繰り返し単位の組成比(左から順に対応)を纏める。
〔合成例1:樹脂(A−1)〕
窒素気流下、シクロヘキサノン160gを3つ口フラスコに入れ、これを80℃に加熱した(溶剤1)。次に、下記monomer-A1(13.58g)、monomer-1(23.11g)、monomer-2(12.48g)、及びmonomer-3(31.35g)を、シクロヘキサノン(297g)に溶解し、モノマー溶液を調製した。更に、重合開始剤V−601(和光純薬工業製)をモノマーに対し6.4mol%加え、溶解させた溶液を、上記溶剤1に対して6時間かけて滴下した。滴下終了後、更に80℃で2時間反応させた。反応液を放冷後ヘプタン3000g/酢酸エチル750gの混合溶媒に滴下し、析出した粉体をろ取、乾燥すると、樹脂(A−1)が62g得られた。得られた樹脂(A−1)の重量平均分子量は10200であり、分散度(Mw/Mn)は1.77であった。13C-NMRにより求めた組成比は、5/37/15/43であった。なお、以上の全ての作業は、黄色灯下にて行った。
その他の樹脂についても、同様にして合成した。
<疎水性樹脂>
以下の疎水性樹脂(1)〜(10)を準備した。
下記表4に、樹脂(1)〜(10)における重量平均分子量Mw、分散度Mw/Mn、及び各繰り返し単位の組成比(左から順に対応)を纏める。
<酸発生剤>
酸発生剤として、下記化合物(PAG−1)〜(PAG−3)を準備した。
<塩基性化合物>
塩基性化合物として、下記化合物(N−1)〜(N−8)を準備した。
<添加剤>
添加剤として、下記化合物(AD−1)〜(AD−5)を準備した。
<界面活性剤>
界面活性剤として、以下のものを準備した。
W−1: メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製;フッ素系)
W−2: メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製;フッ素及びシリコン系)
W−3: ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製;シリコン系)
W−4: トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
W−5: KH−20(旭化成(株)製)
W−6: PolyFox(登録商標) PF-6320(OMNOVA solution inc.製;フッ素系)。
<溶剤>
溶剤として、以下のものを準備した。
(a群)
SL−1: プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
SL−2: プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート
SL−3: 2−ヘプタノン。
(b群)
SL−4: 乳酸エチル
SL−5: プロピレングリコールモノメチルエーテル
SL−6: シクロヘキサノン。
(c群)
SL−7: γ−ブチロラクトン
SL−8: プロピレンカーボネート。
<レジスト組成物の調製>
下記表5に示す成分を同表に示す溶剤に溶解させ、それぞれを0.03μmのポアサイズを有するポリエチレンフィルターでろ過して、レジスト組成物を調製した。シリコンウエハ上に有機反射防止膜ARC29SR(日産化学社製)を塗布し、205℃で60秒間ベークを行い、膜厚86nmの反射防止膜を形成した。その上にレジスト組成物を塗布し、100℃で60秒間に亘ってベーク(PB)を行い、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。
得られたウエハに対し、ArFエキシマレーザー液浸スキャナー(ASML社製;XT1700i、NA1.20、C−Quad、アウターシグマ0.981、インナーシグマ0.895、XY偏向)を用い、露光マスク(ライン/スペース=1/1)を介して、パターン露光を行った。この際、液浸液としては超純水を用いた。その後、85℃で60秒間加熱(PEB)した。次いで、現像液(酢酸ブチル)を30秒間パドルして現像し、リンス液(4−メチル−2−ペンタノール)で30秒間パドルしてリンスした。続いて、4000rpmの回転数で30秒間ウエハを回転させた後に、90℃で60秒間ベークを行った。このようにして、75nm(1:1)のラインアンドスペースのレジストパターンを得た。
<評価方法>
〔限界解像力(スペース幅)〕
75nm(1:1)ラインアンドスペースのマスクパターンを再現する露光量を最適露光量とし、最適露光量から露光量を更に増加させて、形成されるスペース幅を細らせた際に、ラインパターンがブリッジで繋がったり、現像残りが発生したりすることなしに解像するスペース幅(nm)を、「限界解像力」と定義した。値が小さいほど、より微細なパターンが解像することを表し、解像力に優れていることを示す。
〔ラインウィズスラフネス(LWR)〕
75nm(1:1)のラインアンドスペースのレジストパターンを測長走査型電子顕微鏡(SEM(株)日立製作所S−9380II)を使用して観察し、スペースパターンの長手方向2μmの範囲を等間隔で50点線幅を測定し、その標準偏差から3σ(nm)を算出することで測定した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
〔露光ラチチュード(EL)〕
75nm(1:1)のラインアンドスペースのレジストパターンを形成する露光量を最適露光量とし、露光量を変化させた際にパターンサイズが75nm±10%を許容する露光量幅を求め、この値を最適露光量で割って百分率表示した。値が大きいほど露光量変化による性能変化が小さく、露光ラチチュード(EL)が良好である。
〔ブリッジ欠陥(パターン形状)〕
最適露光量及び最適フォーカスにおける75nm(1:1)のラインアンドスペースのレジストパターンを、測長走査型電子顕微鏡(SEM(株)日立製作所S−9380II)を用いて観察した。ブリッジ欠陥が見られなかった水準を○(Good)、ブリッジ欠陥は見られないがややT−top形状となった水準を△(Fair)、ブリッジ欠陥が見られた水準を×(Insufficient)とした。
これらの評価結果を、下記表6に示す。
表6から分かるように、実施例に係る組成物は、比較例に係る組成物と比較して、限界解像力、ラフネス特性、露光ラチチュード(EL)及びブリッジ欠陥特性に優れていた。
また、表6に示す結果から、以下の点が明らかとなった。
(1)参考例5、6及び実施例9と他の例との比較により、非イオン性の構造部位を備えた繰り返し単位(R)を含んだ樹脂を用いると、ラフネス特性を更に向上させ得ることが分かった。
(2)実施例9及び10と他の例との比較により、酸の作用により分解してアルコール性ヒドロキシ基を生じる基を備えた繰り返し単位を含んだ樹脂を用いると、特に優れた限界解像力を達成できることが分かった。