JP5772630B2 - 回転機の制御装置 - Google Patents
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Description
以下、本発明にかかる回転機の制御装置を車載主機としての回転機の制御装置に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
vd=R・id+Ldt・(did/dt)−ω・Lqs・iq …(c1)
vq=R・iq+Lqt・(diq/dt)+ω・Lds・id+ω・φ …(c2)
ここで、抵抗R、電機子鎖交磁束定数φ、d軸の定常インダクタンスLds、d軸の過渡インダクタンスLdt、q軸の定常インダクタンスLqs、q軸の過渡インダクタンスLqtを用いた。なお、上記の式(c1)、(c2)の導出については、本明細書の最後部の「備考欄」に与えてある。
vda=R・id*(n)−ω・Lqs・iq*(n) …(c3)
vqa=R・iq*(n)+ω・Lds・id*(n)+ω・φ …(c4)
そして、ステップS14では、平均電圧ベクトル(vda,vqa)に基づき、更新タイミング以降の3つのスイッチングモード(それらに対応する電圧ベクトルV(n+1),V(n+2),V(n+3))を決定する。ここでは、平均電圧ベクトル(vda,vqa)を挟む一対の有効電圧ベクトルを、電圧ベクトルV(n+1),V(n+2)とする。この際、一対の有効電圧ベクトルのうち、現在の電圧ベクトルからの変更によってスイッチング状態が切り替えられる端子数が「1」となる方を、電圧ベクトルV(n+1)とする。また、電圧ベクトルV(n+3)は、ゼロ電圧ベクトルのうち、電圧ベクトルV(n+2)からの変更によってスイッチング状態が切り替えられる端子数が「1」となる方とする。図4に、平均電圧ベクトル(vda,vqa)を挟む一対の有効電圧ベクトルが電圧ベクトルV1,V2である場合を例示する。
vq−vqa=Lqt・(diq/dt) …(c6)
上記の式(c5),(c6)を離散化し、現在の電圧ベクトルV(n+1)と、現在の実電流id(n),iq(n)とを用いると、予測電流ide(n+1),iqe(n+1)は、以下の式(c7),(c8)にて表現される。
…(c7)
iqe(n+1)={vq(n)−vqa}・Ts1/Lqt+iq(n)
…(c8)
そして、ステップS18では、電圧ベクトルV(n+1),V(n+2),V(n+3)のそれぞれに対応するスイッチングモードの採用時間Ts1,Ts2,Ts0を算出する。これら採用時間Ts1,Ts2,Ts0は、実電流id,iqを図5に示すように変位させるための操作量である。図5において、規範直線Lmは、スイッチングモードをゼロ電圧ベクトルに対応するものとした場合に実電流id,iqが変位する方向であるゼロ電圧時変化方向Dcv0を有して且つ、指令電流id*,iq*を通る直線である。ここで、規範直線Lmを、指令電流id*,iq*を通る直線としたのは、指令電流id*,iq*と実電流id,iqとの乖離を抑制するためである。
iqA=(−vqa/Lqt)・(Ts0/2) …(c10)
一方、点Bは、点Aと、指令電流id*,iq*に対して対称な点であることから、以下の式(c11),(c12)によって表現される。
iqB=(vqa/Lqt)・(Ts0/2) …(c12)
また、点C(D)は、電圧ベクトルV(n+1)=(vd(n+1),vq(n+1))と、電圧ベクトルV(n+1)への切り替え時の電流ide(n+1),iqe(n+1)とを用いることで、以下の式(c13),(c14)にて表現される。
={vd(n+1)−vda}・Ts1/Ldt+ide(n+1) …(c13)
iqC
={vq(n+1)−vqa}・Ts1/Lqt+iqe(n+1) …(c14)
また、点Cと電圧ベクトルV(n+2)とを用いる場合、点Bは、以下の式(c15),(c16)によって表現される。
iqB={vq(n+2)−vqa}・Ts2/Lqt+iqC …(c16)
ここで、上記の式(c11)および式(c15)の右辺が互いに等しく、また、上記の式(c12)および式(c16)の右辺が互いに等しいとして且つ、「Ts*=Ts0+Ts1+Ts2」とすることで、採用時間Ts1,Ts2,Ts0は、以下の式(c17)〜(c19)によって表現される。
Ts1={(CE−AG)Ts*+(DE−AH)}/(BE−AF) …(c17)
Ts2={(CF−BG)Ts*+(DF−BH)}/(BE−AF) …(c18)
Ts0=Ts*−(Ts1+Ts2) …(c19)
ただし、A〜Fは、以下の式によって表現される。
A=[{vd(n+2)−vda}/Ldt+vda/2Ldt]
B=[{vd(n+1)−vda}/Ldt+vda/2Ldt]
C=vda/2Ldt
D=id*−ide(n+1)
E=[{vq(n+2)−vqa}/Lqt+vqa/2Lqt]
F=[{vq(n+1)−vqa}/Lqt+vqa/2Lqt]
G=vqa/2Lqt
H=iq*−iqe(n+1)
ここで、目標時間Ts*は、指令電流id*,iq*および実電流id,iqとの乖離の最大値と、スイッチング周波数とを制御するための操作量である。本実施形態では、目標時間Ts*を固定値とすることで、特に、スイッチング周波数の変動の抑制を図る。もっとも、目標時間Ts*の設定に際して、モータジェネレータ10の運転領域にかかわらず、指令電流id*,iq*および実電流id,iqとの乖離の最大値が許容範囲から外れる事態を回避することができるとの条件は課している。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
<その他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
上記各実施形態では、指令値(指令電流id*,iq*)に設定したが、これに限らない。たとえば指令値から僅かに離間させたものとしたとしても、制御量の制御性をほとんど低下させることなく、スイッチング状態の切替頻度等については、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
これを固定値とするものに限らず、目標時間Ts*が制御量とその指令値との誤差の大きさを操作する操作量となり得ることに鑑み、これを可変操作してもよい。たとえば、トルク指令値Trq*の大きさに基づき可変設定してもよい。ここで、トルク指令値Trq*は、電流の大きさと相関を有する物理量である。このため、指令電流id*,iq*に対する実電流id,iqの誤差の割合を一定に制御する上では、トルク指令値Trq*に応じて目標時間Ts*を可変設定することが望ましい。またたとえば、電気角速度ωに応じて可変設定してもよい。ここでは、電気角速度ωが大きいほど、実電流id,iqの変化速度が小さくなることに鑑み、電気角速度ωが大きいほど目標時間Ts*を長くしてもよい。さらにたとえば、電源電圧VDCに応じて可変設定してもよい。ここでは、電源電圧VDCが大きいほど、実電流id,iqの変化速度が大きくなることに鑑み、電源電圧VDCが大きいほど目標時間Ts*を短くしてもよい。
平均出力電圧ベクトル(vda,vqa)とのなす角度が最小となる一対の有効電圧ベクトルに対応するスイッチングモードと、ゼロ電圧ベクトルに対応するスイッチングモードとを用いて周期的にスイッチングモードを切り替える手法としては、一対の有効電圧ベクトルに対応するスイッチングモードのそれぞれを1回ずつ用いるものに限らない。たとえば、スイッチングモードが有効電圧ベクトルV(n+2)に対応するものとされた後、有効電圧ベクトルV(n+1)に対応するものに再度切り替えてもよい。
規範直線上での切替点が目標点に対して対称となるものに限らない。換言すれば、指令電流id*,iq*を原点Oとしたとき、点Oから点Aまでに要する時間と点Bから点Oまでに要する時間とを均一化するものに限らない。たとえば上記規範直線上の到達点を、目標点よりもゼロ電圧時変化方向Dcv0とは逆方向の半直線上の任意の点としてもよい。この場合であっても、ゼロ電圧ベクトルに対応するスイッチングモードの継続時間を長くする効果を奏することができる。もっとも、目標点に近似して且つそれよりもゼロ電圧時変化方向Dcv0側としたとしても、上記半直線上の任意の点とする場合に近い効果を得ることはできる。さらに、目標点を指令値に対してゼロ電圧時変化方向Dcv0とは逆方向の半直線上に設定し、目標点よりもゼロ電圧時変化方向Dcv0側の半直線に到達させるような制御を敢えて行なうようにしてもよい。ただし、この場合、目標点は、実際の制御量が追従することが所望される点とは相違することとなる。しかし、この場合、目標点をゼロ電圧時変化方向Dcv0に変位させることで、実際の制御量が追従することが所望される点に定義しなおすことはいつでも可能である。
上記実施形態では、ゼロ電圧ベクトルに対応するスイッチングモードから有効電圧ベクトルに対応するスイッチングモードへの切替タイミングより後の3つの切替タイミング(図5の点C(D),B,A)を1セットとして算出したが、これに限らない。たとえばゼロ電圧ベクトルに対応するスイッチングモードから有効電圧ベクトルに対応するスイッチングモードへの切替タイミングの後、別の有効電圧ベクトルへの切替タイミングより後の3つのタイミング(図5の点B,A,C(D))を1セットとして算出するものであってもよい。
ゼロ電圧ベクトルに対応するスイッチングモードから有効電圧ベクトルに対応するスイッチングモードに切り替えられた後、規範直線Lm上に最初に到達するタイミングに限らないことについては、「周期的なスイッチングモードの切替手法について」の欄や図12に示したとおりである。
採用時間Ts1,Ts2,Ts0に解があるか否かによって判断するものに限らない。たとえばトルク指令値Trq*の変化速度が大きい場合であってもよい。また予測電流ide,iqeと指令電流id*,iq*との乖離度合いを常時算出し、乖離度合いが規定値以上となるか否かを常時判断するようにしてもよい。
先の図6に例示したものに限らない。たとえば、先の図3に示した処理への復帰を以下のように行ってもよい。すなわち、ゼロ電圧時変化方向Dcv0に直交して且つ、指令電流id*,iq*を通る直線に対して、ゼロ電圧時変化方向Dcv0とは逆方向側の領域に実電流id,iqが入ることを条件にスイッチングモードをゼロ電圧ベクトルに対応するものに切り替え、その後、乖離度合いが許容上限値となるタイミング直前において先の図3のステップS10で肯定判断されるようにしてもよい。
採用時間Ts1,Ts2,Ts0が経過するタイミングで必ずスイッチングモードの切り替えを行なうものに限らない。たとえば、採用時間Ts1,Ts2,Ts0が経過するタイミングとなる旨の条件と、制御量と指令値との乖離度合いが規定値を上回るタイミングとなるとの条件との論理和が真となるタイミングにおいてスイッチングモードを切り替えるようにしてもよい。なお、ここでの制御量は実際の制御量(実電流id,iq)とすることが望ましいが、予測値(予測電流ide,iqe)としてもよい。
上記第2の実施形態(図9)では、採用時間Ts1,Ts2,Ts0の算出タイミングにおける実電流iu,iv,iwの極性に基づき、デッドタイム補償処理を行ったが、これに限らない。たとえば、先の図3に示す処理によって、一旦予測された採用時間Ts1,Ts2,Ts0に基づき、スイッチング状態の切替タイミングにおける電流を予測し、その極性を用いてデッドタイム補償処理を行ってもよい。
たとえば、先の図3のステップS12において、指令電流id*,iq*に代えて、実電流id,iqを用いたり、予測電流ide.iqeを用いたりしてもよい。またたとえば、都度選択されるスイッチングモードに対応する電圧ベクトルをローパスフィルタ処理することで算出してもよい。さらにたとえば、ゼロ電圧ベクトルに対応するスイッチングモードが採用されている際の誤差ベクトルedqの変位に基づき算出してもよい。
スイッチング状態の切り替え端子数が「1」以下となるものに限らないことについては、「到達タイミング予測手段について」の欄に記載したとおりである。この際、全てのスイッチングモードを採用可能としてもよいが、切替端子数がたとえば「2」以下となるものとしてもよい。
次回のスイッチングモードに対応する電圧ベクトルV(n+1)によって生じる制御量のみを予測するものに限らない。たとえば、数制御周期先の更新タイミングにおけるインバータINVの操作による制御量まで順次予測するものであってもよい。
たとえば、上記第1の実施形態において、予測電流ide(n+2)と指令電流id*(n+2)との差の絶対値と、予測電流iqe(n+2)と指令電流iq*(n+2)との差の絶対値との加重平均処理値を、予測電流と指令電流との乖離度合いの評価対象とするパラメータとしてもよい。要は、乖離度合いが大きいほど評価が低くなることを定量化すべく、乖離度合いと評価パラメータとの間に正または負の相関関係があるパラメータによって定量化すればよい。
上記第3の実施形態(図11のステップS64)に例示したものに限らず。たとえば、「制御量予測手段について」の欄や「決定手段について」の欄に記載した変形例を採用してもよい。もっとも、モデル予測制御を行なうものに限らず、たとえば過変調制御時に採用される矩形波制御手段等の周知のトルクフィードバック制御手段等であってもよい。
上記第3の実施形態(図11)では、インバータINVの出力線間電圧の基本波振幅が電源電圧VDCを上回ることで高変調率時操作手段に変更したがこれに限らない。たとえば、インバータINVの出力線間電圧の基本波振幅が電源電圧よりも低い所定値を超えることで高変調率時操作手段に変更してもよい。換言すれば、変調率Mが「2/√3」よりも小さい所定の変調率を上回ることで、高変調率時操作手段に変更してもよい。特に、上記の式(c5),(c6)からわかるように、制御量の変化速度の絶対値を最小とする電圧ベクトルがゼロ電圧ベクトルとなるのは、低変調率時である。すなわち、都度の電圧ベクトル(vd,vq)のノルムに対して、平均電圧ベクトル(vda,vqa)のノルムの方が小さくなる場合である。都度の電圧ベクトル(vd,vq)のノルムと平均電圧ベクトル(vda,vqa)との差が小さくなる場合、瞬時電圧ベクトル(vd−vda,vq−vqa)のノルムの方が平均電圧ベクトル(vda,vqa)のノルムよりも小さくなるため、制御量の変化速度の絶対値を最小とする電圧ベクトルが有効電圧ベクトルとなり得る。こうした観点からは、たとえば、瞬時電圧ベクトル(vd−vda,vq−vqa)のノルムの方が平均電圧ベクトル(vda,vqa)のノルムよりも小さくなる場合に、高変調率時操作手段に切り替えるようにしてもよい。
ここで、小さくなる場合とは、一対の有効電圧ベクトルが設定されている期間(60°の期間)におけるノルムの瞬時電圧ベクトルのノルムの平均値が平均電圧ベクトル(vda,vqa)のノルムよりも小さくなる場合とすることが望ましい。ただし、都度の瞬時電圧ベクトル(vd−vda,vq−vqa)のノルムと平均電圧ベクトル(vda,vqa)のノルムとの大小を比較してもよい。この場合、出力線間電圧の基本波振幅を示すパラメータ(変調率M等)と閾値とを比較する判断手段を備えることはない。しかしこの場合であっても、出力線間電圧の基本波振幅がある程度大きくなる場合に高変調率時操作手段に切り替えることとなる。なお、ここでの高変調率時操作手段としては、規範直線Lmを、その方向が特定の瞬時電圧ベクトル(vd−vda,vq−vqa)の方向と一致するように定義しなおして、制御量が規範直線Lmに到達することで、特定の有効電圧ベクトルに対応するスイッチングモードに切り替えるものであってもよい。
指令値と予測値とに基づきインバータINVのスイッチングモードを決定するために用いる制御量としては電流に限らない。例えば、トルクおよび鎖交磁束としたり、鎖交磁束のみとしたりしてもよい。また例えば、トルクおよびd軸電流またはトルクおよびq軸電流等、トルクおよび電流であってもよい。ここで、制御量を電流以外とする場合等において、センサによる直接の検出対象を電流以外としてもよい。ただし、規範直線Lmを定義するための座標成分としては、d軸成分およびq軸成分の2成分からなるものとして且つ、d軸成分を鎖交磁束のd軸成分Φdまたは電流idとし、q軸成分を鎖交磁束のq軸成分Φqまたは電流iqとすることが望ましい。これは、鎖交磁束とdq軸上の電流との間に線形関係「Φd=Ldid+φ,Φq=Lqiq」があるため、上記実施形態からの変更が容易であるためである。なお、2次元座標系としては、回転座標系に限らず、たとえばαβ座標系であってもよい。ただし、この場合、規範直線Lmが電気角θに応じて回転する。
回転機としては、3相回転機に限らず、5相回転機等、4相以上の回転機であってもよい。
直流電圧源としては、高電圧バッテリ12に限らず、例えば高電圧バッテリ12の電圧を昇圧するコンバータの出力端子であってもよい。
<備考>
上記の式(c1)、(c2)を導出について説明する。3相の電圧方程式は、uvw相の鎖交磁束Φu,Φv,Φwを用いた以下の式(c19)〜(c21)にて表現される。
vu=R・iu+(dΦu/dt) …(c19)
vv=R・iv+(dΦv/dt) …(c20)
vw=R・iw+(dΦw/dt) …(c21)
上記の式(c19)〜(c21)をdq変換することで、dq軸上の鎖交磁束Φd,Φqを用いた以下の式(c22),(c23)が得られる。
vd=R・id+(dΦd/dt)−ω・Φq …(c22)
vq=R・iq+(dΦq/dt)+ω・Φd …(c23)
上記の式の「dΦd/dt=(dΦd/did)・(did/dt)」において「dΦd/did=Ldt」と定義することで、d軸の過渡インダクタンスLdtを得ることができる。同様に、「dΦq/dt=(dΦq/diq)・(diq/dt)」において「dΦq/diq=Lqt」と定義することで、q軸の過渡インダクタンスLqtを得ることができる。また、「Φd=Lds・id+φ」とする定義することでd軸の定常インダクタンスLdsを得ることができ、「Φq=Lqs・iq」とする定義することでq軸の定常インダクタンスLdsを得ることができる。なお、ここで、d軸の鎖交磁束Φdにおいてd軸電流に比例しない定数項φは、永久磁石による鎖交磁束の項である。
Claims (12)
- 互いに相違する電圧値の電圧のそれぞれを印加する各別の電圧印加手段のそれぞれと回転機の端子との間を開閉するスイッチング素子を備える電力変換回路について、該電力変換回路を構成するスイッチング素子を操作することで、前記回転機を流れる電流、鎖交磁束およびトルクの少なくとも1つを有する制御量を制御する回転機の制御装置において、
前記制御量によって規定される多次元座標系において、前記スイッチング素子のそれぞれがオン状態であるかオフ状態であるかを示すスイッチングモードがゼロ電圧ベクトルに対応するものである状況下、前記制御量が変化する方向であるゼロ電圧時変化方向を有して且つ、該制御量の指令値に応じて定まる目標点を通る直線を規範直線とし、
前記スイッチングモードが有効電圧ベクトルに対応するものである状況下、前記規範直線上に実際の制御量が到達するタイミングを予測する到達タイミング予測手段と、
前記到達タイミング予測手段によって予測されるタイミングとなることを条件に、前記電力変換回路の実際の操作に用いるスイッチングモードをゼロ電圧ベクトルに対応するものに切り替える切替手段と、を備え、
前記到達タイミング予測手段は、有効電圧ベクトルに対応する複数のスイッチングモードを用いて前記制御量を前記ゼロ電圧時変化方向とは逆方向に変位させた後、ゼロ電圧ベクトルに対応するスイッチングモードとすることで前記制御量を前記ゼロ電圧時変化方向に変位させる一連の処理におけるスイッチングモードの切替タイミングのうち、前記規範直線上に実際の制御量が到達するタイミングに加えて、該タイミングとは別の前記スイッチングモードの切替タイミングを予測するものであり、
前記別の前記スイッチングモードの切替タイミングは、前記規範直線上に実際の制御量が到達するタイミングにおいて、前記実際の制御量が前記目標点よりも前記ゼロ電圧時変化方向とは逆方向の半直線上に到達する旨の制約を満たすタイミングに設定されることを特徴とする回転機の制御装置。 - 互いに相違する電圧値の電圧のそれぞれを印加する各別の電圧印加手段のそれぞれと回転機の端子との間を開閉するスイッチング素子を備える電力変換回路について、該電力変換回路を構成するスイッチング素子を操作することで、前記回転機を流れる電流、鎖交磁束およびトルクの少なくとも1つを有する制御量を制御する回転機の制御装置において、
前記制御量によって規定される多次元座標系において、前記スイッチング素子のそれぞれがオン状態であるかオフ状態であるかを示すスイッチングモードがゼロ電圧ベクトルに対応するものである状況下、前記制御量が変化する方向であるゼロ電圧時変化方向を有して且つ、該制御量の指令値に応じて定まる目標点を通る直線を規範直線とし、
前記スイッチングモードが有効電圧ベクトルに対応するものである状況下、前記規範直線上に実際の制御量が到達するタイミングを予測する到達タイミング予測手段と、
前記到達タイミング予測手段によって予測されるタイミングとなることを条件に、前記電力変換回路の実際の操作に用いるスイッチングモードをゼロ電圧ベクトルに対応するものに切り替える切替手段とを備え、
前記到達タイミング予測手段は、有効電圧ベクトルに対応する複数のスイッチングモードを用いて前記制御量を前記ゼロ電圧時変化方向とは逆方向に変位させた後、ゼロ電圧ベクトルに対応するスイッチングモードとすることで前記制御量を前記ゼロ電圧時変化方向に変位させる一連の処理におけるスイッチングモードの切替タイミングの全てを予測するものであることを特徴とする回転機の制御装置。 - 前記到達タイミング予測手段による予測対象となる切替タイミングのうち、前記規範直線上に実際の制御量が到達するタイミング以外のタイミングは、前記規範直線上に実際の制御量が到達するタイミングにおいて、前記実際の制御量が前記目標点よりも前記ゼロ電圧時変化方向とは逆方向の半直線上に到達する旨の制約を満たすタイミングに設定されることを特徴とする請求項2記載の回転機の制御装置。
- 前記到達タイミング予測手段による予測対象となる切替タイミングのうち、前記規範直線上に実際の制御量が到達するタイミング以外のタイミングは、前記制御量が前記目標点を通過するタイミングから、ゼロ電圧に対応するスイッチングモードから有効電圧ベクトルに対応するスイッチングモードへの切替タイミングまでに要する時間間隔と、前記規範直線上に実際の制御量が到達するタイミングから前記制御量が前記目標点を通過するタイミングまでに要する時間間隔との一対の時間間隔について、それらを均一化する旨の制約を満たすタイミングに設定されることを特徴とする請求項2または3記載の回転機の制御装置。
- 前記有効電圧ベクトルに対応する複数のスイッチングモードは、前記電力変換回路の平均出力電圧ベクトルとのなす角度が最小となる一対の電圧ベクトルに対応するスイッチングモードであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
- 前記有効電圧ベクトルに対応する複数のスイッチングモードの使用とは、前記一対の電圧ベクトルに対応する一対のスイッチングモードをそれぞれ1度ずつ用いることであることを特徴とする請求項5記載の回転機の制御装置。
- 前記制御量を前記ゼロ電圧時変化方向とは逆方向に変位させる時間、および該時間の後のゼロ電圧ベクトルに対応するスイッチングモードとする時間の合計を目標時間とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
- 前記スイッチングモードを仮設定し、該仮設定されたスイッチングモードのそれぞれに応じた制御量に関する予測を行なう制御量予測手段と、
該制御量予測手段による予測結果に基づき、前記制御量とその指令値との乖離が小さいほど該予測結果に対応するスイッチングモードの評価を高くする評価手段と、
前記評価手段によって高い評価を受けたスイッチングモードを、前記電力変換回路の実際の操作に用いるスイッチングモードに決定する決定手段とを備え、
前記制御量とその指令値との乖離度合いが規定値を上回る場合、前記決定手段によって決定されるスイッチングモードに基づき前記電力変換回路を操作することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。 - 前記到達タイミング予測手段は、前記スイッチングモードの切替時における前記回転機の各端子を流れる電流の極性に基づき、前記タイミングの予測を行なうデッドタイム補償手段を備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
- 前記目標点は、前記制御量の指令値であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
- 前記電力変換回路の出力線間電圧の基本波振幅が規定値を超える場合、前記到達タイミング予測手段および前記切替手段によらずに前記回転機の制御量を制御すべく、前記電力変換回路を操作する高変調率時操作手段を備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
- 前記電力変換回路は、前記回転機の端子を直流電圧源の正極および負極のそれぞれに選択的に接続するスイッチング素子を備える直流s交流変換回路であり、
前記規定値は、前記直流電圧源の端子電圧以下の値に設定されることを特徴とする請求項11記載の回転機の制御装置。
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