JP5879997B2 - 乳代替組成物及びこれを使用した乳代替飲食品 - Google Patents
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Description
一方で、動物性脂肪の過剰摂取による生活習慣病の増加、乳製品の過剰摂取による乳アレルギー患者の増加、乳原料の価格高騰といった背景から、動物性である乳原料の代替となりうる植物性蛋白原料の開発も行われてきた。
そのため、かかる大豆由来原料を使用した洋菓子類、デザート類、飲料類、スープ類、ソース類などの飲食品は、ヘルシーなイメージはあるものの、大豆に由来する特有の青臭みや渋味、あるいは加工中に発生する加工臭などが飲食品の風味に影響を与えることが欠点となっていた。そのため飲食品において風味のマスキング剤を添加するなど様々な改善が試みられてきたが、好ましくない風味を抑えることは難しく、未だ乳原料の代替となる植物性原料としては改善の余地が大きい。
そこで本発明の目的は、大豆特有の青臭味や加工中に発生する加工臭や経時的な風味劣化が少なく、良好な大豆風味を有し、乳代替原料として広く使用することが可能な大豆由来の乳代替組成物を提供することにある。そして、該大豆由来の乳代替組成物を使用し、食品の風味として違和感がなく、消費者に広く受け入れられやすい乳代替飲食品を提供するものである。
(1)乾物あたりの蛋白質及び炭水化物の総含量が80重量%以上であり、脂質含量(クロロホルム/メタノール混合溶媒抽出物としての含量をいう。)が蛋白質含量に対して10重量%未満、植物ステロールとしてのカンペステロールおよびスチグマステロールの和が脂質100gに対して200mg以上である減脂大豆蛋白素材を含むことを特徴とする、乳代替組成物、
(2)該大豆蛋白素材が豆乳又は分離大豆蛋白である、前記(1)記載の乳代替組成物、
(3)粉乳タイプ、濃縮乳タイプ又は液状乳タイプである、前記(1)記載の乳代替組成物、
(4)さらに油脂が添加され、乳化形態が水中油型乳化である、前記(1)記載の乳代替組成物、
(5)さらに糖類が添加されている、前記(1)記載の乳代替組成物、
(6)前記(1)〜(5)の何れか記載の乳代替組成物を使用した乳代替飲食品、
(7)飲食品が、乳製品、ソース類、ベーカリー製品、菓子類又は高栄養液体食品である、前記(6)記載の乳代替飲食品、
(8)乳製品が、ヨーグルト、乳酸菌飲料、クリーム類、アイスクリーム類、チーズ、マーガリン、育児用粉乳である、前記(7)記載の乳代替飲食品、
(9)無脂肪ないし低脂肪タイプである、前記(6)記載の乳代替飲食品、
(10)前記(1)記載の乳代替組成物を含む原料を乳酸菌で発酵させて得られることを特徴とする大豆乳酸発酵飲食品、
(11)乾物あたりの蛋白質及び炭水化物の総含量が80重量%以上であり、脂質含量(クロロホルム/メタノール混合溶媒抽出物としての含量をいう。)が蛋白質含量に対して10重量%未満、植物ステロールとしてのカンペステロールおよびスチグマステロールの和が脂質100gに対して200mg以上である減脂大豆蛋白素材を、乳原料の一部又は全部の代替として使用することを特徴とする、乳代替飲食品の製造法、
(12)乾物あたりの蛋白質及び炭水化物の総含量が80重量%以上であり、脂質含量(クロロホルム/メタノール混合溶媒抽出物としての含量をいう。)が蛋白質含量に対して10重量%未満、植物ステロールとしてのカンペステロールおよびスチグマステロールの和が脂質100gに対して200mg以上である減脂大豆蛋白素材の、乳代替組成物としての使用。
本発明に用いられる減脂大豆蛋白素材は、大豆を由来とし、グリシニン及びβ−コングリシニンを主体とする蛋白質を主な構成成分とし、豆乳の場合は糖質、灰分などの水溶性成分も比較的多く含まれる一方で、食物繊維質は除去され、脂質は中性脂質と極性脂質が共に低減され、リポキシゲナーゼ蛋白質等のLPの含量も少ないものである。
すなわち、乾物あたりの蛋白質及び炭水化物の総含量が80重量%以上であり、脂質含量(クロロホルム/メタノール混合溶媒抽出物としての含量をいう。)が蛋白質含量に対して10重量%未満、植物ステロールとしてのカンペステロールおよびスチグマステロールの和が脂質100gに対して200mg以上、であることを特徴とするものである。
本発明に用いられる減脂大豆蛋白素材は糖質及び蛋白質が乾物の大部分を占める主成分であり、炭水化物(乾物から脂質、蛋白質及び灰分を除いたもの)の含量は、蛋白質との総含量で表すと乾物あたり80重量%以上、好ましくは85重量%以上である。乾物の残成分は灰分と微量の脂質からほぼ構成され、灰分は乾物当たり通常15重量%以下、好ましくは10重量%以下である。食物繊維は炭水化物に含まれるものの、本発明に用いられる減脂大豆蛋白素材は食物繊維質が除去されているので、乾物当たり3重量%以下、好ましくは2重量%以下の微量である。
本発明に用いられる減脂大豆蛋白素材の蛋白質含量は乾物あたりで30〜99重量%の範囲となりうる。大豆蛋白素材が豆乳の場合、通常は下限が乾物あたり45重量%以上、あるいは50重量%以上、あるいは55重量%以上であり、上限が70重量%以下、あるいは65重量%以下でありうる。蛋白質の分画や他の成分の添加など、加工方法によっては30重量%以上45重量%未満の範囲にもなりうる。また大豆蛋白素材が豆乳をさらに精製して蛋白質純度を高めた分離大豆蛋白の場合は、下限が70重量%超、あるいは80重量%以上であり、上限は99重量%以下、あるいは95重量%以下でありうる。
本発明における蛋白質含量はケルダール法により窒素量として測定し、該窒素量に6.25の窒素換算係数を乗じて求めるものとする。
本発明に用いられる減脂大豆蛋白素材の蛋白質の各成分組成はSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)により分析することができる。
界面活性剤であるSDSと還元剤であるメルカプトエタノールの作用によって蛋白質分子間の疎水性相互作用、水素結合、分子間のジスルフィド結合が切断され、マイナスに帯電した蛋白質分子は固有の分子量に従った電気泳動距離を示ことにより、蛋白質に特徴的な泳動パターンを呈する。電気泳動後に色素であるクマシーブリリアントブルー(CBB)にてSDSゲルを染色した後に、デンシトメーターを用い、全蛋白質のバンドの濃さに対する各種蛋白質分子に相当するバンドの濃さが占める割合を算出する方法により求めることができる。
本発明に用いられる減脂大豆蛋白素材は、一般に水溶性で抽出されやすいリポキシゲナーゼ蛋白質が極めて少ないことも大きな特徴であり、減脂大豆蛋白素材中の全蛋白質あたり1%以下であり、好ましくは0.5%以下である。
通常の未変性(NSI 90以上)の大豆を原料とした場合ではリポキシゲナーゼ蛋白質は可溶性の状態で存在するため、水抽出すると水溶性画分側へ抽出される。一方、本発明ではリポキシゲナーゼ蛋白質が原料大豆中において加熱処理によって失活され不溶化しているため、不溶性画分側に残る。
減脂大豆蛋白素材の蛋白質中におけるリポキシゲナーゼ蛋白質の割合が極めて少ないことによって、脂質の含有量を極めて低レベルに保つ豆乳を得ることがきるという利点がある。
本発明に用いられる減脂大豆蛋白素材は、蛋白質の種類の中では脂質親和性蛋白質(Lipophilic Proteins)が一般の大豆素材よりも含量が少ないことが特徴である。脂質親和性蛋白質は、大豆の主要な酸沈殿性大豆蛋白質の内、グリシニン(7Sグロブリン)とβ−コングリシニン(11Sグロブリン)以外のマイナーな酸沈殿性大豆蛋白質群をいい、レシチンや糖脂質などの極性脂質を多く随伴するものである。以下、単に「LP」と略記することがある。
LPは雑多な蛋白質が混在したものであるが故、各々の蛋白質を全て特定し、LPの含量を厳密に測定することは困難であるが、下記LCI(Lipophilic Proteins Content Index)値を求めることにより推定することができる。
これによれば、減脂大豆蛋白素材中の蛋白質のLCI値は通常40%以下、より好ましくは38%以下、さらに好ましくは36%以下である。
通常の未変性(NSI 90以上)の大豆を原料とした場合ではLPは可溶性の状態で存在するため、水抽出すると水溶性画分側へ抽出される。一方、本発明に用いられる減脂大豆蛋白素材の場合、LPが原料大豆中において加熱処理によって失活され不溶化しているため、不溶性画分側に残る。
減脂大豆蛋白素材の蛋白質中におけるLPの割合が低いことによって脂質の含有量を極めて低レベルに保つ豆乳を得ることがきるという利点がある。
(a) 各蛋白質中の主要な蛋白質として、7Sはαサブユニット及びα'サブユニット(α+α')、11Sは酸性サブユニット(AS)、LPは34kDa蛋白質及びリポキシゲナーゼ蛋白質(P34+Lx)を選択し、SDS−PAGEにより選択された各蛋白質の染色比率を求める。電気泳動は表1の条件で行うことが出来る。
(b) X(%)=(P34+Lx)/{(P34+Lx)+(α+α’)+AS}×100(%)を求める。
(c) 低変性脱脂大豆から調製された分離大豆蛋白のLP含量を加熱殺菌前に上記方法1,2の分画法により測定すると凡そ38%となることから、X=38(%)となるよう(P34+Lx)に補正係数k*=6を掛ける。
(d) すなわち、以下の式によりLP推定含量(Lipophilic Proteins Content Index、以下「LCI」と略する。)を算出する。
本発明に用いられる減脂大豆蛋白素材は、原料である大豆粉の脂質含量/蛋白質含量の比よりも低い値しか脂質が含まれず、中性脂質と共に極性脂質の含量も低いことが特徴である。これに対し、一般の減脂豆乳は大豆をヘキサンで脱脂した脱脂大豆を水抽出して得られるが、その減脂豆乳は極性脂質が除去されておらずなお多く含まれる。
そのため、本発明に用いられる減脂大豆蛋白素材中の脂質含量は、クロロホルム:メタノールが2:1(体積比)の混合溶媒を用い、常圧沸点において30分間抽出された抽出物量を総脂質量として、脂質含量を算出した値とする。溶媒抽出装置としてはFOSS社製の「ソックステック」を用いることができる。なお上記の測定法は「クロロホルム/メタノール混合溶媒抽出法」と称するものとする。
さらにまた乾物あたりでの脂質含量も5重量%以下、好ましくは3重量%以下、より好ましくは2重量%以下、さらに好ましくは1.5重量%以下である。
本発明に用いられる減脂大豆蛋白素材は、植物ステロールの脂質に対する含量が通常の脱脂豆乳よりも格段に高いことが特徴である。
植物ステロールは大豆種子中に0.3重量%程度含まれ、主にシトステロール、カンペステロール、スチグマステロール等が含まれる。これら大豆に含まれる植物ステロールは極性が低いため、一般的にヘキサンなどの有機溶媒で大豆油を抽出をする場合には大豆油側に大部分移行してしまい、大豆油が精製される過程で除去される。そのため脱脂大豆には植物ステロールは非常に微量である。
一方、本発明に用いられる減脂大豆蛋白素材においては、中性脂質と極性脂質が共に含量が低いにもかかわらず、脂質と親和性が高く水に不溶の植物ステロールであるカンペステロールとスチグマステロールが特に多く残存することを見出した。このように減脂大豆蛋白素材中の脂質に対する植物ステロールの含量を上げることは別途に添加する方法以外では極めて難しく、本発明では脂質を殆ど含むことなく植物ステロールを多く含有する大豆蛋白素材を提供できる利点を有する。
これらカンペステロール及びスチグマステロールの含有量の和は、ヘキサン等の有機溶媒で脱脂された脱脂大豆を原料に調製された減脂大豆蛋白素材では、脂質100g当たり40〜50mg程度であるのに対し、本発明に用いられる減脂大豆蛋白素材では脂質100g当たりで少なくとも200mg以上という高含量であり、好ましくは230mg以上、より好ましくは400mg以上、さらに好ましくは450mg以上、さらに好ましくは500mg以上も含まれる。
例えば財団法人日本食品分析センターのステロール定量法(第11014761号−別添分析法フローチャート参照)に準じて分析することができる。具体的には試料1.2gを採取し、1mol/Lの水酸化カリウムのエタノール溶液50mlに分散し、ケン化を行い、水150mlとジエチルエーテル100mlを加え、エーテル層に不ケン化物を抽出し、さらにジエチルエーテルを50mlを2回加えて抽出する。抽出された不ケン化物のジエチルエーテル層を水洗し、脱水ろ過し、溶媒を揮発除去する。その後、カラムクロマトグラフィー(シリカカートリッジカラム)にて抽出物をジエチルエーテル:ヘキサン(8:92)溶液10mlで洗浄し、ジエチルエーテル:ヘキサン(20:80)溶液25mlにて溶出させる。その液に内部標準として5α―コレスタン0.5mgを加え、溶媒を揮発除去する。この試料にヘキサン5mlを加え、ガスクロマトグラフ法(水素炎イオン検出器)によって目的の植物ステロールを検出する。ガスクロマトグラフ法の条件は、以下の通りで行うことができる。
機 種 :GC-2010[株式会社島津製作所]
検出器 :FID
カラム :DB-1[J&W SCIENTIFIC] φ0.25mm×15m、膜厚0.25μm
温 度 :試料注入口290℃、検出器290℃
カラム240℃→3℃/min昇温→280℃
試料導入系:スプリット(スプリット比 1:30)
ガス流量 :ヘリウム(キャリアーガス)2.3ml/min
ヘリウム(メイクアップガス)30ml/min
ガス圧力 :水素40ml/min、空気400ml/min
本発明に用いられる減脂大豆蛋白素材は、イソフラボン類の含量が比較的高いことも特徴である。具体的には乾物あたりの含量が0.10重量%以上であるのが好ましい。なお、イソフラボン類の含量は、「大豆イソフラボン食品 品質規格基準(公示 No.50、見直し改訂版)」(財団法人日本健康・栄養食品協会、2009年3月6日発行)に記載される分析法に従い定量することができる。本発明においてはイソフラボン類の含量は配糖体としての当量を表す。
本発明に用いられるの減脂大豆蛋白素材が減脂豆乳で、性状が液体の場合、乾物(dry matter)は通常3〜20重量%程度であるが、特に限定されるものではない。すなわち加水して低粘度の液状としたものや、減圧濃縮や凍結濃縮等の濃縮加工により高粘度化したものであってもよく、また噴霧乾燥や凍結乾燥等の粉末加工により粉末状としたものであってもよい。
本発明に用いられる減脂豆乳や、該減脂豆乳を原料とする他の大豆蛋白素材の製造法は、例えば水溶性窒素指数(Nitrogen Solubility Index、以下「NSI」と称する。)が20〜77、好ましくは20〜70、乾物あたりの脂質含量が15重量%以上の含脂大豆に対して、加水して懸濁液を調製する工程の後、該懸濁液を固液分離し、中性脂質及び極性脂質を不溶性画分に移行させて該不溶性画分を除去し、蛋白質及び糖質を含む水溶性画分を回収することにより得ることができる。以下、該製造態様について示す。
減脂大豆蛋白素材の原料である大豆としては、全脂大豆あるいは部分脱脂大豆等の含脂大豆を用いる。部分脱脂大豆としては、全脂大豆を圧搾抽出等の物理的な抽出処理により部分的に脱脂したものが挙げられる。一般に全脂大豆中には脂質が乾物あたり約20〜30重量%程度含まれ、特殊な大豆品種については脂質が30重量%以上のものもあり、特に限定されないが、用いる含脂大豆としては、少なくとも脂質を15重量以上、好ましくは20重量%以上含むものが適当である。原料の形態は、半割れ大豆、グリッツ、粉末の形状でありうる。
過度に脱脂され脂質含有量が少なすぎると、脂質が少ない一方で植物ステロールを多く含む減脂豆乳を得ることが困難となる。特にヘキサン等の有機溶媒で抽出され、中性脂質の含量が1重量%以下となった脱脂大豆は、大豆の良い風味が損なわれ好ましくない。
そのような加工大豆は、加熱処理やアルコール処理等の加工処理を行って得られる。加工処理の手段は特に限定されないが、例えば乾熱処理、水蒸気処理、過熱水蒸気処理、マイクロ波処理等による加熱処理や、含水エタノール処理、高圧処理、およびこれらの組み合わせ等が利用できる。
例えば過熱水蒸気による加熱処理を行う場合、その処理条件は製造環境にも影響されるため一概に言えないが、おおよそ120〜250℃の過熱水蒸気を用いて5〜10分の間で加工大豆のNSIが上記範囲となるように処理条件を適宜選択すれば良く、加工処理に特段の困難は要しない。簡便には、NSIが上記範囲に加工された市販の大豆を用いることもできる。
すなわち、試料2.0gに100mlの水を加え、40℃にて60分攪拌抽出し、1400×gにて10分間遠心分離し、上清1を得る。残った沈殿に再度100mlの水を加え、40℃にて60分攪拌抽出し、1400×gにて10分遠心分離し、上清2を得る。上清1および上清2を合わせ、さらに水を加えて250mlとする。No.5Aろ紙にてろ過したのち、ろ液の窒素含量をケルダール法にて測定する。同時に試料中の窒素含量をケルダール法にて測定し、ろ液として回収された窒素(水溶性窒素)の試料中の全窒素に対する割合を重量%として表したものをNSIとする。
水抽出は含脂大豆に対して3〜20重量倍、好ましくは4〜15重量倍程度の加水をし、含脂大豆を懸濁させて行われる。加水倍率は高い方が水溶性成分の抽出率が高まり、分離を良くすることができるが、高すぎると濃縮が必要となりコストがかかる。また、抽出処理を2回以上繰り返すと水溶性成分の抽出率をより高めることができる。
水抽出後、含脂大豆の懸濁液を遠心分離、濾過等により固液分離する。この際、中性脂質のみならず極性脂質も含めた大部分の脂質を水抽出物中に溶出させず、不溶化した蛋白質や食物繊維質の方に移行させ沈殿側(不溶性画分)とすることが重要である。具体的には含脂大豆の脂質の70重量%以上を沈殿側に移行させる。また抽出の際に上清側にも少量の脂質が溶出するが、豆乳中の脂質のように微細にエマルション化されたものではなく、15,000×g以下、あるいは5,000×g程度以下の遠心分離によっても容易に浮上させ分離することができ、この点で遠心分離機を使用するのが好ましい。なお遠心分離機は使用する設備によっては10万×g以上の超遠心分離を使用することも可能であるし、本発明に用いられる減脂大豆蛋白素材の場合は超遠心分離機を用いなくとも実施が可能である。
また水抽出の際あるいは水抽出後に解乳化剤を添加して豆乳からの脂質の分離を促進させることも可能であり、解乳化剤は特に限定されない。ただし本発明に用いられる減脂大豆蛋白素材を調製する場合は解乳化剤を用いなくとも実施が可能である。
固液分離として遠心分離を用いる場合、二層分離方式、三層分離方式のいずれも使用することができる。二層分離方式の場合は水溶性画分として上清を回収する。また三層分離方式を用いる場合は、(1)浮上層(脂質を含む比重の最も小さいクリーム画分)、(2)中間層(脂質が少なく蛋白質、糖質を多く含む水溶性画分)、(3)沈殿層(脂質と食物繊維を多く含む不溶性画分)、の三層の画分に分けられる。この場合、脂質含量の少ない水溶性画分の中間層(2)をするとよい。
得られた水溶性画分は、そのまま、あるいは必要に応じて濃縮工程、加熱殺菌工程、粉末化工程などを経て本発明に用いられる減脂豆乳とすることができる。
上記により得られる減脂豆乳からホエー蛋白質やオリゴ糖などの大豆ホエー成分を除去して蛋白質を濃縮し、必要により中和、殺菌、乾燥し粉末化するなどして、高蛋白質純度の分離大豆蛋白質を調製することができる。大豆ホエー成分を除去する方法としては公知の方法をいずれも利用でき、例えば最も一般的である減脂豆乳を等電点付近の酸性pH(pH4〜5程度)に調整し、蛋白質を等電点沈殿させ、遠心分離等により上清のホエーを除去して沈殿を回収する方法の他、膜分離によって比較的低分子のホエーを除去する方法等を適用できる。
本発明に用いられる上記の減脂大豆蛋白素材は、いずれも含脂大豆を原料としているにもかかわらず、ヘキサン等の有機溶媒を用いて脱脂された脱脂大豆から水抽出して得た脱脂豆乳や分離大豆蛋白とは蛋白質含量が同等であり、ただしその他の成分組成については従来の減脂大豆蛋白素材とは顕著に相違するものである。
該減脂大豆蛋白素材は、ヘキサン等で脱脂した脱脂大豆から水抽出された減脂豆乳や分離大豆蛋白などと比べて、脂質特に極性脂質の含量が低く低カロリーであると共に、ヘキサン等の有機溶媒を使用しないため環境負荷が小さく、有機溶媒による変性を受けておらず風味も格段に優れている。また極性脂質と共にLPが少ないため酸化安定性が高く風味の経時的劣化も極めて少ないことが特長である。特に、乾燥して粉末状素材として利用する場合は、通常の豆乳粉末や粉末状大豆蛋白のように脂質が酸化することがなく風味の保存安定性が格段に優れる。
本発明で使用する上記の減脂大豆蛋白素材は、粉末タイプ(全脂粉乳、脱脂粉乳、部分脱脂粉乳、カゼイン蛋白など)、濃縮タイプ(エバミルク、コンデンスミルクなど)、液状タイプ(全乳、低脂肪乳)などの種々の形態で、そのまま本発明の乳代替組成物とすることができる。
また、上記の減脂大豆蛋白素材に他の食品原料あるいは食品添加剤を適宜加え、本発明における種々の形態の乳代替組成物とすることもできる。実施形態を下記に示す。
本発明の乳代替組成物は、減脂大豆蛋白素材に油脂を添加し、必要により乳化剤をさらに添加して水中油型乳化し、全脂乳タイプ、部分脱脂乳タイプやクリームタイプのものに調製することができる。添加する油脂の種類としては、例えばパーム油、ヤシ油、パーム核油、コーン油、大豆油、綿実油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂があげられる。本発明においては、これらの油脂を単独で用いることもでき、又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。上記油脂の含有量は、乳代替組成物の乾物中、好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは5〜20重量%である。
本発明の乳代替組成物は、減脂大豆蛋白素材に糖類を添加して混合し、加糖練乳やホイップクリーム等の加糖タイプのものに調製することができる。添加する糖類の種類としては、例えばグルコース、ガラクトース等の単糖類や、シュクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース等の二糖類や、マルトトリオース、ラフィノース等の三糖類や、オリゴ糖や、エリスリトール、マルチトール、ラクチトール等の糖アルコール等があげられる。本発明においては、これらの糖類を単独で用いることもでき、又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。上記糖類の含有量は、乳代替組成物の乾物中、好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは3〜20重量%である。
さらに本発明の乳代替組成物には、必要により、澱粉類、無機塩、有機酸塩、ゲル化剤、増粘多糖類、着香料、調味料等の呈味成分、着色料、保存料、酸化防止剤、pH調整剤等を配合してもよい。これらの成分の配合量は、本発明の乳代替組成物の乾物中、好ましくは10重量%以下である。
本発明の乳代替飲食品とは、乳原料が一般に使用されている飲食品において、該乳原料の一部又は全部が上記の乳代替組成物に置換されたものを意味する。置換されたものかどうかは当業者の主観的な目的で限定されるのではなく、結果として置換されたかどうかを客観的な観点から解釈される。乳代替組成物の乳原料との置換率は、例えばより多くの置換率により植物性原料の割合を高めたい場合は50重量%以上、70重量%以上、90重量%以上とすることができ、100重量%であれば純植物性の乳代替飲食品とすることができ、乳アレルギー患者にも適する。豆乳飲料や乳酸発酵豆乳等の豆乳製品は置換率100重量%の典型例である。また乳の風味を維持しつつ、コストダウン等の目的で置換率を50重量%未満、30重量%以下、10重量%以下とすることができる。
本発明の乳代替飲食品中における乳代替組成物の配合量は飲食品の形態によって異なるため特に限定されないが、概ね乾物換算で1〜100重量%、好ましくは10〜95重量%とすることができる。
以下に乳代替飲食品の代表的な態様(乳原料が使用されている製品の形態)を示すが、下記の態様に限定されないことは言うまでもない。乳代替飲食品は乳原料の一部又は全部が乳代替組成物に置換されている以外は、通常用いられる方法等の公知の方法にて製造することができる。
乳製品としては、成分調整乳,低脂肪乳,無脂肪乳、特濃乳等の液状乳、各種栄養成分,コーヒー,ココア,果汁,果肉等が配合された乳飲料、ヨーグルト,ドリンクヨーグルト等の発酵乳、乳酸菌飲料、ホイップクリーム,ホワイトナー,サワークリーム、クリームパウダー、カスタードクリーム等のクリーム類、アイスクリーム、ラクトアイス(メロリン)、ソフトクリーム等のアイスクリーム類、プロセスチーズ,ナチュラルチーズ,粉チーズ等のチーズ類、マーガリン、スキムミルク,育児用粉ミルク,加糖粉乳等の粉乳類、加糖練乳や無糖練乳等の練乳類 等があげられる。これらの乳製品は他の乳代替飲食品の乳原料としても使用される。
ソース類としては、ベシャメルソース(ホワイトソース)、モルネーソース、オーロラソース、ナンテュアソース、クリームソース、マスタードソース、スビーズソース、チーズソース、オランデーズソース、カルボナーラ等のパスタソース等の一般に乳原料が使用されるものが挙げられる。
ベーカリー製品としては、食パン,バターロール,デニッシュ,メロンパン,マフィン,ピザ台等のパン類、スポンジケーキ,パイ,バターケーキ,チーズケーキ,ホットケーキ,カステラ,ワッフル,シュー,サヴァラン,クッキー,ビスケット,クラッカー,ウエハース、ニュートリションバー,乾パン,せんべい,おかき,焼き饅頭等の焼き菓子が挙げられる。
菓子類としては、上記にあげた焼き菓子以外に、プリン、ババロア、ゼリー、ブリュレ等のデザート類、キャラメル、ソフトキャンディー、ハードキャンディー、飴菓子、錠菓、ゼリー菓子、マシュマロ、ボンボン、ドラジェ、チョコレート類、ドーナツ、蒸し饅頭、揚げ饅頭,スナック菓子等の一般に乳製品が使用される洋菓子,中華菓子,和菓子等が挙げられる。
その他、乳原料が一般に使用される加工食品、飲料全般があげられ、グラタン、ドリア、クリームコロッケ、シチュー、スープ、カレー、フィリング、プロテインパウダー、プロテインドリンク、プロテインゼリー、食肉製品、水産練製品、麺類、清涼飲料、炭酸飲料、粉末飲料、ベビーフード等が包含される。
本発明において、高栄養液体食品は、手術後の患者の一部、あるいは嚥下・咀嚼能力が低下した高齢者などの日常の食事から栄養摂取が困難な者により利用される栄養補助食品であり、蛋白質、炭水化物、脂質、ミネラル類、ビタミン類を総合的に含むものであり、流動食とも称される。
具体的には、カロリー値が0.5kcal/mL以上、栄養成分として少なくとも蛋白質,脂質,炭水化物,ミネラル,ビタミンを含み、常温で液体の食品を指す。好ましくは、蛋白質:10〜25%、脂質:15〜45%、炭水化物:35%以上のエネルギー組成と,カルシウム:20〜110mg/100kcal、マグネシウム:10〜70mg/100kcalの組成を持つものである。更に好ましくは、蛋白質:16〜20%、脂質:20〜30%、炭水化物:50〜65%のエネルギー組成と、カルシウム:35〜65mg/100kcal、マグネシウム:15〜40mg/100kcalの組成を持つものである。
一般に高栄養液体食品は蛋白質原料として乳蛋白質、乳清蛋白質やカゼインナトリウム等の乳原料が多くの場合使用されているが、本発明によれば減脂大豆蛋白素材を乳原料の一部又は全部と置き換えて使用することができる。
得られる高栄養液体食品の風味は乳蛋白のみ使用したものと比較しても遜色ないものであり、従来の豆乳や分離大豆蛋白と比較して格段に優れた風味にすることができる。
さらに、本減脂豆乳を高栄養液体食品に使用すると、配合中に含まれるカルシウムやマグネシウム等の2価金属との反応性が分離大豆蛋白よりも低い特徴を有する。そのため、これらの金属をより高配合することができる。
大豆乳酸発酵飲食品は一般に豆乳、分離大豆蛋白、大豆粉等の大豆蛋白素材を蛋白質源として乳酸菌で発酵乳などと同様に発酵させたものであり、ヨーグルト等の発酵乳や乳酸菌飲料やチーズなどの発酵乳製品に対応する乳代替飲食品である。従来の大豆蛋白素材は独特の青臭味等を有しており、近年は製造技術の進歩によって風味がある程度改良されてきた。しかしながら如何に風味の改善された大豆蛋白素材であっても乳酸菌発酵を行うと大豆蛋白質を酸性化して沈殿させたときの独特の酸沈臭が発生しやすく、また発酵直後はヨーグルトやチーズ様の新鮮で良好な発酵風味であってもそれが保たれず、経時的に風味が劣化してまったり、発酵後の加熱殺菌処理によって風味が劣化してしまい、たとえ乳原料の一部置換であっても劣化した風味が製品の品質に大きな影響を与える。そのため風味劣化を抑えるには、例えば特許第3307255号公報、特許第3327155号公報、特許第3498551号公報、特開平11-75688号公報などに記載されるように、特定の乳酸菌を組合せて発酵したり、無酸素条件下で発酵したり、発酵後は酸素透過性の極めて低い容器に充填するなど、高度な製造技術が必要とされる。そのため例えば好ましい生理機能を有する特定の乳酸菌の菌株を使用できなかったり、新たな発酵設備の投資が必要になる等の課題があった。そこで、本発明は乳酸菌の種類や製造設備の状況に左右されることなく、発酵後の風味の経時的劣化の少ない大豆乳酸発酵飲食品を提供することも課題としている。
本発明の大豆乳酸発酵飲食品はその他の原料や製造条件はいずれも公知のものを適用でき、特に限定されるものではない。例示として製造態様を以下に示す。
その他必要により油脂、澱粉、増粘多糖類、ゲル化剤、乳化剤、香料、酸味料、酸化防止剤、キレート剤等を適宜添加することができる。また乳の一部代替飲食品の場合はヨーグルトや乳酸菌飲料で使用される乳原料も使用することができる。
乳酸菌の種類としては、例えばラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ラクトバチルス・ブルガリカス、ラクトバチルス・ガセリ、ラクトバチルス・アシドフィラス、ラクトバチルス・ラクチス、ラクトバチルス・サリバリウス・サリバリウス、ラクトバチルス・ガリナラム、ラクトバチルス・アミロボラス、ラクトバチルス・ブレビス・ブレビス、ラクトバチルス・ファーメンタム、ラクトバチルス・マリ、ラクトバチルス・デルブルッキィ、ラクトバチルス・ジョンソニー、ラクトバチルス・サンフランシスエンシス、ラクトバチルス・パネックス、ラクトバチルス・コモエンシス、ラクトバチルス・イタリカス、ラクトバチルス・ライキマニ、ラクトバチルス・カルバタス、ラクトバチルス・ヒルガルディ、ラクトバチルス・ルテリ、ラクトバチルス・パストリアヌス、ラクトバチルス・ブクネリ、ラクトバチルス・セロビオサス、ラクトバチルス・フルクティボランス、ラクトバシルス・ラクチス・サブスピーシーズ・クレモリス等のラクトバチルス属、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ストレプトコッカス・ラクチス、ストレプトコッカス・ジアセチルラクチス等のストレプトコッカス属、ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシーズ・ラクチス、ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシーズ・クレモリス、ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシーズ・ジアセチラクチス、ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシーズ・ラクチス・バイオバー・ジアセチラクチス等のラクトコッカス属、ロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・クレモリス、ロイコノストック・ラクチス、ロイコノストック・シュードメセンテロイデス等のロイコノストック属等が挙げられる。また、ケフィア菌など、乳酸菌以外の酵母等の微生物が混合されたスターターを用いることも可能である。
なお、この場合、乳酸発酵の後、上記ホエーを分離する前の発酵物又は発酵物からホエーを除去したカードに、必要により塩化ナトリウム、塩化カリウム等の塩化物や、ポリリン酸ナトリウム等のリン酸塩などの塩を添加することができる。これらの添加物は乳酸発酵の前に添加しておくことも可能である。特に、ポリリン酸ナトリウム等の重合リン酸塩を添加することにより、酸味を軽減でき、またリン酸塩の添加によってコク味をより向上させ、ざらつきを軽減して滑らかな食感を増すことができるため好ましい。リン酸塩の添加量は限定されないが、大豆乳酸発酵飲食品中のタンパク質あたり0.5〜15重量%が好ましい。リン酸塩が少なすぎるとざらつきの軽減効果が小さくなり、多すぎると収斂味が強くなる傾向となる。
湿熱加熱処理によりNSI 56とした大豆粉5kgに対して9倍量、60℃の水を加えて懸濁液とし、保温しながら30分間攪拌し、水抽出した。このときのpHは6.5であった。3層分離方式の遠心分離を6,000×gにて連続的に行い、(1)浮上層・(2)中間層・(3)沈殿層に分離させた。そして(2)中間層として減脂豆乳12kgを回収した。得られた画分を凍結乾燥し、一般成分として乾物、並びに、乾物あたりの蛋白質(ケルダール法による)、脂質(クロロホルム/メタノール混合溶媒抽出法による)及び灰分を測定し、さらにSDS-PAGEによりリポキシゲナーゼ蛋白質含量、LPの含量の推定値としてLCI値の分析を行った。表2参照)。また、この減脂豆乳A1を減圧濃縮し、乾物濃度を11.0重量%に高めたものを、減脂豆乳A2とした。
原料の大豆粉としてヘキサン脱脂した脱脂大豆粉(NSI89)を用い、加水倍率を10倍量、抽出時間を30分とした以外は製造例1と同様にして脱脂豆乳を調製した。抽出時のpHは6.5であった。また、この脱脂豆乳B1を減圧濃縮し、乾物濃度を9.3重量%に高めたものを、脱脂豆乳B2とした。
脱皮脱胚軸大豆1部に水10部を加え、85℃で60分間以上浸漬して十分に吸水した脱皮脱胚軸大豆(水分含量40〜55%)1部に対し、熱水(90℃)3部を加えたものをグラインダーで処理し、これに重曹溶液を添加してpHを7.3以上8.0以下に調整した。これをホモゲナイザー(APV社製)に供給し、150kg/cm2で均質化処理した。均質化した磨砕液は遠心分離によって3000Gで5分間分離して豆乳とおからを得た。この原料豆乳(全脂豆乳)は固形分9.0%、蛋白質4.5%でpH7.5であった。
NSIを55に調整した大豆粉20kgに対し、300kgの水を加え、pH6.5に調整し、50℃にて30分攪拌抽出した。遠心分離機にて1,400×g、10分間の分離を行い、クリーム層、中間層、沈殿層(オカラ)に分離した。中間層である豆乳を乾物量12%に濃縮した後、塩酸を適量添加しpH4.5に調整した。更に遠心分離機にて3,000×g,15分間の分離を行い、沈殿を回収した。
分離された沈殿に対して乾物量18%になるよう加水し、水酸化ナトリウム水溶液を適量添加してpH7.5に調整した。加圧加熱殺菌後に噴霧乾燥して、分離大豆蛋白を調製した。
得られた分離大豆蛋白質の分析結果は、乾物量96.0%であり、乾物あたりでそれぞれ蛋白質82.1%,総脂質1.90%(蛋白質あたり2.31%),灰分6.57%、炭水化物5.43%であった。また、植物ステロールは乾物100gあたり10.7mg(脂質100gあたりでは564mg)、イソフラボンの総含量は乾物あたり0.301%であった。
水60.6部を60〜70℃に加熱しながら燐酸二カリウム0.4部を溶解させ、製造例1で得られた減脂豆乳A2を18.2部とシュガーエステル「DXエステルF160」(第一工業製薬(株)製)0.7部と有機酸モノグリセリド「サンソフト641D」(太陽化学(株)製)0.5部を加えて攪拌した。上記豆乳と乳化剤を上記溶液中において溶解あるいは分散させた後、この溶液に精製ヤシ油20部を添加し、予備乳化を行った。
予備乳化後、ホモゲナイザーを用いて15MPaにて均質化させた後、スチームインジェクション方式の直接高温加熱装置(TANAKA FOOD MACHINERY社製)に供給し、144℃、4秒で殺菌した。
殺菌後、ホモゲナイザーを用いて15MPaにて均質化させた後、これらを冷却し、コーヒーホワイトナーを得た。
得られたコーヒーホワイトナーを酸度の高いコーヒーの1つであるキリマンジャロコーヒー(市販品)に添加して、その分散状態を調べると共に風味確認を行い、これらの結果を下記に示した。
なお、コーヒーホワイトナーの分散状態については、コーヒー中に凝集物が形成された場合を5、コーヒー中にフェザリングが激しく認められた場合を4、コーヒー中にフェザリングが認められた場合を3、コーヒー中にフェザリングがやや認められた場合を2、コーヒー中にフェザリングが認められず良好である場合を1として評価し、またコーヒーホワイトナーの風味はパネラー5名にて行い、コーヒーの風味を損ねていない場合を良好、コーヒーの風味を損ねた場合を不良と評価した。
製造例1で得られた減脂豆乳A2 80部を60℃に加熱し、砂糖5部、水溶性大豆多糖類「ソヤファイブ」(不二製油(株)製)1部を水14部に溶解あるいは分散して添加混合した後、ホモゲナイザーで150kg/cm2で均質化処理したものを、スチームインジェクション方式の直接高温加熱装置(TANAKA FOOD MACHINERY社製)にて145℃、4秒加熱を行った。殺菌後、42℃まで冷却し、ラクトバチルス・ブルガリカスおよびストレプトコッカス・サーモフィラスの各種市販乳酸菌(凍結乾燥菌)の個別培養液をスターターとして、各1%ずつ添加し、42℃、6時間、pH4.6となるまで発酵を行った。次いで、7℃まで攪拌冷却して得られたカード状の発酵豆乳を攪拌により均質化し、製品用容器に充填した。
比較として、比較製造例1,2で得られた脱脂豆乳B2及び全脂豆乳を用いて上記と同様にして発酵豆乳を製造した(比較例1,2)。
得られた各発酵豆乳について、製造直後及び製造1週間後(10℃保存)に風味確認を行い、結果を下記に示した。なお、風味評価は5点法で行い、5:おいしい、4:ややおいしい、3:ふつう、2:ややまずい、1:まずい、として評価した。
製造例1の減脂豆乳A2 96部に対し、グルコース3部をホモミキサーを用いて溶解し、オートクレーブにて105℃、2分殺菌を行った後に、38℃まで冷却し、スターターとしてラクトバチルス・カゼイ シロタ株を初発菌数が10の6乗/mlとなるように添加し、38℃で発酵を行い、pH3.6を発酵終点とし、カード状の発酵物を得た。
別途、ポリデキストロース「ライテスウルトラ」(ダニスコジャパン(株)製)7.5部、グラニュー糖11.0部、アスパルテーム甘味料製剤「PAL SWEET DIET」(味の素(株)製)0.04部をホモミキサーを用いて温水に溶解し、オートクレーブにて105℃、1分殺菌を行った後に冷却し、シロップを調製した。
カード状発酵物を均質化して発酵液とし、上記シロップと23:77の比率で混合し、香料を添加し、さらに15MPaで均質化を行い、乳酸菌飲料を得た。この乳酸菌飲料は好ましい発酵風味と甘味を有し、良好であった。
製造例1で得た減脂豆乳A2を下記表の配合例に従い、ホモミキサーにて調合を行い、均質機(APV社製)に供給し、50MPaにて均質化処理を行った。この均質化液をレトルトパウチに充填、密封し、レトルト殺菌機(RCS-40RTG、(株)日阪製作所製)に供給し、121℃、15分にて処理し、高栄養液体食品を製造した。
比較として、減脂豆乳の代わりにカゼインナトリウム(比較例3)、比較製造例2で得た全脂豆乳(比較例4)を用いて上記と同様にして高栄養液体食品を製造した。なお、各例の配合物中の各栄養成分含量は全て同じとした。
製造例1で得られた減脂豆乳A1と比較製造例1で得られた脱脂豆乳B1をスプレードライヤーにて同一条件で粉末化した。これらの豆乳粉末を使用し、下記配合例に従って次の通りアイスクリームを製造した。
温水と水あめをステンレス容器に入れ、温浴を用いて65℃に昇温し、予め計量し混合しておいた粉体原料を加え、卓上ホモミキサー(T.K. HOMOMIXER MARK II)を用いて5,000 rpmで30分撹拌し溶解させ、次いでヤシ油及び減脂豆乳を加え、最後に温水にて水分調整した。この調合液を15MPaで均質化し、5℃で一晩エージングを行い、アイスクリーマー(SIMAC社製)を用いてオーバーランが30%になるまで撹拌し、カップに充填して、ディープフリーザーで−80℃で1時間急冷した後、−18℃で冷凍保存を行った。
得られた各アイスクリームについて、風味を評価した。
実施例5と同じ減脂豆乳粉末を用いて焼菓子のパウンドケーキを下記配合例に従って次の通り製造した。
マーガリンとグラニュー糖を混合してホイップする(比重0.69)。減脂豆乳粉末を加えて混合した後、全卵を乳化させながら加えた。さらに薄力粉を加え、混合して生地を調製した。縦165mm×横65mm×高さ60mmのパウンド型に生地300gを充填し、オーブンにて180℃、45分焼成し、パウンドケーキを得た。
品質比較のため減脂豆乳粉末の代わりに、パウンドケーキに通常使用される脱脂粉乳を用いた例(参考例1)と、比較例5と同じ脱脂豆乳粉末を用いた例(比較例7)について、同様にパウンドケーキを製造した。
製造例1で得られた減脂豆乳A2 100部に対し、チーズ用乳酸菌スターター(クリスチャンハンセン社製)を0.01部添加し、22℃にて24時間発酵させた。発酵後のpHは5.1であった。次に水酸化ナトリウムをpH5.6となるよう添加し、撹拌しながら煮沸加熱し、70℃に達温するまで加熱殺菌を行った。得られた発酵物を一部回収し、ホエー非分離タイプの大豆チーズを得た。
また、同様にして得られた発酵物を遠心分離(9000rpm×20分)し、カードとホエーに分離し、カードを回収してホエー分離タイプの大豆チーズを得た。
比較として、比較製造例2で得られた全脂豆乳を減脂豆乳A2の代わりに用い、同様にしてホエー非分離タイプの大豆チーズを得た(比較例8)。
得られた大豆チーズについて、専門パネラー5名にて風味を評価したところ、ホエー非分離タイプ、ホエー分離タイプとも、比較例8と比べて発酵臭や酢酸臭といった不快味が非常に少なく、チーズらしい良好な風味を有していた。
製造例1で得た減脂豆乳A2を下記表の配合例に従い、ホモミキサーにて調合を行い、均質機(APV社製)に供給し、50MPaにて均質化処理を行った。この均質化液を90 ℃で簡易殺菌し、高栄養液体食品を製造した。
比較として、減脂豆乳の代わりに市販の分離大豆蛋白を用いて上記と同様にして高栄養液体食品を製造した(比較例9)。なお、各例の配合物中のカルシウム・マグネシウム濃度は同じとした。
比較例9では配合中のマグネシウムイオンが蛋白質と結合して凝集してしまったと考えられたため、マグネシウムの低減が必要となる。一方で実施例11ではマグネシウムの低減が必要でなく、その結果マグネシウムの高配合が可能と認められた。
Claims (12)
- 飲食品の製造において、乾物あたりの蛋白質及び炭水化物の総含量が80重量%以上であり、脂質含量(クロロホルム/メタノール混合溶媒抽出物としての含量をいう。)が蛋白質含量に対して10重量%未満、植物ステロールとしてのカンペステロールおよびスチグマステロールの和が脂質100gに対して200mg以上である減脂大豆蛋白素材を、乳原料の一部又は全部の代替として使用することを特徴とする、乳代替飲食品の製造法。
- 飲食品の製造において、乾物あたりの蛋白質及び炭水化物の総含量が80重量%以上であり、脂質含量(クロロホルム/メタノール混合溶媒抽出物としての含量をいう。)が乾物あたり5重量%以下、植物ステロールとしてのカンペステロールおよびスチグマステロールの和が脂質100gに対して200mg以上である減脂大豆蛋白素材を、乳原料の一部又は全部の代替として使用することを特徴とする、乳代替飲食品の製造法。
- 該減脂大豆蛋白素材が豆乳又は分離大豆蛋白である、請求項1又は2記載の乳代替飲食品の製造法。
- 該減脂大豆蛋白素材が粉末タイプ、濃縮タイプ又は液状タイプである、請求項1〜3の何れか1項記載の乳代替飲食品の製造法。
- 該減脂大豆蛋白素材にさらに油脂が添加され、水中油型乳化されたものを使用する、請求項1〜4の何れか1項記載の乳代替飲食品の製造法。
- 該減脂大豆蛋白素材にさらに糖類が添加され、加糖タイプに調製されたものを使用する、請求項1〜5の何れか1項記載の乳代替飲食品の製造法。
- 飲食品が、乳製品、ソース類、ベーカリー製品、菓子類又は高栄養液体食品である、請求項1〜6の何れか1項記載の乳代替飲食品の製造法。
- 乳製品が、ヨーグルト、乳酸菌飲料、クリーム類、アイスクリーム類、チーズ、マーガリン、育児用粉乳である、請求項7記載の乳代替飲食品の製造法。
- 無脂肪ないし低脂肪タイプである、請求項7又は8記載の乳代替飲食品の製造法。
- 該乳代替飲食品が大豆乳酸発酵飲食品であって、該減脂大豆蛋白素材を含む原料を乳酸菌で発酵させて得られることを特徴とする、請求項1又は2記載の乳代替飲食品の製造法。
- 乾物あたりの蛋白質及び炭水化物の総含量が80重量%以上であり、脂質含量(クロロホルム/メタノール混合溶媒抽出物としての含量をいう。)が蛋白質含量に対して10重量%未満、植物ステロールとしてのカンペステロールおよびスチグマステロールの和が脂質100gに対して200mg以上である減脂大豆蛋白素材の、乳代替組成物としての使用。
- 乾物あたりの蛋白質及び炭水化物の総含量が80重量%以上であり、脂質含量(クロロホルム/メタノール混合溶媒抽出物としての含量をいう。)が乾物あたり5重量%以下、植物ステロールとしてのカンペステロールおよびスチグマステロールの和が脂質100gに対して200mg以上である減脂大豆蛋白素材の、乳代替組成物としての使用。
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