以下、本発明の第一実施形態に係る包装袋について、添付図面を参照しつつ説明する。
本実施形態に係る包装袋は、図1(a)及び図1(b)に示す如く、重ね合わされたシート材S1,S1の端部同士が所定幅で接続されて被収容物Pを収容する内部空間SPが形成され、前記シート材S1,S1の端部同士が所定幅で接続された接続領域2bの所定位置に開封起点となる開封補助手段4が形成されている。なお、本明細書に添付した各図面において、接続領域2bの内部空間SP側の境界は、二点鎖線で表現されている。
より具体的に説明すると、本実施形態に係る包装袋1は、スタンディングタイプの包装袋1であり、前後で互いに対向するとともに幅方向の両端が互いに接続された一対の壁部2a,2aと、一対の壁部2a,2aが画定する一方の開口を閉じるガゼット状の底部3とを備えている。該包装袋1は、一対の壁部2a,2aが画定する他方の開口から被収容物Pを収容した上で該他方の開口が封止されている。
前後一対の壁部2a,2aは、それぞれシート材で構成されており、正面視四角形状に形成されている。本実施形態において、前後一対の壁部2a,2aは、それぞれ長方形状のシート材(以下、壁用シート材という)S1,S1の周囲(外周端部)を除いた領域(略長方形状の領域)で形成されている。すなわち、一対の壁用シート材S1,S1は、長手方向を一致させた状態で重ね合わされた上で長手方向と直交する方向(以下、幅方向という)の両端部同士が所定幅で接続されている。
これにより、一対の壁用シート材S1,S1は、幅方向の両端部で互いに接続された接続領域2bを形成し、該接続領域2b間で前記壁部2a,2aを形成している。一対の壁用シート材S1,S1同士の接続は、接着剤を用いた接着や、壁用シート材S1,S1同士の溶着で行うことができ、本実施形態においては、溶着(ヒートシール)により行われている。これに伴い、本実施形態に係る壁用シート材S1,S1は、少なくとも互いに対向する面であって幅方向の両端部が溶融可能になっている。すなわち、壁用シート材S1,S1は、所定温度で溶融可能な単層の樹脂シート材や、少なくとも最内層に溶融可能な樹脂層を有する二層以上の樹脂シート材(積層シート)を採用することができる。
本実施形態の包装袋1は、飲料やだし汁等の液状の食品を収容することを対象としており、これらの食品の酸化を防止するために、壁用シート材S1,S1には、ガスバリア性を有するシート材が採用される。本実施形態に係る壁用シート材S1,S1は、特性の異なる複数の層で構成された積層シートが採用されている。具体的には、本実施形態に係る壁用シート材S1,S1は、最内層に熱溶融性(接着性)を有する樹脂製のシール層(図示しない)を有し、該シール層上に薄膜状の金属層(図示しない)、及び樹脂製のコーティング層(図示しない)が形成されている。
本実施形態に係る壁用シート材S1,S1(積層シート)において、コーティング層は、基材となるもので、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ナイロンフィルム等の二軸延伸フィルムを採用することができる。また、金属層は、上記コーティング層(基材)にアルミニウム等の金属を蒸着することで形成される。シール層は、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、綿状低密度ポリエチレン等の樹脂、又はそれらのシート材で構成され、金属層上に塗布又は貼り付けられて形成される。従って、本実施形態に係る壁用シート材S1,S1は、端部同士をヒートシールすべく、互いのシール層を対向させた状態で重ね合わされている。
前記底部3は、シート材で構成されている。前記底部3を構成するシート材(以下、底用シート材という)S2は、四角形状に形成されており、一方向が壁用シート材S1,S1の幅と同寸に設定される一方で、一方向と直交する方向が一方向より短く設定されている。そして、底用シート材S2は、一方向と直交する方向で二つ折り(半折)にされ、稜線(二つ折りによって形成される稜線)を奥側に位置させるようにして一対の壁用シート材S1,S1の長手方向の一端部間に介装されている。そして、二つ折りにされた底用シートS2は、稜線を境にした二つの領域のそれぞれが対向する壁用シート材S1,S1の端部(長手方向の一端部及び幅方向の両端部)に接続されている。また、本実施形態に係る底用シート材S2は、稜線を境にした二つの領域のそれぞれの長手方向の(前記一方向)の両端部同士も接続されている。
これにより、前記底用シート材S2は、図1(b)に示す如く、一対の壁部2a,2a(壁用シート材S1,S1)が画定する一方の開口を閉塞したガゼット状の底部3を形成している。すなわち、本実施形態に係る包装袋1は、図1(b)及び図2に示す如く、内部空間SPに被収容物Pを収容した状態で、二つ折りにされた底部3(底用シート材S2)が開いて一対の壁部2a,2a(壁用シート材S1,S1)の一端側が離間し(環状になり)、該一端側を下側にすることで自立できるようになっている。
底用シート材S2と壁用シート材S1,S1との接続についても、接着剤を用いた接着や、壁用シート材S1,S1同士の溶着で行うことができ、本実施形態においては、溶着(ヒートシール)により行われている。これに伴い、本実施形態に係る底用シート材S2は、少なくとも二つ折りにしたときに外側に向く面であって長手方向の両端部及び長手方向と直交する方向の両端部が溶融可能になっている。すなわち、底用シート材S2についても、所定温度で溶融可能な単層の樹脂シート材や、少なくとも一方の面(外側に向く面)側になる最内層に溶融可能な樹脂層を有する二層以上の複層の樹脂シート材を採用することができる。本実施形態に係る底用シート材S2は、壁用シート材S1,S1と同一材料が採用されている。
そして、本実施形態に係る包装袋1は、図1(a)、図1(b)及び図2に示す如く、一対の壁部2a,2a(壁用シート材S1,S1)が形成する長手方向の他端側の開口から内部空間SPに被収容物Pが収容された上で、該一対の壁部2a,2a(壁用シート材S1,S1)の他端部同士がヒートシールされて封止されている。
本実施形態に係る包装袋1は、封止される壁部2a,2aの他端部よりも一端側でその他端部に沿って壁部2a,2aを切断できるようになっている。これに伴い、該包装袋1は、前記接続領域2b内における壁部2a,2aの他端部よりも一端側の所定位置に開封補助手段4が設けられている。本実施形態に係る包装袋1は、幅方向の両端部に接続領域2bが形成されているため、何れからでも開封できるように各接続領域2bに開封補助手段4が設けられている。これに伴い、開封補助手段4は、幅方向の中央で長手方向に延びる中心線を基準に対称配置になるように各接続領域2bに設けられている。
本実施形態に係る開封補助手段4は、図3に示す如く、多数の孔h…で構成された多孔群40と、該多孔群40内に形成された切込み41とを備えている。
前記多孔群40は、接続領域2bの外縁を含む所定範囲内に設けられる。すなわち、多孔群40は、接続領域2bの外縁から接続領域2bと壁部2a,2a(内部空間SP)との境界に至らない範囲で形成されている。本実施形態に係る多孔群40は、接続領域2bの外縁を一辺とする矩形状の領域内に設けられている。
多孔群40を構成する孔h…のそれぞれは、接続領域2bを貫通している。そして、各孔h…は、貫通していればよく、その孔形状は、点状(微小径な円形状)、切り目状(線状)、円形状、多角形状等、種々の形状に設定してもよい。本実施形態において、多孔群40を構成する各孔h…は、点状(微小径な円形状)に形成されている。そして、多孔群40を構成する多数の孔h…は、孔サイズに応じて所定領域内にできるだけ密集するように配置される。
本実施形態に係る多孔群40は、点状の孔h…の集合体で構成されており、各孔h…は整列状態で配置されている。なお、多数の孔h…は、マトリックス状或いは千鳥状に配置したりしてもよいが、規則性なく配置してもよい。そして、本実施形態に係る多孔群40は、点状の孔h…の集合体で構成されているため、各孔h…は針状の刃物を接続領域2bに刺通させることで形成されている。
前記切込み41は、接続領域2bの外縁側を基端にして内部空間SP側に向けて延びる第一切込部41aと、該第一切込部41aの延びる方向に対して交差する方向に延びる第二切込部41bとで構成されている。
第一切込部41aは、第二切込部41bの途中位置に繋がっている。より具体的に説明すると、第一切込部41aは、多孔群40が形成された領域における接続領域2bの外縁の延びる方向(壁用シート材S1,S1の長手方向)の中央部に設けられている。本実施形態に係る第一切込部41aは、直線状に形成されており、多孔群40が形成された領域における内部空間SP側の境界及び多孔群40が形成された領域における接続領域2bの外縁側の境界(接続領域2bの外縁)に到達しないように形成されている。すなわち、第一切込部41aは、内部空間SP側の一端が多孔群40の形成された領域における内部空間SP側の境界よりも接続領域2bの外縁側に位置し、接続領域2bの外縁側の他端が多孔群40の形成された領域における接続領域2bの外縁側の境界(接続領域2bの外縁)よりも内部空間SP側に位置している。
第二切込部41bは、多孔群40が形成された領域における壁部2a,2aの長手方向の一端側の境界及び多孔群40が形成された領域における壁部2a,2aの長手方向の他端側の境界との間に形成されている。本実施形態に係る第二切込部41bは、一端が多孔群40の形成された領域における壁部2a,2aの長手方向の一端側の境界よりも接続領域2bの内側に位置し、他端が多孔群40の形成された領域における壁部2a,2aの長手方向の他端側の境界よりも接続領域2bの内側に位置している。本実施形態に係る第二切込部41bは、直線状に形成されており、第一切込部41aに対して直角又は略直角になるように形成されている。そして、本実施形態において、第二切込部41bは、直線状に延びる方向の中央位置に第一切込部41aの他端(接続領域2bの外縁側の端部)が接続されている。これにより、本実施形態に係る切込み41は、T字状に形成されている。
本実施形態に係る包装袋1は、以上の構成からなり、続いて、上記構成の包装袋1の開封時における開封補助手段4の作用について説明する。
上記構成の包装袋1を開封するに当たり、幅方向の何れか一端側にある接続領域2b内の開封補助手段4(多孔群40)の両側(二箇所)を把持し、異なる方向に引っ張る。そうすると、多孔群40がミシン目の如く連鎖的に切断する。すなわち、上記構成の包装袋1は、多数の孔h…(多孔群40)を設けることで孔h…間(実体のある部分)が他の部分よりも脆弱になるため、開封時に僅かな引っ張り力を作用させるだけで複数箇所にある孔h…間がミシン目の如く連鎖的に切断される。そして、多孔群40(孔h…間)が連鎖的に切断された上で、切断位置が接続領域2bの外縁側にある切込み41の何れかの部分(第一切込部41aの外縁側の端部又は第二切込部41b)に到達する。
すなわち、第二切込部41bは、切断方向(接続領域2bの幅方向)に対して交差方向(本実施形態においては直角方向)に延びた態様となるため、開封時に切断位置が接続領域2bの外縁の延びる方向にずれたとしても、切断位置が第二切込部41bの何れかの部分に到達することになる。そうすると、引っ張り作用が内部空間SP側にある第一切込部41aの先端に集中的に作用することになる。
そして、本実施形態に係る包装袋1は、切込み41(第一切込部41a)が多孔群40内にあるため、第一切込部41aの先端よりも内部空間SP側にも多孔群40が存在し、第一切込部41aの先端に集中的に作用した引っ張り力が小さくても、当該部分が切断位置の起点(切断に必要な引っ張り力の作用点)となって切断し始めることになる。そして、切断位置が内部空間SP側(反対側の外縁)に向けて連続的に変移してスムーズに切断される(切り裂かれる)。
従って、上記構成の包装袋1は、切断方向の全長に亘って大きさの異なる引っ張り力を段階的に作用させることなく幅方向全長に亘って容易且つスムーズに切断することができる。
次に、本発明の第二実施形態に係る包装袋について説明する。なお、本実施形態に係る包装袋は、開封補助手段を除き、他の構成が第一実施形態に係る包装袋と同一構成になっている。従って、以下の説明において、第一実施形態と同一の構成又は相当する構成について同一名称及び同一符号を付すこととし、また、同一の構成については、第一実施形態を参照してここでの説明を割愛し、開封補助手段についてのみ説明することとする。
本実施形態に係る開封補助手段4は、図4に示す如く、多数の孔h…で構成された多孔群40と、該多孔群40内に形成された一対の切込み42,42とを備えている。
前記多孔群40は、第一実施形態と同様に接続領域2bの外縁を含む所定範囲内に設けられる。すなわち、多孔群40は、接続領域2bの外縁から接続領域2bと壁部2a,2a(内部空間SP)との境界に至らない範囲で形成されている。本実施形態に係る多孔群40は、接続領域2bの外縁を一辺とする矩形状の領域内に設けられている。
多孔群40を構成する孔h…のそれぞれは、接続領域2bを貫通している。そして、各孔h…は、貫通していればよく、その孔形状は、点状(微小径な円形状)、切り目状(線状)、円形状、多角形状等、種々の形状に設定してもよい。本実施形態において、多孔群40を構成する各孔h…は、点状(微小径な円形状)に形成されている。そして、多孔群40を構成する多数の孔h…は、孔サイズに応じて所定領域内にできるだけ密集するように配置される。
本実施形態に係る多孔群40は、点状の孔h…の集合体で構成されており、各孔h…は整列状態で配置されている。なお、多数の孔h…は、マトリックス状或いは千鳥状に配置したりしてもよいが、規則性なく配置してもよい。そして、本実施形態に係る多孔群40は、点状の孔h…の集合体で構成されているため、各孔h…は針状の刃物を接続領域2bに刺通させることで形成されている。
前記一対の切込み42,42は、接続領域2bの外縁側を基端にして内部空間SPに向けて延び、且つ、内部空間SP側に向かうにつれて互いに接近するように形成されている。一対の切込み42,42は、多孔群40が形成された領域における接続領域2bの外縁の延びる方向(壁用シート材S1,S1の長手方向)の中央部で該接続領域2bの外縁の延びる方向と直交する方向に延びる中心線(仮想線)を基準に対称的に配置されている。
各切込み42は、前記中心線を境にした二つの領域内に位置あり、それぞれ直線状に形成されている。各切込み42は、多孔群40が形成された領域における内部空間SP側の境界及び多孔群40が形成された領域における接続領域2bの外縁側の境界(接続領域2bの外縁)に到達しないように形成されている。すなわち、各切込み42は、内部空間SP側の一端が多孔群40の形成された領域における内部空間SP側の境界よりも接続領域2bの外縁側に位置し、接続領域2bの外縁側の他端が多孔群40の形成された領域における接続領域2bの外縁側の境界(接続領域2bの外縁)よりも内部空間SP側に位置している。
そして、本実施形態において、一対の切込み42,42は、内部空間SP側の一端同士が接続された状態になっている。すなわち、一対の切込み42,42は、多孔群40が形成された領域における接続領域2bの外縁の延びる方向(壁用シート材S1,S1の長手方向)の中央部で互いに接続されて「くの字」を呈している。
本実施形態に係る包装袋1は、以上の通りであり、続いて、上記構成の包装袋1の開封時における開封補助手段4の作用について説明する。
上記構成の包装袋1を開封するに当たり、幅方向の何れか一端側にある接続領域2b内の開封補助手段4(多孔群40)の両側(二箇所)を把持し、異なる方向に引っ張る。そうすると、多孔群40がミシン目の如く連鎖的に切断する。すなわち、上記構成の包装袋1は、多数の孔h…(多孔群40)を設けることで孔h…間(実体のある部分)が他の部分よりも脆弱になるため、開封時に僅かな引っ張り力を作用させるだけで複数箇所にある孔h…間がミシン目の如く連鎖的に切断される。そして、多孔群40が連鎖的に切断された上で、切断位置が一対の切込み42,42の接続位置又は何れか一方の切込み42に到達する。
すなわち、一対の切込み42,42は、切断方向(接続領域2bの幅方向)に対して交差方向に延びた態様となるため、開封時に切断位置が接続領域2bの外縁の延びる方向でずれたとしても、切断位置が一対の切込み42,42の接続位置(一端)又は何れか一方の切込み42に到達することになる。そして、切断位置が一対の切込み42,42の接続位置にある場合にはそのまま多孔群40が内部空間SP側に連鎖的に切断され、切断位置が何れか一方の切込み42に到達した場合には、引っ張り作用が最も内側にある切込み42の先端(切込み42の一端同士を接続した接続位置)に集中的に作用することになる。
そして、上記構成の包装袋1は、切込み42が多孔群40内にあるため、切込み42の先端よりも内部空間SP側にも多孔群40が存在し、切込み42の先端に集中的に作用した引っ張り力が小さくても、当該部分が切断位置の起点(切断に必要な引っ張り力の作用点)となって切断し始めることになる。そして、切断位置が内部空間SP側(反対側の外縁)に向けて連続的に変移してスムーズに切断される(切り裂かれる)。
従って、上記構成の包装袋1は、切断方向の全長に亘って大きさの異なる引っ張り力を段階的に作用させることなく幅方向全長に亘って容易且つスムーズに切断することができる。
次に、本発明の第三実施形態に係る包装袋について説明する。なお、本実施形態に係る包装袋は、開封補助手段を除き、他の構成が第一及び第二実施形態に係る包装袋と同一構成になっている。従って、以下の説明において、第一及び第二実施形態と同一の構成又は相当する構成について同一名称及び同一符号を付すこととし、また、同一の構成については、第一実施形態を参照してここでの説明を割愛し、開封補助手段についてのみ説明することとする。
本実施形態に係る開封補助手段4は、図5に示す如く、多数の孔h…で構成された多孔群40と、該多孔群40内に形成された切欠部43とを備えている。
前記多孔群40は、第一実施形態と同様に接続領域2bの外縁を含む所定範囲内に設けられる。すなわち、多孔群40は、接続領域2bの外縁から接続領域2bと壁部2a,2a(内部空間SP)との境界に至らない範囲で形成されている。本実施形態に係る多孔群40は、接続領域2bの外縁を一辺とする矩形状の領域内に設けられている。
多孔群40を構成する孔h…のそれぞれは、接続領域2bを貫通している。そして、各孔h…は、貫通していればよく、その孔形状は、点状(微小径な円形状)、切り目状(線状)、円形状、多角形状等、種々の形状に設定してもよい。本実施形態において、多孔群40を構成する各孔h…は、点状(微小径な円形状)に形成されている。そして、多孔群40を構成する多数の孔h…は、孔サイズに応じて所定領域内にできるだけ密集するように配置される。
本実施形態に係る多孔群40は、点状の孔h…の集合体で構成されており、各孔h…は整列状態で配置されている。なお、多数の孔h…は、マトリックス状或いは千鳥状に配置したりしてもよいが、規則性なく配置してもよい。そして、本実施形態に係る多孔群40は、点状の孔h…の集合体で構成されているため、各孔h…は針状の刃物を接続領域2bに刺通させることで形成されている。
前記切欠部43は、内部空間SP側に向けて先細りするように形成されている。本実施形態において、前記切欠部43は、三角形状に形成されており、その一辺を接続領域2bの外縁側に位置させ、その一辺に対する垂線上にある一つの頂点を内部空間SP側に位置させている。より具体的に説明すると、切欠部43は、多孔群40が形成された領域における接続領域2bの外縁の延びる方向(壁用シート材S1,S1の長手方向)の中央部に前記頂点が位置している。
本実施形態に係る切欠部43は、多孔群40が形成された領域における内部空間SP側の境界及び多孔群40が形成された領域における接続領域2bの外縁側の境界(接続領域2bの外縁)に到達しないように形成されている。すなわち、切欠部43は、前記頂点が多孔群40の形成された領域における内部空間SP側の境界よりも接続領域2bの外縁側に位置し、接続領域2bの外縁側のエッジ(前記一辺)が多孔群40の形成された領域における接続領域2bの外縁側の境界(接続領域2bの外縁)よりも内部空間SP側に位置している。
切欠部43は、多孔群40が形成された領域における壁部2a,2aの長手方向の一端側の境界及び多孔群40が形成された領域における壁部2a,2aの長手方向の他端側の境界との間に形成されている。本実施形態に係る切欠部43は、前記一辺の一端が多孔群40の形成された領域における壁部2a,2aの長手方向の一端側の境界よりも接続領域2bの内側に位置し、前記一辺の他端が多孔群40の形成された領域における壁部2a,2aの長手方向の他端側の境界よりも接続領域2bの内側に位置している。
本実施形態に係る包装袋1は、以上の通りであり、続いて、上記構成の包装袋1の開封時における開封補助手段4の作用について説明する。
上記構成の包装袋1を開封するに当たり、幅方向の何れか一端側にある接続領域2b内の開封補助手段4(多孔群40)の両側(二箇所)を把持し、異なる方向に引っ張る。そうすると、多孔群40がミシン目の如く連鎖的に切断する。すなわち、上記構成の包装袋1は、多数の孔h…(多孔群40)を設けることで孔h…間(実体のある部分)が他の部分よりも脆弱になるため、開封時に僅かな引っ張り力を作用させるだけで複数箇所にある孔h…間がミシン目の如く連鎖的に切断される。そして、多孔群40が連鎖的に切断された上で、切断位置が切欠部43の外縁側にある何れかの部分に到達する。すなわち、切欠部43は、内部空間SP側に向けて先細りするように三角形状に形成されることで、接続領域2bの外縁側のエッジが切断方向(接続領域2bの幅方向)に対して交差方向に延びた態様となるため、開封時に切断位置が接続領域2bの外縁の延びる方向でずれたとしても、切断位置が切欠部43の何れかの部分に到達することになる。
そうすると、引っ張り作用が内部空間SP側にある切欠部43の頂点に集中的に作用することになる。そして、上記構成の包装袋1は、切欠部43が多孔群40内にあるため、切欠部43の頂点よりも内部空間SP側にも多孔群40が存在し、切欠部43の頂点に集中的に作用した引っ張り力が小さくても、当該部分が切断位置(切断に必要な引っ張り力の作用点)の起点となって切断し始めることになる。そして、切断位置が内部空間SP側(反対側の外縁)に向けて連続的に変移してスムーズに切断される(切り裂かれる)。
従って、上記構成の包装袋1は、切断方向の全長に亘って大きさの異なる引っ張り力を段階的に作用させることなくスムーズに切断することができる。
なお、本発明は、上記何れの実施形態にも限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加え得ることは勿論のことである。
上記各実施形態において、幅方向の両端部にある各接続領域2bに開封補助手段4を設けたが、これに限定されるものではなく、例えば、幅方向の一方の端部にある接続領域2bにのみ開封補助手段4を設けるようにしてもよい。
上記各実施形態において、底部3を備えた包装袋1を前提に説明したが、本発明が対象とする包装袋1は、これに限定されるものではなく、重ね合わされた壁用シート材S1,S1の一端部同士が直接接続されて底を構成した包装袋1であっても勿論よい。
上記各実施形態において、二枚の壁用シート材S1,S1を重ね合わせて互いの幅方向の両端部同士を接続した包装袋1について説明したが、本発明が対象とする包装袋は、これに限定されるものではなく、例えば、一枚のシート材S1を二つ折りにして対向する端部同士を接続することで被収容物Pを収容する内部空間SPが形成された包装袋1であっても勿論よい。
上記各実施形態において、被収容物Pとして飲料や出し汁等の液状の食品を対象としたが、これに限定されるものではなく、固形状の食品であってもよいし、食品以外の日用品等であってもよい。また、上記各実施形態において、飲料等の液状の食品の酸化を防止すべくガスバリア性を有する積層シートで壁部2a,2a(壁用シート材S1,S1)を構成したが、これに限定されるものではなく、シート材S1,S1は収容する被収容物Pの特性等に応じて適宜選択すればよい。
上記各実施形態において、壁用シート材S1,S1の端部同士をヒートシールすることで接続したが、シート材S1,S1の接続はこれに限定されるものではなく、接着剤を用いて接続してもよい。但し、互いに接続される領域(接続領域2b)が所定幅(開封補助手段4を配置できる幅)を有する接続形態であることは言うまでもない。
上記各実施形態において、開封を補助する手段として前記開封補助手段4のみを設けたが、これに限定されるものではなく、例えば、壁部2a,2a(壁用シート材S1,S1)にハーフカット等の切断補助線を幅方向に延びるように形成してもよい。この場合、開封補助手段4の切込み41,42や切欠部43で開封時の切断位置を切断補助線の配置に対応した位置に矯正できるようにすればよい。すなわち、第一実施形態に係る開封補助手段4を採用する場合には、第一切込部41aの一端を切断補助線に対応させた配置し、第二実施形態に係る開封補助手段4を採用する場合には、切込み42の一端を切断補助線に対応させた配置し、第三実施形態に係る開封補助手段4を採用する場合には、切欠部43の頂点を切断補助線に対応させた配置すればよい。
上記第一実施形態において、第二切込部41bを直線状にして第一切込部41aに対して直角又は略直角になるように形成したが、これに限定されるものではなく、例えば、図6(a)及び図6(b)に示す如く、第二切込部41bは、前記途中位置の両側が内部空間SP側に向けて傾斜するように形成してもよい。すなわち、第二切込部41bは、屈曲形状(くの字状)に形成してもよい。そして、上記実施形態において、第一切込部41aの他端に第二切込部41bを接続したが、これに限定されるものではなく、例えば、図6(a)に示す如く、第一切込部41aの一端に第二切込部41bを接続したり、図6(b)に示す如く、第一切込部41aの途中位置に第二切込部41bを接続したりしてもよい。この場合、屈曲形状にされることによって形成される第二切込部41bの頂点に第一切込部41aが接続されることが好ましい。
上記第一実施形態において、第二切込部41bを多孔群40が形成される領域の境界間で延びるように形成し、その両端が各境界付近に位置させるようにしたが、これに限定されるものではなく、第二切込部41bの長さは必要に応じて適宜設定すればよい。但し、第二切込部41bが多孔群40内に位置することは勿論のことである。また、切込み41(第一切込部41a及び第二切込部41b)は、多孔群40を越えなければ、多孔群40の境界上に位置してもよい。
上記第一実施形態において、第一切込部41a及び第二切込部41bのそれぞれを直線状に形成したが、これに限定されるものではなく、例えば、第一切込部41a及び第二切込部41bの少なくとも何れか一方を波線状に形成したり、円弧状の曲線に形成したりしてもよい。
上記第二実施形態において、一対の切込み42,42の一端同士を接続したが、これに限定されるものではなく、例えば、図7に示す如く、一対の切込み42,42の一端同士を非接続状態にしてもよい。但し、切断位置を適正な位置に矯正するには、一対の切込み42,42の一端をできるだけ接近させることが好ましい。
また、上記第二実施形態において、一対の切込み42,42のそれぞれを対称的なものにしたが、これに限定されるものではなく、それぞれが非対称な配置であってもよい。また、一対の切込み42,42を直線状に形成したが、これに限定されるものではなく、例えば、各切込み42を波線状に形成されたり円弧状の曲線に形成したりしてもよい。
上記第三実施形態において、切欠部43を三角形状に形成したが、これに限定されるものではなく、例えば、図8(a)に示す如く、切欠部43を四角形状に形成したり、図8(b)に示す如く、切欠部43を五角形状(ホームベース状)に形成したりしてもよい。すなわち、切欠部43を三角形以上の多角形状に形成してもよい、この場合、多角形状の外周に形成される何れか一つの頂点を内部空間SP側に位置するように配置すればよい。また、切欠部43は、多角形状に限定されるものではなく、例えば、少なくとも内部空間SP側が円弧状をなす孔であってもよい。すなわち、切欠部43は、内部空間SPに向かうにつれて開口幅が狭まる形態であればよい。
上記各実施形態において、多孔群40を矩形状の領域内に配置したが、これに限定されるものではなく、例えば、図9(a)及び図9(b)に示す如く、多孔群40を三角形状の領域内に配置してもよい。この場合、多孔群40は、三角形状の領域の外周を構成する一辺が接続領域2bの外縁上に位置するように配置すればよい。そして、この場合、図9(a)に示す如く、第一実施形態で説明した切込み41(第一切込部41a及び第二切込部41bを備えた切込み41)を採用する場合、内部空間SP側に先狭まりする多孔群40の形成領域の内部空間SP側のエッジに第二切込部41bを沿わせるように形成してもよい。また、第二実施形態で説明した一対の切込み42を採用する場合も同様である。そして、図9(b)に示す如く、第三実施形態で説明した切欠部43(多角形状の切欠部43)を採用する場合、内部空間SP側に先狭まりする多孔群40の形成領域の内部空間SP側のエッジに沿うように切欠部43を形成してもよい。