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JP5778378B2 - 非水電解質電池セパレータ及び非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質電池セパレータ及び非水電解質二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、品質と安全性が向上した非水電解質電池セパレータ、および、それを用いた非水電解質二次電池に関するものである。
非水電解質電池、特に、リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池は、高エネルギー密度であり、携帯電話・ノートパソコンといった携帯用電子機器の主電源として広範に普及している。このリチウムイオン二次電池は、更なる高エネルギー密度化が求められているが、安全性の確保が技術的な課題となっている。リチウムイオン二次電池の安全性確保においてセパレータの役割は重要であり、シャットダウン機能を有するという観点から、現状ではポリオレフィン、特にポリエチレン微多孔膜が用いられている。ここで、シャットダウン機能とは、電池の温度が上昇したときに、微多孔膜の孔が閉塞し電流を遮断する機能のことを言い、電池の熱暴走を食い止める働きがある。
一方、リチウムイオン二次電池は、年々高エネルギー密度化がなされており、安全性確保のためシャットダウン機能に加えて耐熱性も要求されてきている。しかしながら、シャットダウン機能は、ポリエチレンの溶融による孔の閉塞をその作動原理としているので耐熱性と相反するものである。このため、シャットダウン機能が作動した後、さらに電池がシャットダウン機能が作動する温度以上に曝され続けることで、セパレータの溶融(いわゆるメルトダウン)が進行してしまう場合がある。このメルトダウンの結果、電池内部で短絡が生じ、これに伴って大きな熱が発生してしまい、電池は発煙・発火・爆発といった危険に曝されることになる。このため、セパレータにはシャットダウン機能に加えて、シャットダウン機能が作動する温度近傍でメルトダウンが生じない程度の十分な耐熱性が要求される。
この点において、従来、耐熱性とシャットダウン機能を両立させるために、ポリオレフィン微多孔膜の片面又は両面(表面と裏面)に耐熱性多孔質層を被覆させたり、耐熱性繊維からなる不織布を積層させるという技術が提案されている。例えば、ポリエチレン微多孔膜の片面又は両面に、湿式塗工法により芳香族アラミド等の耐熱性高分子からなる耐熱性多孔質層を積層した非水電解質電池セパレータが知られている(特許文献1〜4参照)。
このような非水電解質電池セパレータは、ポリエチレンの融点近傍(140℃程度)でシャットダウン機能が作動すると共に、耐熱性多孔質層が十分な耐熱性を示すことにより200℃以上においてもメルトダウンが発生しないため、優れた耐熱性およびシャットダウン機能を発揮する。特に、特許文献4のように、耐熱性多孔質層中にセラミック粉末等の無機フィラーを混入するタイプのセパレータは、さらなる耐熱性の向上が期待できる。
しかしながら、特許文献4のようなタイプのセパレータにおいて、無機フィラーの適用の仕方によっては、耐熱性高分子の加工性や、耐熱性樹脂および無機フィラーを含む塗工液の塗工特性に問題が生じてしまう場合がある。そして、このような場合、耐熱性多孔質層の多孔構造に対して、あるいは耐熱性多孔質層とポリオレフィン微多孔膜との界面構造に対して大きな影響を与え、ひいては電池特性にも大きく影響を与えてしまう。しかしながら、これまで、非水電解質電池用セパレータの耐熱性と難燃性、そして更に耐熱性高分子の加工性や塗工液の塗工特性にまで着目して、セパレータの質的向上を十分に図った提案がなされたことはなかったと言える。
特開2002−355938号公報 特開2005−209570号公報 特開2005−285385号公報 特許第3175730号公報
そこで本発明では、ポリオレフィンに代表される熱可塑性樹脂からなる微多孔膜の片面又は両面に、湿式塗工法にて、芳香族アラミド等の耐熱性高分子からなる耐熱性多孔質層を形成して非水電解質電池セパレータを得るに際し、耐熱性高分子の加工性や多孔質層の形成性に優れると共に、耐熱性およびシャットダウン機能に優れたセパレータを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用する。
1. 熱可塑性樹脂を含んで形成されシャットダウン機能を有する微多孔膜と、耐熱性高分子を含んで形成され前記微多孔膜の片面又は両面に積層された耐熱性多孔質層と、を備えた非水電解質電池セパレータであって、前記耐熱性高分子が、融点200℃以上のポリマー、あるいは、融点を有しないが分解温度が200℃以上のポリマーであり、前記耐熱性多孔質層には、下記(a)及び(b)を満足する無機フィラーが含まれていることを特徴とする非水電解質電池セパレータ。
(a)0.01≦d50≦20(μm)
(b)0<α≦2
(但し、d50は、レーザー回折式における粒度分布において、小さな粒子側から起算した質量累計50質量%の平均粒子直径(μm)を表す。αは、無機フィラーの均一性を示し、α=(d90−d10)/d50で表される。d90は、レーザー回折式における粒度分布において、小さな粒子側から起算した質量累計90質量%の平均粒子直径(μm)を表す。d10は、レーザー回折式における粒度分布において、小さな粒子側から起算した質量累計10質量%の平均粒子直径(μm)を表す。)
2. 前記無機フィラーが、下記(c)及び(d)を満足することを特徴とする上記1記載の非水電解質電池セパレータ。
(c)0.1≦d50≦2(μm)
(d)0<α≦1
(但し、d50とαの定義は上記1と同じ。)
3. 前記耐熱性多孔質層が、質量分率で50質量%以上95質量%以下の無機フィラーを含むことを特徴とする上記1又は2記載の非水電解質電池セパレータ。
4. 前記無機フィラーが金属水酸化物からなることを特徴とする上記1〜3のいずれか1項記載の非水電解質電池用セパレータ。
5. 前記金属水酸化物が、水酸化アルミニウムであることを特徴とする上記4記載の非水電解質電池用セパレータ。
6. 前記無機フィラーが多孔質フィラーであることを特徴とする上記1〜3のいずれか1項記載の非水電解質電池用セパレータ。
7. 前記多孔質フィラーは活性アルミナであることを特徴とする上記6記載の非水電解質電池用セパレータ。
8. 前記耐熱性高分子が、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミドからなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする上記1〜7のいずれか1項記載の非水電解質電池セパレータ。
9. 前記耐熱性高分子が、ポリメタフェニレンイソフタルアミドであることを特徴とする上記8記載の非水電解質電池セパレータ。
10. 前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィンを主体とする熱可塑性樹脂であることを特徴とする上記1〜9のいずれか1項記載の非水電解質電池セパレータ。
11. 前記非水電解質電池セパレータが、リチウムイオン二次電池用セパレータであることを特徴とする上記1〜10のいずれか1項記載の非水電解質電池セパレータ。
12. リチウムのドープ・脱ドープにより起電力を得る非水電解質二次電池であって、上記1〜11のいずれか1項記載の非水電解質電池セパレータを用いたことを特徴とする非水電解質二次電池。
本発明によれば、耐熱性高分子の加工性や多孔質層の形成性に優れると共に、耐熱性およびシャットダウン機能に優れたセパレータを提供することができる。従って、かかる非水電解質電池セパレータを用いることで、安全性と耐久性に優れた非水電解質二次電池を提供することができる。
GPC曲線を模式的に表したイメージ図である。
[非水電解質電池セパレータ]
本発明は、熱可塑性樹脂を含んで形成されシャットダウン機能を有する微多孔膜と、耐熱性高分子を含んで形成され前記微多孔膜の片面又は両面に積層された耐熱性多孔質層と、を備えた非水電解質電池セパレータであって、前記耐熱性高分子が、融点200℃以上のポリマー、あるいは、融点を有しないが分解温度が200℃以上のポリマーであり、前記耐熱性多孔質層には、下記(a)及び(b)を満足する無機フィラーが含まれていることを特徴とする非水電解質電池セパレータである。
(a)0.01≦d50≦20(μm)
(b)0<α≦2
そして、好ましくは、下記の(c)と(d)の式を満足するものである。
(c)0.1≦d50≦2(μm)
(d)0<α≦1
但し、上記式において、d50は、レーザー回折式における粒度分布において、小さな粒子側から起算した質量累計50質量%の平均粒子直径(μm)を表す。αは、無機フィラーの均一性を示し、α=(d90−d10)/d50で表される。d90は、レーザー回折式における粒度分布において、小さな粒子側から起算した質量累計90質量%の平均粒子直径(μm)を表す。d10は、レーザー回折式における粒度分布において、小さな粒子側から起算した質量累計10質量%の平均粒子直径(μm)を表す。
(無機フィラー)
本発明では、上述した粒度分布を有する無機フィラーを用いることで、塗工液中の無機フィラーの分散性が向上し、耐熱性高分子の加工性や多孔質層の形成性を向上することができる。また、上述した粒度分布を有する無機フィラには、大小異なる粒子径の無機フィラーが耐熱性多孔質層に入っているので、無機フィラーの充填密度が高くなり、無機フィラーの有する機能(例えば耐熱特性等)を最大限引き出すことが可能となる。また、径が小さい粒子は孔形成に寄与するため良好な多孔質構造を形成することができ、一方、径が大きい粒子は耐熱性多孔質層の表面に出現するためセパレータのすべり性が向上するといった作用効果も得られる。
なお、d50の値が0.01μm未満である場合、スラリーの分散性が悪いため塗工性が悪く、緻密で微細な貫通孔を均一に作成することができない。d50の値が20μmを超えると、耐熱性多孔質層の厚さに近くなってしまい、製膜性が良好でなくなり、筋もでき易く、薄く塗りにくいので不適当である。また、αが0であると均一粒径となってしまい、本発明の効果が得られない。αが2を超えると、粗大あるいは極小の粒子が含まれてしまう場合があり、耐熱性多孔質層の微多孔膜への定着性が悪くなる場合がある。
本発明の非水電解質電池セパレータにおいて、耐熱性多孔質層に含まれる無機フィラー(無機微粒子)としては、例えば金属水酸化物、金属酸化物、金属窒化物、炭酸塩、硫酸塩、粘土鉱物、もしくは、これらの二種以上を組合せたもの等を好適に用いることができる。金属水酸化物の具体例としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化クロム、水酸化ジルコニウム、水酸化ニッケル、水酸化ホウ素、ベーマイト等が挙げられる。金属酸化物の具体例としては、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、 酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化錫、酸化鉄等が挙げられる。金属窒化物の具体例としては、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化チタニウム等が挙げられる。炭酸塩の具体例としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等が挙げられる。硫酸塩の具体例としては、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等が上げられる。粘土鉱物の具体例としては、ケイ酸カルシウム、タルク、マイカ、モンモリロナイト、ハイドロタルサイト、ベントナイト、ゼオライト、セピオライト、カオリン、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト、バイデライト等が挙げられる。
本発明は、上述した無機フィラーの中でも金属水酸化物が好ましい。かかる金属水酸化物は非水電解質電池セパレータを難燃化する上で有効に機能するためである。すなわち、金属水酸化物を加熱すると脱水反応が起こり酸化物となり、水が放出される。さらにこの脱水反応は大きな吸熱を伴う反応である。この脱水反応時に水を放出すること、および、この吸熱反応により、難燃効果が得られる。また、水を放出するため可燃性である電解液を水で希釈し、セパレータだけでなく電解液にも効果があり、電池そのものを難燃化する上で有効である。さらに、金属水酸化物はハンドリング性の観点からも好ましい。また、金属水酸化物はアルミナのような金属酸化物と比較して軟らかいため、従来の特許文献4記載のセパレータにあるような問題、すなわち、セパレータに含まれる固い金属酸化物フィラーによって製造時の各工程にて使用する部品が磨耗してしまうといったハンドリング性に関する問題が発生しない。
かかる金属水酸化物としては、200℃〜400℃の加熱により脱水反応を生じるものであることが好ましく、さらに250℃〜350℃の範囲であればより好ましい。非水電解質電池では正極の分解に伴う発熱が最も危険と考えられており、この分解は300℃近傍で起こる。故に、金属水酸化物の脱水反応の発生温度が200℃〜400℃の範囲であれば、非水電解質電池の発熱を防ぐ上で特に有効である。なお、200℃以上においては、負極はほぼ活性を失っているので、生成した水と反応し発熱反応を引き起こすことはなく安全である。また、金属水酸化物の発熱反応温度が400℃を超える場合、非水電解質電池の発熱を好適に防止できないおそれがあるため好ましくない。この点、水酸化アルミニウムは250〜300℃の温度範囲で脱水反応が起こり、酸化マグネシウムは350〜400℃の温度範囲で脱水反応が起こるため、本発明では水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムの少なくともいずれか一方を用いることが好ましい。
特に、水酸化アルミニウム(脱水反応温度:250〜300℃)は、脱水に伴う吸熱反応を有効に活用することを考えると無機フィラーとして最も好ましい。さらに、水酸化アルミニウムを適用した場合、シャットダウン特性の観点においても、水酸化マグネシウム等の他の金属水酸化物に比較して良好な特性を示す。具体的には、シャットダウン特性の測定において、100℃をやや超えた温度において10倍程度の抵抗上昇が認められ、シャットダウン温度を低下させる効果があり、この挙動は電池の安全性確保において有効に機能する。本質的なシャットダウンはポリエチレンの融点近傍において認められるが、このときの抵抗上昇の程度を高くする効果もある。この挙動はより薄いポリエチレン微多孔膜を基材に適用した場合に有効となる。
本発明のセパレータ構成において、耐熱性多孔質層はセパレータに耐熱性を付与する機能があるが、この層に無機フィラーを添加することで、高温時の短絡防止や寸法安定性といった観点から耐熱性多孔質層の耐熱性をより向上させることができる。また、一般的に耐熱性多孔質層で被覆したセパレータは、この耐熱層が強く静電気を帯びる傾向にあり、このような観点からハンドリング性が好ましくないことが多い。ここにおいて、耐熱性多孔質層に水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の金属水酸化物を添加した場合は、帯電した電荷の減衰が速くなるため、帯電を低いレベルに保つことが可能となり、ハンドリング性が改善される。このような理由から、耐熱性多孔質層中へ金属水酸化物からなる無機フィラーを添加することは好適である。
非水電解質電池においてフッ化水素(以下、HFと称す)は正極活物質を侵し耐久性を低下させる要因となっているが、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムはHFを吸着・共沈させる機能があるため電解液中のHF濃度を低いレベルに維持することが可能であり、かかる金属水酸化物フィラーを含むセパレータを用いることで非水系二次電池の耐久性を改善することが可能となる。このような観点からも無機フィラーとして水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムは好ましい。
なお、無機フィラーが金属水酸化物である場合は、金属水酸化物以外の副成分あるいは不純物として、金属酸化物、金属酸化物の水和物、及び付着水分のうちの少なくとも1種を、無機フィラー全体の10質量%以下含有することが好ましい。この程度の副成分等の含有量であれば、得られるセパレータあるいは電池特性に特に悪影響を与えることはない。ここで、金属酸化物の水和物とは、金属酸化物と水分子との結合物を言い、付着水分とは、無機フィラーに付着している水分を意味する。なお、当該副成分あるいは不純物の含有量が0.001質量%未満の金属水酸化物を得ることは実質的に困難である。
一方、本発明における無機フィラーとしては、多孔質フィラーを用いることも好ましい。このような多孔質フィラーを用いた場合、ガス発生等の要因による電池の耐久性低下の問題も解決できるためである。すなわち、無機フィラーを適用した系では、電池内に微量に存在する水分やHFが無機フィラーの表面と反応することで、電解液や電極表面に形成されているSEI皮膜の分解が促進してしまい、その結果、電池内でガスが発生して電池の耐久性を低下させてしまう場合がある。特に、耐熱性多孔質層を構成する耐熱性樹脂は一般的に水分を吸着しやすい物質であるため、耐熱性多孔質層には水分が比較的多く含まれやすく、上記の耐久性低下の問題は生じ易いと言える。ところが、無機フィラーとして多孔質フィラーを用いれば、発生したガスを多孔質フィラーによってトラップさせることができる。このため、電池の耐久性を大幅に改善することが可能となる。
特に、多孔質フィラーとしては、比表面積が40〜3000m/gであるものが好ましく、40〜1000m/gであればより好ましく、40〜500m/gであればさらに好ましく、150〜500m/gであれば特に好ましい。このような多孔質フィラーを用いれば、電池内に微量に存在する水分やHFの活性を著しく低下させ、電解質の分解等によるガス発生を抑制することができる。よって、電池の耐久性をさらに改善することが可能となる。なお、比表面積が40m/g未満であると、水分やHFの活性を十分に低下させることができないので好ましくない。また、3000m/gより大きくなると、該多孔質層の成形が困難となり、該多孔質層の強度を著しく低下してしまうことがあるため好ましくない。ここで、比表面積は窒素ガス吸着法で測定された吸着等温線をBET式で解析することにより求めたものである。
また、当該多孔質フィラーは50nm以下のメソ孔または2nm以下のミクロ孔で構成されることが好ましく、特に2nm以下のミクロ孔が発達した構造となっていることが好ましい。この場合、上述した水分やHFの活性低下効果が発現しやすくなるためである。
このような多孔質フィラーとしては、例えばゼオライト、活性炭、活性アルミナ、多孔質シリカ、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等の金属水酸化物を熱処理して得られる多孔質フィラーなどが好適に使用できる。中でも活性アルミナが好適である。ここで、活性アルミナとは、示性式がAl・xHO(xは0以上3以下の値を取り得る)で表される多孔質フィラーを言う。活性アルミナの表面は、アモルファス状のAl、γ―Al、χ−Al、ギブサイト状のAl(OH)、ベーマイト状のAl・HOなどの構造となっていることが好ましく、多孔構造がこれらの表面構造で形成されていることが水分やHFの活性を低下させる観点で特に好ましい。また、多孔質フィラーは一般的にα-アルミナ等の緻密な金属酸化物フィラー等と比べて柔らかいので、多孔質フィラーによって製造時の各工程にて使用する部品が磨耗してしまうといったハンドリング性に関する問題も発生しない。
なお、無機フィラーとしては、上述した多孔質フィラーと非多孔質フィラーを適当な比率で混合して用いてもよい。
本発明において、耐熱性多孔質層における無機フィラーの含有量は、50〜95質量%であることが好ましく、さらに70〜85質量%であることが好ましい。無機フィラーの含有量がこのような範囲であると、無機フィラーは耐熱性高分子と十分になじみ、分散性も良くなる。また、無機フィラーの作用で、耐熱性多孔質層を水中凝固により形成させる際に、耐熱性高分子の低分子量ポリマーが凝固液中に流出しにくくなるので、好適な孔形成が可能になる。このため、透気度が向上し膜抵抗が更に低くなるという効果も得られる。
(耐熱性高分子)
本発明で用いられる耐熱性高分子は、融点200℃以上のポリマーあるいは融点を有しないが分解温度が200℃以上のポリマーが適当である。具体的には、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミドからなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。特に、耐久性の観点から全芳香族ポリアミドが好適であり、多孔質層を形成しやすく耐酸化還元性に優れるという観点から、メタ型全芳香族ポリアミドが好ましい。中でもポリメタフェニレンイソフタルアミドが好適である。
また、耐熱性高分子としては、分子量分布Mw/Mnが5≦Mw/Mn≦100であり、かつ、重量平均分子量Mwが8.0×10以上1.0×10以下であるものが好ましい。このような耐熱性高分子を用いると、湿式塗工法にて微多孔膜上に耐熱性多孔質層を形成する場合に、より良好な耐熱性多孔質層を形成できるためである。すなわち、上記のように分子量分布が広い耐熱性高分子は低分子量体を多く含むため、当該ポリマーを溶解させた塗工液の加工性が向上する。このため、欠陥が少なく、膜厚が均一な耐熱性多孔質層が形成され易くなる。また、強い塗工圧力をかけずとも良好に塗工できるようになるので、微多孔膜の表面孔の目詰まりが発生することなく、耐熱性多孔質層と微多孔膜との界面における通気性が低下することを防げる。また、塗工液を微多孔膜上に塗工してこれを凝固液中に浸漬した際に、塗工膜中のポリマーが動き易くなるために良好な孔形成が可能となる。さらに低分子量体と無機フィラーとのなじみも良いので孔形成に寄与する無機フィラーの脱落も防ぐことができる。結果として、均一な微細孔を有した良好な耐熱性多孔質層が形成され易くなる。したがって、優れたイオン透過性を有し、電極との接触性も良好なセパレータが得られるようになる。なお、耐熱性高分子の分子量分布が5未満の場合は加工性が悪く、100を超える場合は耐熱性多孔質層の耐熱性が低くなるので好ましくない。また、耐熱性高分子の重量平均分子量が8.0×10未満のものは耐熱性多孔質層が脆化し易く、1.0×10を超えるものは加工が困難であるので好ましくない。
また、耐熱性高分子として、分子量が8000以下の低分子量ポリマーが1質量%以上15質量%以下、好ましくは3質量%以上10質量%以下含まれるものを用いた場合も、上記と同様に良好な耐熱性多孔質層が形成できるため、好ましい態様と言える。なお、低分子量ポリマーの含有量が1質量%未満の場合は、耐熱性高分子の加工性ないし塗工液の塗工性が悪く、15質量%を超えるものは耐熱性が悪いので好ましくない。また、分子量が8000を超えたポリマーは、もはや低分子量ポリマーではなく、耐熱性高分子の加工性ないし塗工液の塗工性の向上効果に殆ど寄与しない。
さらに、耐熱性高分子として芳香族ポリアミドを用いた場合には、芳香族ポリアミドの末端基濃度比が[COOX]/[NH]≧1であることが好ましい。ここで、Xは、水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を表す。例えばCOONaなどの末端カルボキシル基は、電池の負極側に生成する悪性の皮膜を更新・除去する効果がある。このため、末端カルボキシル基が末端アミン基よりも多い芳香族ポリアミドを用いると、長期間に亘って放電容量が安定し、サイクル特性に優れた非水電解質二次電池が得られる。
また、耐熱性高分子中における不純物としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、ハロゲン及び珪素からなる群から選ばれる1種又は2種以上が1000ppm以下含まれていることが好ましい。具体的かつ典型的な物質を例示すると、アルカリ金属としてはNa又はLiが、アルカリ土類金属としてはMg又はCaが、遷移金属としてはFeが、ハロゲンとしては塩素が挙げられる。これらの物質は、非水電解質電池の電池特性に影響を及ぼす可能性があるが、耐熱性高分子中での含有量が1000ppm以下の範囲であれば、それらの影響を避けることができる。なお、不純物の含有量0.1ppmより低い耐熱性高分子を得ることは実質的に困難である。
(耐熱性多孔質層)
本発明において、耐熱性多孔質層とは、内部に多数の微細孔を有し、これら微細孔が連結された構造となっており、一方の面から他方の面へと気体あるいは液体が通過可能となった層を意味する。なお、耐熱性多孔質層は、主として、即ち、約90質量%以上が耐熱性高分子および無機フィラーからなるものであれば良く、約10質量%以下の、電池特性に影響を与えない他の成分を含んでいても良い。
かかる耐熱性多孔質層は、微多孔膜の少なくとも一方の面に形成すればよいが、ハンドリング性、耐久性および熱収縮の抑制効果の観点から、表裏両面に形成した方がより好ましい。
耐熱性多孔質層が微多孔膜の両面に形成されている場合は耐熱性多孔質層の厚みの合計が3μm以上12μm以下であることが好ましく、耐熱性多孔質層が微多孔膜の片面にのみ形成されている場合は耐熱性多孔質層の厚みは3μm以上12μm以下であることが好ましい。いずれの場合においても、耐熱性多孔質層の厚みの合計が3μm未満となると、十分な耐熱性、特に熱収縮抑制効果が得られなくなる。一方、耐熱性多孔質層の厚みの合計が12μmを超えると、適切なセパレータ厚みを実現することが困難となる。
耐熱性多孔質層の空孔率は60〜90%の範囲が好適である。耐熱性多孔質層の空孔率が90%を超えると耐熱性が不十分となる傾向にあり、60%より低いとサイクル特性や保存特性、放電性が低下する傾向となり好ましくない。
(微多孔膜)
本発明における微多孔膜とは、内部に多数の微細孔を有し、これら微細孔が連結された構造となっており、一方の面から他方の面へと気体あるいは液体が通過可能となった膜を意味する。かかる微多孔膜は、電池の温度が上昇したときに熱可塑性樹脂の一部が溶融して、微多孔膜の孔が閉塞し電流を遮断するといった、シャットダウン機能を発現する。なお、微多孔膜は、主として、即ち、約90質量%以上が熱可塑性樹脂からなるものであれば良く、約10質量%以下の、電池特性に影響を与えない他の成分を含んでいても良い。
微多孔膜に用いられる熱可塑性樹脂としては、融点200℃未満の熱可塑性樹脂が適当であり、好ましくはポリオレフィンであり、特に好ましいのは、ポリエチレンである。ポリエチレンとしては、特に限定されるものではないが、高密度ポリエチレンや、高密度ポリエチレンと超高分子量ポリエチレンの混合物が好適である。ポリエチレンの分子量は、重量平均分子量で10万〜1000万のものが好適であり、特に重量平均分子量100万以上の超高分子量ポリエチレンを少なくとも1質量%以上含むポリエチレン組成物が好ましい。その他、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン以外にもポリプロピレン、ポリメチルペンテン等の他のポリオレフィンを混合したものを用いてもよい。また、微多孔膜としては、ポリエチレン微多孔膜の一層のみならず、例えばポリエチレン微多孔膜とポリプロピレン微多孔膜の2層以上の積層体として構成しても良い。
微多孔膜の膜厚は5μm以上18μm以下であることが好ましい。微多孔膜の膜厚が5μmより薄いと引張強度や突刺強度といった機械物性が不十分となり、微多孔膜の膜厚が18μmより厚いと適切なセパレータ厚みを実現することが困難となるため好ましくない。また、微多孔膜の突刺強度は、10g以上が好適である。
微多孔膜の空孔率は20〜60%であることが好ましい。微多孔膜の空孔率が20%未満となるとセパレータの膜抵抗が高くなり過ぎ、電池の出力を顕著に低下させるため好ましくない。また、60%を超えると、シャットダウン特性の低下が顕著となり好ましくない。
微多孔膜の通気性の指標となるガーレ値(JIS・P8117)は、10〜500sec/100cc以下が好ましい。微多孔膜のガーレ値が500sec/100ccより高いと、イオン透過性が不十分となりセパレータの抵抗が高くなるという不具合が生じる。微多孔膜のガーレ値が10sec/100ccより低いとシャットダウン機能の低下が著しく実用的でない。さらに、微多孔膜の単位厚み当たりのガーレ値は10秒/100cc・μm以上が好ましい。単位厚み当たりのガーレ値が10秒/100cc・μmより低いと、耐熱性多孔質層と微多孔膜との界面において、ポリオレフィン微多孔膜の目詰まりが発生して膜抵抗が顕著に増加したり、シャットダウン特性の顕著な低下を招いたりするおそれがあるため好ましくない。
また、微多孔膜は、ガーレ値(JIS P8117)をX秒/100ccとし、当該ポリオレフィン微多孔膜に電解液を含浸させたときの膜抵抗をYohm・cmとしたとき、Y/X=1×10−3〜1×10−2ohm・cm/(秒/100cc)となるものが好ましい。ここで、ガーレ値Xは下記の式1で与えられる。
X=K(τ・L)/(ε・d)…(式1)
式1において、Kは測定由来の比例定数であり、τは曲路率、Lは膜厚、εは空孔率、dは平均孔径である。また、膜抵抗Yは下記の式2で与えられる。
Y=ρ・τ・L/ε…(式2)
式2において、ρはセパレータに含浸させた電解液の比抵抗である。上記式1および式2よりY/Xは下記の式3のように表される。
Y/X=(ρ/K)・d…(式3)
これより、Y/Xはポリオレフィン微多孔膜の孔径dに比例したパラメータとなる。つまり、上記Y/Xの範囲は微多孔膜の孔径dの好適な範囲を意味していることになる。ここで、上記Y/Xの範囲は、プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートが1対1の質量比で混合された溶媒中にLiBFを1M溶解させた電解液を用いて、20℃で膜抵抗Yを測定したことにより得たものである。また、20℃における当該電解液の比抵抗ρは20℃で2.66×10ohm・cmであり、Kは0.0778秒/100ccであるので、ρ/K=3.4×10ohm・cm/(秒/100cc)と計算される。従って、上記Y/Xの範囲に基づく好ましい平均孔径dは、3.0〜30nmと計算される。なお、Y/Xが1×10−3ohm・cm/(秒/100cc)より小さいと、電解液の含浸が困難となりセパレータとしての適用に不具合が生じる場合がある。また、Y/Xが1×10−2ohm・cm/(秒/100cc)より大きいと、耐熱性多孔質層と微多孔膜との界面において耐熱性多孔質層が目詰まりを誘発し、セパレータの膜抵抗の増大やシャットダウン特性の著しい低下といった不具合が生じる場合がある。
(非水電解質電池セパレータ全体の物性)
非水電解質電池セパレータのガーレ値(JIS・P8117)は、10〜1000sec/100ccであることが好ましく、さらには100〜400sec/100ccであると好適である。非水電解質電池セパレータのガーレ値が10sec/100cc未満である場合は、微多孔膜のガーレ値が低過ぎであり、シャットダウン機能の低下が著しく実用的でない。また、ガーレ値が1000sec/100ccを超えると、イオン透過性が不十分となり、セパレータの膜抵抗が増加して電池の出力低下を招くという不具合が生じる。
非水電解質電池セパレータの膜抵抗は、0.5〜10ohm・cmであることが好ましく、さらには1〜5ohm・cmであると好適である。突き刺し強度は10〜1000gであることが好ましく、さらには200〜600gであると好適である。熱収縮率はMD方向、TD方向ともに30%以下が好ましい。ここで言う熱収縮率とは、サンプルを張力なしで175℃にて熱処理したときのサンプル寸法の減少率をいう。酸素指数は19%以上が好ましい。耐電圧半減期は30分以下が好ましい。
本発明の非水電解質電池セパレータの膜厚は、30μm以下が好ましく、さらに20μm以下が好ましい。セパレータの膜厚が30μmを超えるとこれを適用した電池のエネルギー密度や出力特性が低下し好ましくない。
[非水電解質電池セパレータの製造方法]
本発明の非水電解質電池セパレータの製造方法は特に限定されないが、例えば、以下の(i)〜(iv)の工程を経て製造することが可能である。即ち、(i)耐熱性高分子の水溶性有機溶剤溶液に、上記(a)及び(b)を満足する無機フィラーを分散させ、塗工用スラリーを作製する工程と、(ii)得られた塗工用スラリーを微多孔膜の片面又は両面に塗工する工程と、(iii)塗工された微多孔膜上の耐熱性高分子を、凝固液を用いて凝固させる工程と、(iv)この凝固工程後の微多孔膜を水洗し乾燥する工程と、を実施することからなる製造方法である。
耐熱性高分子として、例えば、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジアミンとから得られる芳香族ポリアミドを用いる場合には、前記工程(i)で、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジアミンを、生成するポリアミドに対し良溶媒である有機溶媒中で反応せしめて芳香族ポリアミドを製造(溶液重合)し、直接、塗工液を製造することができる。
また、例えば、ポリメタフェニレンイソフタルアミドを用いる場合には、前記工程(i)で、イソフタル酸クロライドとメタフェニレンジアミンを、生成するポリアミドに対し良溶媒でない有機溶媒、例えば、テトラハイドロフラン中で反応せしめて溶液若しくは分散液を作り、これを、炭酸ソーダ等の酸受容剤の水溶液と接触させ反応を完結せしめる、いわゆる界面重合法でポリメタフェニレンイソフタルアミドを製造するのが便利である。
上記いずれの場合も、耐熱性高分子の水溶性有機溶剤溶液に、好ましくは、重量分率で50〜95質量%の無機フィラーを分散させ、塗工用スラリー(塗工液)を作製すれば良い。無機フィラーの分散性が良好でない場合は、無機フィラーをシランカップリング剤等で表面処理し、分散性を改善する手法も適用可能である。そして、得られた塗工用スラリーを、前記微多孔膜の片面又は両面に塗工すれば良い。
前記工程(i)において、耐熱性高分子に対し良溶媒である水溶性有機溶媒(溶剤)としては、特に限定されないが、具体的には極性溶剤が好ましく、例えばN−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。また、これらの極性溶剤に耐熱性高分子に対して貧溶剤となる溶剤も一部混合して用いることもできる。このような溶剤を適用することでミクロ相分離構造が誘発され、耐熱性多孔質層を形成する上で多孔化が容易となる。貧溶剤としては、アルコールの類が好適であり、特にグリコールのような多価アルコールが好適である。
工程(ii)では、微多孔膜の少なくとも一方の表面に耐熱性高分子の塗工液を塗工する。本発明においては、微多孔膜の両面に塗工するのが好ましい。塗工液の濃度は4〜9質量%、微多孔膜への塗工量は2〜3g/m程度が好ましい。塗工する方法は、ナイフコーター法、グラビアコーター法、スクリーン印刷法、マイヤーバー法、ダイコーター法、リバースロールコーター法、インクジェット法、スプレー法、ロールコーター法などが挙げられる。塗膜を均一に塗布するという観点において、特にリバースロールコーター法が好適である。より具体的には、例えば、ポリエチレン微多孔膜の両面に耐熱性高分子の塗工液を塗工する場合は、一対のマイヤーバーの間を通してポリエチレン微多孔膜の両面に過剰に塗工液を塗布し、これを一対のリバースロールコーターの間を通し、過剰な塗工液を掻き落すことで精密計量するという方法が挙げられる。
工程(iii)では、塗工された微多孔膜上の耐熱性高分子を、凝固液を用いて凝固させ、多孔質層を成形する。凝固の方法としては、凝固液をスプレーで吹き付ける方法や、凝固液の入った浴(凝固浴)中に浸漬する方法などが挙げられる。凝固液は、耐熱性高分子を凝固できるものであれば特に限定されないが、水、又は塗工液に用いた有機溶媒に水を適当量混合させたものが好ましい。ここで、水の混合量は凝固液に対して40〜80質量%が好適である。水の量が40質量%より少ないと耐熱性樹脂を凝固するのに必要な時間が長くなったり、凝固が不十分になるという問題が生じる。また、80質量%より多いと溶剤回収においてコスト高となったり、凝固液と接触する表面の凝固が速すぎ表面が十分に多孔化されないという問題が生じる。
工程(iv)は、工程(iii)に引き続き、得られたセパレータから水洗で凝固液を除去し、次いで乾燥する工程である。乾燥方法は特に限定されないが、乾燥温度は50〜80℃が適当であり、高い乾燥温度を適用する場合は、熱収縮による寸法変化が起こらないようにするためにロールに接触させるような方法を適用することが好ましい。
[非水電解質電池]
非水電解質電池セパレータが上述したような構成である限り、本発明の非水電解質電池セパレータは、公知のいかなる構成の非水電解質電池にも適用することができ、安全性および電池特性に優れた電池が得られる。
適用される非水電解質電池は一次電池であっても二次電池であっても良く、その種類や構成は、何ら限定されるものではないが、本発明の非水電解質電池セパレータは、リチウムのドープ・脱ドープにより起電力を得る非水電解質二次電池に好適に応用することができる。中でも、リチウムイオン二次電池への適用が好ましい。
一般に非水電解質二次電池とは、負極と正極がセパレータを介して対向している電池要素に電解液が含浸され、これが外装に封入された構造となっているものをいう。
負極は、負極活物質、導電助剤、バインダーからなる負極合剤が集電体(銅箔、ステンレス箔、ニッケル箔等)上に成形された構造となっている。負極活物質としては、リチウムを電気化学的にドープすることが可能な材料、例えば、炭素材料、シリコン、アルミニウム、スズかが用いられる。
正極は、正極活物質、導電助剤、バインダーからなる正極合剤が集電体上に成形された構造となっている。正極活物質としては、リチウム含有遷移金属酸化物、例えば、LiCoO、LiNiO、LiMn0.5Ni0.5、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3、LiMn、LiFePOが用いられる。
電解液は、リチウム塩、例えば、LiPF、LiBF、LiClOを非水系溶媒に溶解した構成である。非水系溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、ビニレンカーボネートなどが挙げられる。
外装材は金属缶またはアルミラミネートパック等が挙げられる。電池の形状は角型、円筒型、コイン型などがあるが、本発明のセパレータはいずれの形状においても好適に適用することが可能である。
以下、実施例により本発明を詳述する。
<1.測定法>
本発明における各種の測定方法は、以下の通りである。
[無機フィラーの平均粒子径および粒度分布]
レーザー回折式粒度分布測定装置(シスメックス社製、マスターサイザー2000)を用いて測定を行った。分散媒としては水を用い、分散剤として非イオン性界面活性剤Triton・X−100を微量用いた。なお、d50は、レーザー回折式における粒度分布において、小さな粒子側から起算した質量累計50質量%の平均粒子直径(μm)を表し、d90は質量量累計90質量%の平均粒子直径(μm)を表し、d10は質量累計10質量%の平均粒子直径(μm)を表す。αは、α=(d90−d10)/d50で求めた。
[耐熱性高分子の分子量と分子量分布]
DMFにLiClを0.01モル/L溶解させた溶液にポリマーを1質量%溶解し、これを測定サンプルとしてGPC測定を実施し、分子量分布を算出した。測定には島津クロマトパックC−R4A、GPCカラム(昭和電工社製、GPC・KD−802)を用い、検出波長280nmで測定した。リファレンスは、ポリスチレン分子量標準物質を用いた。なお、微多孔膜と耐熱性多孔質層が複合化された状態のセパレータについては、まず、複合型セパレータ1gをサンプリングし、LiClを0.01モル/L溶解させたDMF20gに当該サンプルを加えて、80℃でアラミドだけを溶解させて測定サンプルを得た。耐熱性高分子中における低分子量ポリマーの含有量(質量%)は、図1に示すように、GPC曲線を分子量0から8.0×10までの区間で積分した値S1を、GPC曲線を分子量0から1.0×10までの区間で積分した値S2で割って、これに100を乗じて求めた。また、ここでいう分子量分布(MWD)はGPCで求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表わされ、MWD=Mw/Mnで求められる。なお、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、分子量0から1.0×10までの全区間において計算したものである。
[耐熱性高分子中の不純物含有量]
サンプルとなるポリマーを硫酸アンモニウム、硫酸、硝酸、過塩素酸と共に混合して、約300℃で9時間湿式分解後、蒸留水で希釈し、理学電機工業株式会社製ICP発光分析装置(JY170 ULTRACE)を用いて、定性及び定量を行なった。この方法により、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属及び珪素の含有量を測定した。
また、サンプルとなるポリマーを自動試料燃焼装置AQF−100(ダイアインスツルメンツ社製)によって燃焼させ、発生したガスを過酸化水素水30ppmに吸収させてイオンクロマトグラフ(ICS−1500、ダイオネクス社製)、カラム(IonPacAG12A/AS12A)によって、ハロゲンの定性および定量を実施した。
[膜厚]
接触式の膜厚計(ミツトヨ社製)にて、サンプルについて20点測定し、これを平均することで求めた。ここで、接触端子は底面が直径0.5cmの円柱状のものを用い、接触端子に1.2kg/cmの荷重が印加されるような条件で測定した。
[ガーレ値]
ガーレ値(秒/100cc)はJIS P8117に従い測定した。
[芳香族ポリアミドの末端基濃度]
質量の%ポリマーと0.05%質量の塩化リチウムを含むDMF溶液を測定サンプルとして用い、島津クロマトパックC−R4AおよびODS(OctaDecylSilyl)カラムを使用して、検出波長280nmで測定した。評価するポリマーは、ポリマー製造後のポリマー、あるいは、複合型セパレータに組み込まれた耐熱層から採取した。複合型セパレータに組み込まれた耐熱層からアラミドの分子量分布を測定する方法としては、まず複合型セパレータ1gをサンプリングし、LiClを0.01モル/L溶解させたDMF20gに当該サンプルを加えて、80℃でアラミドだけを溶解させて測定サンプルを得た。
[空孔率]
構成材料がa、b、c…、nからなり、構成材料の質量がWa、Wb、Wc…、Wn(g・cm)であり、それぞれの真密度がda、db、dc…、dn(g/cm)で、着目する層の膜厚をt(cm)としたとき、空孔率ε(%)は以下の式4により求めた。
ε={1−(Wa/da+Wb/db+Wc/dc+…+Wn/dn)/t}×100…(式4)
[膜抵抗]
サンプルとなるセパレータを、2.6cm×2.0cmのサイズに切り出した。非イオン性界面活性剤(花王社製;エマルゲン210P)を3質量%溶解したメタノール溶液に、切り出したセパレータを浸漬し、風乾した。厚さ20μmのアルミ箔を、2.0cm×1.4cmに切り出しリードタブを付けた。このアルミ箔を2枚用意して、アルミ箔間に切り出したセパレータを、アルミ箔が短絡しないように挟んだ。電解液には、プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートが1対1の質量比で混合された溶媒中にLiBFを1M溶解させたものを用い、この電解液を上記セパレータに含浸させた。これをアルミラミネートパック中に、タブがアルミパックの外に出るようにして減圧封入した。このようなセルを、アルミ箔中にセパレータが1枚、2枚、3枚となるようにそれぞれ作製した。このセルを20℃の恒温槽中に入れ、交流インピーダンス法で、振幅10mV、周波数100kHzにてこのセルの抵抗を測定した。測定されたセルの抵抗値を、セパレータの枚数に対してプロットし、このプロットを線形近似し、傾きを求めた。この傾きに、電極面積である2.0cm×1.4cmを乗じて、セパレータ1枚当たりの膜抵抗(ohm・cm)を求めた。
[摩擦特性]
東洋精機社製のカード摩擦試験機を用いて評価した。1kgの重り(76mm角)にサンプルを貼り付けこれをSUS製ステージの上に置いた。これを速度90cm/分で10cm滑らせた。そして、SUS製ステージと接触していた側のサンプル表面を観察し、黒くなっているか否かを確認した。黒くなっている場合はステージ材料のSUSが研磨されていると判断し×と判定した。また、黒くなっていない場合はSUSが研磨されていないと判断し○と判定した。
[耐熱性多孔質層の定着性]
得られたセパレータをロール状に巻き取り、これを室温で一ヶ月間保管した。その後、再び解除して、耐熱性多孔質層の表面状態を目視にて観察し、耐熱性多孔質層の欠落の有無を観察した。欠落が観察されない場合は○と判定した。また、欠落が観察される場合は×と判定した。
[シャットダウン特性(SD特性)]
まず、セパレータをΦ19mmに打ち抜き、非イオン性界面活性剤(花王社製;エマルゲン210P)の3質量%メタノール溶液中に浸漬して風乾する。そしてセパレータに電解液を含浸させSUS板(Φ15.5mm)に挟んだ。ここで電解液は1M LiBF プロピレンカーボネート/エチレンカーボネート(1/1質量比)を用いた。これを2032型コインセルに封入した。コインセルからリード線をとり、熱電対を付けてオーブンの中に入れた。昇温速度1.6℃/分で昇温させ、同時に振幅10mV、1kHzの周波数の交流を印加することでセルの抵抗を測定した。
上記測定で135〜150℃の範囲で抵抗値が10ohm・cm以上となった場合はSD特性を○とし、そうでなかった場合はSD特性を×とした。
[耐熱性]
上記のSD特性の評価において、シャットダウン機能が発現した後、150〜190℃の温度下においても抵抗値が1.0×10ohm・cm以上のレベルを維持し続けた場合は、メルトダウンが生じておらず耐熱性に優れているため、耐熱性が良好(○)と判断した。一方、150〜190℃における抵抗値が1.0×10ohm・cmを下回った場合は、耐熱性が不良(×)と判断した。
[サイクル特性]
以下の実施例および比較例に示すセパレータを用いて、以下の通りリチウムイオン二次電池を作成し、そのサイクル特性を評価した。
1)正極
コバルト酸リチウム(LiCoO、日本化学工業社製)粉末89.5質量部と、アセチレンブラック4.5質量部及びPVdFの乾燥質量が6質量部となるように、6質量%のPVdFのNMP溶液を用い、正極剤ペーストを作製した。得られたペーストを、厚さ20μmのアルミ箔上に塗布乾燥後プレスして、厚さ97μmの正極を得た。
2)負極
負極活物質としてメソフェーズカーボンマイクロビーズ(MCMB、大阪瓦斯化学社製)粉末87質量部と、アセチレンブラック3質量部及びPVdFの乾燥質量が10質量部となるように、6質量%のPVdFのNMP溶液を用い、負極剤ペーストを作製した。得られたペーストを、厚さ18μmの銅箔上に塗布乾燥後プレスして、厚さ90μmの負極を作製した。
3)電解液
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートを3:7の質量比で混合した溶液に、LiPFが1mol/Lとなるように溶解したものを用いた。
4)リチウムイオン二次電池の試作
上記正極(2cm×1.4cm)及び負極(2.2cm×1.6cm)を以下の実施例および比較例で作製したセパレータ(2.6cm×2.2cm)を介して対向させた。これに上記電解液(0.15〜0.19g)を含浸させアルミラミネートフィルムからなる外装に封入してリチウムイオン二次電池を作製した。
5)サイクル試験
作製したリチウムイオン二次電池について、充放電測定装置(北斗電工社製 HJ−101SM6)を使用し、充放電を100サイクル繰り返した(充放電の条件として、充電については、1.6mA/hで4.2Vまでの充電を行い、放電については1.6mA/hで2.75Vまでの放電を行った)。そして、1サイクル目の放電容量と100サイクル目の放電容量から、サイクル特性を以下の式5により算出した。
サイクル特性(%)=(100サイクル目の放電容量)÷(1サイクル目の放電容量)×100…(式5)
サイクル特性が80%以上であれば良好(○)と評価し、80%未満であれば不良(×)と判断した。
<2.無機フィラーの分子量分布についての検討>
まず、無機フィラーの分子量分布の効果について検討した。
[実施例1]
1)ポリメタフェニレンイソフタルアミドの製造
イソフタル酸クロライド160.5gをテトラヒドロフラン1120mlに溶解し、撹拌しながら、メタフェニレンジアミン85.2gをテトラヒドロフラン1120mlに溶解した溶液を、細流として徐々に加えていくと白濁した乳白色の溶液が得られた。撹拌を約5分間継続した後、更に撹拌しながら炭酸ソーダ167.6g、食塩317gを3400mlの水に溶かした水溶液を速やかに加え、5分間撹拌した。反応系は数秒後に粘度が増大後、再び低下し、白色の懸濁液が得られた。これを静置し、分離した透明な水溶液層を取り除き、ろ過によってポリメタフェニレンイソフタルアミドの白色重合体185.3gが得られた。
2)ポリエチレン多孔膜の製造
ポリエチレンパウダーとして、Ticona社製のGUR2126(重量平均分子量415万、融点141℃)とGURX143(重量平均分子量56万、融点135℃)を用いた。GUR2126とGURX143を、1:9(質量比)となるようにして、ポリエチレン濃度が30質量%となるように流動パラフィン(松村石油研究所社製;スモイルP−350P;沸点480℃)とデカリンの混合溶媒中に溶解させ、ポリエチレン溶液を作製した。このポリエチレン溶液の組成は、ポリエチレン:流動パラフィン:デカリン=30:45:25(質量比)であった。
このポリエチレン溶液を148℃でダイから押し出し、水浴中で冷却してゲル状テープ(ベーステープ)を作製した。このベーステープを60℃で8分、95℃で15分乾燥し、次いで、ベーステープを縦延伸、横延伸と逐次行う2軸延伸にて延伸した。ここで、縦延伸は5.5倍、延伸温度は90℃、横延伸は延伸倍率11.0倍、延伸温度は105℃とした。横延伸の後に125℃で熱固定を行った。次にこれを塩化メチレン浴に浸漬し、流動パラフィンとデカリンを抽出した。その後、50℃で乾燥し、120℃でアニール処理しポリエチレン微多孔膜を得た。膜厚は12μm、空孔率37%、ガーレ値301sec/100cc、膜抵抗2.6ohm・cmであった。
3)非水電解質電池セパレータの製造
前記で得られたポリメタフェニレンイソフタルアミドとポリエチレン多孔膜を用い、そして、これに無機フィラーを併用して、本発明の非水電解質電池セパレータを製造した。
具体的には、ポリメタフェニレンイソフタルアミドと、水酸化アルミニウムからなる無機フィラー(昭和電工社製;H−43M)が、質量比で25:75となるように調整し、これらをポリメタフェニレンイソフタルアミド濃度が5.5質量%となるように、ジメチルアセトアミド(DMAc)とトリプロピレングリコール(TPG)が質量比50:50となっている混合溶媒に混合し塗工用スラリーを得た。なお、前記無機フィラーは、レーザー回折式における粒度分布において、d90が1.05、d50が0.75、d10が0.38であった。また、この無機フィラーにおいては、水分が0.3%、SiOが0.01%、Feが0.01%、NaOが0.34%含まれていた。
一対のマイヤーバー(番手#6)を、20μmのクリアランスで対峙させた。マイヤーバーに、上記塗工用スラリーを適量のせ、一対のマイヤーバー間にポリエチレン微多孔膜を通して、ポリエチレン微多孔膜の両面に塗工用スラリーを塗工した。そして、塗工されたものを、質量比で水:DMAc:TPG=50:25:25で40℃となっている凝固液中に浸漬した。次いで水洗・乾燥を行い、ポリエチレン微多孔膜の両面(表裏面)に耐熱性多孔質層を形成し、本発明の非水電解質電池セパレータを得た。
得られた非水電解質電池セパレータの特性を分析し、その評価結果を表1に示した。なお、以下の実施例2,3および比較例1,2の評価結果についても同様に表1に示した。
[実施例2]
レーザー回折式における粒度分布において、d90が1.07、d50が1.02、d10が0.50の水酸化アルミニウム(昭和電工社製;H−42M)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で本発明の非水系二次電池用セパレータを得た。なお、この無機フィラーにおいては水分が0.23%、SiOが0.01%、Feが0.01%、NaOが0.33%であった。
[実施例3]
水酸化アルミニウム(昭和電工製;H−43M)を280℃で熱処理し、平均粒子径0.8μm、比表面積400m/gの活性アルミナ(多孔質フィラー)を得た。この活性アルミナを無機フィラーとして用いた点以外は、実施例1と同様にして、本発明の非水系二次電池用セパレータを得た。なお、この無機フィラーにおいては、SiOが0.01%、Feが0.01%、NaOが0.34%含まれていた。
[比較例1]
レーザー回折式における粒度分布において、d90が22.0、d50が8.0、d10が1.50の水酸化アルミニウム(昭和電工社製;H−32)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で非水系二次電池用セパレータを得た。
[比較例2]
レーザー回折式における粒度分布において、d90が58.0、d50が23.0、d10が5.10の水酸化アルミニウム(昭和電工社製;H−21)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で非水系二次電池用セパレータを得た。
Figure 0005778378
Figure 0005778378
<2.耐熱性樹脂の分子量等についての検討>
次に、耐熱性樹脂の分子量等の効果について検討した。
[実施例4]
実施例3と同様の方法で本発明の非水系二次電池用セパレータを得た。このセパレータの物性は、耐熱性多孔質層の空孔率71%、ガーレ値309秒/100cc、膜抵抗2.7ohm・cm、全体の膜厚20μmであった。なお、実施例3におけるポリマーの分子量分布Mw/Mnは6で、重量平均分子量Mwは1.5×10で、分子量8000以下の低分子量体の含有量は3.4質量%であった。また、このポリマー中のナトリウムの含有量は100ppm、鉄の含有量は2ppm、珪素の含有量は3ppm、マグネシウムの含有量は3ppm、塩素の含有量は80ppmであった。
[実施例5]
イソフタル酸クロライド160.5gをテトラヒドロフラン1120mlに溶解した溶液と、メタフェニレンジアミン83.9gをテトラヒドロフラン1120mlに溶解した溶液を用いた以外は、実施例1と同様にしてポリメタフェニレンイソフタルアミドの白色重合体185.0gを得た。このポリメタフェニレンイソフタルアミドは、分子量分布Mw/Mnが10で、重量平均分子量Mwが2.0×10で、分子量8000以下の低分子量体の含有量は3.0質量%であった。
このようにして得られたポリメタフェニレンイソフタルアミドを用いた以外は、実施例3と同様の方法で本発明の非水系二次電池用セパレータを得た。このセパレータの物性は、耐熱性多孔質層の空孔率66%、ガーレ値318秒/100cc、膜抵抗2.9ohm・cm、全体の膜厚20μmであった。
[実施例6]
温度計、撹拌装置及び原料投入口を備えた反応容器に、水分率が100ppm以下のNMP753gを入れ、このNMP中にメタフェニレンジアミン85.5gを溶解し、0℃に冷却した。この冷却したジアミン溶液にイソフタル酸クロライド160.5gを撹拌しながら徐々に添加し反応させた。この反応で溶液の温度は70℃に上昇した。粘度変化が止まった後、水酸化カルシウム粉末を58.4g添加し、さらに40分間撹拌して反応を終了させて重合溶液を取り出し、水中で再沈殿させポリメタフェニレンイソフタルアミドを184.0g得た。このポリマーの分子量分布Mw/Mnは4で、重量平均分子量Mwは1.0×10で、分子量8000以下の低分子量体の含有量は0.8質量%であった。また、このポリマー中のカルシウムの含有量は120ppm、塩素の含有量は198ppmであった。
このようにして得られたポリメタフェニレンイソフタルアミドを用いた以外は、実施例3と同様の方法で本発明の非水系二次電池用セパレータを得た。得られたセパレータの物性は、耐熱性多孔質層の空孔率70%、ガーレ値400秒/100cc、膜抵抗が4.9ohm・cm、平均膜厚が20μmであった。
以上の結果を表3にまとめて示す。なお、実施例4〜6のセパレータについてポリメタフェニレンイソフタルアミドのGPC測定を実施したところ、分子量分布Mw/Mnおよび重量平均分子量Mwは塗布前のポリマーと同等であった。
Figure 0005778378
表3の結果からも分かるように、実施例4,5のセパレータは実施例6のセパレータに比べて、透気度および膜抵抗に優れていることが分かる。これより、耐熱性樹脂として、分子量分布Mw/Mnが5≦Mw/Mn≦100であり、かつ、重量平均分子量Mwが8.0×10以上1.0×10以下であるものを用いるか、あるいは、分子量が8000以下の低分子量ポリマーが1質量%以上15質量%以下含まれるものを用いると好ましいことが分かる。また、ポリマー中の不純物の含有量が1000ppm以下であればサイクル特性にも問題がないことが分かる。
<3.ポリアミドの末端基濃度比についての検討>
次に、全芳香族ポリアミドの末端基濃度比の影響について検討した。
[実施例7]
イソフタル酸クロライド160.5gをテトラヒドロフラン1120mlに溶解し、撹拌しながら、メタフェニレンジアミン84.9gをテトラヒドロフラン1120mlに溶解した溶液を、細流として徐々に加えていくと白濁した乳白色の溶液が得られた。撹拌を約5分間継続した後、更に撹拌しながら炭酸ソーダ167.6g、食塩317gを3400mlの水に溶かした水溶液を速やかに加え、5分間撹拌した。反応系は数秒後に粘度が増大後、再び低下し、白色の懸濁液が得られた。これを静置し、分離した透明な水溶液層を取り除き、ろ過によってポリメタフェニレンイソフタルアミドの白色重合体185.3gが得られた。このポリアミドの末端基濃度比は、[COOX]/[NH]=2.2であった。そして、上記のようにして得られたポリメタフェニレンイソフタルアミドを用いた以外は、実施例3と同様の方法で本発明の非水系二次電池用セパレータを得た。
このセパレータを用いてサイクル特性評価を行った。その際の100サイクル目の放電容量の測定結果を表4に示す。
[実施例8]
温度計、撹拌装置及び原料投入口を備えた反応容器に、水分率が100ppm以下のNMP753gを入れ、このNMP中にメタフェニレンジアミン84.9gを溶解し、0℃に冷却した。この冷却したジアミン溶液にイソフタル酸クロライド160.5gを撹拌しながら徐々に添加し反応させた。この反応で溶液の温度は70℃に上昇した。粘度変化が止まった後、水酸化カルシウム粉末を58.4g添加し、さらに40分間撹拌して反応を終了させて重合溶液を取り出し、水中で再沈殿させポリメタフェニレンイソフタルアミドを184.0g得た。このポリアミドの末端基濃度比は、[COOX]/[NH]=2.1であった。そして、このようにして得られたポリメタフェニレンイソフタルアミドを用いた以外は、実施例3と同様の方法で本発明の非水系二次電池用セパレータを得た。
このセパレータを用いてサイクル特性評価を行った。その際の100サイクル目の放電容量の測定結果を表4に示す。
[実施例9]
メタフェニレンジアミン86.4gを用いた以外は、実施例7と同様にして、ポリメタフェニレンイソフタルアミドの白色重合体16.4gを得た。ポリアミドの末端基濃度比は、[COOX]/[NH]=0.8であった。そして、このようにして得られたポリメタフェニレンイソフタルアミドを用いた以外は、実施例3と同様の方法で本発明の非水系二次電池用セパレータを得た。
このセパレータを用いてサイクル特性評価を行った。その際の100サイクル目の放電容量の測定結果を表4に示す。
Figure 0005778378
上記の表4からも分かるように、実施例7,8は実施例9と比較して100サイクル後の充放電特性に優れていることが分かる。これより、耐熱性樹脂として芳香族ポリアミドを用いた場合、芳香族ポリアミドの末端基濃度比が[COOX]/[NH]≧1であると好ましいことが分かる。

Claims (12)

  1. 熱可塑性樹脂を含んで形成されシャットダウン機能を有する微多孔膜と、耐熱性高分子を含んで形成され前記微多孔膜の片面又は両面に積層された耐熱性多孔質層と、を備えた非水電解質電池セパレータであって、
    前記耐熱性高分子が、融点200℃以上のポリマー、あるいは、融点を有しないが分解温度が200℃以上のポリマーであり、
    前記耐熱性多孔質層には無機フィラーが含まれており当該無機フィラーとしては下記(a)及び(b)を満足する無機フィラーのみが含まれており、
    前記耐熱性多孔質層の空孔率は60〜90%である、非水電解質電池セパレータ。
    (a)0.01≦d50≦20(μm)
    (b)0<α≦2
    (但し、d50は、レーザー回折式における粒度分布において、小さな粒子側から起算した質量累計50質量%の平均粒子直径(μm)を表す。αは、無機フィラーの均一性を示し、α=(d90−d10)/d50で表される。d90は、レーザー回折式における粒度分布において、小さな粒子側から起算した質量累計90質量%の平均粒子直径(μm)を表す。d10は、レーザー回折式における粒度分布において、小さな粒子側から起算した質量累計10質量%の平均粒子直径(μm)を表す。)
  2. 前記無機フィラーが、下記(c)及び(d)を満足することを特徴とする請求項1記載の非水電解質電池セパレータ。
    (c)0.1≦d50≦2(μm)
    (d)0<α≦1
    (但し、d50とαの定義は請求項1と同じ。)
  3. 前記耐熱性多孔質層が、質量分率で50質量%以上95質量%以下の無機フィラーを含む
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の非水電解質電池セパレータ。
  4. 前記無機フィラーが金属水酸化物からなる
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の非水電解質電池セパレータ。
  5. 前記金属水酸化物が、水酸化アルミニウムである
    ことを特徴とする請求項4項記載の非水電解質電池セパレータ。
  6. 前記無機フィラーが多孔質フィラーである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の非水電解質電池セパレータ。
  7. 前記多孔質フィラーは活性アルミナである
    ことを特徴とする請求項6記載の非水電解質電池セパレータ。
  8. 前記耐熱性高分子が、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミドからなる群から選ばれる1種又は2種以上である
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の非水電解質電池セパレータ。
  9. 前記耐熱性高分子が、ポリメタフェニレンイソフタルアミドである
    ことを特徴とする請求項8記載の非水電解質電池セパレータ。
  10. 前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィンを主体とする熱可塑性樹脂である
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の非水電解質電池セパレータ。
  11. 前記非水電解質電池セパレータが、リチウムイオン二次電池用セパレータである
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の非水電解質電池セパレータ。
  12. リチウムのドープ・脱ドープにより起電力を得る非水電解質二次電池であって、
    請求項1〜11のいずれか1項記載の非水電解質電池セパレータを用いた
    ことを特徴とする非水電解質二次電池。
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