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JP5916553B2 - コネクティングロッド用鋼及びコネクティングロッド - Google Patents

コネクティングロッド用鋼及びコネクティングロッド Download PDF

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JP5916553B2 JP2012165460A JP2012165460A JP5916553B2 JP 5916553 B2 JP5916553 B2 JP 5916553B2 JP 2012165460 A JP2012165460 A JP 2012165460A JP 2012165460 A JP2012165460 A JP 2012165460A JP 5916553 B2 JP5916553 B2 JP 5916553B2
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Description

本発明は、コネクティングロッド用鋼に関し、さらに詳しくは、エンジンを構成するコネクティングロッドに利用されるコネクティングロッド用鋼に関する。
最近、地球温暖化防止のため、自動車や船舶に代表される輸送機器の二酸化炭素の排出量を削減する規制が世界的に厳しくなりつつある。このような規制に対応するため、輸送機器に利用される部品(以下、機械構造用部品という)の軽量化やエンジンの効率化に関する技術開発が進められている。
また、近年の経済情勢を反映して、各種自動車部品の製造コスト低減の動きが活発化しており、この動きはエンジン部品であるコネクティングロッド(以下、コンロッドという)においても例外ではなくなってきている。このため、製造コストが嵩む焼入れ‐焼戻しの調質処理を行うことなく、つまり非調質で、機械構造用炭素鋼を調質処理した場合と同等の疲労強度が得られるコンロッドに対する要望が大きくなり、一部の車種では採用されている。
機械構造用部品の軽量化及び非調質鋼化については、機械構造用部品の素材の引張強度及び疲労強度を高める方法が研究されている。特開2010−53430号公報(特許文献1)は、非調質であっても高い強度を有する熱間鍛造用鋼を開示する。特許文献1では、Siが0.5質量%以下であり、Vを含有する非調質鋼を、C及びV含有量に応じた加熱温度で加熱し、熱間鍛造する。そして、熱間鍛造後、720℃〜550℃まで1.5℃/s以上の冷却速度で冷却し、400℃まで0.1℃/s以上の冷却速度で冷却する。以上の工程により製造された鋼は、フェライトパーライト組織を有し、フェライトと、パーライト内のラメラフェライトとに微細なV炭化物が生成される。そのため、優れた強度が得られると特許文献1に記載されている。
最近では、非調質鋼化に加えて、更に一層の製造コスト低減のために、コンロッド本体とコンロッドキャップの両者を熱間鍛造で一体成形した後、大端部でコンロッド本体とコンロッドキャップにクラッキングする、いわゆる「クラッキングコンロッド」が採用され始めている。
クラッキングコンロッドは、その破断面が平滑な脆性破面であれば、クランクシャフトを挟む部分である合わせ面の切削加工が不要になって製造コストを低減することができる。さらに、破断面で連結が行われるために締結剛性、すなわち強度に優れている。
特開2002−256394号公報(特許文献2)は、破断分離した場合に破面に塑性変形が生じず、かつ、高い疲労強度及び耐力を有する、破断分離型のコネクティングロッド(熱間鍛造用非調質鋼)を開示する。特許文献2では、Al含有量と酸素(O)含有量との関係式、及び、N含有量とO含有量との関係式に基づいて、鋼中のAlNの生成量を調整する。AlNにより結晶粒を微細化することができると記載されている。なお、特許文献2では、回転曲げ試験片により疲労強度を評価している。特許文献2ではさらに、燐(P)を積極的に含有することで、破断時の破面の変形が抑えられ、破面の密着性が高まると記載されている。
特開2004−277841号公報(特許文献3)は、被削性、破断分割性及び耐疲労特性に優れ、クラッキングコンロッドの素材として好適な鋼を開示する。特許文献3には、フェライトパーライト組織におけるフェライトの割合を大きくすることで被削性を良好にするとともに、TiとVとを複合添加することでフェライトを大幅に強化し、破断分割性と耐疲労特性とを確保することができると記載されている。
特開2010−53430号公報 特開2002−256394号公報 特開2004−277841号公報
特許文献1〜3に開示された鋼は、上述のとおり、高い強度を有する。したがって、これらの文献は、機械構造用部品の軽量化に寄与し得る鋼を開示する。しかしながら、これらの文献は、エンジンの高効率化に寄与する鋼について提案していない。
エンジン効率(燃費性能)を高める方法の一つは、エンジン内部の摩擦損失を低減することである。コンロッドの大端部には、すべり軸受を介してクランクシャフトのクランクピンが回転可能に挿入されている。コンロッドとクランクピンとの間には、エンジンオイルが供給されている。エンジンオイルは、コンロッドとクランクピンとの間に油膜を形成し、すべり軸受と油膜とによりコンロッドとクランクピンとの摩擦損失を低減する。
エンジンオイルの粘性は一般的に、温度の上昇に伴い低下する。低粘性であれば、エンジオイルの流動性が高まり、コンロッドとクランクピンとの間の摩擦係数が小さくなる。したがって、エンジン始動後、エンジンオイルの温度が速やかに上昇すれば、エンジンオイルの粘性が速やかに低下して、コンロッドとクランクピンとの摩擦損失が低減する。その結果、エンジン効率(燃費性能)が高まる。
エンジン始動後、エンジンオイルの粘性を速やかに低下するためには、エンジン始動時に発生した熱がエンジン外部に放散するのを抑制すればよい。コンロッドとクランクピンとの間で発生する摩擦熱の大部分は、コンロッドを伝わって外部に放散する。コンロッドの熱伝導率が低ければ、エンジン内で発生する熱の放熱を抑制でき、エンジン始動時にエンジンオイルの粘性を速やかに低下することができる。その結果、コンロッドとクランクピンとの摩擦損失が低減し、エンジン効率(燃費性能)が高まる。したがって、コンロッド用鋼の熱伝導率は低い方が好ましい。
さらに、上述のとおり、コンロッドは高い強度(降伏強度、引張強度及び疲労強度)を求められる。特許文献2は、回転曲げ疲労試験によりクラッキングコンロッドの疲労強度を評価している。しかしながら、コンロッドは動作中、回転曲げ応力よりも、軸方向の引張及び圧縮の繰り返し応力を主として受ける。したがって、コンロッドにおいては、回転曲げ疲労強度よりも、軸方向の引張及び圧縮の繰り返し応力に対する疲労強度が要求される。
クラッキングコンロッドにおいてはさらに、優れたクラッキング性(破断分離性)が求められる。特許文献2に開示された鋼は、クラッキング性が十分とは言えない。
本発明の目的は、低い熱伝導率、高い降伏強度、高い引張強度、軸方向の引張及び圧縮の繰り返し応力に対する高い疲労強度、及び優れたクラッキング性を有するコンロッド用鋼を提供することである。
本発明によるコンロッド用鋼は、質量%で、C:0.20〜0.50%、Si:0.90%を超えて2.0%以下、Mn:0.50〜1.20%、P:0.020〜0.15%、S:0.010〜0.12%、Cr:0.05〜0.40%、Al:0.005〜0.08%、Ti:0.050〜0.30%、V:0.050〜0.35%、N:0.0020〜0.020%、O:0.0050%以下、Cu:0.30%以下(0を含む)、Ni:0.50%以下(0を含む)及びMo:0.50%以下(0を含む)を含有し、残部はFe及び不純物からなり、式(1)で定義されるfn1が57.1以上であり、式(2)で定義されるfn2が0.45以上であり、式(3)で定義されるfn3が0.16以上であり、式(4)で定義されるfn4が1.20以下である。
fn1=6.7×(42[Si%]+25[Mn%]+14[Cu%]+12[Ni%]+16[Cr%]+12[Mo%]+42[Al%]+18[Ti%]+14[V%])0.5・・・(1)
fn2=[C%]+[Si%]/7+[Mn%]/5+[Cr%]/9+[V%]/2−5[S%]/7・・・(2)
fn3=[Ti%]+[V%]・・・(3)
fn4=[Mn%]+[Cr%]・・・(4)
ここで、式(1)〜式(4)中の[元素記号%]には、対応する元素の含有量(質量%
)が代入される。対応する元素が含有されていない場合、[元素記号%]に「0」が代入
される。
本発明によるコンロッド用鋼は、低い熱伝導率、高い降伏強度、高い引張強度、軸方向の引張及び圧縮の繰り返し応力に対する高い疲労強度、及び優れたクラッキング性を有する。
本発明によるコンロッドは、上述のコンロッド用鋼を用いて熱間鍛造により製造される。
図1は、式(1)で定義されたfn1と鋼の熱伝導率との関係を示す図である。 図2は、コンロッドの側面図である。 図3は、実施例で用いた熱伝導試験片の平面図及び側面図である。 図4は、実施例で用いた疲労試験片の側面図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。なお、元素の含有量の「%」は、質量%を意味する。
本発明者らは、コンロッド用鋼の降伏強度、引張強度、疲労強度、クラッキング性及び熱伝導率について検討した。その結果、本発明者らは、以下の知見を得た。
(a)上述のとおり、コンロッドの熱伝導率が低ければ、エンジン内で発生する熱の放熱を抑制でき、エンジン始動時にエンジンオイルの粘性を速やかに低下することができる。その結果、コンロッドとクランクシャフトとの摩擦損失が低減し、エンジン効率(燃費性能)が高まる。
Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、Al及びVは、鋼の熱伝導率を低下し、特に、Si、Mn及びAlは鋼の熱伝導率を顕著に低下する。具体的には、式(1)で定義されるfn1が50.0以上であれば、コンロッド用鋼の熱伝導率を低く抑えることができる。
fn1=6.7×(42[Si%]+25[Mn%]+14[Cu%]+12[Ni%]+16[Cr%]+12[Mo%]+42[Al%]+18[Ti%]+14[V%])0.5・・・(1)
図1は、fn1と熱伝導率との関係を示す図である。図1中の横軸は、fn1の値を示す。縦軸は、熱伝導率(W/(m・K))を示す。図1は、後述する熱伝導率測定試験を実施することにより得られた。
図1を参照して、fn1が大きくなると、熱伝導率はfn1に比例して低くなる。そして、fn1が50.0以上になれば、鋼の熱伝導率は38W/(m・K)以下になり、従来のコンロッド用鋼よりも低くなる。
(b)コンロッド用鋼はさらに、高い引張強度及び高い疲労強度を要求される。コンロッド用鋼に要求される疲労強度は、軸方向の引張及び圧縮の繰り返し応力に対する疲労強度である。主に周方向に回転曲げ応力が掛かるクランクシャフトと異なり、コンロッドでは、主に軸方向に引張および圧縮の繰り返し応力が掛かる。クランクシャフトのような回転曲げによる応力分布では、鋼材(クランクシャフト)の表層の応力が最大となる。一方、図2に示すコンロッド1のうち、大端部10と小端部20とをつなぐレール部30の横断面(軸方向に対して垂直な断面)での応力分布は、ほとんど均一である。したがって、コンロッドでは、回転曲げ疲労強度よりも、軸方向の引張及び圧縮の繰り返し応力に対する疲労強度を高めることが要求される。
コンロッド用鋼の引張強度は、式(2)で定義されるfn2と相関を有する。fn2は炭素当量である。fn2が大きくなると引張強度が高くなる。引張強度が高くなれば、疲労強度も高くなる。また、引張強度が高くなれば、クラッキング性も良好になる。具体的には、fn2が0.45以上であれば、高い引張強度が得られ、これにより高い疲労強度及び良好なクラッキング性が得られる。
fn2=[C%]+[Si%]/7+[Mn%]/5+[Cr%]/9+[V%]/2−5[S%]/7・・・(2)
(c)クラッキング性を確保するにはさらに、TiとVとを複合して含有させ、フェライト中に炭窒化物を析出させて、フェライトを強化する必要がある。そのためには、式(3)で定義されるfn3を0.16以上にすれば良い。
fn3=[Ti%]+[V%]・・・(3)
(d)クラッキング性を得るためにTi、Vを含有させると、熱間鍛造後の冷却時にベイナイトが生成しやすくなる。ベイナイトが生成すると、降伏強度及び引張強度が低下し、そのため疲労強度も低下する。ベイナイトの生成を抑制するには焼入れ性を高める元素の含有量を小さくすれば良く、具体的には式(4)で定義されるfn4を1.20以下とすれば良い。
fn4=[Mn%]+[Cr%]・・・(4)
以上の知見に基づいて、本発明者らは本発明を完成した。以下、本発明によるコンロッド用鋼について説明する。
[化学組成]
本発明によるコンロッド用鋼は、以下の化学組成を有する。
C:0.20〜0.50%
炭素(C)は、鋼の引張強度を高める。一方、Cが過剰に含有されれば、引張強度が過剰に高くなり、鋼の被削性が低下する。したがって、C含有量は、0.20〜0.50%である。好ましいC含有量の下限は0.20%よりも高く、さらに好ましくは、0.25%よりも高く、さらに好ましくは、0.27%以上である。好ましいC含有量の上限は、0.50%未満であり、さらに好ましくは、0.48%以下であり、さらに好ましくは、0.45%以下である。
Si:0.90%を超えて2.0%以下
珪素(Si)は、鋼の熱伝導率を低下する。一方、Siが過剰に含有されれば、鋼の熱間加工性が低下する。したがって、Si含有量は、0.90%を超えて2.0%以下である。好ましいSi含有量の下限は、1.0%以上であり、さらに好ましくは、1.2%以上である。好ましいSi含有量の上限は、2.0%未満であり、さらに好ましくは、1.8%以下であり、さらに好ましくは、1.7%以下である。
Mn:0.50〜1.20%
マンガン(Mn)は、鋼の熱伝導率を低下する。Mnはさらに、鋼の引張強度を高める。一方、Mnが過剰に含有されれば、鋼の熱間加工性が低下する。Mnが過剰に含有されればさらに、引張強度が過剰に高くなり、鋼の被削性が低下する。したがって、Mn含有量は、0.50〜1.20%である。好ましいMn含有量の下限は、0.50%よりも高く、さらに好ましくは、0.60%以上であり、さらに好ましくは、0.70%以上である。好ましいMn含有量の上限は、1.20%未満であり、さらに好ましくは、1.10%以下であり、さらに好ましくは、1.00%以下である。
P:0.020〜0.15%
燐(P)はコンロッドのクラッキングの際の破面を平滑な脆性破面にするのに有効である。一方、Pが過剰に含有されれば、鋼の熱間加工性が低下する。したがって、P含有量は0.020〜0.15%である。好ましいP含有量の下限は、0.020%よりも高く、さらに好ましくは、0.030%以上であり、さらに好ましくは、0.040%以上である。好ましいP含有量の上限は、0.15%未満であり、さらに好ましくは、0.13%以下であり、さらに好ましくは、0.10%以下である。
S:0.010〜0.12%
硫黄(S)は、Mnと結合してMnSを形成し、鋼の被削性を高める。一方、Sが過剰に含有されれば、鋼の熱間加工性が低下する。したがって、S含有量は、0.010〜0.12%である。好ましいS含有量の下限は、0.010%よりも高く、さらに好ましくは、0.015%以上であり、さらに好ましくは、0.040%以上である。好ましいS含有量の上限は、0.12%未満であり、さらに好ましくは、0.11%以下であり、さらに好ましくは、0.10%以下である。
Cr:0.05〜0.40%
クロム(Cr)は、鋼の熱伝導率を低下する。Crはさらに、パーライト中のセメンタイトを強化して鋼の降伏強度を高める。一方、Crが過剰に含有されれば、引張強度が過剰に高くなり、鋼の被削性が低下する。したがって、Cr含有量は、0.05〜0.40%である。好ましいCr含有量の下限は、0.05%よりも高く、さらに好ましくは、0.10%以上であり、さらに好ましくは、0.15%以上である。好ましいCr含有量の上限は、0.40%未満であり、さらに好ましくは、0.35%以下であり、さらに好ましくは、0.30%以下である。
Al:0.005〜0.08%
アルミニウム(Al)は、鋼の熱伝導率を低下する。一方、Alが過剰に含有されても、その効果は飽和し、かつ、製造コストが上がる。したがって、Al含有量は、0.005〜0.08%である。なお、本発明におけるAl含有量は、いわゆる酸可溶Alの含有量(sol.Al)である。好ましいAl含有量の下限は、0.005%よりも高く、さらに好ましくは、0.006%以上であり、さらに好ましくは、0.007%以上である。好ましいAl含有量の上限は、0.08%未満であり、さらに好ましくは、0.07%以下であり、さらに好ましくは、0.06%以下である。
Ti:0.050〜0.30%
チタン(Ti)は、鋼の熱伝導率を低下する。さらに、Tiは、フェライト中に炭窒化物として析出して強度を高める。TiはVと複合して含有させることによってフェライトを大幅に強化する。フェライトの強化により、優れたクラッキング性が得られる。さらに、フェライトの強化は降伏強度及び引張強度を高め、さらに疲労亀裂発生の抑制につながるため、優れた疲労強度を得ることができる。また、Tiは窒化物として析出して結晶粒の粗大化を抑制する。さらに、Tiは硫化物を形成して、鋼の被削性を向上させる。一方、Tiが過剰に含有されれば、粗大なTi窒化物が生成する。粗大なTi窒化物は疲労破壊の起点となるため、鋼の疲労強度が低下する。したがって、Ti含有量は、0.050〜0.30%である。好ましいTi含有量の下限は、0.050%よりも高く、さらに好ましくは、0.070%以上である。好ましいTi含有量の上限は、0.30%未満であり、さらに好ましくは、0.25%以下であり、さらに好ましくは、0.20%以下である。
V:0.050〜0.35%
バナジウム(V)は、鋼の熱伝導率を低下する。また、Vは、フェライト中に炭化物及び/又は炭窒化物として析出して強度を高める。VはTiと複合して含有させることによってフェライトを大幅に強化する。フェライトの強化により、優れたクラッキング性が得られる。さらに、フェライトの強化は降伏強度及び引張強度を高め、さらに疲労亀裂発生の抑制につながるため、優れた疲労強度を得ることができる。一方、Vが過剰に含有されれば、その効果は飽和し、かつ、製造コストが上がる。したがって、V含有量は、0.050〜0.35%である。好ましいV含有量の下限は、0.050%よりも高く、さらに好ましくは、0.080%以上であり、さらに好ましくは、0.10%以上である。好ましいV含有量の上限は、0.35%未満であり、さらに好ましくは、0.25%以下であり、さらに好ましくは、0.20%以下である。
N:0.0020〜0.020%
窒素(N)は、上述のとおり、C、Ti、及びVと結合してフェライト中に炭窒化物を析出させて引張強度及び疲労強度を高める。また、Nは窒化物として析出して結晶粒の粗大化を抑制する。一方、Nが過剰に含有されれば、その効果は飽和する。したがって、N含有量は、0.0020〜0.020%である。好ましいN含有量の下限は、0.0020%よりも高く、さらに好ましくは、0.0040%以上であり、さらに好ましくは、0.0050%以上である。好ましいN含有量の上限は、0.020%未満であり、さらに好ましくは、0.015%以下であり、さらに好ましくは、0.012%以下である。
O:0.0050%以下
酸素(O)は、不純物である。Oは、鋼中で酸化物系介在物を形成し、鋼の疲労強度を低下する。したがって、O含有量は少ない方が好ましい。O含有量は0.0050%以下である。好ましいO含有量は、0.0050%未満であり、さらに好ましくは、0.0040%以下である。
本発明によるコンロッド用鋼の残部は、Fe及び不純物である。不純物は、鋼の原料として利用される鉱石やスクラップ、あるいは製造過程の環境等から混入される元素をいう。
本発明によるコンロッド用鋼はさらに、Cu、Ni、Moからなる群から選択される1種以上を含有してもよい。つまり、これらの元素は選択元素である。これらの元素はいずれも、鋼の熱伝導率を低下する。
Cu:0.30%以下(0を含む)
銅(Cu)は選択元素であり、含有しなくてもよい。Cuは、鋼の熱伝導率を低下するため含有させてもよい。但し、Cuが過剰に含有されれば、鋼の熱間加工性が低下する。そのため、熱間圧延時や熱間鍛造時に鋼に割れが発生する場合がある。したがって、Cu含有量は0.30%以下(0を含む)である。好ましいCu含有量の上限は、0.30%未満であり、さらに好ましくは、0.25%以下であり、さらに好ましくは、0.20%以下である。Cuを含有させて熱伝導率を低下させる場合には、Cuの含有量は0.05%以上とするのが好ましい。
Ni:0.50%以下(0を含む)
ニッケル(Ni)は選択元素であり、含有しなくてもよい。Niは、鋼の熱伝導率を低下するため含有させてもよい。但し、Niが過剰に含有されれば、ベイナイトが生成し、降伏強度及び引張強度が低下し、そのため疲労強度も低下する。したがって、Ni含有量は、0.50%以下(0を含む)である。好ましいNi含有量の上限は、0.50%未満であり、さらに好ましくは、0.30%以下であり、さらに好ましくは、0.20%以下である。Niを含有させて熱伝導率を低下させる場合には、Niの含有量は0.05%以上とするのが好ましい。
Mo:0.50%以下(0を含む)
モリブデン(Mo)は選択元素であり、含有しなくてもよい。Moは、鋼の熱伝導率を低下するため含有させてもよい。但し、Moが過剰に含有されれば、引張強度が過剰に高くなり、鋼の被削性が低下する。したがって、Mo含有量は、0.50%以下(0を含む)である。好ましいMo含有量の上限は、0.50%未満であり、さらに好ましくは、0.30%以下であり、さらに好ましくは、0.20%以下である。Moを含有させて熱伝導率を低下させる場合には、Moの含有量は0.03%以上とするのが好ましい。
[fn1〜fn4について]
本発明によるコンロッド用鋼においてはさらに、式(1)〜(4)で定義されたfn1〜fn4が、以下の条件を満たす。
[fn1について]
式(1)で定義されるfn1は57.1以上である。
fn1=6.7×(42[Si%]+25[Mn%]+14[Cu%]+12[Ni%]+16[Cr%]+12[Mo%]+42[Al%]+18[Ti%]+14[V%])0.5・・・(1)
式(1)中の[元素記号%]には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。対応する元素が含有されていない場合、[元素記号%]に「0」が代入される。
たとえば、選択元素であるCu、Ni及びMoが含有されていない場合、換言すれば、Cu、Ni及びMoが不純物レベルである場合、式(1)中の[Cu%]、[Ni%]及び[Mo%]には「0」が代入される。したがって、Cu、Ni及びMoが含有されていない場合、fn1は以下のとおりとなる。
fn1=6.7×(42[Si%]+25[Mn%]+16[Cr%]+42[Al%]+18[Ti%]+14[V%])0.5
fn1は、コンロッド鋼の熱伝導率に関する指標である。fn1中のSi、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、Al及びVはいずれも、鋼の熱伝導率を低下する。図1に示すとおり、熱伝導率はfn1に比例して低くなる。fn1が50.0以上であれば、コンロッド用鋼の熱伝導率が十分に低くなり、具体的には、熱伝導率が38W/(m・K)以下になる。
[fn2について]
式(2)で定義されるfn2は、0.45以上である。
fn2=[C%]+[Si%]/7+[Mn%]/5+[Cr%]/9+[V%]/2−5[S%]/7・・・(2)
式(2)中の[元素記号%]には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
fn2は炭素当量である。fn2は引張強度と相関を有し、fn2が大きくなると引張強度が高くなる。引張強度が高くなれば、疲労強度も高くなる。また、引張強度が高くなれば、クラッキング性も良好になる。したがって、fn2は0.45以上である。一方、fn2が過剰に大きくなると、引張強度が過剰に高くなり、被削性が低下する。したがって、fn2の上限は、好ましくは、1.00以下である。
[fn3について]
式(3)で定義されるfn3は、0.16以上である。
fn3=[Ti%]+[V%]・・・(3)
式(3)中の[元素記号%]には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
クラッキング性を確保するためには、TiとVとを複合して含有させる必要があり、かつ、TiとVとの含有量の合計を一定以上にする必要がある。したがって、fn3は0.16以上である。
[fn4について]
式(4)で定義されるfn4は、1.20以下である。
fn4=[Mn%]+[Cr%]・・・(4)
式(4)中の[元素記号%]には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
fn4は、熱間鍛造後の冷却時にベイナイトが生成するのを抑制するための指標である。本発明では、クラッキング性を得るためにTi及びVを複合して含有させる。しかし、Ti及びVが複合して含有されると、ベイナイトが生成されやすくなる。ベイナイトが生成すると、コンロッドの降伏強度、引張強度、及び疲労強度が低下する。鋼の焼入れ性を高めるMn及びCrの含有量の合計を制限することにより、ベイナイトの生成を抑制することができる。したがって、fn4は1.20以下である。
本発明によるコンロッド用鋼では、上述のfn1が57.1以上であり、かつ、fn2が0.45以上であり、かつ、fn3が0.16以上であり、かつ、fn4が1.20以下である。そのため、本発明によるコンロッド用鋼は、低い熱伝導率、高い降伏強度、高い引張強度、高い疲労強度、及び優れたクラッキング性を有する。
[製造方法]
本発明によるコンロッド用鋼及びコンロッドの製造方法の一例を説明する。初めに、コンロッドの構成について説明する。図2は、コンロッドの側面図である。図2を参照して、コンロッド1は一般的に、ロッド40とキャップ50とを備える。ロッド40は、小端部20と、レール部30と、大端部10の上半分とを備える。キャップ50は、大端部10の下半分に相当し、クランクシャフトのクランクピンを挟んだ後に、一対のコンロッドボルト60でロッド40と締結される。
上述のコンロッドの製造に用いられるコンロッド用鋼及びコンロッドの製造方法の一例は、以下のとおりである。
上述の化学組成の範囲内であり、かつ、fn1〜fn4が上述の条件を満たす溶鋼を製造する。溶鋼を連続鋳造法によりブルームにする。溶鋼を造塊法によりインゴット(鋼塊)にしてもよい。以上の工程によりコンロッド用鋼が製造される。製造されたブルーム又はインゴットを熱間加工して、ビレット(鋼片)を製造する。ビレットを熱間圧延して、棒鋼を製造する。製造された棒鋼を加熱する。そして、加熱された棒鋼に対して、熱間鍛造を実施してコンロッドを製造する。熱間鍛造時の好ましい加熱温度は1150〜1300℃であり、好ましい仕上げ温度は、900〜1150℃である。
熱間鍛造後のコンロッドを、常温になるまで放冷又は風冷する。冷却後のコンロッドに対して、必要に応じて機械加工を実施する。以上の工程により、コンロッドが製造される。熱間鍛造により図2に示すロッド40とキャップ50とが一体成型される。上述のとおり、本発明によるコンロッド用鋼は、クラッキングコンロッドとして利用される。そのため、大端部10でロッド40とキャップ50とにクラッキングする。クラッキングには、一体成型材の分割したい部位である大端部10の穴(例えば図2におけるN部)に治具を挿入し、応力を付加して破断させる方法が適用される。
上述の製造方法では、棒鋼を用いてコンロッドを製造する。しかしながら、インゴットを熱間鍛造してコンロッドを製造してもよい。要するに、熱間鍛造によりコンロッドを製造できれば、熱間鍛造以前のコンロッド用鋼の製造工程は特に限定されない。
本発明によるコンロッドは、熱間鍛造後の調質処理(焼入れ及び焼戻し)を実施せずとも、高い引張強度、降伏強度及び疲労強度を得ることができる。
異なる化学組成を有する複数のコンロッド用鋼を製造した。そして、製造された各鋼の熱伝導率、降伏強度、引張強度、疲労強度、及びシャルピー衝撃値を調査した。
[調査方法]
表1に示す化学組成を有する番号1〜18の鋼を真空溶解炉によって溶解し、インゴットを製造した。
Figure 0005916553
表1中の各元素記号欄(C、Si、Mn、P、S、Cr、Al、Ti、V、N、O、Cu、Ni、Mo)には、各鋼種番号の鋼中の対応する元素の含有量(質量%)が記入されている。各鋼種番号の化学組成の表1に記載された元素以外の残部は、Fe及びO以外の不純物である。表中の「−」は、対応する元素含有量が不純物レベルであることを示す。
表1中の「fn1」欄には、式(1)で定義されたfn1の値が記入されている。「fn2」欄には、式(2)で定義されたfn2の値が記入されている。「fn3」欄には、式(3)で定義されたfn3の値が記入されている。
番号1〜13の化学組成は、いずれも本発明の化学組成の範囲内であった。さらに、番号1〜5、7〜11、13のfn1は57.1以上であり、fn2は0.45以上であり、fn3は、0.16以上であり、fn4は1.20以下であった。
一方、番号14のSi含有量は、本発明のSi含有量の下限未満であり、また番号14のfn1は、本発明のfn1の下限(57.1)未満であった。
番号15〜番号18の化学組成は、本発明の化学組成の範囲内であった。しかしながら、番号15〜番号18はいずれも、fn1〜fn4のいずれかが本発明の範囲から外れた。具体的には、番号15のfn1は、本発明のfn1の下限(57.1)未満であった。番号16のfn2は、本発明のfn2の下限(0.45)未満であった。番号17のfn3は、本発明のfn3の下限(0.16)未満であった。番号18のfn4は、本発明のfn4の上限(1.20)を超えた。
製造された各インゴットを、1200℃に加熱した。その後、仕上げ温度が1000℃となるように各インゴットを熱間鍛造(鍛伸)して、直径20mmの丸棒を製造した。熱間鍛造終了後の丸棒を、大気中で放冷した。
製造された丸棒は、鍛伸時の温度分布の不均一性を解消するため、1250℃に加熱して30分保持した後、大気中で放冷する焼ならしを実施し、丸棒の組織を均質化した。焼きならし後の丸棒を利用して、次に示す複数の試験を実施した。
[熱伝導率測定試験]
各番号の丸棒のR/2部(丸棒の切断面(円形状)の中心点と外周との間を2等分する点を含む部分)から図3に示す形状の円板状の試験片を採取した。図3中の数値は、対応する部分の寸法(単位はmm)を示す。JIS H 7801(2005)に規定されるレーザフラッシュ法により、常温(25℃)で各試験片の熱伝導率(W/(m・K))を測定した。熱伝導率は38W/(m・K)を評価基準とした。
[引張試験]
各番号の丸棒のR/2部から、JIS Z 2201(1998)に規定される14A号試験片を採取した。試験片の平行部の横断形状は円形状であり、直径は5mmであった。採取された試験片を用いて常温(25℃)大気中で引張試験を実施し、降伏強度(MPa)と引張強度(MPa)とを得た。降伏強度は550MPaを、引張強度は800MPaを評価基準とした。
[疲労試験]
各番号の丸棒のR/2部から、丸棒の長手方向に沿って、図4に示す形状の試験片を採取した。図4中の数値は、対応する部分の寸法(単位はmm)を示す。油圧サーボ式試験機を利用して、試験片に対して軸方向に引張及び圧縮を繰り返す疲労試験を実施した。試験は、常温(25℃)大気中で実施し、周波数30Hzの完全両振りで引張及び圧縮を繰り返した。各番号において、1.0×10回まで破断しなかった試験片のうち、最も高い振幅応力を、その番号の疲労強度(MPa)と定義した。疲労強度は350MPaを評価基準とした。
[衝撃試験]
衝撃特性は、各丸棒の中心からJIS Z 2242(2005)に規定される幅10mmのVノッチ標準衝撃試験片(ただし、ノッチ深さ2mm)を切り出し、通常の方法により室温でシャルピー衝撃試験を行い、衝撃値を測定した。この幅10mmのVノッチ試験片を用いた室温でのシャルピー衝撃値は、クラッキング性を評価する1つの指標となり得るもので、その値が小さいほどクラッキング性が良好といえる。シャルピー衝撃値は7.0J/cmを評価基準とした。
[試験結果]
試験結果を表1に示す。表1中の「熱伝導率」欄には、各番号の丸棒の熱伝導率(W/(m・K))が記入されている。「降伏強度」欄には、各番号の丸棒の0.2%耐力(MPa)を降伏強度として記入される。「引張強度」欄には、各番号の丸棒の引張強度(MPa)が記入されている。「疲労強度」欄には、各番号の疲労強度(MPa)が記入されている。「衝撃値」欄には、各番号のシャルピー衝撃値(J/cm)が記入される。
表1を参照して、番号1〜番号5、番号7〜番号11、及び番号13の化学組成、fn1〜fn4はいずれも、本発明の範囲内であった。そのため、番号1〜番号5、番号7〜番号11、及び番号13の丸棒の熱伝導率は低く、いずれも38W/(m・K)以下であった。さらに、番号1〜番号5、番号7〜番号11、及び番号13の降伏強度はいずれも、550MPa以上であり、引張強度はいずれも、800MPa以上であった。さらに、番号1〜番号5、番号7〜番号11、及び番号13の疲労強度はいずれも、350MPa以上であった。さらに、番号1〜番号5、番号7〜番号11、及び番号13のシャルピー衝撃値はいずれも、7.0J/cm以下であった。したがって、番号1〜番号5、番号7〜番号11、及び番号13の丸棒は、いずれも、低い熱伝導率、高い降伏強度、高い引張強度、高い疲労強度、及び優れたクラッキング性を有した。
一方、番号14のSi含有量は、本発明のSi含有量の下限未満であった。また、fn1も本発明の下限未満であった。そのため、番号14の熱伝導率は38W/(m・K)を超えた。
番号15の化学組成、fn2、fn3、およびfn4は本発明の範囲内であったものの、fn1が本発明の下限未満であった。そのため、番号15の熱伝導率が38W/(m・K)を超えた。
番号16の化学組成、fn1、fn3、およびfn4は本発明の範囲内であったものの、fn2が本発明の下限未満であった。そのため、番号16の引張強度は800MPa未満であり、疲労強度は350Mpa未満であった。
番号17の化学組成、fn1、fn2、及びfn4は本発明の範囲内であったものの、fn3が本発明の下限未満であった。そのため、番号17のシャルピー衝撃値は7.0J/cmを超え、クラッキング性に劣っていた。
番号18の化学組成、fn1、fn2、及びfn3は本発明の範囲内であったものの、fn4が本発明の上限を超えた。そのため、番号18はベイナイトが生成し、降伏強度は550MPa未満であり、引張強度は800MPa未満であり、疲労強度は350MPa未満であった。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
本発明は、機械構造用部品に広く適用可能であり、好ましくは、エンジンに利用される機械構造用部品に適用可能である。特に、クラッキングコンロッドに適用可能である。
1 コネクティングロッド
10 大端部
20 小端部
30 レール部
40 ロッド
50 キャップ
60 ボルト

Claims (2)

  1. 質量%で、
    C:0.20〜0.50%、
    Si:0.90%を超えて2.0%以下、
    Mn:0.50〜1.20%、
    P:0.020〜0.15%、
    S:0.010〜0.12%、
    Cr:0.05〜0.40%、
    Al:0.005〜0.08%、
    Ti:0.050〜0.30%、
    V:0.050〜0.35%、
    N:0.0020〜0.020%、
    O:0.0050%以下、
    Cu:0.30%以下(0を含む)、
    Ni:0.50%以下(0を含む)、
    Mo:0.50%以下(0を含む)、
    を含有し、残部はFe及び不純物からなり、
    式(1)で定義されるfn1が57.1以上であり、
    式(2)で定義されるfn2が0.45以上であり、
    式(3)で定義されるfn3が0.16以上であり、
    式(4)で定義されるfn4が1.20以下である、コネクティングロッド用鋼。
    fn1=6.7×(42[Si%]+25[Mn%]+14[Cu%]+12[Ni%
    ]+16[Cr%]+12[Mo%]+42[Al%]+18[Ti%]+14[V%]
    0.5・・・(1)
    fn2=[C%]+[Si%]/7+[Mn%]/5+[Cr%]/9+[V%]/2
    −5[S%]/7・・・(2)
    fn3=[Ti%]+[V%]・・・(3)
    fn4=[Mn%]+[Cr%]・・・(4)
    ここで、式(1)〜式(4)中の[元素記号%]には、対応する元素の含有量(質量%
    )が代入される。対応する元素が含有されていない場合、[元素記号%]に「0」が代入
    される。
  2. 請求項1に記載のコネクティングロッド用鋼を熱間鍛造して製造される、コネクティン
    グロッド。
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