JP5785080B2 - 植物におけるワクチン及びモノクローナル抗体治療薬の高レベル迅速生産のためのdnaレプリコン系 - Google Patents
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Description
プロモーター及び対象となる産物をコードする領域を含む第1の核酸セグメントを得ることであって、該対象となる産物をコードする領域のいずれかの側に、ジェミニウイルスゲノムの長い遺伝子間領域(LIR)の少なくとも一部が隣接する、第1の核酸セグメントを得ること、
プロモーター及びジェミニウイルスゲノムのRep/RepAタンパク質をコードする核酸を含む第2の核酸セグメントを得ること、
前記第1の核酸セグメント及び前記第2の核酸セグメントを植物細胞に導入すること、並びに
前記植物細胞又はその任意の世代の子孫において前記対象となる産物を産生させることを含む、方法を提供する。本明細書中で使用される場合、「ジェミニウイルスゲノムの長い遺伝子間領域(LIR)」とは、ジェミニウイルスRepタンパク質による切り出し及び複製を媒介することが可能なrep結合部位を含有する、長い遺伝子間領域(LIR)の領域を指す。幾つかの実施の形態では、前記第1の核酸セグメントはジェミニウイルスゲノムの短い遺伝子間領域(SIR)をさらに含み得る。本明細書中で使用される場合、「ジェミニウイルスゲノムの短い遺伝子間領域(SIR)」とは、相補鎖(マストレウイルスの短いIR(SIR))を指す。対象となる産物を含む前記核酸セグメントは、レプリコンに組み込まれることができる任意の長さであり得る。或る特定の実施の形態では、対象となる産物を含む前記核酸セグメントは0.1kb〜8kbであり得る。特定の実施の形態では、対象となる産物を含む前記核酸セグメントは2.0kb、2.5kb、3.0kb、3.5kb、4.0kb、4.5kb、5.0kb、5.5kb、6.0kb、6.5kb、7.0kb又は7.5kb超である。特定の実施の形態では、対象となる産物を含む前記核酸セグメントは2.87kbである。幾つかの実施の形態では、該方法は、前記対象となる産物を前記植物細胞又はその任意の世代の子孫から単離することをさらに含み得る。
プロモーター及び対象となる産物をコードする領域を含む第3の核酸セグメントを得ることであって、該対象となる産物をコードする領域のいずれかの側に、ジェミニウイルスゲノムの長い遺伝子間領域(LIR)の少なくとも一部が隣接する、第3の核酸セグメントを得ること、
プロモーター及び遺伝子サイレンシング阻害因子を含む第4の核酸セグメントを得ること、並びに
前記第3及び第4の核酸セグメントを前記植物細胞にトランスフェクトすることをさらに含む。該方法は、前記対象となる産物を前記植物細胞又はその任意の世代の子孫から単離することをさらに含み得る。
プロモーター及び対象となる産物をコードする領域を含む第1の核酸セグメントであって、該対象となる産物をコードする領域のいずれかの側に、ジェミニウイルスゲノムの長い遺伝子間領域(LIR)の少なくとも一部が隣接する、第1の核酸セグメント、並びに
プロモーター及びジェミニウイルスゲノムのRep/RepAタンパク質をコードする核酸を含む第2の核酸セグメントを含む、ベクター系を提供する。
プロモーター及び対象となる産物をコードする領域を含む第1の核酸セグメントであって、該対象となる産物をコードする領域のいずれかの側に、ジェミニウイルスゲノムの長い遺伝子間領域(LIR)の少なくとも一部が隣接する、第1の核酸セグメント、並びに
プロモーター及びジェミニウイルスゲノムのRep/RepAタンパク質をコードする核酸を含む第2の核酸セグメントを含む、植物を提供する。
ジェミニウイルスは、環状二本鎖DNA中間体を経て複製される環状一本鎖(ss)DNAゲノムを有する植物DNAウイルスの大きく多様なファミリーである。Hanley-Bowdoin et al. (1999)、Lazarowitz (1992)、Timmermans et al. (1994)を参照されたい。
本発明は、プロモーター及び対象となる産物をコードする領域を含む第1の核酸セグメントであって、該対象となる産物をコードする領域のいずれかの側に、ジェミニウイルスゲノムの長い遺伝子間領域(LIR)の少なくとも一部が隣接する、第1の核酸セグメント、並びにプロモーター及びジェミニウイルスゲノムのRep/RepAタンパク質をコードする核酸を含む第2の核酸セグメントを含む1つ又は複数のベクターを含む植物発現ベクターに関する。ベクターはまた、上に記載されるものを含むが、それらに限定されない様々な付加的成分を含み得る。
特定の実施形態では、本発明は、対象となる産物をコードするDNA配列を組み込んだ単離されたDNAセグメント及び組み換えベクターに関する。「組み換え型」という用語は、ポリペプチド又は具体的なポリペプチドの名称と共に使用され得るが、概して核酸分子から産生される、in vitroで操作されているか、又はかかる分子の複製産物であるポリペプチドを指す。
「プロモーター」とは、転写の開始及び速度を制御する核酸配列の領域である制御配列である。プロモーターは、調節タンパク質及び分子がRNAポリメラーゼ及び他の転写因子等と結合し得る遺伝要素を含有する場合もある。「動作可能に(operatively)位置する」、「動作可能に連結した」、「制御下で」及び「転写制御下で」という表現は、プロモーターが核酸配列に対して、その配列の転写開始及び/又は発現を制御する上で正確な機能的位置及び/又は方向にあることを意味する。プロモーターは、核酸配列の転写活性化に関与するシス作用調節配列を指す「エンハンサー」と併用されても、又は併用されなくてもよい。
特異的な開始シグナルもコード配列の効率的な翻訳に必要とされ得る。これらのシグナルはATG開始コドン又は隣接配列を含む。ATG開始コドンを含む外因性翻訳制御シグナルを提供する必要があり得る。当業者であれば、容易にこれを決定し、必要なシグナルを提供することが可能であるだろう。開始コドンは、挿入断片全体の翻訳を保証するために、所望のコード配列のリーディングフレームと「インフレーム」でなくてはならないことが知られている。外因性翻訳制御シグナル及び開始コドンは天然又は合成のいずれであってもよい。発現の効率は、適切な転写エンハンサー要素を組み入れることによって増進することができる。
ベクターは複数の制限酵素部位を含有する核酸領域である多重クローニング部位(MCS)を含んでいてもよく、そのいずれもベクターを消化する標準的な組み換え技術と共に用いてもよい(Carbonelli et al., 1999、Levenson et al., 1998及びCocea, 1997(参照により本明細書中に援用される)を参照されたい)。「制限酵素での消化」とは、核酸分子中の特異的な位置でのみ機能する酵素による核酸分子の触媒的切断を指す。これらの制限酵素の多くが商業的に利用可能である。かかる酵素の使用は当業者に広く理解されている。しばしば、ベクターは、外因性配列をベクターにライゲートさせるために、MCS内で切断する制限酵素を用いて線形化又は断片化される。「ライゲーション」とは、互いに連続していても、又はしていなくてもよい2つの核酸断片間にホスホジエステル結合を形成するプロセスを指す。制限酵素及びライゲーション反応を含む技法が、組み換え技術の技術分野の当業者に既知である。
転写された真核RNA分子の大部分は、イントロンを一次転写産物から除去するRNAスプライシングを受ける。ゲノム真核配列を含有するベクターは、タンパク質発現のための転写産物の正確なプロセシングを保証するため、ドナー及び/又はアクセプタスプライシング部位を必要とし得る(Chandler et al., 1997(参照により本明細書中に援用される)を参照されたい)。
本発明のベクター又は構築物は概して、少なくとも1つの終結シグナルを含む。「終結シグナル」又は「ターミネーター」は、RNAポリメラーゼによるRNA転写の特異的な終結に関与するDNA配列からなる。したがって、或る特定の実施形態では、RNA転写産物の産生を終了させる終結シグナルが考えられる。ターミネーターは、in vivoで望ましいメッセージレベルを達成するために必要とされ得る。
発現、特に真核生物の発現においては、転写産物の正確なポリアデニル化を達成するために、典型的にはポリアデニル化シグナルを組み入れる。ポリアデニル化シグナルの性質は本発明の実施の成功にはあまり重要でないと考えられ、及び/又はかかる配列のいずれも利用することができる。好ましい実施形態としては、好都合であり、及び/又は様々な植物標的細胞において十分に機能することが知られる、ダイズ栄養貯蔵タンパク質(vspB)ポリアデニル化シグナル及び/又はエンドウマメRuBPカルボキシラーゼ小サブユニット(rbcS)ポリアデニル化シグナルが挙げられる。ポリアデニル化は転写産物の安定性を増大させるか、又は細胞質輸送を促進し得る。
宿主細胞にベクターを伝播させるために、ベクターは複製が開始される特異的な核酸配列である1つ又は複数の複製起点部位(多くの場合、「ori」と称される)を含有してもよい。代替的には、宿主細胞が酵母である場合には自己複製配列(ARS)を利用することができる。
本発明の或る特定の実施形態では、本発明の核酸構築物を含有する細胞は、マーカーを発現ベクターに組み入れることによってin vitro又はin vivoで同定することができる。かかるマーカーは、識別可能な変化を細胞に与え、発現ベクターを含有する細胞の容易な同定を可能にするものであり得る。概して、選択可能なマーカーとは選択を可能にする特性を与えるものである。ポジティブ選択可能なマーカーとはマーカーの存在によりその選択が可能となるものであり、ネガティブ選択可能なマーカーとはその存在によってその選択が妨げられるものである。ポジティブ選択可能なマーカーの一例は薬剤耐性マーカーである。
本発明のベクターは、対象となる産物を産生させるために宿主細胞において使用することができる。特に(The particular)、本発明のベクターは植物細胞であり得る。本明細書中で使用される場合、「細胞」、「細胞株」及び「細胞培養物」という用語は互換可能に使用され得る。これらの用語は全て、その後のあらゆる世代であるそれらの子孫も含む。全ての子孫が意図的又は偶発的な突然変異のために同一でない場合もあることが理解される。異種核酸配列を発現するという文脈内で、「宿主細胞」とは原核細胞又は真核細胞を指し、ベクターを複製し及び/又はベクターによってコードされる異種遺伝子を発現することが可能な、任意の形質転換可能な生物を含む。宿主細胞はベクターのレシピエントとして使用することができ、また使用されてきた。宿主細胞は、「トランスフェクト」又は「形質転換」(修飾タンパク質をコードするか又は機能的核酸をコードする配列等の外因性核酸を、宿主細胞に移入又は導入するプロセスを指す)されていてもよい。形質転換細胞は初代被験細胞及びその子孫を含む。
上記で論考される組成物の少なくとも一部又は全部を含む多数の発現系が存在する。原核生物及び/又は真核生物ベースの系を、核酸配列、又はその同族ポリペプチド、タンパク質及びペプチドを産生させる目的で本発明で用いるために利用することができる。かかる系の多くが商業的に広く入手可能である。
発現ベクターを細胞に導入することができる多数の方法がある。本発明の或る特定の実施形態では、発現ベクターはウイルス、又はウイルスゲノムに由来する人工ベクターを含む。受容体媒介性エンドサイトーシスを介して細胞に侵入する能力、宿主細胞ゲノムに組み込まれて、ウイルス遺伝子を安定かつ効率的に発現する能力を有するようなウイルスが、哺乳動物細胞への外来遺伝子の移入にとって魅力的な候補となる(Ridgeway, 1988、Nicolas and Rubinstein, 1988、Baichwal and Sugden, 1986、Temin, 1986)。遺伝子ベクターとして使用された最初のウイルスは、パポバウイルス(シミアンウイルス40、ウシ乳頭腫ウイルス及びポリオーマ)(Ridgeway, 1988、Baichwal and Sugden, 1986)、並びにアデノウイルス(Ridgeway, 1988、Baichwal and Sugden, 1986)を含むDNAウイルスであった。これらは、外来DNA配列に対する容量が比較的小さく、宿主範囲(host spectrum)が限られている。さらに、許容細胞におけるそれらの発癌能及び細胞変性効果は、安全性に対する懸念を引き起こしている。これらは8kbの外来遺伝物質までしか収容することができないが、様々な細胞株及び実験動物に容易に導入することができる(Nicolas and Rubinstein, 1988、Temin, 1986)。
本発明の組成物の発現を達成するための核酸送達の好適な方法は、実質的に、本明細書中に記載されるか又は当業者に既知のように、核酸(例えば、ウイルスベクター及び非ウイルスベクターを含むDNA)を細胞小器官、細胞、組織又は生物体に導入することができる任意の方法を含むと考えられる。かかる方法としては、注入(米国特許第5,994,624号、同第5,981,274号、同第5,945,100号、同第5,780,448号、同第5,736,524号、同第5,702,932号、同第5,656,610号、同第5,589,466号及び同第5,580,859号(各々参照により本明細書中に援用される))、例えばマイクロインジェクション(Harland and Weintraub, 1985、米国特許第5,789,215号(参照により本明細書中に援用される));電気穿孔(米国特許第5,384,253号(参照により本明細書中に援用される));リン酸カルシウム沈殿(Graham and Van Der Eb, 1973、Chen and Okayama, 1987、Rippe et al., 1990);DEAE−デキストラン及びその後のポリエチレングリコールの使用(Gopal, 1985);直接音波負荷(direct sonic loading)(Fechheimer et al., 1987);リポソーム媒介トランスフェクション(Nicolau and Sene, 1982、Fraley et al., 1979、Nicolau et al., 1987、Wong et al., 1980、Kaneda et al., 1989、Kato et al., 1991);微粒子銃(PCT出願の国際公開第94/09699号及び同第95/06128号、米国特許第5,610,042号、同第5,322,783号、同第5,563,055号、同第5,550,318号、同第5,538,877号及び同第5,538,880号(各々参照により本明細書中に援用される));炭化ケイ素繊維との攪拌(Kaeppler et al., 1990、米国特許第5,302,523号及び同第5,464,765号(各々参照により本明細書中に援用される));アグロバクテリウム媒介形質転換(米国特許第5,591,616号及び同第5,563,055号(各々参照により本明細書中に援用される));プロトプラストのPEG媒介形質転換(Omirulleh et al., 1993、米国特許第4,684,611号及び同第4,952,500号(各々参照により本明細書中に援用される))又は乾燥/阻害媒介DNA取り込み(Potrykus et al., 1985)等によるDNAの直接送達が挙げられるが、これらに限定されない。これらのような技法を適用することによって、細胞小器官(複数可)、細胞(複数可)、組織(複数可)又は生物(複数可)を安定に又は一時的に形質転換することができる。
本発明の一態様は、単離された核酸セグメント、及び植物細胞において対象となる産物を産生させる際のそれらの使用に関する。或る特定の実施形態では、本発明は、本発明のタンパク質、ポリペプチド、ペプチドをコードする核酸に関する。核酸は、例えば化学合成、酵素的産生又は生物学的産生といった当業者に既知の任意の技法によって作製することができる。合成核酸(例えば合成オリゴヌクレオチド)の非限定的な例としては、欧州特許第266032号(参照により本明細書中に援用される)に記載されるようなリン酸トリエステル化学、亜リン酸エステル化学若しくはホスホラミダイト化学及び固相法を用いたin vitro化学合成によって、又はFroehler et al., 1986及び米国特許第5,705,629号(各々参照により本明細書中に援用される)によって記載されるようなデオキシヌクレオシドH−ホスホネート中間体を介して作製された核酸が挙げられる。本発明の方法では、1つ又は複数のオリゴヌクレオチドを使用することができる。オリゴヌクレオチド合成の様々な異なる機構が、例えば米国特許第4,659,774号、同第4,816,571号、同第5,141,813号、同第5,264,566号、同第4,959,463号、同第5,428,148号、同第5,554,744号、同第5,574,146号、同第5,602,244号(各々参照により本明細書中に援用される)に開示されている。
或る特定の態様では、本発明は単離された核酸である核酸に関する。本明細書中で使用される場合、「単離された核酸」という用語は、1つ又は複数の細胞の全ゲノム核酸及び転写核酸の大部分を含まぬように単離されているか、又はそれらを別の形で含まない核酸分子(例えばRNA分子又はDNA分子)を指す。或る特定の実施形態では、「単離された核酸」とは、細胞成分、又は例えば脂質若しくはタンパク質等の巨大分子、小さな生物学的分子等のin vitro反応成分の大部分を含まぬように単離されているか、又はそれらを別の形で含まない核酸を指す。
1.ハイブリダイゼーション
7ヌクレオチド、8ヌクレオチド、9ヌクレオチド、10ヌクレオチド、11ヌクレオチド、12ヌクレオチド、13ヌクレオチド、14ヌクレオチド、15ヌクレオチド、16ヌクレオチド、17ヌクレオチド、18ヌクレオチド、19ヌクレオチド、20ヌクレオチド、21ヌクレオチド、22ヌクレオチド、23ヌクレオチド、24ヌクレオチド、25ヌクレオチド、50ヌクレオチド、60ヌクレオチド、70ヌクレオチド、80ヌクレオチド、90ヌクレオチド若しくは100ヌクレオチド、好ましくは17ヌクレオチド〜100ヌクレオチドの長さ、又は本発明の一部の態様では、最大1キロベース〜2キロベース又はそれ以上の長さのプローブ又はプライマーの使用によって、安定かつ選択的な二本鎖分子の形成が可能となる。得られるハイブリッド分子の安定性及び/又は選択性を増大させるには、長さ20塩基超の連続ストレッチを超える相補配列を有する分子が一般に好ましい。一般に、20ヌクレオチド〜30ヌクレオチド、又は所望に応じてさらに長い1つ又は複数の相補配列を有するハイブリダイゼーション用の核酸分子を設計するのが好まれる。かかる断片は、例えば、断片を化学的手段によって直接合成するか、又は選択された配列を組み換え産生のための組み換えベクターに導入することによって容易に調製することができる。
増幅の鋳型として使用される核酸は、細胞、組織又は他の試料から標準的な方法(Sambrook et al., 2001)に従って単離することができる。或る特定の実施形態では、分析は、鋳型核酸の実質的な精製を行って又は行わずに、全細胞又は組織ホモジネート又は生体液試料に対して行われる。核酸はゲノムDNA又は分画RNA又は全細胞RNAであり得る。RNAを使用する場合、最初にRNAを相補的なDNAに変換することが望ましい場合もある。
任意の増幅に続いて、増幅産物を鋳型及び/又は過剰のプライマーから分離することが望ましい場合もある。一実施形態では、増幅産物は標準方法を用いたアガロース、アガロース−アクリルアミド又はポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分離される(Sambrook et al., 2001)。分離した増幅産物をさらなる操作のためにゲルから切り取り、溶出させてもよい。低融点アガロースゲルを用いて、分離したバンドをゲルを加熱することによって取り出し、続いて核酸を抽出することができる。
対象となる産物が核酸、タンパク質、ポリペプチド又はペプチドであり得ることが考えられる。対象となる産物は抗原又は抗体を含み得るが、これらに限定されない。抗原の例としては、B型肝炎コア抗原(HBc)又はノーウォークウイルスカプシドタンパク質(NVCP)が挙げられるが、これらに限定されない。抗体の例としては、モノクローナル抗体が挙げられるが、これに限定されない。
対象となるタンパク質を精製又は単離するのが望ましい場合がある。タンパク質精製法は当業者に既知である。これらの技法は、或るレベルで細胞環境をポリペプチド及び非ポリペプチド画分へと粗分画することを含む。ポリペプチドを他の細胞成分から分離した後、対象となるポリペプチドをクロマトグラフ法及び電気泳動法を用いてさらに精製し、部分的又は完全な精製(又は均質となるまでの精製)を達成することができる。精製されたペプチドの調製に特に適した分析法はイオン交換クロマトグラフィー、排除クロマトグラフィー;アフィニティークロマトグラフィー;ポリアクリルアミドゲル電気泳動;及び等電点電気泳動法である。ペプチドを精製する特に効率的な方法は、高速タンパク質液体クロマトグラフィー、又はさらにはHPLCである。
対象となるタンパク質は、下記に記載のものが挙げられるが、それらに限定されない当業者に既知の任意の手段によって検出することができる。
論考されるように、一部の実施形態では、本発明は、対象となるタンパク質等の生物学的成分を結合、精製、除去、定量化する、及び/又は別の形で検出する免疫検出法に関する。本発明の免疫検出法は、治療に関連する対象となるタンパク質の抗原領域を同定するために使用することができる。
上記に詳述したように、イムノアッセイとは、その最も単純及び/又は直接的な意味で、結合アッセイである。好ましいイムノアッセイは、当該技術分野において既知の様々なタイプの酵素免疫測定法(ELISA)及び/又はラジオイムノアッセイ(RIA)が挙げられる。組織切片を用いた免疫組織化学的検出も特に有用である。しかしながら、検出はかかる技法に限定されず、及び/又はウエスタンブロット法、ドットブロット法、FACS分析等も使用することができることが容易に理解されよう。
本発明の抗体は、免疫組織化学(IHC)による研究のために作製した新たに凍結した及び/又はホルマリン固定したパラフィン包埋組織ブロックの両方と併用することもできる。例えば、免疫組織化学を利用して、対象となるタンパク質を特性化するか、又は細胞中の対象となるタンパク質の量を評価することができる。これらの粒子状標本から組織ブロックを作製する方法は、様々な予後因子の以前のIHC研究において首尾よく使用されており、及び/又は当業者に既知である(Brown et al., 1990、Abbondanzo et al., 1990、Allred et al., 1990)。
タンパク質アレイ技術は、Pandey and Mann (2000)及びMacBeath and Schreiber (2000)(各々参照により本明細書中に具体的に援用される)で詳細に論考されている。
本発明の幾つかの実施形態では、対象となるタンパク質は被験体において免疫応答を惹起し得る。防御免疫とは、被験体が、免疫応答のある薬剤に関連する特定の疾患又は状態を発症するのを防止する特異的な免疫応答を開始する身体の能力を指す。免疫原として有効な量によって被験体に防御免疫を与えることが可能である。
以下の実施例は、本発明の或る特定の非限定的な態様を実証するために含まれる。以下の実施例に開示される技法は、本発明の実施に際して十分に機能する、本発明者によって発見された技法を表すことが当業者には理解されよう。しかしながら、当業者には、本開示に照らして、開示される具体的な実施形態において多くの変更を加えても、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく類似又は同様の結果を得ることができることが理解されよう。
I.結果
レプリコンベクターとRep/RepA供給ベクターとの植物の葉へのアグロバクテリウム媒介性同時送達によって、効率的なレプリコン形成及び高レベルのタンパク質産生がもたらされる。
トマトブッシースタントウイルスに由来する遺伝子サイレンシング阻害因子P19が、遺伝子サイレンシングの抑制によって標的タンパク質の蓄積を増進することが報告されている(Voinnet et al., 1998)。P19をレプリコン系に組み入れることによって、タンパク質蓄積をさらに高めることができる否かを試験するために、P19発現ベクター(図1)を、レプリコンの組み合わせ及びRep供給ベクターを同時浸潤させたが、BYGFP/REP110/P19が最も強力なGFP蛍光を生じることが見出された(図2B)。同様に、BYHBc/REP110/P19の組み合わせが、平均して0.8mg/gFWという最も高いHBc発現を生じた(図3A)。P19の同時送達は、アガロースゲル電気泳動及びサザンブロット法によって実証されるように、レプリコン形成に有意に影響を与えなかった(図3B及び図3C)。対照的に、ノーザンブロット分析から、HBc特異的mRNAの蓄積がP19の同時発現によって大幅に増大したことが示された(図3D)。これらの結果は、P19が実際に、おそらくは導入遺伝子の転写後サイレンシングを抑制することによって標的mRNA及びタンパク質の蓄積を増大させ得ることを示している。
VLPワクチンを生産する際のこの系の有効性を確認するために、レプリコン系を、別のVLP形成抗原であるNVCPの一時的発現についても試験した。図5Aに、種々のベクターの組み合わせによるNVCP発現の経時変化研究を示す。BYsNV/REP110/P19が、NVCPを約0.34mg/gFWというレベルで生じる最良の組み合わせであった。これらの結果はGFP及びHBcの知見と一致している。
インフルエンザVLP等の幾つかのタイプのVLP(非特許文献16、非特許文献17)、及び2種以上のタンパク質成分を含有する治療薬(mAb等、下記を参照されたい)は、1つの細胞内での複数のタンパク質の同時発現を必要とする。異なるタンパク質をコードする2つのレプリコンが同時発現することができるか否かを試験するために、ベンサミアナタバコの葉にBYGFP及び/又はBYDsRedを浸潤させた。UV照射下で、BYGFP/REP110/P19及びBYDsRed/REP110/P19を浸潤させた領域は、それぞれ緑色及び赤色の蛍光を示したが、BYGFP/BYDsRedを同時浸潤させた領域の蛍光は、おそらくは緑色及び赤色の両方の蛍光の重なりのために黄色に見えた(図2C)。葉肉細胞プロトプラストを続いて浸潤させた領域から単離し、蛍光顕微鏡下で観察した。BYGFP又はBYDsRedを個別に発現したプロトプラストの2つの集団を混合した場合、蛍光プロトプラストの重なりは観察されなかった(図6A及び6B)。対照的に、BYGFP/BYDsRedの同時浸潤からの蛍光プロトプラストの大部分(>80%)が緑色及び赤色の両方の蛍光を示し(図6C及び6D)、同じ細胞におけるGFP及びDsRedの同時発現が示された。したがって、BeYDVレプリコン系は非競合的であり、これによりモノクローナルmAb等の多重サブユニットタンパク質の生産におけるその適用が可能となる(下記を参照されたい)。
非競合発現系の多用性を実証するために、エボラウイルス糖タンパク質gp1に対する防御mAb(6D8)を、それぞれ6D8の重鎖サブユニット及び軽鎖サブユニットをコードする2つのレプリコンベクター(pBY−H(6D8)及びpBY−L(6D8))(図1)をベンサミアナタバコの葉に同時浸潤することによって発現させた。結果から、6D8 mAbが感染後4日目〜6日目に、0.3mg/gFW〜0.5mg/gFWという発現レベルで迅速に産生されたことが示された(図7A)。mAb発現のレベルは、植物ベースの発現系を用いてこれまでに達成された最も高いレベルに相当する(非特許文献15)。ウエスタン分析によって、軽鎖及び重鎖の両方の存在が確認された(図7B、レーン3)。還元ゲル及び非還元ゲル上のバンドパターンを比較することによって、抗体が軽鎖又は重鎖において切り取られる(clipping)ことなく完全に集合したことが示された(図7C、レーン3)。完全に集合したヘテロ四量体の主要バンドに加えて、部分的に集合したヘテロ三量体、ヘテロ二量体等に相当する小(minor)バンドも、ウエスタンブロットでの非還元条件下で観察された(図7C、レーン3)。部分的に集合した分子に対する完全に集合した分子の比率は、ヒトIgG陽性対照の比率及びmagnICON系によって生産されたmAbの比率(非特許文献15)と同様であり、mAbの集合が現在の最良の植物一時的系と同じくらい効率的であることが示された。
収率を損なうことなく3ベクターレプリコン系を単純化する可能性を調べた。ウイルスLIRプロモーターの制御下にある天然C1/C2コード領域を含有するレプリコンベクターを、GFP(pBYGFP.R)及びHBc(pBYHBc.R)それぞれの発現のために構築した(図1)。5dpiに浸潤させた葉にUV照射することによって、BYGFP.R試料又はBYGFP.R/P19試料が、BYGFP/REP110/P19と同様であるが、BYGFP/REP110よりも高い強度で蛍光を示したことが明らかとなった(図2D)。また、BYHBc.R試料及びBYHBc.R/P19試料が、4dpi又は7dpiに、BYHBc/REP110/P19に匹敵するレベルでHBcを発現したことが見出された(図8)。BYHBc/REP110/P19試料は、7dpiに重度の壊死のために回収しなかった。これらの結果をまとめると、より単純な単一ベクターレプリコン系が、対象となるタンパク質の最終収率という観点で三成分系と同じくらい効率的であることが実証される。
単一ベクターレプリコン系の有効性をさらに実証するために、C1/C2(Rep/RepA)、6D8 mAbの軽鎖及び重鎖のコード配列に対する3つの発現カセットを有するベクターを構築した(pBY−HL(6D8).R、図1)。ELISAによって、この単一ベクターpBY−HL(6D8).Rの浸潤による6D8の発現レベルが、4つの別個のベクターの同時浸潤によって生じたものに匹敵する(これよりわずかに高い)ことが示された(図7)。さらに、SDS−PAGE及びウエスタン分析によって、pBY−HL(6D8).Rによって産生されるmAbが、正しい軽鎖及び重鎖の成分を有し(図7B、レーン4)、同様に完全に集合する(データは示さない)ことが示される。これらのデータは、mAb及び他の多重サブユニットタンパク質医薬品を製造する際のこの単純な系の潜在的な広い用途をさらに示した。
A.単一ベクター、非競合レプリコン発現系の開発
単純な植物一時的発現系は、特に3つ以上の異なるサブユニットタンパク質の産生及び集合を必要とするような、重要な医薬品の迅速な高収率の生産に未だ利用可能ではない。そのため、この研究はかかる必要性に対処するよう設計されている。ジェミニウイルスの成員であるインゲン黄化萎縮ウイルス(BeYDV)の複製機構を利用し、最終的に一連の最適化手順によって単一ベクターレプリコンベースの高収率の一時的な発現系を開発した。
多数のウイルス構造タンパク質が、ウイルス様粒子(VLP)と称される組織的なマクロ分子構造(本物のビリオンを形態学的に模倣するが、感染性ウイルスゲノムを欠く)へと自己集合することができる。VLPは非常に免疫原性が高く、ワクチン、特に弱毒化生ウイルス又は不活化ウイルスベースのワクチンのより安全な代替品として使用することができる(Garcea and Gissmann, 2004)。例えば、酵母産生HBsAg VLPは、史上初の組み換えサブユニットワクチンの構成要素である(McAleer et al., 1984)。この論文では、レプリコン系によって産生されるHBc及びNVCPがVLPに集合するか否かが検査されている。HBcに関しては、ショ糖勾配分析、ELISA、ドットブロット分析及び電子顕微鏡検査によって肯定的な結果が得られた(図4及び図5)。NVCP粗抽出物中のタンパク質の勾配分離を用いると、ショ糖勾配上に、集合したサブユニット(最上部画分、図5)及び集合したVLP(画分10〜画分12、図5)として部分的に割り当てられる2つのピークが検出された。後者のピークは、昆虫細胞において産生されるVLPと共移動する(co-migrated)(図5)。この「2ピーク」パターンは、マウスにおいて非常に免疫原が高かった(Santi et al., 2008)magnICON系によって産生されるNVCPについて観察されるものと同様である。したがって、このレプリコン系によって産生されるVLP形成抗原は、高次オリゴマーVLPへと効率的に集合することができると結論付けられた。
Arntzen et al., 2005において論考されるように、植物における抗原の発現に対して、安定なトランスジェニック遺伝子発現及びウイルスベクターによる一時的発現という2つの優越した戦略があった。本明細書中で提示したもののような一時的発現系は、初期特性化のための材料を提供する上で迅速な方法となるが、安定なトランスジェニック植物は極めて大量のPMP生産が必要とされる場合の最も有望な拡張性を秘めている。安定な系及び一時的な系の両方にとって、mRNA蓄積がタンパク質発現における障害となっている。しかしながら、安定なトランスジェニック技術は「位置効果」、すなわちmRNAレベルが染色体において導入遺伝子を挿入する位置に左右される(Matzke and Matzke, 1998)ためにさらに複雑である。このため、高度に発現するトランスジェニック系統の発見は統計作業となっており、数百又はさらには数千もの植物を、高レベルで発現する外れ値を特定するためにスクリーニングする必要がある。ジェミニウイルスのRepタンパク質に固有のニッキング機能(Laufs et al., 1995a、Laufs et al., 1995b)は、LIRのタンデムリピートの間にクローニングした組み換えウイルスDNAの、染色体に組み込まれた部位からの複製放出を可能にする(Hayes et al., 1988、Grimsley et al., 1987、Kanevski et al., 1992)。次いで、DNAはエピソームとして核内で複製される。ジェミニウイルスレプリコンのこれらの特性から安定なトランスジェニックベクターの開発が可能となるが、この場合、ジェミニウイルスレプリコンのエピソーム複製性及び高コピー数によって導入遺伝子発現の位置効果が失われ、安定な形質転換植物における高い標的タンパク質発現レベルが保証される。以前の研究から、安定なトランスジェニックジャガイモにおいて誘導プロモーターによって誘導されたRepと同時発現させた、これまでのバージョンのインゲン黄化萎縮ウイルス由来ベクターが、mRNA発現において80倍の増大をもたらし、トランスジェニックタンパク質発現において10倍の増大をもたらしたことが実際に示された(Zhang and Mason, 2006)。この証拠によって、大規模PMP生産のための高発現の安定なトランスジェニックベクターを開発するために、現在の改良されたバージョンのレプリコンを用いる際の成功の可能性がさらに支持される。一時的及び安定なトランスジェニック技術の両方における改良されたレプリコンベクターの利用はしたがって、医薬品候補の迅速な評価及び商業生産のための拡張可能なプラットフォームを可能にする。
本実施例は、2.87kbの遺伝子を発現して、130kDaのタンパク質:モノクローナル抗体6D8の重鎖をコードする遺伝子(実施例1、結果、4.単一ベクターレプリコン系)をエボラウイルス糖タンパク質GP1(H2gpKDEL)に融合させた修飾免疫グロブリンを産生する、タンデム二重ジェミニウイルスレプリコン系の使用を説明するものである。タバコモザイク(RNA)ウイルスベクターを用いた以前の研究では、高分子量タンパク質を産生するために発現及び翻訳することのできるRNA分子サイズの制限が示されている。例えば、マグニフェクション(magnifection)系は、最大で2.3kbの遺伝子又は最大で80kDaのタンパク質を発現することができる(Gleba et al., 2007)。さらに、本実施例では、同じT−DNAプラスミドに組み入れられる別個のジェミニウイルスレプリコンにおける重鎖融合H2gpKDEL及び軽鎖K3の同時発現を実証する。
ベクター構成
35Sプロモーター/TEV 5’ UTRとVSPターミネーターとの間に天然BeYDV C1/C2遺伝子を含有するプラスミドpBY036は、以前に記載されている(Mor et al., 2003)。C1/C2発現カセットをXhoI/SacI消化によってpBY036から放出させ、pPS1(Huang and Mason, 2004)に同じ部位から挿入し、Rep及びRepAの両方の発現のためのバイナリーベクターpREP110を作製した(図1)。バイナリーベクターpREP111をRepのみの発現のためにpBY037(Mor et al., 2003)から同様に作製した。トマトブッシースタントウイルスに由来するP19遺伝子を、プライマーP19−Bam(5’−tcaaggatccatggaacgagctataca)(配列番号1)及びP19−Sac(5’−agaggagctcttactcgccttctttttc)(配列番号2)を用いて、pTBSV(H. Scholthof、テキサスA&M大学)から増幅し、NcoIびSacIで消化し、pPS1に挿入し、バイナリーベクターpPSP19を得た。
バイナリーベクターを、電気穿孔によりアグロバクテリウム・ツメファシエンスLBA4404に別個に導入した。得られた株をプラスミドの制限消化によって検証し、30℃で一晩増殖させ、温室栽培した6週齢〜8週齢のベンサミアナタバコ植物の葉の浸潤に使用した。簡潔に述べると、細菌を5000×gで5分間の遠心分離によって沈殿させた後、浸潤バッファー(10mM 2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)(pH5.5)及び10mM MgSO4)に、600nmで所望の光学密度(OD)まで再懸濁した。得られた細菌懸濁液を単独で又は幾つかの株の混合物として、完全に展開した葉に針を有しないシリンジを用いて小さく穴をあけて注入した(Huang and Mason, 2004)。
植物の葉から全DNAを記載のように(Zhang and Mason, 2006)抽出した。DNA(約3μg)を消化しないか、又はXhoIで消化し、0.8%アガロースゲルに溶解し、エチジウムブロマイドで染色し、ナイロンメンブレン(Zeta−probe,Bio-Rad,Hercules,CA)に転写した。次いで、メンブレンを、HBc遺伝子のそれぞれ5’末端(−TAGCCATGGACATTGACCCTT−)(配列番号11)及び3’末端(−TTAACATTGAGATTCCCT−)(配列番号12)に固定されたプライマーによるPCRによって、製造業者の使用説明書(Roche Applied Science,Indianapolis,IN)に従って合成したジゴキシゲニン(digoxygenin)(DIG)標識HBc特異的プローブとハイブリダイズさせた。
全RNAの単離及びRNAブロット分析を記載のように(Zhang and Mason, 2006)行った。HBcの転写産物を、DNAブロットに対して調製したDIG標識プローブを用いて検出した。
HBc分析のために、ベンサミアナタバコの葉から全可溶性タンパク質を抽出し、以前に記載されるように(Huang et al., 2005)測定した。全HBcを、以前に記載されるように(非特許文献14)、わずかに変更を加えて(5000倍に希釈したマウスポリクローナル抗HBc[腹腔内注射した大腸菌由来組み換えHBc(ViroGen,Watertown,MA)]を検出に使用した)サンドイッチELISAによって定量化した。ドットブロット法、ウエスタンブロット法及びショ糖勾配沈降を以前に記載されるように(非特許文献14)行った。
HBcを以前に記載されるように(非特許文献14)浸潤させた葉から部分的に精製した。部分的に精製したHBcを0.5%酢酸ウラニル水溶液でのネガティブ染色に供し、透過電子顕微鏡検査をPhilipsのCM−12S顕微鏡を用いて行った。
プロトプラストを、0.4Mマンニトール、8mM CaCl2、0.4%セルラーゼ及び0.4%Macerozyme R−10を含有する溶液中での室温で10時間〜16時間のインキュベーションによって浸潤させた葉組織から放出させた。放出させたプロトプラストを孔径62μmのナイロンメッシュを通して濾過した。
GFPを発現する葉を、B−100APランプ(UVP,Upland,CA)によって発生させたUV照射下で観察した。GFP及びDsRedを同時発現する葉を、UVGL−25ランプ(UVP,Upland,CA)の下で観察した。プロトプラストを、GFPフィルターセット(Chroma番号41028;励起フィルター、500/20nm;蛍光(emission)フィルター、535/30nm)及びDsRedフィルターセット(Chroma番号42005;励起フィルター、540/40nm;蛍光フィルター、600/50nm)を有するNikonの倒立顕微鏡で観察した。
Claims (16)
- 複数のレプリコンを用いて植物細胞においてタンパク質複合体を産生させる方法であって、
プロモーター及び第1の対象となる産物をコードする第1の領域、並びに該プロモーター及び第1の領域をはさんで位置する2つの長い遺伝子間領域(LIR)及び短い遺伝子間領域(SIR)を含む第1のレプリコンであって、LIR−(プロモーター−第1のコード領域)−SIR−LIR構造を有し、該LIR及びSIRはそれぞれ、ジェミニウイルスゲノムの長い遺伝子間領域(LIR)及び短い遺伝子間領域(SIR)である、第1のレプリコンを得ること、
プロモーター及び第2の対象となる産物をコードする第2の領域、並びに該プロモーター及び第2の領域をはさんで位置する2つの長い遺伝子間領域(LIR)及び短い遺伝子間領域(SIR)を含む第2のレプリコンであって、LIR−(プロモーター−第2のコード領域)−SIR−LIR構造を有し、該LIR及びSIRはそれぞれ、ジェミニウイルスゲノムの長い遺伝子間領域(LIR)及び短い遺伝子間領域(SIR)である、第2のレプリコンを得ること、
プロモーター及びジェミニウイルスゲノムのRep/RepAタンパク質をコードする核酸を含む核酸セグメントを得ること、
前記第1のレプリコン及び第2のレプリコン、並びに前記核酸セグメントを植物細胞に導入して、第1の領域及び第2の領域それぞれの複製及び一時的発現を引き起こすこと;
並びに前記第1の対象となる産物と前記第2の対象となる産物とを含む前記タンパク質複合体を前記植物細胞において産生させることを含み、
前記第1のレプリコンと前記第2のレプリコンとは非競合であり、
前記第1のレプリコンと前記第2のレプリコンとは別個のレプリコンである、方法。
- 前記タンパク質複合体は抗原である、請求項1に記載の方法。
- 前記抗原はB型肝炎コア抗原(HBc)又はノーウォークウイルスカプシドタンパク質(NVCP)である、請求項2に記載の方法。
- さらに、プロモーター、ジェミニウイルスゲノムのLIR及びSIR、及び第3の対象となる産物をコードする第3の領域を含む第3のレプリコンを得ることを含み、
該第3のレプリコンは、LIR−(プロモーター−第3のコード領域)−SIR−LIR構造を含み、
該第3のレプリコンは前記植物細胞に導入されて第3の対象となる産物をコードする第3の領域の複製及び一時的発現を引き起こされ;前記タンパク質複合体は前記第1の対象となる産物、前記第2の対象となる産物及び該第3の対象となる産物を含み;
前記第1のレプリコンと前記第2のレプリコンと該第3のレプリコンとは非競合であり;
前記第1のレプリコンと前記第2のレプリコンと該第3のレプリコンとは別個のレプリコンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- さらに、プロモーター及びトマトブッシースタントウイルスに由来する遺伝子サイレンシング阻害因子P19を含む核酸セグメントを得ることを含み、
該遺伝子サイレンシング阻害因子P19を含む核酸セグメントは前記植物細胞に導入されて複製及び一時的発現を引き起こされる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 植物細胞において完全に集合した多成分系タンパク質複合体を産生させる方法であって、
(a)複数のレプリコンを含む単一のベクターであって、
(i)それぞれが動作可能に連結したLIR−プロモーター1−コード領域1−SIR−LIR構造を含む第1のレプリコンであって、コード領域1は第1の対象となる産物をコードし、両側のLIRはジェミニウイルスゲノムの長い遺伝子間領域であって、SIRはジェミニウイルスゲノムの短い遺伝子間領域である、第1のレプリコンと、
(ii)それぞれが動作可能に連結したLIR−プロモーター2−コード領域2−SIR−C2/C1−LIR構造を含む第2のレプリコンであって、コード領域2はコード領域1とは異なる第2の対象となる産物をコードし、両側のLIRはジェミニウイルスゲノムの長い遺伝子間領域であって、C2/C1はジェミニウイルスゲノムのRep/RepAタンパク質をコードし、SIRはジェミニウイルスゲノムの短い遺伝子間領域である、第2のレプリコンと、を含み、
該第2のレプリコンは、該複数のレプリコンを含む単一のベクターにおいて、該第1のレプリコンに動作可能にタンデム結合して、該第1のレプリコンの一方の端のLIRを共有することにより、タンデム結合した2つのレプリコンは、LIR−プロモーター1−コード領域1−SIR−LIR−プロモーター2−コード領域2−SIR−C2/C1−LIR構造を有し、
該タンデム結合したレプリコンの該コード領域1及び該コード領域2は、それぞれ同時に、だが独立して、増幅されることが可能であり;それぞれのコード領域の増幅は非競合かつ高レベルであり;該対象となる産物はタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドである、
複数のレプリコンを含む単一のベクターを得ること、
(b)該複数のレプリコンを含む単一のベクターを植物細胞に導入すること、並びに
(c)該複数のレプリコンを含む単一のベクターのそれぞれのコード領域を独立かつ非競合に増幅及び発現させ、その後、それぞれのコード領域の対象となる産物を含む該多成分系タンパク質複合体を完全に集合させること、
を含む方法。
- 前記多成分系タンパク質複合体は抗エボラウイルス糖タンパク質(GP1)抗体(6D8)であり、前記コード領域1及び前記コード領域2からの産物はそれぞれ、抗エボラウイルス糖タンパク質(GP1)抗体(6D8)の重鎖及び軽鎖である、請求項6に記載の方法。
- 複数のレプリコンを含む単一ベクター系であって、
それぞれが動作可能に連結したLIR−プロモーター1−コード領域1−SIR−LIR構造を含む第1のレプリコンであって、コード領域1は第1の対象となる産物をコードし、両側のLIRはジェミニウイルスゲノムの長い遺伝子間領域であって、SIRはジェミニウイルスゲノムの短い遺伝子間領域である、第1のレプリコンと、
それぞれが動作可能に連結したLIR−プロモーター2−コード領域2−SIR−C2/C1−LIR構造を含む第2のレプリコンであって、コード領域2はコード領域1とは異なる第2の対象となる産物をコードし、両側のLIRはジェミニウイルスゲノムの長い遺伝子間領域であって、C2/C1はジェミニウイルスゲノムのRep/RepAタンパク質をコードし、SIRはジェミニウイルスゲノムの短い遺伝子間領域である、第2のレプリコンと、
を含み、
該第2のレプリコンは、該第1のレプリコンに動作可能にタンデム結合して、該第1のレプリコンの一方の端のLIRを共有することにより、タンデム結合した2つのレプリコンは、LIR−プロモーター1−コード領域1−SIR−LIR−プロモーター2−コード領域2−SIR−C2/C1−LIR構造を有し、
該タンデム結合したレプリコンの該コード領域1及び該コード領域2のそれぞれは、同時に、だが独立して、増幅されることが可能であり;それぞれのコード領域1の増幅は非競合かつ高レベルであり;該対象となる産物はタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドであり;該対象となるタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドは完全に集合させること
により多成分系タンパク質複合体を産生することが可能である、
複数のレプリコンを含む単一ベクター系。
- それぞれが動作可能に連結したLIR−コード領域n−SIR−LIR構造を含む1又は複数のレプリコンをさらに含み、該追加の1又は複数のレプリコンは上流のレプリコンとタンデム結合し、それぞれの下流のレプリコンはその一方の端のLIRを上流のレプリコンと共有し、コード領域nはコード領域1及びコード領域2とは異なる対象となる産物をコードし、該コード領域nの産物はタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドであり;
該タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドは完全に集合させることにより多成分系タンパク質複合体を産生することが可能である、請求項8に記載の複数のレプリコンを含む単一ベクター系。
- ひとつのレプリコンのコード領域nは遺伝子サイレンシング阻害因子をコードする、請求項9に記載の複数のレプリコンを含む単一ベクター系。
- プロモーターnはプロモーター1及びプロモーター2とは異なるプロモーターである、請求項9または10に記載の複数のレプリコンを含む単一ベクター系、ただしコード領域nはプロモーターnと作動可能に連結している。
- プロモーター1、プロモーター2及びプロモーターnは同じプロモーターである、請求項9または10に記載の複数のレプリコンを含む単一ベクター系、ただしコード領域nはプロモーターnと作動可能に連結している。
- 前記コード領域1及び前記コード領域2の産物は、完全に集合させることにより形成される多成分系タンパク質複合体の2つのサブユニットである、請求項8〜12のいずれか1項に記載の複数のレプリコンを含む単一ベクター系。
- 前記2つのサブユニットはそれぞれ、抗エボラウイルス糖タンパク質(GP1)抗体(6D8)の重鎖及び軽鎖である、請求項13に記載の複数のレプリコンを含む単一ベクター系。
- 3つのレプリコンを含む単一ベクター系であって、
それぞれが動作可能に連結したLIR−プロモーター1−コード領域1−SIR−LIR構造を含む第1のレプリコンであって、コード領域1は対象となる産物をコードする第1のレプリコンと、
それぞれが動作可能に連結したLIR−プロモーター2−コード領域2−SIR−C2/C1−LIR構造を含む第2のレプリコンであって、コード領域2はコード領域1とは異なる対象となる産物をコードし、C2/C1はジェミニウイルスゲノムのRep/RepAタンパク質をコードする、第2のレプリコンと、
それぞれが動作可能に連結したLIR−プロモーター3−コード領域3−SIR−LIR構造を含む第3のレプリコンであって、コード領域3はトマトブッシースタントウイルスに由来する遺伝子サイレンシング阻害因子P19をコードする、第3のレプリコンと、を含み、
該第1、第2、第3のそれぞれのレプリコンにおいて、両側のLIRはジェミニウイルスゲノムの長い遺伝子間領域であって、SIRはジェミニウイルスゲノムの短い遺伝子間領域であり、
該第2のレプリコンは、該第1のレプリコンに動作可能にタンデム結合して、該第1のレプリコンの一方の端のLIRを共有し;該第3のレプリコンは、該第2のレプリコンに動作可能にタンデム結合して、該第2のレプリコンの、該第1のレプリコンとタンデム結合を形成しない側の端のLIRを共有し、
該タンデム結合したレプリコンの該コード領域1、該コード領域2及び該コード領域3のそれぞれは、同時に、だが独立して、増幅されることが可能であり;それぞれのコード領域の増幅は非競合かつ高レベルであり;それぞれのコード領域の対象となる産物は同時にかつ独立して放出され;該対象となる産物はタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドであり;該対象となるタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドは完全に集合させること
により多成分系タンパク質複合体を産生することが可能である、
単一ベクター系。
- 4つのレプリコンを含む単一ベクター系であって、
それぞれが動作可能に連結したLIR−プロモーター1−コード領域1−SIR−LIR構造を含む第1のレプリコンであって、コード領域1は対象となる産物をコードする第1のレプリコンと、
それぞれが動作可能に連結したLIR−プロモーター2−コード領域2−SIR−C2/C1−LIR構造を含む第2のレプリコンであって、コード領域2はコード領域1とは異なる対象となる産物をコードし、C2/C1はジェミニウイルスゲノムのRep/RepAタンパク質をコードする第2のレプリコンと、
それぞれが動作可能に連結したLIR−プロモーター3−コード領域3−SIR−LIR構造を含む第3のレプリコンであって、コード領域3はコード領域1及びコード領域2とは異なる対象となる産物をコードする、第3のレプリコンと、
それぞれが動作可能に連結したLIR−プロモーター4−コード領域4−SIR−LIR構造を含む第4のレプリコンであって、コード領域4はトマトブッシースタントウイルスに由来する遺伝子サイレンシング阻害因子P19をコードする、第4のレプリコンと、を含み、
該第1、第2、第3、第4のそれぞれのレプリコンにおいて、両側のLIRはジェミニウイルスゲノムの長い遺伝子間領域であって、SIRはジェミニウイルスゲノムの短い遺伝子間領域であり、
該第2のレプリコンは、該第1のレプリコンに動作可能にタンデム結合して、該第1のレプリコンの一方の端のLIRを共有し;該第3のレプリコンは、該第2のレプリコンに動作可能にタンデム結合して、該第2のレプリコンの、該第1のレプリコンとタンデム結合を形成しない側の端のLIRを共有し;該第4のレプリコンは、該第3のレプリコンに動作可能にタンデム結合して、該第3のレプリコンの、該第2のレプリコンとタンデム結合を形成しない側の端のLIRを共有し、
該タンデム結合したレプリコンの該コード領域1、該コード領域2、該コード領域3及び該コード領域4のそれぞれは、同時に、だが独立して、増幅されることが可能であり;
それぞれのコード領域の増幅は非競合かつ高レベルであり;それぞれのコード領域の対象となる産物は同時にかつ独立して放出され;該対象となる産物はタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドであり;該対象となるタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドは完全に集合させることにより多成分系タンパク質複合体を産生することが可能である、
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