JP5870551B2 - マイクロニードルデバイスの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、具体的には、マイクロニードルデバイスに形成された数十μm〜数mmの高さを有し、皮膚の最外層である角質層を貫通できる針状等の形状を有する突起部に分注した薬液を接触、転着することにより、マイクロニードルデバイスの突起部に薬剤を定量塗着することを特徴とするマイクロニードルデバイスの製造方法に関するものである。
そこで、非経口投与であって、苦痛が少なくかつ広範の薬剤にも利用できる皮膚から薬剤を投与する経皮投与が求められ、開発が進められている。
このため、経皮吸収型の薬理活性物質等は、比較的皮膚からの浸透性、透過性の高いものが選択されており、皮膚からの浸透性、透過性の低い薬理活性物質等の経皮投与への適用は難しいとされている。
このマイクロニードルデバイスは、微細な針状等の突起部により、バリア機能を有する角質層を穿刺し、表皮/あるいは真皮中に直接薬剤を投与することで、広範な薬理活性物質等の経皮投与を可能としたものである。針状等の突起部は様々な形状あるいはサイズにしたものが提案されており、非侵襲的な薬剤の投与方法、かつ従来のパッチ方式の鎮痛剤などの経皮投与とは異なり皮下注射の代替方法としても期待されている。
また、スクリーン印刷方式では、孔に充填するために版上の全面にスキージを用いてコーティングするため、ムダになる薬液量が多いことが想定される。さらに、孔に充填された薬液は、マイクロニードルデバイスのニードル部にその一部が転写されるものであり、しかも、その転写量の調整は、薬液の状態、充填の加減などいろいろな要因が関与し、非常に困難で未だ所定量の薬液を制御してニードル部に塗着することは困難な状況である。
ディップコーティング法では、その他にも、引き上げる速度の変化や引き上げ時に振動があるとコーティング量が変化することもあり、やはり製造が煩雑になる。
上記したいろいろな試みのように、従来のマイクロニードルデバイスの薬剤の塗布方法では、前記デバイス全体に単に薬剤を塗布するものであり、無駄となる薬剤を生じさせることなく、最小限の薬剤を用いてマイクロニードルデバイスのニードル部のみに薬剤を塗着するという試みはあるものの、薬剤のムダあるいは量的に正確な制御を実現するには至っていなかった。
以上のことから、できる限り、薬剤が変質することのないように加熱や冷却をすることなく、また、薬剤の適用をニードル部のみに正確な量を制御して塗着することが求められる。
しかも、コーティングの方法を維持管理するために費用が掛からない、低コストで歩留まりに優れた生産性の高いコーティング方法及び、低コストで優れた経皮吸収性を発揮するマイクロニードルデバイスを提供することである。
また、必要投与量の薬剤が経皮吸収に有効な針状等の突起部の先端部から基端部に付着した経皮吸収用マイクロニードルデバイスを実現したものである。
なお、以下の本発明の実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、当然のことながら、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
その経皮吸収用マイクロニードルデバイスは、基本的な構造として、マイクロニードルデバイス基材と、該基材上に皮膚を穿孔可能な二次元状に配置された複数のマイクロニードルである針状等の突起部を有する。さらに、針状等の突起部には、マイクロニードルデバイスによって身体内へ経皮吸収される薬理活性物質等の薬剤が上記した方法により定量塗着している。
針状等の突起部の形状は、穿刺に好ましい形状であることが望ましい。しかし、針状等の突起部は、ミクロン単位の微細突起体であることから、その形状は、特に限定されず、例えば、円錐状又は角錐状などの各種錐形状、円柱状や角柱状などの柱状、及びこれらに準ずる形状であってよく、あるいは別の形状でもよい。
薬理活性物質等の薬剤は、本発明のマイクロニードルデバイスにより、皮膚の表皮に突起部に付着した薬剤が接触することにより皮膚に薬剤が付着し、表皮内へ浸透することにより所定の薬剤が投与される。
これらの成形加工法により、突起部と該突起部を支持する基材は、一体に成形するか、別々に形成することができる。
そこで、該ディスペンサを用いて薬液を分注するようにしたディスペンサ薬液分注装置の一例について説明する。
ここでは、単純なX−Y−Z3軸方向に駆動可能な薬液分注装置と、X−Y−Z位置調整機構を有する可動テーブルとを備える場合について説明する。
ディスペンサ装置は、X軸方向駆動機構、Y軸方向駆動機構及びZ軸方向駆動機構並びに駆動機構等の制御装置を備える薬液分注装置と、可動テーブルを備え、可動テーブルは、マイクロニードルデバイスを載せるステージと、基台を備えている。
このように、薬液分注装置は、圧力流体を用いて、薬液を供給する薬液供給経路と連通した薬液供給ノズルを備えた薬液収容室内の薬液を加圧状態とする構造とし、圧力と加圧時間を制御すること、あるいは流量調整開閉弁の開閉時間を制御することなどにより薬液の供給量を制御しつつ、薬液供給ノズルの開口部に薬液を定量分注することができる構造となっているものである。
本発明のディスペンサ装置は、薬液の状態を制御して、薬液を正確に定量分注し、正確な量の分注した薬液を、マイクロニードルデバイスの突起部に選択的に高い精度で接触転着できるようになっている。
ステージへのマクロニードルデバイスの位置合わせは、目視でステージ上にセット、その後、マイクロニードルデバイス上に形成したリファレンスポイントを確認し、正確なニードル位置合わせを行った後、ニードル部への塗着を実行するようになっている。
X、Y及びZ軸方向駆動機構の駆動モータは、ステッピングモータ、パルスモータ等からなるもので、制御装置から駆動信号が供給されると、X軸方向駆動機構では、X軸方向駆動軸を回転させ、薬液供給ノズルをX軸方向に移動する。また、Y軸方向駆動機構では、Y軸駆動モータがX軸駆動軸をステージのY軸方向に移動する。
Z軸方向駆動機構は、駆動モータによりZ軸方向駆動軸を回転させ、薬液供給ノズルをマイクロニードルデバイスの突起部に接近又は離間するように上下動させる。
また、薬液分注装置の薬液供給ノズルのX、Y及びZ軸方向駆動モータに薬液供給ノズルのX、Y及びZ軸方向の移動を制御する駆動信号を供給する。Z軸方向の駆動については、薬液分注装置の薬液供給ノズル開口部に分注した薬液をノズルからマイクロニードルデバイスの突起部の方へ接触、転着させるために必要に応じて転着を促進するための制御、動作を行うようにしてもよい。
薬液供給ノズルは、1つ又は複数のノズルをX、Y及びZ軸方向駆動機構に配置し、一度に複数の薬液供給ノズルの開口部に薬液を定量分注し、該分注した薬液を多数の突起部に一度に適用できるようにしてもよい。
また、複数の薬液供給ノズルを設ける場合、作動時間にタイムラグを設けて連続的に作動するようにしてもよい。
詳細には、マイクロニードルデバイスには、マイクロニードルデバイス内の位置の基準となるリファレンスポイントを複数個設けておき、自動的にリファレンスポイントの位置を認識し、基準位置を設定できるようにする。これにより、吐出位置情報制御部は、吐出位置設定部が設定したマイクロニードルデバイス上の基準位置と実際のデバイスから認識した基準位置を同じ位置とし、基準位置から設定されている突起部の吐出位置情報を基に接触転着位置情報を作成する。この位置情報を吐出位置情報として吐出制御部に出力することができる。
マイクロニードルデバイスを支持するテーブルは、テーブル位置調整機構により固定位置に調整するためX−Y平面内で移動させる際、ステージに設けたベースポイントを基に所定の位置に合わせ、固定するようにしてもよい。
前記突起部と薬液供給ノズルのX−Y軸方向の位置合わせは、両者の可動可能範囲であるならばどちらを駆動して位置合わせしてもよく、最初に、可動テーブルにマイクロニードルデバイスをセットするときは、可動テーブルの位置調整機構を操作して行う。
可動テーブル又は薬液供給ノズルの上下移動の精密な制御のし易さから、適宜選択すればよい。最初に位置合わせする場合は、可動テーブルを駆動して初期設定する方が好ましい。
さらに、薬液を定量分注する吐出制御部は、分注機能を果たす薬液収容室と薬液供給ノズルに圧力を付与し、分注する薬液を供給制御するものであり、圧縮エアの圧力及びそのエアによる加圧時間あるいは薬液ポンプからの薬液の圧力とその供給時間を調節するものである。その他に、流量調節弁又は互いに隣接配置された入口弁及び出口弁の開閉操作することにより薬液の分注量を調節、制御できるものもある。
そこで、まず、本発明において、薬液の塗着を実施するために、液状又は固体状の薬剤の状態を調整、制御して定量分注することができる薬液の状態に調整して、マイクロニードルデバイスの針状等の突起部に塗着する必要がある。
また、薬液中にはマイクロニードルデバイス上に薬剤を担持させるために高分子または/および低分子化合物をコーティング用のバインダーとして混合させることが好ましい。このようなバインダー樹脂としては、ポリエチレンオキサイド、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース系、デキストラン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、プルラン、ヒアルロン酸等の高分子化合物、塩化ナトリウムなどの塩類やグルコースなどの糖類等の低分子化合物が挙げられるが、これらに限ったものではない。特にこれらの中でも、生体適合性が高いものとして、ヒドロキシプロピルセルロース、デキストラン、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、プルラン、ヒアルロン酸等が好ましい。これらバインダー樹脂の種類、濃度等を調整することも「薬液の状態」を調整することに含まれる。
その溶媒として、微量に残留しても人体に害の少ない、水、エタノール、イソプロパノール、ジエチレングリコール、グリセリンのようなアルコール系などの水性溶媒を用いることが考えられる。その他溶媒として、脂肪族炭化水素系、トルエンのような芳香族炭化水素系、ハロゲン炭化水素系、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル系、ニトリル系、アミド系などの1種又は2種以上を混合して用いることができる。
なお、粘度に関しては例えばJIS K7117−2に規定されている方式による25℃下で測定した値であることが好ましい。本発明中ではJIS K7117−2に準拠し、測定温度は25℃下にて付属書B(規程)円すい−平板システムに記載されている内容を用いて測定した値として記載することとする。
また、その構造により、本発明では、分注する薬液が安定した状態で適用可能であり、薬液の温度を、薬液収容室及び又は薬液供給ノズルの開口部までを定温状態に維持制御可能とすることができ、薬液分注装置を取り巻く外部環境に影響されることなく、薬液を塗着できる。
前記ノズルの開口部に分注する薬液の温度は、外部環境に影響されないように、温度制御して所定の温度範囲に維持することが好ましいが、薬液分注装置全体を断熱状態に保護することで、格別な温度制御をせずに、薬液を塗着するようにしてもよい。
温度制御の必要性は、薬液の粘度に直接影響を与えることから、定量の薬液を分注するためあるいは液ダレしても突起部の先端部から基端部の範囲に薬液が塗着するように所定の温度範囲に維持することが好ましい。
それにより、可動テーブル上のマイクロニードルデバイスの突起部先端、分注した薬液を接触転着する薬液分注装置の薬液供給ノズル開口部、及び位置検知装置の相対的な位置関係が設定される。
そして、液ダレしやすい低粘度あるいは分注した薬液が大きい、すなわち液量が多くても、液ダレすることなく、また、マイクロニードルデバイスの他の領域に薬液が広がることがなく、薬液が突起部に乾燥塗着するまでの時間、その液溜部に薬液を確実に保持することができ、確実に定量塗着した薬液中の薬剤が突起部に転着し、一度に大量の薬液を精度良く塗着することができる。
このことにより、薬液の状態を厳密に調整する必要がなくなり、製造方法としてより簡易に工程を管理することができる。
本発明における実施例は、下記測定又は評価方法を用いて各種測定又は観察を行い、評価した。以下に実施例の測定方法及び評価方法を説明する。
(1)分注した薬液の大きさの測定
圧力流体加圧下のディスペンサ装置(武蔵エンジニアリング社製装置:SHOT miniα)にてノズル先端に薬液を定量分注した。その際の薬液の液滴の大きさ、すなわちノズル開口部に分注した状態の液径を、顕微鏡レンズを装着したCCDカメラで撮影し、計5回の撮影画像から液径の大きさを測定し平均値を以ってその大きさとした。
上記と同様のディスペンサ装置を用いて測定した液系のサイズを分注し、マイクロニードルデバイスの先端に転着させることで塗布した。結果は、光学顕微鏡(Carl zeiss社製:Axioskop40)で観察し、液ダレの有無、突起部以外の他の領域への塗着状態により塗着の適否を評価した。
塗着の適否を評価するため、薬液をノズル開口部に、定量分注する量を変更し、分注した薬液の径の大きさを変えて同様に薬液を突起部に接触転着させた。
本発明において、薬剤の定量塗着を測定、評価するために使用したマイクロニードルデバイスは、以下の公知の製造方法により製造した。
まず、アルミ金属板を切削加工にて底辺が0.25×0.25mm、高さ0.5mmの四角錘形状のニードルを1mmピッチで縦横に10本ずつ配置した100本のマイクロニードルのマスター形状を作製した。次に、作成したマイクロニードルデバイスのマイクロニードルの突起部を複製するために作成したマスターを母型とし、該母型から複製版を造るため電鋳を行うことでマスター形状とは逆の凹版を複製した。
ここで、マイクロニードルデバイスの基材として、ポリ乳酸(ユニチカ社製:テラマックTP−4000)を成形材料として圧縮成形により厚さ1mmのシートに成形したものを準備した。
(実施例1)
次のような薬液を調整、調製して、ディスペンサ装置(武蔵エンジニアリング社製:SHOT miniα)を採用し、薬液を該薬液供給ノズル開口部に定量分注することで、マイクロニードルデバイスの突起部に分注した薬液を接触転着し、塗着させた。
調製した薬液は、ポリビニルピロリドン(日本触媒社製:PVP K−90)12g、塗布状況を観察しやすいように着色剤としてのエバンスブルー(東京化成品)1gを精製水87gに溶解させたものを使用した。
該薬液をディスペンサ薬液分注装置の薬液収容部内に充填し、該薬液分注装置をセットし、ポリ乳酸製マイクロニードルデバイスの基材上の基準マーキング(リファレンスポイント)した箇所を原点として、100本のマイクロニードルの突起部に対してディスペンサ装置のノズル(武蔵エンジニアリング社製:SN−LFシリーズ32G、ノズル開口部内径:0.1mmφ)に所定量を定量分注した薬液を接触させ、突起部に転着塗着した。
薬液をノズル開口部に分注し、該分注した薬液と突起部を接触し転着する塗着は1本のニードルに対して1回から数回行い、必要量が塗着するように繰り返し行った。
流量調整弁開放時間:0.30sec
薬液供給ノズルの開口部口径:0.1mmφ
分注した薬液の径(最大径)の平均値:95(μm)
周囲雰囲気温度:25℃
薬液供給路の圧力:0.20MPa
薬液の温度:25℃
薬液の粘度:4000cp
マイクロニードルデバイスの基材保持温度:25℃
実施例1と以下の条件を変えて、実施例1と同様の方法によりマイクロニードルデバイスの突起部に薬液を接触転着し、塗着した。
PVP K−90の濃度を変更し、300cpとした。
実施例1と以下の条件を変えて、実施例1と同様の方法によりマイクロニードルデバイスの突起部に薬液を接触転着し、塗着した。
PVP K−90の濃度を変更し、80000cpとした。
実施例1とは、以下の条件に変えて、実施例1と同様の方法によりマイクロニードルデバイスの突起部に薬液を接触転着し、塗着した。
ノズルを高精細ノズル(武蔵エンジニアリング社製、FN−0.03N、ノズル開口部内径:0.03mmφ)として、弁開放時間0.1secとし、薬液の径のサイズを40μmとした。
実施例1とは、以下の条件を変えて、実施例1と同様の方法によりマイクロニードルデバイスの突起部に薬液を接触転着し、塗着した。
ノズルを武蔵エンジニアリング社製:SN−LFシリーズ26G、ノズル開口部内径:0.23mmφとして、弁開放時間0.4secとし、薬液の径のサイズを250μmとした。
実施例1とは、以下の条件を変えて、実施例1と同様の方法によりマイクロニードルデバイスの突起部に薬液を接触転着した。
マスク版をマイクロニードルデバイスの突起部にカバーして液溜部を形成し、下記定量分注した薬液を該突起部と接触転着し、塗着した。
ノズルを武蔵エンジニアリング社製:SN−LFシリーズ20G、ノズル開口部内径:0.58mmφとして、弁開放時間0.5secとし、薬液の径のサイズを600μmとした。
実施例1とは、以下の条件を変えて、実施例1と同様の方法によりマイクロニードルデバイスの突起部に薬液を塗着した。
PVP K−90の濃度を変更し、10cpとした。
実施例1と以下の条件を変えて、実施例1と同様の方法によりマイクロニードルデバイスの突起部に薬液を塗着した。
PVP K−90の濃度を変更し、120000cpとした。
実施例1とは、以下の条件を変えて、実施例1と同様の方法によりマイクロニードルデバイスの突起部に薬液を塗着した。
ノズルを高精細ノズル(武蔵エンジニアリング社製、FN−0.02N、ノズル開口部内径:0.02mmφ)として、弁開放時間0.1secとし、薬液の径のサイズを10μmとした。
実施例1とは、以下の条件を変えて、実施例1と同様の方法によりマイクロニードルデバイスの突起部に薬液を塗着した。
ノズルを武蔵エンジニアリング社製:SN−LFシリーズ20G、ノズル開口部内径:0.58mmφとして、弁開放時間0.5secとし、薬液の径のサイズを600μmとした。
その結果は、以下のとおりである。
まずは粘度に関連する項目の各条件の塗布結果を表1にまとめた。
次に液滴サイズに関連する項目の各条件の塗布結果を表2にまとめた。
分注した薬液の大きさが600μmの場合、殆ど薬液が突起部に留まらず、経皮吸収に有効な領域以外の基材部へ液ダレを生じ、定量塗着ができなかったが、マスク版を被せることで液ダレを防ぎ突起部への選択的な転着が可能であった。
本発明の方式を用いることで、マイクロニードルデバイスの突起部のみに定量の薬剤を選択的に正確に塗着することができるようになり、更に、生産性が高まることが予想される。
また、得られた経皮吸収用マイクロニードルデバイスは、マイクロニードルデバイス上の微細な突起部の先端部から基端部に薬剤が定量塗着している、優れた経皮吸収効率を発揮できるものである。
本発明は、薬液を定量分注し、分注した薬液と突起部を接触し、転着し、マイクロニードルデバイスの突起部に薬剤を選択的に定量塗着することを特徴とするマイクロニードルデバイスの製造方法及び該方法により製造された経皮吸収用マイクロニードルデバイスは、マイクロニードルデバイスの製造及び経皮吸収用マイクロニードルデバイスの用途に用いることができる。
Claims (5)
- ディスペンサ薬液分注装置内の薬液の状態を調整する薬液調整工程、
薬液供給ノズルとマイクロニードルデバイスの突起部を、位置を合わせるために移動、制御する第1の位置決め制御工程、
分注する薬液を保持する薬液供給ノズルとマイクロニードルデバイスの突起部を、分注する薬液に応じた間隔まで近接して、配置されるように移動を制御する第2の位置決め制御工程、
ディスペンサ薬液分注装置により定量の薬液を薬液供給ノズルの開口部に分注制御する工程、及び
薬液供給ノズルがマイクロニードルデバイスの突起部に下降近接した後、分注した薬液と該突起部とが接触し、かつ該突起部に薬液を転着させる薬液転着工程
を含む、マイクロニードルデバイスの突起部に薬剤を定量塗着する方法において、
薬液の状態の調整が、薬液供給ノズルの開口部における薬液の粘度が、500〜80000cpとなるように調節し、かつ
薬液の定量分注において、薬液供給ノズルの開口部における分注した薬液の径の大きさが、10〜500μmとなるように薬液を分注供給する、
ことを特徴とするマイクロニードルデバイスの製造方法。 - 薬液の定量分注において、薬液供給ノズルの開口部における分注した薬液の径の大きさが、20〜250μmとなるように分注する、請求項1に記載のマイクロニードルデバイスの突起部に薬剤を定量塗着することを特徴とするマイクロニードルデバイスの製造方法
- 分注した薬液が、薬液供給ノズルからマイクロニードルデバイスの突起部へ選択的に全量接触転着されるようにする、請求項1又は2に記載のマイクロニードルデバイスの突起部に薬剤を定量塗着することを特徴とするマイクロニードルデバイスの製造方法。
- さらに、薬液を分注する前に、マイクロニードルデバイスの突起部が、マスク基体に形成した孔に挿入され、孔内に突起部が露出するようにマスク基体をマイクロニードルデバイスに被覆する工程を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のマイクロニードルデバイスの突起部に薬剤を定量塗着することを特徴とするマイクロニードルデバイスの製造方法。
- マイクロニードルデバイスの突起部を孔内に露出するマスク基体が、薬液に対する濡れ性が低く、かつ突起部の高さより厚みを有する、請求項4に記載のマイクロニードルデバイスの突起部に薬剤を定量塗着することを特徴とするマイクロニードルデバイスの製造方法。
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