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JP5751455B2 - 回転電機制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、交流回転電機の制御装置に関する。
一般に交流回転電機の制御では、諸物理量の検出値、又は検出値から算出される算出値等に基づいて、フィードバック制御やフィードフォワード制御が実行される。例えば電動パワーステアリング装置に用いられアシストトルクを発生するモータの制御では、トルクセンサが検出した操舵トルクに基づいてモータの出力トルクを指令し、この指令トルクを発生させるようにモータの通電が制御される。
この例において、現実にはトルクセンサの個体差やトルク検出信号が入力されるハードウェアのばらつき等によりトルク検出値が基準値からずれる場合がある。そこで、特許文献1に開示された電動パワーステアリング装置では、トルクセンサによるトルク検出値について基準値からのずれを補正するための補正値を記憶値として記憶し、さらに、記憶値が異常のときは所定の値でトルク検出値を補正することでモータの駆動を制御している。
特許第3933536号公報
特許文献1の装置ではトルク検出値の補正についてしか考慮していない。しかし、交流回転電機の制御に関して検出される物理量には、トルクセンサによるトルク以外に交流回転電機の回転位置等がある。回転位置として具体的には、回転位置検出器の検出信号に基づき機械角、電気角、電気角速度、回転数等の回転位置情報が算出され、これらの算出値を用いて制御演算が実行される。
回転位置検出器の検出信号については、交流回転電機と回転位置検出器との組み合わせに伴い,個体毎の組み付け誤差等の初期誤差が発生する。初期誤差の値によっては、交流回転電機が指令と異なる極性のトルク、すなわち指令に対し正負が反対のトルクを発生するおそれがある。その結果、例えば交流回転電機が電動パワーステアリング装置のモータの場合、運転者の操舵方向と反対方向にアシストトルクを発生させることとなり、運転者に違和感を与えるおそれがある。
本発明は上述の課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、記憶値が異常であるとき、交流回転電機と回転位置検出装置との組み合わせに伴う個体毎の初期誤差によって、指令と異なる極性のトルクが発生することを防止する回転電機制御装置を提供することにある。
本発明の回転電機制御装置は、入力された電力を変換し交流回転電機に供給する電力変換器と、交流回転電機の通電を制御する制御部とを備える。制御部は、交流回転電機に通電される相電流を、界磁成分の電流に対応するd軸電流、及びトルク成分の電流に対応するq軸電流に変換して制御し、記憶手段、回転位置演算手段、記憶値異常判定手段、及び電流指令値演算手段を有する。
ここで、交流回転電機の界磁成分の電流、及びトルク成分の電流は、実機側の観点での電流を示している。これを制御側の観点から言い換えると、制御部は、交流回転電機に通電される相電流を、界磁成分の電流に対応するd軸電流、及びトルク成分の電流に対応するq軸電流に変換して制御する。
記憶手段は、交流回転電機の回転位置を検出する回転位置検出器と交流回転電機との組み合わせに伴う初期誤差に応じた個体毎に固有の記憶値、及び、当該記憶値との差が所定範囲内に制限されたデフォルト値を記憶する。
回転位置演算手段は、記憶手段に記憶された記憶値又はデフォルト値を用いて回転位置検出器の検出信号を補正し、回転位置情報を演算する。
記憶値異常判定手段は、記憶値が正常であるか否かを判定する。
電流指令値演算手段は、交流回転電機のd軸流及q軸電流についての電流指令値を演算する。
デフォルト値として、交流回転電機及び回転位置検出器を組み合わせた個体の製造時の検査において、記憶値とデフォルト値との差が所定範囲内に無い個体が不合格として排除される値が設定されている。
記憶値が正常であるとき、回転位置演算手段は、記憶値に基づいて回転位置検出器の検出信号を補正する。
記憶値が異常であるとき、回転位置演算手段は、デフォルト値に基づいて回転位置検出器の検出信号を補正し、且つ、dq軸座標における電流ベクトルの位相を+d軸方向で0[°]、−d軸方向で180[°]と定義すると、電流指令値演算手段は、交流回転電機に通電する電流位相と、デフォルト値に所定範囲を加えた値との和が0[°]を超え180[°]未満の範囲となるように、電流指令値を演算することを特徴とする。
本発明の電流指令値演算手段は、記憶値が異常であるとき、電流位相と、デフォルト値に所定範囲を加えた値との和が0[°]を超え180[°]未満の範囲となるように、電流指令値を演算する。例えば、d軸電流指令値を記憶値が正常である場合よりもゼロに近づける。このように制御側でd軸電流を操作することで、実機側において界磁成分の電流がゼロに近づくように制御される。この場合、特に、d軸電流指令値をゼロとすることが好ましい。
以下、電流について「ゼロ」とは、厳密な0[A]のみでなく、実質的に0[A]と同等の範囲の値を含むものとする。
本発明の回転電機制御装置は、個体毎に固有の記憶値が正常であるとき、回転位置演算手段が記憶値に基づいて回転位置検出器の検出信号を補正する。これにより、制御部は、補正された適切な回転位置情報を用いて、回転電機の駆動に係る制御演算を精度良く実行することができる。
一方、記憶値が異常であるとき、回転位置演算手段は、記憶値に代えて、デフォルト値に基づいて回転位置検出器の検出信号を補正する。このデフォルト値は、母集団における個体間の記憶値のばらつきの中心値等の値に設定され、個体毎の固有の記憶値との差が所定範囲内に制限されている。言い換えれば、製造時の検査において記憶値とデフォルト値との差が所定範囲内に無い場合には、その個体は検査不合格として排除される。これにより、デフォルト値に基づいて演算した回転位置情報と、本来の記憶値に基づいて演算した回転位置情報との差が一定範囲内に抑えられる。
また、指令と異なる極性のトルクが発生することを防止する観点から、「トルクの極性が同一に維持される電流位相の許容範囲」を、次のように決めることができる。
dq軸座標における電流ベクトルの位相を+d軸方向で0[°]、−d軸方向で180[°]と定義すると、電流位相が0[°]又は180[°]を跨いだとき、トルク成分であるq軸電流の正負が反転する。そこで、電流指令値演算手段は、d軸電流指令値をゼロに近づけることにより、電流指令位相を90[°]に近づける。つまり、電流指令位相を0[°]又は180[°]から遠ざける。その結果、回転位置誤差に対する許容範囲を広げることができる。
特にd軸電流指令値をゼロとする場合には、電流指令位相を90[°]に固定することとなる。したがって、回転位置誤差に対する許容範囲を最大限に確保することができる。よって、記憶値が異常であるとき、記憶値に代えてデフォルト値を用いて回転位置検出器の検出信号を補正することと相俟って、個体毎の組み付け誤差により指令と異なる極性のトルクが発生することを防止することができる。
さらに、記憶値が正常であるとき、電流指令値演算手段は、高回転領域で界磁を弱める弱め界磁制御、及び、最小電流で最大トルクを発生する最大トルク制御を考慮してd軸電流指令値及びq軸電流指令値を演算することが好ましい。以下、「演算」とは、数式に基づく算出の他、マップを参照することを含む。
また、回転電機がSPM(表面永久磁石)型である場合とIPM(埋込永久磁石)型である場合とでは最大トルク特性線が異なる。したがって、電流指令値演算手段は、回転電機がSPM型であるかIPM型であるかに応じて、より適正なd軸電流指令値及びq軸電流指令値を演算する構成とすることが好ましい。
本発明の第1〜第3実施形態による回転電機制御装置の回路構成図。 本発明の第1〜第3実施形態による回転電機制御装置を適用した電動パワーステアリング装置の概略構成図。 本発明の第1実施形態による回転電機制御装置の制御ブロック図。 SPM同期モータに適用される場合の電流指令値演算部の制御ブロック図。 SPM同期モータに適用される場合の電流指令値演算部が実行するd軸電流指令値演算のフローチャート。 SPM同期モータに適用される場合の電流指令値演算部が実行するq軸電流指令値演算のフローチャート。 IPM同期モータに適用される場合の電流指令値演算部の制御ブロック図。 (a)第1マップ、(b)第2マップの例。 IPM同期モータに適用される場合の電流指令値演算部において第1マップを参照するフローチャート。 IPM同期モータに適用される場合の電流指令値演算部が実行するMIN電流選択のフローチャート。 IPM同期モータに適用される場合の電流指令値演算部において第2マップを参照するフローチャート。 回転位置センサのセンサ出力特性、及び記憶値を説明する説明図。 本発明の第1実施形態による回転電機制御装置の回転位置演算部が実行する回転位置演算フローチャート。 本発明の第1実施形態による回転電機制御装置の記憶値異常判定部が実行する記憶値異常判定フローチャート。 本発明の第2実施形態による回転電機制御装置の制御ブロック図。 本発明の第3実施形態による回転電機制御装置の記憶値異常判定手段が実行する記憶値異常判定フローチャート。 dq軸電流ベクトルの電流位相を説明する図。 SPM同期モータ及びIPM同期モータについての最大トルク位相を説明する図。 SPM同期モータでの(a)トルクT−回転数N特性図、(b)弱め界磁駆動領域、及び最大トルク駆動領域を説明する図。 IPM同期モータでの(a)トルクT−回転数N特性図、(b)弱め界磁駆動領域、及び最大トルク駆動領域を説明する図。
以下、本発明による回転電機制御装置を車両の電動パワーステアリング装置に適用した複数の実施形態を図面に基づいて説明する。複数の実施形態において実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について、図1〜図14、及び図17〜図20を参照して説明する。
図2は、電動パワーステアリング装置1を備えたステアリングシステム90の全体構成を示す。ハンドル91に接続されたステアリングシャフト92には、操舵トルクを検出するためのトルクセンサ94が設置されている。ステアリングシャフト92の先端にはピニオンギア96が設けられており、ピニオンギア96はラック軸97に噛み合っている。ラック軸97の両端には、タイロッド等を介して一対の車輪98が回転可能に連結されている。ステアリングシャフト92の回転運動は、ピニオンギア96によってラック軸97の直線運動に変換され、ラック軸97の直線運動変位に応じた角度について一対の車輪98が操舵される。
電動パワーステアリング装置1は、回転軸を回転させるアクチュエータ2、及び、回転軸の回転を減速してステアリングシャフト92に伝達する減速ギア89を含む。
アクチュエータ2は、操舵アシストトルクを発生する「回転電機」としてのモータ80と、モータ80の駆動を制御する「回転電機制御装置」としてのECU10とから構成される。本実施形態のモータ80は永久磁石同期型の3相交流電動機であり、減速ギア89を正逆回転させる。
「回転位置検出器」としての回転位置センサ85は、例えばレゾルバ等が用いられる。なお、回転位置センサ85はいわゆる「回転角センサ」と同義であるが、本実施形態では回転位置センサ85が直接的に回転角を検出するのではなく、回転位置センサ85の検出信号に基づいて回転位置演算部46がセンサ角θsを演算することから、「回転位置センサ」という名称を用いることとする。
ECU10は、制御部65、及び、制御部65の指令に従ってモータ80への電力供給を制御する「電力変換器」としてのインバータ60を含む。
制御部65は、回転位置センサ85からの回転位置検出信号、トルクセンサ94からの操舵トルク信号等に基づいて、インバータ60への出力を制御する。これにより、電動パワーステアリング装置1のアクチュエータ2は、ハンドル91の操舵を補助するための操舵アシストトルクを発生し、ステアリングシャフト92に伝達する。
図1に示すように、モータ80は、U、V、W相の3相巻線81、82、83から構成されている。本実施形態では、モータ80として、非突極型のSPM(表面永久磁石)同期モータ、或いは、突極型であってリラクタンストルクを発生可能なIPM(埋込永久磁石)同期モータが適用される。
ECU10は、平滑コンデンサ53、インバータ60及び制御部65等を備えており、バッテリ51から供給された直流電力をインバータ60で3相交流電力に変換してモータ80に供給する。
平滑コンデンサ53は、インバータ60の入力部においてバッテリ51に対して並列に接続されており、平滑コンデンサ53の電極間電圧であるコンデンサ電圧Vcがインバータ60への入力電圧となる。平滑コンデンサ53は、インバータ60へ入力される電圧の脈動を抑制し、平滑化する。また、サージ電流などのノイズ成分を抑制する。
インバータ60は、モータ80の各巻線81、82、83への通電を切り替えるべく、6つのスイッチング素子611、612、621、622、631、632がブリッジ接続されている。本実施形態のスイッチング素子611等は、MOSFET(金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)である。以下、スイッチング素子611等をMOS611等という。また、高電位側(上アーム)のMOS611、621、631を「上MOS」、低電位側(下アーム)のMOS612、622、632を「下MOS」という。
上MOS611、621、631は、ドレインがバッテリ51の高電位電極に接続され、ソースが下MOS612、622、632のドレインに接続されている。下MOS612、622、632のソースは、電流検出器70を構成する電流検出素子71、72、73を介してバッテリ51の低電位電極に接続されている。上MOS611、621、631と下MOS612、622、632との接続点は、それぞれ、巻線81、82、83の一端に接続されている。
電流検出素子71、72、73は、それぞれ、U、V、W相の巻線81、82、83に通電される相電流Iu、Iv、Iwを検出する。
制御部65は、「記憶手段」としてのROM66、マイコン67、駆動回路68等を含む。ROM66は、後述する記憶値Vxof、VxA、Vyof、VyA、θof、及びデフォルト値Vxdof、VxdA、Vydof、VydA、θdofを記憶する。図示しないが、ROM66はマイコン67内部のものをつかってもよい。
マイコン67は、電流検出器70が検出した相電流検出値Iu、Iv、Iw、回転位置センサ85が検出した回転位置検出信号Vx、Vy、コンデンサ電圧Vc等が入力され、これらに基づき、モータ80駆動に係る制御演算を実行する。
駆動回路68は、MOS611等のゲートに接続され、マイコン67から指令されるPWM駆動信号に基づいてスイッチング出力する。
次に、制御部65の詳細な構成について、図3の制御ブロック図を参照して説明する。図3に示すように、制御部65は、マイコン67内にd軸電流指令基準値演算部201、電流指令値演算部30、減算器41、制御器42、2相3相変換部43、3相2相変換部44、回転位置演算部46及び記憶値異常判定部47を含む。電流指令値演算部30、回転位置演算部46及び記憶値異常判定部47は、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「電流指令値演算手段」、「回転位置演算手段」、及び「記憶値異常判定手段」に相当する。
d軸電流指令基準値演算部201は、弱め界磁制御のための適正なd軸電流指令基準値Id_refを演算する。弱め界磁制御は、モータ80の電気角速度に応じてd軸電流を小さくすることで、界磁を弱めてモータ80の回転をさらに加速させる制御であり、特に逆起電力が増加する高回転領域において必要とされる。そのため、d軸電流指令基準値演算部201は、モータの電気角速度を反映した情報を取得し、その情報に応じてd軸電流指令基準値Id_refを決定する。
ここで、本実施形態におけるd軸電流はゼロ又は負の値であるため、「d軸電流を小さくする」とは、「d軸電流の絶対値を負方向に大きくする」ことと同義である。以下の説明において同様とする。
本実施形態のd軸電流指令基準値演算部201は、変調度算出部21及びd軸電流指令制御器22からなる。変調度算出部21は、インバータ60の入力電圧であるコンデンサ電圧Vc、及び、dq軸電圧指令値Vd*、Vq*から算出した電圧指令ベクトルの振幅Vaに基づいて、コンデンサ電圧Vcに対する電圧指令振幅Vaの比である変調度modを算出する。変調度modはモータ80の回転数が高くなるほど大きくなる。d軸電流指令制御器22は、変調度算出部21が算出した変調度modに基づいて、d軸電流指令基準値Id_refを演算する。
電流指令値演算部30は、d軸電流指令基準値演算部201からのd軸電流指令基準値Id_ref、及びトルク指令値T*が入力され、これらの入力値に基づいて、d軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*を演算する。ここで、d軸電流は、モータ80の界磁成分の電流に対応する制御電流であり、q軸電流は、モータ80のトルク成分の電流に対応する制御電流である。電流指令値演算部30の詳細な構成については後述する。
減算器41は、電流指令値演算部30から指令されたd軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*と、3相2相変換部44からフィードバックされたd軸電流検出値Id及びq軸電流検出値Iqとの差分をそれぞれ算出する。
制御器42は、この差分をゼロに収束させるように電圧指令値Vd*、Vq*を演算する。制御器42は、例えば、PI(比例積分)制御演算等であって、比例ゲインと積分ゲインとに基づいて電圧指令値Vd*、Vq*を演算する。
2相3相変換部43は、回転位置演算部46が出力した電気角θに基づき、dq軸電圧指令値Vd*、Vq*をU相、V相、W相の3相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に変換する。
3相2相変換部44は、回転位置演算部46が出力した電気角θに基づき、電流検出器70が検出した3相の相電流検出値Iu、Iv、Iwをdq変換し、d軸電流検出値Id及びq軸電流検出値Iqを減算器41にフィードバックする。
回転位置演算部46は、回転位置センサ85のセンサ出力である回転位置検出信号Vx、Vyに基づいてモータ80の回転位置情報、具体的にはセンサ角θsを演算し、このセンサ角θsを極対数に基づいて電気角θに換算して出力する。回転位置演算部46が出力した電気角θは、2相3相変換部43及び3相2相変換部44において、逆dq変換、dq変換のための情報となる。
ところで、製造時におけるモータ80と回転位置センサ85との組み合わせに伴う個体毎の組み付け誤差等により、回転位置センサ85の回転位置検出信号は必ずしも真の回転位置を反映するとは限らない。そこで本実施形態では、個体毎に組み付け誤差等の初期誤差を補正するための記憶値Vxof、VxA、Vyof、VyA、θofがROM66に記憶されている。回転位置演算部46は、この記憶値を用いて回転位置センサ85の回転位置検出信号Vx、Vyを補正する。
さらに本実施形態のECU10は、記憶値に異常が発生する可能性を考慮し、記憶値異常判定部47を備える。記憶値異常判定部47は、記憶値が正常であるか否かを判定し、記憶値が正常であるときは正常フラグを出力し、記憶値が異常であるときは異常フラグを回転位置演算部46及び電流指令値演算部30に出力する。
以下の説明で、「フラグが正常/異常であるとき」とは、「記憶値が正常/異常であるとき」と同義である。
回転位置演算部46は、異常フラグを取得すると、記憶値に代えて、ROM66に記憶されたデフォルト値Vxdof、VxdA、Vydof、VydA、θdofを用いて回転位置検出信号Vx、Vyを補正する。上記の記憶値Vxof、VxA、Vyof、VyA、θof、及びデフォルト値Vxdof、VxdA、Vydof、VydA、θdofについて、詳細は後述する。
また、フラグが正常であるとき、及び、異常であるときの電流指令値演算部30の演算処理の構成については、この後、説明する。
次に、ECU10の作用、及び本発明の解決課題について図17〜図20を参照しつつ説明する。ECU10の制御部65は、トルク指令値T*、コンデンサ電圧Vc、及び、回転位置センサ85の検出信号Vx、Vyから得られたセンサ角θs等の情報に基づいてインバータ60への3相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*を生成し、モータ80への通電を制御する。特に本実施形態では、電流検出器70が検出した相電流Iu、Iv、Iwをdq軸電流Id、Iqに変換し、電流フィードバック制御が実行される。制御部65は、d軸電流Idを制御することでモータ80に流れる界磁成分の電流を制御し、q軸電流Iqを制御することでモータ80に流れるトルク成分の電流を制御する。
d軸電流Id及びq軸電流Iqは、図17(a)に示すように、dq軸座標上の電流ベクトルとして表される。+d軸を電流位相φの基準(φ=0[°])とすると、d軸成分の大きさが一定でq軸成分がゼロである電流ベクトルIdの電流位相は0[°]であり、q軸成分の大きさが一定でd軸成分がゼロである電流ベクトルIqの電流位相は90[°]である。また、破線円で示す電流振幅Iaは、下式(1)で表される。
Ia=√(Id2+Iq2) ・・・(1)
相電流としてU相電流を例に取り、dq軸電流ベクトルとU相電流Iuとの関係について17(b)に示す。電流振幅Iaを一定とし、電気角θ=0[°]のとき+d軸がU相軸と重なるとすると、U相電流は式(2.1)で表される。
Iu=Ia×cos(θ+φ) ・・・(2.1)
ここで、d軸成分一定(=Ia)、q軸成分ゼロで電流位相φ=0[°]のとき、式(2.2)のようになる。また、q軸成分一定(=Ia)、d軸成分ゼロで電流位相φ=90[°]のとき、式(2.3)のようになる。
Iu=√(2/3)×Ia×cos(θ) ・・・(2.2)
Iu=√(2/3)×Ia×cos(θ+90) ・・・(2.3)
次に、電流位相φと、モータ80が発生するトルクとの関係について図18〜図20を参照して説明する。一般に、モータのトルクTは式(3.1)により算出される。
T=p×ψ×Iq+p×(Ld−Lq)×Id×Iq ・・・(3.1)
記号は、以下のとおりである。
p:モータの極対数
Ld、Lq:d軸自己インダクタンス、q軸自己インダクタンス
ψ:永久磁石の電機子鎖交磁束
ここで、SPM同期モータでは、Ld=Lqであるため、式(3.1)の第2項が0となり、式(3.2)のように簡略化される。
T=p×ψ×Iq ・・・(3.2)
一方、IPM同期モータでは、Ld≠Lqであるため、式(3.1)が適用される。
SPM同期モータのトルク特性は、図18に破線で示す磁石トルクTmgに相当し、最大トルク位相φtm−SPMは90[°]である。
図19(b)に、SPM同期モータにてトルク一定となるdq軸電流Id、Iqの値を結んだ等トルク特性線を示す。式(3.2)よりトルクTはq軸電流Iqに比例することからわかるように、等トルク特性線Teq−S1、Teq−S2、Teq−S3は、d軸に平行な直線で表される。また、図19(b)にてq軸の正側にq軸に沿って表される領域[I]は、最小の電流で最大トルクが得られるように駆動される「最大トルク駆動領域」を示す。
一方、IPM同期モータのトルク特性は、図18に示すように、磁石トルクTmgと、1点鎖線で示すリラクタンストルクTrlとの合計トルクTsumとなる。図18では、IPM同期モータの最大トルク位相φtm−IPMは約105[°]で示されている。
図20(b)に示すように、IPM同期モータの等トルク特性線Teq−I1、Teq−I2、Teq−I3は、式(3.1)に基づき、右上がりの曲線で表される。また、最大トルク駆動領域[I]は、電流が大きくなるにつれてd軸の負側へ傾き、最大トルク位相φtm−IPMは電流の大きさに応じて変化する。図20(b)にて代表的な最大トルク位相φtm−IPMは、約105[°]に相当する。
また、モータ80の制御では、一般に最大トルク駆動領域を利用する最大トルク制御に加え、逆起電力が増加する高回転領域で界磁を弱める弱め界磁制御が併用される。そこで本実施形態では、上述したようにd軸電流指令基準値演算部201を備え、弱め界磁制御のための適正なd軸電流指令基準値Id_refを演算する。
図19(a)及び図20(a)に示すように、最大トルク制御と弱め界磁制御とは、トルクT−回転数N特性に応じて、SPM同期モータとIPM同期モータとで共通に選択される。概して低回転領域では、図19(a)及び図20(a)の最大トルク駆動領域[I]のdq軸電流Id、Iqを利用し、最小の電流で最大トルクが得られる最大トルク制御が実行される。一方、概して高回転領域では、図19(a)及び図20(a)の弱め界磁駆動領域[II]のdq軸電流Id、Iqを利用し、弱め界磁制御が実行される。
SPM同期モータ、IPM同期モータ共に、弱め界磁制御では、最大トルク制御に対しd軸電流Idの値を小さく設定する。すなわち、最大トルク制御に対し電流位相φを大きく設定する。
ところで、上記の制御は、演算に用いる情報が正確に取得されることを前提として実行されるものである。しかし、現実に製造される製品には諸々の誤差やばらつきが含まれ、その誤差によって重大な異常が発生することを防止するための配慮が必要となる。
本実施形態では、特に回転位置センサ85とモータ80との組み付け誤差等による回転位置検出信号の初期誤差に注目し、製造段階での初期誤差に基づいて個体毎に固有の記憶値をROM66に記憶する。回転位置演算部46は、その記憶値を用いて回転位置センサ85の検出信号Vx、Vyを補正してセンサ角θsを演算する。これにより、補正された適切な回転位置情報を用いた制御演算が実行される。
ところが、ROM66に記憶された記憶値が異常である場合には、適切な補正をすることができない。そこで本実施形態では、記憶値が異常である場合でも、少なくとも重大な異常の発生を防止することを目的とする。ここで、重大な異常として「トルクの正負の逆転」に注目する。トルクの正負が逆転すると、モータ80は、指令と異なる極性のトルクを発生することとなる。電動パワーステアリング装置においては、運転者の操舵方向と反対方向にアシストトルクを発生させることとなり、運転者に違和感を与えるおそれがあるため、このような事態を回避することが必要となる。
図18を参照すると、SPM同期モータ及びIPM同期モータのいずれにおいても、電流位相φが0[°]のときと180[°]のとき、トルクの正負が逆転する。言い換えれば、電流位相φが0[°]を超え180[°]未満の範囲では、トルクの大きさは変化するもののトルクの極性は同一に維持される。以下、トルクの極性が同一である電流位相φの範囲を「許容範囲」という。本実施形態は、電流位相φの許容範囲をできるだけ大きく確保することを課題とするものであり、その課題を解決する手段について以下説明する。
続いて、上記課題に対応するための電流指令値演算部30の詳細な構成について、SPM同期モータに適用される場合とIPM同期モータに適用される場合とに分け、図4〜図11の制御ブロック図、フローチャート等を参照して説明する。以下のフローチャートの説明で、記号「S」はステップを意味する。
本実施形態の電流指令値演算部30は、記憶値が異常であるとき、dq軸電流指令値Id*、Iq*について電流指令位相φの許容範囲をできるだけ大きく確保するものである。また、記憶値が正常であるとき、図19(a)、図20(a)の回転数N−トルクT特性図に従い、弱め界磁制御又は最大トルク制御を有効に実行するものである。
[SPM同期モータに適用される場合の電流指令値演算部の構成]
まず、SPM同期モータに適用される場合の電流指令値演算部30の詳細な構成について、図4〜図6を参照して説明する。
図4に示すように、電流指令値演算部30は、d軸電流指令値演算部31及びq軸電流指令値演算部32を有している。d軸電流指令値演算部31には、d軸電流指令基準値演算部201からのd軸電流基準値Id_ref、及び記憶値異常判定部47からのフラグが入力される。q軸電流指令値演算部32にはトルク指令値T*が入力される。
まず、記憶値が正常であるときの各部の作用を説明する。
図5のフローチャートに示すように、d軸電流指令値演算部31は、「フラグが正常であるか否か判断する」ステップ(S100)でYESと判断されたとき、S205にてd軸電流指令値Id*をd軸電流基準値Id_refと等しくする。つまり、d軸電流指令基準値Id_refをそのままd軸電流指令値Id*として採用する。
また図6に示すように、q軸電流指令値演算部32は、フラグと関係なく、S302にてトルク指令値T*に比例したq軸電流指令値Iq*を演算する。
その結果、記憶値が正常であるとき、d軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*は、d軸電流指令基準値Id_refによって、図19(b)の最大トルク駆動領域[I]及び弱め界磁駆動領域[II]のいずれにも設定され得る。すなわち、電流指令位相φは、90[°]から180[°]までの間となる。
次に、記憶値が異常であるとき、d軸電流指令値演算部31は、図5のS100でNOと判断され、S206にてd軸電流指令値Id*をゼロとする。q軸電流指令値Iq*については、記憶値が正常であるときと同様、S302にてトルク指令値T*に比例したq軸電流指令値Iq*を演算する。
その結果、記憶値が異常であるとき、d軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*は、図19(b)の最大トルク駆動領域[I]に設定され、電流指令位相φは90[°]となる。したがって、トルクの正負が逆転する電流位相0[°]及び180[°]から最も離れた電流指令位相φとなるため、回転位置誤差に対する許容範囲が最大となる。
[IPM同期モータに適用される場合の電流指令値演算部の構成]
次に、IPM同期モータに適用される場合の電流指令値演算部30の詳細な構成について、図7〜図11を参照して説明する。
図7に示すように、電流指令値演算部30は、d軸電流指令値Id*を演算するための第1マップ33及びMIN電流選択部34、並びに、q軸電流指令値Iq*を演算するための第2マップ35を有している。第1マップ33及び第2マップ35は、トルク指令値T*が入力される。MIN電流選択部34は、d軸電流指令基準値演算部201からのd軸電流指令基準値Id_ref、及び、第1マップ33が出力したd軸電流指令マップ値Id_mapが入力される。また、第1マップ33、MIN電流選択部34、及び第2マップ35には、いずれも記憶値異常判定部47からのフラグが入力される。
MIN電流選択部34は、特許請求の範囲に記載の「最小電流選択手段」に相当する。
まず、記憶値が正常であるときの各部の作用を説明する。ここでは、図9、図10、図11のフローチャートにおいて、「フラグが正常であるか否か判断する」ステップ(S100)でYESと判断されたときに移行するそれぞれのステップを参照する。
図8(a)に示すように、第1マップ33は、トルク指令値T*に応じた最大トルク位相となるように、トルク指令値T*とd軸電流指令値Id*との関係を規定したマップである。本実施形態では、図9のS201に示すように、トルク指令値T*に基づいてd軸電流指令マップ値Id_mapを決定する。
図8(b)に示すように、第2マップ35は、dq座標上の等トルク特性線で表されたマップである。トルク指令値T*に相当する等トルク特性線上で、d軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*の一方の値に基づいて他方の値が決定される。本実施形態では、図11のS301に示すように、トルク指令値T*及びd軸電流指令値Id*からq軸電流指令値Iq*を決定する。
MIN電流選択部34は、d軸電流指令基準値演算部202によって演算されたd軸電流指令基準値Id_refと、第1マップ33から得られたd軸電流指令マップ値Id_mapとが入力される。MIN電流選択部34は、入力された複数のd軸電流指令値のうち、最小のd軸電流指令値を選択する。
すなわち、図10においてマップ値Id_mapが基準値Id_refより小さい場合(S203:YES)は、マップ値Id_mapをd軸電流指令値Id*として採用する(S204)。基準値Id_refがマップ値Id_mapより小さい場合(S203:NO)は、基準値Id_refをd軸電流指令値Id*として採用する(S205)。
なお、他の実施形態では、MIN電流選択部に3つ以上のd軸電流指令値が入力され、そのうち最小のd軸電流指令値を選択してもよい。
d軸電流指令値Id*としてマップ値Id_mapが採用される場合には、d軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*は、図20(b)の最大トルク駆動領域[I]に設定され、電流指令位相φは約105[°]となる。
一方、d軸電流指令値Id*として基準値Id_refが採用される場合には、d軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*は、図20(b)の弱め界磁駆動領域[II]に設定され、電流指令位相φは約105[°]から180[°]までの間となる。
次に、記憶値が異常であるときの各部の作用を説明する。ここでは、図9、図10、図11のフローチャートにおいて、S100でNOと判断されたときに移行するそれぞれのステップを参照する。
第1マップ33は、図9のS202にて、マップを参照することなくd軸電流指令マップ値Id_mapをゼロとする。MIN電流選択部34は、図10のS206にて、基準値Id_refとマップ値Id_mapとを比較することなく、d軸電流指令値Id*をゼロとする。第2マップ35は、図11のS302にて、マップを参照せず、トルク指令値T*に比例したq軸電流指令値Iq*を演算する。
すなわち、記憶値が異常であるとき、SPM同期モータに適用される場合と同様の制御が実行される。このように、適用される同期モータがIPM型であるかSPM型であるかに関わらず、電流指令位相φは90[°]となる。したがって、トルクの正負が逆転する電流位相0[°]及び180[°]から最も離れた電流指令位相φとなるため、回転位置誤差に対する許容範囲が最大となる。
[回転位置演算部及び記憶値異常判定部の構成]
図1、図3に示すように、回転位置演算部46は、回転位置センサ85のセンサ出力である回転位置検出信号Vx、Vy、並びに、ROM66に記憶された個体毎に固有の一式の記憶値Vxof、VxA、Vyof、VyA、θof、及び一式のデフォルト値Vxdof、VxdA、Vydof、VydA、θdofを取得する。この回転位置演算部46による回転位置演算の構成について、図12、図13を参照して説明する。
図12(a)に示すように、回転位置検出信号は、cos信号Vx及びsin信号Vyからなる。cos信号Vx及びsin信号Vyの一周期は、センサ角360[°]に相当する。
個体毎に固有の記憶値は、製造段階における回転位置センサ85とモータ80との組み付け誤差等に起因する初期誤差を補正するための値である。記憶値Vxof、Vyofは、それぞれcos信号Vx及びsin信号Vyについての電圧オフセット補正値であり、記憶値VxA、VyAは、それぞれcos信号Vx及びsin信号Vyについての振幅補正比率である。記憶値θofは、cos信号Vx及びsin信号Vyについて共通のセンサ角オフセット補正値である。
初期誤差を含んだ製品において現実に検出された回転位置検出信号と、理想的な信号とのずれについて、cos信号Vxを例として説明する。図12(b)において、実線波形は現実に検出されたcos信号Vxを示し、破線波形は理想cos信号Vxiを示す。
理想cos信号Vxiは、電圧振幅中心が0[V]であって、センサ角90[°]で0、センサ角0[°]で最大、センサ角180[°]で最小となる。一方、現実のcos信号Vxは、理想cos信号Vxiに対し、電圧振幅中心についてVxofだけオフセットしており、センサ角θsについてθofだけオフセットしている。また、現実のcos信号Vxの電圧振幅を1としたときの理想cos信号Vxiの電圧振幅はVxAである。
sin信号Vyの初期誤差に関しては、電圧オフセット値Vyof及び振幅比率VyAについては、cos信号Vxと独立した値を取り、センサ角オフセット値θofについては、cos信号Vxと共通の値を取る。
このように、製造段階の初期検査において個体毎に現実の検出信号と理想的な信号とのずれが評価され、「電圧オフセット補正値Vxof、Vyof、振幅補正比率VxA、VyA、センサ角オフセット補正値θof」という5つの値からなる一式の記憶値としてROM66に記憶される。
以後、回転位置演算部46は、図13に示すフローチャートにしたがって、上記一式の記憶値が正常であればその記憶値を用い、上記一式の記憶値が異常であれば代わりにデフォルト値を用いて回転位置センサ85から取得したcos信号Vx及びsin信号Vyを補正する。
図13のS100では、記憶値異常判定部47の判定によるフラグが正常であるか否か判断する。記憶値が正常のとき(S100:YES)、S401にて式(4.1)、(4.2)により、電圧オフセット及び電圧振幅を補正したcos信号Vx’及びsin信号Vy’を算出する。
Vx’=(Vx−Vxof)×VxA・・・(4.1)
Vy’=(Vy−Vyof)×VyA・・・(4.2)
S402では、cos信号Vx’、sin信号Vy’及びセンサ角オフセット補正値θofに基づき、式(4.3)によりセンサ角θsを算出する。
θs=ATAN2(Vx’,Vy’)+θof・・・(4.3)
ここで、「θat=ATAN2(Vx’,Vy’)」とすると、θatは、Vx’及びVy’の範囲に応じて表1のように定義される。
Figure 0005751455
一方、記憶値が異常のとき(S100:NO)、S403、S404にて、デフォルト値Vxdof、VxdA、Vydof、VydA、θdofを用い、式(4.1)〜(4.3)と対応する数式により、センサ角θsdを算出する。
このデフォルト値は、母集団における個体間の記憶値のばらつきの中心値等の値に設定され、個体毎に固有の記憶値との差が所定範囲内に制限されている。言い換えれば、製造時の検査において記憶値とデフォルト値との差が所定範囲内に無い場合には、その個体は検査不合格として排除される。これにより、デフォルト値に基づくセンサ角θsdの値は、本来の記憶値に基づくセンサ角θsとの差が一定範囲内に抑えられる。
そして、回転位置演算部46は、記憶値に基づくセンサ角θs又はデフォルト値に基づくセンサ角θsdを、極対数に基づいて電気角θに換算して出力する。
次に、記憶値異常判定部47による記憶値の異常判定に係る構成について図14のフローチャートを参照して説明する。この構成では、記憶値Vxof、VxA、Vyof、VyA、θofのいずれかが所定の範囲外にあるとき、記憶値が異常であると判定する。
図14のS501において、各記憶値の記号末尾の「upth」は上限閾値を示し、「dnth」は下限閾値を示している。図14のS501では、記憶値Vxof、VxA、Vyof、VyA、θofについて、それぞれ下限閾値より大きく且つ上限閾値より小さいか否か、すなわち所定の範囲内にあるか否か判断する。記憶値Vxof、VxA、Vyof、VyA、θofがすべて所定の範囲内にあるときYESと判断し、S101にてフラグを正常とする。一方、記憶値Vxof、VxA、Vyof、VyA、θofのうち、いずれか1つでも所定の範囲外にあるときにはNOと判断し、S102にてフラグを異常とする。
(効果)
本実施形態のECU10の効果について説明する。
(1)回転位置演算部46は、ROM66に記憶された個体毎に固有の記憶値Vxof、VxA、Vyof、VyA、θofが正常であるとき、これらの記憶値を用いて回転位置センサ85の検出信号Vx、Vyを補正し、センサ角θsを演算する。そして、2相3相変換部43や3相2相変換部44は、補正された適切なセンサ角θsを換算した電気角θの値を用いて、逆dq変換やdq変換の制御演算を精度良く実行することができる。もちろん、指令と異なる極性のトルクが発生することを防止することができる。
(2)ECU10は、記憶値異常判定部47を備えることで、記憶値Vxof、VxA、Vyof、VyA、θofが正常であるか否か判定することができる。
記憶値が異常と判定された場合、回転位置演算部46は、記憶値に代えてデフォルト値Vxdof、VxdA、Vydof、VydA、θdofを用い、回転位置センサ85の検出信号Vx、Vyを補正し、センサ角θsdを演算する。このデフォルト値は、個体毎に固有の記憶値との差が所定範囲内に制限されているため、デフォルト値に基づくセンサ角θsdの値は、本来の記憶値に基づくセンサ角θsとの差が一定範囲内に抑えられる。
(3)電流指令値演算部30は、記憶値が異常であるとき、d軸電流指令値Id*をゼロとし、電流指令位相φを90[°]に固定する。これにより、電流指令位相φを、トルクの正負が反転する電流位相である0[°]及び180[°]から最大限に遠ざけ、許容範囲をできるだけ大きく確保することができる。よって、上記(2)によるデフォルト値を用いることと相俟って、固体毎の初期誤差により、指令と異なる極性のトルクが発生することを防止することができる。
(4)電流指令値演算部30は、記憶値が異常であるとき、トルク指令値T*に基づいてq軸電流指令値Iq*を算出するため、適切な大きさのトルクを発生させることができる。
なお、特開2002−325493号公報には、角度センサの取り付けに伴う角度ずれ量を記憶し、当該角度ずれ量に基づき角度センサの検出角度を補正するモータ制御装置が開示されている。しかしながら、角度ずれ量の記憶値が異常となった場合の処理については何ら言及されていない。それに対し、本実施形態では、記憶値が異常であるときに対応する特有の構成を備えることで、上記(3)、(4)の効果を奏することを特徴とする。
(5)電流指令値演算部30は、記憶値が正常であるとき、適用されるモータ80がSPM同期モータであるかIPM同期モータであるかによって、それぞれ、弱め界磁制御と最大トルク制御とを考慮しつつ、d軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*を演算する構成を変える。これにより、記憶値が正常であるとき、効率的にモータ80を駆動することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について図15を参照して説明する。第2実施形態では、制御部65のマイコン67におけるd軸電流指令基準値演算部の構成が図3の構成と異なる。
第2実施形態のd軸電流指令基準値演算部202は、コンデンサ電圧Vc、電気角速度算出部45にて電気角θから算出された電気角速度ω、及び3相2相変換部44にて算出されたq軸電流検出値Iqが入力される。d軸電流指令基準値演算部202は、コンデンサ電圧Vc、電気角速度ω及びq軸電流検出値Iqに基づき、d軸電流指令基準値マップ23を参照して、弱め界磁制御に適したd軸電流指令基準値Id_refを演算する。
このd軸電流指令基準値Id_refは電流指令値演算部30に入力され、以下、第1実施形態と同様にd軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*が演算される。電流指令値演算手段30は、SPM同期モータに適用される場合には図4に示す構成が採用され、IPM同期モータに適用される場合には、図7に示す構成が採用される。
例えば、IPM同期モータに適用される場合において記憶値が正常であるとき、d軸電流指令基準値演算部202にて演算された弱め界磁制御に適したd軸電流指令基準値Id_refと、トルク指令値T*に基づき第1マップ33を参照して得られた最大トルク特性を反映したd軸電流指令マップ値Id_mapとのうち、より小さい値をd軸電流指令値Id*として採用する。
一方、IPM同期モータに適用される場合において記憶値が異常であるとき、電流指令値演算部30は、d軸電流指令基準値Id_ref及びマップ値Id_mapのいずれも用いず、d軸電流指令値Id*をゼロとし、トルク指令値T*に基づいて第2マップ35を参照することでq軸電流指令値Iq*を演算する。これにより、第1実施形態の効果(1)〜(5)と同様の効果を奏する。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について図16のフローチャートを参照して説明する。第3実施形態では、記憶値異常判定部47による記憶値の異常判定について、図14に示した方法とは別の方法を用いて実行する。つまり、一式の記憶値Vxof、VxA、Vyof、VyA、θofを複数箇所の記憶領域に分けて記憶し、各記憶領域に記憶された記憶値が一致しなければ記憶値が異常であると判定する。
ここで、複数箇所の記憶領域は1つのROM66内に設定してもよく、別々のROMに設定してもよい。
図16は、各記憶値を3箇所の記憶領域に記憶する構成における異常判定方法を示す。図16のS502において、各記憶値の記号末尾の「1、2、3」は、その記憶値が第1、第2、第3記憶領域のどの記憶領域に記憶されたものであるかを示している。S502では、一式の記憶値Vxof、VxA、Vyof、VyA、θofのそれぞれについて、第1〜第3記憶領域の値がすべて同一であるときのみYESと判断し、S101にてフラグを正常とする。一方、一式の記憶値Vxof、VxA、Vyof、VyA、θofのうち、いずれか1つでも、第1〜第3記憶領域の値がすべて同一でないときにはNOと判断し、S102にてフラグを異常とする。
これに対し、例えば3領域の記憶値のうち少なくとも2領域の記憶値が一致した場合、フラグを異常とせずに、一致した値を真値として採用するようにしてもよい。
また、1箇所の記憶領域に記憶された記憶値を複数回繰り返して読み込み、読み込んだ値同士を比較して正常または異常を判定してもよい。
(その他の実施形態)
(ア)上記実施形態の電流指令値演算部30は、記憶値が異常のとき、d軸電流指令値id*をゼロとすることで、電流指令位相φを0[°]及び180[°]から最も遠ざけ、回転位置誤差に対する許容範囲を最大限に確保する。しかし、記憶値が異常のとき、必ずしもd軸電流指令値id*をゼロとしなくても、記憶値が正常のときの値よりもゼロに近づけるようにすることで、回転位置誤差に対する許容範囲を広げる方向に操作することができる。
(イ)制御部65によるモータ80の通電制御は、上記実施形態のように電流フィードバック制御に限らず、例えば電流指令値、電気角速度、及び機器定数等に基づくフィードフォワード制御によって実行してもよい。
(ウ)相電流を検出する電流検出素子の設置箇所は、上記実施形態の構成に限らない。また、電流フィードバック制御を採用しない場合、電流検出素子を設けなくてもよい。
(エ)インバータ60の具体的な構成は、上記図1の構成に限らない。例えばスイッチング素子は、MOSFET以外の電界効果トランジスタやIGBT等であってもよい。また、インバータ60の駆動方式はPWM制御に限らない。
(オ)弱め界磁制御においてモータの回転数を反映した量に応じてd軸電流指令基準値を演算する構成は、上記実施形態のように変調度mod又は電気角速度ωを取得するものに限らず、その他の量に基づいて演算する構成としてもよい。
(カ)本発明の回転電機制御装置の制御対象となる回転電機は、永久磁石同期型の電動機以外に、誘導電動機やその他の同期電動機であってもよく、或いは発電機であってもよい。また、回転電機が適用される装置は、電動パワーステアリング装置に限らない。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
10 ・・・ECU(回転電機制御装置)、
30 ・・・電流指令値演算部(電流指令値演算手段)、
46 ・・・回転位置演算部(回転位置演算手段)、
47 ・・・記憶値異常判定部(記憶値異常判定手段)、
60 ・・・インバータ(電力変換器)、
65 ・・・制御部、
66 ・・・ROM(記憶手段)、
80 ・・・モータ(交流回転電機)、
85 ・・・回転位置センサ(回転位置検出器)。

Claims (10)

  1. 入力された電力を変換し交流回転電機(80)に供給する電力変換器(60)と、前記交流回転電機の通電を制御する制御部(65)とを備える回転電機制御装置であって、
    前記制御部は、
    前記交流回転電機に通電される相電流を、界磁成分の電流に対応するd軸電流、及びトルク成分の電流に対応するq軸電流に変換して制御し、
    前記交流回転電機の回転位置を検出する回転位置検出器(85)と前記交流回転電機との組み合わせに伴う初期誤差に応じた個体毎に固有の記憶値、及び、当該記憶値との差が所定範囲内に制限されたデフォルト値を記憶する記憶手段(66)と、
    前記記憶手段に記憶された前記記憶値又は前記デフォルト値を用いて前記回転位置検出器の検出信号を補正し、回転位置情報を演算する回転位置演算手段(46)と、
    前記記憶値が正常であるか否かを判定する記憶値異常判定手段(47)と、
    前記交流回転電機のd軸流及q軸電流についての電流指令値を演算する電流指令値演算手段(30)と、
    を有し、
    前記デフォルト値として、前記交流回転電機及び前記回転位置検出器を組み合わせた個体の製造時の検査において、前記記憶値と前記デフォルト値との差が前記所定範囲内に無い個体が不合格として排除される値が設定されており、
    前記記憶値が正常であるとき、
    前記回転位置演算手段は、前記記憶値に基づいて前記回転位置検出器の検出信号を補正し、
    前記記憶値が異常であるとき、
    前記回転位置演算手段は、前記デフォルト値に基づいて前記回転位置検出器の検出信号を補正し、且つ、dq軸座標における電流ベクトルの位相を+d軸方向で0[°]、−d軸方向で180[°]と定義すると、前記電流指令値演算手段は、前記交流回転電機に通電する電流位相と、前記デフォルト値に前記所定範囲を加えた値との和が0[°]を超え180[°]未満の範囲となるように、電流指令値を演算することを特徴とする回転電機制御装置。
  2. 記電流指令値演算手段は、
    前記記憶値が異常であるとき、d軸電流指令値を前記記憶値が正常である場合よりもゼロに近づけることを特徴とする請求項1に記載の回転電機制御装置。
  3. 前記電流指令値演算手段は、
    前記記憶値が異常であるとき、d軸電流指令値をゼロとすることを特徴とする請求項2に記載の回転電機制御装置。
  4. リラクタンストルクを発生可能な永久磁石同期電動機に対して適用され、
    前記電流指令値演算手段は、
    dq座標上の電流指令ベクトルについて、「最小電流で最大トルクを発生させるようにd軸電流指令値及びq軸電流指令値を算出する演算」、及び、「d軸電流指令値をゼロとし、且つ、トルク指令値に基づいてq軸電流指令値を算出する演算」を実行可能であり、
    前記記憶値が正常であるとき、「最小電流で最大トルクを発生させるようにd軸電流指令値及びq軸電流指令値を算出する演算」により電流指令値を演算し、
    前記記憶値が異常であるとき、d軸電流指令値をゼロとし、且つ、トルク指令値に基づいてq軸電流指令値を算出する演算」に切り替えて電流指令値を演算することを特徴とする請求項3に記載の回転電機制御装置。
  5. 前記リラクタンストルクを発生可能な永久磁石同期電動機とは、埋込永久磁石同期電動機であることを特徴とする請求項4に記載の回転電機制御装置。
  6. 前記電流指令値演算手段は、
    前記記憶値が正常であるとき、dq座標上の電流指令ベクトルについて、最小電流で最大トルクを発生させるように、トルク指令値に対するd軸電流指令値の関係を規定した第1マップ(33)を参照してd軸電流指令値を演算し、且つ、トルク指令値及びd軸電流指令値に対するq軸電流指令値の関係を規定した第2マップ(35)を参照してq軸電流指令値を演算し、
    前記記憶値が異常であるとき、d軸電流指令値をゼロとし、且つ、トルク指令値に基づいてq軸電流指令値を演算することを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の回転電機制御装置。
  7. 前記電流指令値演算手段は、入力された複数のd軸電流指令値のうち、負の値であって最小のd軸電流指令値を選択する最小電流選択手段(34)を有し、
    前記最小d軸電流選択手段は、
    前記記憶値が正常であるときのd軸電流指令値の演算について、前記電力変換器に印加される電圧の変調度に基づいて弱め界磁制御をするように演算されたd軸電流指令基準値、及び、前記第1マップを参照して演算したd軸電流指令マップ値のうち、小さい方のd軸電流指令値を選択することを特徴とする請求項に記載の回転電機制御装置
  8. 前記電流指令値演算手段は、入力された複数のd軸電流指令値のうち、負の値であって最小のd軸電流指令値を選択する最小電流選択手段(34)を有し、
    前記最小d軸電流選択手段は、
    前記記憶値が正常であるときのd軸電流指令値の演算について、相電流検出値をdq変換して得られたq軸電流算出値と、前記回転電機の電気角速度とに基づいて弱め界磁制御をするように演算されたd軸電流指令基準値、及び、前記第1マップを参照して演算したd軸電流指令マップ値のうち、小さい方のd軸電流指令値を選択することを特徴とする請求項に記載の回転電機制御装置
  9. 前記記憶値異常判定手段は、前記記憶値が所定の範囲外にあるとき、前記記憶値が異常であると判定することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に回転電機制御装置。
  10. 前記記憶手段は、前記記憶値を複数の記憶領域に分けて記憶し、
    前記記憶値異常判定手段は、前記複数の記憶領域に分けて記憶した前記記憶値同士を比較することで前記記憶値が異常であるかどうか判定することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に回転電機制御装置。
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