JP5804903B2 - 高分子粒子の製造方法 - Google Patents
高分子粒子の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5804903B2 JP5804903B2 JP2011250856A JP2011250856A JP5804903B2 JP 5804903 B2 JP5804903 B2 JP 5804903B2 JP 2011250856 A JP2011250856 A JP 2011250856A JP 2011250856 A JP2011250856 A JP 2011250856A JP 5804903 B2 JP5804903 B2 JP 5804903B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polymerization
- suspension
- iodine
- polymer particles
- molecular weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F2/00—Processes of polymerisation
- C08F2/12—Polymerisation in non-solvents
- C08F2/16—Aqueous medium
- C08F2/18—Suspension polymerisation
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F112/00—Homopolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring
- C08F112/02—Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical
- C08F112/04—Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical containing one ring
- C08F112/06—Hydrocarbons
- C08F112/08—Styrene
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F120/00—Homopolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride, ester, amide, imide or nitrile thereof
- C08F120/02—Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms; Derivatives thereof
- C08F120/10—Esters
- C08F120/12—Esters of monohydric alcohols or phenols
- C08F120/14—Methyl esters, e.g. methyl (meth)acrylate
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F2/00—Processes of polymerisation
- C08F2/38—Polymerisation using regulators, e.g. chain terminating agents, e.g. telomerisation
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F212/00—Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring
- C08F212/02—Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical
- C08F212/04—Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical containing one ring
- C08F212/06—Hydrocarbons
- C08F212/08—Styrene
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F220/00—Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride ester, amide, imide or nitrile thereof
- C08F220/02—Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms; Derivatives thereof
- C08F220/10—Esters
- C08F220/12—Esters of monohydric alcohols or phenols
- C08F220/14—Methyl esters, e.g. methyl (meth)acrylate
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
Description
油性オレフィンモノマーとラジカル重合開始剤とヨウ素分子とを含有する第一の混合液体を、水とヨウ化物イオンとを含有する第二の混合液体中に懸濁することにより、前記第一の混合液体からなる油滴を含有する懸濁液を得る懸濁工程と、
前記油滴中において前記ラジカル重合開始剤の開裂により生成するラジカルと前記ヨウ素分子とを反応させてヨウ素化合物を合成する合成工程と、
前記油滴中の前記油性オレフィンモノマーを重合する重合工程とを有することを特徴とする。
前記油滴中において前記ラジカル重合開始剤の開裂により生成するラジカルと前記ヨウ素分子とを反応させてヨウ素化合物を合成する合成工程と、
前記油滴中の前記油性オレフィンモノマーを重合する重合工程とを有することを特徴とする。
(分子量)=[(モノマーの仕込み重量)/{2×(ヨウ素分子の仕込み個数)}]+(ラジカル重合開始剤残基の質量数)+(ヨウ素原子の質量数) 式(1)
なお、本発明の明細書中における「高分子化合物の分子量」と「高分子粒子の分子量」は同概念である。
本発明における第一の混合液体は、少なくとも、油性オレフィンモノマーと、ラジカル重合開始剤と、ヨウ素分子とを含有する液体である。また、第一の混合液体中には、相溶を促進する助剤として油性有機溶剤を含有させることができる。特に、油性オレフィンモノマーが常温において固体である場合には、油性有機溶剤を併用することが好ましい。使用する油性有機溶剤として、トルエン、ベンゼン、クロロホルム、酢酸エチル等の一般的な油性有機溶剤を例示することができるが、これらに限定されない。また、2種類以上の油性有機溶剤を使用することも可能である。
(a)ヘキサデカン、スクアラン、シクロオクタン等のC8〜C30の直鎖、分岐鎖、環状アルカン類、
(b)ステアリルメタクリレート、ドデシルメタクリレート等のC8〜C30アルキルアクリレート、
(c)セチルアルコール等のC8〜C30アルキルアルコール、
(d)ドデシルメルカプタン等のC8〜C30アルキルチオール、
(e)ポリウレタン、ポリエステル、ポリスチレン等のポリマー類、
(f)長鎖脂肪族又は芳香族カルボン酸類、長鎖脂肪族又は芳香族カルボン酸エステル類、長鎖脂肪族又は芳香族アミン類、ケトン類、ハロゲン化アルカン類、シラン類、シロキサン類、イソシアネート類などである。
本発明における油性オレフィンモノマーは、水と実質的に混和せず、水と混合した際に界面を形成するモノマーである。油性オレフィンモノマーの水に対する溶解度は、常温(20℃)において3%(水100gに対して油性オレフィンモノマー3g)以下であることが好ましい。この条件を満たせば、懸濁工程において懸濁液を良好に形成できる。また、本発明における油性オレフィンモノマーは、ラジカル重合開始剤の開裂によって重合可能なラジカル重合性のオレフィンモノマーである。
本発明では、従来公知のラジカル重合開始剤を用いることができる。中でも、20℃の水に対する溶解度が10重量%以下であり、合成工程と重合工程における反応温度において油性オレフィンモノマー中に溶解する油溶性ラジカル重合開始剤が好ましい。また、良好な重合転化率を達成する目的において、本発明のラジカル重合開始剤の酸化還元電位は、I2/I−(ヨウ素分子/ヨウ化物イオン)の酸化還元電位(0.54V vs SHE)よりも小さい(卑である)ことが好ましい。これは、ラジカル重合開始剤の酸化還元電位がI2/I−(ヨウ素分子/ヨウ化物イオン)の酸化還元電位よりも小さい場合、ラジカル重合開始剤がヨウ化物イオンによって還元されることに基づく、ラジカル重合開始剤の意図しない分解反応を抑制できるためである。ラジカル重合開始剤の酸化還元電位が、I2/I−(ヨウ素分子/ヨウ化物イオン)の酸化還元電位よりも小さいか否かは、下記方法で検証可能である。すなわち、ラジカル重合開始剤を含有する溶液、例えばN,N−ジメチルホルムアミド溶液中に、ヨウ化カリウム飽和水溶液を滴下した際の溶液色の変化を観察する。もし、前記溶液色が黄色、又は褐色へ変化してヨウ素分子の生成が確認された場合、ラジカル重合開始剤の酸化還元電位は、I2/I−(ヨウ素分子/ヨウ化物イオン)の酸化還元電位よりも大きい。
本発明における第二の混合液体は、少なくとも、水と、ヨウ化物イオン(I−)を含有する液体である。本発明における第二の混合液体に含有されるヨウ化物イオンの含有量は、5×10−2mol/l以上5mol/l以下、好ましくは1×10−1mol/l以上1mol/l以下であることが望ましい。第二の混合液体に含有されるヨウ化物イオンの含有量が5×10−2mol/l未満ではヨウ素分子の加水分解反応を抑制するには十分でなく、5mol/lより大きいと懸濁液の分散性が悪化する可能性が懸念されるため好ましくない。
本発明におけるヨウ素化合物は、本発明のラジカル重合開始剤の開裂により発生するラジカルとヨウ素分子とが反応することにより生成する。以下、本発明のヨウ素化合物について図3を用いて説明する。
本発明における懸濁工程は、油性オレフィンモノマーとラジカル重合開始剤とヨウ素分子とを含有する第一の混合液体を水とヨウ化物イオンとを含有する第二の混合液体に懸濁することによって、第一の混合液体からなる油滴が第二の混合液体中に分散した懸濁液を得る工程である。
本発明における合成工程は、第二の混合液体中に分散した第一の混合液体からなる油滴中において、ラジカル重合開始剤から発生するラジカルとヨウ素分子を反応させることによってヨウ素化合物を合成する工程であって、逆ヨウ素移動重合の誘導期に相当する。この誘導期を誘起する方法として、加熱や光照射、還元剤の添加等、本発明の目的を達成可能な範囲において、従来公知の方法を適用することができる。中でも加熱は、作業性や反応の制御性という観点から優れており、好ましい。加熱により反応を誘起する場合、ラジカル重合開始剤の10時間半減期温度以上、且つ10時間半減期温度より40℃高温以下の範囲で加熱することが好ましい。さらに好ましくは、10時間半減期温度以上、且つ10時間半減期温度より30℃高温以下の範囲で加熱することである。10時間半減期温度より40℃高温より高い温度で加熱すると、反応の制御性が著しく損なわれる場合がある。また、10時間半減期温度より低い温度で加熱する場合、合成工程に係る作業時間が極めて長くなるため、反応の制御性と作業効率の観点から好ましくない。誘導期を誘起する方法として、複数の方法を組み合わせて適用しても良い。また、本発明の逆ヨウ素移動重合の誘導期を誘起する方法は、アルゴンガスや窒素ガス等の不活性ガス雰囲気において実施することが好ましい。
本発明における重合工程は、水に分散した第一の混合液体からなる油滴中において、逆ヨウ素移動重合の成長期を誘起させ、高分子粒子を得る工程である。
本発明の製造方法により得られる高分子粒子は、重合工程により得られた高分子粒子の水性分散液から、デカンテーション、ろ過あるいは遠心分離などの方法を用いて固液分離することにより回収することが可能である。但し、本発明の目的を達成可能な範囲において、高分子粒子の回収方法はこれらに限定されず、従来公知の方法を適用することができる。また、これらの方法は、単独で用いることも、或は複数を組み合わせて用いることもできる。
本発明の高分子粒子の粒径は、懸濁工程における懸濁方法、あるいは分散剤の種類、量、等を変えることによって任意に調整することができる。高分子粒子の粒径は、特に制限はないが、数平均粒子径が300μm以下、特に20nm以上100μm以下が好ましい。より好ましくは、50nm以上50μm以下である。
高分子粒子の粒径は、細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いて、個数平均粒子径を測定した。測定に使用する電解水溶液は、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)を使用した。一方、粒径が1μm未満の高分子粒子は、動的光散乱法による精密粒度分布測定装置「DLS8000」(大塚電子社製)を用いて、個数平均粒子径を測定した。
重合転化率は、ガスクロマトグラフィー(装置:アジレント・テクノロジー株式会社製、カラム:同社製 HP−5)により測定される重合工程にともなう油性オレフィンモノマーの消費量から、検量線法に基づいて算出した。
分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(装置:東ソー株式会社製 HLC−8121GPC/HT、カラム:同社製 TSKgel G2000HXL/G3000HXL/G4000HXL)により、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、ピーク分子量(Mp)を測定した。
分子量制御性は、非特許文献3を参考にして、逆ヨウ素移動重合を塊状重合で行った場合のピーク分子量(Mp,bulk)と、懸濁重合と逆ヨウ素移動重合を組み合わせた場合のピーク分子量(Mp,suspension)とを、重合転化率90%以上において比較することによって評価した。具体的には、Mp,suspension/Mp,bulkの値が、0.9−1.1の場合を分子量制御性が良好(○)とし、それ以外の場合を分子量制御性は不良(×)とし、評価を行うことが出来ない場合を(−)とした。
[懸濁工程]
100mlガラス製容器に8.4mmolの2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65;和光純薬工業(株)製、アゾ系ラジカル重合開始剤、10時間半減期温度:51℃)、2.8mmolのヨウ素分子、0.54molのスチレンを、均一に混合した後、濃い赤色を呈した第一の混合液体を得た。また、200gのイオン交換水に2.2gのリン酸三カルシウム(無機分散剤)を添加し、30分間、15,000rpmにて撹拌することにより作製した30℃の分散液に、0.02molのヨウ化カリウムを溶解させることにより、第二の混合液体(pH8から9)を得た。前記第二の混合液体に含有されるヨウ化物イオンの含有量は、ヨウ化カリウム量で1×10−1mol/lである。
前記懸濁液を、窒素雰囲気下、メカニカルスターラーを用いて200rpmで撹拌しながらウォーターバスを用いて70℃に加熱した。加熱を開始してから徐々に懸濁液の橙色は薄くなり、約30分後には白色へと変化した。この橙色から白色への色変化は、誘導期において、懸濁液中のヨウ素分子が、V−65の開裂により発生したラジカルと反応してヨウ素化合物を形成したことを示している。また、この間、モノマーの重合反応はほとんど起きず、転化率は0%であった。
実施例1における、0.54molのスチレンを、0.56molのメタクリル酸メチルに代えた以外は、実施例1と同様の方法によって高分子粒子を得た。重合工程の加熱を開始してから6時間後の懸濁液を採取し、得られた高分子粒子の粒径、重合転化率およびMp,suspension、及び分子量分布(Mw/Mn)を測定した。また、参考例2における(Mp,bulk)との比較により、分子量制御性の評価を行った。これらの結果を、まとめて表1に記載した。
実施例1における0.54molのスチレンを、0.43molのスチレンと0.11molのメタクリル酸メチルに代えた以外は、実施例1と同様の方法によって高分子粒子を得た。重合工程の加熱を開始してから7時間後の懸濁液を採取し、得られた高分子粒子の粒径、重合転化率およびMp,suspension、分子量分布(Mw/Mn)を測定した。また、参考例3における(Mp,bulk)との比較により、分子量制御性の評価を行った。これらの結果を、まとめて表1に記載した。
実施例1における、8.4mmolのV−65を、8.4mmolの2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(アゾ系重合開始剤,10時間半減期温度:65℃)に代えたのに加え、合成工程・重合工程における加熱温度70℃を80℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法によって高分子粒子を得た。重合工程の加熱を開始してから6時間後の懸濁液を採取し、得られた高分子粒子の粒径、重合転化率およびMp,suspension、分子量分布(Mw/Mn)を測定した。また、参考例4における(Mp,bulk)との比較により、分子量制御性の評価を行った。これらの結果を、まとめて表1に記載した。
実施例2における、8.4mmolのV−65を、8.4mmolのAIBNに代えたのに加え、合成工程・重合工程における加熱温度70℃を80℃に変更した以外は、実施例2と同様の方法によって高分子粒子を得た。重合工程の加熱を開始してから7時間後の懸濁液を採取し、得られた高分子粒子の粒径、重合転化率およびMp,suspension、分子量分布(Mw/Mn)を測定した。また、参考例5における(Mp,bulk)との比較により、分子量制御性の評価を行った。これらの結果を、まとめて表1に記載した。
実施例3における、8.4mmolのV−65を、8.4mmolのAIBNに代えたのに加え、合成工程・重合工程における加熱温度70℃を80℃に変更した以外は、実施例3と同様の方法によって高分子粒子を得た。重合工程の加熱を開始してから7時間後の懸濁液を採取し、得られた高分子粒子の粒径、重合転化率およびMp,suspension、分子量分布(Mw/Mn)を測定した。また、参考例6における(Mp,bulk)との比較により、分子量制御性の評価を行った。これらの結果を、まとめて表1に記載した。
実施例1における、第二の混合液体中に含有されるヨウ化カリウム量を、0.02molから0.01mol(前記第二の混合液体に含有されるヨウ化物イオンの含有量は、ヨウ化カリウム量で5×10−2mol/l)へ変更した以外は、実施例1と同様の方法によって高分子粒子を得た。重合工程の加熱を開始してから7時間後の懸濁液を採取し、得られた高分子粒子の粒径、重合転化率およびMp,suspension、分子量分布(Mw/Mn)を測定した。また、参考例1における(Mp,bulk)との比較により、分子量制御性の評価を行った。これらの結果を、まとめて表1に記載した。
実施例1における、第二の混合液体中に含有されるヨウ化カリウム量を、0.02molから0.2mol(前記第二の混合液体に含有されるヨウ化物イオンの含有量は、ヨウ化カリウム量で1mol/l)へ変更した以外は、実施例1と同様の方法によって高分子粒子を得た。重合工程の加熱を開始してから7時間後の懸濁液を採取し、得られた高分子粒子の粒径、重合転化率およびMp,suspension、分子量分布(Mw/Mn)を測定した。また、参考例1における(Mp,bulk)との比較により、分子量制御性の評価を行った。これらの結果を、まとめて表1に記載した。
実施例1において、第一の混合液体中に機能性物質として0.07mmolのN−ヨードコハク酸イミドを加えた以外は、実施例1と同様の方法によって高分子粒子を得た。重合工程の加熱を開始してから7時間後の懸濁液を採取し、得られた高分子粒子の粒径、重合転化率およびMp,suspension、分子量分布(Mw/Mn)は、実施例1の結果と同等の値であった。一方、重合工程の加熱を開始してから2時間後の懸濁液を採取し、重合転化率を測定したところ、68%であった。この値は、実施例1における同加熱時間の重合転化率61%と比較して大きくなったことから、N−ヨードコハク酸イミドの添加に伴う重合速度の向上を確認した。
[懸濁工程]
100mlガラス製容器に8.4mmolの2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65;和光純薬工業(株)製、アゾ系ラジカル重合開始剤、10時間半減期温度:51℃)、2.8mmolのヨウ素分子、0.20molのアクリル酸ブチルと、20gのトルエンを、均一に混合した後、濃い赤色を呈した第一の混合液体を得た。また、200gのイオン交換水に2.2gのリン酸三カルシウム(無機分散剤)を添加し、30分間、15,000rpmにて撹拌することにより作製した30℃の分散液に、0.02molのヨウ化カリウムを溶解させることにより、第二の混合液体(pH8から9)を得た。前記第二の混合液体に含有されるヨウ化物イオンの含有量は、ヨウ化カリウム量で1×10−1mol/lである。
前記懸濁液を、窒素雰囲気下、メカニカルスターラーを用いて200rpmで撹拌しながらウォーターバスを用いて70℃に加熱した。加熱を開始してから徐々に懸濁液の橙色は薄くなり、約30分後には白色へと変化した。この橙色から白色への色変化は、誘導期において、懸濁液中のヨウ素分子が、V−65の開裂により発生したラジカルと反応してヨウ素化合物を形成したことを示している。また、この間、モノマーの重合反応はほとんど起きず、転化率は0%であった。
[懸濁工程]
100mlガラス製容器に8.4mmolの2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65;和光純薬工業(株)製、アゾ系ラジカル重合開始剤、10時間半減期温度:51℃)、2.8mmolのヨウ素分子、0.54molのスチレン、0.034molのヘキサデカンを、均一に混合した後、濃い赤色を呈した第一の混合液体を得た。また、90gのイオン交換水に4.7mmolのドデシル硫酸ナトリウムを添加することにより作製した30℃の分散液に、9.0mmolのヨウ化カリウムを溶解させることにより、第二の混合液体(pH8から9)を得た。前記第二の混合液体に含有されるヨウ化物イオンの含有量は、ヨウ化カリウム量で1×10−1mol/lである。
前記懸濁液を、窒素雰囲気下、メカニカルスターラーを用いて200rpmで撹拌しながらウォーターバスを用いて70℃に加熱した。加熱を開始してから徐々に懸濁液の橙色は薄くなり、約30分後には白色へと変化した。この橙色から白色への色変化は、誘導期において、懸濁液中のヨウ素分子が、V−65の開裂により発生したラジカルと反応してヨウ素化合物を形成したことを示している。また、この間、モノマーの重合反応はほとんど起きず、転化率は0%であった。
以下参考例は、重合反応に塊状重合を用いた例である。塊状重合は一つの油滴の中で起こる重合反応である。すなわち、塊状重合は、懸濁重合の油滴の一つのみの反応とみなすことができる。そのために、塊状重合が集合した懸濁重合は理想的な懸濁重合であるといえる。
参考例1における、0.54molのスチレンを、0.56molのメタクリル酸メチルに代えた以外は、参考例1と同様の方法によって高分子化合物を得た。加熱開始6時間後に得られた高分子化合物について、重合転化率およびMp,bulk、分子量分布(Mw/Mn)を測定した。これらの結果を、まとめて表1に記載した。
参考例1における、0.54molのスチレンを、0.43molのスチレンと0.11molのメタクリル酸メチルに代えた以外は、参考例1と同様の方法によって高分子化合物を得た。加熱開始6時間後に得られた高分子化合物について、重合転化率およびMp,bulk、分子量分布(Mw/Mn)を測定した。これらの結果を、まとめて表1に記載した。
参考例1における、8.4mmolのV−65を、8.4mmolのAIBNに代えたのに加え、重合時の加熱温度70℃を80℃に変更した以外は、参考例1と同様の方法によって高分子化合物を得た。加熱開始6時間後に得られた高分子化合物について、重合転化率およびMp,bulk、分子量分布(Mw/Mn)を測定した。これらの結果を、まとめて表1に記載した。
参考例2における、V−65を、8.4mmolのAIBNに代えたのに加え、重合時の加熱温度70℃を80℃に変更した以外は、参考例2と同様の方法によって高分子化合物を得た。加熱開始6時間後に得られた高分子化合物について、重合転化率およびMp,bulk、分子量分布(Mw/Mn)を測定した。これらの結果を、まとめて表1に記載した。
参考例3における、8.4mmolのV−65を、8.4mmolのAIBNに代えたのに加え、重合時の加熱温度70℃を80℃に変更した以外は、参考例3と同様の方法によって高分子化合物を得た。加熱開始7時間後に得られた高分子化合物について、重合転化率およびMp,bulk、分子量分布(Mw/Mn)を測定した。これらの結果を、まとめて表1に記載した。
[懸濁工程]
実施例1の懸濁工程における、ヨウ化カリウムを含有した第二の混合液体の代わりに、200gのイオン交換水に2.2gのリン酸三カルシウム粒子(無機分散剤)を分散させた30℃の分散液(pH6.5から7.0)を用いた以外は、実施例1と同様の方法によって赤色を呈した懸濁液を得た。
前記懸濁液を、窒素雰囲気下、メカニカルスターラーを用いて200rpmで撹拌しながらウォーターバスを用いて70℃に加熱した。加熱を開始してから徐々に懸濁液の赤色は薄くなり、約30分後には白色へと変化した。この赤色から白色への色変化は、懸濁液中のヨウ素分子が、V−65の開裂により発生したラジカルと反応してヨウ素化合物を形成したことを示している。また、この間、モノマーの重合反応はほとんど起きず、転化率は0%であった。
比較例1における、0.54molのスチレンを、0.56molのメタクリル酸メチルに代えた以外は、比較例1と同様の方法によって高分子粒子を得た。重合工程の加熱開始6時間後の懸濁液について、得られた高分子粒子の粒径、重合転化率およびMp,suspension、及び分子量分布(Mw/Mn)を測定した。また、参考例2における(Mp,bulk)との比較により、分子量制御性の評価を行った。これらの結果を、まとめて表1に記載した。
比較例1における、0.54molのスチレンを、0.43molのスチレンと0.11molのメタクリル酸メチルに代えた以外は、比較例1と同様の方法によって高分子粒子を得た。重合工程の加熱開始6時間後の懸濁液について、得られた高分子粒子の粒径、重合転化率およびMp,suspension、及び分子量分布(Mw/Mn)を測定した。また、参考例3における(Mp,bulk)との比較により、分子量制御性の評価を行った。これらの結果を、まとめて表1に記載した。
比較例1における、8.4mmolのV−65を、8.4mmolのAIBNに代えたのに加え、合成工程・重合工程における加熱温度70℃を80℃に変更した以外は、比較例1と同様の方法によって高分子粒子を得た。重合工程の加熱開始6時間後の懸濁液について、得られた高分子粒子の粒径、重合転化率およびMp,suspension、及び分子量分布(Mw/Mn)を測定した。また、参考例4における(Mp,bulk)との比較により、分子量制御性の評価を行った。これらの結果を、まとめて表1に記載した。
比較例2における、8.4mmolのV−65を、8.4mmolのAIBNに代えたのに加え、合成工程・重合工程における加熱温度70℃を80℃に変更した以外は、比較例2と同様の方法によって高分子粒子を得た。重合工程の加熱開始6時間後の懸濁液について、得られた高分子粒子の粒径、重合転化率およびMp,suspension、及び分子量分布(Mw/Mn)を測定した。また、参考例5における(Mp,bulk)との比較により、分子量制御性の評価を行った。これらの結果を、まとめて表1に記載した。
比較例3における、8.4mmolのV−65を、8.4mmolのAIBNに代えたのに加え、合成工程・重合工程における加熱温度70℃を80℃に変更した以外は、比較例3と同様の方法によって高分子粒子を得た。重合工程の加熱開始6時間後の懸濁液について、得られた高分子粒子の粒径、重合転化率およびMp,suspension、及び分子量分布(Mw/Mn)を測定した。また、参考例6における(Mp,bulk)との比較により、分子量制御性の評価を行った。これらの結果を、まとめて表1に記載した。
(注2)ヨウ化カリウム量は、第二の混合液体に含有されるヨウ化カリウム量(mol/l)であり、ヨウ化物イオンの含有量を示す。
(注3)分子量制御性は、○は良好、×は○以外の場合で不良、−は評価を行うことが出来ないことを示す。
11 ラジカル重合開始剤
12 ヨウ素分子
13 水
14 ヨウ化物イオン
15 油滴
16 ヨウ素化合物
17 油滴
18 高分子粒子
Claims (4)
- 油性オレフィンモノマーとラジカル重合開始剤とヨウ素分子とを含有する第一の混合液体を、水とヨウ化物イオンとを含有する第二の混合液体中に懸濁することにより、前記第一の混合液体からなる油滴を含有する懸濁液を得る懸濁工程と、
前記油滴中において前記ラジカル重合開始剤の開裂により生成するラジカルと前記ヨウ素分子とを反応させてヨウ素化合物を合成する合成工程と、
前記油滴中の前記油性オレフィンモノマーを重合する重合工程とを有することを特徴とする高分子粒子の製造方法。 - 前記ラジカル重合開始剤が油溶性ラジカル重合開始剤であることを特徴とする請求項1に記載の高分子粒子の製造方法。
- 前記第二の混合液体に含有されるヨウ化物イオンの含有量は、5×10−2mol/l以上5mol/l以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の高分子粒子の製造方法。
- 前記高分子粒子の数平均粒子径は20nm以上100μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の高分子粒子の製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011250856A JP5804903B2 (ja) | 2011-04-27 | 2011-11-16 | 高分子粒子の製造方法 |
US13/453,196 US8993696B2 (en) | 2011-04-27 | 2012-04-23 | Method for producing polymer particles |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011099342 | 2011-04-27 | ||
JP2011099342 | 2011-04-27 | ||
JP2011250856A JP5804903B2 (ja) | 2011-04-27 | 2011-11-16 | 高分子粒子の製造方法 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012236967A JP2012236967A (ja) | 2012-12-06 |
JP2012236967A5 JP2012236967A5 (ja) | 2014-11-13 |
JP5804903B2 true JP5804903B2 (ja) | 2015-11-04 |
Family
ID=47068391
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011250856A Expired - Fee Related JP5804903B2 (ja) | 2011-04-27 | 2011-11-16 | 高分子粒子の製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US8993696B2 (ja) |
JP (1) | JP5804903B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013018953A (ja) * | 2011-06-15 | 2013-01-31 | Canon Inc | 高分子粒子の製造方法 |
JP2014084411A (ja) | 2012-10-24 | 2014-05-12 | Canon Inc | 高分子粒子の製造方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5274057A (en) * | 1991-12-23 | 1993-12-28 | Xerox Corporation | Bead suspension polymerization process |
EP0744667B1 (en) | 1995-05-22 | 2001-08-22 | Canon Kabushiki Kaisha | Toner for developing electrostatic image |
JP3332721B2 (ja) | 1995-05-22 | 2002-10-07 | キヤノン株式会社 | 静電荷像現像用トナー |
JP4147431B2 (ja) | 2006-05-23 | 2008-09-10 | 日本ゼオン株式会社 | トナーの製造方法 |
-
2011
- 2011-11-16 JP JP2011250856A patent/JP5804903B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2012
- 2012-04-23 US US13/453,196 patent/US8993696B2/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012236967A (ja) | 2012-12-06 |
US20120277390A1 (en) | 2012-11-01 |
US8993696B2 (en) | 2015-03-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Jia et al. | Atom transfer radical polymerization in microemulsion | |
US8273823B2 (en) | Atom transfer radical polymerization in microemulsion and true emulsion polymerization processes | |
Li et al. | PEO-based block copolymers and homopolymers as reactive surfactants for AGET ATRP of butyl acrylate in miniemulsion | |
van Zyl et al. | Synthesis of styrene based liquid-filled polymeric nanocapsules by the use of RAFT-mediated polymerization in miniemulsion | |
Simms et al. | Reverse atom transfer radical polymerization of butyl methacrylate in a miniemulsion stabilized with a cationic surfactant | |
US10538634B2 (en) | Resin-support emulsion polymerization of hydrophobic monomers | |
JP5804903B2 (ja) | 高分子粒子の製造方法 | |
TWI312360B (en) | Composition and method for preventing fouling in (meth) acrylic acid processes | |
JP2014084411A (ja) | 高分子粒子の製造方法 | |
JP7435710B2 (ja) | 水溶性ポリマーの製造方法 | |
JP4627009B2 (ja) | エマルションの製造方法 | |
JP2012233147A (ja) | 高分子粒子の製造方法 | |
JP2002069438A (ja) | 蓄熱用マイクロカプセル | |
JP2013018953A (ja) | 高分子粒子の製造方法 | |
JP5586885B2 (ja) | ビニル系重合体微粒子の製造方法およびこの製造方法により得られたビニル系重合体微粒子 | |
JP3149487B2 (ja) | メタアクリル系樹脂粒子の製造方法 | |
JP6329938B2 (ja) | 重合体の製造方法 | |
JP4857727B2 (ja) | 無機物粒子含有メタクリル樹脂の製造方法 | |
JP5609847B2 (ja) | 水性樹脂分散体の製造方法 | |
JP2017039794A (ja) | 樹脂組成物の製造方法、樹脂粒子の製造方法、及び樹脂組成物 | |
Pan¹ et al. | Poly (meth) acrylates | |
Tichagwa | Synthesis of acrylate-based polymeric and polymerisable surfactants and their application in the emulsion polymerisation of styrene | |
Simms | Living/controlled Polymerization Conducted in Aqueous Based Systems | |
Yu | RAFT synthesis of water-soluble, stimuli-responsive (co) polymers and post-polymerization end group modification via the thiol-ene reaction | |
JP2013213197A (ja) | 合成樹脂エマルジョン、及びそれを用いてなるコーティング剤、ならびにコーティング層 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140929 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140929 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150723 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150804 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150901 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |