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JP5904814B2 - 粒状体処理装置及びこれを用いた粒状体処理方法 - Google Patents

粒状体処理装置及びこれを用いた粒状体処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、静止している触媒等の粒状体の相対位置を変更する処理を必要とする反応器等の装置の技術に関する。
入口・出口(流入口・流出口)を有する容器の中に粒状体を静的に収容して、粒状体間の隙間に流体を通過させて流体または粒状体を処理する粒状体処理装置は、固定床反応器、熱交換器、フィルタ等に広く適用されている。このような粒状体処理装置においては、作業中の特定のタイミングで粒状体の相対位置を微小に変更したい状況がしばしば発生する。
例えば、流体が粒状触媒表面で反応を生じる反応器においては、粒状体(触媒)の隙間のレイアウトの差によって、粒状体表面で新鮮な流体と接触しやすい領域(大流量で流体が流れる隙間)としにくい領域(流れの澱む隙間や粒状体同士が接触している表面)の分布を生じる。長時間作業を続ければ、新鮮な流体と接触しやすい領域の粒状体表面では表面の減量や汚損・劣化が促進される場合がある。このようなとき、粒状体の相対位置を変更することによって、それまで澱んだ流体と接触していた粒状体表面の少なくとも一部を新鮮な流体と接触しやすい隙間レイアウトにすることができれば、粒状体表面での減量や劣化の均一化をはかることが期待でき、より長い時間、安定して作業できると考えられる。
あるいは、粒状体間の隙間には作業中に異物が堆積する場合があり、通気性や反応性の低下を生じる場合がある。例えば、触媒(粒状体)を充填した固定床触媒反応容器(粒状体処理装置)を用いた流体の化学反応において、触媒反応によって固体等の析出物を生成する場合には、しばしば、触媒間の空間にこの固体析出物が堆積して触媒層を閉塞させ、通気できなくなる問題が発生する。
例えば、特許文献1(特開2010−77219号公報)においては、水素・二酸化炭素・水蒸気・タール含有ガスを、固定床触媒反応装置において、ニッケル・セリウム・アルミニウムを含む触媒に接触させてタールガスの改質を行う技術が開示されており、この技術においては、改質中に触媒表面に固体炭素が析出し、これを除去するために水蒸気または空気を前記炭素に接触させる再生処理の必要なことが記載されている。
移動床や流動床を用いれば、粒状体間を相対運動させることは容易である。例えば、特許文献1には、移動床形式および流動床形式の触媒反応容器の使用も例示されている。これらの方式では触媒表面に析出した炭素を反応作業中に除去しうる。しかし、このような反応容器は、固定床触媒反応容器に比べて装置が複雑化することや、流動床形式の場合には操業も不安定になりやすいので、特に、高温・高圧・高腐食性流体を処理するための反応容器としては一般的ではない。
一方、移動床形式および流動床形式の触媒反応容器における上記のような問題がない固定床反応容器では、通常、触媒層を挟んだ両側に空間を設け、一方の空間から他方に流体を流通させて反応させる。触媒層の両側に空間を形成するためには、触媒の保持機構が必要であり、触媒保持機構の代表例は特許文献2(特開2011−6289号公報)に記載されているが、触媒径よりも小さな孔径を有するパンチングメタル板や網を用いて触媒の保持と通気を確保している。図12にその例を示すが、触媒反応容器1の内部に触媒2が収容されており、触媒の保持はパンチングメタル板や網3によって行われている。図12において、原料ガス4は流入口5から流入し、流出口6から改質ガス7として流出する。
反応中の固体析出物の堆積による触媒層の閉塞を防止する手段として、例えば特許文献2には、2つの触媒層の間をガスが通気する自由空間において、第1の触媒層から流出したガス中の粉塵を補足することによって第2の触媒層での閉塞を防ぐ技術が記載されている。しかしこの場合には、触媒層内部で生成し、触媒間の空間で触媒に付着・堆積する粉塵による触媒層の閉塞を防止することはできない。
特許文献3(特開2009−48797号公報)には、燃料電池用のセル内の触媒層に超音波を照射することによって、触媒上で発生した水を流出・除去する技術が記載されている。超音波は、自由空間中や粒体層・粉体層中での減衰が大きいので、照射源近傍にしか作用できない。このため、燃料電池用セル内の触媒層のように比較的小型のものには有効であるが、大量の流体を処理する大型の触媒層では、超音波によって触媒層全体を振動させることは困難である。
特許文献4(特開2008−120604号公報)には、炭化水素の水蒸気改質を低温で実施することによりコーキングを抑制する技術が記載されている。しかし、触媒反応には触媒耐久性および反応速度上の観点から最適な反応温度条件が存在し、コーキングによる触媒層の閉塞は、この最適条件において発生している。そのため、触媒反応温度を低下させてしまうと、反応の最適条件ではなくなるので、触媒性能が低下する問題がある。
特許文献5(特開平8−24622号公報)には、従来技術として、移動床触媒反応容器における堆積ダストによる触媒層の部分閉塞を槌打装置やバイブレータによって除去することが記載されている。この場合には、槌打やバイブレーションによって、触媒の充填率が上昇して触媒間の空間が狭まり、触媒の流動性がかえって悪化する問題がある。
特開2010−77219号公報 特開2011−6289号公報 特開2009−48797号公報 特開2008−120604号公報 特開平8−24622号公報
このように、従来技術では容器内に静的に収納された粒状体間の相対位置を効率的に変更する手段が存在しなかった。本発明の目的は、容器内に静的に収納された触媒などの粒状体間の相対位置を効率的に変更するのを可能にする粒状体処理装置と、これを用いて容器内の粒状体を処理する粒状体処理方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明者の研究の結果、以下の解決方法を発明するに至った。
(1)供給流体の流入路及び流出流体の流出路と、
流入路及び流出路に接続された粒状体処理容器であり、その内壁に接して粒状体層を鉛直方向に充填する粒状体処理容器と、
粒状体層を保持し、かつ、流体の通過が可能な粒状体保持器と、
を有する粒状体処理装置であって、前記粒状体処理容器は、その鉛直方向における少なくとも前記粒状体層が存在する部分において、幅が一定で、且つ、厚み方向に広がり角0.5°〜20°の範囲で上方に向かうにつれ増大する矩形の水平断面積を有すること、そして当該装置は、前記粒状体保持器を昇降させることにより粒状体層全体を昇降させて、前記粒状体と前記内壁との摩擦を生じさせると共に前記粒状体層の充填率を変動させるための駆動機構を具備するとともに、
前記粒状体処理容器が、前記粒状体として粒状の触媒を収納する連続式固定床触媒反応器であり、前記供給流体がガスであり、前記流出流体が当該反応容器での触媒反応生成物のガスであり、その触媒反応では副生物の固体が触媒上に析出して、前記触媒層中に堆積することを特徴とする、粒状体処理装置。
(2)前記保持器が、前記粒状体を略平行に配置された複数のピンの先端部で保持し、且つ、前記複数のピンにおける隣り合うピンの間隔が前記粒状体の大きさよりも小さいように配置され、前記供給流体が当該ピンの間の空間を流通できる構造を有することを特徴とする、上記(1)に記載の粒状体処理装置。
(3)前記保持器が、粒状体が隙間を落下しないように間隔をあけて配列した2以上の棒で粒状体を保持し、棒の中心軸の水平面投影成分は互いに平行とし、隣り合う棒の中心軸の鉛直面投影成分またはその延長線は互いに交差する構造を有することを特徴とする、上記(1)に記載の粒状体処理装置。
(4)前記粒状体処理容器が、角型ダクト状であり、
前記粒状体層の鉛直方向の高さが、前記粒状体処理容器の最小厚みの3倍以下であり、かつ、粒状体の3層分以上であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の粒状体処理装置。
(5)前記駆動機構の下降時の速度が上昇時の速度よりも速いことを特徴とする、上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の粒状体処理装置。
)前記供給流体が炭化水素を含有するガスであり、触媒反応による生成物がガスと固体の炭化水素または固体のカーボンとであることを特徴とする、上記()に記載の粒状体処理装置。
)前記炭化水素を含有するガスがタールを含有することを特徴とする、上記()に記載の粒状体処理装置。
)前記触媒が、ニッケル、マグネシウム、セリウム、アルミニウムを含む複合酸化物であって、アルミナを含まない複合酸化物からなる触媒であり、前記複合酸化物が、NiMgO、MgAl、CeOの結晶相からなることを特徴とする、上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の粒状体処理装置。
)前記触媒が、ニッケル、マグネシウム、セリウム、ジルコニウム、アルミニウムを含む複合酸化物からなる触媒であり、前記複合酸化物が、NiMgO、MgAl、CeZr1−X(0<x<1)の結晶相を含むことを特徴とする、上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の粒状体処理装置。
10)前記触媒が、
aM・bNi・cMg・dOで表わされる複合酸化物であるタール含有ガスの改質用触媒であって、
a、b、及びcは、a+b+c=1、0.02≦a≦0.98、0.01≦b≦0.97、かつ、0.01≦c≦0.97を満たし、
dは、酸素と陽性元素が電気的に中立となる値であり、
Mは、Ti、Zr、Ca、W、Mn、Zn、Sr、Ba、Ta、Co、Mo、Re、白金、ルニウム、パラジウム、ロジウム、Li、Na、K、Fe、Cu、Cr、La、Pr、Ndから選ばれる少なくとも1種類の元素であり、
前記複合酸化物に、シリカ、アルミナ、ゼオライトから選ばれる少なくとも1種類の酸化物を加え、シリカ、アルミナ、ゼオライトから選ばれる前記酸化物の含有量が、前記複合酸化物に対し1〜90質量%である、
ことを特徴とする、上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の粒状体処理。
11)前記粒状体層とそれを保持する粒状体保持器とを複数有し、隣接する粒状体保持器どうしが連結して一体化されていることを特徴とする、上記(1)から(10)のいずれか1つに記載の粒状体処理装置。
(12)前記広がり角が2.5°〜4°の範囲であり、前記触媒層のアスペクト比である、触媒層高さ/触媒層下端厚が、3以下であることを特徴とする、上記(4)から(11)のいずれか1つに記載の粒状体処理装置。
(13)上記(1)から(12)のいずれか1つに記載の粒状体処理装置を使用し、前記粒状体層を昇降させることで前記粒状体の処理を行い、前記粒状体層中に堆積する固体堆積物を除去することを特徴とする、粒状体処理方法。
ここで、本発明者が本発明に到達した経緯を説明すると、次のとおりである。なお、以下では、「粒状体」を「触媒(粒)」を例とし、「粒状体処置装置」を「触媒反応装置」を例として説明する。
本発明者らの調査の結果、固定床触媒反応器の閉塞除去を例に説明すれば、固定床触媒層中の触媒間に生成固体カーボンの堆積する機構は次のとおりであることがわかった。
(1)固定床触媒層中の隣り合う複数の触媒で形成される触媒間空間において、主流の上流側の隙間から原料ガス(一部改質済み)が流入し、主流の下流側の隙間から改質されたガス(一部は残留した原料ガス)が改質ガスとして流出する。
(2)触媒間空間に供給された原料ガスが触媒反応によって改質される際、触媒表面で生成した固体カーボンの一部が触媒表面に付着する。
(3)触媒間空間に供給された原料ガスが触媒反応によって改質される際、触媒表面で生成し、気流によって触媒表面から離脱した固体カーボン微粒子は、上記の既に触媒表面に付着した固体カーボン上に付着して、触媒表面で直径数十μmから約1mmのカーボン球が成長する。
(4)上記のカーボン球は、時に触媒表面から離脱し、既に存在する他のカーボン球の上に再付着するなどして、触媒表面に多層のカーボン球から構成される厚みが数mmにもおよぶ固体カーボンの堆積層が形成される。
(5)この固体カーボン堆積層は実質的に多孔質であるので、高速のガスが通気する際には大きな圧力損失を生じる。
(6)特定の触媒間空間での通気抵抗が過大となれば、主流は、他のより通気抵抗の低い触媒間空間を優先的に通気するようになる。但し、固体カーボン堆積層が多孔質であるため、固体カーボンの堆積によって通気抵抗が過大になった空間においても、触媒間空間へのガスの流れが完全に遮断されるわけではなく、触媒表面には低流量で原料ガスが供給され続ける。この結果、触媒表面でのガス改質による固体カーボンの成長は常に進行し続ける(但し、触媒表面での露出面積は減少するので、改質速度は初期に比べて大幅に低下する)。
(7)触媒層中の大半の触媒間空間において固体カーボンの堆積が進むと触媒層全体としての圧力損失が過大となり、「閉塞状態」が生じる(触媒反応容器では所与の流量で原料ガスを処理しなければならず、この所与のガス流量時にいずれの触媒間空間を通気しても圧力損失が反応装置の許容値(ガス搬送能力や容器の強度等によって定まる)を超えることが避けられない状態で触媒層は実質的な「閉塞」となる)。
水素・二酸化炭素・水蒸気・タール含有ガスの改質反応を行い、閉塞を生じた固定床触媒反応容器の触媒表面から固体カーボン堆積層を単独で取り出し、容器の中に入れて軽くシェイクする様な機械的外力を加えると、構成単位であるカーボン球の境界で容易に分離し、粉化した。このような固体カーボンの堆積により閉塞を生じた触媒層から固体カーボンを除去するために、本発明者らは、種々の対策を試みた。
第1の対策として、触媒層外部からのブローによる触媒層の逆洗を試みた。詳しく言えば、反応容器内に触媒層の下流側に窒素ガス供給配管を設け、触媒層に対して高速窒素流を噴射して、触媒層の逆洗を試みた。逆洗は、粉塵除去用のフィルタの閉塞時の対策として一般に用いられる手法である。
結果として、一部の固体カーボンは除去されたが、触媒層の圧力損失の変化は軽微であり、閉塞を解消する効果はなかった。その理由としては、次のことが考えられる。
1)フィルタの場合、上流からフィルタ内に流入した粉塵粒のうち、フィルタの目開きよりも大きいものをその場で捕集する。フィルタは、通常、上流ほど目開きが大きい。従って、フィルタの閉塞部に対して主流の下流側から高速流を供給して逆洗を行う場合、捕集された粉塵粒のうちフィルタの目から離脱したものは、高速気流に搬送されて主流の上流側に進行する際、より大きな目開きを通過するので、メッシュに再捕集されることは少なく、フィルタ外に排出できる。
一方、触媒反応副生物である固体カーボンなどの堆積層は、主流の上流から流入するのではなく、触媒間空間中で、ガスを原料として生成する。このため、堆積カーボンの大きさが触媒間空間の流出入の隙間よりも小さいとは限らないので、そのままでは触媒間空間から流出できない堆積カーボンが多量に存在する。
カーボン堆積層を破壊して微粉化すれば触媒間空間から流出できる可能性がある。しかし、気流が堆積カーボンに与える応力は一般に小さいので(触媒層全体に大きい気圧差を与えても、触媒層中で触媒は、通常多数の層で積載されているいので、個々の触媒間空間の入側−出側気圧差は微小となり、大きな応力を堆積カーボンに与えることはできない)、堆積カーボン層を破壊することはできない。
2)一部のカーボンを除去した時点で、カーボン除去の結果として通気抵抗の小さくなった少数の触媒間空間を連ねた狭い流路が触媒層の中に新たに形成され、主流の大半はこの流路に集中して流れる。この際、新たに形成された流路以外の触媒間空間には気流はほとんど通過しないので、これ以上カーボンが除去されることはない。このため、主流が通過する狭い流路で流速が上昇して大きな圧力損失が生じるので、閉塞状態はあまり改善されない。このように形成された新たな流路も、流路内で新たなカーボンが生成・堆積することよって急速に再閉塞していくので、逆洗の効果は短時間とならざるをえない。その一方、早期に失活を生じた触媒によって構成される(囲まれる)触媒間空間ではこのような触媒間空間の再閉塞を生じない。しかし、そもそも、主流が失活した触媒のみと接触して触媒層を通過するのであれば、ガスの改質を行えないので、触媒反応容器としての性能を発揮できない。
これらから、次のように結論することができる。
すなわち、一般に、閉塞を生じた触媒層においては、
[個々の堆積カーボンの大きさ]>[当該触媒間空間の隙間]
の状態となっており、
[個々の堆積カーボンの大きさ]<[当該触媒間空間の隙間]
としない限り、触媒層からカーボンを大量に除去することはできず、触媒層外部からのブローによる触媒層の逆洗はこれに有効ではない。
そこで次に、第2の対策として、反応容器外面を槌打して、堆積カーボン層の破壊、または触媒間空間の拡大を試みた。
結果として、最初の閉塞発生後に槌打(第1回目の槌打)すると、一部の堆積カーボンを除去でき、圧力損失も半分程度に減少し、一定の効果が見られた。この後、再閉塞発生後に再び槌打(第2回目の槌打)すると、堆積カーボンの除去は微小であり、圧力損失の変化はなく、閉塞を回避することはできなかった。すなわち、反応容器外面の槌打は、2回目以降は堆積カーボンの除去に有効でないことがわかった。その理由としては、次のことが考えられる。
1)通常、触媒を反応容器内に積層する際には上部から単純に落下させるので、触媒層における触媒は最密充填状態にはない。ここに、第1回目の槌打を加えると、振動によって触媒が最密充填あるいはそれに近い状態になる(簡単にするために、以下ではこれを「最密重点化」と称することにする)。最密充填化の過程で触媒間の相対位置は、合計で触媒代表長さの30%程度の大きさで移動する。この相対位置の移動(即ち、触媒間相対運動)時に、一部の堆積カーボンが触媒との接触応力によって破壊されて小型化するとともに、触媒間の間隔が一時的に広がる瞬間を生じるので、
[個々の堆積カーボンの大きさ]<[当該触媒間空間の隙間]
の関係が実現されて、堆積していたカーボンは、触媒層中を落下し、遂には触媒層から除去された。
2)一方、第1回の槌打終了後に触媒層は最密充填化されているので、第2回目以降の槌打を行っても触媒間の相対位置はほとんど変化せず、堆積カーボンの破壊や触媒間の間隔の広がりは生じない。このため、第2回目以降の槌打では堆積カーボンの除去の効果が認められなかった。
これらから、次のように結論することができる。
すなわち、1回限りの閉塞解消効果では、多くの場合、触媒反応容器における所要処理継続時間を満足できないので、反応容器外面の槌打は堆積カーボンの継続的な除去のためには不十分である。触媒層から堆積カーボンを継続的に除去するためには、
[個々の堆積カーボンの大きさ]<[当該触媒間空間の隙間]
とした後に、触媒層の最密充填状態を解消する手段が必要である。
前述の結論を踏まえ、第3の対策として、反応容器内での触媒層自体の移動を試みた。より詳しく言えば、静止反応容器の中で触媒が反応容器内壁に接した状態で、触媒層の底に設けた保持器を昇降することによって触媒層全体を昇降させることを試みた。その結果、次のことがわかった。すなわち、数回の昇降操作の後、触媒層の昇降運動は安定状態(昇降操作の1サイクルの後、触媒層が当該サイクルの始点の状態に平均的に戻る)に到達する。この安定状態において、保持器の上昇時には触媒層下端の上昇量に対して触媒層上端での上昇量の方が一般に小さく、保持器の下降後には触媒層上下端とも始点の位置に戻る。従って、保持器昇降のサイクル内では、触媒層の平均充填率の変動を生じており(触媒層平均充填率は、保持器上昇時に増大し、保持器下降時には減少する)、触媒層内において少なくとも上下方向での触媒間相対運動が発生する。この保持器昇降時の触媒層の上端と下端の上昇量の差は、触媒層高さ(触媒層上端と下端間の距離)が大きいほど増大し、遂には触媒層上端がほとんど上昇しない状態に至る。この触媒層上端の移動しない状態では、触媒層上端近傍の触媒はそもそも保持器昇降によって移動しないので、触媒間相対運動が生じない。この結果、この領域では触媒間の堆積カーボンを保持器昇降によって除去することはできない。従って、触媒層全体で保持器昇降によって触媒間の堆積カーボンを除去するためには、保持器昇降によって、単に触媒層の平均充填率を変動させるだけでなく、触媒層上端でも十分な昇降ストロークを確保することが必要である。
図1に、従来の代表的な反応容器形状である、断面積の一定な矩形断面のダクト状反応容器内に触媒を充填して触媒層を形成し、触媒層の下方に保持器を設けて触媒層を保持する構成の装置において、保持器を27mm上昇させることにより、静止反応容器内の触媒層を触媒が反応容器内壁に接した状態で5回昇降後の安定状態における、触媒層上端高さの変位として表した触媒層上端高さを示す。縦軸が触媒層上端高さであり、基準となる0mmは、保持器上昇前の触媒層上端の垂直方向の位置に対応している。横軸の触媒層高さ/触媒層下端厚は、以下において触媒層の「アスペクト比」とも呼ぶ指標である。触媒層下端厚は、触媒層下端における反応容器厚方向の触媒層の長さに相当する。反応容器厚は、例えば、反応容器の水平断面が長方形の場合はその短辺の長さ、円形の場合はその直径に相当する。
図1から、触媒層のアスペクト比(触媒層高さ/触媒層下端厚)>2のとき、触媒層の上昇量(5回の昇降動作後に最終的に認められた昇降開始前の高さからの上昇量)は保持器上昇量(27mm)や触媒外寸(直径)15mmに比べてはるかに小さいことがわかる。これは、保持器上昇時(触媒層上昇時)には触媒充填率が大きくなり、保持器下降時(触媒層下降時)には充填率が小さくなることを意味している。ここで、保持器上昇・下降時とも、下方の触媒ほど移動速度が大きいので、触媒層高さ方向の各触媒の移動速度が異なることから、少なくとも上下方向の触媒間相対運動を生じる。この条件(アスペクト比>2)では、触媒層上端部の上昇の振幅が小さいので、この部分での触媒間の相対運動は比較的小さく、触媒間の堆積カーボンの排出能力は低い。
それに対し、触媒層のアスペクト比≦2(アスペクト比=1.8)のときは、触媒層上端の上昇量は保持器上昇量に比べてやや小さい(保持器上昇量27mmに対し、20mmの上昇)ことがわかる。即ち、この条件では、触媒層上端でも保持器と同レベルの昇降ストロークを満足し、かつ、保持器昇降による触媒層充填率の変動も確保するという、前記の触媒層全域での触媒間相対運動を実現でき、触媒間の堆積カーボンの排出能力が高い。
また、このような上下方向の触媒間相対運動の効果に加えて、触媒が反応容器内壁に接触した状態で触媒層が昇降することによって、触媒層の厚方向および幅方向にも触媒間相対運動を発生させる効果を発揮できる。即ち、触媒層の昇降に伴う充填率変化の際の触媒間相対位置の変化を考察すると、触媒層厚み方向(反応容器厚み方向に同じ)の各触媒の移動に対する拘束状態が異なる。これは、壁面との摩擦によって、壁面に近い触媒ほど、拘束が大きく、初期の上昇・下降速度が小さいことに起因している。その結果、触媒層厚み方向の各触媒の移動速度が異なるので、触媒間の相対運動を生じる。
こうして、反応容器内で触媒を容器内壁に接触させて触媒層自体を昇降させた場合、触媒層の昇降に伴う充填率変化の際の触媒間相対位置の変化は大きくなり、例えば、保持器の昇降ストロークが30mmの場合、昇降の度に触媒代表長さ(例えば15mm)の30%程度になる。
前述のように反応容器内で触媒を容器内壁に接触させて触媒層自体を昇降させることにより個々の触媒間の相対位置を移動させ、触媒層全体を撹拌すると、触媒層全域において触媒間に堆積した固体、例えばタール分を含むガスの改質反応の際に堆積するカーボンなどを、効率的に触媒間から落下させて触媒層から除去できることがわかった。
特に、下降時に保持器を触媒層下部の自由落下速度よりも速く、より好ましくは触媒層下端の触媒の自由落下速度よりも速く、下降させると、触媒層下端は保持器から離脱し、保持器下端位置で先に停止した保持器上に触媒が次々と振り積もるので、最密化されていた触媒層であっても、触媒の再配列によって、低充填化することができる。それと同時に、触媒の落下中に触媒間の隙間が極端に大きくなる瞬間を生じ得るので、触媒間に堆積した固体を効率的に除去できる。
しかしながら、好適な触媒層の高さには以下のように上限が存在する。
触媒層アスペクト比(触媒層高さ/触媒層下端厚)に対して、特定の条件において触媒層を押し上げる際の触媒層下端の押し上げストロークを基準として規格化した触媒層上端高さの変位の測定結果をプロットした図2を参照して説明すると、従来の反応容器形状である、垂直断面の形状・寸法が一定で水平断面積が均一の反応容器(広がり角0°)の場合、触媒層全体で触媒を相対運動させるためには、触媒層のアスペクト比は2以下であることが必要である。これは、先に図1を参照してした説明と一致する。即ち、触媒層撹拌の観点から、触媒層は、高さ方向に薄く設定しなければならない。
図3は、触媒が破壊しないものとして離散要素法(DEM)で数値計算した結果であり、この図から明らかなように、触媒層の高さが増大するにつれて、触媒層を上昇させるのに必要な力は加速度的に増大し、これに伴って触媒に付与される荷重も急増する。従って、一般的な触媒(例:圧壊強度100N)を破壊しないレベルに触媒に負荷される荷重を維持するように触媒層への上昇力を制限するためには、従来の反応容器形状である広がり角0°の触媒反応器を前提とした場合、アスペクト比が2程度以下であるのが好ましい。即ち、触媒層押し上げ荷重の観点から、触媒層は、高さ方向に薄く設定しなければならない。
しかし、高さ方向に薄い触媒層にはいくつかの問題点が存在する。
第1の問題は、吹き抜け現象の発生に関するものである。吹き抜け現象とは、触媒層に流入する原料ガスが触媒層中の局所を集中的に流通し、かつ、ほとんど改質されることなく触媒層から流出する状態のことをいう。吹き抜け現象は、触媒層中の特定の部位において触媒活性が何らかの原因で低く、かつ、そこでの通気抵抗が低い場合に生じ易い。コーキングを生じる触媒改質反応の場合、触媒活性の低い領域ではコーキングによる局所での圧損上昇を生じにくいので触媒活性の低い領域を集中的に原料ガスが通気しやすい。このため、この様な触媒層では吹き抜け現象が生じる可能性がある。但し、このような触媒の低活性領域は一般に局所的なものであり、高さ方向(即ち、原料ガスの通気方向)に連続して存在することは稀なので、触媒層が高さ方向に十分に厚ければ吹き抜け現象は容易には生じない。しかし、高さ方向に触媒層が極端に薄い場合、例えば、上記局所的に発生しうる触媒低活性領域長さと同程度の触媒層厚みしかない場合、一旦、触媒低活性領域が発生すると、そこを集中的に原料ガスが通気することになり、吹き抜け現象を生じてしまう。従って、吹き抜け防止の観点から、高さ方向に触媒層を可能な限り厚く設定することが好ましい。
第2の問題は、反応容器の等方性に関するものである。触媒層高さと同様に、触媒層厚にも上限が存在する。これは、改質反応に必要な熱の授受を反応容器外部から反応容器外壁面を通じて行う場合には、反応容器の厚方向中心部においても十分に伝熱がなされるように、極端に厚い反応容器を避けなければならないからである。反応容器に充填される触媒層には触媒反応装置の所要改質性能から規定される所要体積が存在するため、上述のように触媒層高さおよび厚みに上限が存在する場合に大量の触媒を充填する触媒反応器を実現しようとすれば、反応容器幅を大きく設定せざるをえない。その結果、反応容器の形状が著しく細長い(幅方向に長い)ものとなりうるので、設計上の大きな制約となる。なぜならば、一般に反応容器の寸法の等方性が低いほど、比表面積が上昇するので、所要触媒体積に対して容器製作のためにより多量の材料を必要とするとともに、大きな据え付け面積を必要とする等の不利を生じるからである。この観点からも、高さ方向の触媒層を可能な限り厚く設定することが好ましい。
そこで、本発明では、触媒反応容器の水平断面積を上部ほど大きくした形状の触媒反応器(以下「上広型触媒反応容器」と呼ぶことにする)を用い、それによって平均的な触媒層厚の上限の範囲内で、触媒層高さを極力大きく設定できるようにしている。
本発明によれば、例えば図2に示したように、触媒層アスペクト比が3の場合、触媒上端変位(触媒層上端高さ/昇降機ストローク)は、従来形状の広がり角0°では高々、0.1程度しか期待できないのに対し、本発明形状である広がり角を2.5°に設定した場合には、約0.3以上の値を示しており、本発明形状では触媒層昇降に対して触媒層全体がより追従し易くなっていることがわかる。つまり、広がり角2.5°の上広型触媒反応容器とすることによって、触媒層アスペクト比が約3であっても触媒層全体で触媒を大きく相対運動させることができ、高い粒子撹拌効果を得ることができる(「広がり角」の定義は後記のとおり)。
図2に例示した上広型触媒反応容器の広がり角2.5°は、小さな角度に過ぎない。例えば、触媒層下端厚さが120mm、触媒層アスペクト比(触媒層高さ/触媒層下端厚)が3(触媒層高さ360mm)の場合、触媒層上端厚さは、高々135mmである。仮に、触媒層全体で上広型時の最大厚135mm(広がり角0°)としても、広がり角0°において効率的な撹拌の可能な触媒層高さの限界(アスペクト比2)は、270mmに過ぎない。これに対して、上広型では360mmまで、効率的な撹拌が可能である。このとおり、本発明による上広型触媒反応容器には、単に上部で触媒層厚を大きくした以上の、特別な効果がある。
また、容器を上広型にすることによって、触媒層押し上げ時の推力も大幅に減少させることができ、触媒や容器の変形や破損を減少させることができる。例えば、アスペクト比5(触媒層下端厚120mm、触媒層高さ600mm)の条件で、広がり角4°の容器での触媒層押し上げ時のピーク荷重は、図3に示したように、広がり角0°の容器の場合の約1/4に低下する。この触媒層押し上げ時のピーク荷重の減少効果は、主に容器形状を上広型に設定したことによるものである。なぜならば、広がり角4°の場合には触媒層上部で容器厚さが増大して実質的なアスペクト比が減少することによる押し上げ荷重減少効果も考えられるが、この効果は小さいからである。広がり角4°の条件において触媒層上端部での容器厚さは160mmである。仮に、全高さにわたって厚さ160mmとした広がり角0°の容器の場合(触媒層高さは600mmのまま)、アスペクト比は、3.75となる。図3における触媒層高さとピーク荷重の関係から推定される、このときの押し上げ荷重ピーク値は、高々、アスペクト比5の場合のおよそ半分に減少するに過ぎない。
以上のように、触媒撹拌および触媒層押し上げ荷重の観点から、本発明における上広型反応容器は、従来型反応容器に対して、高さ方向に触媒層をより厚くすることが可能であり、広がり角の設定次第で少なくとも3程度の触媒層アスペクト比を実現することができる。尚、広がり角を十分大きく設定することによってより大きなアスペクト比でも好適に昇降作業できる可能性がある。しかし、広がり角度とアスペクト比が同時に増大するにつれて、上広型触媒反応容器に対応する従来型反応容器での触媒層上端厚(上記の例では、触媒層下端厚120mm・広がり角4°・アスペクト比5の上広型反応器に対応する従来型反応器での触媒層上端厚は、160mm)が急増するため、上広型反応器の効果を従来型反応容器と比較し難くなる。また、上記の実例のように、広がり角が微小角である範囲(即ち、反応容器側壁間を略平行とみなせる範囲)でのみ、触媒層のアスペクト比の定義は、高い妥当性を有する。例えば、広がり角が鈍角の場合、触媒層下端幅を用いて定義した上記のアスペクト比には物理的に妥当な意味が存在しない。また、広がり角が、鈍角のように極端に大きい場合、触媒撹拌の実効性も悪化する。なぜならば、この様な形状の反応容器内で触媒層の底部を上昇させたとしても、触媒層の厚方向中心部近傍の触媒しか上昇運動に追従せず、壁面近傍の触媒を撹拌することができないからである。従って、広がり角の増大によってアスペクト比3を大きく超える作業は、好適に行うことが困難であるか、あるいは、妥当には定義できない。尚、上記の例から、少なくとも広がり角が2.5°〜4°の範囲では本発明の顕著な効果を発揮できる。
(上広型触媒反応容器での効果発揮の原理)
図4(従来技術、触媒反応容器の広がり角=0)と、図5(本発明、触媒反応容器の広がり角>0)を用いて説明する。前提として、第一に、粒子層(触媒層)の移動に対して反応容器壁の影響の大きい粒子層(図3でアスペクト比が大きい状態に相当)を想定する。第二に、初期条件を粒子の最密充填状態とする。従来技術では、粒子層の槌打(容器を外部から打撃等)等を行う場合があり、そうすると粒子層の充填率は徐々に高まり、最密充填状態に向かうので、ここでは粒子の代表的状態として最密充填状態を採用した。図4、5において、(a)は、初期条件で粒子層の下部から荷重を加えて粒子層が動き出す直前の状態(粒子−粒子間および粒子−反応容器内壁間は、静止摩擦)を示し、(b)は、(a)の状態から粒子層が上方に動いている最中の状態を示す。
粒子層を押し上げる所要推力の発生機構は次のとおりである。
粒子層を移動させるための推力(粒子層下端での押し力)50は、全ての粒子51についての壁面摩擦力の積算値によって支配される。壁面摩擦力52は、全粒子51のうち壁面に接触する特定の粒子59が反応容器壁面58から受ける反力53に比例する。粒子59が壁面から受ける反力53は、推力50が粒子間を伝わる際の粒子間力54の水平成分である。一般に、上方の粒子51ほど、粒子に働く力は等方化する。従って、粒子間力54が大きいほど、粒子が壁面から受ける反力53も上昇し、その結果、粒子の壁面摩擦力が増大する。粒子の壁面摩擦力は全て下向きの力であるので、上下方向の力の釣り合いから、特定高さに位置する粒子全体に与えられる粒子間力54の合計は、粒子の下面側(正味で上向きの力)の方が上面側(正味で下向きの力)よりも常に大きい。その結果、粒子層の下方ほど粒子間力54は急速に増大する。このように、粒子層の上昇時に、粒子層の最下端における推力は、全ての粒子の壁面摩擦力と同等以上の力が必要なので、粒子層高さが増大すると(アスペクト比が増大すると)急激に所要推力が増大する。
図4の従来技術の場合、粒子層は最密状態であるので、上昇中も粒子間の相対位置は変化しない。従って、粒子−粒子間摩擦は静摩擦のままである。粒子−壁面間摩擦は、動摩擦であるが、一般に動摩擦係数≒静摩擦係数なので、粒子間力54および壁面摩擦力52は初期状態からほとんど変化しない。
一方、図5の本発明の場合も初期条件では、粒子層は最密状態であり、粒子に働く力の関係も図4と同様である。しかし、粒子層が上昇し始めると、反応容器が上方に向かって広がる形状(広がり角>0)の効果により、各粒子51は、平均的に水平方向に互いに広がる運動を生じる。この結果、粒子間の相対位置が変化して最密充填状態が解消され、粒子51の相対移動はより容易になる。また、粒子間が水平方向に互いに広がる方向に移動する効果によって、少なくとも水平方向の粒子間力成分が減少するので、粒子の壁面摩擦力52が減少する。その結果、粒子層上昇に必要な推力50が減少する効果を生じる。
粒子層に対する壁面摩擦の影響を減少させることは、前述のように粒子層のアスペクト比(粒子層高さ/触媒層下端厚)を低下させることでも実現できる。しかし、図5のような最密充填状態で反応容器厚を少々増大させても、粒子層の上昇中に粒子間での相対運動を生じるわけではないので、粒子層高さが同一であれば、所要推力を減少させる効果はかなり限定的である。
一方、本発明では仮に初期条件が、所要推力が一般に大きい最密充填状態であったとしても、粒子層上昇開始直後には、最密充填状態が解消されて粒子間の相対移動を容易に実現できるので、比較的僅かな広がり角(即ち、平均容器厚の比較的小さな増大)の条件でも、所要推力を減少させる効果がより大きい。なお、平均容器厚を大きく設定しないことは、容器表面から粒子に熱供給や冷却を行う場合に有利な条件である。このため、反応容器の総合的な性能の観点から平均容器厚を大きくすることには制約が存在する。
また、触媒層を反応容器とともに昇降した場合には、触媒層全体は反応容器と同一速度で昇降するので、触媒間の相対移動は生じない。そのため、触媒表面の固体カーボンなどの除去効果は低い(反応容器外部からの槌打並み)。触媒全体をかご等に入れてかごと触媒層を同時に昇降する場合も同様である。
以上から、固定床触媒層内で触媒上に生成・堆積する固体堆積物の除去を目的として触媒間の相対位置を効率的に変更するためには、触媒層をその保持器とともに、反応容器に対して相対移動させることが必要であることがわかった。本発明によれば、触媒反応中に触媒層全体の撹拌(個々の触媒間の相対位置の変更)を短時間適用することによって、触媒反応で生じて触媒間に堆積した固体カーボン等の固体生成物を触媒層全域において効率的に触媒間から落下させて触媒層から除去できる。触媒層から除去され、保持器の下部(例えば、下記で詳しく説明する保持器の底板上)や、反応容器の底部などに溜まった固体生成物は、例えば触媒の交換時などに系外へ排出することができる。
本発明は、触媒等の粒状体の相対位置を変更する処理を必要とする反応器等の装置全般に適用することができ、上の説明で例示した固定床触媒層内で触媒上に生成・堆積する固体生成物の除去に特に好適に適用することができる。例えば、ニッケル、マグネシウム、セリウム、ジルコニウム、アルミニウムを含む複合金属酸化物触媒によるタール含有ガスの改質反応では、他の反応に比べて触媒表面への固体カーボンの堆積量が多く、それを除去するニーズがより高い。本発明は、このように他の反応に比べ触媒表面への固体カーボンの堆積量が多いタール含有ガス改質反応用の触媒を用いる場合においても、触媒上に生成・堆積する固体生成物を、触媒の相対位置を変更する処理により効率的に除去するのを可能にする。
触媒移動床は、本発明の適用対象の一つである固定触媒床と異なり、原則として反応中に絶えず触媒を移動(および撹拌)させる。それに対し、本発明では、反応容器内での触媒層の移動を間欠的に、短時間実施すればよく、反応中に絶えず触媒撹拌を行う必要はない。さらに、移動床では、反応中に一定量の触媒を系外に排出するとともに同量の触媒を系外から供給する。それに対し、本発明では、反応中に触媒の入れ替えは行わない(触媒層が固定床であるから)。
本発明によれば、容器内に静的に収納された触媒などの粒状体の相対位置を短時間で効率的に変更することが可能となる。本発明を例えば触媒反応に適用すれば、閉塞した触媒層の回復を反応装置の運転を停止する必要なしに簡単に行うことができる。
触媒層アスペクト比と触媒層上端高さの関係を示すグラフである。 触媒層アスペクト比と触媒層上端高さ/昇降機ストロークとの関係を示すグラフである。 触媒層アスペクト比とピーク荷重/基準ピーク荷重との関係を示すグラフである。 広がり角なしの容器での粒子層の上昇を説明する図である。 広がり角のある容器での粒子層の上昇を説明する図である。 本発明の第1の実施形態の粒状体処理装置を説明する模式図である。 本発明の第1の実施形態の粒状体処理装置で使用する棒式の保持器を説明する模式図である。 棒式保持器における棒と触媒との位置関係を説明する模式図である。 本発明の第2の実施形態の粒状体処理装置を説明する模式図である。 本発明の第2の実施形態の粒状体処理装置で使用するピン式の保持器を説明する図である。 実施例の試験結果を示すグラフである。 従来技術の粒状体処理装置を説明する模式図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。本発明は、粒状体処理装置全般に関するものであるが、以下においてはその代表例としての連続式固定床触媒反応装置を取り上げることにする。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[第1の実施形態]
(全体構造)
図6に、本発明の第1の実施形態の粒状体処理装置である連続式固定床触媒反応装置10を示す。この図の(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。図1の触媒反応装置10は、反応容器11を含み、その内部に触媒保持器12によって支持された触媒層13が収容され、触媒層13中の触媒のうち反応容器内壁に隣接する触媒(図示せず)は反応容器内壁に接触している。本発明では、触媒を反応容器内壁に接触させて触媒層を昇降させるので、昇降作業時の触媒の移動の妨げとならないように、反応容器11の内面は平滑であることが好ましい。保持器12の下には、保持器12を昇降させることにより触媒層13を上下に移動させるための駆動機構20が位置し、この駆動機構20は昇降装置21と、昇降装置21を保持器12につなぐ伝導軸22で構成されている。
反応容器11には、下方から原料ガス15が供給されて触媒層13で改質反応し、触媒層13からの改質ガス16は反応容器11の上方から排出される。原料ガス15の例は、炭化水素を含有するガス、炭化水素とともにタールを含有するガスなどでよい。改質ガス16の例は、炭化水素を含有するガスを改質して得られる改質ガスなどでよい。触媒の例を挙げると、炭化水素改質用の粒状触媒などでよく、その表面には触媒反応の副生物として固形物、例えば固体カーボンなどが堆積する。触媒反応が吸熱反応の場合、反応に必要な温度と熱を、触媒反応容器11を例えば加熱炉(図示せず)中に配置することにより、与えてもよい。触媒反応が発熱反応の場合は、反応熱を、触媒反応容器の外部に設けた冷媒流路(図示せず)に冷媒を流すなどにより除去してもよい。場合により、反応容器11への原料ガス15は、図1とは逆に、触媒層13の上方から下方へ流れるように供給することも可能である。
(反応容器の形状)
反応容器11は、上方に向けて水平断面積が増大する「上広型」であって、両端に開口17a、18aを有し、これらの開口間に触媒を収納できるものであればどのような形状でもよい。例えば、円筒状、角型ダクト状などの任意の形状であることができる。反応容器11の開口17aは、触媒反応用流体(原料ガス)の流入路17を構成する供給管に通じており、触媒反応用の原料ガスの反応容器11への流入口に当たるものである。開口18aは、反応容器11からの改質ガスの流出路18を構成する排出管に通じており、改質ガスの反応容器11からの流出口に当たるものである。
本発明の特徴として、反応容器11は、上方に向けて水平断面積が増大する「上広型」である。水平断面における断面積の増大は、特定方向のみ(例えば、幅方向のみ)であってもよいし、全ての方向(例えば、形状が相似に拡大する)であってもよい。図6の反応容器11は、厚方向の水平断面積のみが増大している。
水平断面積を増大させるために、図6の反応容器11は、方向に広がり角αを有する。ここで言う「広がり角」は、水平断面積の上方への増大率を、仮に二次元的に生じたものとして換算した場合に、対向する反応容器壁面が互いになす角と定義する。
広がり角αは、大きいほど粒状体層(触媒層)を昇降させる所要推力低下の効果が高い。但し、粒状体層下端では上向きの変位のみが起こり、上端では上向きの変位とともに水平方向にも変位が生じ、すなわち次の関係、
粒状体層下端の断面積×下端での変位量(上昇量)
=粒状体層上端の断面積×上端での変位量(上昇量および水平移動量)
があるため、広がり角αが大きすぎると、粒状体層(触媒層)上端での面積が過大となり、下端を上昇させても、上方での粒状体(触媒)移動量は微小となってしまう問題を生じる。所要推力を低減することと同時に、粒状体層全体の変位量を十分に大きく確保することが、本発明の目的である粒状体間の相対位置の変更にとって重要である。この観点から、本発明においては、所要推力削減効果と粒状体層全体の変位量確保を両立させるために、広がり角αは0.5°以上20°以下が好ましい。広がり角は、より好ましくは1°以上10°以下、さらに好ましくは2.5°以上4°以下である。
図6の反応容器11では、水平断面積は上方に向けて一様に増大しているが、反応容器の一部分だけで水平断面積が増大するようにしてもよい。例えば、昇降分を含めて容器11内に位置する触媒層13の範囲だけを、水平断面積が上方に向け増大するようにしてもよい。
以下の説明において、「容器の中心軸」とは、容器の水平断面の図心を鉛直方向に連ねたものと定義する。「反応容器厚」は、水平断面における反応容器の代表長さのうちの最小の長さに相当し、「反応容器幅」は、水平平面における反応容器の代表長さのうちの最大の長さに相当する。容器が円筒の場合には、容器の「幅」および「厚」を「直径」と置き換えればよい。
(反応容器の材質)
反応容器11の材質は、触媒を保持する強度、触媒反応に関与する流体への耐熱・耐食性、反応生成物への耐汚染性を有する材料であれば、どのようなものでも使用できる。例えば、炭素鋼、ステンレス鋼、ニッケル合金、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金等の金属材料、シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素等のセラミックス材料(煉瓦に加工されたものを含む)、ソーダガラス、溶融石英等のガラス材料を使用することができる。
(反応容器の寸法)
反応容器11の厚みは、下限が粒状触媒の代表寸法(例:直径)以上でなければならない(例えば、10mm)。一般に触媒反応では発熱または吸熱があり、かつ、反応容器11の表面を通じてこれらの熱を外部と授受するため、触媒反応容器内部まで伝熱を確保するために、厚みには上限が存在する。上限の値は、反応熱・流量・伝熱特性等によってエンジニアリング的に定めればよい(例えば、200mm)。
反応容器11の幅には、機能上、特段の制約はない。保持すべき触媒層体積、反応容器厚を基に、構造上・強度上の制約を考慮してエンジニアリング的に定めればよい(例えば、5000mm)。
反応容器11の高さは、駆動機構20により保持器12ととともに触媒層13を上下動させたときに、少なくとも触媒層13の下端から上端までが反応容器内に収まる高さよりも大きくなければならない。一方、反応容器高さの上限については、機能上の制約はなく、構造上・強度上の制約を考慮してエンジニアリング的に定めればよい(例えば、5000mm)。
(触媒保持器)
通常の反応容器における触媒保持器の例としては、網やパンチングメタルなどを挙げることができる。このタイプの保持器は、触媒を保持するとともに、網の目明きやパンチングメタルの開口を流路として利用することができる。
保持器として網やパンチングメタルを用いる場合、強度上の制約があるので、開口率を大きく設定することができない。単に触媒の落下を防止する目的であれば、開口率は70%程度まで許容できるが、本発明のように保持器によって触媒を押し上げるための強い推力に耐えるためには、開口率は20%程度が最大であり、場合によって開口部で閉塞を生じる可能性がある。
本発明では、図6に示したような反応容器の幅方向に配置した複数の棒31を利用した保持器12を用いることによって、網やパンチングメタルを保持器として用いる場合の前述の問題を解消することができる。図7に、保持器12を詳細に示す。この図の(a)は平面図、(b)は側面図である。この保持器12においては、十分に太い複数の棒31を触媒が隙間を落下しない間隔をあけて略平行に配置して、両端の固定具32により全体を固定するようにしている。このような保持器12では、反応容器11の内寸の範囲内で自由に棒を太くできるので、所要推力に耐える十分な強度を得ることができる。また、保持器12の開口率は、[棒間の隙間幅]/[棒の水平間隔]であるので、棒間の隙間幅と棒の太さを調整することで、ある程度大きな開口率を実現できる。さらに、同じ開口率であっても、この方式で実現される開口は棒間ごとに単一であり、比較的大きな開口単体面積をもつので、網やパンチングメタルよりも閉塞しにくい(網やパンチングメタルでは、高々、触媒並みの寸法の小面積の開口を多数設けて開口率をかせぐ方式なので、個々の開口では開口周囲から付着・成長した固体生成物等によって閉塞しやすい)。
図8(a)(側面図)、8(b)((a)のB−B断面図)に示したように棒31を単純に平行に並べる(保持器を水平方向から見て棒の中心軸が交差しない)方式で棒を完全に平行に配置した場合(特に、触媒35の代表寸法よりも棒31が太い場合)には、棒と棒の間で触媒35が整列する効果が現れ、棒間の隙間を触媒が広くふさいでしまう現象の発生することを本発明者らは発見した(特に触媒が円柱形状の場合に顕著)。
この問題は、図8(c)(側面図)、8(d)((c)のD−D断面図)に示したように、棒31を配置する際に棒の中心軸の水平面投影成分は互いに平行とし、隣り合う棒の中心軸の鉛直面投影成分またはその延長線は互いに交差する構造とすることにより、解決されることがわかった。こうすることで、円柱状の触媒であっても棒間で整列することはなく、棒間に常に開口を生じるようにすることができる。
(保持器における棒の配置)
本発明による棒を用いた保持器12では、図6に示したように、棒31の中心軸を反応容器11の幅方向とすることができる。あるいはまた、棒31の中心軸を反応容器11の厚方向とすることもできる。
(保持器における棒の形状)
棒31は、中心軸が直線であることが好ましいが、設計上の便宜等の理由で曲がり棒としてもよい。断面形状は円形が好ましいが、楕円、多角形等であってもよい。
(保持器における棒の太さ)
棒31は、保持器12の推力に耐えうる太さ以上である必要がある。直径3mm以上が好ましい。反応容器11に収まり、かつ、周囲に通気のための空間を設ける必要があるので、反応容器厚の50%未満(棒中心軸が反応容器幅方向の場合)、または、反応容器幅の50%未満(棒中心軸が反応容器厚方向の場合)である必要がある。
(保持器における棒の材質)
保持器12の棒31は、触媒層13を押し上げるために大きな強度と靭性が必要なので、金属材料が好ましい。金属材料の一例として、ステンレス鋼、ハステロイ(登録商標)等のNi合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銅合金、チタン、チタン合金等を挙げることができる。
(保持器における棒の固定方法)
棒31の両端に板等の固定具32を配置し、棒を共通の固定具32に溶接して固定することができる。場合によっては、複数組の固定具を用いることも可能であり、この場合には保持器は固定具の組数に分割されることになる。固定具32は、棒31と同様の材料により製作することができる。
(触媒層の駆動機構)
本発明では、保持器12を昇降させることによってその上の触媒層13を反応容器11内で昇降させる。そのために、本発明の反応容器11には触媒保持器12を昇降させる駆動機構20が装備される。駆動機構20には、エアシリンダ、ラックピニオン等の歯車を利用した昇降装置21などの、一般的な駆動機構を用いることができる。保持器12は、伝導軸22を用いて昇降装置21に結合される。昇降装置21を作動させると、保持器12の全体が反応容器11の軸線に沿って移動して、触媒層13の全体をやはり反応容器11の軸線に沿って上下に移動させる。
少なくとも伝導軸22の保持器12側の一部は反応容器11、または、反応容器11の下方に存在しうる原料ガス流入路16や改質ガス流出路17の内側に存在する必要がある。昇降装置21は、反応容器11の外部に設けることができる。反応容器11を例えば加熱炉などの加熱装置(図示せず)内に配置する場合には、昇降装置21を加熱装置外に設けることもできる。この場合、市販の昇降装置を使える一方で、伝導軸22が反応容器11を貫通する部分を高温用パッキン等で封止する必要がある。
駆動機構20全体を、図6に示したように反応容器11内に設ける場合には、昇降装置21を、例えば反応容器11内の高温や腐食性物質から保護するために、耐熱・耐食性のものとする必要がある。これは、一例として、駆動機構20のエアシリンダ全体をハステロイ(登録商標)等の耐熱合金製とすることによって実現できる。この場合、エアシリンダへの供給エア配管(図示せず)は反応容器11を貫通するが、この部分は非可動部なので、配管を全周溶接するなどして封止を図ればよい。
保持器上昇時に、保持器12の一部が触媒層13に食い込む場合があるので(特に、次に説明する第2の実施形態で用いるピン式保持器の場合)、保持器12は上昇時だけでなく下降時も駆動することが好ましい。
(保持器の昇降ストローク)
触媒間の相対運動を十分行うためには、保持器12の昇降ストロークは大きいことが好ましい。例えば、触媒外面の代表寸法(例:直径)の0.1倍程度の昇降ストロークであっても加振の効果は存在するので、触媒表面の固体カーボンなどの堆積物の除去効果は一定程度は得られる。とは言え、十分な堆積物除去効果を挙げるためには、保持器12の昇降ストロークは触媒外面代表寸法の0.5倍以上であることが好ましく、1倍以上であることがより好ましい。
一方、昇降ストロークが極端に大きい場合には、反応容器11および駆動機構20が大型化するので効率的ではない。また、小さいストローク(但し、1倍以上)の昇降を繰り返し行うことで、より大きな昇降ストロークと同様の効果が得られる。よって、昇降ストロークは、触媒外面の代表寸法の10倍以下であることが好ましい。
(昇降速度)
保持器12とともに触媒層13を上昇させるのに要する所要上昇力は、上昇速度が小さいほど小さい。本発明者らの調査の結果、10mm/sで保持器とともに触媒層を上昇させるときの所要上昇力は、1mm/sで上昇させる場合の2倍が必要であることがわかった。また、大きな上昇速度では、触媒が破壊しやすくなる。従って、上昇速度は小さいことが好ましい。但し、1mm/sで上昇させる場合と0.5mm/sで上昇させる場合の所要上昇力の差は小さいので、1mm/sよりも遅くする必要は必ずしもない。また、10mm/sの上昇速度であっても、触媒が破壊しないのであれば、適用してよい。
前述のように、保持器の下降速度は大きいことが好ましい。特に、最下端での触媒の自由落下速度よりも大きい速度(例:100mm/s)で保持器を下降すれば、触媒は保持器から離脱して触媒間の拘束が小さくなり、触媒間の相対運動を大きくとれるので好ましい。但し、触媒の自由落下速度よりも極端に大きな速度で保持器を下降させても得られる効果に差はない。
(触媒の大きさ)
一般に触媒作用を有する物質を多孔質の単体に担持して構成される触媒は、保持器12の上に位置する触媒層13にとどまる必要がある。そのため、触媒は、保持器12の開口を通過しない大きさである必要がある。
(触媒の形状)
前述のように、特定の保持器で触媒を保持する際、同一触媒外面の代表寸法のうち最小のものに下限値が存在する。触媒層13の容積が一定の場合、一般に触媒の数が多いほど、触媒の総表面積は増大し、反応容器11の反応速度を向上できる。従って、球や球に近い形状の触媒は、一定の体積の中で触媒の数を増やしやすいので好ましい。触媒の外周で囲まれる体積が同一でも、表面積のより大きい形状、例えば、円筒やリング状の形状も好ましい。一方、棒状あるいは円盤状の形状は、保持しにくいので、好ましくない。
(触媒層の高さ)
触媒層13の上昇時に、触媒層中では上にいくほど触媒間に働く力が等方化し、触媒層13を押し上げるための上下方向の力と同程度の力がこれ以外の方向にも生じ、この力に比例した摩擦力が触媒間で生じる。この摩擦力の下向き成分が触媒層押し上げの抵抗力として働く。触媒層13を下端から押し上げる際には触媒層の下側ほど触媒間の反力および触媒−反応容器内壁間で働く力が大きい。上昇中の触媒層内での上下方向の力は、その位置より上方の抵抗力の上下方向成分の合計以上でなければならないので、触媒層の下側ほど、押し上げに必要な力は急速に上昇する。触媒層の下端では最大の押し力となり、この力が過大であれば、触媒や反応容器の破壊を招き得る。
この観点から、触媒層の高さは低いほどよい。本発明では、先に図2を参照して説明したように、上広型触媒反応容器を用いることにより、約3以下の触媒層アスペクト比(触媒層高さ/触媒層下端厚)において、触媒層全体で触媒を大きく相対運動させることができ、高い粒子撹拌効果を得ることができる。
一方、触媒層高さが極端に低い場合には、反応容器内壁と触媒の相対運動による触媒間の相対運動は、反応容器厚方向の反応容器内壁面近傍に限定され、反応容器厚方向の中央部では触媒間の相対運動が生じなくなるので好ましくない。特に、触媒高さが平均的に触媒の2層分の高さ(触媒を垂直方向に2つ積み重ねた最大高さ)以下である場合、上層の触媒の拘束が小さいので、触媒は容易に最密充填化し、低充填化できなくなるので相対運動をいっそう阻む効果を生じる。従って、触媒層高さは触媒の3層分以上の高さ(触媒を垂直方向に3つ積み重ねた最大高さ)、すなわち、触媒外面代表長さの最大値の3倍以上であることが好ましい。
(触媒の流動性)
反応容器11内において保持器12とともに上昇させた触媒は、反応容器内で棚吊り(触媒層13を保持器12で上昇させた後、保持器12を下降させても触媒同士のセルフロックを生じて触媒が下降しない現象)を起こすことがある。反応容器11内での触媒の棚吊り防止の観点から、触媒層13における粒体群としての触媒の流動性は、低いことが好ましく、安息角が50°未満であることが好ましい。
一方、保持器12の上昇時に保持器から触媒層13に与える力の触媒層内での非等方性(上向きの力が卓越)を触媒層13のより高い位置まで保持するためには、触媒の流動性が極端に低くないことが好ましく、安息角は10°以上が好ましい。触媒層内での力の非等方性の高い領域が広いほど、より小さい推力で保持器12を上昇させることができ、触媒が破壊しにくくなるからである。
(触媒の材質・作用)
本発明の触媒反応装置を適用できる触媒の材質や触媒作用は、流体、特にガスを原料とする触媒反応に用いられる触媒であれば、特に制限はない。流体がガスであり、触媒反応による生成物がガスと固体または液体とである触媒反応、中でも、触媒反応用流体が炭化水素を含有するガスであり、触媒反応による生成物がガスおよび固体または液体である触媒反応、特に、触媒反応用流体がタールを含有するガスであり、触媒反応による生成物が固体の炭化水素または固体のカーボンを含む触媒反応に用いられる触媒に好適に使用できる。
一般的には、上記のような触媒反応に用いられる酸化物触媒に広く使用でき、特に触媒反応用流体がタールを含有するガスであり、触媒反応による生成物が固体の炭化水素または固体のカーボンを含む触媒反応に用いられる酸化物触媒に好適に適用できる。
本発明の触媒反応装置に好適に使用できる触媒の具体的な例としては、たとえば、ニッケル、マグネシウム、セリウム、アルミニウムを含む酸化物であって、少なくとも1種の複合酸化物を含み、単独化合物としてアルミナを含まないタール含有ガスの改質用触媒を挙げることができる(WO2010/134326)。この複合酸化物の好適な例は、NiMgO、MgAl24、CeO2の結晶相からなり、さらには、各結晶相の内、X線回折測定により求めたNiMgO結晶相の(200)面の結晶子の大きさが1nm〜50nm、MgAl24結晶相の(311)面の結晶子の大きさが1nm〜50nm、CeO2結晶相の(111)面の結晶子の大きさが1nm〜50nmである。この触媒は、炭素質原料を熱分解した際に発生する多量の硫化水素を含み、炭素析出を起こし易い縮合多環芳香族主体のタール含有ガスであっても、随伴するタール等重質炭化水素を高効率に改質して、水素、一酸化炭素、メタンを主体とする軽質炭化水素に変換すること、また、触媒性能が劣化した際、水蒸気又は空気の少なくともいずれかを高温下で触媒に接触させることにより、触媒上の析出炭素や吸着硫黄を除去して触媒性能を回復させ長期間安定した運転が可能になるという特徴を有する。
また、ニッケル、マグネシウム、セリウム、ジルコニウム、アルミニウムを含む複合酸化物からなることを特徴とするタール含有ガスの改質用触媒を挙げることができる(特願2010−082576)。この複合酸化物の好適な例は、NiMgO、MgAl24、CexZr1-x2(0<x<1)の結晶相を含み、さらには、各結晶相の内、X線回折測定により求めたNiMgO結晶相の(220)面の結晶子サイズが1nm〜50nm、MgAl24結晶相の(311)面の結晶子サイズが1nm〜50nm、CexZr1-x2結晶相の(111)面の結晶子サイズが1nm〜50nmであることが好ましい。この触媒によれば、石炭やバイオマスを熱分解した際に発生するタール含有ガスを、安定的に一酸化炭素、水素等の軽質化学物質へ転換することができる。特に、タール含有ガス中に、硫化水素を高濃度で含むタール含有ガスであっても、脱硫処理せずにそのまま触媒と接触させて、粗ガス中のタールを改質して、又は、精製ガス中の炭化水素成分を改質して、タール含有ガスを一酸化炭素、水素等の軽質化学物質へ安定的に転換することができる。
さらに、aM・bNi・cMg・dOで表される複合酸化物であるタール含有ガスの改質用触媒であって、a、b、及びcは、a+b+c=1、0.02≦a≦0.98、0.01≦b≦0.97、かつ、0.01≦c≦0.97を満たし、dは、酸素と陽性元素が電気的に中性となる値であり、Mは、Li、Na、Kから選ばれる少なくとも1種類の元素であるタール含有ガスの改質用触媒を挙げることができる(特願2010−081867、特願2010−08197、特願2010−083527)。この複合酸化物の好適な例は、シリカ、アルミナ、ゼオライトから選ばれる少なくとも1種類の酸化物を加えてなり、さらには、シリカ、アルミナ、ゼオライトから選ばれる少なくとも1種類の酸化物の含有量が、複合酸化物全体に対し1〜90質量%であることが好ましい。この触媒によれば、石炭やバイオマスを熱分解した際に発生するタール含有ガスを、安定的に一酸化炭素、水素等の軽質化学物質へ転換することができる。特に、タール含有ガス中に、硫化水素を高濃度で含むタール含有ガスであっても、脱硫処理せずにそのまま触媒と接触させて、粗ガス中のタールを改質して、又は精製ガス中の炭化水素成分を改質して、タール含有ガスを一酸化炭素、水素等の軽質化学物質へ安定的に転換することができる。
(その他の適用可能な例)
本発明は、上記に例示した触媒反応装置及び触媒のほか、コーキング等を生じる、下記の触媒反応装置にも好適に使用できる。
1)メタン改質触媒反応装置: 特開2006−35172号公報の「比較例」には、炭化水素であるメタンガスを原料ガスとして大量のコーキング(炭素析出)が発生することが記載されている。
2)都市ガス改質触媒反応装置: 特許文献2にコーキングの事例が記載されている。
3)その他、LPG等の各種石油精製ガスや天然ガスの改質のための触媒反応装置、水素を含有するガスと酸化剤ガスを作用させて発電し、水を副生する、燃料電池用の触媒反応装置(例:特開2009−48797号公報)等に適用できる。
[第2の実施形態]
(全体構造)
本発明の粒状体処理装置は、図9のような触媒反応装置であってもよい。この図の(a)は平面図であり、(b)は正面図、(c)は側面図である。図9の触媒反応装置10は、後に詳しく説明するように複数のピンを底板に立設した触媒保持器12’を用いていることと、それに関連した触媒に関する要件を除いて、図6を参照して説明した第1の実施形態のものと同様である。
(触媒保持器)
この実施形態の触媒保持器12’は、図10に示されるような多数のピン25を底板26で保持した構造物であり、ピン25の先端部で粒状の触媒(図示せず)を保持する触媒保持手段である。隣り合うピン25の間隔を粒状触媒の大きさより小さく設定することで、ピン25の先端部で粒状の触媒を保持することが可能であり、ピン間の隙間が触媒反応用流体の触媒層13への流入口または流出口として機能する。
図10の触媒保持器12’では、ピン25は、例えば丸棒などで製作することができる。ピン25は、同一形状が一般的であるが、必ずしも同じ形状である必要はない。粒状触媒をピン25の先端部で保持し、ピン間の間隙を流体が流通できればよく、ピンの大きさも長さも角度も同じでなくてよいし、ピンは直線状に限定されるものでもない。また、図10の触媒保持器12’では、ピン25の先端は同一平面を形成しているが、ピン25の先端が形成する面が曲面状であったり、例外的に一部のピンが先端を形成する面から突き出ていてもよい。このような触媒保持器によれば、高い開口率と閉塞の防止が実現される。
触媒保持器12’におけるピン25の配置は、ピンの軸に垂直な平面上でのピンの中心を頂点とし、隣り合う3本のピンの中心で構成される三角形が、全て合同な二等辺三角形、特に正三角形であることが好ましい。それによって保持すべき触媒の所要断面積に対して最小のピン数で触媒保持構造を実現できる。
全てのピン25は、ピンの中心軸が互いに平行に配置されることが好ましい。ピン側面での開口が均一になり、より閉塞しにくくなるからである。ピン軸間が極端に近接する部位ではピン側面間で閉塞を生じやすい。ピンが平行な部分の長さはピン間の間隙が閉塞しないで原料流体や改質流体が自由に流通できる空間を形成するように決められる。
設計上の便宜等がある場合には、触媒方向に向けて中心軸間の距離が徐々に広がる、または、狭まる等のように設定して、ピン25の軸線は必ずしも平行でなくてもよい。同様に、ピンの中心軸は平行であるが、ピン間の間隔は徐々に広がる、または、狭まる等のように設定してもよい。ピンが略平行な部分の長さはピン間の間隙が閉塞しないで反応流体が自由に流通できる空間を形成するように決められる。
ピン間の間隔は、全てのピンの直径(外径寸法)を除いた軸間距離が、特に触媒保持器の頂部(ピン先端部)において、触媒の通過しうる最小のメッシュ目開き寸法(篩の目明き寸法)より小さければよい。こうすれば、触媒粒はピンの間を落下することはなく、これらのピンで支持することができる。触媒の破損により生じた触媒の小片のように、例外的に一部の触媒寸法がピンの直径を除いた軸間距離より小さくて、ピンの間を落下することがありうるが、触媒保持器12’の下部および下方に十分な落下物の貯留空間を設けることによって、少なくとも触媒反応容器閉塞の観点からは特に問題ではない。通気性および保持器の耐閉塞性の観点から、通気の主流方向垂直断面での開口率(1−[ピン断面積の合計]/[流路の見かけ断面積])は、90%以上であることが好ましい。開口率の上限は、ピンの耐座屈性等から定まる個々のピンの断面積から制約される。
ピン間の間隔は下記不等式を満たすことが望ましい。
[ピンの軸間距離]−[ピンの外径寸法]<[触媒の通過しうる最小のメッシュ目明き寸法]
[ピンの径]: ピンの外径寸法は、2つのピンの軸間における半径(ピンの軸から外径までの距離)の合計、好ましい円筒ピンの配列ではピンの直径になる。
「メッシュ」: 篩の目のこと。
「目明き寸法」: 正方形の開口を前提とした、JIS等の一般的な定義に基づくが、本発明においては、単一の触媒粒外形の代表寸法(直径、高さ等)のうち、最小のものに相当する。
ピンの長さは、[ガス流入口(流出口)での流体の流通見かけ断面積]≧[触媒層における流体の流通見かけ断面積]とするのが好ましい。触媒反応容器の厚さと幅(直径)が所与のとき、ピンの高さを変更して、流入口(流出口)での流体の流通見かけ断面積を調整できる。但し、触媒層における流体の流通見かけ断面積が極端に大きい場合(反応容器が主流方向に扁平等)には、この限りではない。ここで、「流体の流通見かけ断面積」とは、原料流体や改質流体の主流に垂直な平面上で触媒反応容器側壁で囲また領域の面積である。
ピンのアスペクト比(長さ/直径比)は、座屈防止の観点から100以下の値が好ましく、20以下がより好ましい。但し、ピンに加わる最大荷重が十分に小さい場合には、これ以上の値であってもよい。また、流入口(流出口)での流体の流通見かけ断面積を十分大きく設定するために、ピンのアスペクト比は、1以上が好ましく、5以上がより好ましい。
ピン25の材質は、触媒を保持する強度、接触する流体への耐熱・耐食性、反応生成物への耐汚染性を有する材料であれば、どのようなものでも使用できる。たとえば、炭素鋼、ステンレス鋼、ニッケル合金、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金等の金属材料、シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素等のセラミックス材料、ソーダガラス、溶融石英等のガラス材料、を使用できる。タール改質用の触媒反応容器では、通常、800℃以上の高温で操作されるので、ステンレス鋼やハステロイ(登録商標)、インコネル(登録商標)等のニッケル合金が特に好ましい。
同様に、底板26の材質も、例えばステンレス鋼、ハステロイ(登録商標)やインコネル(登録商標)等のNi合金、チタン、チタン合金等を挙げることができる。
ピン25の底板26への固定方法は、特に限定されず、例えば、全てのピンを溶接で底板へ固定することができる。
このような触媒保持器12’を用いることにより、パンチングメタルや網の場合と違い開口率を大きくしても強度を維持することができるので、実質的な開口率(ピン列の触媒への接触部においてピン軸に垂直な面内での空間の比率)を90%以上という、パンチングメタルや網では従来実現できなかった高い値とすることができる。95%以上も可能である。
また、触媒保持器12’の各ピン25は、ピン中心軸垂直断面内で全て孤立し、ピン列の間に広がる空間が互いに連結しているので、仮にピン表面にカーボン等の固体が析出したとしても、隣り合うピン間でこの固体が架橋して開口を閉塞させることは容易には生じない。
(触媒の大きさ)
触媒が保持器12’の上に位置する触媒層13にとどまる必要から、この実施形態の反応容器11の触媒層13中の粒状触媒は、前記ピンにおける寸法制約を満足できなければならない。例えば、次の例1の触媒を用いることができる。
(例1)直径10mmの球形触媒粒を見かけ断面が直径100mmの円筒触媒反応容器に収めた場合、ピン高さは、100mmあれば十分である。一方、ピン直径を5mmにできるので、このときのピンのアスペクト比は20程度であり、実現可能である。
一方、前記ピンにおける寸法制約を満足できないので、次の例2の触媒は、採用できない。
(例2)直径0.1mmの球形触媒粒を見かけ断面が直径100mmの円筒触媒反応容器に納めた場合、ピン高さは、少なくとも数十mm必要である。一方、ピン直径は触媒粒直径よりも小さくなければならない。従って、ピンのアスペクト比は100を超えるので、実現不可能である。
触媒の寸法は、触媒反応の効率から決定され、一概ではない。触媒の寸法を考慮して触媒保持器のピン間の間隔を決めればよいが、必要に応じて、触媒の寸法を触媒保持器のピン間の間隔を考慮して決めることができる。例えば、触媒粒の外寸は、触媒保持器での保持のしやすさと、反応性のための高い比表面積確保の観点から、5〜50mm程度であることが好ましい。
(触媒の形状)
前述のように、特定の触媒保持器で触媒を保持する際、同一触媒外面の代表寸法のうち最小のものに下限値が存在する。触媒層13の容積が一定の場合、一般に触媒の数が多いほど、触媒の総表面積は増大し、反応容器の反応速度を向上できる。従って、球や球に近い形状のものは、一定の体積の中で触媒の数を増やしやすいので好ましい。また、触媒の外周で囲まれる体積が同一でも、触媒粒の表面積の大きい形状、例えば、円筒やリング状の形状も好ましい。
一方、円盤のように、一方向の代表長さのみが極端に小さい形状のものは、この実施形態で使用するピン式の保持器では保持しにくいので、概して好ましくない(比較: 従来より一般に用いられている網やパンチングメタルでは、メッシュ寸法よりも若干大きな円盤が、触媒の数を最も増やしうる形状であった)。また、棒状の形状は、従来技術と同様に保持しにくいので、好ましくない。
(本発明の他の適用例)
本発明は、第1及び第2の実施形態を例に説明したような触媒反応器に限らず、粒状体充填層の乾燥器、熱交換器、高温フィルタ等にも適用することができる。
上で説明したいずれの実施形態でも、触媒層(粒状体層)は1つであったが、本発明の粒状体処理装置における粒状体層は複数であっても差し支えない。この場合、各粒状体層ごとに保持器を設け、隣接する粒状体保持器どうしを連結して一体化することにより、全ての粒状体層を同時に昇降させて、各層における粒状体間の相対位置を効率的に変更することができる。
以下の実施例により本発明をさらに説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例]
図9に示した触媒反応装置で試験した。
(反応系全体の構成)
石炭供給装置(石炭ホッパー定量供給器)から、加熱されたキルンに20kg/時の速度で石炭を供給して石炭乾留ガス(石炭中の水分に起因する水蒸気を含む)を連続発生させた。触媒反応装置の流入口は、保温管によってキルンに接続し、触媒反応装置流出口は、保温管によってスクラバ経由で誘引ファンに接続した。石炭乾留ガスは、ガス中のタールが触媒反応容器で改質されて軽質ガス(水素等)を生成し、改質ガスとして誘引ファンによってフレアスタック(改質ガスを燃焼する)経由で大気中に放散させた。触媒反応容器は、炉温が一定温度に制御された電気加熱炉内に収容した。誘引ファンは、流量を調節でき、石炭乾留ガスの発生速度に対応する流量に制御された。
(触媒)
触媒としては、Ni0.1Ce0.1Mg0.8Oなる成分系のものを使用した。
硝酸ニッケル、硝酸セリウム、硝酸マグネシウムを各金属元素のモル比が1:1:8になるように精秤して、60℃の加温で混合水溶液を調製したものに、60℃に加温した炭酸カリウム水溶液を加えて、ニッケル、マグネシウム、及びセリウムを水酸化物として共沈させ、スターラーで十分に攪拌した。その後、60℃に保持したまま一定時間攪拌を続けて熟成を行った後、吸引ろ過を行い、80℃の純水で十分に洗浄を行った。洗浄後に得られた沈殿物を120℃で乾燥し粗粉砕した後、空気中600℃で焼成(か焼)したものを解砕した後にビーカーに入れ、アルミナゾルを加えて攪拌羽根を取り付けた混合器で十分混合したものをなすフラスコに移してロータリーエバポレーターに取り付け、攪拌しながら吸引することで、水分を蒸発させた。なすフラスコ壁面に付着したニッケルとマグネシウムとセリウムとアルミナの化合物を蒸発皿に移して120℃で乾燥、600℃でか焼後、粉末を圧縮成形器を用いて3mmφの錠剤状にプレス成型し、外径15mm、内径5mm、高さ15mmの円筒状成型体を得た。
その成型体を空気中950℃で焼成を行い、Ni0.1Ce0.1Mg0.8Oにアルミナが50質量%混合した触媒成型体を調製した。その成型体の成分をICP分析で確認した結果、所望の成分であることを確認した。また、その成型体を木屋式硬度計で計測したところ、約100Nの強度を保持することがわかった。
(触媒反応装置)
使用した触媒反応装置は、次のとおりであった。
・反応容器形状: 矩形水平断面の上広型ダクト状
・反応容器材質: ステンレス鋼
・反応容器厚: 120mm(容器下部にて)
・反応容器幅: 300mm
・反応容器広がり角: 2.5°
・触媒層高さ: 350mm
・触媒層アスペクト比: 2.9
・触媒保持器: スレンレス丸棒製のピン式
・ピン: 直径5.1mm、長さ90mm、頂部平坦、コーナ部1mmを面取り
・ピンの配置: 底辺16mm(反応容器幅方向)、高さ13.5mm(反応容器厚方向)の二等辺三角形、全て触媒保持器底板に溶接
・ピン開口率: 92%
・使用触媒量: 7kg
・駆動装置昇降ストローク: 15mm
・駆動装置上昇速度: 2mm/秒
・駆動装置下降速度: 10mm/秒
上記の触媒を図9の触媒反応装置の反応容器に収容し、各触媒層中央位置に熱電対を挿入した。
改質反応を始める前に、まず反応器を窒素雰囲気下で800℃まで昇温した後、水素ガスを80Nl/min流しながら30分間還元処理を行った。その後、コークス炉ガスを調整して導入し、常圧下、反応させた。
駆動装置の操作タイミングは、石炭乾留ガスの通気を開始してから3時間40分後及び5時間15分後に、それぞれ第1回及び第2回の昇降を、各2往復実施した。
(作業条件)
作業条件は、次のとおりであった。
・石炭乾留キルン温度: 750℃
・電気加熱炉温度: 800℃
・石炭乾留ガス流量: 平均10Nm3/h
・石炭乾留ガス通気時間: 5時間15分
(結果)
通気性(圧力損失)についての試験結果を図11に示す。通気とともに、触媒間でのコーキングによって通気抵抗が徐々に増大したが、第1回、第2回の昇降操作によって、十分に圧力損失を低下させることができた。
また、改質特性に関しては、水素増幅率(改質ガス中水素流量/原料ガス中水素流量)の連続測定値を用いて評価した。試験を通じて水素増幅率は、約2以上の良好な状態を維持した。
試験終了後に、装置を分解して内部を調査した結果、保持器底板上に120gの固体カーボンが堆積していたが、保持器表面には薄い固体カーボン膜を生じたのみであり、バルク状の固体カーボンのピン及び棒への付着は一切なく、保持器の通気抵抗は、設置時と同一であった。
[参考例1]
硝酸ニッケル、硝酸セリウム、硝酸酸化ジルコニウム、硝酸マグネシウムを各金属元素のモル比が1:1:1:7になるように精秤して、60℃の加温で混合水溶液を調製したものに、60℃に加温した炭酸カリウム水溶液を加えて、ニッケル、セリウム、ジルコニウム、及びマグネシウムを水酸化物として共沈させ、スターラーで十分に攪拌した。
その後、60℃に保持したまま一定時間攪拌を続けて熟成を行った後、吸引ろ過を行い、80℃の純水で十分に洗浄を行った。洗浄後に得られた沈殿物を120℃で乾燥し粗粉砕した後、空気中600℃でか焼したものを解砕した後にビーカーに入れ、アルミナゾルを加えて攪拌羽根を取り付けた混合器で十分混合したものを、なすフラスコに移してロータリーエバポレーターに取り付け、攪拌しながら吸引することで、水分を蒸発させた。なすフラスコ壁面に付着したニッケルとマグネシウムとアルミナの化合物を蒸発皿に移して120℃で乾燥、600℃でか焼後、圧縮成形器を用いて粉末を3mmφの錠剤状にプレス成型し、錠剤成型体を得た。その成型体を空気中950℃で焼成を行い、Ni0.1Ce0.1Zr0.1Mg0.7Oにアルミナが50質量%混合した触媒成型体を調製した。
その成型体の成分をICP分析で確認した結果、所望の成分であることを確認した。また、本調製品をXRD測定した結果、NiMgO、MgAl24、CexZr1-x2相からなることが判明し、各々の結晶子の大きさは、14nm、11nm、22nmであった。
この触媒をSUS製反応管の中央に位置するよう石英ウールで固定し、触媒層中央位置に熱電対を挿入し、これら固定床反応管を所定の位置にセットした。
改質反応を始める前に、まず反応容器を窒素雰囲気下で800℃まで昇温した後、水素ガスを100mL/min流しながら30分間還元処理を行った。その後、コークス炉ガス(粗ガス)の模擬ガス(水素:窒素=1:1、H2Sを2000ppm含有、トータル流量125mL/min)を調製して反応容器に導入するとともに、石炭乾留時発生タールの模擬物質として、タール中にも実際に含まれ且つ常温で粘度の低い液体物質である1−メチルナフタレンを代表物質として、0.025g/minの流量で反応容器へ導入し、常圧下で反応させた。
試験終了後に触媒を回収して観察した結果、触媒間に大量のバルク状カーボンが堆積していた。この触媒および堆積物を篩分けしたところ、触媒表面のバルク状固体カーボンは、数回の軽微な振動で大半が触媒表面から離脱し篩の目を通過して落下した。
従って、本触媒を用いた場合、触媒間に堆積した固体カーボンの大半は、触媒間の相対位置を変更するわずかな撹拌で触媒間を通過して落下することがわかった。この結果から、本触媒を用いた改質反応において、実施例の装置を用いれば、触媒層保持部での生成物の付着・閉塞を大幅に回避できると考えられる。
[参考例2]
ニッケル、マグネシウム、ナトリウムの原子量%がそれぞれ10%、80%、10%になるように精秤して、60℃の加温で混合水溶液を調製したものに、60℃に加温した炭酸カリウム水溶液を加えて、ニッケルとマグネシウムとナトリウムを水酸化物として共沈させ、スターラーで十分に攪拌した。その後、60℃に保持したまま一定時間攪拌を続けて熟成を行った後、吸引ろ過を行い、80℃の純水で十分に洗浄を行った。
洗浄後に得られた沈殿物を120℃で乾燥し粗粉砕した後、空気中600℃で焼成(か焼)したものを解砕し、その後、粉末を圧縮成形器を用いて3mmφの錠剤状にプレス成型し、錠剤成型体を得た。その成型体を空気中950℃で焼成を行い、Ni0.10.1Mg0.8Oの触媒成型体を調製した。
この触媒をSUS製反応管の中央に位置するよう石英ウールで固定し、触媒層中央位置に熱電対を挿入し、これら固定床反応管を所定の位置にセットした。
改質反応を始める前に、反応容器を窒素雰囲気下で800℃まで昇温した後、水素ガスを100mL/min流しながら30分間還元処理を行った。その後、コークス炉ガス(粗ガス)の模擬ガス(水素:窒素=1:1、H2Sを2000ppm含有、トータル流量125mL/min)を調製して反応容器に導入するとともに、石炭乾留時発生タールの模擬物質として、タール中にも実際に含まれかつ常温で粘度の低い液体物質である1−メチルナフタレンを代表物質として、0.025g/minの流量で反応容器へ導入し、常圧下で反応させた。
試験終了後に触媒を回収して観察した結果、触媒間に大量のバルク状カーボンが堆積していた。この触媒および生成物を篩分けしたところ、触媒表面のバルク状固体カーボンは、数回の振動で大半が触媒表面から離脱し篩の目を通過して落下した。
従って、本触媒を用いた場合、触媒間に堆積した固体カーボンの大半は、触媒間の相対位置を変更するわずかな撹拌で触媒間を通過して落下することがわかった。この結果から、本触媒を用いた改質反応において、実施例の装置を用いれば、触媒層保持部での生成物の付着・閉塞を大幅に回避できると考えられる。
10 連続式固定床触媒反応装置
11 反応容器
12、12’ 触媒保持器
13 触媒層
15 原料ガス
16 改質ガス
17 原料ガス流入路
18 改質ガス流出路
20 駆動機構
21 昇降装置
22 伝導軸
25 ピン
26 底板
31 棒
32 固定具
35 触媒

Claims (13)

  1. 供給流体の流入路及び流出流体の流出路と、
    流入路及び流出路に接続された粒状体処理容器であり、その内壁に接して粒状体層を鉛直方向に充填する粒状体処理容器と、
    粒状体層を保持し、かつ、流体の通過が可能な粒状体保持器と、
    を有する粒状体処理装置であって、前記粒状体処理容器は、その鉛直方向における少なくとも前記粒状体層が存在する部分において、幅が一定で、且つ、厚み方向に広がり角0.5°〜20°の範囲で上方に向かうにつれ増大する矩形の水平断面積を有すること、そして当該装置は、前記粒状体保持器を昇降させることにより粒状体層全体を昇降させて、前記粒状体と前記内壁との摩擦を生じさせると共に前記粒状体層の充填率を変動させるための駆動機構を具備するとともに、
    前記粒状体処理容器が、前記粒状体として粒状の触媒を収納する連続式固定床触媒反応器であり、前記供給流体がガスであり、前記流出流体が当該反応容器での触媒反応生成物のガスであり、その触媒反応では副生物の固体が触媒上に析出して、前記触媒層中に堆積することを特徴とする、粒状体処理装置。
  2. 前記保持器が、前記粒状体を略平行に配置された複数のピンの先端部で保持し、且つ、前記複数のピンにおける隣り合うピンの間隔が前記粒状体の大きさよりも小さいように配置され、前記供給流体が当該ピンの間の空間を流通できる構造を有することを特徴とする、請求項1に記載の粒状体処理装置。
  3. 前記保持器が、粒状体が隙間を落下しないように間隔をあけて配列した2以上の棒で粒状体を保持し、棒の中心軸の水平面投影成分は互いに平行とし、隣り合う棒の中心軸の鉛直面投影成分またはその延長線は互いに交差する構造を有することを特徴とする、請求項1に記載の粒状体処理装置。
  4. 前記粒状体処理容器が、角型ダクト状であり、
    前記粒状体層の鉛直方向の高さが、前記粒状体処理容器の最小厚みの3倍以下であり、かつ、粒状体の3層分以上であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の粒状体処理装置。
  5. 前記駆動機構の下降時の速度が上昇時の速度よりも速いことを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の粒状体処理装置。
  6. 前記供給流体が炭化水素を含有するガスであり、触媒反応による生成物がガスと固体の炭化水素または固体のカーボンとであることを特徴とする、請求項5に記載の粒状体処理装置。
  7. 前記炭化水素を含有するガスがタールを含有することを特徴とする、請求項6に記載の粒状体処理装置。
  8. 前記触媒が、ニッケル、マグネシウム、セリウム、アルミニウムを含む複合酸化物であって、アルミナを含まない複合酸化物からなる触媒であり、前記複合酸化物が、NiMgO、MgAl、CeOの結晶相からなることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の粒状体処理装置。
  9. 前記触媒が、ニッケル、マグネシウム、セリウム、ジルコニウム、アルミニウムを含む複合酸化物からなる触媒であり、前記複合酸化物が、NiMgO、MgAl、CeZr1−X(0<x<1)の結晶相を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の粒状体処理装置。
  10. 前記触媒が、
    aM・bNi・cMg・dOで表わされる複合酸化物であるタール含有ガスの改質用触媒であって、
    a、b、及びcは、a+b+c=1、0.02≦a≦0.98、0.01≦b≦0.97、かつ、0.01≦c≦0.97を満たし、
    dは、酸素と陽性元素が電気的に中立となる値であり、
    Mは、Ti、Zr、Ca、W、Mn、Zn、Sr、Ba、Ta、Co、Mo、Re、白金、ルニウム、パラジウム、ロジウム、Li、Na、K、Fe、Cu、Cr、La、Pr、Ndから選ばれる少なくとも1種類の元素であり、
    前記複合酸化物に、シリカ、アルミナ、ゼオライトから選ばれる少なくとも1種類の酸化物を加え、シリカ、アルミナ、ゼオライトから選ばれる前記酸化物の含有量が、前記複合酸化物に対し1〜90質量%である、
    ことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の粒状体処理装置。
  11. 前記粒状体層とそれを保持する粒状体保持器とを複数有し、隣接する粒状体保持器どうしが連結して一体化されていることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載の粒状体処理装置。
  12. 前記広がり角が2.5°〜4°の範囲であり、前記触媒層のアスペクト比である、触媒層高さ/触媒層下端厚が、3以下であることを特徴とする、請求項4から11のいずれか1項に記載の粒状体処理装置。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の粒状体処理装置を使用し、前記粒状体層を昇降させることで前記粒状体の処理を行い、前記粒状体層中に堆積する固体堆積物を除去することを特徴とする、粒状体処理方法。
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