JP5749507B2 - 片端閉塞型管状火炎バーナ - Google Patents
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前記燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を計測して、その計測した計測温度が予め設定した第1設定温度以上であると、前記燃焼室の管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気量を増加させる制御を行うように構成されている点にある。
図10は、燃料ガスの流量を一定とし、燃焼室に空気を供給する送風ファンの回転速度を低下させた場合において、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度、及び、空気比についての変化を示した実験結果である。実験1〜4では、燃料ガスの流量を11.4(L/min)の一定とし、送風ファンの回転速度を低下させた場合を示している。実験5〜8では、燃料ガスの流量を12(L/min)の一定とし、送風ファンの回転速度を低下させた場合を示している。実験9〜13では、燃料ガスの流量を11(L/min)の一定とし、送風ファンの回転速度を低下させた場合を示している。
この図10の表によれば、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度と空気比とを比較すると、実験1〜3、実験5〜7、実験9〜12では、温度が徐々に上昇しているとともに、空気比が徐々に低下している。そして、実験4、実験8、実験13において、温度が急激に上昇しているとともに、空気比が急激に低下している。これにより、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度と空気比との間には強い相関があることがわかる。そして、燃焼室の火炎が管軸方向の閉塞側端部に近接して位置している場合には、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度が急激に上昇するとともに、燃焼が振動(揺動)して燃焼室圧が上昇する結果、空気流量が減少して空気比が急激に低下していると言える。
したがって、図10の表の実験結果から、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度が急激に上昇している場合には、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部に近接しており、例えば、目視では火炎が閉塞側端部に接触しているように見える状態にあると言える。逆に、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度が急激に上昇していない場合には、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部から離れた位置(例えば、燃焼室の管軸方向で燃焼室の中央部よりも開放端側)となっていると言える。
そこで、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を計測して、その温度が急激に上昇しているか否かによって、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部に近接している状態にあるのか、或いは、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部から離れた位置(例えば、燃焼室の管軸方向で燃焼室の中央部よりも開放端側)となっている状態にあるのかを判別することができる。
本特徴構成によれば、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度が予め設定した第1設定温度以上であると、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部に近接している状態にあると判別して、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気量を増加させる制御を行っている。この制御を行うことで、火炎形成位置を、燃焼室の管軸方向で閉塞側端部に近接している状態から、燃焼室の管軸方向で閉塞側端部から離れた位置(例えば、燃焼室の管軸方向で燃焼室の中央部よりも開放端側)とすることができるので、燃焼振動に伴う燃焼騒音の発生を抑制することができるとともに、燃焼室における管軸方向の閉塞側端部(閉塞壁)での過熱による変形及び焼損を防止することができる。
本発明の片端閉塞型管状火炎バーナは、一端が閉塞され他端が開口された円筒状の燃焼室の管軸方向に沿って開口されたスリットから前記燃焼室内に向けて、前記燃焼室に燃料ガス及び空気を、燃料ガスと空気との混合気を、又は、燃料ガスと空気と燃料ガス及び空気の混合気を偏芯導入させて旋回燃焼させるものであって、その特徴構成は、前記燃焼室における管軸方向の閉塞側端部に、空気又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気を導入するように構成され、
前記燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を計測して、その計測した計測温度が予め設定した第2設定温度以上であると、前記燃焼室への燃料ガスの供給を停止して燃焼を停止させる制御を行うように構成されている点にある。
すなわち、燃焼室における管軸方向の閉塞側端部に、空気又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気を導入するものであるから、燃焼室における管軸方向の閉塞側端部近傍は空気又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気で覆われ、その閉塞側端部近傍には火炎が形成されないものとなる。また、導入した空気又は希薄混合気の全体としての燃焼室管軸方向の流れにより、管状火炎は燃焼室における管軸方向の開口部側に押し流され、閉塞側端部内面から一定の距離をおいて形成される。これらの効果によって、燃焼室における管軸方向の閉塞側端部(閉塞壁)は、過熱による変形及び焼損を防止できるものとなった。
従って、燃焼室の閉塞端側に閉塞側端部の過熱を防止するためのスペースを大きくとる必要がないものとなり、片端閉塞型管状火炎バーナの閉塞側端部(閉塞壁)の過熱による変形、焼損を防止すると共に、バーナをコンパクトに構成することができるものとなった。
また、上述の特徴構成で述べた如く、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度によって、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部に近接しているか或いは離れているかを判別することができる。そこで、本特徴構成によれば、燃焼振動に伴う燃焼騒音の発生を抑制するとともに、燃焼室における管軸方向の閉塞側端部(閉塞壁)での過熱による変形及び焼損を防止するために、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度が予め設定した第2設定温度以上であると、燃焼室への燃料ガスの供給を停止して燃焼を停止させる制御を行うようにしている。
本発明の片端閉塞型管状火炎バーナは、一端が閉塞され他端が開口された円筒状の燃焼室の管軸方向に沿って開口されたスリットから前記燃焼室内に向けて、前記燃焼室に燃料ガス及び空気を、燃料ガスと空気との混合気を、又は、燃料ガスと空気と燃料ガス及び空気の混合気を偏芯導入させて旋回燃焼させるものであって、その特徴構成は、前記燃焼室における管軸方向の閉塞側端部に、空気又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気を導入するように構成され、
前記燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を計測して、その計測した計測温度が予め設定した第3設定温度以上であると、前記燃焼室の管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気量を増加させ、その空気量又は希薄混合気量が上限値に達した場合に、前記燃焼室への燃料ガスの供給を停止して燃焼を停止させる制御を行うように構成されている点にある。
すなわち、燃焼室における管軸方向の閉塞側端部に、空気又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気を導入するものであるから、燃焼室における管軸方向の閉塞側端部近傍は空気又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気で覆われ、その閉塞側端部近傍には火炎が形成されないものとなる。また、導入した空気又は希薄混合気の全体としての燃焼室管軸方向の流れにより、管状火炎は燃焼室における管軸方向の開口部側に押し流され、閉塞側端部内面から一定の距離をおいて形成される。これらの効果によって、燃焼室における管軸方向の閉塞側端部(閉塞壁)は、過熱による変形及び焼損を防止できるものとなった。
従って、燃焼室の閉塞端側に閉塞側端部の過熱を防止するためのスペースを大きくとる必要がないものとなり、片端閉塞型管状火炎バーナの閉塞側端部(閉塞壁)の過熱による変形、焼損を防止すると共に、バーナをコンパクトに構成することができるものとなった。
また、上述の特徴構成で述べた如く、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度によって、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部に近接しているか或いは離れているかを判別することができる。そこで、本特徴構成によれば、燃焼振動に伴う燃焼騒音の発生を抑制するとともに、燃焼室における管軸方向の閉塞側端部(閉塞壁)での過熱による変形及び焼損を防止するために、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度が予め設定した第3設定温度以上であると、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気量を増加させる制御を行っている。更に、本特徴構成によれば、空気量又は希薄混合気量を増加させるだけでなく、その空気量又は希薄混合気量が上限値に達した場合でも、燃焼室への燃料ガスの供給を停止して燃焼を停止させる制御を行うことで、燃焼騒音の発生の抑制、及び、燃焼室における管軸方向の閉塞側端部での過熱による変形及び焼損を適切に防止することができる。
本発明の片端閉塞型管状火炎バーナは、一端が閉塞され他端が開口された円筒状の燃焼室の管軸方向に沿って開口されたスリットから前記燃焼室内に向けて、前記燃焼室に燃料ガス及び空気を、燃料ガスと空気との混合気を、又は、燃料ガスと空気と燃料ガス及び空気の混合気を偏芯導入させて旋回燃焼させるものであって、その特徴構成は、前記燃焼室における管軸方向の閉塞側端部に、空気又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気を導入するように構成され、
前記燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を計測して、その計測した計測温度が予め設定した設定範囲内になるように、前記燃焼室の管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気量を増減させる制御を行うように構成されている点にある。
すなわち、燃焼室における管軸方向の閉塞側端部に、空気又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気を導入するものであるから、燃焼室における管軸方向の閉塞側端部近傍は空気又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気で覆われ、その閉塞側端部近傍には火炎が形成されないものとなる。また、導入した空気又は希薄混合気の全体としての燃焼室管軸方向の流れにより、管状火炎は燃焼室における管軸方向の開口部側に押し流され、閉塞側端部内面から一定の距離をおいて形成される。これらの効果によって、燃焼室における管軸方向の閉塞側端部(閉塞壁)は、過熱による変形及び焼損を防止できるものとなった。
従って、燃焼室の閉塞端側に閉塞側端部の過熱を防止するためのスペースを大きくとる必要がないものとなり、片端閉塞型管状火炎バーナの閉塞側端部(閉塞壁)の過熱による変形、焼損を防止すると共に、バーナをコンパクトに構成することができるものとなった。
また、上述の特徴構成で述べた如く、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度によって、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部に近接しているか或いは離れているかを判別することができる。そこで、本特徴構成によれば、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度が予め設定した設定範囲内になるように、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気量を増減させる制御を行うことで、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部から離れている適切な状態に維持して、燃焼振動に伴う燃焼騒音の発生を抑制するとともに、燃焼室における管軸方向の閉塞側端部(閉塞壁)での過熱による変形及び焼損を防止することができる。すなわち、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部に近接している状態となると、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度が設定範囲よりも高くなるので、空気量又は希薄混合気量を増加させて、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を設定範囲内として、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部から離れている適切な状態とすることができる。逆に、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部から離れ過ぎると、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度が設定範囲よりも低くなるので、空気量又は希薄混合気量を減少させて、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を設定範囲内として、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部から離れている適切な状態とすることができる。
以上のように、燃焼室における管軸方向の開口部を縮径することあるいはそれに併用して燃焼室における管軸方向の開口部近傍に導入される空気の流量や混合気の濃度を設定することにより、燃焼室における管軸方向の閉塞側端部(閉塞壁)の過熱による変形、焼損を防止することと、安定的な管状火炎を形成することとの両立が可能となった。
〔第1実施形態〕
本発明に係る片端閉塞型管状火炎バーナ1は、図1〜図3に示すように、一端がエンドプレート40(閉塞壁)にて閉塞され、他端がフロントフランジ50に設けられた開口部にて開口された円筒状の燃焼室Nと、その円筒状の燃焼室Nの側面に管軸方向(図中Y方向)に沿って開口する空気用スリット22s及びガス用スリット32sとを備えている。そして、空気用スリット22sとガス用スリット32sとから燃焼室Nの側壁の接線方向に向けて、燃料ガスと空気とを各別に偏芯導入させて旋回燃焼させるように構成されている。
以下、管軸方向において、エンドプレート40が取付けられる端部側を閉塞端側、フロントフランジ50が取付けられる端部側を開放端側と称し、エンドプレート40で閉塞される端部を閉塞側端部と称する。
空気用スリット形成部材22は、図6に示すように、円筒状の燃焼室Nにおける周壁の1/4に対応する部分である周壁形成部分22aとそれ以外の直線状部分22bとを備えて構成されている。また、ガス用スリット形成部材32は、図5に示すように、円筒状の燃焼室Nにおける周壁の1/4に対応する部分である周壁形成部分32aとそれ以外の直線状部分32bとを備えて構成されている。そして、図3及び図4に示すように、対を成す各部材22、32が対向する状態で4つが組み合わされることによって、円筒状の燃焼室Nが形成されている。以下、空気用スリット形成部材22とガス用スリット形成部材32とを組み合せて燃焼室Nを形成した部材を、燃焼室形成部Mと称することがある。
また、図6に示すように、空気用スリット形成部材22における周壁形成部分22aの周壁外方側の面には、空気導入路となる凹部が設けられ、空気用スリット形成部材22における周壁形成部分22aの端部にはスリット形成凹部22cが設けられている。
スリット形成凹部22c及び32cは、図4に示すように空気用スリット形成部材22とガス用スリット形成部材32とを組み合せて燃焼室形成部Mを構成した際に、燃焼室Nとなる周壁面にその管軸方向に沿って開口する。すなわち、スリット形成凹部22cによって形成される開口が空気用スリット22sとなり、スリット形成凹部32cによって形成される開口がガス用スリット32sとなる。
尚、この隔壁22k又は32kは、空気用スリット22s又はガス用スリット32sから噴出する空気又は混合気を整流すると共に、後述するように、燃料ガス通路の一部を閉塞端及び開放端の冷却用の空気通路に利用する際に、燃料ガスと空気が混じり合うことを抑制するものである。
従って、ガスチャンバー30のガス導入空間に導入された燃料ガスは、ガスオリフィス31の3つの貫通孔31hを介して、ガス用スリット形成部材32の周壁形成部分32aの周壁外方側の面、ガスオリフィス31、及び、空気用スリット形成部材22の直線状部分22bに囲まれる空間32vに導入されることとなる。なお、上述のように、貫通孔31hはガスオリフィス31の管軸方向における中央部寄りに設けられるものであり、燃料ガスの分布は燃焼室Nの中央部が高濃度になるような分布を意図している。
従って、エアチャンバー20のガス導入空間に導入された空気は、エアオリフィス21に設けられた4つの貫通孔21hを介して、空気用スリット形成部材22の周壁形成部分22aの周壁外方側の面、エアオリフィス21、及び、ガス用スリット形成部材32の直線状部分32bに囲まれる空間22vに導入されることとなる。なお、上述のように、貫通孔21hはエアオリフィス21の管軸方向において均等に配置するように設けられるものであり、噴出する空気の量の分布は燃焼室Nの管軸方向に亘って均等となる。
図4に示すように、エアオリフィス21における空気用スリット形成部材22の直線状部分22b側には、ガス側貫通小孔21bが管軸方向における閉塞端側に位置し、ガス側貫通大孔21aが管軸方向における開放端側に位置するように穿設されている。そして、空気用スリット形成部材22には、その直線状部分22bにおいて、管軸方向に離間して2つの貫通孔22hが設けられている。この貫通孔22hは、エアオリフィス21のガス側貫通大孔21aとガス側貫通小孔21bとに夫々連通する位置に設けられている。尚、貫通孔22hの穴径は、夫々ガス側貫通大孔21a及びガス側貫通小孔21bの穴径と略同じ又は若干大きく形成されている。
この第2実施形態は、上記第1実施形態において、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部での過熱を防止するとともに、燃焼騒音の抑制を図るための制御を行う構成を追加した実施形態である。図7〜図9に基づいて、追加する構成を中心に説明し、その他の構成については、上記第1実施形態と同様であるので、その説明は省略する。図7は、上記第1実施形態の図4と同様に、第2実施形態における管状火炎バーナの組立斜視図であり、図8は、上記第1実施形態の図2と同様に、第2実施形態における管状火炎バーナの縦断面図であり、図9は、第2実施形態における管状火炎バーナの概略構成を示す横断面での模式図である。
それに対して、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度と空気比とを比較すると、実験1〜3、実験5〜7、実験9〜12では、温度が徐々に上昇しているとともに、空気比も徐々に低下している。そして、実験4、実験8、実験13において、温度が急激に上昇しているとともに、空気比も急激に低下している。これにより、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度と空気比との間には強い相関があることがわかる。そして、燃焼室の火炎が管軸方向の閉塞側端部に近接して位置している場合には、燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度が急激に上昇するとともに、燃焼が振動(揺動)して燃焼室圧が上昇する結果、空気流量が減少して空気比が急激に低下している。
したがって、熱電対62によって、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を計測して、その温度が急激に上昇しているか否かによって、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部に近接している状態にあるのか、或いは、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部から離れた位置(例えば、燃焼室の管軸方向で燃焼室の中央部よりも開放端側)となっている状態にあるのかを判別することができる。
燃料ガス断続手段64は、ガスチャンバー30に供給する燃料ガスを断続自在に構成されており、例えば、ガスチャンバー30に燃料ガスを供給する供給管を開閉自在な開閉弁によって、燃料ガス断続手段64を構成することができる。例えば、送風ファンの回転速度を調整してエアチャンバー20への空気の供給量を増加させている場合には、制御手段65が、その送風ファンの回転速度が上限値に達すると、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部に供給する空気量が上限値に達したと判別して、開閉弁を閉弁してガスチャンバー30への燃料ガスの供給を停止することで、燃焼を停止させている。
この第3実施形態は、上記第2実施形態において、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部での過熱を防止するとともに、燃焼騒音の抑制を図るための制御についての別実施形態である。その他の構成については、上記第1及び第2実施形態と同様であるので、制御の異なる点のみ説明する。
それに対して、この第3実施形態では、図11に示すように、空気供給量調整手段63、及び、制御手段65を備えて、熱電対62によって、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を計測して、その計測した計測温度が予め設定した設定範囲内となるように、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量を増減させる制御を行うように構成されている。ここで、設定範囲については、実験等により、火炎形成位置が燃焼室の管軸方向で閉塞側端部から離れた位置(例えば、燃焼室の管軸方向で燃焼室の中央部よりも開放端側)となっている状態にあると判別できる温度範囲に設定することができ、例えば、250〜300℃の範囲に設定することができる。
次に、本発明の管状火炎バーナの別実施形態を説明する。
(イ)上記第1〜第3実施形態では、燃焼室Nの閉塞端側に空気を導入するために、エアオリフィス21にガス側貫通小孔20bを設ける構成としたが、このような構成に限定されるものではなく、図12に示すように、ガス側貫通小孔20bに加えて、4つの貫通孔21hの更に閉塞端側に別途貫通孔21cを設ける構成としてもよい。
また、エアオリフィス21のガス側貫通小孔20bを設けず、貫通孔21cを設ける構成としてもよい。
さらに、上記の構成に代えて、エンドプレート40や第1エンドプレート60に導入孔を設け、その導入孔より所定量の空気又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気を、管軸方向の閉塞端側に向けて導入することも可能である。
ここで、燃焼限界濃度以下の希薄混合気を燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部に導入する場合には、第2及び第3実施形態では、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量に代えて、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部に導入する希薄混合気量を調整することになる。
さらに、上記構成に限定されるものではなく、空気、燃料ガス、及びそれらの混合気を各別に燃焼室Nに偏芯導入させて旋回燃焼させるように構成してもよい。この場合には、燃焼室Nにおける管軸方向の閉塞側端部に空気又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気を導入するように構成し、加えて、燃焼室Nの管軸方向の開口部50h近傍に導入される空気の単位面積当りの流量を、それよりも管軸方向の閉塞端側において燃焼室Nに導入する空気の単位面積当りの平均空気流量よりも大きくする、又は、燃焼室Nの管軸方向の開口部50h近傍に導入される混合気の濃度を燃焼室Nに導入する混合気の平均混合気濃度よりも低くなるように設定する。
すなわち、熱電対62によって、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を計測して、その計測した計測温度が予め設定した第1設定温度以上であると、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量を増加させる制御を行うように構成することができる。ここで、第1設定温度については、上述の第3設定温度と同じ温度、又は、異なる温度とすることができる。
或いは、熱電対62によって、燃焼室Nの管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を計測して、その計測した計測温度が予め設定した第2設定温度以上であると、燃焼室Nへの燃料ガスの供給を停止して燃焼を停止させる制御を行うように構成することもできる。ここで、第2設定温度については、上述の第3設定温度と同じ温度、又は、異なる温度とすることができる。
本発明によれば、片端閉塞型管状火炎バーナ全体を低温に保つことができるので、燃焼機器の筐体内部に電子部品等と共存させながらコンパクトに実装可能であり、業務用や家庭用の燃焼機器への適用に利用価値の高いものである。
20a 空気供給用開口
21 エアオリフィス
21a ガス側貫通大孔
21b ガス側貫通小孔
21h 貫通孔
22 空気用スリット形成部材
22h 貫通孔
22s 空気用スリット
32 ガス用スリット形成部材
32s ガス用スリット
40 エンドプレート
50 フロントフランジ
50h 開口部
Claims (8)
- 一端が閉塞され他端が開口された円筒状の燃焼室の管軸方向に沿って開口されたスリットから前記燃焼室内に向けて、前記燃焼室に燃料ガス及び空気を、燃料ガスと空気との混合気を、又は、燃料ガスと空気と燃料ガス及び空気の混合気を偏芯導入させて旋回燃焼させる片端閉塞型管状火炎バーナであって、
前記燃焼室における管軸方向の閉塞側端部に、空気又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気を導入するように構成され、
前記燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を計測して、その計測した計測温度が予め設定した第1設定温度以上であると、前記燃焼室の管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気量を増加させる制御を行うように構成されている片端閉塞型管状火炎バーナ。 - 一端が閉塞され他端が開口された円筒状の燃焼室の管軸方向に沿って開口されたスリットから前記燃焼室内に向けて、前記燃焼室に燃料ガス及び空気を、燃料ガスと空気との混合気を、又は、燃料ガスと空気と燃料ガス及び空気の混合気を偏芯導入させて旋回燃焼させる片端閉塞型管状火炎バーナであって、
前記燃焼室における管軸方向の閉塞側端部に、空気又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気を導入するように構成され、
前記燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を計測して、その計測した計測温度が予め設定した第2設定温度以上であると、前記燃焼室への燃料ガスの供給を停止して燃焼を停止させる制御を行うように構成されている片端閉塞型管状火炎バーナ。 - 一端が閉塞され他端が開口された円筒状の燃焼室の管軸方向に沿って開口されたスリットから前記燃焼室内に向けて、前記燃焼室に燃料ガス及び空気を、燃料ガスと空気との混合気を、又は、燃料ガスと空気と燃料ガス及び空気の混合気を偏芯導入させて旋回燃焼させる片端閉塞型管状火炎バーナであって、
前記燃焼室における管軸方向の閉塞側端部に、空気又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気を導入するように構成され、
前記燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を計測して、その計測した計測温度が予め設定した第3設定温度以上であると、前記燃焼室の管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気量を増加させ、その空気量又は希薄混合気量が上限値に達した場合に、前記燃焼室への燃料ガスの供給を停止して燃焼を停止させる制御を行うように構成されている片端閉塞型管状火炎バーナ。 - 一端が閉塞され他端が開口された円筒状の燃焼室の管軸方向に沿って開口されたスリットから前記燃焼室内に向けて、前記燃焼室に燃料ガス及び空気を、燃料ガスと空気との混合気を、又は、燃料ガスと空気と燃料ガス及び空気の混合気を偏芯導入させて旋回燃焼させる片端閉塞型管状火炎バーナであって、
前記燃焼室における管軸方向の閉塞側端部に、空気又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気を導入するように構成され、
前記燃焼室の管軸方向の閉塞側端部近傍での温度を計測して、その計測した計測温度が予め設定した設定範囲内になるように、前記燃焼室の管軸方向の閉塞側端部に導入する空気量又は燃焼限界濃度以下の希薄混合気量を増減させる制御を行うように構成されている片端閉塞型管状火炎バーナ。 - 前記閉塞側端部に導入する前記空気又は前記希薄混合気を、前記旋回燃焼の旋回方向と同一方向に導入する請求項1〜4の何れか一項に記載の片端閉塞型管状火炎バーナ。
- 前記燃焼室における管軸方向の開口部近傍に導入される前記空気の単位面積当りの流量が、それよりも管軸方向の閉塞端側において前記燃焼室に導入する空気の単位面積当りの平均空気流量よりも大きく、又は、前記燃焼室における管軸方向の開口部近傍に導入される混合気の濃度が、前記燃焼室に導入する混合気の平均混合気濃度よりも低くなるように設定されている請求項1〜5の何れか一項に記載の片端閉塞型管状火炎バーナ。
- 前記燃焼室の開口部の面積が前記燃焼室の断面視における面積よりも小である請求項1〜6の何れか一項に記載の片端閉塞型管状火炎バーナ。
- 前記スリットにて前記燃焼室に偏芯導入される空気の導入範囲の上流側端部が、前記スリットにて前記燃焼室に偏芯導入される燃料ガスの導入範囲の上流側端部よりも燃焼室の管軸方向の上流側となるように設定されている請求項1〜7の何れか一項に記載の片端閉塞型管状火炎バーナ。
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