〔構成の説明〕
以下、本発明の実施形態を図に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る液晶表示装置は図1,図2に示すように、基本的な構成として、液晶パネルを形成する単位画素内に反射領域1があり、反射領域1が横電界方式、かつ、ノーマリホワイトで駆動され、反射領域1の液晶層9に電界を形成する駆動電極(反射共通電極28及び反射画素電極29)が反射板4上に絶縁膜(平坦化膜27)を介して設けられ、前記駆動電極が不透過の導電体で形成されていることを特徴とするものである。
本発明の実施形態では、駆動電極である反射画素電極29、あるいは、反射共通電極28を不透過の導電体で形成している。このため、図3に示すように、黒表示時の反射共通電極28、あるいは、反射画素電極29上の液晶層9を通過した光Aが、反射板4に達することを抑えることができる。つまり、電極28,29上の液晶層9を通過して反射板4に入射し、反射板4で反射して液晶層9を通過する光がないため、黒表示時の光漏れを防ぐことができる。
反射板4に入射して反射する光の中には、図3に示すように、電極28,29間の液晶層9を通過して反射板4に到達して反射し、電極28,29上の液晶層9を通過する光Bも存在する。この光は入射、反射する過程で黒表示となる偏光状態とならないので、光漏れの原因となるが、電極28,29が不透過であるので、この光も抑制することができる。
また、電極28,29が不透過の材料で形成されているので、電極のパターニングの工程においてフォトリソグラフィ法でレジストに露光を行う際、露光光が反射板4に到達することはない。従って、レジストへの露光を電極の形状通りに行うことができ、電極のパターニングを精度良く実施できる。
次に、本発明の実施形態に係る液晶表示装置を具体例に基づいて更に詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液晶表示装置の液晶パネルを形成する単位画素を示す平面図、図2は、図1に示す単位画素の点線部に沿って断面した断面図である。
本発明の実施形態1に係る液晶表示装置の液晶パネルを形成する単位画素は図1及び図2に示すように、反射領域1と透過領域2とを有し、液晶パネル全体にマトリクス状に設けられたデータ線20と走査線21によってその対応範囲が区画されている。
まず、下部基板3について説明をする。下部基板3は、各積層部分が主に表示部材駆動用の各種機能を備えたものからなり、ガラス基板14に堆積された絶縁膜の上に、走査用信号が入力される走査線21、データ信号が入力されるデータ線20、透過領域2の基準電位が入力される透過共通電極12、反射領域1の基準電位が入力される反射共通電極28、液晶層9に所望の電界を印加するための反射画素電極29、あるいは、透過画素電極11、また、それぞれの単位画素に対応して形成されたスイッチング素子等がある。また、液晶層9側に図示しない配向膜がある。
前記スイッチング素子は、ゲート電極、ドレイン電極、ソース電極、アモルファスシリコン層を備え、走査線21とデータ線20との交点付近に設けられている。前記スイッチング素子のゲート電極が走査線21に、ドレイン電極がデータ線20に、ソース電極22が画素電極11、29に電気的にそれぞれ接続されている。
ガラス基板14上に反射共通配線及び透過共通配線23、走査線21がそれぞれ形成され、その上に絶縁膜24が成膜される。前記絶縁膜24上には、データ線20、スイッチング素子のドレイン電極、ソース電極、アモルファスシリコン層が形成され、その上に絶縁膜25が成膜される。前記絶縁膜25上には、反射領域1に対応する部分に表面に凹凸形状を有する凹凸膜26があり、さらにその上には反射板4が形成される。反射板4は凹凸膜26上に形成されるので、その表面は凹凸形状となり、液晶パネルに入射した光を拡散反射させる。さらに、前記反射板4上には平坦化膜27が形成される。また、平坦化膜は、透過領域2も含めて形成してもよい。
凹凸膜26と平坦化膜27とは、透過領域2と反射領域1との液晶層9の厚さを変更する液晶層厚調節の機能も有し、各領域1,2の液晶層9の厚さを所望の値にするようにそれらの膜厚が調節される。反射領域1の平坦化膜27上には、Cr,Mo,Ni等の不透過の導電材料で反射共通電極28と反射画素電極29とが形成され、また、透過領域2の平坦化膜27にはITO等の透明性導電材料で透過画素電極11と透過共通電極12とが形成される。ここで、図4に示すように、透過共通電極12’を反射領域1の電極28,29と同様に不透過の導電体で形成しても良い。
反射領域1、及び、透過領域2に形成される反射共通電極28と反射画素電極29、透過共通電極12と透過画素電極11とは図1に示すように、互いに平行に対向して形成され、反射共通電極28と反射画素電極29、透過共通電極11と透過画素電極12との間の電界によって反射領域1、あるいは、透過領域2の液晶が横方向電界モードとして駆動する。ここで、反射共通電極28と透過共通電極11とはガラス基板14上に形成された反射共通配線、あるいは、透過共通配線23と、反射画素電極29及び透過画素電極11は絶縁膜24上に形成されたソース電極22と電気的に接続される。反射共通電極28は、反射共通配線から反射共通信号が供給されるが、反射共通配線を形成せず、反射共通電極に直接、反射共通信号を供給することも可能である。このときは、反射共通電極28に接続部30を形成する必要はない。
ところで、反射領域1の反射共通電極28と反射画素電極29とはフォトリソグラフィ法によってパターニングされ、平坦化膜27上に不透過の導電材料膜をスパッタし、マスキングのレジストを塗布し、所要のマスクを介して露光、現像後、前記材料に対応してエッチング液に浸して余分な膜を除去し、レジストの剥離を経て所望の電極が作成される。この方法は、その他の配線、電極の形成にも用いられる。
さらに、図5〜図12を参照して、下部基板の作製プロセスについて詳細に説明する。これら図中の(a)は平面図を示し、その他は、各部の断面図を示している。
まず、ガラス基板14上に、ゲート線31、反射共通配線37a、及び透過共通配線23を、図5(a)に示すパターンで形成する。このときの反射領域1、透過領域2、及び、反射領域1と透過領域2との境界部(段差部)のそれぞれの断面は、図5(b)〜(d)に示すようになる。反射領域1では、反射板4に電位を与えるために、反射共通配線37aが、表示領域内に突き出すように形成される。その後、ゲート線31、反射共通配線37a、及び、透過共通配線23を絶縁層24で覆う(図6(b)参照)。
次いで、図6(a)に示すように、スイッチング素子を形成するための半導体層39を形成する。この半導体層39の形成では、同図(b)に示すように、半導体層が、ゲート線31(ゲート電極31)とオーバラップするように形成される。その後、図7(a)に示すパターンで、スイッチング素子のソース電極に接続される反射画素電極配線35a、透過画素電極配線36aを形成する。
反射領域1、透過領域2、及び、反射領域1と透過領域2との境界部(段差部)のそれぞれの断面は、図7(b)〜(d)に示すようになる。反射領域1では、隣接する画素電極配線35aの間に、反射共通配線37aが形成される。また、反射共通配線37aは、表示領域において、画素電極配線35aと反射共通配線37aとの面積比が1:1となるように形成される。これは、画像表示時に、後に形成する反射板4に、反射画素電極29と反射共通電極28との中間電位を与えるようにするためである。反射画素電極配線35a、透過画素電極36aの形成後、その上を絶縁層25で覆う(図8(b)参照)。
引き続き、凹凸膜26を、図8に示すように形成する。この凹凸膜26は、同図(b)〜(d)に示すように、断面が凹凸を有するように形成される。凹凸膜26の上にAl層を形成し、図9(a)に示すパターンで、反射領域1に反射板4を形成する。このときの反射領域1、透過領域2、及び、反射領域1と透過領域2との境界部のそれぞれの断面は、同図(b)〜(d)に示すようになる。
反射板4を形成した後、図10(a)に示すパターンで、平坦化膜27を形成する。この平坦化膜27の形成により、同図(d)に示すように、反射領域1と透過領域2との境界に段差が生じ、双方の領域において、液晶層の厚さが調整される。
その後、図11(a)に示す位置に、画素電極配線35a,36a、反射共通配線37a、及び、透過共通配線38aを覆う絶縁層に接続部30を形成し、画素電極配線35a,36a、反射共通配線37a、及び、透過共通配線38aを露出させる(同図(b))。
接続部を形成した後、図12(a)に示すパターンで、平坦化膜27上に、反射及び透過画素電極29、11と、反射共通電極28と、透過共通電極12とをそれぞれ形成する。反射画素電極29及び反射共通電極28は不透過の導電体で、透過画素電極11及び透過共通電極12はITOで形成される。
このとき、透過画素電極11および透過共通電極12を形成し、その後、反射画素電極29及び反射共通電極28が形成される。画素電極配線36a及び透過共通配線38a等は低抵抗、高遮光性である方が望ましく、それらの材料は反射画素電極29及び反射共通電極28で用いる不透過の導電体と同じエッチング液で消失する可能性がある。透過画素電極11及び透過共通電極12と画素電極配線36a及び透過共通配線38aとの接続部30とがITOで覆われることで、反射画素電極29及び反射共通電極28の形成時のエッチングで電極配線36a及び透過共通配線38aの接続部が消失することを防ぐ。
反射領域1、透過領域2、及び、反射領域1と透過領域2との境界部におけるそれぞれの断面は、同図(b)〜(d)に示すようになる。この反射及び透過画素電極29、12、反射共通電極28、及び、透過共通電極12の形成では、各電極と、画素電極配線35a、36a、反射共通配線37a、及び、透過共通配線38aとを、それぞれ接続部30を介して接続する。以上の工程により、本実施形態の下部基板3が製造される。
次に、対向基板について説明をする。対向基板8は、各積層部分が主に表示部材駆動用の各種機能を備えたものからなり、ガラス基板13を基準にして液晶層側に向けて、遮光膜としてのブラックマトリクス層と、このブラックマトリクス層に部分的に重なりあっている色層と、透明な平坦化膜と、配向膜とが順次積層されている。なお、図2では、平坦化膜27aのみを図示している。
下部基板3及び対向基板8のガラス基板側には図示しない偏光板が配置され、それらの透過軸は直交している。また、偏光板の透過軸と下部基板3及び対向基板8の配向膜とによる液晶の配向方向は、直交または平行に設定される。
以上の構成の説明は横方向電界モードのうち、IPS(In Plane Switching)モードを適応した場合であるが、FFS(Fringe Field Switching)モードを適用してもよい。この場合、例えば反射領域1では反射板4が反射画素電極29となり、平坦化膜27上には不透過の導電体で形成された反射共通電極28のみが設けられる。
(実施形態1の動作の説明)
透過共通電極12と反射共通電極28には互いに反転した信号が供給され、データ線20に接続された透過画素電極11及び反射画素電極29には同一の信号が供給される。例えば透過画素電極11及び反射画素電極29には0V〜5Vの任意の信号が供給される。反射画素電極29に0Vの信号が、反射共通電極28に5Vの信号が供給されているときは、反射画素電極29と反射共通電極28との間の電位差は最大で5Vとなり、反射領域1の液晶層9は、この5Vの電位差による横方向電界で駆動される。
以下、図13を用いて、反射領域1での黒表示時の偏光状態の変化について説明する。対向基板8の入射光側に設置されている偏光板27bによって90°の直線偏光に変換された入射光が、反射領域1の液晶層9に入射する。反射領域1の液晶層9は前記横方向電界によって回転し、液晶分子の長軸と入射光の偏光方向とのなす角は45°となる。この状態でリタデーションが4分の1波長に設定された液晶層9を通過すると、90°の直線偏光は右回りの円偏光となり反射板4に到達する。反射板4で反射されると、右回りの円偏光は左回りの円偏光となり、液晶層9を通過する。液晶層9を通過した左回りの円偏光は0°の直線偏光となる。この0°の直線偏光は偏光板27bの透過軸と直交しているため、偏光板27bを通過することができず黒表示となる。
一方、透過共通電極12には反射共通電極28に供給される信号と反転した信号、すなわち、0Vの信号が供給される。したがって、透過画素電極11には反射画素電極29と同電位の0Vの信号が印加されているため、透過領域2の液晶層9には電界が発生せず、液晶分子は配向膜による配向方向を保つ。
以下、図14を用いて、透過領域2での黒表示時の偏光状態の変化について説明する。図54に示すように、下部基板3の液晶層9とは反対側の位置に設置されたバックライトからの光は、下部基板3とバックライトの間にある偏光板27cによって0°の直線偏光に変換される。液晶分子は配向膜によって偏光板27cの透過軸に平行、あるいは、直交するように配向されているので、偏光板27cを通過した光は液晶層9を通過しても、その偏光状態は変化しない。対向基板8に設置されている偏光板27bの透過軸は90°であるので、0°の直線偏光は対向基板8側の偏光板27bを通過できず黒表示となる。
(効果の説明)
本発明の実施形態1による効果について説明する。図55に示したように、反射共通電極28と反射画素電極29の間は、基板に対して平行な電界が発生し、この電界によって基板面内で液晶分子が回転している。一方、反射共通電極28及び反射画素電極29上やその付近は、基板に対して平行な電界は発生していない。従って、反射共通電極28及び反射画素電極29上やその付近の液晶分子は、基板面内で回転できず、また、基板断面から見たとき斜め方向に動くものも存在する。
図13に示したように、4分の1波長のリタデーションを持つ液晶層9の光軸、つまり、液晶分子の長軸が基板面内で回転した場合は、対向基板8側から見たとき、液晶層9に入射する直線偏光の光軸と液晶分子の長軸が45°の角度をなし、直線偏光は円偏光に変換される。また、反射した円偏光は液晶層9を通過して再び直線偏光に変換され、その光軸は入射したときの直線偏光の光軸と直交している。
液晶分子の長軸が基板面内で回転しない場合は、液晶層9に入射する直線偏光の光軸と液晶分子の長軸が45°の角度をなさないので、直線偏光は円偏光に変換されない。また、基板断面から見たときに液晶分子の長軸が斜め方向を向く場合、対向基板8側から見たときの液晶分子の複屈折は小さくなる。そのため、対向基板8側から見たとき液晶層9に入射する直線偏光の光軸と液晶分子の長軸が45°の角度をなしている場合でも、複屈折に比例する液晶層9のリタデーションは4分の1波長より小さくなり、液晶層9を通過しても円偏光に変換されない。したがって、電極28,29上やその付近の液晶層9を通過し、反射板4で反射し、液晶層9を通過していく光は、黒表示を実現する偏光状態の変化をしない。しかし、電極28,29が不透過の導電体で形成されているので、この光を反射板に到達させることを防ぎ、黒表示時の光漏れを抑制できる。
さらに、電極28,29の間の液晶層9を通過して反射板4に達し、反射板4で反射し、電極28,29上やその付近の液晶層9を通過していく光は、反射板4で反射した時点では円偏光であるが、再び液晶層9を通過して偏光板に達したとき直線偏光とならず、黒表示を実現できない。しかし、電極28,29が不透過の導電体で形成されているので、電極28,29は反射板4で反射した光を遮光する。つまり、電極28,29間の液晶層9を通過して円偏光状態になった光の内、反射板4で電極28,29の方向に反射した光が再び液晶層9に侵入することを防ぐため、黒表示時の光漏れを抑制できる。
図3,図4のように、透過共通電極12及び12’は、データ線20上を覆うように形成される。透過領域1が黒表示時、透過共通電極12と透過画素電極11との間に電界は発生せず、液晶分子は回転しないが、データ線20からの電界により、データ線脇の液晶分子が動き、透過領域2の光漏れが発生する。しかし、図4のように透過共通電極が不透過の導電体で形成された透過共通電極12’である場合、この光漏れは遮光できる。よって、対向基板8側に遮光のためのブラックマトリクスを配置する必要がないので、開口率を高める効果がある。
図15は、反射共通電極28及び反射画素電極29をITOで形成したパネルと、不透過の導電体であるMoで形成したパネルでの反射表示のコントラスト比の実測値を示したものである。電極28,29を不透過の導電体としたことによって、コントラスト比が約1.4倍に増加した。また、図16はそれぞれのパネルの白表示時及び黒表示時の反射率を示している。MoのパネルはITOのパネルに対して白表示及び黒表示の反射率は減少しているが、黒表示の反射率の減少割合が大きい。よって、反射表示のコントラスト比が増加している。上述した反射率は、ハロゲンランプのスポット光源を例えば硫酸バリウムで作成された標準白色板に照射し、反射した光の強度を100%としたときの値とした。
反射共通電極28及び反射画素電極29の形成時には、以下のような効果がある。反射共通電極28及び反射画素電極29の平坦化膜上のパターニングには、フォトリソグラフィ法が用いられる。平坦化膜上に例えばMoのような不透過の導電材料をスパッタし、薄膜が成膜される。スパッタした膜上にポジ型のフォトレジストを塗布する。次に電極を形成する部分が遮光部となっているマスクを用いて露光する。露光された部分は現像液に対して可溶となり、現像後は電極を形成する部分のみにレジストが残る。電極を形成する薄膜が不透過であるので、露光光が反射板4に到達せず、レジストへの露光が適切に行われ、電極が精度よくパターニングされる。また、細い電極のパターニングも精度よく実施できるので、高精細のパネルの作製にも有利である。
ところで、透明導電体材料であるITOと不透過の導電材料であるMoの面抵抗は、それぞれ約5.2×(10の−6乗)Ω・m、約2.0×(10の−7乗)Ω・mで、MoはITOより抵抗が小さい。したがって、反射共通電極をMoで形成した場合、実施形態の構成で述べたように、反射共通配線29を形成せずに、反射共通電極28を反射共通配線として機能させることが可能で、接続部30を削除することができる。反射共通配線と反射共通電極の接続部を削除した場合、図17のように反射共通電極と反射画素電極が平行に対向する部分、つまり、液晶層に適切な横方向電界を印加できる部分が増える。よって、対向基板側に設けられていた遮光のためのブラックマトリクスの面積を小さくすることができ、単位画素の開口率が上がる効果も得られる。
(実施形態2)
図18は、本発明の実施形態2に係る液晶表示装置の液晶パネルを形成する単位画素を示す平面図である。また、図19は、図18に示す単位画素での点線部に沿って断面した断面図である。
本発明の実施形態2では、図1に示す実施形態1を変更した例であって、単位画素内に設定される透過領域2の透過共通電極12’’及び透過画素電極11’’が、図1及び図2に示す反射領域1の反射共通電極28及び反射画素電極29と同様に、同一の不透過の導電体で形成されていることを特徴とするものである。
本実施形態2では、平坦化膜27上に、透過共通電極12’’及び透過画素電極11’’、反射共通電極28及び反射画素電極29を同一の不透過の導電体を用いて同時に形成する。
(実施形態2の効果)
本発明の実施形態2では、反射共通電極28及び反射画素電極29、透過共通電極12’’及び透過画素電極11’’を同時に形成することで、工程の削減が可能になる。
反射共通電極及び反射画素電極をMoのような不透過の導電体で、透過共通電極及び透過画素電極をITOのような透明導電体で作成する場合、スパッタ、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、レジスト剥離の一連の工程を2回行わなければならない。しかし、本実施形態2では、前記工程が1回となり、製造時間と製造コストの削減につながる。
また、実施形態1では、反射共通配線と反射共通電極との接続の削減による開口率への効果について説明したが、本実施形態2では、さらにその効果を高めることができる。つまり、実施形態1の構成で説明したように、透過共通配線を形成せず透過共通電極に透過共通配線の機能も持たせることによって、接続部を除去することで、液晶層に適切な横方向電界を印加できる部分が増える。よって、対向基板側に設けられていた遮光のためのブラックマトリクスの面積をさらに小さくすることができ、単位画素の開口率がさらに上がる。
(実施形態3)
図20は、本発明の実施形態3に係る液晶表示装置の液晶パネルを形成する単位画素を断面した断面図である。
本実施形態3では、実施形態1及び2の液晶表示装置における反射領域の構成を変更したものであって、不透過の反射共通電極28及び反射画素電極29の上に反射防止層40を形成したことを特徴とするものである。
前記反射防止層40の材料としては、例えば金属の酸化物が選ばれる。反射共通電極28及び反射画素電極29の形成時に不透過の導電体であるCr、さらに連続して酸化Crをスパッタする。その後、通常のパターニングの工程を行うことで、不透過の導電体上に反射防止層40が積層した反射共通電極28及び反射画素電極29が形成できる。
スパッタは、いわゆる反応性スパッタとして実施することができ、アルゴン等の希ガスを含めた窒素等の不活性ガス、酸素ガス、CO,CO2などの酸化炭素ガスがそのための雰囲気の代表例として示される。また、不透過導電体と反射防止膜のパターニングは同一のパターニング工程にて一括で行われることが好ましい。なぜなら、これらは反射共通電極28又は反射画素電極29であるため、微細なパターニング精度が求められるからである。
以上では、不透過導電膜/反射防止膜の組み合わせである金属膜/酸化膜の例としてCr/酸化Crの構成を示したが、NiとWの合金であるNiWを使ったNiW/酸化NiWの例や、NiとW、Alの合金であるNiWAlを使ったNiWAl/酸化NiWAlの構成をとることも可能なのはいうまでもない。また、金属膜/酸化膜の2層積層膜の構成のみでなく、金属膜/窒化膜/酸化膜の3層積層膜の構成をとることも可能であることはいうまでもない。
液晶層9の屈折率をNlc、反射防止層40の屈折率をN、膜厚をD、不透過の導電体(反射共通電極28、反射画素電極29)の屈折率をNsとしたとき、反射を抑制したい光の波長をλとする。このとき、反射防止の条件は、
N=(Nlc・Ns)1/2, ND=λ/4 ・・・式(1)
となる。以上の式は、不透過の導電体層(28,29)の消光係数、液晶層9の波長分散を考慮しない近似した垂直入射の条件式であるが、この条件式を満たすように反射防止層40の屈折率と膜厚とを設定するで、十分な反射防止の機能が得られる。
反射共通電極28及び反射画素電極29の材料として不透過の導電体をCr、反射防止層40をCr2O3とする。Crの屈折率はおよそ3.1、液晶層9の屈折率は一般的にはおよそ1.5であるので、上記式(1)を満たすNを計算すると、およそ2.2となる。Cr2O3の屈折率もおよそ2.2であるので、反射防止の機能は十分に得られる。また、Cr2O3はCrスパッタ時に酸素を導入することで成膜できることから、Cr膜、Cr2O3膜の連続形成は容易である。ここで、R,G,Bの画素毎に入射する光の波長は異なるので、R,G,Bの画素毎に反射防止層40の膜厚を変更しなければならないが、工程が煩雑になるので、視認性の高いGの波長に合わせて膜厚を設定する。
ここまでは、反射共通電極28及び反射画素電極29上へ反射防止層40の成膜を述べたが、実施形態2のように不透過の導電体で形成された透過共通電極12及び透過画素電極11上に反射防止層40を成膜してもよい。
(実施形態3の効果)
反射領域1の黒表示時における光漏れの原因として、反射共通電極28及び反射画素電極29上での入射光の反射も考えられる。実施形態1の効果で説明したように、反射共通電極28及び反射画素電極29上の液晶層9には、適切な横方向電界が発生しないため、黒表示を実現させるような液晶分子の回転は発生しない。そのため、反射共通電極28及び反射画素電極29上の液晶層9を通過して反射共通電極28及び反射画素電極29上で反射し、再度反射共通電極28及び反射画素電極29上の液晶層9を通過していく光、反射共通電極28及び反射画素電極29上の液晶層9を通過して反射共通電極28及び反射画素電極29上で反射し、反射共通電極28及び反射画素電極29の間の液晶層9を通過していく光、反射共通電極28及び反射画素電極29の間の液晶層9を通過して反射共通電極28及び反射画素電極29上で反射し、反射共通電極28及び反射画素電極29上の液晶層9を通過していく光は、黒表示を実現する偏光状態の変化をしない。
しかし、反射共通電極28及び反射画素電極29上に反射防止層40を設けることで、それらの光が反射表示に寄与することを抑制する。500Åの膜厚のCr上に500Åの膜厚のCr2O3を形成したときの電極上の反射率を、膜を構成する物質の屈折率と消光係数を元にフレネルの式より計算すると26%となった。Mo単層の反射率がおよそ47%であることから、上記の膜厚設定で反射防止が可能である。
図21は反射領域のコントラスト比の反射共通電極28、及び、反射画素電極29上の反射率依存性を計算した結果である。電極上の反射率が低くなると、電極上に入射した光が反射表示に寄与することが抑制され、黒表示の光漏れが無くなりコントラスト比が大きくなる。図22は、500Åの膜厚のCrで形成された反射共通電極28及び反射画素電極29上に500Åの膜厚の酸化Crからなる反射防止層40が形成された液晶パネルと、500Åの膜厚のMoで形成された反射共通電極28及び反射画素電極29のみの液晶パネルによる反射表示のコントラスト比の実測値を示したものである。コントラスト比はCr、酸化Crの2層膜はMo単層膜の約1.3倍となった。図21によると電極上の反射率が26%のとき、すなわち、Cr上に酸化Crを形成した電極構造としたときの反射領域のコントラスト比は約14:1、電極上の反射率が47%のとき、すなわち、Mo単層の電極構造としたときのコントラスト比は約10:1となり、Cr、酸化Crの2層膜はMo単層膜の1.4倍となる。実測値は計算によるコントラスト比の増加の効果を再現しており、電極上の反射率を低くすることはコントラスト比を大きくする効果があると認められる。
反射共通電極28及び反射画素電極29上が不透過の導電体と反射防止層40の2層膜で形成されていることで、電極の反射率が低くなり、コントラスト比が向上する効果が得られるが、少なくとも電極の対向基板8側から見た反射率が反射板4の反射率よりも低く抑えられていれば良い。反射板4には主にAlが使用される。Alの反射率はおよそ89%であるので、反射率がそれよりも小さい、Cr、Mo、Ni等の不透過の導電体のみで反射共通電極28及び反射画素電極29が形成されていても、同様の効果が現れる。
(実施形態4)
本発明の実施形態4では、図20に示す実施形態3の反射防止層40がその膜厚が30〜60nmとなるように、Crの酸化物、Niに他の元素を含むNi合金の酸化物、ITOで形成され、不透過の反射共通電極28と反射画素電極29がその膜厚が50nmとなるようにCr、Niに他の元素を含むNi合金、Mo、Tiで形成されている。これらの材料は、反射防止膜40と反射共通電極28、反射画素電極29の2層膜の反射率の低さと製造工程の容易さとを考慮して選ばれるものである。ここでは示さないが、そのほかの候補としては、反射電極材料にはZnなどもあり、また反射防止膜としてはZnならびにZn合金の酸化物(InGaZnの合金酸化物)などが考えられる。
(実施形態4の効果)
図23は反射防止層40と反射共通電極28、及び、反射画素電極29との材料の組み合わせによる反射率の計算値である。図中のグラフの横軸の膜厚は反射防止層40の膜厚を表している。反射共通電極28、反射画素電極29は50nmとして計算を行った。また、図23(a)〜(d)はそれぞれ反射共通電極28、及び、反射画素電極29をCr、Ni合金(NiW,NiWAlなど)、Mo、Tiで形成したときの反射率を表している。どの組み合わせにおいても、反射防止層40の形成によって反射率が低下しており、反射防止の機能が得られる。
Ti−ITOの組み合わせを含み、最良となる最小反射率、及びそのときの透過導電体(反射防止層)の最良の膜厚を示す。
Cr−Crの酸化物の場合:
最小反射率:26%、最小反射率での膜厚=50nm
Cr−Ni合金の酸化物の場合:
最小反射率=30%、最小反射率での膜厚=45nm
Cr−ITOの場合:
最小反射率=38%、最小反射率での膜厚=60nm
Ni合金−Crの酸化物の場合:
最小反射率=22%、最小反射率での膜厚=43nm
Ni合金−Ni合金の酸化物の場合:
最小反射率=25%、最小反射率での膜厚=40nm
Ni合金−ITOの場合:
最小反射率=35%、最小反射率での膜厚=55nm
Mo−Crの酸化物の場合:
最小反射率=17%、最小反射率での膜厚=45nm
Mo−Ni合金の酸化物の場合:
最小反射率=21%、最小反射率での膜厚=43nm
Mo−ITOの場合:
最小反射率=29%、最小反射率での膜厚=58nm
Ti−Crの酸化物の場合:
最小反射率= 6%、最小反射率での膜厚=30nm
Ti−Ni合金の酸化物の場合:
最小反射率= 8%、最小反射率での膜厚=30nm
Ti−ITOの場合:
最小反射率= 9%、最小反射率での膜厚=40nm
上記の反射防止層40と反射共通電極28、及び、反射画素電極29の組み合わせにおいて、反射率が最も低くなる反射防止層40の最適膜厚が存在し、それは30nm〜60nmの範囲に分布する。従って、上記材料のいずれの組み合わせにおいても、反射防止層40の膜厚が30nm〜60nmの範囲に収まれば、反射防止層40は反射防止の機能を有する。上記の材料のうち、反射防止層40をCrの酸化物に、反射共通電極28、及び、反射画素電極29をTiにしたとき、反射率が最も低く抑えられコントラスト比が最も大きくなる。反射共通電極28、及び、反射画素電極29の膜厚は50nmであるが、この値に限るものではない。しかし、この膜厚が大きくなると、反射防止膜40を含めた反射共通電極28、及び、反射画素電極29の総厚がさらに増え、反射共通電極28、及び、反射画素電極29と平坦化27とで形成される段差によりディスクリネーションやラビング不良が発生する可能性がある。従って、反射共通電極28、及び、反射画素電極29の膜厚は100nm以下であることが好ましい。
以上より、これらの金属膜/酸化膜の組み合わせでは、金属膜100nm以下、酸化膜30nm〜80nmの範囲(好ましくは30nm〜60nmの範囲)において、反射共通電極28及び反射画素電極29の反射率は5%以上40%以下になるが、図21よりコントラスト比は10:1〜30:1の範囲の値となり、半透過型液晶表示装置の反射モードとして、良好な画像が視認されることとなる。
尚、反射防止層40をITOに、反射共通電極28、及び、反射画素電極29をTiにし、さらに、そのITOを形成するときに同時に透過共通電極12、及び、透過画素電極11をITOで形成する。この材料の組み合わせにより、反射領域のコントラスト比が大きくなると共に、透過領域の電極がITOで形成されているため、最小限の工程の増加で高透過率が実現できる。
(実施形態5)
図24は、本発明の実施形態5に係る液晶表示装置の液晶パネルを形成する単位画素を、その反射領域の反射画素電極及び反射共通電極付近で断面した断面図である。
本実施形態5では図24に示すように、実施形態1〜3の構成を変更した例であって、反射共通電極28及び反射画素電極29の直下の平坦化膜27が平坦になっていることを特徴とするものである。
絶縁膜25上の凹凸膜26は反射板4に拡散反射機能を持たせるため、その表面は1μm程度の段差がある。平坦化膜27は凹凸膜26の段差を緩和する働きがあるので、平坦化膜27の膜厚を大きくすると、平坦度が増す。しかし、反射共通電極28と反射共通配線との接続部等、平坦化膜27を除去しなければならない部分があること、また、平坦化膜27で反射領域1と透過領域2との液晶層9の厚さを設定することから、平坦性を高めるためにその膜厚を極端に大きくすることは適切ではない。膜厚を大きくすると、平坦化膜27の除去が完全にできなくなる可能性がある。さらに、反射領域1と透過領域2の液晶層9の厚さの差が小さくなり、それぞれの液晶層の適切なリタデーションが得られなくなる。したがって、平坦化膜27の膜厚を大きくせずに反射共通電極28及び反射画素電極29の直下の平坦化膜27を平坦にするには、反射共通電極28及び反射画素電極29の形成箇所に対応する部分の凹凸膜26の表面を平坦にすればよい。
以下、本実施形態5の凹凸膜26の形成について説明する。絶縁膜25上にポジ型レジストを塗布し、マスクを用いてレジストを露光する。マスクには凹凸膜26に形成するパターンが遮光部として設けられ、さらに、反射共通電極28及び反射画素電極29を形成する部分にパターンの除去部がある。このパターンの除去部は、反射共通電極28及び反射画素電極29を形成する部分よりも大きくしても良い。このようなマスクでレジストを露光して、現像、焼成することにより、反射共通電極28及び反射画素電極29を形成しない部分は凹凸に、反射共通電極28及び反射画素電極29を形成する部分は平坦になった凹凸膜26が作成される。
このような凹凸膜26を形成することにより、反射板4の上に形成する平坦化膜27の膜厚に関わらず反射共通電極28及び反射画素電極29の直下の平坦化膜が平坦になる。
(実施形態5の効果)
反射共通電極28及び反射画素電極29の直下の平坦化膜27が平坦になると、反射共通電極28及び反射画素電極29の表面も平坦となる。実施形態1〜3で示したように、反射共通電極28及び反射画素電極29は不透過の導電体、あるいは、不透過の導電体と反射防止層40の2層膜で構成されるが、それぞれの電極の反射率は不透過の導電体がMoで形成されているときは60%、不透過の導電体と反射防止層40の2層膜がCrとCr2O3で形成されているときは26%である。したがって、電極直下の平坦化膜27が平坦でない場合、それらの電極の表面も平坦ではないので、電極上で拡散反射が起こり、黒表示時の光漏れとして反射表示の視認性を落とすが、本実施形態5では上記拡散反射が抑えられる。電極上が平坦であると、電極に入射し反射する光は正反射成分が多くを占め、拡散反射光として認識されにくくなり、黒表示時の光漏れとしても観察されない。
(実施形態6)
図25は、本発明の実施形態6に係る半透過型液晶表示装置の液晶パネルを形成する単位画素を断面した断面である。
本発明の実施形態6に係る液晶表示装置は、反射領域1の反射共通電極28と透過領域2の透過共通電極12とを有し、それぞれの電極28,12に異なる信号が与えられる半透過型液晶表示装置であって、反射領域1の対向基板8側に位相差層50が形成されていることを特徴とするものである。
具体的に説明すると、本実施形態6では図25に示すように、表示面側から見て、第1偏光板51、対向基板8、位相差層50、初期配向がホモジニアス配向の液晶層9、下部基板3及び第2偏光板52を順次に有している。第1偏光板51の光軸と第2偏光板52の光軸とは、互いに直交している。また、液晶層9の電圧無印加時の液晶配向方向と、第1偏光板52及び第2偏光板52の光軸とは、直交又は平行である。
本実施形態6では図25に示すように、反射領域1に対応して、第1偏光板51と液晶層9との間に位相差層50を有する。位相差層50のリタデーションは、波長λ=550nmの光に対して、リタデーションが2分の1波長となるように設定する。
位相差層50の光学軸と、第1偏光板51の光軸との間の角度θ1は、0°<θ1<22.5°の範囲の値とする。すなわち、位相差層50の光学軸は、第1偏光板51を透過して位相差層50に入射する直線偏光の偏光方向に対して、θ1(0°<θ1<22.5°)だけ傾けて配置する。
図26に、位相差層50の光学軸と第1偏光板51から入射する直線偏光の方向との間の角度θ1と反射率との関係を示す。位相差層50の位相差を波長550nmの光でλ/2とした場合、反射領域1における反射率は、θ1が0°〜22.5°の範囲で連続的に変化しており、22.5°で反射率が0%となってしまう。よって、θ1は22.5°未満に設定した。θ1=0°のときは、第1偏光板51を通過した直線偏光は、偏光状態が変化せずに、液晶層9を通過して反射板4に入射し、反射板4で反射して、液晶層9を通過して第1偏光板51に戻ってくるので、反射率は最大となる。しかし、後述する広帯域化の効果が発生しない。よって、θ1は0°より大きくする。
位相差層50の形成について説明する。まず、対向基板8上にポリイミド整合層を形成し、コーティングされたポリイミド層を焼成し、配向処理を行う。配向処理には、ラビングや光配向の手法が一般的に用いられる。次に、位相差層材料(液晶ポリマー)を、所望のレタデーションとなる膜厚で塗布する。この状態で、位相差層50を形成する位相差層材料が配向方向に整列するので、室温の窒素雰囲気中で紫外線を照射し重合させる。更に、重合密度を上げるため、窒素雰囲気中で高温処理を行うことで位相差層50を形成する。
続いて、反射領域1にのみ位相差層50を残すように、パターニング処理を行う。その後、OC層を積層し、反射領域1と透過領域2とが所望のセルギャップとなるように調整を行う。位相差層50は、液晶ポリマーを用いて基板の外側や内側に形成することが可能であるが、反射領域1に所望の配向方向とリタデーションとを得るものであれば、他の素材や工法であってもかまわない。このようなパターニングされた局所的な位相差層のリタデーションの測定方法としては、セナルモン法がある。
(実施形態6の動作の説明)
図27(a)及び(b)は、黒表示時の反射領域1と透過領域2とにおける光の偏光状態の様子を示している。ここでは、例として、第1偏光板51の光軸を90°、電圧無印加時の液晶配向方向を90°、位相差層50の光学軸を95°(θ1=5°)として説明する。また、位相差層50の異常光方向の屈折率をne、常光方向の屈折率をnoとしたとき、複屈折率Δn=ne−no>0で、位相差層50の厚みをdとして、Δnd=λ/2であるとする。反射領域1では、液晶層に電界が印加された状態で、反射領域1内の液晶層9の液晶分子が、配列方向がほぼ45°−2θ1=35°回転するように、画素電極29と共通電極28との間隔、及び、電位差が設定されている。
反射領域1では、図27(a)に示すように、外部から第1偏光板51を通過した90°方向の直線偏光は、位相差層50を通過する際に偏光状態が変化して、入射直線方向から10°回転した100°方向の偏光となって液晶層9に入射する。液晶層9は、電圧印加状態で、初期配向方向から35°回転しており、液晶層9に入射した光の偏光方向(100°)と、液晶配向方向(90°−35°=55°)との差は、45°となる。液晶層9のリタデーションを、初期配向方向から35°回転させた状態でほぼλ/4となるように調整しておくことで、液晶層9に入射した100°方向の直線偏光は、右回りの円偏光となって、反射板4に入射する。
反射板4に入射した右回りの円偏光は、反射板4で反射して左回りの円偏光となって、液晶層9に再び入射する。反射板4からの反射光は、液晶層9を通過して、第1偏光板51側から液晶層9に入射した直線偏光から偏光方向が90°回転した直線偏光(190°=10°)となって、位相差層50に入射する。この入射光と、位相差層50の光学軸との間の角度は85°であるので、位相差層50から第1偏光板51に入射する直線偏光の偏光方向は180°(=0°)となり、第1偏光板51の光吸収軸と平行になる。従って、反射板4からの反射光は、第1偏光板51を通過できず、反射領域1は黒表示となる。
位相差層50には、複屈折が正の位相差層と、負の位相差層とを用いることができる。位相差層50に、複屈折が正の位相差層を用いる場合は、液晶層9の複屈折も正であるので、互いの波長依存性が足し合わされることになり、位相差層9の複屈折をR,G,Bの各色に対して同じ値とすると、色つきが増幅されることになる。これを回避するためには、一画素内のR(650nm)、G(550nm)B(450nm)の各領域で、リタデーションを
〔ΔndR(550)>ΔndG(550)>ΔndB(550)〕
の関係を満たすように設定すればよい。すなわち、G(550)領域の波長550nmに対するリタデーションΔndG(550)はλ/2として、R(650)領域のリタデーションΔndR(550)をλ/2より大きくし、B(450)領域のリタデーションΔndB(550)をλ/2よりも小さくすればよい。このようにすることで位相差層50によって液晶層の波長分散性が打ち消され、広帯域化が可能である。
位相差層50に、複屈折が負の位相差層を用いる場合は、同じ軸配置で用いれば、位相差層50にて、液晶層9での偏光変化と逆方向に偏光変化するため、位相差層50と液晶層9とでの波長分散による色付きを打ち消して、反射領域1の広帯域化が可能である。
(実施形態6の効果)
反射領域1を広帯域化した場合、色付きが打ち消される部分は反射共通電極28と反射画素電極29の間の部分のみであるので、電極28,29がITOのような透明導電体で形成されているときは、電極上の光漏れがノイズとなって色付きが打ち消された効果は表れにくかった。しかし、本実施形態6では、電極28,29上の光漏れが抑えられている構造であるので、電極28,29上の光漏れのノイズがなくなり、色付きが打ち消される効果が顕著に現れる。
(実施形態7)
図28は、本発明の実施形態7に係る液晶表示装置の液晶パネルを形成する単位画素を断面した断面図である。
本実施形態7では図28に示すように、対向基板8と下部基板3とにそれぞれ備えられた偏光板51,52と液晶層9との間に、2分の1波長の位相層53,54を備えている。
具体的に説明すると、本実施形態7では図28に示すように、表示面側から見て、偏光板11、2分の1波長の位相層53、対向基板8、液晶層9、下部基板3、2分の1波長の位相層54、及び、偏光板15を順次に有する。この液晶表示装置は、単位画素内に、反射領域1と透過領域2とを有する半透過型液晶表示装置として構成される。
透過領域2では、黒表示時には、バックライト光源側から偏光板52を通過した直線偏光が、2分の1波長の位相層54、液晶層9、及び、2分の1波長の位相層53を通過して、偏光板51に入射する際に、その入射光が直線偏光となり、かつ、偏光方向が偏光板51の吸収軸方向と一致するように、偏光軸や液晶分子長軸方向の配置角を設定する。
また、黒表示時の液晶層9の光学軸(光軸又は光軸+90°)方向と、液晶層9に入射する光の偏光方向との角度θ2を、0°<θ2<45°、望ましくは0°<θ2≦22.5°の範囲に設定する。以下では、偏光板51の光透過方向を27°、第1λ/2板18の光軸方向を109.5°、第2偏光板15の光透過方向を63°、2分の1波長の位相層54の光軸方向を70.5°、液晶層9の電圧無印加時の分子長軸方向を90°、2分の1波長の位相層54から液晶層9へ入射する直線偏光と液晶光学軸方向(長軸方向)との角度θ2を12°として説明する。
(実施形態7の動作の説明)
図28(a)及び(b)は、黒表示時の反射領域1と透過領域2とにおける光の偏光状態の様子を示している。反射領域1内の液晶層9の液晶分子は、画素電極29と共通電極28との間の電界により、配列方向が45°−θ2(12°)=33°回転する。すなわち、分子長軸方向が、90°から57°方向へ変化する。
反射領域1では、図29(a)に示すように、外部から偏光板51を通過した27°偏光の直線偏光は、2分の1波長の位相層53を通過する際に偏光方向が12°に変化し、液晶光学軸に対して45°の角度で入射する。この入射光は、液晶層9を通過する際に偏光状態が変化して、左回りの円偏光となり、反射板4で反射して右回りの円偏光となって液晶層9を再び通過して102°偏光の直線偏光となり、2分の1波長の位相層53を通過して117°の直線偏光となる。従って、反射板4による反射光は、偏光板51を通過できず、反射領域1が黒表示となる。
一方、透過領域2では、透過領域2内の液晶層9の液晶分子の配列方向は90°のままである。透過領域22では、図29(b)に示すように、偏光板52を通過した63°偏光の直線偏光は、2分の1波長の位相層54を通過して偏光方向が78°となって液晶層9に入射する。液晶層9の分視長軸方向は90°であるため、液晶層9に78°の直線偏光で入射した入射光は、液晶層9を通過して、102°の直線偏光となる。この102°の直線偏光は、2分の1波長の位相層53を通過して117°偏光となり、光透過軸方向が27°の偏光板51を通過することができない。従って、透過領域2が黒表示となる。
黒表示時、反射領域1においては、2分の1波長の位相層を配置したことにより、反射領域の液晶層9での波長分散性を抑えることができ、透過領域2においては液晶層9の配向方向と、液晶層9に入射する光の偏光方向が0°<θ2<45°、あるいは0°<θ2≦22.5°としているので、反射領域と同様に液晶層9の波長分散性の影響を抑えることができる。
(実施形態7の効果)
反射領域を広帯域化した場合、色付きが打ち消される部分は反射共通電極と反射画素電極の間の部分のみであるので、電極がITOのような透明導電体で形成されているときは、電極28,29上の光漏れがノイズとなって色付きが打ち消された効果は表れにくかった。しかし、本実施形態6は、電極28,29上の光漏れが抑えられている構造であるので、電極28,29上の光漏れのノイズがなくなり、色付きが打ち消される効果が顕著に現れる。また、実施形態6に比べ、位相差層をパターニングする必要がないので、製造工程の削減が可能である。
(実施形態8)
本発明の実施形態8に係る液晶表示装置は、図30及び図31に示すように、基本的な構成として、液晶パネルを形成する単位画素内に反射領域1があり、反射領域1が横電界方式かつノーマリホワイトで駆動され、反射領域1の液晶層9に電界を形成する駆動電極(反射共通電極28及び反射画素電極29)が反射板4上に絶縁膜(平坦化膜27)を介して設けられ、前記駆動電極が不透過の導電体と酸化物の積層構造で形成されていることを特徴とするものである。
本実施形態により、黒表示時の光漏れを抑制し、反射領域の電極のパターニングを精度よく実施できる効果の他、反射板4が走査線21又はデータ線20と同じ膜から形成されるため、製造工程において、反射板作製のための成膜と、レジスト塗布、露光、現像、エッチングといった一連の工程が削減できるので、下部基板の製造コストと製作時間の減少効果を得る。
また、反射共通電極28及び反射画素電極29の上面に反射防止層を形成することによって、液晶層9から反射共通電極28及び反射画素電極29に入射して反射する光に対しての光量を抑制することができる。したがって、反射領域1の黒表示において、反射共通電極28及び反射画素電極29からの反射を抑制することにより、高いコントラスト比を得ることができる。
液晶層9に対しての電極のコントラスト比を検証するため、不透過の導電体と反射防止層の光学定数をエリプソメータによって測定した。図48には、実際に測定を行った、代表的な材料の屈折率nと消光係数k示している。なお、いずれの値も波長550nmにおける値を用いている。これらの光学定数を用い、液晶層9,反射防止層,不透過の導電体の3層での反射防止層の厚さを変化させた場合の反射率をコンピュータシミュレーションによって算出した。
図21に示したように、電極上の反射率が小さくなると反射コントラスト比は大きくなる。そこで、コンピュータシミュレーションによって反射率を算出し、反射率を減少させるために望まれる、導電体の屈折率nと消光係数k、および反射防止層(反射防止膜)の屈折率nと消光係数kの値の範囲を検討した。シミュレーションで適用した層構造は、液晶層/導電体(200nm)、または液晶層/反射防止層(80nm)/導電体(200nm)を適用した。反射率はいずれの場合も波長550nmで評価した。
はじめに不透過の導電体1層について、液晶層/導電体(200nm)とした場合のシミュレーションを行った。図49に、種々の消光係数kにおいて、導電体の屈折率nを変化させた場合の反射率Rを示す。いずれも屈折率nの増加に伴って反射率Rが減少する傾向が示された。
図50に、種々の屈折率nにおいて、導電体の消光係数kを変化させた場合の反射率Rを示す。いずれの場合も、消光係数kは0.5以下で極小値を持ち、その後増加に伴って反射率Rが増加した。これらの結果から、消光係数kと屈折率nはお互いに影響しあうが、反射率Rを低下させるのに望ましい範囲は、図49におけるk=0.25の曲線および図50におけるn=1.50の曲線をベースに、不透過の導電体が屈折率n=1.0〜4.0、消光係数k=0.25〜5.5の範囲であるとコントラスト比は増加し、さらに望ましくはn=1.3〜2.5、k=1.6〜3.3の範囲であれば、さらに高いコントラスト比が得られることがわかった。
次に、前述の不透過の導電体1層のシミュレーション結果に基づき、反射防止層と不透過の導電体の2層について、液晶層/反射防止層(80nm)/導電体(200nm)構造におけるシミュレーションを行った。なお導電体の屈折率n=1.9、消光係数k=2.45とした。
図51に、反射防止層の屈折率nに対する反射率Rを検討した結果を示す。反射防止膜の屈折率nが増加するに従い、反射率は対数関数的に減少することが示された。この傾向は、異なる消光係数kでも同じであり、同じ屈折率であれば、消光係数kを小さくすると反射率Rが小さくなることが示された。
図52に、反射防止層の消光係数kと反射率Rを検討した結果を示す。反射防止層の消光係数kが増加するに従い、反射率Rは急激に減少したあと、緩やかに増加した。図には異なる屈折率nのケースを示しているが、いずれも同じ傾向を示しているが、nが増加するほど反射率Rは小さくなることが明らかになった。
これらの結果を踏まえ、前述の不透過の導電体の、コントラスト比が増加する屈折率n、消光係数kに加え、反射防止層が、屈折率n=1.5〜3.0、消光係数k=0〜3.5の範囲であるとコントラスト比が増加し、さらに望ましくはn=2.0〜3.0、k=0.01〜2.0の範囲であれば、現実的に一層高いコントラスト比を得ることがわかった。
これらのシミュレーション等の検討結果から、同一の材料であっても、成膜方法(蒸着、スパッタリング、MBE等)によっても、また同一の成膜方法であっても条件によって(たとえば、スパッタリングであれば、ガス圧力、基板温度、ターゲットと基板の距離など)によって、屈折率nや消光係数kがばらつく事がわかったが、それらの変動から、材料それぞれ(不透過の導電体と反射防止層)の光学定数の関係が、コントラスト比に大きな影響を及ぼしていることを見出した。
さらに、前述のシミュレーションでは、液晶層9に対して、反射防止層と不透過の導電体との2層であるが、この2層の間に、前述の光学定数の範囲の値を持つ層が挿入されても、同様のコントラスト比を高くする効果があるので、3層以上の積層でも、反射防止層と不透過の導電体の間が傾斜分布(反射防止層と不透過の導電体の両者の材料が、深さ方向に対して徐々に比率が変化している構造)でもよい。
次に、実施形態8について、図32及び図33の電極構造及び反射板構造の断面図を用いて説明する。図32(a)、(b)、(c)は、電極構造の断面図を示している。図33(d)、(e)は、反射板構造の断面図を示している。
はじめに、図32(a)を用いて電極構造について説明する。トランスファ配線105zに対して、反射画素電極29a,29bが形成される。反射画素電極29aは不透過の金属材料で形成され、反射画素電極29bは反射防止効果を生じる低反射率材料で形成される。この構造では、トランスファ配線105zに対する第2コンタクトホール42が形成された後、不透過の導電体材料が成膜され、レジストパターンニング後にエッチングとレジスト剥離とが行われて反射画素電極29aが形成される。そして、低反射率材料が成膜され、レジストパターンニング後にエッチングとレジスト剥離とが行われて反射画素電極29bが形成される。
次に、他の電極構造について、図32(b)を用いて説明する。トランスファ配線105zに対して、反射画素電極29c,29d,29eが形成される。反射画素電極29dは不透過の金属材料で形成され、反射画素電極29c,29eは反射防止効果を生じる低反射率材料で形成される。この構造では、トランスファ配線105zに対する第2コンタクトホール42が形成された後、低反射率材料が成膜され、レジストパターンニング後にエッチングとレジスト剥離とが行われて反射画素電極29cが形成される。そして、不透過の導電体材料と低反射率材料とが積層で成膜され、レジストパターンニング後にエッチングとレジスト剥離とが行われて反射画素電極29d,29eが形成される。
次に、更に他の電極構造について、図32(c)を用いて説明する。トランスファ配線105zに対して、反射画素電極29f,29gが形成される。反射画素電極29fは不透過の金属材料で形成され、反射画素電極29gは反射防止効果を生じる低反射率材料で形成される。この構造では、トランスファ配線105zに対する第2コンタクトホール42が形成された後、不透過の導電体材料と低反射率材料とが積層で成膜され、レジストパターンニング後にエッチングとレジスト剥離とが行われて反射画素電極29g,29fが形成される。
更に、反射板構造について、図33(d)を用いて説明する。ここでは、スイッチング素子110の一部と、それに繋がるトランスファ配線105aと、トランスファ配線105aと同層に形成されている反射板4aとが示されている。この構造では、反射板4aを作製する工程は、トランスファ配線105aを作製する工程(データ線を作成する工程)と同一となる。そのため、レジストパターンニングの工程が反射板4aを独立して形成する場合より少なくなるので、時間とコストの削減効果が得られる。
次に、他の反射板構造について、図33(e)を用いて説明する。ここでは、スイッチング素子110の一部と、それに繋がるトランスファ配線105c及びゲート電極21aと、ゲート電極21aと同層に形成されている反射板4cとが示されている。この構造では、反射板4cを作製する工程は、ゲート電極21aを作製する工程(走査線を作成する工程)と同一となる。そのため、レジストパターンニングの工程が反射板4cを独立して形成する場合より少なくなるので、時間とコストの削減効果が得られる。
次に、本発明の実施形態8に係る液晶表示装置を、更に具体的な実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態8−1)
図30は本発明の実施形態8−1に係る、液晶表示装置の液晶パネルを形成する単位画素を示す下部基板3の平面図、図31は図30中の太線A−C−Bに沿う断面図である。前記単位画素は、反射領域1と透過領域2とを有し、液晶パネルにマトリクス状に設けられたデータ線20と走査線21によってその対応範囲が区画されている。
(平面構造の図面に基づく電気的接続の説明)
図30を使用して説明を行う。単位画素に対応したスイッチング素子110は、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、多結晶シリコン層102を備え、走査線21とデータ線20との交点付近に設けられている。反射領域1及び透過領域2は、それぞれスイッチング素子110によって駆動される。
ゲート電極は走査線21に、ドレイン電極は第1コンタクトホール41を介してデータ線20に、それぞれ電気的に接続されている。ソース電極は、第1コンタクトホール41を介してトランスファ配線105に一旦接続され、続いて第2コンタクトホール42を介して反射画素電極29又は透過画素電極11に、電気的に接続されている。更に、反射共通配線80は、第1コンタクトホール41を介してトランスファ配線105に接続され、更に第2コンタクトホール42を介して反射共通電極28に電気的に接続されている。同様に、透過共通配線23も、トランスファ配線105を通して透過共通電極12に電気的に接続されている。なお、第1コンタクトホール41及び第2コンタクトホール42は、数が多いので、それぞれ一つにのみ符号を付す(以下同様)。
反射共通電極28と反射画素電極29とは、互いに平行にかつ対向して形成されている。反射領域1上の液晶層9(図31)、共通電極28と反射画素電極29との間の電界によって横方向電界モードとして駆動される。同様に、透過共通電極12と透過画素電極11とは、互いに平行にかつ対向して形成されている。透過領域2上の液晶層9(図31)は、透過共通電極12と透過画素電極11と間の電界によって横方向電界モードとして駆動される。
(第1の反射板作製方法)
図31を参照し、下部基板3の作製プロセスについて下層から上層に向かって詳細な説明を行う。はじめにガラス基板14上に下地窒化シリコン膜100をプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)によって50nmの厚さで成膜し、続いて下地酸化シリコン膜101を100nmの厚さで成膜する。その上にアモルファスシリコン膜を50nmの厚さで成膜し、脱水素処理ののち、イオン注入によってホウ素を5×1012cm−2程度の濃度で注入することにより、薄膜トランジスタのチャネル不純物濃度を制御する。その後、エキシマレーザアニールによって、すなわちXeClエキシマレーザ光を430mJ・cm−2程度の強度で照射することによって、アモルファスシリコン膜を多結晶シリコン層102へと変化させる。続いて、レジスト塗布、露光、現像を行ってレジストパターンニングを行い(以降、レジスト塗布から現像までの手順を「レジストパターンニング」と略す。)、ドライエッチングによって多結晶シリコン層102を島状に加工したあとレジストを剥離する。スイッチング素子110である薄膜トランジスタのソース領域及びドレイン領域に対して、レジストパターンニング後、ホウ素を2×1015cm−2程度の濃度でドーピングする。レジスト剥離ののち、TEOS(Tetraethoxysilane)を用いたプラズマCVDによって、ゲート酸化膜103を120nmの厚さに成膜する。
ゲート酸化膜103を成膜した後、プラズマCVDによってマイクロクリスタルシリコンを100nm成膜し、スパッタによってCrを200nm成膜する。その後、レジストパターンニングを行い、ドライエッチングによってゲート及び走査線21、反射共通配線80、透過共通配線23を形成する。レジスト剥離後、イオン注入(ホウ素濃度3×1013cm−2程度)を行うことにより、薄膜トランジスタのLDD(Lightly Doped Drain)構造を形成する。続いて、窒化シリコン膜106をプラズマCVDによって400nm成膜し、更に活性化処理(温度450℃かつ60分)を行う。続いて、水素化処理(390℃かつ30分)を行う。
更に、反射領域1に対応する部分に、表面に凹凸形状を有する凹凸膜26a形成のため、ノボラック有機膜を1μmの厚さに塗布する。そして、レジストパターンニングを実施して230℃かつ2時間の焼成を行って、滑らかな凹凸膜26aを形成する。次に、第1コンタクトホール41の形成のためのレジストパターンニングを行い、ドライエッチング及びウェットエッチングを行った後、レジスト剥離を行う。
第1コンタクトホール41を形成した後、Al−1.5wt%Siを300nmの厚さでスパッタし、レジストパターンニングを行ってドライエッチング後、レジスト剥離を行う。この工程によって、反射板4a、データ線20a、トランスファ配線105aを形成する。
反射領域1に対応する部分に形成される反射板4aは、凹凸膜26a上に形成されることにより、その表面が凹凸膜26aの形状にならって凹凸形状となるので、液晶パネルに入射した光を拡散反射させる。更にPMMA(polymethyl methacrylate)を1μmの厚さに塗布し、250℃かつ1時間の焼成を行うことにより、平坦化膜27を形成する。その後、第2コンタクトホール42の形成のためのレジストパターンニングを行い、ドライエッチング後にレジスト剥離を行うことにより、トランスファ配線105a上に第2コンタクトホール42を形成する。凹凸膜26aと平坦化膜27とは、透過領域2と反射領域1との液晶層9の厚さを設定する機能も有する。透過領域2と反射領域1との段差は、反射領域1の位相差を考慮したおよそ1μmの厚さである。第2コンタクトホール42が形成されるまでのレジストパターンニング回数は、7回である。
また、図30におけるトランスファ配線105、反射板4、反射板4の下部層で図示されていない凹凸膜26、データ線20は、本反射板作製方法を示す図31のそれぞれトランスファ配線105a、反射板4a、凹凸膜26a、データ線20aと対応し、これらと同一の機能を有している。
(第1の電極作製方法)
第2コンタクトホール42を形成した後、平坦化膜27上にスパッタによってTiを200nmの厚さで成膜する。その後、レジストパターンニングを行い、透過共通電極12a及び透過画素電極11aとなる第2コンタクトホール42の部分と、反射共通電極28a及び反射画素電極29aとなる部分とを残して、その他の領域とをドライエッチングで除去する。レジスト剥離後、反射防止の効果が最も高い40nmの厚さにITOをスパッタ成膜し、レジストパターンニングを行って、ウェットエッチング及びレジスト剥離を行うことにより、透過共通電極12b及び透過画素電極11bの全面と、反射共通電極28b、反射画素電極29bとを形成する。
以上の工程を経ることにより、平坦化膜27上の反射領域1の反射共通電極28a,28b及び反射画素電極29a,29bは、上部が反射防止機能を持った導電体(ITO)、下部が不透過の導電体(Ti)で形成される。一方、透過領域2の透過共通電極12a,12b及び透過画素電極11a,11bは、第2コンタクトホール42の領域を除いてITOの単層で形成される。この電極作製方法ではレジストパターンニングは2回である。
また図30における反射共通電極28、反射画素電極29、透過共通電極12、透過画素電極11は、本電極作製方法を示す図31のそれぞれ反射共通電極28a,28b、反射画素電極29a,29b、透過共通電極12a、12b、透過画素電極11a、11bと対応し、これらと同一の機能を有している。
(本実施形態の効果)
本方式によれば、透過領域2の透過共通電極12b及び透過画素電極11bはITOで形成されるので、透過領域2の透過率は減少しない効果が得られる。一方、反射領域1の反射共通電極28a,28b及び反射画素電極29a,29bは、反射共通電極28b及び反射画素電極29bによって干渉効果が表れることにより、液晶層9から入射する光に対して、電極表面での反射の指標である「電極反射率」(以降「反射率」という。)が9%となり、反射率の低減効果が得られる。また、反射共通電極28a,29aは、反射板4aを反射した光を遮光する効果もある。その結果、図21から、反射領域1のコントラスト比は約22となり、Ti単層の場合のコントラスト比、約13と比較して大幅な改善効果が得られた。
また、反射板の作製工程において、反射板4aがデータ線20a及びトランスファ配線105aと同じ工程で形成されるので、反射板4aを独立して形成する場合と比較して成膜、レジストパターンニング、エッチングの各工程数が1回分減り、本実施形態の総レジストパターンニング回数は9回となり、作製時間やコストの削減できるという効果がある。
ここで、本実施形態で使用したTi−ITOの組み合わせであれば、40nmのときが最小反射率9%であるから、図21から反射率9%のときのコントラスト比を読み取り、コントラスト比は約22となる。最良の材料の組み合わせは、前記コントラスト比のみで決定されるものではなく、加工安定性も加味しなければならない。ITOは、Cr,Ni合金,Mo,Tiいずれの組み合わせにおいても、膜厚変化に対する反射率変動(±5nmの範囲で、反射率のバラツキ1%程度以内)が緩やかであるため、膜厚変動に対するプロセスの裕度が広いという利点がある。その結果、Ti−ITOの組み合わせが最良であると言える。
更に、Ti−Crの酸化物の組み合わせでは、最小反射率=6%(最小反射率での膜厚=30nm)でコントラスト比約35である。加工安定性に課題はあるがコントラストを最も高くすることができるので、この組み合わせが第2の選択肢である。
また、Ti−Ni合金の酸化物の組み合わせでは、最小反射率=8%(最小反射率での膜厚=30nm)でコントラスト約25である。これも加工安定性に課題があるが、第3の選択肢である。
Ti―ITOの組み合わせを第2乃至第3の選択肢の組み合わせに読み替え、実施形態8−2乃至8−15について適用できる。また、ここで示した他の組み合わせにおいて、最小反射率を得るための膜厚を使用して実施できる。
(実施形態8−2)
(第1’の反射板作製方法)
図34は、図30に示される平面構造を他の構成で実施した場合の太線A−C−Bに沿った断面図である。本実施形態は、実施形態1−1における、第1コンタクトホール41の形成までは同一であるので、これ以降の説明を行う。
第1コンタクトホール41を形成した後、Al−2at%Ni−0.35at%Laを300nmの厚さでスパッタし、レジストパターンニングを行ってドライエッチング後、レジスト剥離を行う。この工程によって、反射板4b、データ線20b、トランスファ配線105bが形成される。ここで、Al−2at%Ni−0.35at%Laを用いるのは、その上の配線として使用するITO膜に対して良好な導電性を得るためである。
通常のAl材料では、そのAl材料とITOとの界面に絶縁性の酸化アルミニウムが容易に形成されるので、安定した導通が得られない。一方、反射板4bの表面の光学的な反射率を高めるためには、Alを主成分とする材料であることが望ましい。しかし、通常のAl材を用いると、前述したようにAlとITOとの接触コンタクト抵抗が増大する。そのため、AlとITOとの間にバリア金属としてTi、TiN、W、Moなどの材料を用いる。
本実施形態においては、上記バリア金属を必要としないAlNiLa合金を用いることで、コンタクト抵抗増大の防止と反射特性の確保とを同時に満たすことが可能となる。
反射領域1に対応する部分に形成される反射板4bは、凹凸膜26b上に形成されるので、その表面は凹凸膜26bの形状にならって凹凸形状となり、液晶パネルに入射した光を拡散反射させる。更にPMMAを1μmの厚さに塗布し、250℃かつ1時間の焼成を行うことにより、平坦化膜27を形成する。続いて、第2コンタクトホール42の形成のためのレジストパターンニングを行い、ドライエッチング後にレジスト剥離を行うことにより、トランスファ配線105b上に第2コンタクトホール42を形成する。凹凸膜26bと平坦化膜27とは、透過領域2と反射領域1との液晶層9の厚さを設定する機能も有する。透過領域2と反射領域1との段差は、反射領域1の位相差を考慮したおよそ1μmの厚さである。第2コンタクトホール42が形成されるまでのレジストパターンニング回数は、7回である。
また、図30におけるトランスファ配線105、反射板4、反射板4の下部層で図示されていない凹凸膜26、データ線20は、本反射板作製方法を示す図34のそれぞれトランスファ配線105b、反射板4b、凹凸膜26b、データ線20bと対応し、これらと同一の機能を有している。
(第2の電極作製方法)
第2コンタクトホール42を形成した後、平坦化膜27上にスパッタによってITOを40nmの厚さに成膜する。そのあと、透過領域2の透過共通電極12c及び透過画素電極11cとなる部分と、反射共通電極28c及び反射画素電極29cとなる第2コンタクトホール42の開口部とに、ITO膜が残るようにレジストパターンニングを行い、これ以外の領域をウェットエッチングで除去する。ここで、反射共通電極28c及び反射画素電極29cとなる第2コンタクトホール42の開口部にITO膜を残す理由は、第2コンタクトホール42の底の材料であるAl系材料を、ITO膜を除去するためのウェットエッチング液(王水)から保護するためである。
レジストを剥離した後、Tiを200nmの厚さにスパッタ成膜し、続いて反射防止の効果が最も高い40nmの厚さにITOをスパッタ成膜する。そして、反射共通電極28d,28e及び反射画素電極29d,29eの領域のみ残るようにレジストパターンニングを行い、ウェットエッチングでITOを除去し、ドライエッチングでTiを除去した後にレジスト剥離を行うことにより、工程が完了する。
本実施形態では、平坦化膜27上の反射領域1の反射共通電極28d,28e及び反射画素電極29d,29eは、ITOとTiとの積層構造となる。一方、透過領域2の透過共通電極12c及び透過画素電極11cは、ITOの単層となる。この電極作製方法ではレジストパターンニングは2回である。
また、図30における反射共通電極28、反射画素電極29、透過共通電極12、透過画素電極11は、本電極作製方法を示す図5のそれぞれ反射共通電極28d,28e、反射画素電極29d,29e、透過共通電極12d、12e、透過画素電極11c、11cと対応し、これらと同一の機能を有している。
(本実施形態の効果)
本方式によれば、透過領域2の透過共通電極12c及び透過画素電極11cはITOで形成されるので、透過領域2の透過率は減少しない効果が得られる。一方、反射領域1の反射共通電極28d,28e及び反射画素電極29d,29eは、反射共通電極28e及び反射画素電極29eによって干渉効果が表れ、液晶層9から入射する光に対して、反射率は9%となり、反射率の低減効果が得られる。また、反射共通電極28d及び反射画素電極29dは、反射板4bを反射した光を遮光する効果もある。その結果、反射領域1のコントラスト比は約22となり、Ti単層の場合のコントラスト比、約13と比較して大幅な改善効果が得られた。
また、反射板の作製工程において、反射板4bはデータ線20b及びトランスファ配線105bと同じ工程で形成されるので、反射板4bを独立して形成する場合と比較して、成膜、レジストパターンニング、エッチングの各工程数が1回分減った結果、本実施形態の総レジストパターンニング回数は9回となり、作製時間やコストの削減できるという効果がある。
(実施形態8−3)
図35は、図30に示される平面構造を更に他の構成で実施した場合の太線A−C−Bに沿った断面図である。本実施形態は、実施形態8−1における、第2コンタクトホール42の形成工程までは同一であるので、これ以降の説明を行う。
(第3の電極作製方法)
第2コンタクトホール42を形成した後、平坦化膜27上に、Tiを200nmの厚さにスパッタ成膜し、続いて反射防止の効果が最も高い40nmの厚さにITOをスパッタ成膜する。次に、透過共通電極12f,12g、透過画素電極11f,11g、反射共通電極28f,28g及び反射画素電極29f,29gとなる部分以外の領域を除去するようにレジストパターンニングを行い、まずウェットエッチングでITO膜を除去し、ドライエッチングによってTi膜を除去し、レジストを剥離することにより工程が完了する。
本実施形態では、平坦化膜27上の反射領域1の反射共通電極28f,28g及び反射画素電極29f,29g、並びに透過領域2の透過共通電極12f,12g及び透過画素電極11f,11gは、全て上部ITOと下部Tiとの積層構造となる。この電極作製方法ではレジストパターンニングは1回である。
また、図30における反射共通電極28、反射画素電極29、透過共通電極12、透過画素電極11は、本電極作製方法を示す図35のそれぞれ反射共通電極28f,28g、反射画素電極29f,29g、透過共通電極12f、12g、透過画素電極11f、11gと対応し、これらの同一の機能を有している。
(本実施形態の効果)
本方式によれば、実施形態8−1と同様に、反射領域1の反射共通電極28f,28g及び反射画素電極29f,29gは、反射共通電極28g及び反射画素電極29gによって干渉効果が表れ、液晶層9から入射する光に対して、反射率は9%となり、反射率の低減効果が得られる。また、反射共通電極28f及び反射画素電極29fは、反射板4aを反射した光を遮光する効果もある。その結果、反射領域1のコントラスト比は約22となり、Ti単層の場合のコントラスト比、約13と比較して大幅な改善効果が得られた。
また、本実施形態の反射板の作製工程において、反射板4aをデータ線20a及びトランスファ配線105aが同じ工程で形成するため、反射板4aを独立して形成する場合と比較して成膜、レジストパターンニング、エッチングの各工程数が1回分減る利点がある。更に実施形態8−1、2と比較すれば、電極作製工程において、1回のレジストパターンニングによって、反射領域1の反射共通電極28f,28g及び反射画素電極29f,29g、並びに透過領域2の透過画素電極11f,11g及び透過共通電極12f,12gが作製される。そのため、レジストパターンニング、エッチングの各工程数が1回分削減された結果、総レジストパターンニング回数は8回となり、一層の作製時間やコストの削減できるという効果がある。
(実施形態8−4)
図36は、図30に示される平面構造を更に他の構成で実施した場合の太線A−C−Bに沿った断面図である。本実施形態は、実施形態8−1における、第2コンタクトホール42の形成工程までは同一であるので、これ以降の説明を行う。
(第4の電極作製方法)
第2コンタクトホール42を形成した後、平坦化膜27上に、Tiを200nmの厚さにスパッタ成膜する。反射領域1の反射共通電極28h及び反射画素電極29hとなる部分と、透過領域2の透過共通電極12h及び透過画素電極11hとなる第2コンタクトホール42付近とを残し、これ以外の領域を除去するようにレジストパターンニングを行い、ドライエッチングによってTi膜を除去する。
レジストを剥離した後、40nmの厚さにITOをスパッタ成膜し、透過共通電極12i及び透過画素電極11iとなる部分を残し、これ以外の領域を除去するようにレジストパターンニングを行い、ウェットエッチングでITO膜を除去したのちにレジストを剥離して工程が完了する。ここで、透過共通電極12h及び透過画素電極11hの第2コンタクトホール42付近にTi膜を残す理由は、そうしないと第2コンタクトホール42下のトランスファ配線105aのAl材料とITOとの界面に絶縁性の酸化アルミニウムが容易に形成されるので、安定した導通が得られないためである。
本実施形態では、反射領域1の反射共通電極28h及び反射画素電極29hはTi膜単層構造となり、透過領域2の透過共通電極12i及び透過画素電極11iはITO膜単層構造となる。この電極作製方法ではレジストパターンニングは2回である。
また、図30における反射共通電極28、反射画素電極29、透過共通電極12、透過画素電極11は、本電極作製方法を示す図36のそれぞれ反射共通電極28h、反射画素電極29h、透過共通電極12i、透過画素電極11iと対応し、これらと同一の機能を有している。
(本実施形態の効果)
本方式によれば、透過領域2の透過共通電極12i及び透過画素電極11iはITOで形成されるので、透過領域2の透過率は減少しない効果が得られる。一方、反射領域1の反射共通電極28hと反射画素電極29hは、反射板4aを反射した光を遮光する効果がある。その結果、反射領域1のコントラスト比は約13となり、ITO単層の場合のコントラスト比、約5と比較して改善効果が得られた。
また、反射板4aの作製工程において、反射板4aがデータ線20a及びトランスファ配線105aと同じ工程で形成されるため、反射板4aを独立して形成する場合と比較して成膜、レジストパターンニング、エッチングの各工程数が1回分減った結果、本実施形態の総レジストパターンニング回数は9回となり、作製時間やコストの削減できるという効果がある。
(実施形態8−5)
図37は、図30に示される平面構造を更に他の構成で実施した場合の太線A−C−Bに沿った断面図である。本実施形態は、実施形態1−2における、第2コンタクトホール42の形成工程までは同一であるので、これ以降の説明を行う。
(第5の電極作製方法)
第2コンタクトホール42を形成した後、平坦化膜27上に、40nmの厚さにITOをスパッタ成膜し、透過領域2の透過共通電極12j及び透過画素電極11jとなる部分と、反射領域1の反射共通電極28j及び反射画素電極29jとなる第2コンタクトホール42付近とを残し、これ以外の領域を除去するようにレジストパターンニングを行い、ウェットエッチングでITO膜を除去する。レジスト剥離後、Tiを200nmの厚さにスパッタ成膜する。続いて、反射領域1の反射共通電極28k及び反射画素電極29kとなる部分以外の領域が除去されるようにレジストパターンニングを行い、ドライエッチングによってTi膜を除去する。そののちにレジストを剥離して工程が完了する。
本実施形態では、反射領域1の反射共通電極28k及び反射画素電極29kはTi膜単層構造となり、透過領域2の透過共通電極12j及び透過画素電極11jはITO膜単層構造となる。この電極作製方法ではレジストパターンニングは2回である。
また、図30における反射共通電極28、反射画素電極29、透過共通電極12、透過画素電極11は、本電極作製方法を示す図37のそれぞれ反射共通電極28j、反射画素電極29j、透過共通電極12k、透過画素電極11kと対応し、これらと同一の機能を有している。
(本実施形態の効果)
本方式によれば、透過領域2の透過共通電極12j及び透過画素電極11jはITOで形成されるので、透過領域2の透過率は減少しない効果が得られる。一方、反射領域1の反射共通電極28k及び反射画素電極29kは、反射板4bを反射した光を遮光する効果がある。その結果、反射領域1のコントラスト比は約13となり、ITO単層の場合のコントラスト比、約5と比較して改善効果が得られた。
また、反射板4bの作製工程において、反射板4bがデータ線20b及びトランスファ配線105bと同じ工程で形成されるため、反射板4bを独立して形成する場合と比較して成膜、レジストパターンニング、エッチングの各工程数が1回分減った結果、本実施形態の総レジストパターンニング回数は9回となり、作製時間やコストの削減できるという効果がある。
(実施形態8−6)
図38は、図30に示される平面構造を更に他の構成で実施した場合の太線A−C−Bに沿った断面図である。本実施形態は、実施形態8−1における、第1コンタクトホール41の形成までは同一であるので、これ以降の説明を行う。
(第2の反射板作製方法)
ゲート酸化膜103を成膜した後、活性化処理(温度450℃かつ60分)を行う。続いて、水素化処理を390℃かつ30分行う。続いて、反射領域1に対応する部分にノボラック有機膜を1μmの厚さに塗布し、レジストパターンニングを実施して230℃かつ2時間の焼成を行うことにより、表面に滑らかな凹凸形状を有する凹凸膜26cを形成する。
次に、Al−1.5wt%Siを200nmの厚さでスパッタし、レジストパターンニングを行ってドライエッチング、レジスト剥離を行う。この工程によって、反射共通配線80c、反射板4c、ゲート電極、走査線21c、透過共通配線23cが形成される。
反射領域1に対応する部分に形成される反射板4cは、凹凸膜26c上に形成されるので、その表面は凹凸膜26cの形状にならって凹凸形状となり、液晶パネルに入射した光を拡散反射させる。レジスト剥離を行った後、上部に層間シリコン酸化膜104を成膜する。
次に、第1コンタクトホール41の形成のためレジストパターンニングを行い、ドライエッチング及びウェットエッチングを行った後、レジスト剥離を行う。続いて、Al−1.5wt%Siを300nmの厚さでスパッタし、レジストパターンニングを行ってドライエッチングを行う。この工程によって、トランスファ配線105c及びデータ線20cが形成される。
レジストを剥離した後、プラズマCVDによって窒化膜106を成膜し、更にPMMAを1μmの厚さに塗布し、250℃で1時間の焼成を行って平坦化膜27を形成する。続いて、第2コンタクトホール42の形成のためのレジストパターンニングを行い、ドライエッチング後にレジスト剥離を行い、トランスファ配線105上に第2コンタクトホール42を形成する。凹凸膜26cと平坦化膜27とは、透過領域2と反射領域1との液晶層9の厚さを設定する機能も有する。透過領域2と反射領域1との段差は、反射領域1の位相差を考慮したおよそ1μmの厚さである。また、第2コンタクトホール42が形成されるまでのレジストパターンニング回数は、7回である。
また、図30におけるトランスファ配線105、データ線20、反射共通配線80、反射板4、反射板4の下部層で図示されていない凹凸膜26、走査線21、透過共通配線23は、本反射板作製方法を示す図38のそれぞれトランスファ配線105c、データ線20c、反射共通配線80c、反射板4c、凹凸膜26c、走査線21c、透過共通配線23cと対応し、これらと同一の機能を有している。
(電極作製方法)
続いて、第2コンタクトホール42の形成後、実施形態8−1における、第1の電極作製方法を用いて電極作製を行う。
(本実施形態の効果)
本方式によれば、透過領域2の透過共通電極12b及び透過画素電極11bがITOで形成されるので、透過領域2の透過率は減少しない効果が得られる。一方、反射領域1の反射共通電極28a,28b及び反射画素電極29a,29bは、反射共通電極28b及び反射画素電極29bによって干渉効果が表れ、液晶層9から入射する光に対して、反射率は9%となり、反射率の低減効果が得られる。また、反射共通電極28a及び反射画素電極29aは、反射板4aを反射した光を遮光する効果もある。その結果、反射領域1のコントラスト比は約22となり、Ti単層の場合のコントラスト比、約13と比較して大幅な改善効果が得られた。
また、反射板4cの作製工程において、反射板4cは反射共通配線80c、ゲート、走査線21c、透過共通配線23cと同じ工程で形成されるので、反射板4cを独立して形成する場合と比較して、成膜、レジストパターンニング、エッチングの各工程数が1回分減った結果、本実施形態の総レジストパターンニング回数は9回となり、時間やコストの削減できるという効果がある。
(実施形態8−7)
図39は、図30に示される平面構造を更に他の構成で実施した場合の太線A−C−Bに沿った断面図である。本実施形態は、実施形態8−1における、ゲート酸化膜103の成膜までは同一であるので、これ以降の説明を行う。
(第2’の反射板作製方法)
ゲート酸化膜103を成膜した後、活性化処理(温度450℃で60分)を行う。続いて、水素化処理を390℃で30分行った後、反射領域1に対応する部分にノボラック有機膜を1μmの厚さに塗布し、レジストパターンニングを実施して230℃で2時間の焼成を行うことにより、表面に滑らかな凹凸形状を有する凹凸膜26cを形成する。
次に、Al−1.5wt%Siを200nmの厚さでスパッタし、レジストパターンニングを行ってドライエッチング、レジスト剥離を行う。この工程によって、反射共通配線80c、反射板4c、ゲート電極、走査線21c、透過共通配線23cが形成される。
反射領域1に対応する部分に形成される反射板4cは、凹凸膜26c上に形成されるので、その表面は凹凸膜26cの形状にならって凹凸形状となり、液晶パネルに入射した光を拡散反射させる。レジスト剥離を行った後、上部に層間シリコン酸化膜104を成膜する。
次に、第1コンタクトホール41の形成のためレジストパターンニングを行い、ドライエッチング及びウェットエッチングを行った後、レジスト剥離を行う。続いてAl−1.5wt%Siを300nmの厚さにスパッタし、Tiを75nmの厚さにスパッタすることにより積層構造とし、レジストパターンニングを行ってドライエッチングを行う。この工程によって、トランスファ配線105d及びデータ線20dが形成される。
レジストを剥離した後、プラズマCVDによって窒化膜106を成膜し、更にPMMAを1μmの厚さに塗布し、250℃で1時間の焼成をすることにより平坦化膜27を形成する。続いて、第2コンタクトホール42の形成のためのレジストパターンニングを行い、ドライエッチング後にレジスト剥離を行うことにより、トランスファ配線105d上に第2コンタクトホール42を形成する。凹凸膜26cと平坦化膜27とは、透過領域2と反射領域1との液晶層9の厚さを設定する機能も有する。透過領域2と反射領域1との段差は、反射領域1の位相差を考慮したおよそ1μmの厚さである。また、第2コンタクトホール42が形成されるまでのレジストパターンニング回数は、7回である。
また、図30におけるトランスファ配線105、データ線20、反射共通配線80、反射板4、反射板4の下部層で図示されていない凹凸膜26、走査線21、透過共通配線23は、本反射板作製方法を示す図39のそれぞれトランスファ配線105d、データ線20d、反射共通配線80c、反射板4c、凹凸膜26c、走査線21c、透過共通配線23cと対応し、これらと同一の機能を有している。
(電極作製方法)
続いて、第2コンタクトホール42の形成後、実施形態8−2における第2の電極作製方法を用いて電極作製を行う。
(本実施形態の効果)
本方式によれば、透過領域2の透過共通電極12c及び透過画素電極11cはITOで形成されるので、透過領域2の透過率は減少しない効果が得られる。一方、反射領域1の反射共通電極28d,28e及び反射画素電極29d,29eは、反射共通電極28e及び反射画素電極29eによって干渉効果が表れ、液晶層9から入射する光に対して、反射率は9%となり、反射率の低減効果が得られる。また、反射共通電極28d及び反射画素電極29dは、反射板4cを反射した光を遮光する効果もある。その結果、反射領域1のコントラスト比は約22となり、Ti単層の場合のコントラスト比、約13と比較して大幅な改善効果が得られた。
また、反射板4cの作製工程において、反射板4cは反射共通配線80c、ゲート、走査線21c、透過共通配線23cと同じ工程で形成されるので、反射板4cを独立して形成する場合と比較して、成膜、レジストパターンニング、エッチングの各工程数が1回分減った結果、本実施形態の総レジストパターンニング回数は9回となり、作製時間やコストの削減できるという効果がある。
(実施形態8−8)
図40は、図30に示される平面構造を更に他の構成で実施した場合の太線A−C−Bに沿った断面図である。本実施形態は、実施形態8−6における第2の反射板作製方法と、実施形態8−3における第3の電極作製方法を組み合わせたものである。
(本実施形態の効果)
本方式によれば、実施形態8−1と同様に、反射領域1の反射共通電極28f,28g及び反射画素電極29f,29gは、反射共通電極28g及び反射画素電極29gによって干渉効果が表れ、液晶層9から入射する光に対して、反射率は9%となり、反射率の低減効果が得られる。また、反射共通電極28f及び反射画素電極29fは、反射板4cを反射した光を遮光する効果もある。その結果、反射領域1のコントラスト比は約22となり、Ti単層の場合のコントラスト比、約13と比較して大幅な改善効果が得られた。
また、反射板4cの作製工程において、反射板4cは反射共通配線80c、ゲート、走査線21c、透過共通配線23cと同じ工程で形成されるので、反射板4cを独立して形成する場合と比較して、成膜、レジストパターンニング、エッチングの各工程数が1回分減る。更に電極作製工程において、1回のレジストパターンニングによって、反射共通電極28f,28g及び反射画素電極29f,29g並びに透過画素電極11f,11g及び透過共通電極12f,12gが作製される。そのため、レジストパターンニング、エッチングの各工程数が1回分削減された結果、総レジストパターンニング回数は8回となり、一層の作製時間やコストの削減できるという効果がある。
(実施形態8−9)
図41は、図30に示される平面構造を更に他の構成で実施した場合の太線A−C−Bに沿った断面図である。本実施形態は、実施形態8−6における第2の反射板作製方法と、実施形態8−4における第4の電極作製方法を組み合わせたものである。
(本実施形態の効果)
本方式によれば、透過領域2の透過共通電極12i及び透過画素電極11iはITOで形成されるので、透過領域2の透過率は減少しない効果が得られる。一方、反射領域1の反射共通電極28h及び反射画素電極29hは、反射板4cを反射した光を遮光する効果がある。その結果、反射領域1のコントラスト比は約13となり、ITO単層の場合のコントラスト比、約5と比較して改善効果が得られた。
また、反射板4cの作製工程において、反射板4cは反射共通配線80c、ゲート、走査線21c、透過共通配線23cと同じ工程で形成されるので、反射板4cを独立して形成する場合と比較して、成膜、レジストパターンニング、エッチングの各工程数が1回分減る。その結果、本実施形態の総レジストパターンニング回数は9回となり、作製時間やコストの削減できるという効果がある。
(実施形態8−10)
図42は、図30に示される平面構造を更に他の構成で実施した場合の太線A−C−Bに沿った断面図である。本実施形態は、実施形態8−7における第2’の反射板作製方法と、実施形態8−5における第5の電極作製方法を組み合わせたものである。
(本実施形態の効果)
本方式によれば、透過領域2の透過共通電極12j及び透過画素電極11jはITOで形成されるので、透過領域2の透過率は減少しない効果が得られる。一方、反射領域1の反射共通電極28k及び反射画素電極29kは、反射板4cを反射した光を遮光する効果がある。その結果、反射領域1のコントラスト比は約13となり、ITO単層の場合のコントラスト比、約5と比較して改善効果が得られた。
また、反射板4cの作製工程において、反射板4cは反射共通配線80c、ゲート、走査線21c、透過共通配線23cと同じ工程で形成されるので、反射板4cを独立して形成する場合と比較して、成膜、レジストパターンニング、エッチングの各工程数が1回分減る。その結果、本実施形態の総レジストパターンニング回数は9回となり、作製時間やコストの削減できるという効果がある。
(実施形態8−11)
(第3の反射板作製方法)
図43は、図30に示される平面構造を更に他の構成で実施した場合の太線A−C−Bに沿った断面図である。本実施形態は、実施形態8−1における、ゲート酸化膜103成膜までは同一であるので、これ以降の説明を行う。
ゲート酸化膜103を成膜した後、プラズマCVDによってマイクロクリスタルシリコンを100nm成膜し、スパッタによってCrを200nm成膜する。続いて、レジストパターンニングを行ったあとに、ドライエッチングによってゲート及び走査線21、反射共通配線80、透過共通配線23を形成する。レジスト剥離後、イオン注入(ホウ素濃度3×1013cm−2程度)を行い、薄膜トランジスタのLDD構造を形成する。続いて、層間酸化シリコン膜104をプラズマCVDによって400nm成膜し、更に活性化処理(温度450℃で60分)を行う。続いて、水素化処理を390℃で30分行う。次に、第1コンタクトホール41の形成のため、レジストパターンニングを行い、ドライエッチング及びウェットエッチングを行った後、レジスト剥離を行う。
次に、スパッタによってAl−1.0at%Siを300nmの厚さに成膜し、レジストパターンニングを行ってドライエッチング、レジスト剥離を行う。この工程によって、データ線20c、トランスファ配線105cが形成される。次に、窒化膜106をプラズマCVDによって400nmの厚さに成膜する。
更に、反射領域1に対応する部分にノボラック有機膜を1μmの厚さに塗布し、レジストパターンニングを実施して230℃で2時間の焼成を行うことにより、表面に滑らかな凹凸形状を有する凹凸膜26eを形成する。次に、スパッタによってTiを300nm、Al−Ndを100nmの厚さで積層成膜し、レジストパターンニングを行ってドライエッチング、レジスト剥離を行うことにより、反射板4eを形成する。反射領域1に対応する部分に形成される反射板4eは、凹凸膜26e上に形成されるので、その表面は凹凸膜26eの形状にならって凹凸形状となり、液晶パネルに入射した光を拡散反射させる。
更にPMMAを1μmの厚さに塗布して250℃かつ1時間の焼成を行うことにより、平坦化膜27を形成する。このあと、第2コンタクトホール42の形成のためのレジストパターンニングを行い、ドライエッチング後にレジスト剥離を行い、トランスファ配線105c上に第2コンタクトホール42を形成する。凹凸膜26eと平坦化膜27とは、透過領域2と反射領域1との液晶層9の厚さを設定する機能も有する。透過領域2と反射領域1との段差は、反射領域1の位相差を考慮したおよそ1μmの厚さである。また、第2コンタクトホール42が形成されるまでのレジストパターンニング回数は、8回である。
また、図30におけるトランスファ配線105、データ線20、反射板4、反射板4の下部層で図示されていない凹凸膜26は、本反射板作製方法を示す図43のそれぞれトランスファ配線105c、データ線20c、反射板4e、凹凸膜26eと対応し、これらと同一の機能を有している。
(電極作製方法)
続いて、第2コンタクトホール42の形成後、実施形態8−1における、第1の電極作製方法を用いて電極作製を行う。
(本実施形態の効果)
本方式によれば、透過領域2の透過共通電極12b及び透過画素電極11bはITOで形成されるので、透過領域2の透過率は減少しない効果が得られる。一方、反射領域1の反射共通電極28a,28b及び反射画素電極29a,29bは、反射共通電極28b及び反射画素電極29bによって干渉効果が表れ、液晶層9から入射する光に対して、反射率は9%となり、反射率の低減効果が得られる。また、反射共通電極28a及び反射画素電極29aは、反射板4eを反射した光を遮光する効果もある。その結果、反射領域1のコントラスト比は約22となり、Ti単層の場合のコントラスト比、約13と比較して大幅な改善効果が得られた。
(実施形態8−12)
(第3’の反射板作製方法)
図44は、図30に示される平面構造を更に他の構成で実施した場合の太線A−C−Bに沿った断面図である。本実施形態は、実施形態8−1における、ゲート酸化膜103成膜までは同一であるので、これ以降の説明を行う。
ゲート酸化膜103を成膜した後、プラズマCVDによってマイクロクリスタルシリコンを100nm成膜し、スパッタによってCrを200nm成膜する。続いて、レジストパターンニングを行ったあとに、ドライエッチングによってゲート及び走査線21、反射共通配線80、透過共通配線23を形成する。レジストを剥離した後、イオン注入(ホウ素濃度3×1013cm−2程度)を行い、薄膜トランジスタのLDD構造を形成する。続いて、層間酸化シリコン膜104をプラズマCVDによって400nm成膜し、更に活性化処理(温度450℃で60分)を行う。続いて、水素化処理を390℃で30分行う。次に、第1コンタクトホール41の形成のため、レジストパターンニングを行い、ドライエッチング及びウェットエッチングを行った後、レジスト剥離を行う。
次に、スパッタによってAl−1.0at%Siを300nm、Tiを75nmの厚さに積層成膜し、レジストパターンニングを行ってドライエッチング後、レジスト剥離を行う。この工程によって、データ線20d及びトランスファ配線105dが形成される。次に、窒化膜106をプラズマCVDによって400nmの厚さに成膜する。
更に、反射領域1に対応する部分に、ノボラック有機膜を1μmの厚さに塗布し、レジストパターンニングを実施して230℃かつ2時間の焼成を行うことにより、表面に滑らかな凹凸形状を有する凹凸膜26eを形成する。次に、スパッタによってTiを300nm、Al−Ndを100nmの厚さで積層成膜し、レジストパターンニングを行ってドライエッチング、レジスト剥離を行うことにより、反射板4eを形成する。反射領域1に対応する部分に形成される反射板4eは、凹凸膜26e上に形成されるので、その表面は凹凸膜26eの形状にならって凹凸形状となり、液晶パネルに入射した光を拡散反射させる。
更にPMMAを1μmの厚さに塗布し、250℃かつ1時間の焼成を行うことにより、平坦化膜27を形成する。このあと、第2コンタクトホール42の形成のためのレジストパターンニングを行い、ドライエッチング後にレジスト剥離を行い、トランスファ配線105d上に第2コンタクトホール42を形成する。凹凸膜26eと平坦化膜27とは、透過領域2と反射領域1との液晶層9の厚さを設定する機能も有する。透過領域2と反射領域1との段差は、反射領域1の位相差を考慮したおよそ1μmの厚さである。また、第2コンタクトホール42が形成されるまでのレジストパターンニング回数は、8回である。
また、図30におけるトランスファ配線105、データ線20、反射板4、反射板4の下部層で図示されていない凹凸膜26は、本反射板作製方法を示す図44のそれぞれトランスファ配線105d、データ線20d、反射板4e、凹凸膜26eと対応し、これらと同一の機能を有している。
(電極作製方法)
続いて、第2コンタクトホール42の形成後、実施形態8−2における、第2の電極作製方法を用いて電極作製を行う。
(本実施形態の効果)
本方式によれば、透過領域2の透過共通電極12c及び透過画素電極11cはITOで形成されるので、透過領域2の透過率は減少しない効果が得られる。一方、反射領域1の反射共通電極28d,28e及び反射画素電極29d,29eは、反射共通電極28e及び反射画素電極29eによって干渉効果が表れ、液晶層9から入射する光に対して、反射率は9%となり、反射率の低減効果が得られる。また、反射共通電極28d及び反射画素電極29dは、反射板4eを反射した光を遮光する効果もある。その結果、反射領域1のコントラスト比は約22となり、Ti単層の場合のコントラスト比、約13と比較して大幅な改善効果が得られた。
(実施形態8−13)
図45は、図30に示される平面構造を更に他の構成で実施した場合の太線A−C−Bに沿った断面図である。本実施形態は、実施形態8−11における第3の反射板作製方法と、実施形態8−3における第3の電極作製方法を組み合わせたものである。
(本実施形態の効果)
本方式によれば、実施形態8−1と同様に、反射領域1の反射共通電極28f,28g及び反射画素電極29f,29gは、反射共通電極28g及び反射画素電極29gによって干渉効果が表れ、液晶層9から入射する光に対して、反射率は9%となり、反射率の低減効果が得られる。また、反射共通電極28f及び反射画素電極29fは、反射板4eを反射した光を遮光する効果もある。その結果、反射領域1のコントラスト比は約22となり、Ti単層の場合のコントラスト比、約13と比較して大幅な改善効果が得られた。
また、反射板の作製工程において、電極作製工程において、1回のレジストパターンニングによって、反射領域1の反射共通電極28f,28g及び反射画素電極29f,29g、並びに透過領域2の透過画素電極11f,11g及び透過共通電極12f,12gが作製される。そのため、レジストパターンニング、エッチングの各工程数が1回分削減された結果、総レジストパターンニング回数は9回となり、作製時間やコストの削減できるという効果がある。
(実施形態8−14)
図46は、図30に示される平面構造を更に他の構成で実施した場合の太線A−C−Bに沿った断面図である。本実施形態は、実施形態8−11における第3の反射板作製方法と、実施形態8−4における第4の電極作製方法を組み合わせたものである。
(本実施形態の効果)
本方式によれば、透過領域2の透過共通電極12i及び透過画素電極11iはITOで形成されるので、透過領域2の透過率は減少しない効果が得られる。一方、反射領域1の反射共通電極28h及び反射画素電極29hは、反射板4cを反射した光を遮光する効果がある。その結果、反射領域1のコントラスト比は約13となり、ITO単層の場合のコントラスト比、約5と比較して改善効果が得られた。
(実施形態8−15)
図47は、図30に示される平面構造を更に他の構成で実施した場合の太線A−C−Bに沿った断面図である。本実施形態は、実施形態8−12における第3’の反射板作製方法と、実施形態8−5における第5の電極作製方法を組み合わせたものである。
(本実施形態の効果)
本方式によれば、透過領域2の透過共通電極12j及び透過画素電極11jはITOで形成されるので、透過領域2の透過率は減少しない効果が得られる。一方、反射領域1の反射共通電極28k及び反射画素電極29kは、反射板4eを反射した光を遮光する効果がある。その結果、反射領域1のコントラスト比は約13となり、ITO単層の場合のコントラスト比、約5と比較して改善効果が得られた。
なお、上述した各実施形態に係る液晶表示装置を表示部として電子機器に組み込んでもよいものである。前記電子機器としては、携帯電話、個人用情報端末、ゲーム機、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ビデオプレーヤ、ノート型パーソナルコンピュータ、キャッシュディスペンサ又は自動販売機などの電子機器等が考えられる。
以上説明した実施形態は、本発明の具体的な一例を示すものであり、本発明は特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々変更することができるものである。また、本発明には、上記各実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。