JP5829741B2 - 新規な結晶性アリールアルキルアミン化合物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
したがって、医薬品になりうる化合物のポリモルフィズムを検討し、優れた物理化学的性質の単一結晶を獲得することは有用である。しかしながら、単一結晶を見出すこと、及び供給する方法を発見することは容易ではなく、また、医薬品になりうる化合物の結晶が医薬品として望ましい物理化学的性質を持つかは、発見した単一結晶の性質を評価しなければ分からず、鋭意検討を必要とする。
一方、特許文献1には、副甲状腺機能亢進症等の予防または治療に有用なアリールアルキルアミン化合物として、例えば、下式で示される4−(3S−(1R−(1−ナフチル)エチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル酢酸(以下、化合物(A)ともいう)の2塩酸塩が記載されている。
しかしながら、特許文献1には、化合物(A)の2塩酸塩(化合物(A’))の固体状態、物理化学的性質およびポリモルフィズムに関する記載はなく、示唆もされていない。
また、特許文献1には、化合物(A)の2塩酸塩(化合物(A’))が以下のように製造することができる旨、記載されている。
さらに、特許文献1には、化合物(B)は、以下のように製造することができる旨、記載されている。
そこで、工業的に有利な製造方法を種々検討した結果、(1)光学活性な化合物(D)を用いること、(2)化合物(D)の水酸基の保護基として、トリフルオロメタンスルホニル基やメタンスルホニル基等よりも2−ニトロベンゼンスルホニル基を用いること、(3)反応に用いる塩基として、特定の塩基を使用することにより、立体選択性が良好であり、および/または不純物が少ないため、好収率で目的とする化合物(B)を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
1.4−(3S−(1R−(1−ナフチル)エチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル酢酸の結晶。
(式中、P1はアミノ保護基を示す。)
で表される化合物を2−ニトロベンゼンスルホニルハライドと反応させ、式(2):
(式中、Nsは2−ニトロベンゼンスルホニルを示し、P1は前記と同義である。)
で表される化合物とし、これを塩基の存在下、1R−(1−ナフチル)エチルアミンと反応させ、式(3):
(式中、P1は前記と同義である。)
で表される化合物とし、これを脱保護することを特徴とする、式(4):
で表される化合物またはその塩の製造方法。
で表される化合物またはその塩を、必要に応じて塩基で処理した後、式(5):
(式中、Halはハロゲンを、Rはカルボン酸の保護基を示す。)
で表される化合物と、パラジウム触媒、塩基および配位子の存在下、反応させることにより、式(6):
(式中、Rは前記と同義である。)
で表される化合物またはその塩とし、塩基で加水分解した後、酸で中和することを特徴とする、式(7):
で表される化合物の結晶の製造方法。
(式中、P1はアミノ保護基を示す。)
で表される化合物を2−ニトロベンゼンスルホニルハライドと反応させ、式(2):
(式中、Nsは2−ニトロベンゼンスルホニルを示し、P1は前記と同義である。)
で表される化合物とし、これを塩基の存在下、1R−(1−ナフチル)エチルアミンと反応させ、式(3):
(式中、P1は前記と同義である。)
で表される化合物とし、これを脱保護して、式(4):
で表される化合物またはその塩とし、必要に応じて塩基で処理した後、式(5):
(式中、Halはハロゲンを、Rはカルボン酸の保護基を示す。)
で表される化合物と、パラジウム触媒、塩基および配位子の存在下、反応させることにより、式(6):
(式中、Rは前記と同義である。)
で表される化合物またはその塩とし、塩基で加水分解した後、酸で中和することを特徴とする、式(7):
で表される化合物の結晶の製造方法。
(式中、Rはカルボン酸の保護基を示す。)
で表される化合物またはその塩。
また、本発明の化合物(A)の結晶の製造方法は、医薬として有用な化合物(A)を短工程かつ収率よく製造することができる工業的に有利な製造方法である。
P1における「アミノ保護基」としては、有機合成化学の分野で通常用いられるアミノ保護基があげられ、例えば、t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルなどがあげられる。なかでも、t−ブトキシカルボニルが好ましい。
Halにおける「ハロゲン」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子があげられる。
Rにおける「カルボン酸の保護基」としては、アルキル、置換アルキルまたはテトラヒドロピラニルなどがあげられる。アルキルとしては、炭素数1〜4個の直鎖または分枝鎖状のアルキルがあげられ、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第3級ブチルなどがあげられる。置換アルキルとしては、前記アルキルにアルコキシ、フェニル等が置換されたものがあげられ、具体的にはメトキシメチル、メトキシエトキシメチル、ベンジルオキシメチル、ベンジル、トリフェニルメチルなどがあげられる。Rにおける「カルボン酸の保護基」としては、アルキルが好ましく、なかでもエチルが好ましい。
(1)図1に示される粉末X線回折パターンおよび/または図2に示される示差走査熱量測定(DSC)曲線を有することが好ましい。
(2)A形結晶の粉末X線回折パターンにおける特徴的なピークは、2θで表される回折角度として、17.3°±0.2°および22.6°±0.2°をあげることができる。その他の特徴的なピークとして、14.6°±0.2°、14.8°±0.2°および24.5°±0.2°をあげることができ、さらに、12.7°±0.2°、18.6°±0.2°、19.1°±0.2°、20.5°±0.2°および28.1°±0.2°をあげることもできる。
(3)DSCによる融点(補外開始温度)は、174〜177℃であり、特に175℃付近をあげることができる。
(1)図3に示される粉末X線回折パターンおよび/または図4に示されるDSC曲線を有することが好ましい。
(2)B形結晶の粉末X線回折パターンにおける特徴的なピークは、2θで表される回折角度として、15.9°±0.2°および21.4°±0.2°をあげることができる。その他の特徴的なピークとして、19.7°±0.2°、23.8°±0.2°および24.3°±0.2°をあげることができ、さらに、12.6°±0.2°、14.4°±0.2°、18.6°±0.2°、19.1°±0.2°および28.0°±0.2°をあげることもできる。
(3)DSCによる融点(補外開始温度)は、164〜167℃であり、特に、166℃付近をあげることができる。
(式中、P1はt−ブトキシカルボニルなどのアミノ保護基を、Nsは2−ニトロベンゼンスルホニル基を、Halは塩素原子、臭素原子などのハロゲンを、Rは炭素数1〜4個のアルキル(エチルなど)などのカルボン酸の保護基を示す。)
化合物(1)の水酸基に2−ニトロベンゼンスルホニル基を導入する反応は、Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts, "Protective Groups in Organic Synthesis" 4th. ed., John Wiley & Sons, Inc., 2007に記載の方法に準じて、実施することができ、例えば、化合物(1)と2−ニトロベンゼンスルホニルハライドを溶媒中、塩基の存在下で反応させることができる。
2−ニトロベンゼンスルホニルハライドとしては、2−ニトロベンゼンスルホニルクロリド、2−ニトロベンゼンスルホニルブロミドなどがあげられ、2−ニトロベンゼンスルホニルクロリドが好ましい。
溶媒としては、本反応に影響を及ぼさないものであればよく、例えば、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン等)、非プロトン性極性溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等)、ニトリル類(アセトニトリル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、エステル類(酢酸エチル等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)などがあげられ、このうち、ニトリル類が好ましく、特にアセトニトリルが好ましい。
塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)などがあげられ、このうち、トリエチルアミンが好ましい。
2−ニトロベンゼンスルホニルハライドの使用量は、化合物(1)に対して、1.0〜1.5当量、好ましくは、1.0〜1.1当量である。塩基の使用量は、化合物(I)に対して、1.0〜1.5当量、好ましくは1.0〜1.3当量である。溶媒の使用量は、化合物(1)に対して、2〜5w/w、好ましくは2〜3.5w/wである。本反応は、0℃〜室温で実施することができる。
化合物(2)と1R−(1−ナフチル)エチルアミンとの反応は、溶媒中、塩基の存在下で実施することができる。
溶媒としては、本反応に影響を及ぼさないものであればよく、例えば、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン等)、非プロトン性極性溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等)、ニトリル類(アセトニトリル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、エステル類(酢酸エチル等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)などがあげられ、このうち、ニトリル類が好ましく、特にアセトニトリルが好ましい。
塩基としては、例えば、無機塩基(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸三カリウムなど)、有機塩基(トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリンなど)などがあげられる。好ましくは炭酸カリウム、リン酸三カリウム、ジイソプロピルエチルアミンがあげられ、なかでも、リン酸三カリウムが好ましい。
1R−(1−ナフチル)エチルアミンの使用量は、化合物(1)に対して、1.1〜1.3当量、好ましくは1.2当量である。塩基の使用量は、通常、0.5〜2当量であるが、リン酸三カリウムの場合には、0.5〜1.5当量、好ましくは、0.7当量である。
溶媒の使用量は、2〜3w/w、好ましくは2.2〜2.4w/wである。
本反応は50〜100℃、好ましくは70〜80℃で実施することができる。
化合物(3)の脱保護反応は、Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts, "Protective Groups in Organic Synthesis" 4th. ed., John Wiley & Sons, Inc., 2007に記載の方法に準じて、例えば、溶媒中、酸の存在下で行うことができる。
溶媒としては、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)等があげられ、なかでも、アルコール類が好ましく、特に、イソプロパノールが好ましい。
酸としては、例えば、トリフルオロ酢酸、塩酸、メタンスルホン酸、アセチルクロリド、プロピオニルクロリド、トリメチルシリルクロリド等があげられ、特に、アセチルクロリドが好ましい。
酸の使用量は、化合物(3)に対して、2〜5当量、好ましくは3〜4当量である。溶媒の使用量は、化合物(3)に対して、3〜10w/w、好ましくは5〜7w/wである。本反応は、0〜100℃、好ましくは50〜70℃で実施することができる。
化合物(4)と化合物(5)の反応は、溶媒中、パラジウム触媒、塩基および配位子の存在下で実施することができる。
溶媒としては、本反応に影響を与えないものであればよく、例えば、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン等)、非プロトン性極性溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等)、エーテル類(ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン等)、アルコール類(1−ブタノール等)、ニトリル類(アセトニトリル等)もしくはこれらの混合溶媒等があげられる。
パラジウム触媒としては、例えば、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、ジクロロ〔1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン〕パラジウム(PdCl2(dppf))、またはテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム等があげられる。
塩基としては、例えば、アルカリ金属低級アルコキシド(ナトリウムt−ブトキシド等)、無機塩基(炭酸セシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等)等があげられる。
配位子としては、例えば、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、2−ジシクロへキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(S−PHOS)、2−ジシクロへキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(X−PHOS)、または4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(Xantphos)等があげられる。
化合物(5)の使用量は、化合物(4)に対して1.0〜2.0当量、好ましくは1.1〜1.5当量である。パラジウム触媒の使用量は、化合物(4)に対して0.005〜1当量、好ましくは0.01〜0.2当量である。配位子の使用量は、化合物(4)に対して0.005〜1当量、好ましくは0.01〜0.2当量である。塩基の使用量は、化合物(4)に対して0.5〜5当量、好ましくは2.5〜3.5当量である。
本反応は、25〜150℃、好ましくは80〜120℃であり、反応時間は、反応条件によっても異なるが、通常10分間〜12時間であり、好ましくは、30分間〜8時間である。
また、化合物(4)が塩(塩酸塩)や水和物等の形態である場合、常法により、化合物(4)を塩基で処理した後、化合物(5)と反応させることもできる。そのような塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等があげられる。
得られた化合物(6)、好ましくはRがエチルである化合物(6)は新規化合物である。化合物(6)の塩としては塩酸塩が好ましい。
化合物(6)の加水分解反応は、常法により、溶媒中、塩基で処理することにより実施することができる。
溶媒としては、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)または水等があげられる。
塩基としては、無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)および有機塩基(トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、ピリジン等)等があげられ、なかでも無機塩基が好ましく、特に水酸化ナトリウムが好ましい。
本反応は0〜100℃で実施することができる。
加水分解反応後、得られた化合物を酸で中和することにより、化合物(A)を得ることができる。
中和に用いられる酸としては、無機酸(炭酸、ホウ酸等)または有機酸(酢酸、クエン酸等)等の弱酸があげられる。なかでも、有機酸が好ましく、特に、クエン酸が好ましい。
溶媒としては、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)または水等があげられる。
本工程の加水分解反応により得られた化合物(A)の反応溶液を、50〜70℃の温度条件で酸で中和する場合、化合物(A)をA形結晶として取得することができる。この反応温度にて1〜10時間、好ましくは1〜3時間、酸処理を行った後、10℃から室温までゆっくりと冷却することにより、A形結晶を効率よく生成することができる。
また、化合物(A)の反応溶液を、20〜40℃の温度条件で酸で素早く中和する場合、化合物(A)をB形結晶として取得することができる。この反応温度にて、好ましくは酸を加えて結晶が析出した後、すぐに結晶を濾取することにより、B形結晶を効率よく生成することができる。酸を加えてからB形結晶を濾取するまでの時間は、反応スケールにより異なるが、通常、10秒〜3分であり、好ましくは30秒〜1分である。
また、化合物(A)のB形結晶は、良溶媒(ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド等)および貧溶媒(アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)、アセトン、トルエン、メチルt−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトニトリル、酢酸エチル、水等)を用いて溶解した後、再結晶することにより、A形結晶に転移させることができる。溶解温度としては40〜60℃、好ましくは55℃であり、再結晶する際の温度条件としては20〜25℃である。良溶媒と貧溶媒の混合比(体積比)は、好ましくは1:1〜1:3である。
このようにして得られた本発明の化合物(A)の結晶は安定であるため、大量合成が可能となり、錠剤等の製剤化が容易である等の理由から、それ自体、医薬品原薬として有用である。また、本発明の結晶形の混合物であっても医薬品原薬として利用可能である。
また、従来知られている化合物(A)・2塩酸塩では、後述の参考例2および3に記載の通り、医薬品として適用できない溶媒を含む非晶質として製造され、かつ、塩酸および溶媒の化学当量が安定した結晶として取得することが困難であった。これに対し、化合物(A)のフリー体、その1塩酸塩およびその1臭化水素酸塩の各結晶では、酸および溶媒の化学当量が安定した結晶として取得することが可能である。なかでも、本発明の化合物(A)のA形結晶およびB形結晶は、保存安定性が良好であり、特に、化合物(A)のA形結晶は熱力学的にB形結晶より安定である。したがって、本発明の化合物(A)のA形結晶およびB形結晶は品質の高い医薬品原薬を提供することが可能である。
本発明化合物(A)の結晶を、医薬用途に使用する場合の投与量は、有効成分とする化合物のポテンシーや特性に応じ、薬効を発現するのに十分な有効量の範囲で、適宜設定すればよい。投与量は、投与方法、患者の年令、体重、状態によっても異なるが、一般的な投与量、例えば1日当たり、0.001〜300mg/kgの範囲で適切な量に設定される。
実施例1
4−(3S−(1R−(1−ナフチル)エチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル酢酸(A形結晶)の製造
(1)
化合物1(25.0g)、トリメチルアミン塩酸塩(2.33g)、アセトニトリル(81.0g)およびトリエチルアミン(17.2g)を混合し、混合物を5℃まで冷却した。これに25%2−ニトロベンゼンスルホニルクロリドのトルエン溶液(125g)を滴下し、アセトニトリル(8.53g)で洗い込んだ。反応液を7℃で2時間反応させた。反応後、水(27.0g)を加えた後、水(43.5g)と濃塩酸(5.05g)の混合物を滴下した。室温まで昇温した後、分液した。有機層に水(80.8g)を加えて分液し、再度この操作を行った。有機層を濃縮し、化合物2のトルエン溶液(108ml)を得た。これを単離せず、次工程に用いた。
化合物2のトルエン溶液(54ml)、1R−(1−ナフチル)エチルアミン(13.7g)、リン酸三カリウム(9.92g)およびアセトニトリル(29.6g)を混合し、70〜75℃で20時間反応させた。反応液を50℃まで冷却し、水(100g)および酢酸エチル(33.8g)を加え、10分間撹拌した後、分液した。有機層を室温まで冷却した後、水(50.0g)およびリン酸三カリウム(2.83g)を加えて撹拌し、分液した。有機層に水(50.0g)を加えて撹拌し、分液した。有機層を濃縮して、化合物3の濃縮残渣(51.5ml)を得た。これを次の工程に用いた。
イソプロパノール(79.1g)を5℃まで冷却し、アセチルクロリド(18.9g)を滴下した後、イソプロパノール(5.29g)で洗い込んだ。混合物を0〜10℃で30分間反応させた後、化合物3の濃縮残渣(51.5ml)とイソプロパノール(30.0g)の混合物を滴下し、イソプロパノール(12.3g)で洗い込んだ。反応液を55〜60℃まで昇温し、2時間反応させた。反応後、反応液中に結晶の析出が見られない場合には、化合物4の種晶(12.5mg)を加え、同温度で1時間撹拌した。反応液を2時間かけて室温まで冷却した後、3時間撹拌した。化合物4の結晶をろ取した後、イソプロパノール(15.8g)で洗浄した。得られた結晶を乾燥させることにより、化合物4の白色結晶(18.44g、収率74.0%)を得た。
MS・APCI(m/z):241[M+H]+
トルエン(1130g)、4M水酸化ナトリウム水溶液(598g)および化合物4(260g)を混合し、室温で30分間撹拌した後、分液した。有機層を1Lまで濃縮し、トルエン(22g)を加えた。炭酸セシウム(681g)、酢酸パラジウム(II)(3.1g)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(X−phos、7.3g)、水(3.4g)および4−ブロモフェニル酢酸エチル(203g)のトルエン(90.0g)溶液を加えた後、トルエン(140g)で洗い込んだ。窒素置換後、95〜105℃まで昇温し、8時間反応した。室温まで冷却した後、水(2080g)を加え、10分間撹拌した後、分液した。撹拌下、有機層に7%食塩水(1300g)を加え、分液した。有機層にエチレンジアミン(4.2g)を加え、2時間撹拌した。活性炭/強力白鷺(52.0g)を用いてプレコートろ過し、トルエン(338g)で洗浄した。ろ液に濃塩酸(72.8g)とエタノール(268g)の混合物を加え、t−ブチルメチルエーテル(200g)で洗い込んだ。さらに、t−ブチルメチルエーテル(1740g)を1時間かけて滴下した後、1時間撹拌した。得られた結晶をろ過し、t−ブチルメチルエーテル(1165g)で洗浄し、乾燥することにより、化合物5の白色結晶(239g、収率:78.0%)を得た。
MS・APCI(m/z):403[M+H]+
水(47.4g)に水酸化ナトリウム(3.80g)を加え、溶解後、エタノール(39.6g)を加えた。撹拌下、50℃まで昇温し、化合物5(16.5g)を3回に分けて加えた。混合物を60℃まで昇温し、30分間反応させた後、ろ過し、水(11.6g)、水酸化ナトリウム(0.25g)およびエタノール(9.90g)の混合物で洗浄した。60℃で、結晶が析出するまでクエン酸1水和物(4.34g)の水(39.8g)溶液を滴下し、30分間撹拌した後、クエン酸1水和物の水溶液の残量を滴下した。全量滴下後、1時間撹拌した。1.5時間かけて10℃まで冷却し、pHを7.0〜9.0に調整した後、ろ過した。得られた結晶をエタノール(19.6g)、水(49.5g)およびエタノール(19.6g)で順次洗浄し、乾燥することにより、化合物6の白色結晶(12.77g、収率:90.7%)を得た。
さらに、得られた化合物6(10.0g)を水酸化ナトリウム(1.63g)の水(33.6g)およびエタノール(28.1g)溶液に加え、60℃で30分間撹拌した。混合物をろ過し、水(8.20g)、水酸化ナトリウム(0.18g)およびエタノール(7.00g)の混合物で洗浄した。60℃でクエン酸1水和物(3.20g)の水(29.8g)溶液を結晶が析出するまで滴下した後、混合物を30分間撹拌し、さらに、クエン酸1水和物の水溶液の残量を滴下した。混合物を1時間撹拌した後、1.5時間かけて10℃まで冷却し、ろ過した。得られた結晶をエタノール(13.9g)、水(35.2g)およびエタノール(13.9g)で順次洗浄した後、乾燥することにより、化合物6のA形結晶(9.58g、白色結晶、収率:95.8%)を得た。
4−(3S−(1R−(1−ナフチル)エチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル酢酸(B形結晶)の製造
水(4.74g)に水酸化ナトリウム(0.38g)を加え、溶解後、エタノール(3.96g)を加えた。撹拌下、60℃まで昇温し、化合物5(1.65g)を3回に分けて加えた。同温度で30分間反応した後、ろ過し、水(1.16g)、水酸化ナトリウム(25mg)およびエタノール(0.99g)の混合物で洗浄した。ろ液を25℃まで冷却し、クエン酸1水和物(434mg)の水(3.98g)溶液を滴下した後、1分以内にろ過した。得られた結晶をエタノール(1.96g)、水(4.95g)およびエタノール(1.96g)で順次洗浄した後、乾燥することにより、化合物6のB形結晶(1.28g、白色結晶、収率:90.9%)を得た。
4−(3S−(1R−(1−ナフチル)エチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル酢酸(B形結晶)の製造(別法)
4−(3S−(1R−(1−ナフチル)エチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル酢酸(150mg)にエタノール(30ml)および水(3ml)を加えた懸濁液を加熱し、一部溶解させた。反応液を室温にて終夜撹拌後、析出した粉末を濾取した。50℃にて終夜、送風乾燥を行い、4−(3S−(1R−(1−ナフチル)エチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル酢酸のB形結晶(112mg)を得た。
4−(3S−(1R−(1−ナフチル)エチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル酢酸のB形結晶からA形結晶への転移
化合物5(1.00g)に、エタノール(10mL)および2M水酸化ナトリウム水溶液(7.4mL)を加えた。撹拌下,60℃まで昇温し,同温度で30分間反応させた。反応液を25℃まで冷却し、クエン酸1水和物の10%水溶液をpH7.0になるまで滴下した。得られた4−(3S−(1R−(1−ナフチル)エチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル酢酸のB形結晶のスラリー(pH7.0)に、5W/WのA形結晶を接種し、60℃で3時間撹拌した後、懸濁物をろ取した。粉末X線回折を測定した結果、結晶形はA形結晶に変化していることを確認した。
また、上述のB形結晶のスラリーに5W/WのA形結晶を接種し、40℃で3時間撹拌し、同温度でさらに2.5日間撹拌した後、懸濁物をろ取した。粉末X線回折を測定した結果、結晶形はA形結晶に変化していることを確認した。
4−(3S−(1R−(1−ナフチル)エチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル酢酸のB形結晶に、55℃でジメチルアセトアミド(5v/w)を加えた後、同温度でエタノール(15v/w)を2時間かけて滴下した。滴下後、この溶液を25℃に冷却し、結晶を濾取した。得られた結晶をエタノール(3v/w)で2回洗浄し、60℃で減圧乾燥した。粉末X線回折を測定した結果、得られた結晶はA形結晶であることを確認した。
4−(3S−(1R−(1−ナフチル)エチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル酢酸(非晶質)の製造
4−(3S−(1R−(1−ナフチル)エチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル酢酸(150mg)にテトラヒドロフラン6mlを加えた懸濁液を加熱し、溶解させた。反応液を室温にて終夜撹拌後、アセトン3mlを加え、室温にて30分間撹拌した。さらにジエチルエーテル15mlを加え、室温にて3時間撹拌後、反応液を冷蔵庫にて終夜静置した。析出した粉末を濾取し、50℃にて終夜、送風乾燥を行い、4−(3S−(1R−(1−ナフチル)エチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル酢酸(非晶質、13mg、残留溶媒としてテトラヒドロフラン0.1〜0.2当量)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.33 (br d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.89-8.12 (br, 1H), 7.68-7.89 (br, 2H), 7.30-7.67 (br, 3H), 7.02 (br d, J = 7.7 Hz, 2H), 6.41 (br, 2H), 4.75 (br, 1H), 3.60 (m, 0.52H, THF由来), 3.37 (s, 2H), 2.80-3.18 (br, 2H), 1.81-2.20 (br, 2H), 1.76 (m, 0.52H, THF由来), 1.43 (br, 3H).
4−(3S−(1R−(1−ナフチル)エチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル酢酸・1.5塩酸塩の製造
4−(3S−(1R−(1−ナフチル)エチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル酢酸(B形結晶、200mg)にテトラヒドロフラン(5mL)を加えた懸濁液に、4N塩酸/ジオキサン溶液(200μL)を加えた。さらにテトラヒドロフラン(5mL)および4N塩酸/ジオキサン溶液(200μL)を追加後、析出した粉末を濾取した。テトラヒドロフランおよびジエチルエーテルにて洗浄後、乾燥し、4−(3S−(1R−(1−ナフチル)エチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル酢酸の1.5塩酸塩(非晶質、73mg、残留溶媒としてテトラヒドロフラン0.2〜0.3当量およびジエチルエーテル0.02〜0.03当量)を得た。
なお、残留溶媒のテトラヒドロフランおよびジエチルエーテルは、NMRにより確認した。
元素分析:
(理論値1.5HCl塩 0.2THF 0.03Et2O 0.75H2O)
C: 65.16 H: 6.78 N: 6.10 Cl: 11.58
(測定値)
C: 65.16 H: 6.87 N: 6.15 Cl: 11.47
4−(3S−(1R−(1−ナフチル)エチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル酢酸・1.7塩酸塩の製造
4−(3S−(1R−(1−ナフチル)エチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル酢酸(200mg)にテトラヒドロフラン(30mL)を加えた懸濁液を加熱し、溶解させた。4N塩酸/酢酸エチル溶液(280μL)を加え、反応液を一部濃縮した。反応液を加熱しながら再びテトラヒドロフランを加え、析出した粉末を溶解させた。反応液を撹拌中、氷冷下、ジエチルエーテルを加えた。析出した粉末を濾取し、ジエチルエーテルにて洗浄後、乾燥し、4−(3S−(1R−(1−ナフチル)エチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル酢酸・1.7塩酸塩(非晶質、110mg、残留溶媒としてテトラヒドロフラン0.2〜0.3当量)を得た。
なお、残留溶媒のテトラヒドロフランは、NMRにより確認した。
元素分析:
(理論値 1.7HCl塩 0.3THF 1.0H2O)
C: 63.57 H: 6.80 N: 5.88 Cl: 12.66
(測定値)
C: 63.48 H: 6.80 N: 5.96 Cl: 12.66
4−(3S−(1R−(1−ナフチル)エチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル酢酸・1塩酸塩の製造
4−(3S−(1R−(1−ナフチル)エチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル酢酸(B形結晶、100mg)にアセトニトリル1mlを加えて還流状態とし、0.1mol/Lの塩酸/アセトニトリル溶液(2.7mL)を加えた。この懸濁液を還流下で30分間撹拌した後、室温で終夜攪拌した。粉末を濾取し、ジエチルエーテル約1mLで洗浄後、40℃3時間減圧乾燥し、4−(3S−(1R−(1−ナフチル)エチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル酢酸・1塩酸塩(結晶、97mg、残留溶媒としてアセトニトリル0.05〜0.06当量およびジエチルエーテル0.03〜0.04当量)を得た。
なお、残留溶媒のアセトニトリルおよびジエチルエーテルは、NMRにより確認した。
元素分析:
(理論値 1HCl塩 0.05CH3CN 0.03Et2O 0.35H2O)
C: 69.01 H: 6.73 N: 6.81 Cl: 8.41
(測定値)
C: 68.82 H: 6.60 N: 6.93 Cl: 8.75
4−(3S−(1R−(1−ナフチル)エチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル酢酸の1塩酸塩・1テトラヒドロフラン和物の製造
4−(3S−(1R−(1−ナフチル)エチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル酢酸(B形結晶、200mg)にテトラヒドロフラン(30mL)を加えた懸濁液を加熱し、溶解させた。4N塩酸/ジオキサン溶液(280μL)を加え、反応液を濃縮した。テトラヒドロフランを加えて溶解させた後、2日間放置した。析出した粉末を濾取し、ジエチルエーテルにて洗浄後、乾燥し、4−(3S−(1R−(1−ナフチル)エチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル酢酸・1塩酸塩・1テトラヒドロフラン和物(結晶、100mg)を得た。
元素分析:
(理論値 1HCl塩 1THF 0.15H2O)
C: 69.23 H: 7.32 N: 5.77 Cl: 7.30
(測定値)
C: 69.17 H: 7.26 N: 5.83 Cl: 7.34
4−(3S−(1R−(1−ナフチル)エチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル酢酸の1臭化水素酸塩の製造
4−(3S−(1R−(1−ナフチル)エチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル酢酸(A形結晶、100mg)にアセトン(42mL)を加え、50℃に加温して溶解させた。47%臭化水素酸水溶液(約50mg)を加えた後、ヘプタン(30mL)を加え、撹拌しながら30℃まで冷却した。さらにヘプタン(5mL)を追加し、50℃まで昇温して45分間攪拌した後、室温で終夜攪拌した。析出した粉末を濾取し、ヘプタン(1mL)で洗浄後、40℃2時間減圧乾燥し、4−(3S−(1R−(1−ナフチル)エチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル酢酸・1臭化水素酸塩(結晶、71mg)を得た。
元素分析:
(理論値 1HBr塩)
C: 63.30 H: 5.98 N: 6.15 Br: 17.55
(測定値)
C: 63.19 H: 5.98 N: 6.17 Br: 17.66
化合物(A)のA形結晶およびB形結晶について、粉末X線回折パターンをそれぞれ図1および3に示す。また、A形結晶およびB形結晶の粉末X線回折ピークの回折角(2θ)の値を、それぞれ表1および2に示す。
なお、実験例1に記載した各結晶の物性データは、以下の条件によって測定した。
(1)粉末X線回折
装置:X’Pert Pro(Panalytical B.V.)
操作条件:
X線管球:対陰極:銅,:管電圧:45kV,管電流:40mA
入射光学系:フォーカシング集光ミラー
受光光学系:高速半導体アレイ検出器(X−Celerator)
サンプルステージ:HTSサンプルステージ(X軸方向に4mm幅で振動)
積算回数:5回(それぞれ入射角を−2,−1,0,1及び2°変更)
測定範囲:2θ=3〜40°
(2)示差走査熱量測定(DSC)
<A形結晶>
装置:DSC 1(メトラー・トレド株式会社)
操作条件:
昇温速度:10K/min
雰囲気:窒素40mL/min
<B形結晶>
装置:DSC 821e(メトラー・トレド株式会社)
操作条件:
昇温速度:10K/min
雰囲気:窒素40mL/min
化合物(A)のA形結晶およびB形結晶につき、それぞれ40μLの標準アルミニウムパンに充填し、測定を行った。
その結果、化合物(A)のA形結晶の融点(補外開始温度)は、175℃付近に認められた。一方、化合物(A)のB形結晶の融点(補外開始温度)は、166℃付近に認められた。
化合物(A)のA形結晶およびB形結晶をそれぞれ同量ずつ同じ容器に取り、クロロホルムに懸濁させ、室温で一晩撹拌した。その後懸濁物をろ取し、粉末X線回折にて結晶形を確認した。その結果、得られた結晶はA形結晶であることを確認した。したがって、化合物(A)のA形結晶が室温で安定形であった。
化合物(A)およびその塩の形態について、表3の保存条件で保存し、増加した類縁物質の増加量の合計を確認した。
一方、非晶質な化合物(A)、化合物(A)・1.5塩酸塩および化合物(A)・1.7塩酸塩では類縁物質が顕著に増加した。また、化合物(A)・1臭化水素酸塩、化合物(A)・1塩酸塩および化合物(A)・1塩酸塩・1テトラヒドロフラン和物では、類縁物質の増加が認められた。
化合物(A)・1塩酸塩・1テトラヒドロフラン和物は、表3の第16番目に記載の条件で保存した結果、化合物(A)・1塩酸塩(結晶)への変化が認められた。
また、4−(3S−(1R−(1−ナフチル)エチルアミノ)ピロリジン−1−イル)フェニル酢酸の結晶の製造方法は、短工程かつ収率よく製造することが可能な工業的に有利な製造方法である。
Claims (5)
- 式(1):
(式中、P1はアミノ保護基を示す。)
で表される化合物を2−ニトロベンゼンスルホニルハライドと反応させ、式(2):
(式中、Nsは2−ニトロベンゼンスルホニルを示し、P1は前記と同義である。)
で表される化合物とし、これをリン酸三カリウムの存在下、1R−(1−ナフチル)エチルアミンと反応させ、式(3):
(式中、P1は前記と同義である。)
で表される化合物とし、これを脱保護することを特徴とする、式(4):
で表される化合物またはその塩の製造方法。 - 式(4):
で表される化合物またはその塩を、必要に応じて塩基で処理した後、式(5):
(式中、Halはハロゲンを、Rはカルボン酸の保護基を示す。)
で表される化合物と、パラジウム触媒、塩基および配位子の存在下、反応させることにより、式(6):
(式中、Rは前記と同義である。)
で表される化合物またはその塩とし、塩基で加水分解した後、50〜70℃の温度条件で、酸で中和することを特徴とする、粉末X線回折スペクトルにおいて、2θで表される回折角度として、17.3°±0.2°および22.6°±0.2°にピークを示す式(7):
で表される化合物のA形結晶の製造方法。 - 式(1):
(式中、P1はアミノ保護基を示す。)
で表される化合物を2−ニトロベンゼンスルホニルハライドと反応させ、式(2):
(式中、Nsは2−ニトロベンゼンスルホニルを示し、P1は前記と同義である。)
で表される化合物とし、これをリン酸三カリウムの存在下、1R−(1−ナフチル)エチルアミンと反応させ、式(3):
(式中、P1は前記と同義である。)
で表される化合物とし、これを脱保護して、式(4):
で表される化合物またはその塩とし、必要に応じて塩基で処理した後、式(5):
(式中、Halはハロゲンを、Rはカルボン酸の保護基を示す。)
で表される化合物と、パラジウム触媒、塩基および配位子の存在下、反応させることにより、式(6):
(式中、Rは前記と同義である。)
で表される化合物またはその塩とし、塩基で加水分解した後、50〜70℃の温度条件で、酸で中和することを特徴とする、粉末X線回折スペクトルにおいて、2θで表される回折角度として、17.3°±0.2°および22.6°±0.2°にピークを示す式(7):
で表される化合物のA形結晶の製造方法。 - 式(4):
で表される化合物またはその塩を、必要に応じて塩基で処理した後、式(5):
(式中、Halはハロゲンを、Rはカルボン酸の保護基を示す。)
で表される化合物と、パラジウム触媒、塩基および配位子の存在下、反応させることにより、式(6):
(式中、Rは前記と同義である。)
で表される化合物またはその塩とし、塩基で加水分解した後、20〜40℃の温度条件で、10秒〜3分で酸で中和することを特徴とする、粉末X線回折スペクトルにおいて、2θで表される回折角度として、15.9°±0.2°および21.4°±0.2°にピークを示す式(7):
で表される化合物のB形結晶の製造方法。 - 式(1):
(式中、P 1 はアミノ保護基を示す。)
で表される化合物を2−ニトロベンゼンスルホニルハライドと反応させ、式(2):
(式中、Nsは2−ニトロベンゼンスルホニルを示し、P 1 は前記と同義である。)
で表される化合物とし、これをリン酸三カリウムの存在下、1R−(1−ナフチル)エチルアミンと反応させ、式(3):
(式中、P 1 は前記と同義である。)
で表される化合物とし、これを脱保護して、式(4):
で表される化合物またはその塩とし、必要に応じて塩基で処理した後、式(5):
(式中、Halはハロゲンを、Rはカルボン酸の保護基を示す。)
で表される化合物と、パラジウム触媒、塩基および配位子の存在下、反応させることにより、式(6):
(式中、Rは前記と同義である。)
で表される化合物またはその塩とし、塩基で加水分解した後、20〜40℃の温度条件で、10秒〜3分で酸で中和することを特徴とする、粉末X線回折スペクトルにおいて、2θで表される回折角度として、15.9°±0.2°および21.4°±0.2°にピークを示す式(7):
で表される化合物のB形結晶の製造方法。
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