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JP5888176B2 - 強化ガラスの割断方法 - Google Patents

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Description

本発明は、強化ガラスにスクライブラインを形成して当該強化ガラスを割断する強化ガラスの割断方法に関する。
周知のように、強化ガラスには、イオン交換法等の化学強化処理や風冷強化法等の物理強化処理による表層部の強化が施されており、その厚み方向における表面側、及び裏面側には、圧縮応力が印加された圧縮応力層が形成される。これにより、通常のガラスと比較して表層部に作用する引張応力に対する破壊強度が大幅に高められている。このような強化ガラスは、例えば、近年急速に普及しているスマートフォンやタブレットPC等におけるディスプレイのカバーガラスとして採用されるに至っている。
ところで、強化ガラスは、その表層部に形成された圧縮応力層の存在により、通常のガラスとは異なり割断を行うことが非常に難しい。詳述すると、通常のガラスを割断する際には、ホイールカッター等でガラスの表面を押圧してスクライブラインを形成した後、当該スクライブラインの周辺に引張応力を印加することにより、スクライブラインを境界として割断を行う手法が広く用いられる。しかしながら、この手法を強化ガラスの割断に適用する場合、割断の起点となるスクライブラインを、圧縮応力層を突き破って形成する必要が生じるため、スクライブラインの形成に極めて大きな押圧力が必要となってしまう。
そのため、従来において、強化ガラスを製造する際には、通常のガラスを予め製品のサイズに切り出した後、その製造工程の終盤において、一枚一枚に強化処理を施す方法を用いるのが通例となっていた。しかしながら、この方法は、特に製造効率の観点から著しく非効率なものであるため、強化ガラスを良好に割断するための、ひいては、強化ガラスにスクライブラインを良好に形成するための技術の開発が望まれていた。
このような要請に応じるものとして、特許文献1には、強化ガラスの圧縮応力層を突き破ってスクライブラインを形成するための方法が開示されている。具体的には、スクライブラインの形成に、外周部に突起を有するホイールカッターを用いることで、強化ガラスを押圧する際に、当該強化ガラスに負荷される圧力を変動させることが記載されている。これにより、小さな押圧力によっても、圧縮応力層を突き破るスクライブラインの形成が可能とされている。
特開2008−7384号公報
しかしながら、特許文献1に開示された方法によっても、未だ解決すべき問題が残存している。
すなわち、強化ガラスの厚み方向における表面側、及び裏面側に形成される圧縮応力層の間には、圧縮応力の反作用として引張応力が印加された引張応力層が形成されている。これに加えて、強化ガラスに形成されたスクライブラインには、スクライブラインの形成時に厚み方向に伸びたメディアンクラックが含まれている。これらのことから、図10に示すように、同文献に開示された方法により、強化ガラスGの圧縮応力層Aを突き破るスクライブラインSを形成した際には、メディアンクラックの先端が引張応力層B内に位置することになる。
このとき、適切な深さを超えて強化ガラスGにスクライブラインS(メディアンクラック)を形成した際に、図11に示すように、引張応力層Bに印加された引張応力によって、メディアンクラックから発生したクラックCが、厚み方向を表面Ga側から裏面Gb側へと横断するように自走したり、図12に示すように、強化ガラスGの面方向に沿って自走したりして、強化ガラスGにスクライブラインSを形成する瞬間は、スクライブ形成のための荷重も加わっていることにより、最も不安定な状態となるため、その制御が不可能となってしまう問題があった。
このため、スクライブラインSは、その適切な深さを正確に形成する必要があるが、この適切な深さは、引張応力層Bに印加される引張応力の大きさ、つまり、強化ガラスGにおける強化の程度によって差異がある。そのため、割断の対象となる強化ガラスの種類が変更されるような場合には、この差異に応じて、スクライブラインSの形成に用いる治工具等を再調整したり、変更したりする必要が生じてしまう。
このように、同文献に開示された方法によれば、強化ガラスを割断すること自体は可能であったものの、強化ガラスに形成すべきスクライブライン(メディアンクラック)の深さの許容範囲が狭いために、割断の対象となる強化ガラスにおける強化の程度によって、当該強化ガラスに形成するスクライブラインの深さを逐一変更した上で、正確に形成することが要求されていた。そのため、この実施に不当な手間が掛かることが避けられず、製造効率の観点からは、未だ優れたものであるとは言えないのが実情であった。
上記事情に鑑みなされた本発明は、強化の程度が異なる種々の強化ガラスの一様且つ簡便な割断を可能とし、強化ガラスの製造効率を向上させることを技術的課題とする。
上記課題を解決するために創案された本発明は、厚み方向における表面側に存し且つ圧縮応力が印加された表面側圧縮応力層と、裏面側に存し且つ圧縮応力が印加された裏面側圧縮応力層と、前記表面側圧縮応力層と前記裏面側圧縮応力層との間に存し且つ引張応力が印加された中間引張応力層とが形成される強化ガラスに対し、割断予定線に沿って表面側からスクライブラインを形成した後、該スクライブラインを境界として前記強化ガラスを割断する強化ガラスの割断方法であって、前記スクライブラインを形成する際に、少なくとも前記割断予定線の近傍において、前記表面側圧縮応力層の厚みを拡張することに特徴付けられる。
このような方法によれば、強化ガラスにおける強化の程度によって異なる適切なスクライブラインの深さによらず、スクライブラインを、拡張する前の表面側圧縮応力層の厚みを超え、拡張した表面側圧縮応力層の厚みを超えない深さに形成した場合には、下記のような好ましい態様が得られる。すなわち、この場合において、スクライブラインに含まれたメディアンクラックは、拡張された表面側圧縮応力層内に存在することになる。これにより、スクライブラインを形成する際において、メディアンクラックから発生するクラックに引張応力が印加されることが回避されるため、当該クラックが強化ガラスの厚み方向に自走したり、面方向に沿って自走したりすることを防止できる。また、強化の程度が異なる種々の強化ガラスを割断するに際して、これらに形成するスクライブラインの深さを逐一変更する必要がなくなる。そして、スクライブラインを形成した後、表面側圧縮応力層の拡張を解除すれば、スクライブラインが、拡張される前の表面側圧縮応力層を突き破った状態下となる場合があるが、既に強化ガラスにスクライブラインが形成されているため、スクライブ荷重がかかっておらず、比較的安定した状態となり、クラックが厚み方向や面方向に自走することを防止することができ、強化ガラスを当該スクライブラインに沿って割断することができる。以上のことから、本発明に係る方法によれば、表面側圧縮応力層の厚みの拡張に伴って、強化ガラスに形成すべきスクライブライン(メディアンクラック)の深さの許容範囲が広がる。そのため、強化の程度が異なる種々の強化ガラスを一様且つ簡便に割断することが可能となり、強化ガラスの製造効率を向上させることができる。
上記の方法において、前記表面側圧縮応力層の厚みの拡張は、少なくとも前記割断予定線の近傍において、前記強化ガラスの表面を凹曲面となるように湾曲させることにより行ってもよい。
このようにすれば、少なくとも割断予定線の近傍において、強化ガラスの厚み方向における中央部(以下の記載において、厚み中央という)より表面側では、表面を湾曲させる前から当該強化ガラスに印加されている圧縮応力、及び引張応力に加え、湾曲による圧縮応力が新たに印加される。その結果、中間引張応力層における厚み中央より表面側では、新たに印加された圧縮応力によって、引張応力の一部が打ち消されるため、中間引張応力層の厚みを縮小させることができる。そして、これに伴い、中間引張応力層の厚みが縮小した分だけ、表面側圧縮応力層の厚みを拡張させることが可能となる。また、この場合、スクライブラインが、拡張された表面側圧縮応力層の厚みを超えて形成されたとしても、厚み中央より表面側では、新たに印加された圧縮応力により、湾曲させる前から中間引張応力層に印加されていた引張応力が弱められる。このため、この引張応力により、メディアンクラックから発生したクラックが自走することを可及的に抑制できる。なお、この場合、厚み中央より裏面側では、湾曲によって引張応力が新たに強化ガラスに印加されることになる。
上記の方法において、前記表面側圧縮応力層の厚みの拡張は、前記割断予定線の近傍において、前記強化ガラスの表面側の加熱及び/又は裏面側の冷却により行ってもよい。
このようにすれば、強化ガラスの表面側を加熱した場合、割断予定線の近傍では、加熱された部位が熱膨張することで、その周辺部位を押し広げようとする。この反力として、加熱された部位は、周辺部位によって圧縮されるため、圧縮応力が印加される。一方、強化ガラスの裏面側を冷却した場合、割断予定線の近傍では、冷却された部位が熱収縮することで、その周辺部位を引き込もうとする。この反力として、冷却された部位は、周辺部位によって引っ張られるため、引張応力が印加される。また、表面側を加熱すると共に裏面側を冷却した場合には、上記の圧縮応力と引張応力との双方を印加することができる。そのため、これらのようにした場合には、既述の効果と同様の効果を得ることが可能となる。
上記の方法において、前記スクライブラインの厚み方向における深さが、拡張された前記表面側圧縮応力層の厚み以下であることが好ましい。
このようにすれば、スクライブラインの形成時において、メディアンクラックから発生したクラックに引張応力が印加されることを確実に回避できる。このため、当該クラックが強化ガラスの厚み方向に自走したり、面方向に自走したりする恐れを略完全に除去することが可能となる。
上記の方法において、拡張される前の前記表面側圧縮応力層の厚みが、前記強化ガラスの厚みの30%以下であることが好ましい。
すなわち、拡張される前の表面側圧縮応力層の厚みが小さい程、縮小される前の中間引張応力層に印加された引張応力も弱くなる。このため、新たに印加される圧縮応力によって、引張応力を打ち消しやすく、或いは、弱めやすくなる。そして、拡張される前の表面側圧縮応力層の厚みが、強化ガラスの厚みの30%以下となるような程度の強化である場合には、既述の効果をより良好に得ることが可能である。
上記の方法において、前記スクライブラインを形成した後、該スクライブラインの周辺に引張応力を印加して前記強化ガラスの割断を行ってもよい。また、前記スクライブラインを形成した後、前記表面側圧縮応力層の厚みの拡張を解除し、その状態を維持してもよい。
なお、スクライブラインを形成した後、表面側圧縮応力層の厚みの拡張を解除し、その状態を維持する場合、強化ガラスは、下記のように割断される。すなわち、表面側圧縮応力層の厚みの拡張が解除されることで、中間引張応力層の厚みは、表面側圧縮応力層の厚みが拡張される前の状態へと復帰する。このとき、スクライブラインは、拡張される前の表面側圧縮応力層の厚みを突き破って形成された状態下にある。そのため、このスクライブラインに含まれたメディアンクラックの先端は、中間引張応力層内に位置していることになる。その結果、この状態を維持すれば、時間の経過と共に中間引張応力層に印加された引張応力により、メディアンクラックから発生したクラックが表面側から裏面側へと進展するため、強化ガラスを割断することができる。また、この状態に維持された強化ガラスは、スクライブラインの周辺において、さらなる引張応力を印加すれば、簡単に割断することができるため、所望のタイミングで割断することが可能となる。
上記の方法において、前記スクライブラインをホイールカッターの押圧により形成してもよいし、レーザーの照射により形成してもよい。
以上のように、本発明によれば、表面側圧縮応力層の厚みの拡張に伴って、強化ガラスに形成すべきスクライブライン(メディアンクラック)の深さの許容範囲が広がるため、強化の程度が異なる種々の強化ガラスの一様且つ簡便な割断が可能となり、強化ガラスの製造効率を向上させることができる。
本発明の第一実施形態に係る強化ガラスの割断方法に用いるスクライブ装置を示す正面断面図である。 図2(a)は、強化ガラスに予め印加された応力を示す側面図である。図2(b)は、強化ガラスの湾曲により印加される応力を示す側面図である。 本発明の第一実施形態に係る強化ガラスの割断方法の作用を示す側面図である。 本発明の第一実施形態に係る強化ガラスの割断方法の作用を示す側面図である。 本発明の第二実施形態に係る強化ガラスの割断方法に用いるスクライブ装置を示す正面断面図である。 本発明の第三実施形態に係る強化ガラスの割断方法に用いるスクライブ装置を示す正面断面図である。 本発明の第四実施形態に係る強化ガラスの割断方法に用いるスクライブ装置を示す正面断面図である。 図8(a)は、実施例に係る強化ガラスの割断方法に用いるスクライブ装置を示す正面図であり、図8(b)は、その平面図である。 図9(a)は、比較例に係る強化ガラスの割断方法に用いるスクライブ装置を示す正面図であり、図9(b)は、その平面図である。 従来における強化ガラスの割断方法を示す側面図である。 クラックの自走を示す側面図である。 クラックの自走を示す平面図である。
以下、本発明の第一実施形態に係る強化ガラスの割断方法について添付の図面を参照して説明する。ここで、以下の記載において、強化ガラスの「表面」とは、スクライブラインが形成される側の面であることを意味し、「裏面」とは、その反対側の面であることを意味する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る強化ガラスの割断方法に用いるスクライブ装置を示す正面断面図である。同図に示すように、スクライブ装置1は、強化ガラスGを支持する支持台2と、強化ガラスGの表面GaにスクライブラインSを形成するホイールカッター3と、支持台2に載置された強化ガラスGを下方に押圧して湾曲させる押付けバー4とを主要な要素として構成される。
支持台2は、強化ガラスGの幅方向(同図において、左右方向)における両端部と平行に一対が設置されると共に、幅方向と直交する強化ガラスGの長手方向(同図において、紙面に鉛直な方向)における全域を支持している。両支持台2間には、湾曲した強化ガラスGが下方に進出するための空間Vが形成される。
ホイールカッター3は、その進行方向が、強化ガラスGの長手方向と平行になるように備えられると共に、ホイールカッター3を貫通する軸3aを中心として回転する構成となっている。その形状は、略算盤玉状に形成されており、軸3aを回転の中心とする外周部は、軸方向に沿って両端部から中央部に向かい漸次拡径している。また、ホイールカッター3には、図示省略のシリンダーからの圧力が付与されており、ホイールカッター3が回転し、外周部が強化ガラスGの表面Gaを押圧することで、スクライブラインSを形成する。
押付けバー4は、強化ガラスGの長手方向と平行で、且つ、幅方向において支持台2より内側に一対が備えられている。そして、一対の各々が、強化ガラスGの表面Gaを下方に押圧することで、両支持台2間において、強化ガラスGの表面Gaが凹曲面となるように湾曲させると共に、湾曲した強化ガラスGが空間Vに進出する。
以下、スクライブ装置1を用いた強化ガラスの割断方法の作用について説明する。
強化ガラスGには、図2(a)に示すように、強化ガラスGの表面Ga側に存し且つ圧縮応力が印加された表面側圧縮応力層A1と、裏面Gb側に存し且つ圧縮応力が印加された裏面側圧縮応力層A2と、これらの間に存し且つ引張応力が印加された中間引張応力層Bとが予め形成されている。
この強化ガラスGを押付けバー4によって押圧し、その表面Gaが凹曲面となるように湾曲させると、湾曲する前から強化ガラスGに印加されていた圧縮応力、及び引張応力に加え、図2(b)に示すような、強化ガラスGの湾曲による圧縮応力、及び引張応力が、強化ガラスGに新たに印加される。詳述すると、湾曲により、厚み中央Nよりも表面Ga側においては、圧縮応力が新たに印加され、厚み中央Nよりも裏面Gb側においては、引張応力が新たに印加される。
これにより、中間引張応力層Bにおける厚み中央Nより表面Ga側の部位では、新たに印加された圧縮応力によって、引張応力の一部が打ち消されるため、中間引張応力層Bの厚みが縮小する。そして、これに伴って、図3に示すように、中間引張応力層Bの厚みが縮小した分だけ、表面側圧縮応力層A1の厚みが、同図に示すZ方向に拡張される。
そして、強化ガラスGを湾曲させた後、ホイールカッター3によって、同図に示すように、拡張した表面側圧縮応力層A1の厚みを超えない深さにスクライブラインSを形成すれば、スクライブラインSに含まれたメディアンクラックは、拡張された表面側圧縮応力層A1内に存在することになる。そのため、メディアンクラックから発生したクラックCに引張応力が印加されることが回避され、クラックCが強化ガラスGの厚み方向(表面Ga側から裏面Gb側の方向)に自走したり、面方向に沿って自走したりすることが防止される。
このとき、スクライブラインSは、強化ガラスGにおける強化の程度により異なる適切なスクライブラインSの深さによらず、拡張される前の表面側圧縮応力層A1の厚みを超え、拡張された表面側圧縮応力層A1の厚みを超えない深さに形成することが好ましい。そのため、強化ガラスGに形成すべきスクライブラインS(メディアンクラック)の深さの許容範囲を広げることが可能となり、強化の程度が異なる種々の強化ガラスGを割断するに際し、これらに形成するスクライブラインSの深さを逐一変更する必要がなくなる。そして、スクライブラインSを形成した後、表面側圧縮応力層A1の拡張を解除すれば、図4に示すように、スクライブラインSは、拡張される前の表面側圧縮応力層A1を突き破った状態下にある。その結果、折割部材等によって強化ガラスGの表面Gaを押圧して、形成されたスクライブラインSの周辺に引張応力を印加すれば、強化ガラスGをスクライブラインSに沿って割断することができる。
また、強化ガラスGの割断は、スクライブラインSを形成した後、表面側圧縮応力層A1の厚みの拡張を解除し、その状態を維持することでも可能である。この場合、メディアンクラックから発生したクラックCが、表面側圧縮応力層A1の拡張の解除後において、中間引張応力層Bに印加されている引張応力により、時間の経過と共に表面Ga側から裏面Gb側へと進展し、強化ガラスGが割断される。なお、この状態に維持された強化ガラスGは、スクライブラインSの周辺において、さらなる引張応力を印加すれば、簡単に割断することができるため、所望のタイミングで割断することも可能である。
以上により、表面側圧縮応力層A1の厚みの拡張に伴って、強化ガラスGに形成すべきスクライブラインS(メディアンクラック)の深さの許容範囲が広がるため、強化の程度が異なる種々の強化ガラスGを一様且つ簡便にスクライブラインSに沿って割断することが可能となり、強化ガラスGの製造効率を向上させることができる。
また、万一、スクライブラインSが拡張された表面側圧縮応力層A1の厚みを超える深さに形成されてしまった場合であっても、厚み中央Nより表面Ga側においては、新たに印加された圧縮応力により、強化ガラスGを湾曲させる前から中間引張応力層Bに印加されていた引張応力が弱められる。このため、この引張応力によりメディアンクラックから発生したクラックCが強化ガラスGの厚み方向に自走したり、面方向に自走したりすることを可及的に抑制できる。
以下、本発明の第二実施形態に係る強化ガラスの割断方法について添付の図面を参照して説明する。なお、この第二実施形態に係る強化ガラスの割断方法について説明するための図面において、上記の第一実施形態に係るスクライブ装置と同一の機能又は形状を有する構成要素については、同一の符号を付すことで重複する説明を省略している。
図5は、本発明の第二実施形態に係る強化ガラスの割断方法に用いるスクライブ装置を示す正面断面図である。このスクライブ装置1が、上記の第一実施形態に係る強化ガラスの割断方法に用いるスクライブ装置1と相違している点は、ホイールカッター3に代わってレーザー照射器5が備えられている点と、押付けバー4が取り除かれている点である。
レーザー照射器5は、支持台2に載置された強化ガラスGの長手方向に沿って移動可能に設置されると共に、略円筒状の形状を有する。そして、その内部には、集光レンズ5aが備えられており、集光レンズ5aは、図示省略のレーザー発振装置から発せられたレーザーLを集光し、強化ガラスGに焦点を合わせて照射する。以上の構成から、レーザー照射器5が、強化ガラスGに対し、移動しつつレーザーLを照射することにより、強化ガラスGの表面GaにスクライブラインSを連続的に形成する。
以下、スクライブ装置1を用いた強化ガラスの割断方法の作用について説明する。
支持台2に載置された強化ガラスGは、その自重によって下方に撓む。これにより、撓んだ強化ガラスGの表面Gaが凹曲面となるように湾曲する。このため、強化ガラスGには、湾曲する前から強化ガラスGに印加されている圧縮応力、及び引張応力に加え、強化ガラスGの湾曲による圧縮応力、及び引張応力が新たに印加される。その結果、上記の第一実施形態に係る強化ガラスの割断方法の作用について、既に説明した効果と同様の効果を得ることが可能となる。
以下、本発明の第三実施形態に係る強化ガラスの割断方法について添付の図面を参照して説明する。なお、この第三実施形態に係る強化ガラスの割断方法について説明するための図面において、上記の第二実施形態に係るスクライブ装置と同一の機能又は形状を有する構成要素については、同一の符号を付すことで重複する説明を省略している。
図6は、本発明の第三実施形態に係る強化ガラスの割断方法に用いるスクライブ装置を示す正面断面図である。このスクライブ装置1が、上記の第二実施形態に係る強化ガラスの割断方法に用いるスクライブ装置1と相違している点は、支持台2に代わって支持体6が備えられている点と、支持体6に載置された強化ガラスGを下方に押圧して湾曲させる押付けローラー7を備えている点である。
支持体6は、強化ガラスGの裏面Gbにおける全面を支持すると共に、その全体がゴムで構成されており、強化ガラスGの湾曲に伴って、その表面が弾性変形する。
押付けローラー7は、その進行方向が、強化ガラスGの長手方向と平行になるように一対が備えられると共に、押付けローラー7を貫通する軸7aを中心として回転する。加えて、両押付けローラー7は、レーザー照射器5と同期して強化ガラスGの長手方向に移動するように構成されると共に、図示省略のシリンダーからの圧力が付与されている。これにより、押付けローラー7の外周部が強化ガラスGの表面Gaを長手方向に沿って順次に押圧し、両押付けローラー7間に位置する強化ガラスGの表面Gaを順次に湾曲させる。
以下、スクライブ装置1を用いた強化ガラスの割断方法の作用について説明する。
両押付けローラー7間に位置する強化ガラスGの表面Gaは、長手方向に沿って順次に押圧され、凹曲面となるように湾曲する。このため、強化ガラスGには、湾曲する前から強化ガラスGに印加されている圧縮応力、及び引張応力に加えて、強化ガラスGの湾曲による圧縮応力、及び引張応力が新たに印加されることになる。その結果、上記の第一実施形態に係る強化ガラスの割断方法の作用について、既に説明した効果と同様の効果を得ることが可能となる。
以下、本発明の第四実施形態に係る強化ガラスの割断方法について添付の図面を参照して説明する。なお、この第四実施形態に係る強化ガラスの割断方法について説明するための図面において、上記の第一実施形態に係るスクライブ装置と同一の機能又は形状を有する構成要素については、同一の符号を付すことで重複する説明を省略している。
図7は、本発明の第四実施形態に係る強化ガラスの割断方法に用いるスクライブ装置を示す正面断面図である。このスクライブ装置1が、上記の第一実施形態に係る強化ガラスの割断方法に用いるスクライブ装置1と相違している点は、支持台2に代わって支持板9が備えられている点と、押付けバー4が取り除かれている点である。
支持板9は、強化ガラスGの裏面Gbを、その全面に亘って支持している。強化ガラスGが載置される載置面9aは、幅方向において、両端が上方に盛り上がった凸部となっており、中央が下方に窪んだ凹部となっている。これにより、支持板9に載置された強化ガラスGが載置面9aの形状に倣って変形する。
以下、スクライブ装置1を用いた強化ガラスの割断方法の作用について説明する。
支持板9に載置された強化ガラスGは、その表面Gaが凹曲面となるように変形し湾曲する。このため、強化ガラスGには、湾曲する前から強化ガラスGに印加されている圧縮応力、及び引張応力に加え、強化ガラスGの湾曲による圧縮応力、及び引張応力が新たに印加される。その結果、上記の第一実施形態に係る強化ガラスの割断方法の作用について、既に説明した効果と同様の効果を得ることが可能となる。
なお、上記の第一〜第四実施形態に係る強化ガラスの割断方法において、拡張される前の表面側圧縮応力層A1の厚みは、強化ガラスGの厚みに対して30%以下であることが好ましい。
拡張される前の表面側圧縮応力層A1の厚みが小さい程、縮小される前の中間引張応力層Bに印加された引張応力も弱くなる。このため、新たに印加される圧縮応力により、引張応力を打ち消しやすく、或いは、弱めやすくなる。そして、拡張される前の表面側圧縮応力層A1の厚みが、強化ガラスGの厚みの30%以下となるような程度の強化である場合には、既述の効果をより良好に得ることが可能である。
ここで、本発明に係る強化ガラスの割断方法は、上記の各実施形態で説明した方法に限定されるものではない。例えば、上記の各実施形態においては、強化ガラスの表面を凹曲面となるように湾曲させることにより、表面側圧縮応力層の厚みを拡張しているが、この拡張は、強化ガラスの表面をヒーター、熱風、レーザー等で加熱すると共に、裏面を流体の吹き付け、冷却装置等で冷却することにより行ってもよい。
この場合、強化ガラスの表面側では、加熱された部位が熱膨張することにより、その周辺部位を押し広げようとする。この反力として、加熱された部位は、周辺部位によって圧縮されるため、圧縮応力が印加される。一方、強化ガラスの裏面側では、冷却された部位が熱収縮することにより、その周辺部位を引き込もうとする。この反力として、冷却された部位は、周辺部位により引っ張られるため、引張応力が印加される。これにより、強化ガラスの表面を凹曲面となるように湾曲させた場合と同様の効果を得ることができる。なお、表面の加熱と裏面の冷却とは、そのどちらか一方のみを実施した場合であっても、この効果を得ることが可能である。
また、強化ガラスの表面を凹曲面となるように湾曲させる態様についても、上記の各実施形態に限定されるものではない。例えば、上記の第一実施形態や第三実施形態のように押付けバーや押付けローラー等を用いずに、ホイールカッター自身の押圧力によって強化ガラスの表面を湾曲させてもよい。その他、強化ガラスが載置される載置面が凹曲面に形成された定盤に、複数の吸引孔を設け、この吸引孔を介して強化ガラスに負圧を作用させてもよい。この場合、負圧が作用した強化ガラスは、載置面に吸着されると共に、その形状に倣って表面が凹曲面となるように湾曲する。
加えて、上記の各実施形態では、強化ガラスを一方向にのみ割断する態様となっているが、例えば、互いに直交する第一割断予定線と第二割断予定線とを境界として、強化ガラスを十字に割断するような場合にも、本発明に係る強化ガラスの割断方法を使用することが可能である。この場合、両割断予定線に沿って、その近傍に強化ガラスを下方に押圧する複数のピン等を設置する。そして、第一割断予定線に沿って割断を実施する際には、第一割断予定線の近傍に設置されたピンのみで強化ガラスを押圧し、その表面を凹曲面とする。また、第二割断予定線に沿って割断を実施する際には、第二割断予定線の近傍に設置されたピンのみで強化ガラスを押圧し、その表面を凹曲面とする。
本発明の実施例として、図8(a),(b)に示すスクライブ装置と、図9(a),(b)に示すスクライブ装置とを用いて矩形状の強化ガラスの表面にスクライブラインを形成した後、スクライブラインを境界として強化ガラスの割断を行った。そして、スクライブラインを形成する際に、メディアンクラックから発生したクラックの自走が発生する頻度について調査した。
まず、実施例及び比較例に用いたスクライブ装置の構成について説明する。図8(a),(b)に示すように、実施例に係る強化ガラスの割断方法に用いるスクライブ装置1は、強化ガラスGを支持する枠状体8と、強化ガラスGの表面Gaを押圧して凹曲面となるように湾曲させると共にスクライブラインSを形成するホイールカッター3とで構成される。枠状体8は、強化ガラスGの端部をその全周に亘って支持すると共に、その横断面の寸法が、幅、高さ共に0.7mmとなっている。ホイールカッター3は、上記の第一実施形態に係る強化ガラスの割断方法に用いるスクライブ装置に備えられたホイールカッターと同様の構成となっており、その外径は、5.0mmとされ、外周部の先端角度は110°とされている。また、強化ガラスGにスクライブラインSを形成する速度は、25m/minに設定されている。
図9(a),(b)に示すように、比較例に係る強化ガラスの割断方法に用いるスクライブ装置10は、強化ガラスGが載置される定盤20と、強化ガラスGの表面Gaを押圧してスクライブラインSを形成するホイールカッター30とで構成される。定盤20は、強化ガラスGの裏面Gbをその全面に亘って支持している。ホイールカッター30は、上記の実施例に係る強化ガラスの割断方法に用いるスクライブラインの形成装置1に備えられたホイールカッター3と全く同一な構成となっている。
次に、割断の対象となる強化ガラスGについて説明する。矩形状の強化ガラスGの幅方向長さ、長手方向長さ、厚みは、それぞれ730mm、920mm、0.8mmとなっている。また、表面側圧縮応力層、及び裏面側圧縮応力層の厚みは、それぞれ33μmであり、印加された圧縮応力の大きさは、590MPaである。さらに、中間引張応力層に印加された引張応力の大きさは、26.9MPaである。
最後に強化ガラスGの割断条件について説明する。図8(b),図9(b)に矢印で示すように、まず、強化ガラスGの長手方向において、割断予定線Xに沿ってスクライブラインSを形成した。次に、強化ガラスGの幅方向において、同様に割断予定線Xに沿ってスクライブラインSを形成した。これらのスクライブラインSは、長手方向、及び幅方向の双方において、強化ガラスGの端部から内側に20mmだけ離間した位置に形成する。その後、形成されたスクライブラインSを境界として強化ガラスGを割断した。これらの工程を、スクライブラインSを形成する際の圧力(強化ガラスGを押圧する圧力)を、0.04、0.05、0.06MPaと変化させ、各圧力で10回ずつ行った。そして、この10回のうち、メディアンクラックから発生したクラックが自走した回数を調査した。
下の表に上記の調査の結果として、各圧力でスクライブラインを形成した際に、クラックが自走した回数を示す。
Figure 0005888176
上の表からも明らかなように、比較例においては、強化ガラスGを押圧する圧力の大きさが0.04、0.05、0.06MPaのいずれであっても、メディアンクラックから発生したクラックの自走が頻発している。このため、強化ガラスGを、スクライブラインSを境界として良好に割断することができなかった。これに対し、実施例においては、圧力の大きさによらずクラックの自走は一度も発生せず、良好に割断を行うことが可能であった。これは、実施例においては、ホイールカッター3の押圧力により、強化ガラスGの表面Gaを凹曲面となるように湾曲させたことで、表面側圧縮応力層の厚みが拡張され、スクライブラインSを形成する際に、メディアンクラックから発生したクラックに引張応力が印加されることを防止できたためと想定される。
1 スクライブ装置
2 支持台
3 ホイールカッター
4 押付けバー
G 強化ガラス
Ga 強化ガラスの表面
Gb 強化ガラスの裏面
S スクライブライン
C クラック
V 空間
A1 表面側圧縮応力層
A2 裏面側圧縮応力層
B 中間引張応力層
N 厚み中央
Z 表面側圧縮応力層の拡張方向
5 レーザー照射器
L レーザー
6 支持体
7 押付けローラー
8 枠状体
9 支持板
X 割断予定線

Claims (6)

  1. 厚み方向における表面側に存し且つ圧縮応力が印加された表面側圧縮応力層と、裏面側に存し且つ圧縮応力が印加された裏面側圧縮応力層と、前記表面側圧縮応力層と前記裏面側圧縮応力層との間に存し且つ引張応力が印加された中間引張応力層とが形成される強化ガラスに対し、割断予定線に沿って表面側からスクライブラインを形成した後、該スクライブラインを境界として前記強化ガラスを割断する強化ガラスの割断方法であって、

    前記スクライブラインを形成する際に、少なくとも前記割断予定線の近傍において、前記強化ガラスの表面を凹曲面となるように湾曲させることにより前記表面側圧縮応力層の厚みを拡張すると共に、
    前記スクライブラインの厚み方向における深さを、拡張する前の表面側圧縮応力層の厚みを超え、拡張した表面側圧縮応力層の厚みを超えない範囲とする
    ことを特徴とする強化ガラスの割断方法。
  2. 拡張される前の前記表面側圧縮応力層の厚みが、前記強化ガラスの厚みの30%以下であることを特徴とする請求項1に記載の強化ガラスの割断方法。
  3. 前記スクライブラインを形成した後、該スクライブラインの周辺に引張応力を印加して前記強化ガラスの割断を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の強化ガラスの割断方法。
  4. 前記スクライブラインを形成した後、前記表面側圧縮応力層の厚みの拡張を解除し、その状態を維持することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の強化ガラスの割断方法。
  5. 前記スクライブラインを、ホイールカッターの押圧により形成することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の強化ガラスの割断方法。
  6. 前記スクライブラインを、レーザーの照射により形成することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の強化ガラスの割断方法。
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