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JP5890133B2 - 燃料改質器及びこれを用いた排ガス浄化装置 - Google Patents

燃料改質器及びこれを用いた排ガス浄化装置 Download PDF

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Description

本発明は、炭化水素系液体からなる燃料を分解して還元ガスに改質する改質器と、この改質器で改質された還元ガスを還元剤として用いてエンジンの排ガス中のNOxを浄化する装置に関するものである。
従来、この種の排ガス浄化装置として、排ガス中のNOの一部をNO2に酸化する酸化触媒が内燃機関の排気管に設けられ、排ガス中のNOxを水素共存下で捕捉するNOx捕捉触媒が排気管のうち酸化触媒の下流に設けられ、燃料を改質して少なくとも水素を含む還元性気体を生成しこの還元性気体を排気管のうち酸化触媒とNOx捕捉触媒との間に供給する水素供給手段が排気管と別に設けられ、更に排ガスの温度が所定の範囲内にあることを1つの条件として制御手段が水素供給手段により還元性気体を供給するように構成された排気浄化装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この排気浄化装置では、排気管に第1触媒コンバータと第2触媒コンバータが上流側からこの順に設けられ、排気管のうち第1触媒コンバータと第2触媒コンバータとの間に燃料改質器の供給口が設けられる。燃料改質器は、供給口にその一端側が接続された改質ガス導入通路と、この改質ガス導入通路内に設けられた改質触媒と、燃料ガスを改質ガス導入通路の他端側から改質触媒に供給する燃料ガス供給装置とを有する。この燃料改質器では、エンジンの燃料を、改質触媒の作用により改質し、水素(H2)、一酸化炭素(CO)及び炭化水素(HC)を含む還元性気体の改質ガスを生成する。なお、燃料改質器は、グロープラグやスパークプラグなどを含む加熱ヒータを備え、燃料改質器の始動とともに、改質触媒を加熱可能に構成される。これにより燃料改質器で生成される改質ガスの温度は、およそ500℃〜800℃の高温となる。
一方、改質触媒は、ロジウム、白金、パラジウム、ニッケル及びコバルトよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属触媒成分と、セリア、ジルコニア、アルミナ及びチタニアよりなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物又はこれらを基本組成とした複合酸化物とを含む。この改質触媒は、燃料ガス供給装置から供給された燃料ガスを改質し、水素、一酸化炭素及び炭化水素を含む改質ガスを生成する。また改質触媒で生成された改質ガスは、改質ガス導入通路を通って供給口から排気管に供給される。更に改質ガス導入通路の途中には、この改質ガス導入通路を通って排気管内に導入される改質ガスの流量を制御する改質ガス導入バルブが設けられる。この改質ガス導入バルブは、アクチュエータを介してECUに接続され、改質ガス導入通路を介した改質ガスの排気管内への供給量は、ECUにより制御される。
このように構成された排気浄化装置では、排ガス中のNOxを水素共存下で捕捉するNOx捕捉触媒の上流に、排ガス中のNOの一部をNO2に酸化する酸化触媒を設けたので、NO2を富化したNOとNO2の混合ガスをNOx捕捉触媒に供給できる。この結果、内燃機関の始動直後の低温時におけるNOx捕捉触媒によるNOxの捕捉性能を向上することができる、より具体的には、NOx捕捉触媒の温度が約50℃以下であっても有意な量のNOxの捕捉を開始できる。このようにNOxの捕捉性能を向上したNOx捕捉触媒に対し、排ガスの温度が所定の範囲内、より具体的には低温領域内にあることを1つの条件として、水素を含む還元性気体を供給することによりNOx捕捉触媒で排ガス中のNOxを捕捉することができるので、内燃機関始動直後の冷機時におけるNOx浄化率を向上できる。また水素供給手段を排気管とは別に設けたので、冷機時であっても内燃機関を失火させることなく安定して還元性気体を供給できる。また排ガスの温度が低温領域の所定の範囲内にあることを1つの条件として還元性気体を供給することにより、水素を燃焼させることなくNOx捕捉触媒に到達させて、NOxの捕捉に寄与させることができる。更にNOx捕捉触媒の上流側に酸化触媒を設け、NOx捕捉触媒にNOとNO2の混合ガスを供給するので、内燃機関始動直後の低温時におけるNOx捕捉触媒のNOx捕捉性能を向上できる。この結果、NOx捕捉触媒を内燃機関の近傍に配置する必要がなくなる。
特開2011−69270号公報(請求項1、段落[0013]、[0014]、[0024]〜[0030]、図1)
しかし、上記従来の特許文献1に示された排気浄化装置では、グロープラグやスパークプラグなどを含む加熱ヒータにより改質触媒を加熱し、この改質触媒に燃料ガス供給装置からの燃料ガスを供給することにより、約500℃〜800℃の温度の改質ガスを生成しているけれども、グロープラグやスパークプラグなどでは改質触媒を均一に加熱できず、燃料ガスを改質ガスに効率良く改質できない問題点があった。
本発明の第1の目的は、加熱されたキャリアガスの噴射により燃料を十分に微粒化することができ、これにより燃料を還元ガスに効率良く改質できる、燃料改質器を提供することにある。本発明の第2の目的は、改質器ハウジングを還元ガス供給ノズルとともに排気管に比較的容易に取付けることができる、燃料改質器を提供することにある。本発明の第3の目的は、キャリアガス加熱部におけるキャリアガス流路を十分に確保することにより、キャリアガス加熱部でキャリアガスを十分に加熱できるとともに、キャリアガス加熱部のキャリアガス流路に燃料が流れずにキャリアガスのみが流れることにより、燃料のキャリアガス流路内壁への付着を阻止でき、キャリアガスがキャリアガス流路内をスムーズに流れる、燃料改質器を提供することにある。本発明の第4の目的は、排ガス温度が比較的低温から高温にかけて広い温度範囲でNOxを効率良く低減できる、燃料改質器を用いた排ガス浄化装置を提供することにある。
本発明の第1の観点は、図1に示すように、キャリアガス源14から供給されたキャリアガスを加熱する発熱量の調整可能なキャリアガス加熱部16と、キャリアガス加熱部16により加熱されたキャリアガスを噴射するキャリアガス噴射ノズル17と、キャリアガス噴射ノズル17から噴射されたキャリアガスにより炭化水素系液体からなる燃料18が微粒化されるように燃料18をキャリアガス噴射ノズル17の先端に供給する燃料供給ノズル19と、入口がキャリアガス噴射ノズル17及び燃料供給ノズル19に対向して設けられ上記微粒化した燃料18を分解して水素又は含酸素炭化水素のいずれか一方又は双方からなる還元ガス21に改質する改質触媒部22と、改質触媒部22の出口から排出された還元ガス21をエンジン11の排気管12に供給するように排気管12に取付けられる還元ガス供給ノズル23と、キャリアガス加熱部16の出口温度を検出するキャリアガス温度センサ52と、キャリアガス温度センサ52の検出出力に基づいてキャリアガス加熱部16の発熱量を制御するとともに排気管12を流れるNOxの流量に応じて燃料供給ノズル19への燃料18の供給流量を制御するコントローラ57とを有する燃料改質器であって、キャリアガス加熱部16が、円柱状に形成されたコイル保持部16aと、このコイル保持部16aの外周面に沿いかつコイル保持部16aの外周面に露出しないように埋設された電熱コイル16cと、コイル保持部16aの外周面に螺旋状に巻回することによりキャリアガス又は第1キャリアガスがコイル保持部16aの外周面に沿って螺旋状に流れるキャリアガス流路16eを形成するキャリアガス流路用コイル16dとからなることを特徴とする。
本発明の第2の観点は、図5に示すように、キャリアガス源14から第1キャリアガス供給管71を通して供給された第1キャリアガスを加熱する発熱量の調整可能なキャリアガス加熱部16と、キャリアガス加熱部16により加熱された第1キャリアガスを噴射する第1キャリアガス噴射ノズル81と、第1キャリアガス噴射ノズル81から噴射された第1キャリアガスにより炭化水素系液体からなる燃料18が微粒化されるように燃料18を第1キャリアガス噴射ノズル81の先端に供給する第1燃料供給ノズル91と、入口が第1キャリアガス噴射ノズル81及び第1燃料供給ノズル91に対向して設けられ上記微粒化した燃料18を酸化させて第1キャリアガスを更に加熱して昇温させる発熱触媒部74と、キャリアガス源14から供給された第2キャリアガスを発熱触媒部74により加熱された第1キャリアガスに混合する第2キャリアガス供給管72と、第1及び第2キャリアガスの混合キャリアガスを噴射する第2キャリアガス噴射ノズル82と、第2キャリアガス噴射ノズル82から噴射された混合キャリアガスにより炭化水素系液体からなる燃料18が微粒化されるように燃料を第2キャリアガス噴射ノズル82の先端に供給する第2燃料供給ノズル92と、入口が第2キャリアガス噴射ノズル82及び第2燃料供給ノズル92に対向して設けられ上記微粒化した燃料18を分解して水素又は含酸素炭化水素のいずれか一方又は双方からなる還元ガス21に改質する改質触媒部22と、改質触媒部22の出口から排出された還元ガス21をエンジン11の排気管12に供給するように排気管12に取付けられる還元ガス供給ノズル23と、キャリアガス加熱部16の出口温度を検出する第1キャリアガス温度センサ171と、発熱触媒部74の出口温度を検出する第2キャリアガス温度センサ172と、第1キャリアガス温度センサ171の検出出力に基づいてキャリアガス加熱部16の発熱量を制御し第2キャリアガス温度センサ172の検出出力に基づいて第1燃料供給ノズル91への燃料18の供給流量を制御し更に排気管12を流れるNOxの流量に応じて第2燃料供給ノズル92への燃料18の供給流量を制御するコントローラ57とを有する燃料改質器である。
本発明の第3の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図1に示すように、キャリアガス加熱部16、キャリアガス噴射ノズル17、燃料供給ノズル19及び改質触媒部22が改質器ハウジング24に収容され、改質器ハウジング24が還元ガス供給ノズル23の基端に接続されたことを特徴とする。
本発明の第4の観点は、第2の観点に基づく発明であって、更に図5に示すように、キャリアガス加熱部16、第1キャリアガス噴射ノズル81、第1燃料供給ノズル91、発熱触媒部74、第2キャリアガス噴射ノズル82、第2燃料供給ノズル92及び改質触媒部22が改質器ハウジング76に収容され、改質器ハウジング76が還元ガス供給ノズル23の基端に接続されたことを特徴とする。
本発明の第5の観点は、図4に示すように、エンジン11の排気管12に設けられ排ガス中のNOxをN2に還元可能な選択還元型触媒31と、選択還元型触媒31より排ガス上流側の排気管12に臨む還元ガス供給ノズル23を有しこの還元ガス供給ノズル23から選択還元型触媒31で還元剤として機能する還元ガス21を排気管12に供給する第1ないし第4の観点いずれかに記載の燃料改質器13と、選択還元型触媒31に関係する排ガス温度を検出する排ガス温度センサ53と、排ガス温度センサ53の検出出力に基づいて燃料改質器13を制御するコントローラ57とを備えた燃料改質器を用いた排ガス浄化装置である。
本発明の第1の観点の燃料改質器では、キャリアガス源から供給されたキャリアガスをキャリアガス加熱部が加熱し、この加熱されたキャリアガスをキャリアガス噴射ノズルから噴射し、燃料供給ノズルから供給された燃料を上記キャリアガス噴射ノズルから噴射されたキャリアガスにより微粒化することにより、この微粒化した燃料が改質触媒部で分解されて還元ガスに改質される。この結果、燃料を還元ガスに効率良く改質できる。またグロープラグやスパークプラグなどを含む加熱ヒータで改質触媒を加熱しているため、改質触媒を均一に加熱できず、燃料ガスを改質ガスに効率良く改質できない従来の排気浄化装置と比較して、本発明では、加熱されたキャリアガスの噴射により燃料を十分に微粒化することができ、これにより燃料を還元ガスに効率良く改質できる。また、熱伝導率の高いコイル保持部を円柱状に形成し、このコイル保持部の外周面に沿いかつコイル保持部の外周面に露出しないように電熱コイルを埋設し、熱伝導率の高いキャリアガス流路用コイルをコイル保持部の外周面に螺旋状に巻回することによりキャリアガス又は第1キャリアガスがコイル保持部の外周面に沿って螺旋状に流れるキャリアガス流路を形成したので、キャリアガス加熱部におけるキャリアガス流路を十分に確保できる。この結果、キャリアガス加熱部でキャリアガス等を十分に加熱できる。またキャリアガス流路に燃料が流れずにキャリアガス等のみが流れるので、燃料がキャリアガス流路の内壁に付着することはない。この結果、キャリアガス等がキャリアガス流路内をスムーズに流れる。
本発明の第2の観点の燃料改質器では、キャリアガス源から供給された第1キャリアガスをキャリアガス加熱部が加熱し、この加熱された第1キャリアガスを第1キャリアガス噴射ノズルから噴射し、第1燃料供給ノズルから供給された燃料を上記第1キャリアガス噴射ノズルから噴射された第1キャリアガスにより微粒化し、この微粒化した燃料が発熱触媒部で酸化することにより第1キャリアガスが更に加熱して昇温する。この更に加熱して昇温した第1キャリアガスを第2キャリアガスと混合して第2キャリアガス噴射ノズルから噴射し、第2燃料供給ノズルから供給された燃料を上記第2キャリアガス噴射ノズルから噴射された混合キャリアガスにより微粒化することにより、この微粒化した燃料が改質触媒部で分解されて還元ガスに改質される。このように第1キャリアガスを2段階で昇温しているため、キャリアガス加熱部での第1キャリアガスの加熱に必要な電力を少なくすることができる。この結果、燃料を還元ガスに更に効率良く改質できる。
本発明の第3の観点の燃料改質器では、キャリアガス加熱部、キャリアガス噴射ノズル、燃料供給ノズル及び改質触媒部を改質器ハウジングに収容し、この改質器ハウジングを還元ガス供給ノズルの基端に接続するので、改質器ハウジングを還元ガス供給ノズルとともに排気管に比較的容易に取付けることができる。
本発明の第4の観点の燃料改質器では、キャリアガス加熱部、キャリアガス噴射ノズル、第1燃料供給ノズル、発熱触媒部、第2キャリアガス噴射ノズル、第2燃料供給ノズル及び改質触媒部を改質器ハウジングに収容し、この改質器ハウジングを還元ガス供給ノズルの基端に接続するので、改質器ハウジングを還元ガス供給ノズルとともに排気管に比較的容易に取付けることができる。
本発明の第5の観点の排ガス浄化装置では、排ガス温度が所定の温度以上になったことをキャリアガス温度センサが検出すると、コントローラは燃料改質器を駆動する。これにより燃料改質器が燃料を分解して還元ガスに改質した後に、この還元ガスを還元ガス供給ノズルから排気管に供給する。そして、還元ガスが排ガスとともに選択還元型触媒に流入すると、還元ガスが排ガス中のNOxを還元するための還元剤として機能し、排ガス中のNOxが速やかにN2に還元される。この結果、排ガス温度が比較的低温から高温にかけて広い温度範囲でNOxを効率良く低減できる。
本発明第1実施形態の燃料改質器を示す縦断面構成図である。 図1のA部拡大断面図である。 図1のB部拡大断面図である。 その燃料改質器を用いた排ガス浄化装置の構成図である。 本発明第2実施形態の燃料改質器を示す縦断面構成図である。 図5のC部拡大断面図である。 図5のD部拡大断面図である。 その燃料改質器を用いた排ガス浄化装置の構成図である。 実施例1及び実施例2の燃料改質器による水素の生成量を示す図である。 実施例1及び実施例2の燃料改質器によるホルムアルデヒドの生成量を示す図である。 実施例1、実施例2及び比較例1の排ガス浄化装置を用いたときの排ガス温度の変化に伴うNOx低減率の変化を示す図である。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施の形態>
図1及び図4に示すように、ディーゼルエンジン11の排気管12には燃料改質器13が設けられる。この燃料改質器13は、キャリアガス源14から供給されたキャリアガスを加熱するキャリアガス加熱部16と、キャリアガス加熱部16により加熱されたキャリアガスを噴射するキャリアガス噴射ノズル17と、キャリアガス噴射ノズル17から噴射されたキャリアガスにより燃料18が微粒化されるように燃料18をキャリアガス噴射ノズル17の先端に供給する燃料供給ノズル19と、この微粒化した燃料18を分解して還元ガス21に改質する改質触媒部22と、改質触媒部22の出口から排出された還元ガス21をエンジン11の排気管12に供給する還元ガス供給ノズル23とを有する。上記キャリアガス加熱部16、キャリアガス噴射ノズル17、改質触媒部22及び燃料供給ノズル19は、鉛直方向に延びる円筒状の改質器ハウジング24に収容され、この改質器ハウジング24の下端は還元ガス供給ノズル23の上端に接続される。これにより改質器ハウジング24を還元ガス供給ノズル23とともに排気管12に比較的容易に取付けることが可能となる。またキャリアガス源14は、この実施の形態では、コンプレッサ(図示せず)により圧縮されたキャリアガス(エア)を貯留するキャリアガスタンク(エアタンク)である(図2)。なお、キャリアガス源は、キャリアガスタンク(エアタンク)を用いずに、大気中のエア、エンジンの排ガス又はこれらの混合ガスをキャリアガス加熱部に供給するコンプレッサにより構成してもよい。
一方、キャリアガス加熱部16は、上端に段付フランジ16bが一体的に設けられ鉛直方向に延びる円柱状に形成されたコイル保持部16aと、このコイル保持部16aの外周面に沿いかつコイル保持部16aの外周面に露出しないように埋設された電熱コイル16cと、コイル保持部16aの外周面に螺旋状に巻回されたキャリアガス流路用コイル16dとからなる(図1)。コイル保持部16aは、SUS316、インコネル(スペシャルメタルズ社製の登録商標)等の熱伝導率が15〜17W/(m・K)と比較的高い金属により形成される。また電熱コイル16cは、図示しないが、金属シース(金属製極細管)の中にニクロム線等の発熱体を遊挿し、金属シースと発熱体との隙間に、高純度の無機絶縁物の粉末を充填して構成される。ここで、電熱コイル16cをコイル保持部16aに埋設する方法としては、図示しないが、コイル保持部16aより僅かに小径の円柱状の第1保持部を用意し、この第1保持部の外周面に電熱コイルを収容可能な螺旋状の凹溝を形成し、この螺旋状の凹溝に電熱コイルを収容した後に、コイル保持部16aと同一外径を有する円筒状の第2保持部を第1保持部に嵌着する方法などが用いられる。またキャリアガス流路用コイル16dは、SUS316、SUS304、インコネル等の熱伝導率が15〜17W/(m・K)と比較的高い金属線材をコイル保持部16aの外周面に螺旋状に巻回することにより形成される。上記キャリアガス流路用コイル16dは、互いに隣接する金属線材間に所定の間隔D(図2)をあけて螺旋状に巻回され、これによりキャリアガスがコイル保持部16aの外周面に沿って螺旋状に流れるキャリアガス流路16eが形成される。即ち、所定の間隔Dをあけることにより形成された空間がキャリアガスの流れるキャリアガス流路16eとなるように構成される。
上記キャリアガス加熱部16は、上部が円筒状に形成され下部が下方に向うに従って先細りの漏斗状に形成された加熱部ケース26の上部に収容され、この加熱部ケース26は改質器ハウジング24の上部に挿入される。また、キャリアガス加熱部16を加熱部ケース26に収容したときに、キャリアガス流路用コイル16dの外周面と加熱部ケース26の内周面との間に0.4〜0.5mmの範囲内の隙間T(図2)が形成される。ここで、上記隙間Tを0.4〜0.5mmの範囲内に限定したのは、0.4mm未満では電熱コイル16cで発生しコイル保持部16aを通ってキャリアガス流路用コイル16dに伝わった熱が加熱部ケース26に伝わって放散してしまい、0.5mmを越えるとキャリアガスの大部分が螺旋状のキャリアガス流路16e内を流れずに隙間Tを通って流れてしまいキャリアガスをキャリアガス加熱部16で十分に加熱できないからである。またキャリアガス噴射ノズル17は加熱部ケース26の下端に形成され、このキャリアガス噴射ノズル17の先端(下端)からキャリアガス加熱部16で加熱されたキャリアガスが下方に向って噴射されるように構成される。なお、図1及び図2の符号27は改質器ハウジング24及び加熱部ケース26の上部に接続されたキャリアガス供給管である。このキャリアガス供給管27の基端はキャリアガスタンク14に接続され(図4)、先端はキャリアガス流路16eに接続される(図1)。
図1及び図3に示すように、燃料供給ノズル19は、改質器ハウジング24の鉛直方向中央の外周面から改質器ハウジング24の中心まで延びて設けられた水平管部19aと、この水平管部19aの先端に連通接続され下方に延びて設けられ下端が閉止された垂直管部19bと、垂直管部19bの下部側面の同一水平面内に所定の角度毎に間隔をあけて形成された複数の供給孔19cとを有する。複数の供給孔19cは、この実施の形態では、垂直管部19bの下部側面の同一水平面内に90度毎に4つ形成される。このように燃料供給ノズル19を構成することにより、キャリアガス噴射ノズル17から噴射されたキャリアガスにより燃料供給ノズル19の供給孔19cに供給された燃料18が吹き飛ばされて微粒化されるとともに、その温度が高温のキャリアガスとの混合により上昇するようになっている。
図3に示すように、加熱部ケース26の下端に形成されたキャリアガス噴射ノズル17の傾斜角θは水平面に対して30〜60度、好ましくは40〜50度の範囲内に設定される。またキャリアガス噴射ノズル17の下端を含む水平面と燃料供給ノズル19の供給孔19cの孔芯を含む水平面との距離Hは−10〜+10mm、好ましくは0〜+5mmの範囲内に設定される。更に燃料供給ノズル19の垂直管部19bの外径をd1とし、キャリアガス噴射ノズル17の孔径をd2とするとき、d1/d2が0.1〜0.98、好ましくは0.5〜0.8の範囲内に設定される。ここで、キャリアガス噴射ノズル17の傾斜角θを30〜60度の範囲内に限定したのは、30度未満では燃料の微粒化が不十分になり、60度を越えると噴霧が拡がらないからである。また上記距離Hを−10〜+10mmの範囲内に限定したのは、−10mm未満では燃料を微粒化できず、+10mmを越えても燃料を微粒化できないからである。更にd1/d2を0.1〜0.98の範囲内に限定したのは、0.1未満では燃料の微粒化が不十分になり、0.98を越えるとキャリアガスを十分に流せるだけの隙間がなくなるからである。なお、上記距離Hは、キャリアガス噴射ノズル17の下端を含む水平面を基準として、燃料供給ノズル19の供給孔19cの孔芯がノズル17の先端から突出する場合をプラス(+)とし、燃料供給ノズル19の供給孔19cの孔芯がノズル17内に引っ込む場合をマイナス(−)とした。
図1に戻って、改質触媒部22は、その入口がキャリアガス噴射ノズル17及び燃料供給ノズル19に対向し、かつキャリアガス噴射ノズル17の下端及び燃料供給ノズル19の垂直管部19bの下端から比較的大きな間隔をあけて下方に設けられる。これは、燃料供給ノズル19と改質触媒部22との間の比較的広い空間で、上記微粒化した燃料18が下方に向うに従って次第に広がり、この微粒化した燃料18を改質触媒部22の入口面(上面)全体に略均一に分散させるためである。また改質触媒部22はモノリス触媒であって、コージェライト製のハニカム担体に、ロジウム(Rh)又はルテニウム(Ru)をコーティングして構成される。ロジウムからなる改質触媒部22は、ロジウム粉末を含むスラリーをハニカム担体にコーティングして構成される。またルテニウムからなる改質触媒部22は、ルテニウム粉末を含むスラリーをハニカム担体にコーティングして構成される。なお、上記コージェライト製のハニカム担体は、ステンレス鋼により形成されたメタル担体であってもよい。更に還元ガス供給ノズル23はエンジン11の排気管12に取付けられる。還元ガス供給ノズル23は、円筒状に形成されたノズル本体23aと、このノズル本体23aの上端にノズル本体23aと一体的に形成されたフランジ部23bとからなる。ノズル本体23aの下面は排ガス上流側から排ガス下流側に向ってノズル本体23aの長さが次第に短くなる傾斜面に形成される。フランジ部23bは、排気管12に設けられたフランジ部12aに取付けられる。
図4に示すように、燃料改質器13は、ディーゼルエンジン11の排ガス浄化装置に組込まれる。この排ガス浄化装置は、エンジン11の排気管12に設けられた選択還元型触媒31と、選択還元型触媒31より排ガス上流側の排気管12に臨む還元ガス供給ノズル23を有する上記燃料改質器13とを備える。上記選択還元型触媒31は、排気管12より大径のケース34に収容され、排ガス中のNOxをN2に還元可能に構成される。選択還元型触媒31はモノリス触媒であって、コージェライト製のハニカム担体に、銀アルミナ又は銅ゼオライトをコーティングして構成される。銀アルミナからなる選択還元型触媒31は、銀を担持させたγ−アルミナ粉末又はθ−アルミナ粉末を含むスラリーをハニカム担体にコーティングして構成される。また銅ゼオライトからなる選択還元型触媒31は、銅をイオン交換したゼオライト粉末を含むスラリーをハニカム担体にコーティングして構成される。なお、上記コージェライト製のハニカム担体は、ステンレス鋼により形成されたメタル担体であってもよい。
一方、燃料改質器13は、燃料供給ノズル19に先端が接続された燃料供給管36と、この燃料供給管36の基端に接続され燃料18が貯留された燃料タンク37と、この燃料タンク37内の燃料18を燃料供給ノズル19に圧送するポンプ38と、燃料供給ノズル19からキャリアガス噴射ノズル17の先端に供給される燃料18の供給量を調整する燃料供給量調整弁39と、キャリアガスタンク14とキャリアガス加熱部16のキャリアガス流路16eとを接続するキャリアガス供給管27に設けられたキャリアガス流量調整弁41とを更に有する(図1及び図4)。上記ポンプ38は燃料供給ノズル19と燃料タンク37との間の燃料供給管36に設けられ、燃料供給量調整弁39は燃料供給ノズル19とポンプ38との間の燃料供給管36に設けられる。更に燃料供給量調整弁39は、燃料供給管36に設けられ燃料供給ノズル19への燃料18の供給圧力を調整する燃料圧力調整弁42と、燃料供給ノズル19の基端に設けられ燃料供給ノズル19の基端を開閉する燃料用開閉弁43とからなる。
燃料圧力調整弁42は第1〜第3ポート42a〜42cを有し、第1ポート42aはポンプ38の吐出口に接続され、第2ポート42bは燃料用開閉弁43に接続され、第3ポート42cは戻り管44により燃料タンク37に接続される。ポンプ38により圧送された燃料18が第1ポート42aから燃料圧力調整弁42に流入し、第2ポート42bから燃料用開閉弁43に圧送される。また燃料圧力調整弁42での圧力が所定圧力以上になると、ポンプ38により圧送された燃料18が第1ポート42aから燃料圧力調整弁42に流入した後、第3ポート42cから戻り管44を通って燃料タンク37に戻される。更にキャリアガス流量調整弁41はキャリアガスタンク14からキャリアガス加熱部16のキャリアガス流路16eに供給されるキャリアガスの流量を調整可能に構成される。
一方、ディーゼルエンジン11の吸気ポートには吸気マニホルド46を介して吸気管47が接続され、排気ポートには排気マニホルド48を介して排気管12が接続される(図4)。吸気管47には、ターボ過給機49のコンプレッサハウジング49aと、ターボ過給機49により圧縮された吸気を冷却するインタクーラ51とがそれぞれ設けられ、排気管12にはターボ過給機49のタービンハウジング49bが設けられる。コンプレッサハウジング49aにはコンプレッサ回転翼(図示せず)が回転可能に収容され、タービンハウジング49bにはタービン回転翼(図示せず)が回転可能に収容される。コンプレッサ回転翼とタービン回転翼とはシャフト(図示せず)により連結され、エンジン11から排出される排ガスのエネルギによりタービン回転翼及びシャフトを介してコンプレッサ回転翼が回転し、このコンプレッサ回転翼の回転により吸気管内の吸入空気が圧縮されるように構成される。
キャリアガス加熱部16の出口側の改質器ハウジング24には、キャリアガス加熱部16の出口におけるキャリアガスの温度を検出するキャリアガス温度センサ52が挿入される(図1)。また選択還元型触媒31の排ガス入口側のケース34には、選択還元型触媒31の入口における排ガス温度を検出する排ガス温度センサ53が挿入される(図4)。更にエンジン11の回転速度は回転センサ54により検出され、エンジン11の負荷は負荷センサ56により検出される。キャリアガス温度センサ52、排ガス温度センサ53、回転センサ54及び負荷センサ56の各検出出力はコントローラ57の制御入力に接続され、コントローラ57の制御出力は電熱コイル16c、ポンプ38、キャリアガス流量調整弁41及び燃料用開閉弁43にそれぞれ接続される。コントローラ57にはメモリ58が設けられる。このメモリ58には、キャリアガス加熱部16の出口におけるキャリアガス温度、選択還元型触媒31の入口における排ガス温度、エンジン回転速度、エンジン負荷に応じた、燃料用開閉弁43の単位時間当たりの開閉回数、ポンプ38の作動の有無、キャリアガス流量調整弁41の開度が予め記憶される。またメモリ58には、エンジン回転速度及びエンジン負荷の変化に基づく、エンジン11から排出される排ガス中のNOxの流量の変化がそれぞれマップとして記憶される。なお、この実施の形態では、排ガス温度センサを選択還元型触媒の排ガス入口側のケースに挿入したが、選択還元型触媒に関係する温度を検出できれば、選択還元型触媒より排ガス出口側のケースに挿入したり、或いは選択還元型触媒の排ガスの入口側及び出口側のケースにそれぞれ挿入してもよい。
このように構成された燃料改質器13を有する排ガス浄化装置の動作を説明する。エンジン11を始動すると、コントローラ57はキャリアガス加熱部16の電熱コイル16cに一定時間毎に通電及び非通電を繰返すとともに、キャリアガス流量調整弁41を所定の開度で開く。エンジン11の始動直後は、キャリアガス加熱部16の出口温度は室温程度と極めて低い温度であり、キャリアガス温度センサ52がこの室温程度の温度を検出すると、コントローラ57はキャリアガス温度センサ52の検出出力に基づいて電熱コイル16cへの通電時間及び非通電時間のデューティ比を調節し、電熱コイル16cへの通電時間を非通電時間より長くする。キャリアガス流量調整弁41が開かれ、かつ電熱コイル16cへの通電及び非通電が繰返されると、キャリアガスタンク14内のキャリアガスがキャリアガス加熱部16のキャリアガス流路16eに供給される。このキャリアガスは、キャリアガス流路16eを流れている間に、電熱コイル16cで発生しコイル保持部16aやキャリアガス流路用コイル16dに伝わった熱を奪いながらキャリアガス噴射ノズル17に達する。上記キャリアガス流路16eは十分に長いため、キャリアガス加熱部16でキャリアガスを十分に加熱できる。またキャリアガス流路16eに燃料18が流れずにキャリアガスのみが流れるので、燃料18がキャリアガス流路16eの内壁に付着することがなく、キャリアガスがキャリアガス流路16e内をスムーズに流れる。これによりキャリアガス加熱部16の出口温度が次第に上昇する。
キャリアガス加熱部16の出口温度が例えば600℃に達したことをキャリアガス温度センサ52が検出すると、コントローラ57は電熱コイル16cへの通電時間及び非通電時間のデューティ比を調節して、キャリアガス加熱部16の出口温度を600℃以上の所定の温度に維持する。また選択還元型触媒31の入口温度が例えば比較的低温の例えば200℃まで上昇したことを排ガス温度センサ53が検出すると、コントローラ57は回転センサ54及び負荷センサ56が検出したエンジン回転速度及びエンジン負荷の各検出出力を取込んで、エンジン回転速度及びエンジン負荷の各検出出力に対する排ガス中のNOx量をマップから求め、このNOx量に応じた燃料18を燃料供給ノズル19の供給孔19cに供給する。即ち、コントローラ57は、回転センサ54及び負荷センサ56の各検出出力に基づいて、ポンプ38を駆動するとともに、燃料用開閉弁43の開閉を所定のデューティ比で繰返すことにより、NOx量に応じた燃料18を燃料供給ノズル19の供給孔19cに供給する。
燃料供給ノズル19の供給孔19cに供給された燃料18は、キャリアガス噴射ノズル17から噴射されたキャリアガスにより吹き飛ばされて微粒化されるとともに、その温度が高温のキャリアガスとの混合により上昇する。そして燃料供給ノズル19と改質触媒部22との間の比較的広い空間で、上記微粒化した燃料18が下方に向うに従って次第に広がり改質触媒部22の入口面(上面)全体に略均一に分散するので、この略均一に分散し微粒化した燃料18の大部分は改質触媒部22で次の式(1)及び式(2)に示すように分解して、水素(H2)、含酸素炭化水素(HCHO)、一酸化炭素(CO)等の還元ガス21に改質される。
CH2+0.5O2 → H2+CO ……(1)
CH2+0.5O2 → HCHO ……(2)
上記式(1)及び式(2)は、燃料18が還元ガス21に分解する化学反応式を示す。ここで、改質触媒部22に流入する直前の微粒化した燃料18の温度は600℃以上の所定の温度に維持されるので、微粒化した燃料18の改質触媒部22における還元ガス21への改質効率を向上できる。なお、改質触媒部22で改質された還元ガス21は、水素(H2)が大部分であり、含酸素炭化水素(HCHO)は極めて少ない。
このように燃料改質器13により燃料18が分解されて還元ガス21に改質された後に、この還元ガス21は還元ガス供給ノズル23から排気管12に供給される。そして、還元ガス21として水素ガス(H2)が排ガスとともに選択還元型触媒31に流入すると、水素ガス(H2)が排ガス中のNOx(NO、NO2)を還元するための還元剤として機能し、次の式(3)で示すように、排ガス中のNOxが速やかにN2に還元される。
NO+NO2+3H2 → N2+3H2O ……(3)
上記式(3)は、排ガス中のNO及びNO2が選択還元型触媒31で水素ガス(H2)と反応して、NO及びNO2がN2に還元される化学反応式を示す。この結果、排ガス温度が比較的低温から高温にかけて広い温度範囲でNOxを効率良く低減できる。
<第2の実施の形態>
図5〜図8は本発明の第2の実施の形態を示す。図5〜図8において図1〜図4と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、燃料改質器73が、キャリアガスタンク14から第1キャリアガス供給管71を通して供給された第1キャリアガスを加熱するキャリアガス加熱部16と、キャリアガス加熱部16により加熱された第1キャリアガスを噴射する第1キャリアガス噴射ノズル81と、この噴射された第1キャリアガスにより燃料18が微粒化されるように燃料18を第1キャリアガス噴射ノズル81の先端に供給する第1燃料供給ノズル91と、この微粒化した燃料18を酸化させて第1キャリアガスを更に加熱して昇温させる発熱触媒部74と、キャリアガスタンク14に貯留されたキャリアガスを第2キャリアガスとして発熱触媒部74の出口側で第1キャリアガスに混合する第2キャリアガス供給管72と、第1及び第2キャリアガスの混合キャリアガスを噴射する第2キャリアガス噴射ノズル82と、この噴射された混合キャリアガスにより燃料18が微粒化されるように燃料18を第2キャリアガス噴射ノズル82の先端に供給する第2燃料供給ノズル92と、この微粒化した燃料18を分解して還元ガス21に改質する改質触媒部22と、改質触媒部22の出口から排出された還元ガス21をエンジン11の排気管12に供給する還元ガス供給ノズル23とを有する。
キャリアガス加熱部16は第1の実施の形態のキャリアガス加熱部より長さが短いことを除いて同一に構成される(図5)。このため、キャリアガス加熱部16は第1の実施の形態のキャリアガス加熱部と同一符号を用いた。また第1加熱部ケース101は第1の実施の形態の加熱部ケースより長さが短いことを除いて同一に構成される。このため、第1加熱部ケース101は第1の実施の形態の加熱部ケースと同一符号を用いた。更に第1加熱部ケース101の下端に形成された第1キャリアガス噴射ノズル81は第1の実施の形態の加熱部ケースの下端に形成されたキャリアガス噴射ノズルと同一に構成される(図5及び図7)。
一方、第1燃料供給ノズル91は第1の実施の形態の燃料供給ノズルと同一に構成される。即ち、第1燃料供給ノズル91は、図5及び図7に示すように、改質器ハウジング76のアッパハウジング部76aの鉛直方向の下部の外周面からアッパハウジング部76aの中心まで延びて設けられた水平管部91aと、この水平管部91aの先端に連通接続され下方に延びて設けられ下端が閉止された垂直管部91bと、垂直管部91bの下部側面の同一水平面内に所定の角度毎に間隔をあけて形成された複数の供給孔91cとを有する。
発熱触媒部74は、その入口が第1キャリアガス噴射ノズル81及び第1燃料供給ノズル91に対向し、かつ第1キャリアガス噴射ノズル81の下端及び第1燃料供給ノズル91の垂直管部91bの下端から比較的大きな間隔をあけて下方に設けられる(図5)。これは、第1燃料供給ノズル91と発熱触媒部74との間の比較的広い空間で、上記微粒化した燃料18が下方に向うに従って次第に広がり、この微粒化した燃料18を発熱触媒部74の入口面(上面)全体に略均一に分散させるためである。また発熱触媒部74はモノリス触媒であって、コージェライト製のハニカム担体に、白金(Pt)又はパラジウム(Pd)をコーティングして構成される。白金からなる発熱触媒部74は、白金粉末を含むスラリーをハニカム担体にコーティングして構成される。またパラジウムからなる改質触媒部22は、パラジウム粉末を含むスラリーをハニカム担体にコーティングして構成される。なお、上記コージェライト製のハニカム担体は、ステンレス鋼により形成されたメタル担体であってもよい。
上記発熱触媒部74は、上部が円筒状に形成され下部が下方に向うに従って先細りの漏斗状に形成された第2加熱部ケース102の上部に収容され、この第2加熱部ケース102は改質器ハウジング76のロアハウジング部76bの上部に挿入される(図5)。また第2キャリアガス供給管72は改質器ハウジング76のロアハウジング部76b及び第2加熱部ケース102の下部に発熱触媒部74の出口側に位置するように水平方向に延びて挿入される。更に第2キャリアガス噴射ノズル82は第2加熱部ケース102の下端に形成され、この第2キャリアガス噴射ノズル82の先端(下端)から第1及び第2キャリアガスの混合キャリアガスが下方に向って噴射されるように構成される。
第2燃料供給ノズル92は第1の実施の形態の燃料供給ノズルと同一に構成される。即ち、第2燃料供給ノズル92は、図5及び図7に示すように、改質器ハウジング76のロアハウジング部76bの鉛直方向中央の外周面からロアハウジング部76bの中心まで延びて設けられた水平管部92aと、この水平管部92aの先端に連通接続され下方に延びて設けられ下端が閉止された垂直管部92bと、垂直管部92bの下部側面の同一水平面内に所定の角度毎に間隔をあけて形成された複数の供給孔92cとを有する。また改質触媒部22は、その入口が第2キャリアガス噴射ノズル82及び第2燃料供給ノズル92に対向し、かつ第2キャリアガス噴射ノズル82の下端及び第2燃料供給ノズル92の垂直管部92bの下端から比較的大きな間隔をあけて下方に設けられる。これは、第2燃料供給ノズル92と改質触媒部22との間の比較的広い空間で、上記微粒化した燃料18が下方に向うに従って次第に広がり、この微粒化した燃料18を改質触媒部22の入口面(上面)全体に略均一に分散させるためである。
一方、燃料改質器73は、第1燃料供給ノズル91に先端が接続された第1燃料供給管111と、この第1燃料供給管111の基端に接続され燃料18が貯留された燃料タンク37と、この燃料タンク37内の燃料18を第1燃料供給ノズル91に圧送するポンプ38と、第1燃料供給ノズル91から第1キャリアガス噴射ノズル81の先端に供給される燃料18の供給量を調整する第1燃料供給量調整弁121と、キャリアガスタンク14とキャリアガス加熱部16のキャリアガス流路16eとを接続する第1キャリアガス供給管71に設けられた第1キャリアガス流量調整弁131と、先端が第2燃料供給ノズル92に先端が接続され基端がポンプ38の吐出口近傍の第1燃料供給管111に接続された第2燃料供給管112と、第2燃料供給ノズル92から第2キャリアガス噴射ノズル82の先端に供給される燃料18の供給量を調整する第2燃料供給量調整弁122と、キャリアガスタンク14と第2加熱部ケース102の下部とを接続する第2キャリアガス供給管72に設けられた第2キャリアガス流量調整弁132とを更に有する(図5及び図8)。なお、第1キャリアガスは発熱触媒部74で燃料18を酸化させるのに必要な酸素を発熱触媒部74に供給するためのガスであり、第2キャリアガスは改質触媒部22で燃料18を改質するのに必要な酸素を改質触媒部22に供給するためのガスである。また、第2キャリアガスは第1キャリアガスより少ない流量に設定される。
上記ポンプ38は第1燃料供給ノズル91と燃料タンク37との間の第1燃料供給管111に設けられる(図5及び図8)。また第1燃料供給量調整弁121は、第1燃料供給管111に設けられ第1燃料供給ノズル91への燃料18の供給圧力を調整する第1燃料圧力調整弁141と、第1燃料供給ノズル91の基端に設けられ第1燃料供給ノズル91の基端を開閉する第1燃料用開閉弁151とからなる。第1燃料圧力調整弁141は第1〜第3ポート141a〜141cを有し、第1ポート141aはポンプ38の吐出口に接続され、第2ポート141bは第1燃料用開閉弁151に接続され、第3ポート141cは第1戻り管161により燃料タンク37に接続される。ポンプ38により圧送された燃料18が第1ポート141aから第1燃料圧力調整弁141に流入し、第2ポート141bから第1燃料用開閉弁151に圧送される。また第1燃料圧力調整弁141での圧力が設定圧力以上になると、ポンプ38により圧送された燃料18が第1ポート141aから第1燃料圧力調整弁141に流入した後、第3ポート141cから第1戻り管161を通って燃料タンク37に戻される。更に第1キャリアガス流量調整弁131はキャリアガスタンク14からキャリアガス加熱部16のキャリアガス流路16eに供給される第1キャリアガスの流量を調整可能に構成される。
第2燃料供給量調整弁121は、第2燃料供給管112に設けられ第2燃料供給ノズル92への燃料18の供給圧力を調整する第2燃料圧力調整弁142と、第2燃料供給ノズル92の基端に設けられ第2燃料供給ノズル92の基端を開閉する第2燃料用開閉弁152とからなる(図5及び図8)。第2燃料圧力調整弁142は第1〜第3ポート142a〜142cを有し、第1ポート142aはポンプ38の吐出口に接続され、第2ポート142bは第2燃料用開閉弁152に接続され、第3ポート142cは第2戻り管162により燃料タンク37に接続される。ポンプ38により圧送された燃料が第1ポート142aから第2燃料圧力調整弁142に流入し、第2ポート142bから第2燃料用開閉弁152に圧送される。また第2燃料圧力調整弁142での圧力が設定圧力以上になると、ポンプ38により圧送された燃料18が第1ポート142aから第2燃料圧力調整弁142に流入した後、第3ポート142cから第2戻り管162を通って燃料タンク37に戻される。更に第2キャリアガス流量調整弁132はキャリアガスタンク14から第2加熱部ケース102の下部に供給される第2キャリアガスの流量を調整可能に構成される。
一方、キャリアガス加熱部16の出口側の第1加熱部ケース101には、キャリアガス加熱部16の出口における第1キャリアガスの温度を検出する第1キャリアガス温度センサ171が挿入され、発熱触媒部74の出口側の第2加熱部ケース102には、発熱触媒部74の出口における第1キャリアガス又は第1及び第2キャリアガスの混合キャリアガスの温度を検出する第2キャリアガス温度センサ172が挿入される(図5)。第1キャリアガス温度センサ171、第2キャリアガス温度センサ172、排ガス温度センサ53、回転センサ54及び負荷センサ56の各検出出力はコントローラ57の制御入力に接続され、コントローラ57の制御出力は電熱コイル16c、ポンプ38、第1キャリアガス流量調整弁131、第2キャリアガス流量調整弁132、第1燃料用開閉弁151及び第2燃料用開閉弁152にそれぞれ接続される(図8)。コントローラ57にはメモリ58が設けられる。このメモリ58には、キャリアガス加熱部16の出口における第1キャリアガス温度、発熱触媒部74の出口における第1キャリアガス温度、選択還元型触媒31の入口における排ガス温度、エンジン回転速度、エンジン負荷に応じた、第1及び第2燃料用開閉弁151,152の単位時間当たりの開閉回数、ポンプ38の作動の有無、第1及び第2キャリアガス流量調整弁131,132の開度が予め記憶される。またメモリ58には、エンジン回転速度及びエンジン負荷の変化に基づく、エンジン11から排出される排ガス中のNOxの流量の変化がそれぞれマップとして記憶される。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
このように構成された燃料改質器73を用いた排ガス浄化装置の動作を説明する。エンジン11を始動すると、コントローラ57はキャリアガス加熱部16の電熱コイル16cに一定時間毎に通電及び非通電を繰返すとともに、第1キャリアガス流量調整弁131を所定の開度で開く。エンジン11の始動直後は、キャリアガス加熱部16の出口温度は室温程度と極めて低い温度であり、第1キャリアガス温度センサ171がこの室温程度の温度を検出すると、コントローラ57は第1キャリアガス温度センサ171の検出出力に基づいて電熱コイル16cへの通電時間及び非通電時間のデューティ比を調節し、電熱コイル16cへの通電時間を非通電時間より長くする。第1キャリアガス流量調整弁131が開かれ、かつ電熱コイル16cへの通電及び非通電が繰返されると、キャリアガスタンク14内のキャリアガスがキャリアガス加熱部16のキャリアガス流路16eに第1キャリアガスとして供給される。この第1キャリアガスは、キャリアガス流路16eを流れている間に、電熱コイル16cで発生しコイル保持部16aやキャリアガス流路用コイル16dに伝わった熱を奪いながら第1キャリアガス噴射ノズル81に達する。上記キャリアガス流路16eは十分に長いため、キャリアガス加熱部16で第1キャリアガスを十分に加熱できる。またキャリアガス流路16eに燃料18が流れずに第1キャリアガスのみが流れるので、燃料18がキャリアガス流路16eの内壁に付着することがなく、第1キャリアガスがキャリアガス流路16e内をスムーズに流れる。これによりキャリアガス加熱部16の出口温度が次第に上昇する。
キャリアガス加熱部16の出口温度が例えば250℃に達したことを第1キャリアガス温度センサ171が検出すると、コントローラ57は電熱コイル16cへの通電時間及び非通電時間のデューティ比を調節して、キャリアガス加熱部16の出口温度を250℃に維持するとともに、ポンプ38を駆動し、第1燃料用開閉弁151の開閉を所定のデューティ比で繰返すことにより、燃料タンク37内の燃料18を第1燃料供給ノズル91の供給孔91cに供給する。第1燃料供給ノズル91の供給孔91cに供給された燃料18は、第1キャリアガス噴射ノズル81から噴射された第1キャリアガスにより吹き飛ばされて微粒化されるとともに、その温度が比較的高温の第1キャリアガスとの混合により上昇する。そして第1燃料供給ノズル91と発熱触媒部74との間の比較的広い空間で、上記微粒化した燃料18が下方に向うに従って次第に広がり発熱触媒部74の入口面(上面)全体に略均一に分散するので、この略均一に分散し微粒化した燃料18の大部分は発熱触媒部74で酸化して第1キャリアガスを更に加熱して昇温させる。そして発熱触媒部74の出口温度が例えば600℃に達したことを第2キャリアガス温度センサ172が検出すると、コントローラ57は第1燃料用開閉弁151の開閉をそれぞれ調整して、発熱触媒部74の出口温度を600℃以上の所定の温度に維持する。
そして選択還元型触媒31の入口温度が例えば比較的低温の200℃まで上昇したことを排ガス温度センサ53が検出すると、コントローラ57は回転センサ54及び負荷センサ56が検出したエンジン回転速度及びエンジン負荷の各検出出力を取込んで、エンジン回転速度及びエンジン負荷の各検出出力に対する排ガス中のNOx量をマップから求め、このNOx量に応じた燃料18を第2燃料供給ノズル92の供給孔に供給する。即ち、コントローラ57は、回転センサ54及び負荷センサ56の各検出出力に基づいて、第2燃料用開閉弁152の開閉を所定のデューティ比で繰返すことにより、NOx量に応じた燃料18を第2燃料供給ノズル92の供給孔に供給する。
同時にコントローラ57は第2キャリアガス流量調整弁131を所定の開度で開いてキャリアガスタンク14内のキャリアガスを第2キャリアガスとして第2キャリアガス供給管72から第2加熱ケース部102の下部に供給する。これにより更に昇温した第1キャリアガスと第2キャリアガスとが混合されて高温の混合キャリアガスとなる。第2燃料供給ノズル92の供給孔92cに供給された燃料18は、第2キャリアガス噴射ノズル82から噴射された混合キャリアガスにより吹き飛ばされて微粒化されるとともに、その温度が高温の混合キャリアガスとの混合により上昇する。そして第2燃料供給ノズル92と改質触媒部22との間の比較的広い空間で、上記微粒化した燃料18が下方に向うに従って次第に広がり改質触媒部22の入口面(上面)全体に略均一に分散するので、この略均一に分散し微粒化した燃料18の大部分は改質触媒部22で次の式(1)及び式(2)に示すように分解して、水素(H2)、含酸素炭化水素(HCHO)、一酸化炭素(CO)等の還元ガス21に改質される。
CH2+0.5O2 → H2+CO ……(1)
CH2+0.5O2 → HCHO ……(2)
上記式(1)及び式(2)は、燃料18が還元ガス21に分解する化学反応式を示す。ここで、改質触媒部22に流入する直前の微粒化した燃料18の温度は600℃以上の所定の温度に維持されるので、微粒化した燃料18の改質触媒部22における還元ガス21への改質効率を向上できる。なお、改質触媒部22で改質された還元ガス21は、水素(H2)が大部分であり、含酸素炭化水素(HCHO)は極めて少ない。
このように燃料改質器73により燃料18が分解されて還元ガス21に改質された後に、この還元ガス21は還元ガス供給ノズル23から排気管12に供給される。そして、還元ガス21として水素ガス(H2)が排ガスとともに選択還元型触媒31に流入すると、水素ガス(H2)が排ガス中のNOx(NO、NO2)を還元するための還元剤として機能し、次の式(3)で示すように、排ガス中のNOxが速やかにN2に還元される。
NO+NO2+3H2 → N2+3H2O ……(3)
上記式(3)は、排ガス中のNO及びNO2が選択還元型触媒31で水素ガス(H2)と反応して、NO及びNO2がN2に還元される化学反応式を示す。この結果、排ガス温度が比較的低温から高温にかけて広い温度範囲でNOxを効率良く低減できる。また上述のように、第1キャリアガスを2段階で昇温しているため、キャリアガス加熱部16での第1キャリアガスの加熱に必要な電力を少なくすることができる。この結果、燃料18を還元ガス21に第1の実施の形態より効率良く改質できる。
なお、上記第1及び第2の実施の形態では、本発明の排ガス浄化装置をディーゼルエンジンに適用したが、本発明の排ガス浄化装置をガソリンエンジンに適用してもよい。また、上記第1及び第2の実施の形態では、本発明の排ガス浄化装置をターボ過給機付ディーゼルエンジンに適用したが、本発明の排ガス浄化装置を自然吸気型ディーゼルエンジン又は自然吸気型ガソリンエンジンに適用してもよい。また、上記第1及び第2の実施の形態では、燃料圧力の調整を三方弁である燃料圧力調整弁により行ったが、燃料圧力調整弁を用いずに、燃料用開閉弁の開閉時間の調整とポンプの駆動の有無により行ってもよい。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
図4に示すように、排気量が8000ccである直列6気筒のターボ過給機付ディーゼルエンジン11の排気管12に選択還元型触媒31を設けた。この選択還元型触媒31は、銅をイオン交換したゼオライト粉末を含むスラリーをハニカム担体にコーティングして作製した銅系の触媒であった。また選択還元型触媒31より排ガス上流側の排気管12に、燃料18を分解して還元ガス21に改質する燃料改質器13を接続して、燃料改質器13の還元ガス供給ノズル23を排気管12に挿入した。この燃料改質器13は、図1〜図3に示すように、キャリアガスタンク14(エアタンク)から供給されたキャリアガス(エア)を加熱するキャリアガス加熱部16と、キャリアガス加熱部16により加熱されたキャリアガスを噴射するキャリアガス噴射ノズル17と、キャリアガス噴射ノズル17から噴射されたキャリアガスにより燃料18が微粒化されるように燃料18をキャリアガス噴射ノズル17の先端に供給する燃料供給ノズル19と、この微粒化した燃料18を分解して還元ガス21に改質する改質触媒部22と、改質触媒部22の出口から排出された還元ガス21をエンジン11の排気管12に供給する上記還元ガス供給ノズル23とを有する。改質触媒部22は、ロジウム(Rh)粉末を含むスラリーをハニカム担体にコーティングして作製した触媒であった。ここで、この排ガス浄化装置を実施例1とした。
<実施例2>
図8に示すように、排気量が8000ccである直列6気筒のターボ過給機付ディーゼルエンジン11の排気管12に選択還元型触媒31を設けた。この選択還元型触媒31は、銅をイオン交換したゼオライト粉末を含むスラリーをハニカム担体にコーティングして作製した銅系の触媒であった。また選択還元型触媒31より排ガス上流側の排気管12に、燃料18を分解して還元ガス21に改質する燃料改質器73を接続して、燃料改質器73の還元ガス供給ノズル23を排気管12に挿入した。この燃料改質器73は、図5〜図7に示すように、キャリアガスタンク14(エアタンク)から供給された第1キャリアガス(エア)を加熱するキャリアガス加熱部16と、キャリアガス加熱部16により加熱された第1キャリアガスを噴射する第1キャリアガス噴射ノズル81と、第1キャリアガス噴射ノズル81から噴射された第1キャリアガスにより燃料18が微粒化されるように燃料18を第1キャリアガス噴射ノズル81の先端に供給する第1燃料供給ノズル91と、上記微粒化した燃料18を酸化させて第1キャリアガスを更に加熱して昇温させる発熱触媒部74と、キャリアガスタンク14から供給された第2キャリアガス(エア)を発熱触媒部74により加熱された第1キャリアガスに混合して得られた混合キャリアガスを噴射する第2キャリアガス噴射ノズル82と、第2キャリアガス噴射ノズル82から噴射された混合キャリアガスにより燃料18が微粒化されるように燃料18を第2キャリアガス噴射ノズル82の先端に供給する第2燃料供給ノズル92と、この微粒化した燃料18を分解して還元ガス21に改質する改質触媒部22と、改質触媒部22の出口から排出された還元ガス21をエンジン11の排気管12に供給する上記還元ガス供給ノズル23とを有する。発熱触媒部74は、白金(Pt)粉末を含むスラリーをハニカム担体にコーティングして作製した触媒であった。また改質触媒部22は、ロジウム(Rh)粉末を含むスラリーをハニカム担体にコーティングして作製した触媒であった。ここで、この排ガス浄化装置を実施例2とした。
<比較例1>
燃料改質器を設けなかったこと以外は実施例1と同一に構成した。この排ガス浄化装置を比較例1とした。
<比較試験1及び評価>
実施例1及び2の燃料改質器により生成された水素及びホルムアルデヒドの量を測定した。水素及びホルムアルデヒドの生成量は供給燃料の量に対する比で示した。その結果を図9及び図10に示す。
図9から明らかなように、実施例1では水素の生成量が約1.7%であったのに対し、実施例2では水素の生成量が約3.8%と多くなった。また図10から明らかなように、実施例1ではホルムアルデヒドの生成量が約30ppmであったのに対し、実施例2ではホルムアルデヒドの生成量が約42ppmと多くなった。これは、キャリアガスを一気に昇温するより2段階で昇温した方が水素やホルムアルデヒドの還元ガスを効率良く生成できることが分かった。
<比較試験2及び評価>
エンジンの回転速度及び負荷を変化させて、実施例1、実施例2及び比較例1のエンジンの排気管から排出される排ガスの温度を100℃から350℃まで徐々に上昇させたときのNOx低減率をそれぞれ測定した。その結果を図11に示す。
図11から明らかなように、比較例1の排ガス浄化装置では排ガス温度が約240℃と比較的高温になってから温度の上昇に伴って排ガス中のNOxの浄化率が徐々に上昇したのに対し、実施例1及び2の排ガス浄化装置では排ガス温度が約210℃と比較的低温から温度の上昇に伴って排ガス中のNOxの浄化率が徐々に上昇することが分かった。また比較例1の排ガス浄化装置ではNOxの低減率が最大で約50%と低かったのに対し、実施例1の排ガス浄化装置ではNOxの低減率が最大で約60%と高くなり、実施例2の排ガス浄化装置ではNOxの低減率が最大で約67%と更に高くなった。
11 ディーゼルエンジン(エンジン)
12 排気管
13,73 燃料改質器
14 キャリアガスタンク(キャリアガス源)
16 キャリアガス加熱部
16a コイル保持部
16c 電熱コイル
16d キャリアガス流路用コイル
16e キャリアガス流路
17 キャリアガス噴射ノズル
18 燃料
19 燃料供給ノズル
21 還元ガス
22 改質触媒部
23 還元ガス供給ノズル
24,76 改質器ハウジング
52 キャリアガス温度センサ
53 排ガス温度センサ
57 コントローラ
71 第1キャリアガス供給管
72 第2キャリアガス供給管
74 発熱触媒部
81 第1キャリアガス噴射ノズル
82 第2キャリアガス噴射ノズル
171 第1キャリアガス温度センサ
172 第2キャリアガス温度センサ

Claims (5)

  1. キャリアガス源(14)から供給されたキャリアガスを加熱する発熱量の調整可能なキャリアガス加熱部(16)と、
    前記キャリアガス加熱部(16)により加熱されたキャリアガスを噴射するキャリアガス噴射ノズル(17)と、
    前記キャリアガス噴射ノズル(17)から噴射されたキャリアガスにより炭化水素系液体からなる燃料(18)が微粒化されるように前記燃料(18)を前記キャリアガス噴射ノズル(17)の先端に供給する燃料供給ノズル(19)と、
    入口が前記キャリアガス噴射ノズル(17)及び前記燃料供給ノズル(19)に対向して設けられ前記微粒化した燃料(18)を分解して水素又は含酸素炭化水素のいずれか一方又は双方からなる還元ガス(21)に改質する改質触媒部(22)と、
    前記改質触媒部(22)の出口から排出された還元ガス(21)をエンジン(11)の排気管(12)に供給するように前記排気管(12)に取付けられる還元ガス供給ノズル(23)と、
    前記キャリアガス加熱部(16)の出口温度を検出するキャリアガス温度センサ(52)と、
    前記キャリアガス温度センサ(52)の検出出力に基づいて前記キャリアガス加熱部(16)の発熱量を制御するとともに前記排気管(12)を流れるNOxの流量に応じて前記燃料供給ノズル(19)への燃料(18)の供給流量を制御するコントローラ(57)と
    を有する燃料改質器であって、
    前記キャリアガス加熱部(16)が、円柱状に形成されたコイル保持部(16a)と、このコイル保持部(16a)の外周面に沿いかつ前記コイル保持部(16a)の外周面に露出しないように埋設された電熱コイル(16c)と、前記コイル保持部(16a)の外周面に螺旋状に巻回することにより前記キャリアガス又は第1キャリアガスが前記コイル保持部(16a)の外周面に沿って螺旋状に流れるキャリアガス流路(16e)を形成するキャリアガス流路用コイル(16d)とからなることを特徴とする燃料改質器
  2. キャリアガス源(14)から第1キャリアガス供給管(71)を通して供給された第1キャリアガスを加熱する発熱量の調整可能なキャリアガス加熱部(16)と、
    前記キャリアガス加熱部(16)により加熱された第1キャリアガスを噴射する第1キャリアガス噴射ノズル(81)と、
    前記第1キャリアガス噴射ノズル(81)から噴射された第1キャリアガスにより炭化水素系液体からなる燃料(18)が微粒化されるように前記燃料(18)を前記第1キャリアガス噴射ノズル(81)の先端に供給する第1燃料供給ノズル(91)と、
    入口が前記第1キャリアガス噴射ノズル(81)及び前記第1燃料供給ノズル(91)に対向して設けられ前記微粒化した燃料(18)を酸化させて前記第1キャリアガスを更に加熱して昇温させる発熱触媒部(74)と、
    前記キャリアガス源(14)から供給された第2キャリアガスを前記発熱触媒部(74)により加熱された第1キャリアガスに混合する第2キャリアガス供給管(72)と、
    前記第1及び第2キャリアガスの混合キャリアガスを噴射する第2キャリアガス噴射ノズル(82)と、
    前記第2キャリアガス噴射ノズル(82)から噴射された混合キャリアガスにより炭化水素系液体からなる燃料(18)が微粒化されるように前記燃料(18)を前記第2キャリアガス噴射ノズル(82)の先端に供給する第2燃料供給ノズル(92)と、
    入口が前記第2キャリアガス噴射ノズル(82)及び前記第2燃料供給ノズル(92)に対向して設けられ前記微粒化した燃料(18)を分解して水素又は含酸素炭化水素のいずれか一方又は双方からなる還元ガス(21)に改質する改質触媒部(22)と、
    前記改質触媒部(22)の出口から排出された還元ガス(21)をエンジン(11)の排気管(12)に供給するように前記排気管(12)に取付けられる還元ガス供給ノズル(23)と、
    前記キャリアガス加熱部(16)の出口温度を検出する第1キャリアガス温度センサ(171)と、
    前記発熱触媒部(74)の出口温度を検出する第2キャリアガス温度センサ(172)と、
    前記第1キャリアガス温度センサ(171)の検出出力に基づいて前記キャリアガス加熱部(16)の発熱量を制御し前記第2キャリアガス温度センサ(172)の検出出力に基づいて前記第1燃料供給ノズル(91)への燃料(18)の供給流量を制御し更に前記排気管(12)を流れるNOxの流量に応じて前記第2燃料供給ノズル(92)への燃料(18)の供給流量を制御するコントローラ(57)と
    を有する燃料改質器。
  3. 前記キャリアガス加熱部(16)、前記キャリアガス噴射ノズル(17)、前記燃料供給ノズル(19)及び前記改質触媒部(22)が改質器ハウジング(24)に収容され、前記改質器ハウジング(24)が前記還元ガス供給ノズル(23)の基端に接続された請求項1記載の燃料改質器。
  4. 前記キャリアガス加熱部(16)、前記第1キャリアガス噴射ノズル(81)、前記第1燃料供給ノズル(91)、発熱触媒部(74)、第2キャリアガス噴射ノズル(82)、第2燃料供給ノズル(92)及び前記改質触媒部(22)が改質器ハウジング(76)に収容され、前記改質器ハウジング(76)が前記還元ガス供給ノズル(23)の基端に接続された請求項2記載の燃料改質器。
  5. エンジン(11)の排気管(12)に設けられ排ガス中のNOxをN2に還元可能な選択還元型触媒(31)と、
    前記選択還元型触媒(31)より排ガス上流側の排気管(12)に臨む前記還元ガス供給ノズル(23)を有しこの還元ガス供給ノズル(23)から前記選択還元型触媒(31)で還元剤として機能する還元ガス(21)を前記排気管(12)に供給する請求項1ないしいずれか1項に記載の燃料改質器(13,73)と、
    前記選択還元型触媒(31)に関係する前記排ガス温度を検出する排ガス温度センサ(53)と、
    前記排ガス温度センサ(53)の検出出力に基づいて前記燃料改質器(13,73)を制御するコントローラ(57)と
    を備えた燃料改質器を用いた排ガス浄化装置。
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