JP5831397B2 - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents
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Description
このことにより、焼結機に装入した後、焼結パレット内に形成された原料充填層内の通気性を維持し、焼結原料の焼結反応を促進し、高い生産性を確保することができる。
焼結機の生産性を向上させる手段としては、焼結原料に生石灰を配合し、強固な擬似粒子を形成する技術がある。即ち、焼結原料中の粒径0.25mm以下の割合が多い場合、原料銘柄によっては造粒が困難で、擬似粒子の強度が脆弱なものとなり、焼結パレット内に装入した原料充填層の通気抵抗性を悪化させ、焼結機の生産性を低下させてしまう。この場合、脆弱な擬似粒子から強固な擬似粒子にすることが必要である。又、更なる生産性の向上が要求される場合に、更に強固な擬似粒子を形成が必要となる。
かかる場合に焼結原料に生石灰を配合し、混合・造粒することにより、生石灰が焼結原料の粒子を結合する造粒剤としての効果を発揮し、強固な擬似粒子が形成されることにより焼結機の生産性の向上を図ることができる。
又、同じCaを含有することより、生石灰に替わり消石灰を使用する技術もある。
特許文献2に記載の発明は、生石灰を湿式粉砕し、消石灰スラリーとすることにより活性度が向上することにより、焼結の生産性が向上するとしている。しかし、生石灰は、湿式粉砕でなく、乾式粉砕でもその粒径が小さくなることにより、焼結の生産性の向上効果を発揮できる。又、造粒剤の使用原単位が大きくなった場合に、造粒剤の効果が低減するという問題を解決するものではない。
特許文献3に記載の発明は、返鉱に水分を加え返鉱に含まれる生石灰を消石灰とすることで、焼結原料の造粒効果を高め、焼結の生産性の向上することができるとする。しかし、この発明は、原料充填層の上に石灰石とコークスを充填し、返鉱中に生石灰として回収する操業の場合であり通常の操業とは相違する。通常の操業では、返鉱中に多くの生石灰が残存することは無い。そして、造粒剤の使用原単位が大きくなった場合に、造粒剤の効果が低減するという問題を解決するものではない。
本発明の目的は、高原単位の造粒剤を用いた焼結鉱の製造方法の提供である。
(1)鉄鉱石、雑原料、副原料、造粒剤からなる新原料に、凝結材及び返鉱を加えた配合原料に水を添加し、混合・造粒して擬似粒化した原料を製造し、前記擬似粒子化した原料を焼成する焼結鉱の製造方法において、
前記造粒剤は、前記新原料の合計量に対し、内数で、生石灰2質量%以上3質量%以下及び消石灰であることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
(2)前記消石灰は、粒径の中央値(D50)が20μm以下であることを特徴とする(1)に記載の焼結鉱の製造方法。
ここに、新原料とは、焼結工程に新たに投入される原料であり、配合原料とは、新原料に返鉱(焼結鉱を篩分け、高炉に使用されない篩下粉)と凝結材を加えたものをいう。雑原料とは、焼結ダスト、スケールなどの製鉄所内で発生するリサイクル原料を言う。副原料は、焼結鉱のCaO、MgO含有量を調整するための原料で、石灰石、蛇紋岩、ドロマイトなどを言う。凝結材は、粉コークスや無煙炭の炭材を言う。
本発明の実施に要する設備構成を焼結工程の流れ図(図1)に示す。原料配合槽10において、原料槽11〜13及び返鉱槽17に加えて、石灰石槽14、生石灰槽15、消石灰槽16の3槽をあてがう。通常、石灰石、生石灰及び消石灰は、その他の原料のように原料ヤードからの搬入ではないため、石灰石槽14、生石灰槽15、消石灰槽16にはそれぞれ独立した搬入装置を設ける。この時、気流搬送法が用いるのがよい。又、生石灰槽15、消石灰槽16は、水の浸入を防止するための対策を行う必要がある。
焼結操業において本発明を実施する要領は次のようである。すなわち、比較的所要生産量が少ない場合には、生石灰のみを造粒剤と使用する。所要生産量が多くなると、生石灰に加えて消石灰を使用する。通常焼結鉱のCaO含有量は一定で操業されるため、これら生石灰、消石灰の配合量の増加に応じて、焼結鉱CaOが変わらない様に石灰石の配合量を減じる。この時、造粒剤が生石灰のみの場合と生石灰と消石灰を併用する場合の境界は、新原料の合計量に対し、内数で、生石灰2質量%以上3質量%以下とする。
生石灰使用の上限量が2質量%から3質量%のどの量となるかは、使用する原料条件によって変化するので、予め決めることは困難である。従って、操業状況を見ながら適宜生石灰使用上限量を判断することになる。
消石灰の粒度は、後述するように、微細であることが望まれる。消石灰は、粒径の中央値(D50)が20μm以下であることが好ましく、更に5μm以下であることが、特に好ましい。
生石灰と消石灰の高配合率における造粒改善効果の違いについて説明する。
本発明における焼結原料の造粒剤は、生石灰と消石灰を対象とする。一貫製鉄所においては、製鋼工程において大量に生石灰を使用すること、およびそのCaO成分が高炉工程において有効に活用されることから、焼結工程においても生石灰を使用するのが一般的である。これは、従来の造粒剤の低配合領域では、両者の造粒効果に差がないとされたことによる。しかし、昨今の高生産性要請に対応するための、従来より高い造粒剤の使用量での知見はなかったので、生石灰と消石灰の焼結原料造粒の効果を調査した。その結果、後述の造粒実験で示すように、造粒剤の高配合領域においては、生石灰に比較して消石灰の方が造粒効果が高いことを見出した。本願発明は、かかる知見に基づいて発明されたものである。
この時、生成物は消化の進行とともに微細化する。この微細化した生成物が、図2に示す機構によって、造粒効果を発現する。すなわち、図2(A)において、粒径1mm以上の核粒子4と微粒子5の周辺に、生石灰1と水3が存在する。図2(B)において、下記式(1)の消化反応が進行し、生石灰1は、微粒の消石灰2になり、分散・再配置される。図2(C)において、凝集が進み、乾燥完了時において、以下式(2)に示す炭酸化反応が進行する。
CaO+H2O → Ca(OH)2・・・・・・・・・・式(1)
Ca(OH)2+CO2 → CaCO3+H2O↑・・・・・式(2)
炭酸化反応の進行に伴い、核粒子4と微粒5を結合する架橋が形成され、強固な疑似粒子が形成されると考えられる。
以上より、生石灰の原単位が大きい場合、造粒剤としての効果が小さくなると考えられる。
(造粒実験)
図4に調査方法を示す。配合原料3kgに造粒後の水分値7.5%を狙い万能混練機により混合した。その後5kg小型ドラムミキサーにより造粒し、疑似粒子を作成した。そして、乾燥前及び乾燥後の疑似粒子粒度を測定した。生石灰と消石灰をそれぞれ、1.0%、3.0%、5.0%使用した場合の配合原料の配合割合、添加水量及び乾燥前造粒物(疑似粒子)を表1に示す。
表1中の添加水量は、疑似粒子の水分値7.5%を狙った場合の配合原料3kgに添加した水量である。生石灰使用時は、水和に必要な水分と水和発熱による大気への蒸発量を加味して水分添加した。配合原料造粒物水分(実測)とは、疑似粒子の水分値7.5%を狙った結果としての実測値である。
本願発明の焼結生産性への効果を焼結実験で確認し、生石灰と消石灰の配合量を特定するに到った試験例を次に説明する。
試験には、配合原料を直径1,000mmのドラムミキサーを用いて1分間混合したのち4分間造粒して擬似粒子原料を作成し、焼結鍋試験装置(直径:300mm、層高:600mm)に充填し、点火90秒、吸引負圧15kPa一定の条件で焼成して、生産率を測定した。試験条件として、実施例1では、原料配合中の生石灰と消石灰の配合率を変更させた。その際、表1に示した考え方と同様に、焼結鉱中のCaOが一定となるように石灰石の配合量で調整した。
生石灰および消石灰の使用原単位を変更して、焼結生産性に及ぼす影響について調査した。具体的には、比較例として、生石灰の使用原単位を2%、3%、3.8%及び6.4%に変更した
実施例として、生石灰2%をベースとし、更に消石灰を1.8%及び4.4%添加した。又、生石灰3%をベースとした実施例として、更に消石灰を0.8%及び3.4%添加した。
生石灰の使用量A1(2%)をベースとし、A2(生石灰2%+消石灰1.8%[粒径の中央値(D50):20μm])、A3(生石灰2%+消石灰4.4%[粒径の中央値(D50):20μm])の場合は、焼結生産率が大きく増加している。
生石灰の使用量B1(3%)をベースとし、B3(生石灰3%+消石灰3.4%[粒径の中央値(D50):20μm])の場合は、焼結生産率が増加している。
以上より、生石灰の使用量3%以上は、生石灰のみでは、造粒剤の効果は低減する。生石灰の使用量3%以上は、消石灰[粒径の中央値(D50):20μm]を併用することにより、造粒剤の効果が増加する。なお、消石灰市販品の粒径は20μm前後であることが一般的であることから、ここでは当該粒径を有する消石灰を用いた。
次に消石灰の適正粒度について規定するに到った試験結果を説明する。粒径の異なる2種類の消石灰を使用して、その粒度の影響を見た。
2種類の市販品(粒径の中央値(D50):5μm及び20μm)と自製品(粒径の中央値(D50):40μm)の消石灰を準備し、それらの比較する焼結実験を行った。その結果を表2に示す。CaO換算で3.6%の生石灰と消石灰を使用する条件において、消石灰の粒径の中央値(D50)20μm以下の場合は生石灰のみの比較例に比べて生産率の顕著な増加が確認された。一方、粒度の粗い自製品の場合の生産率は比較例より大きかったが、その増加効果は市販品ほどではなかった。このことより、消石灰は、粒径の中央値(D50)が20μm以下であることが好ましいことを確認した。
Claims (2)
- 鉄鉱石、雑原料、副原料、造粒剤からなる新原料に、凝結材及び返鉱を加えた配合原料に水を添加し、混合・造粒して擬似粒化した原料を製造し、前記擬似粒子化した原料を焼成する焼結鉱の製造方法において、
前記造粒剤は、前記新原料の合計量に対し、内数で、生石灰2質量%以上3質量%以下及び消石灰であることを特徴とする焼結鉱の製造方法。 - 前記消石灰は、粒径の中央値(D50)が20μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
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