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JP5841089B2 - 成形用粉末、潤滑剤濃化粉末および金属部材の製造方法 - Google Patents

成形用粉末、潤滑剤濃化粉末および金属部材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、成形性の向上(特に抜出力の低減)と内部潤滑剤の低減との両立を図れる成形用粉末と、成形用粉末の調製に使用され高濃度の内部潤滑剤が表面に付着した金属基粒子からなる潤滑剤濃化粉末と、その成形用粉末を用いて得られた成形体またはその焼結体である金属部材の製造方法に関する。
複雑な形状の金属部材は、金型のキャビティへ充填した原料粉末(成形用粉末)を加圧成形した成形体、さらにはその成形体を加熱した焼結体を経て製造される。このような製法によれば、切削加工の削減等により、金属部材の製造コストを大幅に低減することが可能となる。
もっとも、そのような方法で高品質な金属部材を安定的に製造するためには、原料粉末の加圧成形時や成形体の抜出時に、金型のキャビティ内壁面と原料粉末や成形体との間でかじり、焼き付き等を生じることなく、低い抜出力で成形体を滑らかに取り出せることが重要となる。このような観点から、原料粉末中に内部潤滑剤を添加混合することが従来から行われてきた。この内部潤滑剤の添加量が多いほど、金型の内壁面と原料粉末または成形体との境界に多くの内部潤滑剤が供給され得るため、加圧成形時や抜出時にかじり等の発生を抑制できると考えられてきた。
しかし、内部潤滑剤は基本的に、成形性の向上を考慮して添加されるに過ぎず、金属部材の特性向上に寄与するものではない。むしろ、内部潤滑剤は成形体の密度低下、気孔の増加(PFD(Pore Free Density)の低下)等を招来する。また内部潤滑剤が多いと、成形体の焼結時に必要となる内部潤滑剤の除去工程(脱蝋工程)が長くなる。従って、本来的に内部潤滑剤の添加量は少ないほど好ましい。
このような観点から、成形時のかじり等の発生を抑制しつつ、内部潤滑剤の低減を図る提案がいくつかなされており、例えば下記の特許文献に関連した記載がある。
特開平1−219101号公報 特表2001−524605号公報 特開2009−523907号公報
特許文献1は、内部潤滑剤が溶融する温度で温間成形することにより、比較的少ない内部潤滑剤で鉄粉(原料粉末)の表面を完全に被覆させることを意図している。しかし、特許文献1の実施例に記載されている内部潤滑剤の添加量(合計量)は1質量%であり、内部潤滑剤の十分な低減は図られていない。
特許文献2も特許文献1の場合と同様で、その実施例の記載によれば、内部潤滑剤の添加量は0.6質量%とあり、未だ、その低減は不十分である。
特許文献3には、内部潤滑剤の添加量を0.4質量%まで低減した実施例が記載されている。しかし、特許文献3は、内部潤滑剤の添加量を少なくするために、予めリン酸金属塩で粒子を被覆した特殊な金属粉末を用いている。逆にいえば、そのような特殊な金属粉末を用いても、内部潤滑剤の添加量を高々0.4質量%までしか低減できていない。なお、特許文献2および特許文献3はいずれも、金属粉末に粒状の内部潤滑剤を均一に混合した原料粉末を用いている。
本発明はこのような事情に鑑みて為されたものであり、従来とは全く異なる手法により、内部潤滑剤の添加量を低減しつつも良好な成形性を確保し得る成形用粉末と、その成形用粉末の調製に用いる潤滑剤濃化粉末と、その成形用粉末を用いた成形体さらにはその焼結体からなる金属部材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、従来の技術常識に反して、内部潤滑剤を原料粉末中に均一的に分布させず、内部潤滑剤が濃化した金属基粒子を原料粉末中に混在させた成形用粉末を着想した。この成形用粉末を用いることにより、粉末全体として内部潤滑剤の添加量を低減しつつも、かじりや焼付き等を生じることなく、低い抜出力で成形体を得ることに成功した。この成果を発展させることにより、以降に述べる本発明を完成するに至った。
《成形用粉末》
(1)本発明の成形用粉末は、第一金属基粒子からなる第一構成粒子と第二金属基粒子からなる第二構成粒子が混在した成形用粉末であって、前記第一金属基粒子の表面に付着した第一内部潤滑剤の前記第一構成粒子全体に対する質量割合である第一潤滑剤濃度は、前記第二金属基粒子の表面に付着した第二内部潤滑剤の前記第二構成粒子全体に対する質量割合である第二潤滑剤濃度よりも大きく、該第二潤滑剤濃度は0.01質量%以上であることを特徴とする。
(2)本発明の成形用粉末を用いれば、粉末全体または成形体全体に対する内部潤滑剤の含有量(適宜「潤滑剤量」という。)を低減しつつ、成形時にかじりや焼付き等を生じることなく、低い抜出力で成形体を金型から取り出すことが可能となる。また成形体中の潤滑剤量が低減される結果、PFDの向上ひいては成形体や焼結体の高密度化や高強度化等を図れる。さらに、それにより焼結時の脱蝋工程も短縮され、焼結体の製造コストの低減も図れる。
(3)本発明の成形用粉末により、このような優れた効果が得られる理由は必ずしも定かではないが、現状では次のように考えられる。従来は、微粒状の内部潤滑剤を金属粉末中に薄く(僅かに)均一的に分散させて成形することにより成形性が向上し、結果的に内部潤滑剤の配合割合(潤滑剤量)を低減できると考えられてきた。逆にいえば、粗粒状の内部潤滑剤を金属粉末中に混在させると、金属基粒子が金型の内壁面と直接接触する割合が増加して、かじりや焼き付き等を生じ易くなると考えられてきた。また、内部潤滑剤は金属基粒子よりも大幅に比重が小さいため、粗大な粒状の内部潤滑剤は金属粉末中で浮き上がって分離し易く、両者を均一混合したり、均一混合された状態のまま充填することが困難であった。このような事情の下、成形用粉末中で内部潤滑剤を偏在させるという発想自体がこれまで全くなかった。
しかし、本発明者が上述した本発明の成形用粉末を加圧成形したところ、従来の技術常識に反して、かじりや焼き付き等を生じることもなく、逆に、成形体の抜出力の低減も図り得ることが明らかとなった。この理由として、潤滑剤濃度が大きい構成粒子は、その金属基粒子の表面に付着している潤滑剤量も大きい。このような構成粒子の存在は、いわば、粗粒状(塊状)の内部潤滑剤が粉末中に存在している状態に近い。このような構成粒子が加圧成形時に圧縮されると、表面にある粗大な内部潤滑剤が金属基粒子間の隙間に充填されるに留まらず、粒間を通じて周囲に流動または流出し易くなる(換言するなら、染み出し易くなる)。このような状況が、金属基粒子と金型の内壁面との境界近傍でも生じることにより、粉末全体としては潤滑剤量を低減させつつも、成形時におけるかじりや焼き付き等の抑止さらには成形体の抜出力の低減等を図れるようになったと考えられる。
なお、本発明の成形用粉末は、従来のように顆粒状の内部潤滑剤が単に金属粉末と混合状態にある訳ではなく、濃化または粗大化した内部潤滑剤(第一内部潤滑剤)が金属基粒子の表面に付着した状態(第一構成粒子)となっている。このため本発明の成形用粉末では、前述したように内部潤滑剤と金属粉末が混合中や充填中に分離することはなく、本発明でいう第一構成粒子と第二構成粒子が所望の配合割合でほぼ均一的に混合された状態、換言すれば濃化した内部潤滑剤がほぼ均一的に分散(点在)した状態となり易い。
ちなみに、加圧成形時に内部潤滑剤が付着している金属基粒子の塑性変形が大きいほど、その内部潤滑剤の周囲への染み出しは多くなると考えられる。そして、金属基粒子は粗大であるほど、加圧成形時に大きく塑性変形し易い。そこで、本発明でいう第一金属基粒子(濃化または粗大化した内部潤滑剤が付着している金属基粒子)の大きさを指標する第一粒度は、第二金属基粒子の大きさを指標する第二粒度よりも大きいほど好ましいといえる。なお、金属基粒子の大きさは、画像処理等により算出した所定数の金属基粒子の平均粒径等によっても指標できるが、篩い分け(JIS Z 8801)により特定される粒度を用いると簡便である。
《潤滑剤濃化粉末》
本発明は成形用粉末としてのみならず、上述した第一構成粒子の供給源となる潤滑剤濃化粉末としても把握できる。すなわち本発明は、内部潤滑剤が表面に濃化して付着した金属基粒子からなる潤滑剤濃化粉末であって、前記内部潤滑剤の前記金属基粒子に対する質量割合である潤滑剤濃度が1〜5質量%であり、上述した第一構成粒子の供給源となることを特徴とする潤滑剤濃化粉末としても把握できる。このような潤滑剤濃化粉末は、例えば、金属基粒子からなる金属粉末と完全溶融した内部潤滑剤とを混合して得られる。
《金属部材の製造方法》
本発明は、上述した成形用粉末からなる成形体や焼結体の製造方法としても把握できる。すなわち本発明は、上述した成形用粉末を加熱した金型内で加圧して成形体を得る温間成形工程を備えることを特徴とする金属部材(成形体)の製造方法としても把握できる。本発明の成形用粉末は、成形時の温度を問わないが、温間成形を行うことにより内部潤滑剤はより染み出し易くなり、金型の内壁面近傍における境界潤滑性が向上し得る。なお、温間成形は、用いる内部潤滑剤の内で最も低い融点(適宜「最低融点」という。)未満の温度に金型を加熱して行うとよい。例えば、内部潤滑剤の種類に応じて、60〜100℃内の適切な温度に金型を加熱するとよい。
本発明は、さらに、前記成形体を加熱して焼結体を得る焼結工程を備える金属部材(成形体)の製造方法としても把握できる。この場合、上述した成形用粉末を用いることにより、脱蝋工程を短縮でき、焼結体を低コストで得ることが可能となる。なお本発明は、上述の製造方法により得られた成形体や焼結体としても把握できる。
《その他》
(1)本発明でいう「第一」、「第二」は便宜的な呼称であり、内部潤滑剤が濃化している方に「第一」、それ以外に「第二」を付した。第一構成粒子は、少なくとも第一金属基粒子とその表面に付着した第一内部潤滑剤とからなるが、適宜、種々の改質粒子(合金元素粒子、グラファイト、カーボンブラック)等を含んでもよい。
二構成粒子も、第二金属基粒子の表面に僅かな第二内部潤滑剤が付着している粒子であると、成形用粉末の充填性の向上、成形体の抜出力の低減等を図れて好ましい。なお、第二構成粒子も第一構成粒子と同様に、種々の改質粒子を含み得る。
本発明の成形用粉末は、第一構成粒子と第二構成粒子の二種のみからなる場合には限らず、三種以上の構成粒子からなる場合でもよい。要するに本発明の成形用粉末は、異なる構成粒子間で、金属基粒子に付着している内部潤滑剤の割合(潤滑剤濃度)が意図的に異なる状態(濃淡状態)に調整または制御されたものであればよい。本発明の成形用粉末が三種以上の構成粒子からなる場合、潤滑剤濃度が最大の構成粒子を第一構成粒子とし、潤滑剤濃度が最小の構成粒子を第二構成粒子と考えればよい。
そして本発明の成形用粉末は、第一潤滑剤濃度(L1)に対する第二潤滑剤濃度(L2)の比である潤滑剤濃度比(Lr=L2/L1)が0.01〜0.5、0.03〜0.4さらには0.05〜0.35であると、抜出力の低減等を図れて好ましい。また第一潤滑剤濃度は0.6〜5質量%(単に「%」という。)、0.8〜4%、1〜3%さらには1.5〜2.5%であると好ましい。逆に、第二潤滑剤濃度は0.2%以下、0.17%以下、0.12%以下さらには0.08%以下であると好ましい。なお、第二潤滑剤濃度の下限値は、0.01%以上さらには0.03%以上であると、より好ましい。
本発明は、良好な成形性を確保しつつ、成形用粉末全体として内部潤滑剤の添加量を低減することを目的としている。この観点から本発明の成形用粉末は、粉末全体を100質量%(単に「%」という。)として、含有する内部潤滑剤の合計量を0.35%以下、0.3%以下さらには0.25%以下とすると好ましい。
潤滑剤濃度の高い第一構成粒子を混在させつつ、成形用粉末全体として潤滑剤量を低減させるには、第一構成粒子を第二構成粒子よりも少なくするとよい。各構成粒子の潤滑剤濃度や内部潤滑剤の合計量にも依るが、例えば、成形用粉末全体を100質量%として、第一構成粒子を3〜30%さらには7〜25%とするとよい。なお、各構成粒子の質量はほとんどが金属基粒子からなるため、各構成粒子の質量割合は、各構成粒子をベースとなる金属基粒子の割合と実質的に等しい。このため、適宜、金属基粒子の質量割合により構成粒子の質量割合は代替され得る。
(2)本発明の成形用粉末は、構成粒子の集合体であるため上述のように表現したが、通常、潤滑剤濃度の異なる二種以上の原料粉末(例えば、第一構成粒子からなる第一原料粉末と第二構成粒子からなる第二原料粉末)を混合して調製される。このため、任意に抽出した特定の粒子一粒々々という単位で、本発明に係る潤滑剤濃度等を評価することは現実的ではない。従って本発明に係る構成粒子の「潤滑剤濃度」や「粒度」等は、成形用粉末またはその原料粉末から無作為に抽出した100gの試料粉末について調査、分析して得られた代表値に基づき評価されるものとする。代表値は、例えば、潤滑剤濃度なら平均値、粒度なら篩い分けして求まる粒度分布である。
(3)特に断らない限り本明細書でいう「x〜y」は下限値xおよび上限値yを含む。本明細書に記載した種々の数値または数値範囲に含まれる任意の数値を新たな下限値または上限値として「a〜b」のような範囲を新設し得る。また、本明細書でいう「成形性」は、粉末充填性、耐かじり性、耐焼付き性、抜出力の低減性等である。
ML2粉末の構成粒子のSEM写真である。 標準粉末の構成粒子のSEM写真である。 MLG2粉末を用いて成形した成形体表面のSEM写真である。 標準粉末を用いて成形した成形体表面のSEM写真である。 潤滑剤濃度比と抜出力の関係を示すグラフである。
本明細書で説明する内容は、本発明の成形用粉末や潤滑剤濃化粉末のみならず、その成形用粉末を用いて製造された成形体や焼結体(金属部材)、さらにはその金属部材の製造方法にも適宜該当し得る。方法に関する記載内容は、プロダクトバイプロセスとして理解すれば物に関する構成要素ともなり得る。本明細書中から任意に選択した一以上の記載内容を上述した本発明に自在に付加し得る。いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なる。
《原料粉末》
(1)金属基粒子(金属粉末)
本発明に係る金属基粒子は、その組成、形態、種類を問わないが、鉄(Fe)を主成分とする鉄基粒子が代表的である。鉄基粒子の組成は、純鉄でも鉄合金でもよい。また金属基粒子(またはその粉末)は、単種の粉末からなるものでも、組成、製法、粒形分布等の異なる二種以上の素粉末を組み合わせたものでもよい。例えば、鉄基粒子からなる鉄系粉末は、鉄合金または非鉄合金からなる合金粉末と純鉄粉末の混合粉末でもよいし、製法または粒子形状(粒形)の異なる二種以上のアトマイズ粉末(例えば水アトマイズ粉末とガスアトマイズ粉末)の混合粉末でもよい。
(2)強化粉末・改質粉末
本発明の金属部材は、圧粉磁心のような成形体でも、構造部材等となる焼結体でもよい。本発明の金属部材が焼結体からなる場合、原料粉末中に強化元素や改質元素が含まれていると好ましい。強化される特性として、例えば、強度、伸び、靱性等性があり、改質される特性として、例えば、焼結性、寸法安定性、切削性等がある。このような元素として、例えば、C、Cu、Ni、Cr、Mn、Si、V、Mo、P、S、W等がある。これらの元素は、金属基粒子の粉末に含まれてもよいが、別粉末(強化粉末または改質粉末)として原料粉末中に混在させて組成調整してもよい。このような粉末として、例えば、グラファイト(Gr)粉末、Cu粉末、Cu合金粉末、Fe−Cr系合金粉末、Fe−Mo系合金粉末、Fe−Mn−Si系合金粉末、Fe−P粉末等がある。
なお、本発明の成形用粉末は、グラファイト等の改質粉末とは別に、カーボンブラック(CB)粉末を含有していてもよい。少量のCBにより成形用粉末の金型キャビティへの充填性の向上を図り得る。CBは、成形用粉末全体を100%としたときに0.005〜0.05%さらには0.01〜0.04%含まれると好ましい。
(3)粒度分布
本発明の成形用粉末では、粒径の大きい粒子を第一金属基粒子または第一構成粒子として使用し、粒径の小さい粒子を第二金属基粒子または第二構成粒子として使用すると好ましい。これら粒径は、前述したJIS Z 8801に準拠した篩分けにより求まる粒度で規定される。粒度は「−aμm」、「+bμm」または「−aμm/bμm」のように表示される。「−aμm」は、粒子または粉末が公称目開きaμmの篩を通過したことを意味し、「+bμm」は、粒子または粉末が公称目開きbμmの篩を通過しなかったことを意味する。また「−aμm/(+)bμm」は、粒子または粉末が、公称目開きaμmの篩を通過し、それよりも細かい公称目開きbμmの篩を通過しなかったことを意味する。
《内部潤滑剤》
本発明に係る内部潤滑剤は、その種類、組成等を問わず、一種のみならず二種以上が混在した複合潤滑剤でもよい。例えば、本発明に係る内部潤滑剤は、脂肪酸アミドと、飽和脂肪酸、高級アルコール、エステルワックス、アミドワックス、金属石鹸の1種以上との複合潤滑剤からなると好ましい。脂肪酸アミドは、例えば、ステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド等の一種以上である。飽和脂肪酸は、例えばパルミチン酸、ステアリン酸、アラギン酸、ベヘン酸等である。高級アルコールは、例えば、ベヘニルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、リグノセリルアルコール等の一種以上である。なお、高級アルコールは、複合潤滑剤全体を100%としたときに15〜60%さらには5〜45%であると好ましい。
エステルワックスは、例えば、脂肪酸アルキルエステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステール等の一種以上である。金属石鹸は、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等の一種以上である。
ちなみに、構成粒子の表面にある内部潤滑剤は、各種の改質粒子やCB粒子などを付着させて、それらの飛散を防止する役割も果たす。この点でも、内部潤滑剤が濃化している第一構成粒子のみならず、第二構成粒子にも僅かな内部潤滑剤が付着しているとよい。また、第一構成粒子の表面に付着している内部潤滑剤と第二構成粒子の表面に付着している内部潤滑剤は、種類、組成、付着方法等が相違していてもよい。なお、内部潤滑剤は、金属基粒子の表面に付着させて供給される場合のみには限らない。例えば、本発明の成形用粉末は、極少量の顆粒状の内部潤滑剤を別途混合したものでもよい。
《成形と焼結》
本発明の成形用粉末は、成形時の条件を問わない。冷間成形されても温間成形されてもよいし、印加される成形圧力も一般的な400〜850MPaでもよいし、それを超えるような超高圧でもよい。用いる潤滑剤の融点にも依るが、金型温度を60〜100℃とする温間成形を行うことにより、成形体ひいては焼結体の高密度化も図れる。なお、本発明の成形用粉末は、内部潤滑剤を含むため通常必要ないが、金型潤滑成形に使用される場合を除くものではない。
焼結条件も問わないが、一般的には、窒素雰囲気等の酸化防止雰囲気中で、1050〜1250℃、1〜120分間、炉内加熱や高周波加熱されて焼結される。また焼結体は、適宜、焼鈍、焼準、時効、調質(焼き入れ、焼き戻し)、浸炭、窒化等の熱処理が施されてもよい。
《用途》
本発明の成形用粉末により得られる成形体や焼結体は、その形態や用途を問わない。焼結体の用途例として、自動車分野では、各種プーリー、変速機のシンクロハブ、エンジンのコンロッド、ハブスリーブ、スプロケット、リングギヤ、パーキングギヤ、ピニオンギヤ等がある。その他、サンギヤ、ドライブギヤ、ドリブンギヤ、リダクションギヤ等もある。
《第一実施例》
〈試料粉末の調製〉
(1)原料
純鉄基粒子からなる純鉄粉(ヘガネスAB社製ASC100.29/−212μm)と、改質粉末である黒鉛粉末(Gr)(日本黒鉛工業株式会社製J−CPB/平均粒径:5μm)と、表1に示す内部潤滑剤を用意した。なお、上記の純鉄粉(金属粉末)はいずれも水アトマイズ粉末である。
(2)マスタールーブ粉末の調製
上記した純鉄粉またはこれを粒度で選別した粉末と、表1に示す内部潤滑剤とを完全溶融混合処理して、粒子表面に内部潤滑剤を高濃度で付着させた粒子(第一構成粒子)からなる複数のマスタールーブ粉末(潤滑剤濃化粉末)を調製した。具体的にいうと、入手したままの純鉄粉(純鉄粉I)と、その純鉄粉を篩い分けして粒度を−212μm/+106μmとした純鉄粉(純鉄粉II)と、同じく篩い分けして粒度を−106μmとした純鉄粉(純鉄粉III)を準備した。それぞれの粉末に対して、表1中に示した潤滑剤kalと潤滑剤S10を各1%(調整後の粉末全体に対して合計で2%)加えて、完全溶融混合処理を行った。
こうして、ML1粉末(純鉄粉I+1%kal+1%S10)、ML2粉末(純鉄粉II+1%kal+1%S10)およびML3粉末(純鉄粉III+1%kal+1%S10)という3種のマスタールーブ粉末(適宜「ML粉末」という。)を得た。なお、本明細書では特に断らない限り、内部潤滑剤やGr等の添加量は、調製後の粉末全体に対する質量%(単に「%」で表す。)で示す。
ちなみに、完全溶融混合処理は次のようにして行った。先ず、加熱混合装置(深江パウテック株式会社製ハイスピードミキサーLFS−SG−2J)を用いて、いずれの内部潤滑剤も完全に溶融する150℃で、アジテータの回転数を150rpmとし、5分間混合する。次に、得られた混合物を各内部潤滑剤の融点以下の温度(室温)まで冷却し、その凝固物を解砕する。こうして上述したマスタールーブ粉末を調製した。
(3)試料粉末(成形用粉末)の調製
先ず、上記の各マスタールーブ粉末と混合するベース粉末を調製した。ベース粉末は、前述した純鉄粉(入手したままの粉末/粒度:−212μm)、0.88%Gr、0.05%kalおよび0.05%S10に、上述した完全溶融混合処理を施して調製した。なお、このベース粉末(適宜、「BG粉末」という。)に含まれる内部潤滑剤の合計量は、粉末全体に対して0.1%となる。
BG粉末に、上述したいずれかのML粉末を10%加えてボールミルで30分間混合する。こうして3種の試料粉末(MLG1粉末〜MLG3粉末)を調製した。つまり、ML1粉末:BG粉末+10%ML1粉末、ML2粉末:BG粉末+10%ML2粉末、ML3粉末:BG粉末+10%ML3粉末である。これら各粉末に含まれる内部潤滑剤の合計量は、いずれも粉末全体に対して0.3%である。
この他、上述した完全溶融混合処理を行うことにより、BG粉末(Fe−0.88%+0.05%kal+0.05%S10)よりも内部潤滑剤量を増加させた標準粉末(Fe−0.8%+0.15%kal+0.15%S10)も調製した。
さらに、前述した純鉄粉(入手したままの粉末/粒度:−212μm)、0.8%Grおよび0.3%kenolubを、ボールミルで30分間単純混合した比較粉末(Fe−0.8%+0.3%kenolub)も調製した。
〈成形および焼結〉
(1)上述した各試料粉末を用いて、成形体と、その成形体を焼結した焼結体(金属部材)を製造した。成形体は、30gの各試料粉末を60℃に加熱した金型のキャビティへ充填し、686MPaで加圧することにより得た(温間成形工程)。金型は、超硬合金製とし、そのキャビティはφ23mmの円柱状とし、その内壁面の表面粗さはRa(JIS)で0.1μmとした。
各試料粉末をJIS Z 2502、2504に準拠して、各試料粉末の流動度(FR)および見掛密度(AD)を測定した。また、各試料粉末の加圧成形後に成形体を金型のキャビティから抜き出す際に必要となる荷重(抜出力)も圧縮成形機の荷重計により測定した。さらに、成形体の質量と寸法を測定して、それぞれの成形体密度(G.D.)も算出した。これらの結果を表2に併せて示した。
(2)得られた各成形体を窒素雰囲気中で1150℃×30分間加熱して焼結体を得た。焼結体の質量と寸法を測定して、それぞれの焼結体密度(S.D.)と寸法変化(ΔD)を算出した。これらの結果も表2に併せて示した。
〈評価〉
(1)成形性
表2に示したMLG1〜MLG3粉末と標準粉末または比較粉末とを比較すれば明らかなように、潤滑剤濃度が異なる構成粒子が混在した粉末を用いることにより、抜出力を大幅に低減できることがわかる。特に、粒度の大きなML粉末をBG粉末へ加えて混合したML2粉末は、抜出力の低減が顕著であった。
しかも、MLG1〜MLG3粉末(特にMLG2粉末)は、流動度や見掛密度から明らかなように、粉末充填性にも優れるものであった。
(2)表面観察
ML2粉末と標準粉末の各構成粒子の表面を観察した走査型電子顕微鏡(SEM)像をそれぞれ図1Aおよび図1Bに示した。写真中で黒く見える部分が、粒子表面に付着している内部潤滑剤である。図1Aから明らかなように、ML2粉末の構成粒子は、純鉄基粒子の凹部を埋めるように内部潤滑剤が高濃度に付着していることがわかる。一方、図1Bから明らかなように、標準粉末の構成粒子は、純鉄基粒子の表面に少量の内部潤滑剤が薄くほぼ均一的に付着していることがわかる。
BG粉末へML2粉末を加えたMLG2粉末と標準粉末とをそれぞれ温間成形し、得られた各成形体の表面を観察した。それぞれのSEM象を図2Aおよび図2Bに示した。これらの写真でも、黒く見える部分が内部潤滑剤である。両写真を比較すれば明らかなように、内部潤滑剤の合計量は同じでも、MLG2粉末を用いる方が、成形体の表面近傍における内部潤滑剤が多く、純鉄基粒子の露出(白く見える部分)が少ないことがわかる。これは、MLG2粉末を用いて成形すると、成形体の表面近傍(金型の内壁面との境界)へより多くの潤滑剤が染み出したことを意味している。
《第二実施例》
〈試料粉末の調製〉
第一実施例から、潤滑剤濃度(L1)が高くて粗い粒子(高濃度粗粒子)を含む成形用粉末を用いることにより、顕著な成形性の向上(特に抜出力の低減)を図れることがわかった。これを踏まえて、潤滑剤濃度(L2)の低い細かい粒子(低濃度細粒子)からなる粉末(低濃度細粉)と高濃度粗粒子からなる粉末(高濃度粗粉)を混合した成形用粉末において、それらの潤滑剤濃度比(Lr=L2/L1)が成形性(特に抜出力)に及ぼす影響を次のようにして調べた。
先ず、篩い分けにより、前述した純鉄粉(粒度:−212μm)を、粒度:−150μm/+106μmの粗鉄粉と粒度:−106μmの細鉄粉とに選別した。参考までに、粒度選別前の純鉄粉(−212μm)の粒度分布を、3つのロットについて調べた結果を表3に示した。この表3に示す粒度分布からわかるように、上述した粒度選別により、約7〜8%を占める粒度:+150μmの粒子がカットされ、約17〜20%を粗鉄粉として、残部を細鉄粉として利用したことになる。
上述した粗鉄粉と細鉄粉、前述したGrおよび内部潤滑剤(kalとS10)を用いて、表4に示す各試料粉末を調整した。各試料粉末は、粗鉄粉と細鉄粉をそれぞれ1:4(質量比)で配合したものである。Grは粗鉄粉全体または細鉄粉全体に対して0.8%の割合で添加した(試料粉末全体としてもGrはほぼ0.8%となる)。
また、各粉末中の内部潤滑剤は、kal:S10を1:1(質量比)とし、前述した完全溶融混合処理を施すことにより各粒子へ付着させた。但し、試料粉末毎に潤滑剤濃度または内部潤滑剤の合計量を変化させた。ちなみに、例えば試料粉末12のように、粗鉄粉の潤滑剤濃度が0.8%であるとき、試料粉末12中で粗鉄粉に付着しているkalまたはS10はそれぞれ、0.8×(1/5)×(1/2)=0.08%となり、試料粉末12中で粗鉄粉に付着している両潤滑剤の合計量は0.16%となる。また、細鉄粉の潤滑剤濃度は0.05%であるから、試料粉末12中で細鉄粉に付着しているkalまたはS10はそれぞれ、0.05×(4/5)×(1/2)=0.02%となり、試料粉末12中で細鉄粉に付着している両潤滑剤の合計量は0.04%となる。そして試料粉末12全体で観れば、各粒子に付着している内部潤滑剤の合計は0.16+0.04=0.2%となる。
なお、試料粉末11〜14は、前述した完全溶融混合により内部潤滑剤を別々に付着させた粗鉄粉と細鉄粉をボールミルで30分間混合したものである。一方、試料粉末C1〜C3は、予め粗鉄粉と細鉄粉を混合しておいた混合粉末に、前述した完全溶融混合を施したものである。
〈成形〉
(1)上述した各試料粉末を用いて第一実施例の場合と同様な温間成形を行い、円柱状の成形体を製造した。この成形時における各試料粉末の成形性を第一実施例と同様に測定し、得られた結果を表4に併せて示した。
(2)表4の結果に基づき、内部潤滑剤の合計量が0.2%である試料粉末11〜14と試料粉末C1について、潤滑剤濃度比と抜出力の関係を図3に示した。
〈評価〉
成形体密度はいずれの試料粉末を用いた場合でも大差なかった。見掛密度は、細鉄粉に内部潤滑剤を付着させなかった試料粉末11で著しく低下したが、その他の試料粉末では大差なかった。流動度および抜出力は、内部潤滑剤の合計量が増加するほど良好となった。また、内部潤滑剤の合計量が一定なら、低濃度細粉の潤滑剤濃度が高くなるほど、流動性の向上を図れることもわかった。
但し、内部潤滑剤の合計量が同じ試料粉末11〜14と試料粉末C1で比較すると、図3から明らかなように、粗鉄粉の潤滑剤濃度(L1)に対する細鉄粉の潤滑剤濃度(L2)の比である潤滑剤濃度比(Lr=L2/L1)が特定の範囲(例えば0.01〜0.5)内にあるとき、抜出力がより低減されることもわかった。そして試料粉末12は内部潤滑剤の合計量が0.2%と少ないが、内部潤滑剤の合計量が0.3%である試料粉末C2と同等な抜出力を実現している。
従って、潤滑剤濃度や粒度の異なる粉末を組み合わせること、さらには高濃度粗粉と低濃度細粉を用いることにより、内部潤滑剤の使用量の低減と成形性の確保または向上を図れることがわかった。

Claims (9)

  1. 第一金属基粒子からなる第一構成粒子と第二金属基粒子からなる第二構成粒子が混在した成形用粉末であって、
    前記第一金属基粒子の表面に付着した第一内部潤滑剤の前記第一構成粒子全体に対する質量割合である第一潤滑剤濃度は、前記第二金属基粒子の表面に付着した第二内部潤滑剤の前記第二構成粒子全体に対する質量割合である第二潤滑剤濃度よりも大きく、
    該第二潤滑剤濃度は0.01質量%以上であることを特徴とする成形用粉末。
  2. 篩い分けにより特定される前記第一金属基粒子の大きさを指標する第一粒度は前記第二金属基粒子の大きさを指標する第二粒度よりも大きい請求項1に記載の成形用粉末。
  3. 前記第一潤滑剤濃度(L1)に対する前記第二潤滑剤濃度(L2)の比である潤滑剤濃度比(Lr=L2/L1)は0.01〜0.5である請求項1または2に記載の成形用粉末。
  4. 前記第一潤滑剤濃度は0.4〜5質量%であり、
    前記第二潤滑剤濃度は0.2質量%以下である請求項1または3に記載の成形用粉末。
  5. 全体を100質量%(単に「%」という。)として、内部潤滑剤の合計量は0.35%以下である請求項1または4に記載の成形用粉末。
  6. 全体を100質量%(単に「%」という。)として、前記第一構成粒子は3〜30%含まれる請求項1〜5のいずれかに記載の成形用粉末。
  7. 前記第一金属基粒子および前記第二金属基粒子は鉄基粒子からなり、
    前記第一内部潤滑剤は、脂肪酸アミドと高級アルコール、エステルワックス、アミドワックス、金属石鹸の1種以上との複合潤滑剤からなる請求項1〜6のいずれかに記載の成形用粉末。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の成形用粉末を加熱した金型内で加圧して成形体を得る温間成形工程を備えることを特徴とする金属部材の製造方法。
  9. さらに、前記成形体を加熱して焼結体を得る焼結工程を備える請求項8に記載の金属部材の製造方法。
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