JP5803870B2 - 多官能エポキシ基含有有機ケイ素化合物を含む粘着剤組成物、粘着偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents
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Description
[1]
(A)(a)炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー90〜99.9質量部と、(b)架橋可能な官能基を含むビニル系モノマー及び/又は(メタ)アクリル系モノマー0.1〜10質量部とを共重合して得られる(メタ)アクリル系共重合体: 100質量部、
(B)多官能性架橋剤: 0.01〜10質量部、
(C)下記一般式(1)
[式中、Rは水素原子、グリシジル基、及び下記式(2)
(式中、R’は炭素数1〜6のアルキル基を示し、Xは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、nは1〜3の整数、mは1〜10の整数である。)
で示される基から選ばれ、Rの少なくとも1つは前記式(2)の基であって、Rの少なくとも2つはグリシジル基であり、aは1≦a≦100の数である。]
で表される多官能エポキシ基含有有機ケイ素化合物: 0.01〜9質量部
を含むことを特徴とする粘着剤組成物。
[2]
(A)(a)炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー90〜99.9質量部と、(b)架橋可能な官能基を含むビニル系モノマー及び/又は(メタ)アクリル系モノマー0.1〜10質量部とを共重合して得られる(メタ)アクリル系共重合体: 100質量部、
(B)多官能性架橋剤: 0.01〜10質量部、
(C)下記一般式(3)
[式中、Rは水素原子、グリシジル基、及び下記式(2)
(式中、R’は炭素数1〜6のアルキル基を示し、Xは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、nは1〜3の整数、mは1〜10の整数である。)
で示される基から選ばれ、Rの少なくとも1つは前記式(2)の基であって、Rの少なくとも2つはグリシジル基であり、AOは炭素数2〜6のアルキレンオキシド構造基であり、b、c、d、eはそれぞれ4≦b≦10、0≦c≦10、0≦d≦10、0≦e≦10の数である。]
で表される多官能エポキシ基含有有機ケイ素化合物: 0.01〜9質量部
を含むことを特徴とする粘着剤組成物。
[3]
(A)(a)炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー90〜99.9質量部と、(b)架橋可能な官能基を含むビニル系モノマー及び/又は(メタ)アクリル系モノマー0.1〜10質量部とを共重合して得られる(メタ)アクリル系共重合体: 100質量部、
(B)多官能性架橋剤: 0.01〜10質量部、
(C)下記一般式(1)
[式中、Rは水素原子、グリシジル基、及び下記式(2)
(式中、R’は炭素数1〜6のアルキル基を示し、Xは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、nは1〜3の整数、mは1〜10の整数である。)
で示される基から選ばれ、Rの少なくとも1つは前記式(2)の基であって、Rの少なくとも2つはグリシジル基であり、aは1≦a≦100の数である。]
で表される多官能エポキシ基含有有機ケイ素化合物、及び下記一般式(3)
[式中、Rは水素原子、グリシジル基、及び下記式(2)
(式中、R’は炭素数1〜6のアルキル基を示し、Xは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、nは1〜3の整数、mは1〜10の整数である。)
で示される基から選ばれ、Rの少なくとも1つは前記式(2)の基であって、Rの少なくとも2つはグリシジル基であり、AOは炭素数2〜6のアルキレンオキシド構造基であり、b、c、d、eはそれぞれ4≦b≦10、0≦c≦10、0≦d≦10、0≦e≦10の数である。]
で表される多官能エポキシ基含有有機ケイ素化合物: 0.01〜9質量部
を含むことを特徴とする粘着剤組成物。
[4]
(b)架橋可能な官能基を含むビニル系モノマー又は(メタ)アクリル系モノマーが、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルメチルジメトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルメチルジエトキシシラン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸二量体、イタコン酸、マレイン酸及びマレイン酸無水物からなる群より選ばれる1種以上のモノマーである[1]〜[3]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[5]
(B)多官能性架橋剤が、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、アジリジン系化合物及び金属キレート系化合物からなる群より選ばれる1種以上の架橋剤である[1]〜[4]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[6]
硬化物の架橋密度が5〜95質量%である[1]〜[5]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[7]
偏光フィルムと、この偏光フィルムの片面又は両面に[1]〜[6]のいずれかに記載の粘着剤組成物から形成される粘着剤層とを有することを特徴とする粘着偏光板。
[8]
更に、保護層、反射層、位相差板、光視野角補償フィルム及び輝度向上フィルムからなる群より選択される1種以上の層を有する[7]記載の粘着偏光板。
[9]
一対のガラス基板間に液晶が封入された液晶セルと、この液晶セルの片面又は両面に貼着された[7]又は[8]記載の粘着偏光板とを有する液晶パネルを含むことを特徴とする液晶表示装置。
本発明の多官能エポキシ基含有有機ケイ素化合物は、下記一般式(1)
[式中、Rは水素原子、グリシジル基、及び下記式(2)
(式中、R’は炭素数1〜6のアルキル基を示し、Xは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、nは1〜3の整数、mは1〜10の整数である。)
で示される基から選ばれ、Rの少なくとも1つは前記式(2)の基であって、Rの少なくとも2つはグリシジル基であり、aは1≦a≦100の数である。]、及び下記一般式(3)
[式中、Rは水素原子、グリシジル基、及び下記式(2)
(式中、R’は炭素数1〜6のアルキル基を示し、Xは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、nは1〜3の整数、mは1〜10の整数である。)
で示される基から選ばれ、Rの少なくとも1つは前記式(2)の基であって、Rの少なくとも2つはグリシジル基であり、AOは炭素数2〜6のアルキレンオキシド構造基であり、b、c、d、eはそれぞれ4≦b≦10、0≦c≦10、0≦d≦10、0≦e≦10の数である。]
で表される。
で示されるものが挙げられる。なお、(v)グリシジル基、(vi)水酸基のモル比率(v)/(vi)は0.01〜100が好ましく、より好ましくは0.02〜50、更に好ましくは0.1〜40である。また、そのエポキシ当量は好ましくは100〜500、より好ましくは100〜400、更に好ましくは100〜300である。エポキシ当量が小さすぎると製造が難しくなることがあり、大きすぎるとエポキシ含有率が低くなり、得られる多官能エポキシ基含有有機ケイ素化合物の特性が不十分となることがある。
で示されるものが挙げられる。なお、(vii)グリシジル基、(viii)水酸基のモル比率(vii)/(viii)は好ましくは0.1〜9、より好ましくは0.2〜5である。また、そのエポキシ当量は100〜500が好ましく、より好ましくは100〜400、更に好ましくは100〜300である。エポキシ当量が小さすぎると製造が難しくなることがあり、大きすぎるとエポキシ含有率が低くなり、得られる多官能エポキシ基含有有機ケイ素化合物の特性が不十分となることがある。
なお、触媒の使用量は、触媒量であるが、通常ポリグリシジルエーテル化合物とイソシアネートシランの合計量に対して0.001〜1質量%である。
式(1)において、n=3、m=3、a(平均)=9であり、(i)グリシジル基/(ii)エトキシシリル基=3(モル比)のもの、
式(1)において、n=3、m=3、a(平均)=9であり、(i)グリシジル基/(ii)エトキシシリル基=6(モル比)のもの、
式(1)において、n=3、m=3、a(平均)=9であり、(i)グリシジル基/(ii)エトキシシリル基=0.3(モル比)のもの、
式(1)において、n=3、m=3、a(平均)=7であり、(i)グリシジル基/(ii)エトキシシリル基=3(モル比)のもの、
式(3)において、n=3、m=3、b=4、c=d=e=2、アルキレンオキサイドはエチレンオキサイド構造基、(iii)グリシジル基/(iv)エトキシシリル基=3(モル比)のもの、
式(3)において、n=3、m=3、b=4、c=d=e=2、アルキレンオキサイドはプロピレンオキサイド構造基、(iii)グリシジル基/(iv)エトキシシリル基=3(モル比)のもの、
式(3)において、n=3、m=3、b=4、c=d=e=2、アルキレンオキサイドはブチレンオキサイド構造基、(iii)グリシジル基/(iv)エトキシシリル基=3(モル比)のもの、
式(3)において、n=3、m=3、b=4、c=d=e=2、アルキレンオキサイドはエチレンオキサイド構造基とプロピレンオキサイド構造基の混合、(iii)グリシジル基/(iv)エトキシシリル基=3(モル比)のもの、
式(3)において、n=3、m=3、b=4、c=d=e=4、アルキレンオキサイドはエチレンオキサイド構造基とプロピレンオキサイド構造基の混合且つ各構造基のランダムポリマー、(iii)グリシジル基/(iv)エトキシシリル基=3(モル比)のもの、
式(3)において、n=3、m=3、b=4、c=d=e=4、アルキレンオキサイドはエチレンオキサイド構造基とプロピレンオキサイド構造基の混合且つ各構造基のブロックポリマー、(iii)グリシジル基/(iv)エトキシシリル基=3(モル比)のもの。
次に、上記多官能エポキシ基含有シランカップリング剤を含む粘着剤組成物について説明する。
本発明の粘着剤組成物は、
(A)(a)炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー90〜99.9質量部;(b)架橋可能な官能基を含むビニル系モノマー及び/又は(メタ)アクリル系モノマー0.1〜10質量部を共重合して得られる(メタ)アクリル系共重合体: 100質量部、
(B)多官能性架橋剤: 0.01〜10質量部、
(C)多官能エポキシ基含有有機ケイ素化合物: 0.01〜9質量部
を含有することを特徴とする。
次に、前記粘着剤組成物を偏光フィルム等の片面又は両面に塗布・硬化させた粘着剤層を含む粘着偏光板について説明する。
本発明の粘着偏光板は、偏光フィルム又は偏光素子と、この偏光フィルム又は偏光素子の片面又は両面に上記粘着剤組成物から形成される粘着剤層とを有するものである。偏光板を構成する偏光フィルム又は偏光素子については特に限定されない。偏光フィルムの例を挙げると、ポリビニルアルコール系樹脂からなるフィルムにヨウ素又は異色性染料等の偏光成分を含有させて延伸することによって得られるフィルム等があり、これらの偏光フィルムの厚さも限定されず、通常の厚さに成形することができる。
本発明の粘着偏光板は、特に、通常の液晶表示装置全般に応用可能であり、その液晶パネルの種類は特に限られない。特に、本発明の粘着偏光板を、一対のガラス基板間に液晶が封入された液晶セルの片面又は両面に貼合した液晶パネルを含めて液晶表示装置を構成することが好ましい。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、エポキシ当量168のポリグリセリンポリグリシジルエーテル(SR−4GL、阪本薬品工業社製)100gを仕込み、80℃に加熱した。その中に3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン49.0gを滴下投入し、80℃にて4時間加熱撹拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失し、代わりにウレタン結合由来の吸収ピークが生成したことを確認し、反応終了とした。得られた反応生成物は淡黄色液体であり、重量平均分子量1800、粘度1074mPa・s、エポキシ当量265であった。なお、式(1)において、nは3であり、mは3であり、aは平均で9であり、官能基モル比率(i)グリシジル基/(ii)エトキシシリル基=3であった。この化合物について反応前のIRスペクトルを図1に、反応途中のIRスペクトルを図2に、反応終了後のIRスペクトルを図3に示す。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、エポキシ当量168のポリグリセリンポリグリシジルエーテル(SR−4GL、阪本薬品工業社製)100g、ジオクチルスズオキシド0.6gを仕込み、80℃に加熱した。その中に3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン49.0gを滴下投入し、80℃にて2時間加熱撹拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失し、代わりにウレタン結合由来の吸収ピークが生成したことを確認し、反応終了とした。得られた反応生成物は淡黄色液体であり、重量平均分子量1800、粘度1014mPa・s、エポキシ当量267であった。また、式(1)において、nは3であり、mは3であり、aは平均で9であり、官能基モル比率(i)グリシジル基/(ii)エトキシシリル基=3であった。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、エポキシ当量168のポリグリセリンポリグリシジルエーテル(SR−4GL、阪本薬品工業社製)100gを仕込み、80℃に加熱した。その中に3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン24.5gを滴下投入し、80℃にて4時間加熱撹拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失し、代わりにウレタン結合由来の吸収ピークが生成したことを確認し、反応終了とした。得られた反応生成物は淡黄色液体であり、重量平均分子量1700、粘度1184mPa・s、エポキシ当量219であった。また、式(1)において、nは3であり、mは3であり、aは平均で9であり、官能基モル比率(i)グリシジル基/(ii)エトキシシリル基=6であった。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、エポキシ当量168のポリグリセリンポリグリシジルエーテル(SR−4GL、阪本薬品工業社製)100gを仕込み、80℃に加熱した。その中に3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン441.0gを滴下投入し、80℃にて4時間加熱撹拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失し、代わりにウレタン結合由来の吸収ピークが生成したことを確認し、反応終了とした。得られた反応生成物は淡黄色液体であり、重量平均分子量2500、粘度1374mPa・s、エポキシ当量910であった。また、式(1)において、nは3であり、mは3であり、aは平均で9であり、官能基モル比率(i)グリシジル基/(ii)エトキシシリル基=0.3であった。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、エポキシ当量172のポリグリセリンポリグリシジルエーテル(デナコールEX−1310、ナガセケムテックス社製)100gを仕込み、80℃に加熱した。その中に3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン49.7gを滴下投入し、80℃にて4時間加熱撹拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失し、代わりにウレタン結合由来の吸収ピークが生成したことを確認し、反応終了とした。得られた反応生成物は淡黄色液体であり、重量平均分子量1870、粘度108mPa・s、エポキシ当量259であった。また、式(1)において、nは3であり、mは3であり、aは平均で7であり、官能基モル比率(i)グリシジル基/(ii)エトキシシリル基=3であった。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、エポキシ当量172のポリグリセリンポリグリシジルエーテル(デナコールEX−1410、ナガセケムテックス社製)100gを仕込み、80℃に加熱した。その中に3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン52.2gを滴下投入し、80℃にて4時間加熱撹拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失し、代わりにウレタン結合由来の吸収ピークが生成したことを確認し、反応終了とした。得られた反応生成物は淡黄色液体であり、重量平均分子量1700、粘度200mPa・s、エポキシ当量247であった。また、式(1)において、nは3であり、mは3であり、aは平均で7であり、官能基モル比率(i)グリシジル基/(ii)エトキシシリル基=3であった。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、エポキシ当量172のソルビトール系ポリグリシジルエーテル(デナコールEX−1610、ナガセケムテックス社製)100gを仕込み、80℃に加熱した。その中に3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン49.9gを滴下投入し、80℃にて4時間加熱撹拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失し、代わりにウレタン結合由来の吸収ピークが生成したことを確認し、反応終了とした。得られた反応生成物は淡黄色液体であり、重量平均分子量3800、粘度1421mPa・s、エポキシ当量261であった。また、式(3)において、nは3であり、mは3であり、bは4であり、AOはエチレンオキサイド基、c、d、eは2であり、官能基モル比率(iii)グリシジル基/(iv)エトキシシリル基=3であった。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、エポキシ当量220のソルビトール系ポリグリシジルエーテル(デナコールEX−610U、ナガセケムテックス社製)100gを仕込み、80℃に加熱した。その中に3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン39.8gを滴下投入し、80℃にて4時間加熱撹拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失し、代わりにウレタン結合由来の吸収ピークが生成したことを確認し、反応終了とした。得られた反応生成物は淡黄濁色液体であり、重量平均分子量3600、粘度1114mPa・s、エポキシ当量315であった。また、式(3)において、nは3であり、mは3であり、bは4であり、AOはプロピレンオキサイド基、c、d、eは2であり、官能基モル比率(iii)グリシジル基/(iv)エトキシシリル基=3であった。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、n−ブチルアクリレート(BA)98.1g、アクリル酸(AA)0.6g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2−HEMA)1.3gを納め、溶剤として酢酸エチル100gを仕込み、溶解させた。その後、酸素を除去するために窒素ガスバブリングを1時間行い、反応系中を窒素置換して62℃に保持した。この中に、撹拌しながら重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを0.03g投入し、62℃で8時間反応させることでベースポリマーである、(メタ)アクリル系共重合体を得た。
合成例9で得られた(メタ)アクリル系共重合体100質量部に対して、架橋剤としてトリメチロールプロパントリレンジイソシアネート付加物(TDI)、合成例1〜8で得られたシランカップリング剤を表1に示す配合組成でそれぞれ混合し、粘着剤組成物とした。
本発明のシランカップリング剤の代わりに表1に示したシランカップリング剤A−1〜A−4を使用する点、及びシランカップリング剤を添加しない点を除き、前記実施例と同様の方法で粘着剤を配合・製造し、ラミネート加工工程を実施した。また、得られたテストピースについても実施例と同様の評価を行い、その結果を表2〜4に示した。
TDI:架橋剤,トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物
シランA−3:γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製 KBE−9007)
シランA−4:両末端アルコキシシリル変性PO型ポリエーテル化合物(カネカ(株)製サイリルSAT10)
〈耐久性〉
粘着剤がコーティングされた偏光板(90mm×170mm)をガラス基板(110mm×190mm×0.7mm)に両面で光学吸収軸がクロスされた状態で貼り付けた。この際、加えた圧力は約5kgf/cm3であり、気泡や異物が生じないようにクリーンルームにて作業を行った。
○:気泡や剥離現象無し
△:気泡や剥離現象僅かにあり
×:気泡や剥離現象多数有り
粘着剤がコーティングされた偏光板を、常温(23℃/60%RH)において7日間熟成させた後、該偏光板をそれぞれ1インチ×6インチサイズに切断し、2kgのゴムローラーを使用して0.7mm厚の無アルカリガラスに貼り付けた。常温で保管した後、1時間後に初期接着力を測定し、次いで50℃で4時間エージングさせ、その後常温で1時間保管後、接着力を測定した。結果を表2に示す。
この際、接着力の測定には引っ張り試験機を用い、300mm/分の速度、180°の角度で剥離強度を測定した。
粘着剤がコーティングされた偏光板(90mm×170mm)をガラス基板(110mm×190mm×0.7mm)に貼り付けた後、常温で1時間経過(初期接着力)及び50℃×4時間エージングし、常温で1時間放冷した後、偏光板をガラスから剥離した。結果を表2に示す。
リワーク性に対する評価基準は以下の通りである。
○:容易に再剥離可能
△:再剥離は若干困難
×:剥離不能、ガラス破損
Claims (9)
- (A)(a)炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー90〜99.9質量部と、(b)架橋可能な官能基を含むビニル系モノマー及び/又は(メタ)アクリル系モノマー0.1〜10質量部とを共重合して得られる(メタ)アクリル系共重合体: 100質量部、
(B)多官能性架橋剤: 0.01〜10質量部、
(C)下記一般式(1)
[式中、Rは水素原子、グリシジル基、及び下記式(2)
(式中、R’は炭素数1〜6のアルキル基を示し、Xは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、nは1〜3の整数、mは1〜10の整数である。)
で示される基から選ばれ、Rの少なくとも1つは前記式(2)の基であって、Rの少なくとも2つはグリシジル基であり、aは1≦a≦100の数である。]
で表される多官能エポキシ基含有有機ケイ素化合物: 0.01〜9質量部
を含むことを特徴とする粘着剤組成物。 - (A)(a)炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー90〜99.9質量部と、(b)架橋可能な官能基を含むビニル系モノマー及び/又は(メタ)アクリル系モノマー0.1〜10質量部とを共重合して得られる(メタ)アクリル系共重合体: 100質量部、
(B)多官能性架橋剤: 0.01〜10質量部、
(C)下記一般式(3)
[式中、Rは水素原子、グリシジル基、及び下記式(2)
(式中、R’は炭素数1〜6のアルキル基を示し、Xは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、nは1〜3の整数、mは1〜10の整数である。)
で示される基から選ばれ、Rの少なくとも1つは前記式(2)の基であって、Rの少なくとも2つはグリシジル基であり、AOは炭素数2〜6のアルキレンオキシド構造基であり、b、c、d、eはそれぞれ4≦b≦10、0≦c≦10、0≦d≦10、0≦e≦10の数である。]
で表される多官能エポキシ基含有有機ケイ素化合物: 0.01〜9質量部
を含むことを特徴とする粘着剤組成物。 - (A)(a)炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー90〜99.9質量部と、(b)架橋可能な官能基を含むビニル系モノマー及び/又は(メタ)アクリル系モノマー0.1〜10質量部とを共重合して得られる(メタ)アクリル系共重合体: 100質量部、
(B)多官能性架橋剤: 0.01〜10質量部、
(C)下記一般式(1)
[式中、Rは水素原子、グリシジル基、及び下記式(2)
(式中、R’は炭素数1〜6のアルキル基を示し、Xは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、nは1〜3の整数、mは1〜10の整数である。)
で示される基から選ばれ、Rの少なくとも1つは前記式(2)の基であって、Rの少なくとも2つはグリシジル基であり、aは1≦a≦100の数である。]
で表される多官能エポキシ基含有有機ケイ素化合物、及び下記一般式(3)
[式中、Rは水素原子、グリシジル基、及び下記式(2)
(式中、R’は炭素数1〜6のアルキル基を示し、Xは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、nは1〜3の整数、mは1〜10の整数である。)
で示される基から選ばれ、Rの少なくとも1つは前記式(2)の基であって、Rの少なくとも2つはグリシジル基であり、AOは炭素数2〜6のアルキレンオキシド構造基であり、b、c、d、eはそれぞれ4≦b≦10、0≦c≦10、0≦d≦10、0≦e≦10の数である。]
で表される多官能エポキシ基含有有機ケイ素化合物: 0.01〜9質量部
を含むことを特徴とする粘着剤組成物。 - (b)架橋可能な官能基を含むビニル系モノマー又は(メタ)アクリル系モノマーが、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルメチルジメトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルメチルジエトキシシラン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸二量体、イタコン酸、マレイン酸及びマレイン酸無水物からなる群より選ばれる1種以上のモノマーである請求項1〜3のいずれか1項記載の粘着剤組成物。
- (B)多官能性架橋剤が、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、アジリジン系化合物及び金属キレート系化合物からなる群より選ばれる1種以上の架橋剤である請求項1〜4のいずれか1項記載の粘着剤組成物。
- 硬化物の架橋密度が5〜95質量%である請求項1〜5のいずれか1項記載の粘着剤組成物。
- 偏光フィルムと、この偏光フィルムの片面又は両面に請求項1〜6のいずれか1項記載の粘着剤組成物から形成される粘着剤層とを有することを特徴とする粘着偏光板。
- 更に、保護層、反射層、位相差板、光視野角補償フィルム及び輝度向上フィルムからなる群より選択される1種以上の層を有する請求項7記載の粘着偏光板。
- 一対のガラス基板間に液晶が封入された液晶セルと、この液晶セルの片面又は両面に貼着された請求項7又は8記載の粘着偏光板とを有する液晶パネルを含むことを特徴とする液晶表示装置。
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