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JP5746115B2 - 回転電機 - Google Patents

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Description

この発明は、ブラシに回転しつつ接触する電気接続部を備える回転電機に関する。
回転電機では、その回転する整流子、スリップリング等の電気接続部に、外部のインバータ、バッテリ等の電気機器と電気的に接続されたブラシを接触させることによって、外部との間で電力の需給が行われる。ブラシは、電流が流れることによって発熱するほか、回転子と共に回転する電気接続部に対して押圧されて電気接続部と摺動しつつ接触状態を維持するため、摩擦によっても発熱する。しかしながら、ブラシは、その温度が所定の温度以上に上昇すると、耐摩耗性が急激に大きく低下して摩耗量が劇的に増加するため、耐久性が著しく低下する。また、ブラシは、電気接続部と摺動しつつ接触することで摩耗して摩耗粉を発生するが、この摩耗粉がブラシの近傍に堆積してブラシと電気接続部との間にはまり込むと、ブラシの異常摩耗が発生し、耐久性が著しく低下する。このため、ブラシの温度上昇を抑制する技術や、ブラシの摩耗粉の堆積を抑制する技術が提案されている。
例えば特許文献1には、交流発電機のスリップリングを冷却する発明が記載されている。このスリップリングは、交流発電機のロータのシャフトに固定された円柱状の強度部材と、強度部材の外周面に軸方向に間隔をあけて並んで取り付けられた2つの金属リングとを有している。そして、2つのブラシが、2つの金属リングにそれぞれ接触し、それによりロータの界磁コイルに電流が通される。また、金属リング同士の間における強度部材の外周面には、外周面から反対側の外周面へ強度部材を貫通する貫通穴が形成されている。つまり、貫通穴は、強度部材の軸方向に垂直な方向に延びて強度部材を貫通している。ロータと共にスリップリングの強度部材が回転すると、貫通穴の両端の開口で生じる動圧の差によって、貫通穴及び強度部材の周囲を通るように流れる空気の流れが発生する。この空気の流れによって、スリップリングの金属リング及びブラシが冷却される。
また、特許文献2には、回転電機のスリップリングからブラシの摩耗粉を除去する発明が記載されている。この回転電機は、三相ロータコイルをもつ回転子が連結された回転軸を有している。回転軸の外周部には、筒状をした樹脂製の樹脂筒部が嵌めつけられて固定され、さらに、樹脂筒部の外周には、軸方向に所定の間隔をあけた3つのスリップリングが取り付けられている。そして、3つのブラシがそれぞれ、3つのスリップリングに接触する。さらに、スリップリング同士の間における樹脂筒部の表面には、樹脂筒部の周方向及び軸方向に斜めに延びる突起が、周方向へ所定のピッチを隔てて多数形成されている。よって、回転子と共に回転軸が回転すると、同様に樹脂筒部と共に回転する突起が、周囲の空気に対して、樹脂筒部の周りを旋回させつつ軸方向の一方向に流れる流れを発生させる。この空気の流れによって、ブラシの摩耗粉が吹き飛ばされる。
特開平2−26250号公報 特開2001−69726号公報
しかしながら、特許文献1に記載される発明では、ブラシに接触する金属リングよりも径方向に小さい強度部材上において空気の流れを発生させ、特許文献2に記載される発明では、ブラシに接触するスリップリングよりも径方向に小さい樹脂筒部上において空気の流れを発生させている。このため、特許文献1及び2のいずれにおいても、ブラシの周辺では、空気の流れが弱くなり、ブラシの冷却効率及びブラシの摩耗粉の除去効率が低くなるという問題がある。
この発明は上記のような問題を解決するためになされたものであり、回転する電気接続部に接触するブラシの冷却効率及びブラシから発生する摩耗粉の除去効率を向上させることを可能にする回転電機を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、この発明に係る回転電機は、回転可能な回転シャフトと、回転シャフトと共に回転し且つ回転しつつブラシと接触する外周面を有する電気接続部とを備え、外周面は、電気接続部の回転中心軸の周りで周方向に延在し、外周面は、電気接続部の回転時にブラシと接触する接触領域と、電気接続部の回転時及び非回転時に関わらずブラシと接触しない非接触領域とを含み、電気接続部は、接触領域で開口すると共に、電気接続部とブラシとの接触によって発生する摩耗粉を回収する第一開口部と、非接触領域に設けられた突起とを有し、突起は、電気接続部の回転方向と反対の方向に向かって外周面から突出する
第一開口部は、外周面の周方向に沿って複数設けられ、複数の第一開口部は、回転シャフトの軸方向での位置が異なる第一開口部を含んでもよい。
さらに、外周面の周方向で隣り合う第一開口部は互いに、回転シャフトの軸方向での位置が異なっていてもよい。
また、電気接続部は、回転シャフトの軸方向に向かって面する側面に第二開口部を有し、第二開口部は、第一開口部に連通してもよい。
さらに、第二開口部は、電気接続部を回転シャフトの軸方向に貫通する穴を形成してもよい。
また、第一開口部は、外周面の周方向に沿って複数設けられると共に回転シャフトの軸方向に沿って複数設けられ、接触領域には、回転シャフトの軸方向に沿って並ぶ第一開口部による複数の列が近接して配置された少なくとも1つの開口部群が形成されてもよい。
第一開口部は、外周面に対するブラシの接触面積よりも小さい面積で開口すると共に、外周面から回転シャフト側に向かって延在する穴であってもよい。
また、第一開口部及び第二開口部は、一体となって回転シャフトの軸方向に延び且つ外周面で開口する溝を形成してもよい。
さらに、溝は、回転シャフト側に向かって窪んでいると共に、外周面における周方向での開口幅が、外周面に対するブラシの接触面の周方向の幅よりも狭くなっていてもよい。
また、突起は、外周面の周方向に沿って複数設けられてもよい
この発明に係る回転電機によれば、回転する電気接続部に接触するブラシの冷却効率及びブラシから発生する摩耗粉の除去効率を向上させることが可能になる。
この発明の実施の形態1に係る回転電機の構成を示す模式断面側面図である。 図1のII−II線に沿った断面図である。 図2のIII−III線に沿った断面図であり、スリップリングの平面図を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機のスリップリング及びその周辺の構成を図2と同様にして示す断面図である。 図4のV−V線に沿った断面図であり、スリップリングの平面図を示す図である。 この発明の実施の形態3に係る回転電機のスリップリング及びその周辺の構成を図2と同様にして示す断面図である。 図6のVII−VII線に沿った断面図であり、スリップリングの平面図を示す図である。
以下、この発明の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
まず、図1〜図3を用いて、この発明の実施の形態1に係る回転電機1の構成を説明する。
図1を参照すると、回転電機1は、そのハウジング2内に、金属製の回転シャフト10、円筒状の第一ロータ11、円筒状の第二ロータ12、及び円筒状のステータ13を有し、ダブルロータ型の回転電機を構成している。
回転シャフト10は、その両端でハウジング2を貫通して外部に延び、ベアリングを介してハウジング2によって回転自在に支持されている。回転シャフト10の一方の端部は、図示しない動力に機械的に連結され、他方の端部には、回転電機1の外部と電力の需給を行うためのスリップリング機構100が取り付けられている。スリップリング機構100は、回転シャフト10と一体に回転するように構成されている。
第一ロータ11は、回転シャフト10の外周面10aを囲むようにして設けられ、回転シャフト10と一体に回転する。第一ロータ11は、その内部に、周方向に沿って配置された図示しないコイルを有している。
第二ロータ12は、第一ロータ11の径方向外側周囲を囲むようにして設けられ、略円筒状の第二ロータブラケット12aによって支持されている。第二ロータ12及び第二ロータブラケット12aは一体となって、回転シャフト10の外周面10aによって相対回転可能に支持される。第二ロータ12は、その内部に、周方向に沿って配置された永久磁石12bを有している。
ステータ13は、第二ロータ12の径方向外側周囲を囲むようにして設けられ、ハウジング2に固定されている。ステータ13は、その内部に、周方向に沿って配置された図示しないコイルを有している。
回転シャフト10では、ハウジング2から突出する端部10bから軸方向に沿って形成された凹部10c内に、導電性をもつ3つのバスバー21が挿入されている。
各バスバー21は、回転シャフト10の外周面10aの3つの端子穴10dに挿入され且つ回転シャフト10に対して電気的に絶縁された導電性のある接続端子22の1つ、及びこの接続端子22に接続されたリード23を介して第一ロータ11のコイルと電気的に接続されている。さらに、各バスバー21は、回転シャフト10の凹部10c内に充填された絶縁材料である樹脂24によって、他のバスバー21及び回転シャフト10と電気的に絶縁されている。
スリップリング機構100は、回転シャフト10の外周面10aの周囲に取り付けられている。スリップリング機構100は、電気的な絶縁性を有する3つの円環板状の絶縁板101、102及び103と、金属製で導電性を有する3つの円筒状のスリップリング110、120及び130とを、外周面10aの周りにはめ込むようにして回転シャフト10の軸方向に交互に積層した構造を有している。さらに、スリップリング機構100は、電気的な絶縁性を有する円環板状の端部絶縁板104を回転シャフト10の端部10bに有している。絶縁板101、102及び103、スリップリング110、120及び130、並びに端部絶縁板104はそれぞれ、互いに同一の外径で形成されており、全てが一体となって回転シャフト10と共に回転するように回転シャフト10に固定されている。ここで、スリップリング110、120及び130は、電気接続部を構成している。
絶縁板101が、ハウジング2の近傍で回転シャフト10の外周面10aに嵌合して配置され、さらに、この絶縁板101に隣接して、スリップリング110、120及び130と絶縁板102及び103とが交互に配置されている。絶縁板101、102及び103は、スリップリング110とハウジング2との間、並びに、スリップリング110、120及び130同士の間を電気的に絶縁する。
また、ハウジング2と反対側の端に位置するスリップリング130に隣接して、端部絶縁板104が配置されている。そして、端部絶縁板104を貫通して突出するバスバー21それぞれの端部に形成された雄ねじ21aに、ナット25が締結され、それにより、積層された端部絶縁板104、スリップリング110、120及び130、並びに絶縁板101、102及び103が回転シャフト10に固定される。
このとき、絶縁板101、102及び103、スリップリング110、120及び130、並びに端部絶縁板104は、それぞれの中心軸を回転シャフト10の回転中心軸である中心軸C(図2参照)と同一にしている。
また、各スリップリング110、120及び130は、これと回転シャフト10の外周面10aとの間に設けられた電気的絶縁材料からなる円筒状の絶縁リング140(図2参照)によって、回転シャフト10と電気的に絶縁されている。さらに、スリップリング110、120及び130はそれぞれ、導電性を有するが周囲が電気的に絶縁された接続バー150(図2参照)によって、互いに異なる1つのバスバー21と電気的に接続されている。
また、スリップリング機構100の周囲を囲むようにして有底円筒状のカバー3が設けられ、ハウジング2に固定されている。
カバー3の円筒状の内周面3aには、スリップリング機構100のスリップリング110、120及び130それぞれの周面に対向する位置に、ブラシ装置105、106及び107が設けられ固定されている。ブラシ装置105、106及び107はそれぞれ、そのブラシをスリップリング110、120及び130に接触させている。また、図2に示されるブラシ装置105のように、ブラシ装置105、106及び107はそれぞれ、内周面3aの周方向に沿って等間隔に3つずつ設けられ、いずれも同じ構造である。
また、カバー3の内部は、中心軸C(図2参照)方向でブラシ装置105、106又は107に対向するようにカバー3に形成されたカバー貫通穴3bを介して、外部に連通し、中心軸C方向でブラシ装置105、106又は107に対向するようにハウジング2に形成されたハウジング貫通穴2aを介して、ハウジング2の内部に連通する。
図1及び図2をあわせて参照すると、ブラシ装置105は、第一ブラシ装置105a、第二ブラシ装置105b及び第三ブラシ装置105cによって構成されている。
第一、第二及び第三ブラシ装置105a、105b及び105cはそれぞれ、カバー3に固定され且つ挿入穴105ac、105bc及び105ccを有するブラシ保持部105ab、105bb及び105cbと、ブラシ保持部の挿入穴にスライド可能に挿入されたブラシ105aa、105ba及び105caとによって構成されている。ブラシ105aa、105ba及び105caはそれぞれ、スリップリング110の径方向にスライド可能であり、図示しない付勢部材によってスリップリング110の周面に押し付けられている。さらに、ブラシ105aa、105ba及び105caはそれぞれ、図示しないリードによって外部のインバータ、バッテリ等の電気機器と電気的に接続されている。
また、第一ブラシ装置105a、第二ブラシ装置105b及び第三ブラシ装置105cは、回転シャフト10の周方向に等間隔に配置され、中心軸Cを中心とした中心角120°の回転対称の関係となっている。
ブラシ装置106及び107もそれぞれ、中心軸Cを中心とした中心角120°の回転対称の関係でカバー3に固定された3つのブラシ装置によって構成され、各ブラシ装置は、ブラシ保持部及びブラシによって構成されている。さらに、ブラシ装置105〜107のすべてのブラシ装置は、中心軸Cに沿う方向に見たとき、互いに重ならないように、中心軸Cを中心とする円周の周方向にずらして配置されている。そして、ブラシ装置105〜107のブラシから、スリップリング110〜130、さらにはバスバー21を介して、回転電機1の第一ロータ11のコイルに三相交流電流が供給される。
さらに、スリップリング110の詳細な構成を説明する。
スリップリング110の断面を示す図2と、図2においてスリップリング110を円筒の側方からみた平面図を示す図3とをあわせて参照すると、スリップリング110は、回転シャフト10の外周面10aに固定された金属製で円筒状の本体111を有している。本体111は、回転シャフト10と共に、方向P(図2の紙面上では反時計回りの方向)に回転する。そして、本体111の円筒状の外周面111aには、ブラシ装置105のブラシ105aa〜105caが接触している。
このため、本体111と共に回転する外周面111aには、回転時にブラシ105aa〜105caと接触する接触領域111aaと、回転時及び非回転時に関わらずブラシ105aa〜105caと接触しない非接触領域111abとに区画される。
図3に示すように、外周面111aにおいて、接触領域111aaは、中心軸Cに沿う方向で中央に、周方向に沿って帯状に形成され、非接触領域111abは、中心軸Cに沿う方向で接触領域111aaの両側の2つのエリアにそれぞれ、周方向に沿って帯状に形成される。
外周面111aの接触領域111aaには、周方向に沿って一定の間隔をあけて複数の穴113が形成されている。穴113は、中心軸Cに沿う方向には1つずつ形成されている。さらに、穴113は、円形断面を有して回転シャフト10に向かって延び、外周面111aに対するブラシ105aa〜105caの接触面よりも小さい面積で外周面111aに開口している。ここで、穴113は、第一開口部を構成している。
複数の穴113は、中心軸Cに沿う方向の位置をずらして配置されている。つまり、複数の穴113は、本実施の形態1では中心軸Cに沿う方向で3つの異なる位置に配置された第一穴113a、第二穴113b及び第三穴113cによって構成されている。第一穴113a、第二穴113b及び第三穴113cはそれぞれ同じ数量で複数形成され、各穴は、外周面111aの周方向に沿って第一穴113a、第二穴113b、第三穴113c、及び第一穴113aの順で配置されている。よって、外周面111aの周方向で隣り合う穴113は、互いに中心軸C方向の位置がずれている。
さらに、第一穴113a、第二穴113b及び第三穴113cそれぞれが接触領域111aaにおいて中心軸C方向に占める幅領域同士は、互いにラップしている。そして、第一穴113a、第二穴113b及び第三穴113cが中心軸C方向に占める幅領域の全体は、接触領域111aaの中心軸C方向の幅全体にわたる。よって、本体111を方向Pに回転させたとき、ブラシ105aa〜105caそれぞれでは、外周面111aとの接触面が、その全領域にわたって穴113と略均等に接触する。
また、本体111において、各穴113の回転シャフト10側の内部には、中心軸Cに沿う方向に面する両側面111b及び111cにわたって本体111を貫通する貫通穴114が形成されている。貫通穴114は、各穴113に対して1つ形成され、対応する穴113に連通する。ここで、貫通穴114は、第二開口部を構成している。
また、外周面111aの各非接触領域111abには、本体111の周方向に沿って一定の間隔をあけて複数の突起112が一体に形成されている。各突起112は、接触領域111aaに隣接して配置され、そして、その突出先端112aを本体111の回転方向Pと反対方向であり且つ外周面111aから離れる方向に向けて、突出させている。つまり、各突起112は、外周面111aに対して同じ方向に突出している。
なお、本実施の形態1のように金属製の本体111の場合、突起112は、外周面111aに対して回転方向Pに向かって切り込みをいれ、切り込み部を外周面111aから離れる方向に引き起こすことによって、形成されることが可能である。また、突起112は、成形時に本体111と共に形成されてもよい。
また、スリップリング120及び130も、スリップリング110と同様の構成を有している。
図1を参照すると、スリップリング120の貫通穴124及びスリップリング130の貫通穴134はそれぞれ、回転シャフト10の中心軸C(図2参照)に沿う方向で見たとき、スリップリング110の貫通穴114と同一の位置及び断面形状となるように形成されている。
さらに、絶縁板101、102及び103並びに端部絶縁板104にもそれぞれ、回転シャフト10の中心軸C(図2参照)に沿う方向にこれらを貫通する複数の貫通穴101a、102a、103a及び104aが形成されている。貫通穴101a〜104aもそれぞれ、回転シャフト10の中心軸Cに沿う方向で見たとき、スリップリング110の貫通穴114と同一の位置及び断面形状となるように形成されている。よって、スリップリング110〜130の貫通穴114〜134、絶縁板101〜103の貫通穴101a〜103a、及び端部絶縁板104の貫通穴104aは、中心軸Cに沿う方向に一列に並んでいる。
次いで、この発明の実施の形態1に係る回転電機1の動作を説明する。
図1を参照すると、ブラシ装置105〜107の各ブラシに三相交流電流が供給されると、供給された電流は、スリップリング機構100のスリップリング110、120及び130、各バスバー21、各接続端子22、並びに各リード23を介して、回転電機1の第一ロータ11のコイルに供給される。第一ロータ11のコイルを流れる電流は、回転磁界を発生し、この回転磁界が第二ロータ12の永久磁石12bに生じさせる電動トルクによって、第二ロータ12が回転される。
また、回転シャフト10が図示しない動力から外力を受けて回転駆動されると、回転シャフト10と共に第一ロータ11が回転し、それに伴い、第一ロータ11のコイルには、第二ロータ12の永久磁石12bが発生する磁界の作用によって誘導電流が発生する。発生した誘導電流は、各リード23、各接続端子22、各バスバー21、並びにスリップリング110、120及び130を介して、ブラシ装置105〜107の各ブラシに供給され、さらにブラシに電気的に接続されたインバータ、バッテリ等の電気機器に供給される。
そして、電流が流れることで発熱する第一ロータ11のコイルを冷却するために、回転電機1のハウジング2の内部には、外気などの冷却用の気体が外部から供給される。
ハウジング2内に供給された外部の空気は、ハウジング貫通穴2aを通ってカバー3の内部に流入し、さらに、カバー3の内部を流通した後、カバー貫通穴3bを通って外部に排出される。
カバー3の内部では、空気の一部は、ハウジング貫通穴2aからカバー貫通穴3bに向かって流通する途中にあるブラシ装置105〜107の各ブラシと接触し、これらを冷却する。
また、カバー3内の空気の一部は、絶縁板101の貫通穴101aに流入する。流入した空気は、中心軸C(図2参照)方向に連続する貫通穴101a、スリップリング110の貫通穴114、絶縁板102の貫通穴102a、スリップリング120の貫通穴124、絶縁板103の貫通穴103a、スリップリング130の貫通穴134、端部絶縁板104の貫通穴104aを順次通過し、その後、カバー貫通穴3bに向かって流れる。
また、図2及び図3をあわせて参照すると、回転シャフト10と共に回転するスリップリング110では、共に回転する突起112が、本体111の外周面111a上に、回転方向Pに旋回しつつ流れの下流側に向かって外周面111aから離れていくように流れる渦巻き状の空気の流れを発生する。
各ブラシ105aa〜105caが接触する外周面111a上で突起112が発生する空気流によって、各ブラシ105aa〜105ca及びスリップリング110の本体111の空気による冷却効率が向上する。さらに、本体111は、突起112によって周囲の空気との接触面積を増加させ、放熱性を向上させているため、突起112が発生する空気流によって、より効率的に冷却される。これらの作用によって、各ブラシ105aa〜105caの温度上昇が抑えられる。さらにまた、各ブラシ105aa〜105caは、外周面111a上を摺動することによって接触面を摩耗させて摩耗粉を発生するが、外周面111aとの接触面から周囲に漏れ出す摩耗粉は、突起112が発生する空気流によって吹き飛ばされる。
また、各ブラシ105aa〜105caにおける本体111の外周面111aとの接触面に発生する摩耗粉の多くは、接触面の全領域において、接触面と対向する穴113によって掻き取られるようにして回収される。さらに、貫通穴114内には上述したように空気が流通している。これにより、穴113内には負圧が発生するため、各ブラシ105aa〜105caの摩耗粉は、吸い込まれるようにしても穴113内に回収される。そして、穴113内に回収された摩耗粉は、貫通穴114を流れる空気流によってスリップリング機構100(図1参照)の外部に排出される。
さらに、スリップリング110の本体111は、穴113及び貫通穴114が形成されることによって、周囲の空気との接触面積を増加させ、放熱性を向上させる。そして、本体111は、周囲の空気のほか、貫通穴114内を流れる空気によっても冷却される。よって、本体111の冷却効率が向上し、この冷却効率の向上によっても、各ブラシ105aa〜105caの温度上昇が抑えられる。
また、スリップリング120及び130でも、スリップリング110の場合と同様に、突起が発生する上記の空気流によって、スリップリング及び各ブラシが冷却されると共にスリップリング120及び130との接触面の周囲の摩耗粉が除去される。さらに、ブラシの接触面の摩耗粉がスリップリング120及び130の外周面の穴並びに貫通穴124及び134を介して、スリップリング機構100の外部に排出されると共に、貫通穴124及び134を流れる空気によって、スリップリング120及び130が冷却される。(図1参照)
このように、この発明の実施の形態1に係る回転電機1は、回転可能な回転シャフト10と、回転シャフト10と共に回転し且つ回転しつつブラシ105aa〜105caと接触する外周面111aを有するスリップリング110とを備える。外周面111aは、スリップリング110の回転中心軸Cの周りで周方向に延在する。スリップリング110は、外周面111aにおけるブラシ105aa〜105caが接触する接触領域111aaに設けられた穴113と、外周面111aにおけるブラシ105aa〜105caが非接触である非接触領域111abに設けられた突起112とを有する。
このとき、スリップリング110は、穴113及び突起112の形成によって放熱面積を増加させ放熱性を向上させている。さらに、スリップリング110が回転することによって、突起112が気流を発生させるため、この気流によって、放熱性を向上させたスリップリング110が効果的に冷却されると共に、ブラシ105aa〜105caが直接冷却される。よって、ブラシ105aa〜105caの冷却効果が向上する。また、突起112が発生する気流によって、ブラシ105aa〜105caの周囲の摩耗粉が吹き飛ばされ、さらに、ブラシ105aa〜105caの摺動部の摩耗粉は、対向する穴113によって掻き取られるようにして回収される。従って、回転電機1は、ブラシ105aa〜105caの冷却効率及びブラシ105aa〜105caから発生する摩耗粉の除去効率を向上させることを可能にする。
また、回転電機1のスリップリング110において、穴113は、外周面111aの周方向に沿って複数設けられ、複数の穴113は、回転シャフト10の軸方向での位置が異なる穴113を含んでいる。さらに、外周面111aの周方向で隣り合う穴113は互いに、回転シャフト10の軸方向での位置が異なっている。このとき、複数の穴113の位置を回転シャフト10の軸方向で異なるようにすることによって、穴113を、接触領域111aa内において、回転シャフト10の軸方向全体にわたって配置することができる。さらに、外周面111aの周方向で隣り合う穴113における回転シャフト10の軸方向の位置を異なるようにすることによって、穴113が同じ軸方向の位置に偏るのを防ぐことができる。よって、穴113のある接触領域111aa上を摺動するブラシ105aa〜105caの偏摩耗を防ぐことが可能になる。
また、回転電機1において、スリップリング110は、回転シャフト10の軸方向に向かって面する側面111b及び111cに貫通穴114を有し、貫通穴114は、穴113に連通する。さらに、貫通穴114は、スリップリング110を回転シャフト10を軸方向に貫通する。これにより、穴113内に回収されたブラシ105aa〜105caの摩耗粉を、貫通穴114からスリップリング110の外部に排出することができる。さらに、スリップリング110を貫通する貫通穴114に空気が流れるようにすることによって、穴113に発生する負圧が摩耗粉の回収能力を向上させる。
また、回転電機1のスリップリング110において、突起112は、外周面111aの周方向に沿って複数設けられ、突起112はそれぞれ、スリップリング110の回転方向Pと反対の方向に向かって外周面111aから突出している。このとき、スリップリング110が回転すると、突起112は、外周面111aの周方向に沿って流れ且つ流れの下流側に向かって外周面111aから次第に離れる渦巻き状の空気の流れを発生し、これによりスリップリング110及びブラシ105aa〜105caの周りには安定した一定方向の空気の流れが生じる。よって、スリップリング110及びブラシ105aa〜105caは、空気流によって均等に冷却され、ブラシ105aa〜105caの摩耗粉も効率的に除去される。一方、突起112の突出方向が上記と逆の場合、スリップリング110及びブラシ105aa〜105caの周りには乱流が発生し、冷却効果及び摩耗粉の除去能力に偏りが生じる。
また、実施の形態1の回転電機1では、スリップリング110の本体111の外周面111aにおいて、中心軸Cに沿う方向には1つの穴113が形成されていたが、これに限定されるものでなく、2つ以上形成されてもよい。この場合も、各ブラシ105aa〜105caにおける外周面111aとの接触面が、本体111を回転させたときに、その全領域にわたり略均等に接触するように穴を配置するのが好ましい。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る回転電機は、実施の形態1に係る回転電機1におけるスリップリング機構100のスリップリング110、120及び130において、本体の外周面に穴を形成し、形成した穴を本体の側面の貫通穴に連通させていたものを、本体の外周面に中心軸C方向に延びる複数の溝を形成するようにしたものである。
なお、以下の実施の形態において、前出した図における参照符号と同一の符号は、同一または同様な構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
図4を参照すると、実施の形態2に係る回転電機のスリップリングのうちの1つであるスリップリング210の断面を、第一ロータ11(図1参照)側からみた図が示されている。さらに、図4においてスリップリング210を円筒の側方からみた平面図を示す図5をあわせて参照する。
回転シャフト10の外周面10aに固定されたスリップリング210の金属製で円筒状の本体211では、その外周面211aが、実施の形態1のスリップリング110と同様に、回転時にブラシ105aa〜105caと接触する接触領域211aaと、回転時及び非回転時ともブラシ105aa〜105caと接触しない非接触領域211abとに区画される。そして、外周面211aにおいて、接触領域211aaが中心軸Cに沿う方向の中央に、周方向に沿って帯状に形成され、非接触領域211abが接触領域211aaの両側にそれぞれ、周方向に沿って帯状に形成される。
外周面211aの接触領域211aaには、周方向に沿って一定の間隔をあけて複数の溝213が形成されている。各溝213は、本体211の側面211bから側面211cにわたって中心軸Cに沿う方向に延び、回転シャフト10側に向かって窪んでいる。さらに、外周面211aにおける周方向での各溝213の開口幅は、外周面211aに対するブラシ105aa〜105caの接触面の周方向の幅よりも狭くなっている。これにより、ブラシ105aa〜105caは、常に本体211と接触状態を維持する。
また、外周面211aの各非接触領域211abには、実施の形態1のスリップリング110の突起112と同様にして、周方向に沿って一定の間隔をあけた複数の突起212が、接触領域211aaに隣接して形成されている。突起212の突出先端212aもそれぞれ、回転方向Pと反対方向に向き且つ外周面211aから離れるようにして、外周面211aに対して同じ方向に突出している。
また、他の2つスリップリングでも、スリップリング210と同様に、本体の外周面に溝が形成され、外周面の非接触領域に突起が形成されている。
そして、スリップリング210の溝213、及び他の2つのスリップリングの溝はそれぞれ、中心軸Cに沿う方向で見たとき、同一の位置及び断面形状となるように形成されている。
さらに、絶縁板101、102及び103並びに端部絶縁板104の貫通穴101a、102a、103a及び104aもそれぞれ、回転シャフト10の中心軸Cに沿う方向で見たとき、各スリップリングの溝と同一の位置となるように配置されている。(図1参照)
よって、回転電機の稼働時、回転電機のハウジング2内からカバー3内に流入した空気の一部は、絶縁板101〜103の貫通穴101a〜103a、各スリップリングの溝、及び端部絶縁板104の貫通穴104aを通過するように流れる。(図1参照)
そして、スリップリング210において、各ブラシ105aa〜105caにおける本体211の外周面211aとの接触面に発生する摩耗粉の多くは、接触面と対向する溝213によって掻き取られるようにして回収され、溝213内を流れる空気流によってスリップリング機構100(図1参照)の外部に排出される。
さらに、溝213の形成によって放熱面積を増加させた本体211は、周囲の空気のほか、溝213を流れる空気によっても冷却される。またさらに、溝213を流れる空気が、各ブラシ105aa〜105caと直接接触し冷却する。この結果、各ブラシ105aa〜105caの温度上昇が抑えられる。
また、回転シャフト10と共に回転するスリップリング210では、共に回転する突起212が、本体211の外周面211a上に、回転方向Pに向かって旋回しつつ流れの下流側に向かって外周面211aから離れていくように流れる渦巻き状の空気の流れを発生する。この空気の流れによって、各ブラシ105aa〜105caと突起212によって放熱性を向上させている本体211とが冷却されると共に、各ブラシ105aa〜105caにおける外周面211aとの接触面から周囲に漏れ出す摩耗粉が、突起212が発生する空気流によって吹き飛ばされる。
また、他のスリップリングでも、スリップリング210の場合と同様に、各ブラシの接触面の摩耗粉が、スリップリングの外周面の溝を介してスリップリング機構100の外部に排出される。さらに、突起が発生する空気流によって、溝及び突起によって放熱性が向上した各スリップリング及び各ブラシが冷却されると共に各ブラシにおけるスリップリングとの接触面の周囲の摩耗粉が除去される。またさらに、溝内を流通する空気によって各スリップリング及び各ブラシが冷却される。(図1参照)
また、この発明の実施の形態2に係る回転電機のその他の構成及び動作は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
そして、実施の形態2における回転電機によれば、上記実施の形態1の回転電機1と同様な効果が得られる。
また、実施の形態2の回転電機において、スリップリング210の本体211の外周面211aには、回転シャフト10の軸方向に延び且つ外周面211aで開口する溝213が形成されている。これにより、溝213による外周面211aの周方向の開口幅を中心軸C方向に沿って均一にすることができるため、外周面211aの溝213上を摺動するブラシ105aa〜105caの接触面の摩耗を均等にすることができる。さらに、溝213を接触領域211aaの中心軸C方向全体に延在させることによって、ブラシ105aa〜105caの接触面全体にわたり、摩耗を均等にすることができる。また、溝213内に空気が流れるようにすると、流通する空気がブラシ105aa〜105caと直接接触しこれらを冷却することができる。
また、実施の形態2の回転電機では、スリップリング210の本体211を中心軸Cに沿う方向に貫通する溝213が形成されていたが、これに限定されるものでなく、溝213は、本体211における側面211b及び211cの間の途中で終端し、溝の一方の端部のみ外部に開放していてもよい。この場合、複数の溝は、中心軸Cに沿う方向にずらして配置される。そして、複数の溝は、各溝が中心軸C方向に占める幅領域が互いにラップするように配置され、さらに、各溝が中心軸C方向に占める幅領域の全体が接触領域211aaにおける中心軸C方向の幅全体にわたるように配置される。これにより、本体211を方向Pに回転させたとき、ブラシ105aa〜105caそれぞれにおける外周面111aとの接触面が、その全領域にわたって溝と略均等に接触することができる。
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係る回転電機は、実施の形態1に係る回転電機1におけるスリップリング機構100のスリップリング110、120及び130において、本体の外周面の周方向に沿って一定の間隔をあけて複数配置され且つ中心軸Cに沿う方向には1つだけが配置された穴が形成されていたものを、中心軸Cに沿う方向に穴を複数形成し、中心軸Cに沿って並ぶ穴の列を複数集めた領域を、外周面の周方向に沿って複数形成するようにしたものである
図6を参照すると、実施の形態3に係る回転電機のスリップリングのうちの1つであるスリップリング310の断面を、第一ロータ11(図1参照)側からみた図が示されている。さらに、図6においてスリップリング310を円筒の側方からみた平面図を示す図7をあわせて参照する。
回転シャフト10の外周面10aに固定されたスリップリング310の金属製で円筒状の本体311では、その外周面311aが、実施の形態1のスリップリング110と同様に、ブラシ105aa〜105caとの接触領域311aaと非接触領域311abとに区画される。そして、外周面311aにおいて、接触領域311aaが中心軸Cに沿う方向の中央に、周方向に沿って帯状に形成され、非接触領域311abが接触領域311aaの両側にそれぞれ、周方向に沿って帯状に形成される。
外周面311aの接触領域311aaには、回転シャフト10に向かって延び且つ円形断面を有する複数の穴313cが形成されている。複数の穴313cは、接触領域311aaにおける周方向に沿った複数の場所に集めて形成され、各場所で、複数の穴313cからなる孔群313を形成している。ここで、孔群313は、開口部群を構成している。
各孔群313は、本実施の形態3では、中心軸Cに沿う方向に3つの穴313cが並ぶ第一孔列313aと、中心軸Cに沿う方向に2つの穴313cが並ぶ第二孔列313bとが、交互に等間隔で近接して3つずつ配置されて形成されている。
第一孔列313aの各穴313cと、第二孔列313bの各穴313cとは、互いに中心軸Cに沿う方向での位置をずらして配置されている。つまり、周方向に沿って接触領域311aaをみたとき、第一孔列313aの穴313c同士の間に、第二孔列313bの穴313cが位置する。よって、穴313cは、孔群313において略均等に配置され、パンチングメタルの穴のような形態を形成する。
さらに、第一孔列313aの各穴313cと第二孔列313bの各穴313cとが中心軸C方向に占める幅領域同士は、互いにラップしている。そして、第一孔列313aの各穴313cと第二孔列313bの各穴313cとの中心軸C方向に占める幅領域の全体は、中心軸C方向の接触領域311aaの幅全体にわたる。
よって、本体311を方向Pに回転させたとき、ブラシ105aa〜105caそれぞれでは、外周面311aとの接触面が、その全領域にわたって穴313cと略均等に接触する。
また、本体311において、各孔群313の回転シャフト10側には、両側面311b及び311cにわたって中心軸Cに沿って本体311を貫通する1つの貫通穴314が形成されている。貫通穴314はそれぞれ、各孔群313の穴313c全てに連通する。
また、外周面311aの各非接触領域311abには、実施の形態1のスリップリング110の突起112と同様にして、本体311の周方向に沿って一定の間隔をあけた複数の突起312が、接触領域311aaに隣接して形成されている。突起312の突出先端312aもそれぞれ、回転方向Pと反対方向に向き且つ外周面311aから離れるようにして、外周面311aに対して同じ方向に突出している。
また、他の2つスリップリングでも、スリップリング310と同様に、本体の外周面に複数の孔群が形成され、各孔群の全ての穴が本体を中心軸方向に貫通する貫通穴に連通している。さらに、本体の外周面の非接触領域に突起が形成されている。
そして、スリップリング310の貫通穴314、及び他の2つのスリップリングの貫通穴はそれぞれ、中心軸Cに沿う方向で見たとき、同一の位置及び断面形状となるように形成されている。
さらに、絶縁板101、102及び103並びに端部絶縁板104の貫通穴101a、102a、103a及び104aもそれぞれ、回転シャフト10の中心軸Cに沿う方向で見たとき、各スリップリングの貫通穴と同一の位置及び形状となるように形成されている。(図1参照)
よって、回転電機の稼働時、回転電機のハウジング2内からカバー3内に流入した空気の一部は、絶縁板101〜103の貫通穴101a〜103a、各スリップリングの貫通穴、及び端部絶縁板104の貫通穴104aを通過するように流れる。(図1参照)
そして、スリップリング310において、各ブラシ105aa〜105caにおける本体311の外周面311aとの接触面に発生する摩耗粉の多くは、接触面と対向する孔群313の穴313cによって掻き取られると共に貫通穴314内を流れる空気流が発生する負圧の作用によって、穴313c内に吸い込まれ、貫通穴314内の空気流によってスリップリング機構100(図1参照)の外部に排出される。
さらに、穴313c及び貫通穴314の形成によって放熱面積を増加させた本体311は、周囲の空気のほか、貫通穴314を流れる空気によって冷却され、それにより各ブラシ105aa〜105caの温度上昇が抑えられる。
また、回転シャフト10と共に回転するスリップリング310では、共に回転する突起312が、本体311の外周面311a上に、回転方向Pに向かって旋回しつつ流れの下流側に向かって外周面311aから離れていくように流れる渦巻き状の空気の流れを発生する。この空気の流れによって、各ブラシ105aa〜105caと突起312によって放熱性を向上させている本体311とが冷却されると共に、各ブラシ105aa〜105caにおける外周面311aとの接触面から周囲に漏れ出す摩耗粉が、突起312が発生する空気流によって吹き飛ばされる。
また、他のスリップリングでも、スリップリング310の場合と同様に、各ブラシの接触面の摩耗粉が、スリップリングの孔群の穴及び貫通穴を介してスリップリング機構100の外部に排出される。さらに、突起が発生する空気流によって、穴及び突起によって放熱性が向上した各スリップリング及び各ブラシが冷却されると共に各ブラシにおけるスリップリングとの接触面の周囲の摩耗粉が除去される。(図1参照)
また、この発明の実施の形態3に係る回転電機のその他の構成及び動作は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
そして、実施の形態3における回転電機によれば、上記実施の形態1の回転電機1と同様な効果が得られる。
また、実施の形態3の回転電機では、穴313cが、外周面311aの周方向に沿って複数設けられると共に回転シャフト10の軸方向に沿って複数設けられ、接触領域311aaには、回転シャフト10の軸方向に沿って並ぶ穴313cによる複数の孔列313a及び313bが近接して配置された少なくとも1つの孔群313が形成されている。このとき、孔群313内に複数の孔列313a及び313bからなる複数の穴313cを配置することによって、各穴313cの径を小さくすることができると共に、孔群313内における穴313cによる開口を均等に配置することができる。これにより、スリップリング310の外周面311aに摺動しつつ接触するブラシ105aa〜105caでは、孔群313内に径が小さい穴313cが多数配置されることによって各穴313cへのブラシ105aa〜105caの面圧が小さくなるため、穴313cによって削られて生じる摩耗が低減し、さらに、各穴313cの開口が均等に配置されることによって各穴313cとの摺動による接触面の摩耗が略均等になる。
また、実施の形態1及び3では、スリップリング110及び310の本体111及び311の外周面に形成される穴113及び313cは、円形断面を有していたが、これに限定されるものでなく、楕円、長穴、多角形等の断面を有していてもよい。さらに、穴113及び313cが、楕円、長穴等の断面を有する場合のように、その断面に長手側と短手側とを有するとき、長手側は、スリップリングの本体の外周面の周方向、中心軸C方向、中心軸Cから傾斜した方向のいずれの方向に向かって延在していてもよい。
また、実施の形態1及び3では、スリップリング110及び310の本体111及び311に、その外周面に形成された穴113及び313cに連通する貫通穴114及び314が形成されていたが、これに限定されるものでなく、貫通穴114及び314は、本体111及び311の途中で終端していてもよい。この場合、本体111及び311の回転時に突起112及び312が発生する空気の流れによって、本体111及び311の両側面には負圧が発生するため、穴113及び313c内にも負圧が発生し、各ブラシ105aa〜105caの摩耗粉が穴113及び313cに吸い込まれ、本体111及び311の外部に排出される。
また、実施の形態1〜3では、スリップリング110〜310の本体111〜311において、接触領域111aa〜311aaの両側に突起112〜312が形成されていたが、これに限定されるものでなく、接触領域111aa〜311aaの片側のみであってもよい。
また、実施の形態1〜3では、スリップリング機構100において3つのスリップリングが設けられていたが、これに限定されるものでなく、スリップリングは、2つ以下であっても、4つ以上であってもよい。さらに、各スリップリングに接触するブラシも3つに限定されるものでなく、2つ以下であっても、4つ以上であってもよい。
また、実施の形態1〜3では、電機接続部としてスリップリングが使用されていたが、これに限定されるものでない。電機接続部は、回転しつつブラシと接触するものであればよく、整流子などであってもよい。
また、実施の形態1〜3では、回転電機はダブルロータ型の回転電機であったが、これに限定されるものでなく、少なくとも1つのロータがあればよい。
1 回転電機、10 回転シャフト、105,106,107 ブラシ装置、105aa〜105ca ブラシ、110,120,130,210,310 スリップリング(電気接続部)、111a,211a,311a 外周面(電気接続部の接触面)、111aa,211aa,311aa 接触領域、111ab,211ab,311ab 非接触領域、111b,111c,211b,211c,311b,311c 側面(電気接続部の側面)、112,212,312 突起、113,313c 穴(第一開口部)、114,314 貫通穴(第二開口部)、213 溝、313 孔群(開口部群)、313a,313b 孔列(第一開口部の列)、C 中心軸(回転中心軸)。

Claims (10)

  1. 回転可能な回転シャフトと、
    前記回転シャフトと共に回転し且つ回転しつつブラシと接触する外周面を有する電気接続部と
    を備え、
    前記外周面は、前記電気接続部の回転中心軸の周りで周方向に延在し、
    前記外周面は、前記電気接続部の回転時に前記ブラシと接触する接触領域と、前記電気接続部の回転時及び非回転時に関わらず前記ブラシと接触しない非接触領域とを含み、
    前記電気接続部は、
    記接触領域で開口すると共に、前記電気接続部と前記ブラシとの接触によって発生する摩耗粉を回収する第一開口部と、
    記非接触領域に設けられた突起と
    を有し、
    前記突起は、前記電気接続部の回転方向と反対の方向に向かって前記外周面から突出する回転電機。
  2. 前記第一開口部は、前記外周面の周方向に沿って複数設けられ、
    前記複数の第一開口部は、前記回転シャフトの軸方向での位置が異なる前記第一開口部を含む請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記外周面の周方向で隣り合う前記第一開口部は互いに、前記回転シャフトの軸方向での位置が異なる請求項2に記載の回転電機。
  4. 前記電気接続部は、前記回転シャフトの軸方向に向かって面する側面に第二開口部を有し、
    前記第二開口部は、前記第一開口部に連通する請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転電機。
  5. 前記第二開口部は、前記電気接続部を前記回転シャフトの軸方向に貫通する穴を形成する請求項4に記載の回転電機。
  6. 前記第一開口部は、前記外周面の周方向に沿って複数設けられると共に前記回転シャフトの軸方向に沿って複数設けられ、
    前記接触領域には、前記回転シャフトの軸方向に沿って並ぶ前記第一開口部による複数の列が近接して配置された少なくとも1つの開口部群が形成される請求項1〜5のいずれか一項に記載の回転電機。
  7. 前記第一開口部は、前記外周面に対する前記ブラシの接触面積よりも小さい面積で開口すると共に、前記外周面から前記回転シャフト側に向かって延在する穴である請求項1〜6のいずれか一項に記載の回転電機。
  8. 前記第一開口部及び前記第二開口部は、一体となって前記回転シャフトの軸方向に延び且つ前記外周面で開口する溝を形成する請求項4または5に記載の回転電機。
  9. 前記溝は、前記回転シャフト側に向かって窪んでいると共に、前記外周面における周方向での開口幅が、前記外周面に対する前記ブラシの接触面の周方向の幅よりも狭くなっている請求項8に記載の回転電機。
  10. 前記突起は、前記外周面の周方向に沿って複数設けられ請求項1〜のいずれか一項に記載の回転電機。
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