図1に本発明を適用した画像形成装置の概略を示す。画像形成装置100は、複写機、プリンタ、ファクシミリの複合機であってフルカラーの画像形成を行うことが可能になっているが、他の画像形成装置、すなわち、複写機、プリンタ、ファクシミリの単体、あるいは複写機とプリンタとの複合機等他の複合機であっても良い。画像形成装置100は、プリンタとして用いられる場合には、PCなど外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。これは画像形成装置100がファクシミリとして用いられる場合も同様である。
画像形成装置100は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状の記録媒体としてこれに画像形成を行なうことが可能である。画像形成装置100は、記録媒体である用紙としての記録体である記録材たる転写紙Sの両面に画像形成可能な両面画像形成装置でもある。
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能なドラム状の像担持体としての潜像担持体である感光体たる感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを、中間転写体である転写体たる中間転写ベルトとしての転写ベルト11の張り渡し方向に沿って4連タンデム式に並べて設け平行配設したタンデム構造、言い換えるとタンデム方式を採用している。
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、画像形成装置100のプリンタ部である画像形成部として機能する本体99の図示しないフレームに回転自在に支持され、転写ベルト11の移動方向であって図1において反時計回り方向であるA1方向の上流側からこの順で並んでいる。各符号の数字の後に付されたY、M、C、BKは、イエロー、マゼンタ、シアン、黒用の部材であることを示している。
各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKはそれぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の画像を形成するための複数の作像装置である画像形成ステーションたる画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKに備えられている。
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、本体99の内部の同図における左右方向に延在するように配設された無端のベルトとして構成されたエンドレスの転写ベルト11の外周面側すなわち作像面側に位置している。
転写ベルト11は、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対峙しながら矢印A1方向に移動可能となっている。各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成され担持された可視像すなわちトナー像は、矢印A1方向に移動する転写媒体としての転写ベルト11に対しそれぞれ重畳転写され、その後、転写紙Sに一括転写されるようになっている。よって画像形成装置100はタンデム型中間転写方式の画像形成装置となっている。したがって画像形成装置100はタンデム型間接転写方式のカラー画像形成装置である電子写真装置となっている。
転写ベルト11は、その下側の部分が各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対向しており、この対向した部分である対向位置が、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BK上のトナー像を転写ベルト11に転写する1次転写領域としての1次転写部58を形成している。
転写ベルト11に対する重畳転写は、転写ベルト11がA1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成されたトナー像が、転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるよう、転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対向する位置に配設された第1の転写ローラとしての1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKによる電圧印加によって、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして行われる。
転写ベルト11は、ポリイミド製の基層とこの基層上にコーティングによって形成された放電防止層とを有している。基層の材質としてはほかにPAIが挙げられる。放電防止層は基層と同じポリイミド製であっても良い。
画像形成装置100は、本体99内に、4つの作像装置としての画像形成ステーションである作像ステーションたる画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKよって構成され本体99内部のほぼ中央部に配設された作像部60と、作像部60の上側において、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの上方に対向して配設され、転写ベルト11を備えた中間転写装置たる転写ユニットとしての中間転写ユニットである転写ベルトユニット10と、図1における転写ベルト11の右側において転写ベルト11に対向して配設された2次転写装置5と、画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKの下方に対向して配設され作像部60の下側に隣接するように配設された潜像形成手段としての光書込みユニットである光書込み部たる光学ユニットとしての書き込み装置たる露光装置としての光走査装置8とを有している。
画像形成装置100はまた、本体99内の光走査装置8の下方に、転写ベルト11と2次転写装置5との間の2次転写領域としての中間転写部である2次転写部57に向けて搬送される転写紙Sを多数枚積載可能な給紙ユニットとしての給紙トレイである給紙装置たる給紙部としてのシート給送装置61と、シート給送装置61においてピックアップされシート給送装置61から搬送されてきた転写紙Sを、画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、2次転写部57に向けて繰り出す搬送ローラとしてのレジストローラ対4と、転写紙Sの先端がレジストローラ対4に到達したことを検知する図示しないセンサとを有している。
画像形成装置100はまた、本体99内に、トナー像を転写された転写紙Sに同トナー像を定着させるためのベルト定着方式の定着ユニットとしての定着部である定着装置6と、定着済みの転写紙Sを本体99の外部に排出する排出ローラである排紙ローラ対としての排紙装置である排紙ローラ7と、転写ベルトユニット10の上方に配設され、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーを充填されたトナーボトル9Y、9M、9C、9BKとを有している。
画像形成装置100はまた、本体99の、同図における右側面側に取り付けられた両面ユニット51と、本体99の上側に位置し原稿を読み取るスキャナとしての画像読取手段たる画像読取装置である読取装置98と、同図における本体99の左上側であって読取装置98の下方に配設され排出ローラ7により本体99の外部に排出された転写紙Sに対して後処理としてシフト動作、ステープル動作を加えてから積載することが可能な後処理手段としての後処理部である後処理装置40とを有している。
画像形成装置100はまた、本体99内に、同図における右側に下方から上方に向けて形成され、その中途部に2次転写部57、レジストローラ対4、定着装置6が設けられ、シート給送装置61から繰り出された転写紙Sが進入する縦搬送路としての記録材搬送路である用紙搬送路81と、用紙搬送路81における転写紙Sの搬送方向において定着装置6よりも下流側に設けられ、かかる搬送方向において用紙搬送路81の下流端部に位置し、画像を定着された転写紙Sをさらに搬送する搬送力を付与する分岐搬送ローラ82と、かかる下流端部から排出ローラ7、両面ユニット51のそれぞれに向けて転写紙Sを搬送するように、かかる下流端部から2方向に分岐するように接続された排紙経路83、両面搬送路としての再給紙経路84と、かかる搬送方向における上流側の直近に位置する分岐搬送ローラ82によって搬送されてきた転写紙Sを、排紙経路83と再給紙経路84との何れかに導くように姿勢を切り換えられる分岐爪85とを有している。
画像形成装置100はまた、本体99内に、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを回転駆動する図示しない駆動装置と、画像形成装置100の動作全般を制御する図示しないCPU、メモリ等を含む制御手段96を有している。
画像形成装置100はまた、本体99の外面に、画像形成開始指示を行うための図示しないスタートスイッチ等を備え画像形成装置100の動作、作動態様を指定することが可能となっているとともに、所定の表示を行うための表示手段としての図示しない液晶表示装置を備えた図示しない操作パネルを有している。
転写ベルトユニット10は、転写ベルト11の他に、転写バイアス印加部材である1次転写バイアスローラとしての1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKと、転写ベルト11を回転可能に支持する支持ローラとして、転写ベルト11を巻き掛けられ掛けまわした複数のローラとしての、駆動部材である駆動ローラ72と、張架ローラとしてのクリーニング対向ローラ74と、駆動ローラ72及びクリーニング対向ローラ74とともに転写ベルト11を張架する張架ローラ33、34とを有している。
転写ベルトユニット10はまた、クリーニング対向ローラ74に対向する位置において転写ベルト11に対向して配設され転写ベルト11表面をクリーニングする中間転写体クリーニング装置であるベルトクリーニング装置としてのクリーニング装置13と、駆動ローラ72を回転駆動する図示しない駆動系とを有している。
転写ベルトユニット10はまた、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKにトナーの帯電極性と同極性の転写バイアスである1次転写バイアスを印加させ1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKを1次転写手段としての転写手段である斥力ローラとして機能させ、且つ1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKとともに一次転写装置をそれぞれ構成する図示しないバイアス印加手段としての電源及び制御手段96の一機能として実現されたバイアス制御手段を有している。
クリーニング対向ローラ74、張架ローラ33、34は、駆動ローラ72によって回転駆動される転写ベルト11に連れ回りする従動ローラとなっている。1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKは、転写ベルト11をその裏面から感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに向けて押圧してそれぞれ1次転写ニップを形成する。この1次転写ニップは、転写ベルト11の、張架ローラ33と張架ローラ34との間でほぼ水平に張り渡した部分において形成されている。張架ローラ33は、レジストローラ4から給送された転写紙Sを2次転写部57に向けて案内するための転写入口ローラとして機能する。
クリーニング対向ローラ74は、転写ベルト11に転写に適した所定の張力を与えるための加圧部材としてのテンションローラとしても機能する部材である。クリーニング対向ローラ74、張架ローラ33、34は、1次転写ニップを安定化する機能を有する。
各1次転写ニップには、1次転写バイアスの作用により、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKと1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKとの間に1次転写電界が形成される。感光体ドラム20Y、20M、20C、20BK上に形成された各色のトナー像は、この1次転写電界やニップ圧の影響によって転写ベルト11上に静電転写によって1次転写される。
駆動ローラ72は、転写ベルト11を介して2次転写装置5を当接されており、2次転写部57を形成している。
駆動ローラ72は、後述するように、トナーの帯電極性と同極性の転写バイアスである2次転写バイアスを印加されるようになっており、これによって2次転写手段としての転写手段である斥力ローラとして機能するようになっている。
クリーニング装置13は、図1において転写ベルトユニット10の左下方、具体的にはクリーニング対向ローラ74の下方に配設されている。クリーニング装置13は、図示を省略するが、クリーニング対向ローラ74に対向する位置で転写ベルト11に当接するように配設されたクリーニング部材と、クリーニング部材をその内部に収容したケースと、図1においてケースの紙面手前側に配設されたトナー収容容器である廃トナー回収ボトルとを有している。
クリーニング装置13は、転写ベルト11上の残留トナー等の異物をクリーニング部材で掻き取り、除去して、転写ベルト11をクリーニングするようになっている。転写ベルト11から除去されたかかる異物は廃トナー回収ボトルに貯蔵される。廃トナー回収ボトルは前面パネルを開いた状態で図1における紙面手前側に取り出し可能となっており、内部の異物が満杯になったときに新たなものと交換可能になっている。なお、後述するクリーニング装置71Y、71M、71C、71BKも同様に交換可能な廃トナー回収ボトルを有している。
シート給送装置61は、転写紙Sを複数枚重ねた転写紙束の状態で収容するものであり、本体99の下部において光走査装置8の下方に配設されている。シート給送装置61は、複数枚の転写紙Sを紙束の状態で収容可能な鉛直方向に複数重なるように、本形態では2段に備えられた給紙トレイとしての給紙カセット25と、各給紙カセット25に積載された転写紙Sのうち最上位の転写紙Sの上面に当接するピックアップローラである給紙ローラとしての給送ローラ24と、給紙ローラ24によって送り出された転写紙Sのうちの1枚のみを分離して用紙搬送路81に沿って上方に送り出しさらに搬送する給紙搬送ローラとしての分離ローラ52とを有しており、給送ローラ24が所定のタイミングで反時計回り方向に回転駆動されることにより、最上位の転写紙Sをレジストローラ対4に向けて給送するようになっている。
シート給送装置61は、給送ローラ24が選択的に図中反時計回り方向に回転駆動され、分離ローラ52が作用することにより、その給紙カセット25に積載された転写紙Sのうち最上位の転写紙Sを用紙搬送経路81に入れてレジストローラ対4に向けて給送し、搬送された転写紙Sがレジストローラ対4のローラ間に挟まれた状態で突き当られ止められるようになっている。
2次転写装置5は、駆動ローラ72に対向して配置されている。2次転写装置5は、駆動ローラ72との間で転写ベルト11を挟むようにして駆動ローラ72に対向し、駆動ローラ72に向けて加圧配設された転写バイアス印加部材である2次転写ローラ5aと、駆動ローラ72にトナーの帯電極性と同極性の転写バイアスである2次転写バイアスを印加し駆動ローラ72を2次転写装置5の構成として機能させる図示しないバイアス印加手段としての電源及び制御手段96の一機能として実現されたバイアス制御手段とを有している。
2次転写装置5は、2次転写ローラ5aにより、転写ベルト11上のトナー像を転写紙Sに2次転写するほか、この2次転写によってトナー像を転写された後の転写紙Sを定着装置6へと搬送するシート搬送機能も有している。
なお、バイアス印加手段としての電源及びバイアス制御手段は、駆動ローラ72でなく、2次転写ローラ5aに転写バイアスである2次転写バイアスを印加するものであっても良い。この場合、2次転写ローラ5aに印加される2次転写バイアスはトナーの帯電極性と同極性とされ、2次転写ローラ5aは2次転写手段としての転写手段である引力ローラとして機能する。
両面ユニット51は、再給紙搬送経路84を経た転写紙Sを、用紙搬送路81における転写紙Sの搬送方向においてレジストローラ対4よりも上流側の位置に向けて反転して搬送する反転搬送経路21と、手差し給紙装置53と、手差し給紙装置53から両面ユニット51内を横切るように配設され反転搬送路21に接続された手差し給紙路22と、反転搬送経路21中に配設され転写紙Sを用紙搬送路81に向けて搬送する搬送ローラ23とを有している。
両面ユニット51は、一面に画像が形成された転写紙Sを反転搬送経路21において反転させ、反転させた転写紙Sの他面に画像が形成されるように、レジストローラ対4に向けて給送する。
手差し給紙装置53は、転写紙Sを積載可能な手差し給紙トレイとしての手差しトレイ27と、手差しトレイ27に積載された転写紙Sのうち最上位の転写紙の上面に当接する給紙ローラとしての給送ローラ28と、給送ローラ28により繰り出された転写紙を1枚ずつ分離する分離ローラ29とを有している。
手差し給紙装置53は、給送ローラ28が図中時計回り方向に回転駆動され、分離ローラ29が作用することにより、最上位の転写紙Sをレジストローラ対4に向けて給送する。搬送された転写紙Sはレジストローラ対4のローラ間に挟まれた状態で突き当られ止められる。
定着装置6は、定着部材としての無端ベルト状の定着ベルト64と、定着ベルト64を巻き掛けた架け回した定着ローラ65と、定着ローラ65とともに定着ベルト64を巻き掛け定着ベルト64の張力を一定に保つテンションローラ62と、定着ローラ65との間で定着ベルト64に圧接し転写紙Sを押圧する圧接部である定着部としての定着ニップを形成するための加圧部材としての加圧ローラ63と、定着ローラ65内に配設され定着ローラ65を介して定着ベルト64を加熱する第1の加熱手段としての第1の熱源であるハロゲンヒータ66と、加圧ローラ63を加熱する第2の加熱手段としての第2の熱源であるハロゲンヒータ67と、定着ニップを形成するための付勢手段としての図示しないばねを有している。
定着ベルト64の材質は耐熱性に優れ、高耐久であるポリイミドであり、厚さは数10ミクロンである。定着ローラ65と加圧ローラ63との一方の回転軸は固定されているとともに、他方の回転軸は移動可能に支持されることで一方のローラに対して接離可能となっており、ばねで付勢されることで、定着ローラ65と加圧ローラ63との間で定着ベルト64を介して定着ニップが形成されている。テンションローラ62と、定着ベルト64と、定着ローラ65とは、定着ベルト64が無端移動するベルトユニットを構成している。
定着装置6は、トナー像を担持した転写紙Sを定着ニップに挟み込む態様で通すことで、熱と圧力との作用により、担持したトナー像を転写紙Sの表面に定着するようになっている。
トナーボトル9Y、9M、9C、9BK内のイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーは、重合トナーであって、図示しない駆動手段によって回転されることでトナーを吐出し、図示しないパイプ等によって構成された搬送経路を経て、所定の補給量だけ、後述するように画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKに備えられた現像装置80Y、80M、80C、80BKに補給される。
読取装置98は、詳細な図示を省略するが、原稿を載置するコンタクトガラス、コンタクトガラスに載置された原稿に光を照射する光源及び光源から原稿に照射され反射された光を反射する第1の反射体を備え図1における左右方向に走行する第1走行体、第1走行体の反射体によって反射された光を反射する第2の反射体を備えた第2走行体、第2走行体からの光を結像するための結像レンズ、結像レンズを経た光を受け原稿面の画像を読み取ることで原稿の内容を読み取る読み取りセンサ等を備えている。
光走査装置8は、読取装置98によって読み取った原稿の内容に対応する画像情報、あるいはPCなど外部から受信した画像情報に基づいて制御手段96によって生成された、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに光書込みを行うための画像データに基づいて、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKにレーザー光を照射し、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの走査を行う。
図2または図3に示すように、後処理装置40は、その本体50内に、図2における左方から右方、図3における手前方向に向けた転写紙Sの搬送方向に沿って、排出ローラ7によって本体99外に排出されてきた画像形成済みの転写紙Sを受け入れる排紙搬送路41と、排紙搬送路41に進入してきた転写紙Sをさらに搬送する第1の搬送手段としての入口ローラ対42と、入口ローラ対42によって搬送されてきた転写紙Sを、さらに搬送することが可能な第2の搬送手段であるとともに図2における紙面に垂直な方向である転写紙Sの幅方向、図3における左右方向にシフトさせて排紙する機能を有するシフト処理手段であるシフト手段としてのシフト搬送ローラ対であるシフト排紙ローラ対43とを有している。
後処理装置40はまた、本体50内に、シフト排紙ローラ対43を通過した転写紙Sを一旦積載するステープルトレイ44と、ステープルトレイ44上に積載された転写紙Sの後端側に位置する後端基準フェンス45と、ステープルトレイ44及び後端基準フェンス45の上部に配設され、ステープルトレイ44上に積載された転写紙Sの後端を後端基準フェンス45に当接させるために回転する戻しコロ46と、ステープルトレイ44上に積載された転写紙Sの幅方向における各端部側に位置する整合板としてのジョガーフェンス47とを有している。
後処理装置40はまた、本体50内に、入口ローラ対42及びシフト排紙ローラ対43を駆動する第1の駆動手段としてのステッピングモータである入口モータ48と、ステープルトレイ44上に積載された転写紙Sの綴じすなわちステープルを行うステープル処理手段であるステープル手段としての綴じ手段であるステープラ49とを有している。
後処理装置40はまた、本体50内に、転写紙Sの搬送方向における戻しコロ46よりも下流側に位置し、ステープルトレイ44上に積載された転写紙Sの後端を後端基準フェンス45に当接させるために回転する叩きコロ54と、ステープルトレイ44上に積載された転写紙Sをステープルトレイ44から転写紙Sの搬送方向における下流側に向けて排出するための排紙ローラ55と、排紙ローラ55に接離する従動コロ56と、叩きコロ54と排紙ローラ55とを選択的に駆動する第2の駆動手段としてのステッピングモータである排紙モータ59とを有している。
後処理装置40はまた、本体50内に、叩きコロ54、従動コロ56をそれぞれ、その先端に回転可能に支持するとともに上下方向に変位させるレバー84、レバー85と、排紙搬送路41において転写紙Sの先端、後端を、その検知タイミングと関連付けて検知する入口センサ86と、ステープルトレイ44上に積載されている転写紙Sの有無を検知する紙有無センサ87と、転写紙Sの搬送方向において紙有無センサ87の下流側でステープルトレイ44上に積載された転写紙Sの後端の通過タイミングを検知するための束排紙センサ88とを有している。
後処理装置40はまた、その基端側の一部が本体50内に位置する、排紙ローラ55の回転によりステープルトレイ44から排出されてきた転写紙Sを受け止めて積載する積載トレイとしての排紙トレイ17と、排紙トレイ17を上下方向に駆動するための上下駆動手段89とを有している。
後処理装置40はまた、本体50内に、排紙トレイ17上に積載された転写紙Sのうちの最上位にある転写紙Sの、その搬送方向における上流側の端部部分すなわち後端部分の上面にその先端が当接して排紙トレイ17上に積載された転写紙Sの押さえ動作を行うための用紙押さえ90と、用紙押さえ90の揺動をそのOFF時に許容し用紙押さえ90による押さえ動作を可能とするとともにかかる揺動をそのON時に禁止し用紙押さえ90による押さえ動作を不能とするプッシュソレノイドであるソレノイド91と、ソレノイド91のOFF時に用紙押さえ90の基端部を検出しているか否かの検知状態に関する信号を制御手段96に入力し、かかる検知状態に応じて上下駆動手段89により排紙トレイ17を上下動させるためのトレイ紙面検知センサ92と、排紙トレイ17における転写紙Sの満杯状態を検知する排紙トレイ満杯センサ93を有している。
後処理装置40はまた、図示を省略するが、シフト排紙ローラ対43を転写紙Sの幅方向に平行なシフト方向にシフトさせるステッピングモータであるシフトモータと、レバー84、レバー85を同期して揺動させることで叩きコロ54、従動コロ56を同期して上下方向に変位させるコロ変位ステッピングモータとを有している。
後処理装置40はまた、制御手段96の一機能として実現され、入口センサ86、束排紙センサ88による転写紙Sの先端、後端の検知、排紙トレイ満杯センサ93による満杯状態の検知、これらの検知タイミングに基づいて、入口モータ48、排紙モータ59、シフトモータ、コロ変位ステッピングモータに入力するパルスの入力タイミングを取る制御を行うとともに、かかるパルスにおける駆動ステップ数を制御することにより、後処理装置40におけるシフト動作、ステープル動作等の転写紙Sへの各処理を行う動作、その他後処理装置40の動作全般の制御を行う後処理制御手段を有している。
排紙搬送路41は、排紙経路83と連通するように設けられている。入口ローラ対42と、シフト排紙ローラ対43とは、この順で、排紙搬送路41における転写紙Sの搬送方向上流側から下流側に向かう方向に配設されている。
シフト排紙ローラ対43は、転写紙Sの搬送方向における排紙搬送路41の最下流の端部に設けられている。シフト排紙ローラ対43は、シフトモータにより、転写紙Sの幅方向、言い換えると転写紙Sの搬送方向に垂直な方向に、往復動される。
排紙搬送路41と、入口ローラ対42と、シフト排紙ローラ対43と、入口モータ48とは、排紙経路83から入口ローラ対42によって受け入れた転写紙Sを排紙搬送路41においてシフト排紙ローラ対43側に搬送し、入口モータ48によって入口ローラ対42とシフト排紙ローラ対43とを回転させることによって、かかる転写紙を排紙搬送路41に沿って搬送する用紙受け入れ部を構成している。
叩きコロ54は、転写紙Sの搬送方向においてシフト排紙ローラ対43と排紙ローラ55との間に配設されている。叩きコロ54は、排紙モータ59により、転写紙Sをその搬送方向における上流側に向けて搬送する方向に回転され、ステープルトレイ44上において転写紙Sが後端基準フェンス45に突き当たるまでスイッチバックさせる。
戻しコロ46は、叩きコロ54によって転写紙Sがスイッチバックされる方向において叩きコロ54よりも下流側に配設されている。戻しコロ46は、叩きコロ54による、ステープルトレイ44における転写紙Sの搬送すなわちスイッチバックの補助を行うとともに、ステープルトレイ44上に積載された転写紙Sの後端を後端基準フェンス45に当接させることで、転写紙Sの搬送方向における整合を行う。よって、後端基準フェンス45は、転写紙Sを突き当てられることにより、転写紙Sの搬送方向において、ステープルトレイ44上における転写紙Sの整合の基準となっている。
ジョガーフェンス47は、転写紙Sの幅方向において、ステープルトレイ44上における転写紙Sの整合の基準となっている。具体的には、ジョガーフェンス47は、一方が固定部分であるとともに、他方が転写紙Sの幅方向に変位する可動部分であって、戻しコロ46によってステープルトレイ44上において転写紙Sの搬送方向における整合が行われた状態で、可動部分が転写紙Sの幅方向に変位して、固定部分との間で転写紙Sを挟み、固定部分、可動部分がそれぞれ転写紙Sの各側縁に当接することで、ステープルトレイ44上の転写紙Sを、その幅方向における所定の基準位置に揃え、整合する。
このように、後端基準フェンス45は転写紙Sの搬送方向における整合を行う第1の整合手段としての搬送方向整合手段として機能し、ジョガーフェンス47は転写紙Sの幅方向における整合を行う第2の整合手段としての幅方向整合手段として機能する。また、後端基準フェンス45とジョガーフェンス47とは、転写紙Sの整合を行う整合手段として機能する。
ステープラ49は、ステープルトレイ44上で搬送方向及び幅方向の整合を行われた複数の転写紙Sすなわち転写紙Sの束の綴じを行う。そのため、ステープラは、ステープルトレイ44上で搬送方向及び幅方向において指定枚数の転写紙Sの整合が行われると、綴じ針の打ち込み位置に変位し、転写紙Sの後端部の一方の側縁の近傍において、綴じ針によるステープルすなわち綴じを行う。
シフト排紙ローラ対43から排紙ローラ55までの距離と、後端基準フェンス45から排紙ローラ55までの距離とは、後処理装置40においてステープル動作による後処理が行われ得る転写紙Sのうち、その搬送方向における長さが最小の転写紙Sの当該長さより小さく設定されている。言い換えると、かかる距離は、画像形成装置100において画像形成が行われる転写紙S、すなわち、後処理装置40を通過する、後処理装置40において後処理を行われ得る転写紙Sのうち、その搬送方向における長さが最小の転写紙Sの当該長さより小さく設定されている。
したがって、ステープルトレイ44上において転写紙Sのスイッチバックが行われるとき、及び、ステープラ49による転写紙Sの束のステープル動作すなわち綴じ動作が行われるとき、これらの転写紙Sの、排紙トレイ17に向けた移動方向における先端側の一部は、排紙ローラ55を通過して排紙トレイ17上の空間に至った状態となっている。この状態において、転写紙Sのかかる一部は、排紙トレイ17の上面あるいは排紙トレイ17に積載された転写紙Sのうちの最上位にある転写紙Sの上面に当接していることもあれば、これら上面から離間していることもあり、何れにしても、排紙トレイ17上に位置している。
排紙ローラ55と、従動コロ56とは、転写紙Sの搬送方向において転写紙Sが排紙トレイ17上に排出される直前の位置に配設されている。排紙ローラ55は、排紙モータ59により、転写紙Sをその搬送方向における下流側に向けて搬送する方向に回転される。
叩きコロ54と、排紙ローラ55とは、排紙モータ59により同時に回転されることはなく、一方が回転しているときには他方の回転は停止している。
従動コロ56は、排紙ローラ54への当接時に、排紙ローラ55の回転に従動回転する。
排紙ローラ55は、コロ変位ステッピングモータによってレバー85が下方に変位し、従動コロ56が当接した状態で、排紙モータ59が駆動されると、従動コロ56を従動回転させる。排紙ローラ55はまた、従動コロ56との間で転写紙Sを挟持している場合に排紙モータ59が駆動されると、この転写紙Sを排紙トレイ17上に排紙し、積載させる。
用紙押え90は、その自重によって生じるモーメントにより、ソレノイド90のOFF時に、その先端が排紙トレイ17に向けて倒れるようにして揺動し、その先端により、排紙トレイ17上に積載されている最上位の転写紙Sの上面を押える。
ソレノイド90は、そのOFFによって用紙押え90から離間する用紙押え動作を行い、用紙押え90の揺動を許容して用紙押さえ90による押さえ動作を可能とするとともに、そのONによって用紙押え90に当接して用紙押え90を倒れた状態から復帰させる用紙押え解除動作を行い、用紙押え90の揺動を禁止して用紙押さえ90による押さえ動作を不能とする。
排紙トレイ17は、画像形成装置100における転写紙Sの搬送方向において最下流に位置している。排紙トレイ17は、転写紙Sの搬送方向において延在しその先端側が上方に位置するように傾斜した、本体50及び本体99に固定された不動の固定トレイ部17aと、転写紙Sの搬送方向において固定トレイ部17aの中途部にその基端部が回転自在に支持されその先端側の一部が本体50内に位置する可動トレイ部17bと、可動トレイ部17bの基端部を固定トレイ部17aに回転自在に支持した支軸17cとを有している。
排紙トレイ17はまた、固定トレイ部17aの先端部を支持するために転写紙Sの幅方向において支軸17cよりも下流側で固定トレイ部17aを下方から支持した支持部17dを有している。
可動トレイ部17bは、転写紙Sの搬送方向において、固定トレイ部17aの中途部から上流側端部にかけた位置において、固定トレイ部17aの上方に重なるように配設されている。可動トレイ部17bは、支軸17cにより揺動可能に支持された基端部が回動端となっており、その先端部が、固定トレイ17aの基端部に当接するまで下降可能に支持されている。
支持部17dは、その下端を本体99に固定されて下方から支持されているとともに、その上端で固定トレイ17aを下方から支持している。よって、排紙トレイ17上の転写紙Sの積載量が増加しても、固定トレイ部17aの変形が防止ないし抑制され、転写紙Sの崩れが防止されている。また、支持部17dは、上下駆動手段89が外部に露出することのないように、本体99、固定トレイ部17aとともに、上下駆動手段89を収納した空間を形成している。
図1に示されているように、排紙トレイ17は、本体99の上方でかつ読取装置98の下側に位置しているため、画像形成装置100は、胴内排紙型の画像形成装置となっている。なお、後処理装置40は、本体99に対して着脱可能な構成となっており、後処理装置40を取り外したときには、本体99の同図における左上面が、排出ローラ7によって本体99外に排出されてきた画像形成済みの転写紙Sを受け入れて積載する排紙トレイとして機能する。
図2に示すように、上下駆動手段89は、駆動源としてのトレイDCモータ89aと、トレイDCモータ89aの駆動力を可動トレイ部17bに伝達する伝達機構としてのカム・リンク機構89bとを有している。トレイDCモータ89aは、後処理制御手段として機能する制御手段96によって駆動を制御される。カム・リンク機構89bは、その作動する端部が、可動トレイ部17bの下面に連結されており、トレイDCモータ89aの駆動力を可動トレイ部17bに伝える。これにより、可動トレイ部17bは、支軸17cに支持された基端部を中心に、自由端である先端部が回動することで、その先端部が上下方向に変位するようにして揺動する。
これにより、排紙トレイ17に積載されている転写紙Sの後端部分の位置が上下動する。この点、後処理制御手段として機能する制御手段96は、上下駆動手段89の動作を制御し排紙トレイ17の上下動を制御する上下駆動制御手段として機能する。
上下駆動手段89は、ソレノイド91のOFF時に、用紙押さえ90の基端部がトレイ紙面検知センサ92によって検知されていない場合には、トレイ紙面検知センサ92によって用紙押さえ90の基端部が検知されるまで可動トレイ部17bを上昇させるように、後処理制御手段、上下駆動制御手段として機能する制御手段96によって、トレイDCモータ89aの駆動を制御される。
上下動駆動手段89はまた、ソレノイド91のOFF時に、用紙押さえ90の基端部がトレイ紙面検知センサ92によって検知されていることを条件として、トレイ紙面検知センサ92によって用紙押さえ90の基端部が検知されなくなるまで可動トレイ部17bを一旦下降させてから、トレイ紙面検知センサ92によって用紙押さえ90の基端部が検知されるまで可動トレイ部17bを上昇させるように、後処理制御手段、上下駆動制御手段として機能する制御手段96によって駆動を制御される。
よって、ソレノイド91のOFF時に、排紙トレイ17は、その最上面に積載している転写紙Sの、とくに後端部分の上面位置が一定となるように、後処理制御手段、上下駆動制御手段として機能する制御手段96による制御のもと、トレイ紙面検知センサ92の検知に基づき、上下動駆動手段89により、可動トレイ部17bを駆動される。このときの排紙トレイ17の上下動言い換えると可動トレイ部17bの上下動は、支軸17cに支持された基端部を中心に、先端部が回動する態様で行われる。
かかる上面位置が一定とされる位置は、排紙ローラ55によって排紙トレイ17上に排出されようとする転写紙Sが、すでに排紙トレイ17上に積載している転写紙Sに突き当たることを回避するために設定された位置である。具体的には、上下方向において、かかる上面位置から、排紙ローラ55と従動コロ56とが当接して形成されるニップ部までの高さが、かかる突き当りを回避するために必要十分な高さである第1の高さとされている。
この第1の高さについては後に詳述するが、以上の説明から明らかなように、トレイ紙面検知センサ92は、排紙トレイ17上に積載された転写紙Sのうち最上面に位置する転写紙Sの、とくに可動トレイ部17b上に位置する部分における上面の位置を検知する位置検知手段として機能するようになっているとともに、上下駆動制御手段として機能する制御手段96は、かかる最上面に位置する転写紙Sの位置、とくに可動トレイ部17b上に位置する部分における上面の位置が、第1の高さを形成する第1の位置を占めるように、上下駆動手段89の制御を行うようになっている。
ただし、排紙トレイ17上に所定の許容量を超える転写紙Sが積載されている場合には、これが排紙トレイ満杯センサ93によって検知された時点で、可動トレイ部17bの上下動は停止される。排紙トレイ満杯センサ93は、可動トレイ部17bの先端部が、固定トレイ17aの基端部に当接する直前の位置まで下降したことを検知することで、満杯状態すなわち排紙トレイ17上に所定の許容量を超える転写紙Sが積載されている状態を検知する。
排紙トレイ満杯センサ93は、可動トレイ部17bの先端部を検知すると、後処理制御手段、上下駆動制御手段として機能する制御手段96に満杯状態を示す信号を入力する。後処理制御手段、上下駆動制御手段として機能する制御手段96は、この信号を検知すると、ソレノイド91のOFF時に、用紙押さえ90の基端部がトレイ紙面検知センサ92によって検知されていても、可動トレイ部17bの下降を中断し、可動トレイ部17bの上下動を停止する。後処理制御手段として機能する制御手段96はまた、この信号を検知すると、操作パネルの液晶表示装置に、排紙トレイ17上の転写紙Sが満杯であることを表示するなど、排紙トレイ17上から転写紙Sを除去すべき旨の表示を行わせる。
これにより、可動トレイ部17bの先端部が固定トレイ17aの基端部に当接した状態で可動トレイ部17bの下降が継続されることが防止され、排紙トレイ17、上下動駆動手段89の破損等の不具合が防止される。また、排紙トレイ17上から転写紙Sが速やかに除去されるように促され、画像形成装置100の生産性の低下が防止ないし抑制される。
なお、紙有無センサ87は、画像形成装置100の電源ON時や、後処理装置40内でのジャム発生時の、後処理装置40内の機内残紙検知、具体的には、ステープルトレイ44上における転写紙Sの残留の有無の検知を行うために設けられている。
画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKは互いに同様の構成となっている。画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKはそれぞれ、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの周囲に、図1中時計方向であるその回転方向B1に沿って、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの外周に沿うように、プロセス手段として、1次転写ユニットとしての1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKと、クリーニングユニットであるクリーニング手段としてのクリーニング装置71Y、71M、71C、71BKと、除電ユニットである除電手段としての図示しない除電装置と、帯電バイアスによりAC帯電を行なう帯電ユニットである帯電手段としての帯電装置79Y、79M、79C、79BKと、2成分現像剤を用い現像バイアスを印加して現像を行う現像ユニットである現像手段としての現像装置80Y、80M、80C、80BKとを有している。
感光体ドラム20Y、クリーニング装置71Y、除電装置、帯電装置79Y、現像装置80Yは、一体化されてプロセスカートリッジを構成している。感光体ドラム20M、20C、20BKの周りの各構成も同様にそれぞれ一体化されてプロセスカートリッジを構成している。これらプロセスカートリッジは、前面パネルを開いた状態で図1における手前側である感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの回転軸方向に着脱可能となっている。このようにプロセスカートリッジ化することは、交換部品として取り扱うことができるため、メンテナンス性が著しく向上し、大変好ましい。
このような構成の画像形成装置100においては、スタートスイッチの押下等により画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKにおいてそれぞれ次の画像形成プロセスが実行されること等によって、画像形成が行われる。
具体的には、カラー画像を形成すべき旨の信号が入力された場合には、適宜、読取装置98において原稿の読み取りが行われる等して形成すべき画像に対応したデータが取得されるとともに、駆動ローラ72が駆動され、転写ベルト11、クリーニング対向ローラ74、張架ローラ33、34が従動回転するとともに、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKがB1方向に回転駆動される。
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKはそれぞれ、B1方向への回転に伴い、帯電装置79Y、79M、79C、79BKにより表面を一様に帯電処理され、形成すべき画像に対応したデータである画像情報に基づいて制御手段96によって駆動される光走査装置8からのレーザー光の露光走査によりイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応した静電潜像を形成され、この静電潜像を現像装置80Y、80M、80C、80BKにより2成分現像剤中に含まれるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の像形成物質としての画像形成物質であるトナーにより現像されて顕像化すなわち可視像処理され、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像によって構成された単色画像が形成される。
現像により得られたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像は、順次、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKによって、A1方向に回転している転写ベルト11上の同じ位置に重ねて中間転写され、この転写により、転写ベルト11上には合成カラー画像が形成される。
一方、カラー画像を形成すべき旨の信号の入力に伴い、各給紙カセット25に対応する給紙ローラ24、手差しトレイ27に対応する給送ローラ28の何れかが選択されて回転駆動され、転写紙Sを繰り出すとともに1枚ずつ分離されて搬送され、搬送された転写紙Sはレジストローラ対4に突き当てられた状態で停止する。両面画像形成の場合は、定着装置6においてその片面に後述のように画像が定着された転写紙Sが、反転搬送経路21を通って表裏反転された状態で、レジストローラ対4に突き当てられた状態で停止する。
転写ベルト11上に重ね合わされた合成カラー画像が転写ベルト11のA1方向の回転に伴って2次転写部57まで移動するタイミングに合わせて、レジストローラ対4が回転し、2次転写部57では、合成カラー画像が、2次転写部57に送り込まれた転写紙Sに密着し、ニップ圧の作用によって静電転写によって転写紙Sに2次転写され、記録される。
転写紙Sは2次転写装置5およびA1方向に回転する転写ベルト11によって搬送されて定着装置6に送り込まれ、定着装置6において定着ベルト64と加圧ローラ63との間の定着部を通過する際、熱と圧力との作用により、担持したトナー像すなわち合成カラー画像を定着される。
定着装置6を通過した、合成カラー画像を定着済みの転写紙Sは、分岐爪85の切り換え動作により、片面のみに画像形成を行う片面印刷の場合、及び、両面に画像形成を行う両面印刷の場合における両面印刷後の場合には、排紙経路83側へ搬送され、両面印刷の場合における片面印刷後の場合には、再給紙経路84側へ搬送される。
再給紙経路84に搬送された転写紙Sは、両面ユニット51により反転された後、再度、レジストローラ対4、2次転写部57、定着装置6を経て、他面に画像が形成されてから、排紙経路83側へ返送される。
排紙経路83側へ搬送された転写紙Sは、排紙ローラ7を経て本体99外に排出されると同時に後処理装置40に進入し、次に述べるシフト動作またはステープル動作による所定の後処理言い換えると用紙処理を施されてから、あるいは、用紙処理を施されることなしに、排紙トレイ17上に画像出力物としてスタックされる。
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、転写後に残留した転写残トナーをクリーニング装置71Y、71M、71C、71BKにより除去され、除電装置によって除電され、帯電装置79Y、79M、79C、79BKによる次の帯電に供される。
2次転写を終えた2次転写部57を通過後の転写ベルト11は、クリーニング装置13に備えられたクリーニング部材によってその表面をクリーニングされ、次の転写に備える。
すでに述べたように、後処理装置40は、シフト動作、ステープル動作を行うことが可能となっている。シフト動作、ステープル動作はそれぞれ、シフトモード、ステープルモードにおいて行われる。これらのモードの選択、設定は、操作パネルにおいて行われる。このように、後処理装置40は、通紙モードとして、シフトモード、ステープルモードを有しており、また他にも、後処理動作としてシフト動作、ステープル動作の何れも行わない通紙モードとして、スルーモードを有している。
以下、シフトモード時、ステープルモード時における後処理装置40のそれぞれの動作について説明する。スルーモード時の動作については、シフトモード時の動作の説明において付加的に説明する。
・シフトモード
本モードは、排紙トレイ17上における転写紙Sの積載位置を、所定枚数ごとに、転写紙Sの幅方向にずらすことで、転写紙Sの仕分けを行うモードである。後処理装置40は、排紙トレイ17上における転写紙Sの積載位置を転写紙Sの幅方向にずらすために、排紙トレイ17への転写紙Sの排出位置を、かかる幅方向においてずらすようになっている。
そのため、後処理制御手段として機能する制御手段96は、所定枚数ごとにシフトモータを駆動して、シフト排紙ローラ対43を転写紙Sの幅方向に移動させて、排紙トレイ17への排紙を行う。このとき、後処理制御手段として機能する制御手段96は、コロ変位ステッピングモータによってレバー85を下方に変位させ、従動コロ56を排紙ローラ55に当接した状態とするとともに、排紙モータ59を駆動して排紙ローラ55を駆動する。これにより、シフト排紙ローラ対43によって搬送されてきた転写紙Sは、排紙ローラ55と従動コロ56との間で挟持され、排紙ローラ55の駆動及び従動コロ56の従動によって排紙トレイ17上に排紙され、積載される。
このようにして排紙トレイ17上に排紙が行われることにより、たとえば、シフトモータの駆動が複数回行われれば、排紙トレイ17上における転写紙Sの積載位置が、その幅方向において交互にずれることとなる。シフトモードではこのようにして転写紙Sの仕分けが行われる。
なお、シフトを行う枚数は、操作パネルにおいて入力される。
排紙トレイ17上の転写紙Sの積載量が増加することにより、排紙ローラ55によって排紙トレイ17上に排出されようとする転写紙Sが、すでに排紙トレイ17上に積載している転写紙Sに突き当たって排紙不良が生じることを防止するため、後処理制御手段として機能する制御手段96は、次の制御を行う。
すなわち、後処理制御手段として機能する制御手段96は、各転写紙Sの後端が入口センサ86を通過したタイミングに合わせて、上下駆動制御手段として機能し、トレイDCモータ89aを駆動して、可動トレイ部17bの先端部を一定量下降させる。
またこのとき、後処理制御手段として機能する制御手段96は、所定枚数ごと、本形態では5枚ごとに、転写紙Sの搬送タイミング、具体的には、転写紙Sの後端が束排紙センサ88を通過したタイミングに合わせて、ソレノイド91をOFFにし、用紙押え90による用紙押え動作を行うとともに、トレイ紙面検知センサ92からの信号に応じて上下駆動制御手段として機能し、トレイDCモータ89aを駆動して、可動トレイ部17bの先端部を、かかる排紙不良が生じることのない定位置に位置決めする。
ここで、かかる定位置について説明する。
上述したように、排紙トレイ17上には、転写紙Sが排紙ローラ55によって不都合なく排出され、積載されることが求められるが、排紙トレイ17上の転写紙Sの積載量が増加し、積載高さが高くなると、図14(a)に示すように、排紙トレイ17上の転写紙Snによって、排紙ローラ55による転写紙Sの排出が妨げられる場合がある。
すなわち、排紙トレイ17上の転写紙Snの積載量が増加すると、排紙ローラ55によって排紙トレイ17上に排出されようとする転写紙Sが、すでに排紙トレイ17上に積載している転写紙Snに突き当たって排紙不良が生じる可能性がある。なお、図14に示している転写紙Snは、排紙トレイ17上に積載されている複数枚の転写紙Sを示している。
そこで、この排紙不良を防止するために、すでに述べたように、排紙トレイ17を定位置まで下降させるのであるが、かかる積載高さについてより詳しく考察すると、画像形成時の転写紙Sの加熱や加圧などにより、転写紙Sがカールすることがあり、とくに、図14(b)に示すように、転写紙Sの両側縁が上方にカールするいわゆるサイドカールが生じた場合、かかる積載高さは、転写紙Sが平面状である場合に比べて高くなる。よってサイドカールが生じると、かかる排紙不良が生じやすくなる。
サイドカールによって積載高さが高くなる場合にも、かかる排紙不良を回避するためには、積載高さに応じて排紙トレイ17を下降させるにあたって、排紙トレイ17を下降する量に、サイドカールによる積載高さの増加分を見込んでおくようにすれば良い。
そのため、トレイ紙面検知センサ92の配設位置は、サイドカールによる積載高さの増加分を見込んだ位置とされている。よって、かかる定位置は、排紙トレイ17上の転写紙Snにサイドカールが生じていても、排紙トレイ17上の転写紙Snのうち最上位の転写紙Sが、排紙ローラ55による排紙位置の高さまでは至らず、言い換えるとステープルトレイ44の高さまで到達することがなく、排紙ローラ55によって排出される転写紙Sがかかる最上位の転写紙Sに当接することがない第1の位置を占めるようにする位置に設定されている。
したがって、かかる定位置は、排紙トレイ17具体的には可動トレイ部17bの高さ方向における次に述べる所定位置から、排紙ローラ55によって排出される転写紙Sがかかる最上位の転写紙Sに当接することがないようにするのに必要十分な高さだけ、可動トレイ部17bを下降させた位置とされている。
かかる所定位置とは、排紙トレイ17上の転写紙Snにサイドカール等の変形が生じておらず最上位の転写紙Sが平面状である場合に、排紙ローラ55によって排出される転写紙Sがかかる最上位の転写紙Sに当接することがないようにするために、排紙トレイ17具体的には可動トレイ部17bが、高さ方向において占めるべき必要十分な位置である。
すなわち、かかる定位置は、排紙トレイ17具体的には可動トレイ部17bの所定位置から、かかる最上位の転写紙Sの、サイドカールによる上方への変形量を見込んだ高さだけ、可動トレイ部17bを下降させた、かかる高さだけ低い位置とされている。この変形量は、かかる平面状である場合に比べた最上位の転写紙Sの上方への変形量である。
第1の高さ、すなわち排紙ローラ55による排紙位置から、かかる最上位の転写紙Sまでの高さ言い換えると落差が大きすぎると、排紙ローラ55によって排出された転写紙Sの全体がかかる最上位の転写紙S上に積載されるまでの挙動が不安定となり、排紙トレイ17上における転写紙Snの積載状態が乱れる可能性があり、またこの乱れが大きいときには、仕分け不良が生じる可能性がある。
したがって、第1の高さである、排紙トレイ17上において最上位に位置する転写紙Sの上面位置から、排紙ローラ55と従動コロ56とが当接して形成されるニップ部までの高さが、かかる突き当りを回避するために必要十分な一定の高さとされるように、かかる定位置が設定されている。
かかる定位置がこのように設定されていることにより、排紙トレイ17上への排出不良が防止ないし抑制されるとともに、かかるニップ部から排出されてくる転写紙Sと、かかる上面位置あるいは排紙トレイ17の露出した上面との接触角度が一定とされ、排紙トレイ17上における転写紙Sの揃えが安定して良好となり、これに加えて、かかる突き当りが回避されるという条件のもとで可能な限り多数枚の転写紙Sが、排紙トレイ17上に、仕分けされた状態で整然と積載される。
なお、ソレノイド91をOFFにするタイミングは、排紙の5枚ごとでなく他の枚数、たとえば1枚ごとのタイミングであっても良い。また、後処理装置40においてシフト動作とステープル動作との何れも行わずに排紙トレイ17上に積載するスルーモードの場合には、以上述べた動作が、シフトモータの駆動を停止した状態に維持されたままで、後処理制御手段として機能する制御手段96の制御によって行われる。
・ステープルモード
本モードは、排紙トレイ17上に、複数の転写紙Sを綴じた状態で積載するモードである。後処理装置40は、排紙トレイ17上に複数の転写紙Sを綴じた状態で積載するために、複数の転写紙Sの綴じ動作を行ってから、綴じられた転写紙Sの束の全体を排紙トレイ17上に排出するようになっている。
そのために行われるステープル動作について、まず概略を説明する。
後処理制御手段として機能する制御手段96は、入口センサ86によって転写紙Sの後端を検知したタイミングに基づいて、排紙搬送路41を搬送されてきた転写紙Sの後端がシフト排紙ローラ対43を通過したタイミングに基づいて、コロ変位ステッピングモータを駆動してレバー84を揺動させて叩きコロ54を下方に変位させ、その転写紙Sをステープルトレイ44に押し付けるとともに、排紙モータ59を駆動して叩きコロ54によりその転写紙Sをスイッチバックさせ、転写紙Sの搬送方向における整合を行う。
また、後処理制御手段として機能する制御手段96は、すでに述べたように、ジョガーフェンス47を駆動して、転写紙Sの幅方向における整合を行う。
これらの整合動作は、1度の綴じ動作により綴じ処理を行うべき全ての転写紙Sがステープルトレイ44上に積載され、整合されるまで繰り返し行われる。この整合が完了すると、後処理制御手段として機能する制御手段96は、すでに述べたように、ステープラ49を駆動してステープルトレイ44上の転写紙Sの束に対して綴じ処理を行う。なおこのとき、後処理制御手段として機能する制御手段96は、ソレノイド91をOFFにし、用紙押え90による用紙押え動作を行わせている。
綴じ処理後、後処理制御手段として機能する制御手段96は、コロ変位ステッピングモータを駆動してレバー85を揺動させて従動コロ56を下方に変位させ、駆動ローラ55との間に、綴じ処理が行われた転写紙Sの束を挟持させるとともに、排紙モータ59を駆動して駆動ローラ55によりその転写紙Sの束を排紙トレイ17上に排出する。
後処理制御手段として機能する制御手段96は、排紙モータ59を一定ステップで駆動した後の、転写紙Sの束を排紙トレイ17上に排出している途中のタイミングで、ソレノイド91をONにし、用紙押え90による用紙押え動作を解除してから、上下駆動制御手段として機能し、トレイDCモータ89aを駆動して、可動トレイ部17bの先端部を一定量下降させる。
次いで、後処理制御手段として機能する制御手段96は、転写紙Sの束の後端が束排紙センサ88を通過したタイミングに合わせて、再度、上下駆動制御手段として機能し、トレイDCモータ89aを駆動して、可動トレイ部17bの先端部を上昇させるとともに、排紙モータ59の駆動を停止して、排紙トレイ17への次の綴じ処理済みの転写紙Sの束の受け入れに備える。後処理制御手段として機能する制御手段96は、この排紙モータ59の駆動の停止と同時に、ソレノイド91をOFFにし、用紙押え90による用紙押え動作を行わせる。
以上ステープルモードにおける概略的な動作について説明したが、かりに、ステープルモードにおける動作を、以上述べた動作のみによって行うとすれば、次のような問題が生じることが考えられる。
すなわち、シフトモードの説明において図14を参照しながら述べたように、排紙トレイ17上には、転写紙Sが排紙ローラ55によって不都合なく排出され、積載されることが求められるが、排紙トレイ17上の転写紙Sの積載量が増加し、積載高さが高くなると、排紙トレイ17上の転写紙Snによって、排紙ローラ55による転写紙Sの排出が妨げられ、排紙不良が生じる場合がある。
ステープルモードにおいても、サイドカールは生じ得るので、かかる排紙不良を防止するためには、シフトモードにおける動作と同様に、サイドカールを見込んだ積載高さに応じて、排紙トレイ17を下降させることが考えられる。
しかしながら、ステープルモードでは、綴じ処理が行われた転写紙Sの束が排紙トレイ17上に積載されると、綴じが行われた部分において、綴じ針分の厚みや綴じ処理自体によって生じるカール等により、転写紙Snが盛り上がって、かかる積載高さが、転写紙Sが平面状である場合、さらには、単にサイドカールが生じている場合よりも高くなる。転写紙Sに対して綴じが行われる部分は、同一部分とされることが多いため、かかる部分における転写紙Snの盛り上がりは非常に大きくなることがある。
そのため、ステープルモードにおいては、シフトモード、スルーモードよりも、排紙トレイ17上の転写紙Snのうち最上位の転写紙Sが、排紙ローラ55による排紙位置の高さにまで至り、排紙ローラ55によって排出される転写紙Sの先端が、かかる最上位の転写紙Sをはじめとする転写紙Snの後端に当接する可能性が大きくなる。
後処理装置40では、転写紙Sの先端側の一部が排紙トレイ17上に位置する状態でこの転写紙Sへの綴じ処理が行われるため、かかる当接が生じ、かかる状態が形成されないと、綴じ処理が不能となるとともに、転写紙Sのジャムなどの不具合が発生し得る。また、かかる当接が生じても転写紙Snを乗り越えてかかる状態が形成される可能性があるが、この場合には、通常、積載状態が乱れるため、綴じ処理不良、転写紙Sの不整合などの不具合が発生し得る。
そこで、綴じ処理によって積載高さが高くなる場合にも、かかる排紙不良を回避するためには、積載高さに応じて排紙トレイ17を下降させるにあたって、排紙トレイ17を下降する量に、サイドカールに加えて、綴じ処理による積載高さの増加分をも見込んでおくようにすれば十分であるとも考えられる。
ところが、綴じ処理による積載高さの増加は、綴じ処理を行われた転写紙Sの束を構成している転写紙の枚数、言い換えると綴じ処理を行う1部あたりの転写紙Sの枚数等によって、ランダムに生じるという事情がある。
これに対処するには、排紙トレイ17を下降する量に、綴じ処理による積載高さの最大増加量を見込んで、排紙トレイ17を下降させることも考えられるが、単に排紙トレイ17をそのように大きく設定された下降量で下降させ、転写紙Sを排出すると、実際には積載高さの増加量が小さかった場合など、設定された下降量が結果として過剰となり、シフトモードの説明で述べたのと同様に、排紙トレイ17上における転写紙Sの積載状態が乱れる可能性がある。
そうすると、後処理装置40では、転写紙Sの先端側の一部が排紙トレイ17上に位置する状態でこの転写紙S体への綴じ処理が行われるため、やはり、綴じ処理不良、転写紙Sの不整合などの不具合が発生し得る。
このように、後処理装置40では、転写紙Sの先端側の一部が排紙トレイ17上に位置する状態でこの転写紙S体への綴じ処理が行われるため、排紙トレイ17上の転写紙Sの状態が綴じ処理の良否を左右し得ることから、転写紙Sを排出する際に単に排紙トレイ17を下降させるだけでは、綴じ処理性能、転写紙Sの整合性能が低下する可能性がある。
そこで、後処理装置40では、ステープラ49によって綴じが行われるときであるステープルモードにおいて、すでに述べた概略の動作に加えて、綴じを行われる転写紙Sの1枚目、すなわち綴じ処理を施される単位である各部の1枚目の転写紙Sが排紙トレイ17に排出されるときに限り、排紙トレイ17を下降する等の動作を行う。
この動作を、図4ないし図9に沿って、適宜図10を参照しながら、説明する。なお、図4ないし図8において、符号S1は、かかる各部の1枚目の転写紙Sを示しており、図8において、符号S2は、かかる各部の2枚目の転写紙Sを示している。
後処理制御手段として機能する制御手段96は、図4に示すように、転写紙Sが排紙搬送路41を搬送されてきて、その先端部がシフト排紙ローラ対43に到達し、さらに10mm搬送されるタイミングまで、入口センサ86によるその転写紙Sの先端の検知タイミングに基づいて待機し(図10(S100))、転写紙Sの先端部がシフト排紙ローラ対43から10mm搬送されるタイミングになると、その転写紙Sが、綴じを行われる1枚目の転写紙S1であるか否かを判定する(図10(S101))。
その転写紙Sが転写紙S1である場合には、後処理制御手段として機能する制御手段96は、通紙モードがステープルモードであるか否かを確認し(図10(S102))、ステープルモードである場合には上下駆動制御手段として機能して、トレイDCモータ89aを駆動し、可動トレイ部17bの先端部の下降を開始する(図10(S103))。
なお、ステップS101においてその転写紙Sが転写紙S1でないとき、ステップS102において通紙モードがステープルモードでないときは、図4に示す処理を終了し、次の転写紙Sが入口センサ86によって検知されるまで待機する。
ステップS103において排紙トレイ17の下降を開始すると、後処理制御手段として機能する制御手段96は、トレイ紙面検知センサ92によって用紙押さえ90が検知されているか否かにかかわらず、時間計測のために内蔵したタイマによるカウントをスタートし(図10(S104))、ダウンタイムとして設定されている200msecが経過するまで時間待ちを行って待機し(図10(S105))、ダウンタイムが経過したタイミングで、上下駆動制御手段として機能してトレイDCモータ89aの駆動を停止し、図5に示すように、可動トレイ部17bの先端部の下降を停止する(図10(S106))。
このときに可動トレイ17bの先端部が占める位置は、定位置よりも20mm低い位置となっている。よって、このときに排紙トレイ17上で最上位を占める転写紙Sの後端部の上面位置である第2の位置は、第1の位置よりも20mm低く、かかる転写紙Sの上面位置から、排紙ローラ55と従動コロ56とが当接して形成されるニップ部までの高さである第2の高さは、第1の高さより20mm高い。
後処理制御手段として機能する制御手段96は、上下駆動制御手段として機能する制御手段96によってトレイDCモータ89aの駆動が停止されると、タイマによるカウントをストップする(図10(S107))。
なお、図5に示すように、ダウンタイムが経過するまでに、転写紙S1は、シフト排紙ローラ対43による搬送を継続され、その先端が、排紙ローラ55と、排紙ローラ55から離間している従動コロ56との間に進入する。
このダウンタイムである200msecの時間は、転写紙S1が転写紙Snに突き当たることを防止するために、サイドカールに加えて、綴じ処理による積載高さの増加分をも見込んで実測によって求められた、トレイDCモータ89aの駆動時間となっている。言い換えると、かかる時間は、可動トレイ部17bの下降を、上述した定位置から、排紙トレイ17上の最上位の転写紙Sの、サイドカール及び綴じ処理による上方への変形量を見込んだ高さに応じた20mmの高さで行うようにする時間とされている。
すなわち、かかるダウンタイムは、排紙トレイ17具体的には可動トレイ部17bを、定位置から、排紙ローラ55によって排出される転写紙Sがかかる最上位の転写紙Sに当接することがないようにするのに必要十分な高さである20mmだけ、可動トレイ部17bを下降させるために要する時間とされている。
よって、かかる最上位の転写紙Sが第2の位置にあるときの排紙トレイ17具体的には可動トレイ部17bの位置は、上述した所定位置から、かかる最上位の転写紙Sの、サイドカール及び綴じ処理による上方への変形量を見込んだ高さに応じて下降した位置である。この変形量は、かかる平面状である場合に比べた最上位の転写紙Sの上方への変形量である。
そのため、図6に示すように、転写紙S1の先端は、転写紙Snの後端に当接することなく排紙トレイ17上に進入し、かかる当接による積載状態の乱れが防止される。
先端部が排紙トレイ17上に進入した転写紙S1は、シフト排紙ローラ対43によってさらに搬送される。この間、後処理制御手段として機能する制御手段96は、入口センサ86による転写紙S1の後端の検知タイミングに基づいて、転写紙S1の後端がシフト排紙ローラ対43まで搬送されるまで待つ(図10(S108))。
後処理制御手段として機能する制御手段96は、転写紙S1の後端がシフト排紙ローラ対43に到達したと判断すると、上下駆動制御手段として機能し、トレイDCモータ89aを駆動して、図7に示すように、可動トレイ部17bの先端部の上昇を開始する(図10(S109))とともに、すでに述べたようにして、転写紙S1のスイッチバック、整合を行う。
排紙トレイ17の上昇は、トレイ紙面検知センサ92によって用紙押さえ90が検知されるまで継続され(図10(S110))、トレイ紙面検知センサ92によって用紙押さえ90が検知されると、後処理制御手段として機能する制御手段96によって停止される(図10(S111))。
その後、図8に示すように、転写紙S2が搬送されてくる。このときには、転写紙Snのうちの最上面の転写紙Sの位置は第2の位置よりも高い第1の位置を占めているものの、転写紙S1の先端部の一部が排紙トレイ17上に位置しているため、転写紙S2の先端部が排紙トレイ17上に排出されるときには、この先端部は、順次、転写紙S1の、ステープルトレイ44上に載置されている部分、排紙ローラ55上に位置する部分の上面に沿って搬送されることから、転写紙Snの後端に当接することなく、排紙トレイ17上に至る。
これにより、転写紙S2は、排紙不良となることなく、転写紙S1上に重なるようにして排紙され、転写紙S1とともに、すでに述べたようにして、後処理制御手段として機能する制御手段96により、スイッチバック、整合を行われる。また、転写紙Snの高さが定位置に復帰しているため、転写紙S2の、排紙トレイ17上での積載状態は良好となる。3枚以上の転写紙Sに対して綴じ処理が行われる場合にはさらに転写紙Sが搬送されてきて、転写紙S2と同様に、排紙、スイッチバック、整合を行われる。
綴じ処理を行うべき転写紙Sがすべて整合を行われると、すでに述べたようにして、後処理制御手段として機能する制御手段96により、ステープラ49が駆動されて綴じ処理が行われた後、排紙ローラ55等が駆動されることにより、綴じ処理が行われた転写紙Sの束が、排紙トレイ17上に排出され、図9に示す状態となる。同図に示されているように、この転写紙Sの束は、全体が、排紙トレイ17上に排出された状態となっている。
綴じ処理が行われた転写紙Sの束を、排紙トレイ17上に排出するとき、かかる束を構成する転写紙Sのうちの最下位の転写紙Sすなわち転写紙S1は、すでにその先端部が排紙トレイ17上に位置しているため、かかる排出は、転写紙Snの後端に当接することがなく、良好に行われる。
このように、ステープル動作においては、綴じを行われる転写紙S1の先端が排紙トレイ17上に到達するまでに排紙トレイ17の下降が行われ、かかる先端が排紙トレイ17上に位置した後、綴じを行われる転写紙S2の先端が排紙トレイ17上に位置するまでに排紙トレイ17を上昇させるため、転写紙S1の先端側の一部が排紙トレイ17上に位置する状態が確実に形成されるとともに、転写紙S2以降の先端側の一部の排紙トレイ17上に位置する状態も確実に形成され、転写紙Sの先端側の一部が排紙トレイ17上に位置する状態での綴じ処理が確実に行われる。かかる状態が形成されずに転写紙Sのジャムが生じることも防止ないし抑制される。
なお、転写紙S1が排紙トレイ17上に排出されるとき、可動トレイ部17bは定位置よりも低い位置を占め、排紙ローラ55と従動コロ56とが当接して形成されるニップ部から、排紙トレイ17上で最上位を占める転写紙Sの上面位置までの落差である第2の高さが、通常の排紙時における高さである第1の高さよりも大きくなっている。よって、転写紙S1の排紙トレイ17上における位置がずれやすくなっている。
しかし、転写紙S1は、それ自身のスイッチバック、整合を行われるとともに、転写紙S2以降の転写紙Sに対して行われるスイッチバック、整合による作用を受けることにより、位置ずれを生じた場合であっても、後処理装置40がスイッチバック動作、整合動作を行うたびに位置ずれが解消される。そのため、後処理装置40において、綴じ処理不良、転写紙Sの不整合が発生することも、防止ないし抑制されている。
なお、図10を参照して説明した以上のステープルモードの動作においては、すでに述べた、排紙トレイ満杯センサ93を用いて可動トレイ部17bの上下動を停止する動作を省いているが、図11に示すように、かかる動作を行うようにしてもよい。
図11に示す動作について、図10を参照した説明と異なる部分を説明する。この異なる部分は、ステップS104とステップS106との間の部分である。
具体的には、後処理制御手段として機能する制御手段96は、ステップS104において、タイマによるカウントをスタートすると、ダウンタイムとして設定されている200msecが経過するまで待つとともに(図11(S105))、排紙トレイ満杯センサ93によって、排紙トレイ17上に所定の許容量を超える転写紙Sが積載されていることが検知されているか否かすなわち満杯状態であるか否かをチェックする(図11(S150))。
後処理制御手段として機能する制御手段96は、ステップS150において、満杯状態であると判断した場合には、ステップS105において200msecが経過していなくても、上下駆動制御手段として機能してトレイDCモータ89aの駆動を停止し、可動トレイ部17bの先端部の下降を停止する(図11(S106))。
また、後処理制御手段として機能する制御手段96は、ステップS105において200msecが経過すると、ステップS150において満杯状態であると判断しなくても、上下駆動制御手段として機能してステップS106の動作を行う。
以上述べたステープルモードの動作においては、ダウンタイムを、200msecで一定としているが、ダウンタイムは、可動トレイ部17bの下降を、上述した所定位置から、ステープラ49による転写紙Sの綴じ位置と、ステープラ49によって綴じを行われる転写紙Sの種類と、ステープラ49によって綴じを行われる転写紙Sの枚数との少なくとも1つに応じた高さで行う時間としてもよい。
これらの位置、高さ、時間の条件によって、排紙トレイ17上の最上面の転写紙Sの上方への変形量が変化するため、これらに応じてダウンタイムを調整することで、排紙不良、すなわち、排紙ローラ55によって排紙トレイ17上に排出されようとする転写紙Sがすでに排紙トレイ17上に積載している転写紙Sに突き当たることによって生じる排紙不良への対策が行われることとなる。
この場合も、ダウンタイムは、すでに述べたように、排紙トレイ17上の最上位の転写紙Sの、綴じ処理による上方への変形量という条件を見込んだ時間とすることが望ましい。
図12に、これらのすべての条件に応じてダウンタイムを調整する場合のステープルモードの動作を示す。図12に示す動作について、図10を参照した説明と異なる部分を説明する。この異なる部分は、上下駆動制御手段として機能する制御手段96によって、ステップS102とステップS103との間でステップS200として実行される、ダウンタイム決定のためのサブルーチンの部分である。
このステップS200は、ステープラ49による転写紙Sの綴じ位置に応じてダウンタイムを仮設定するステップS201〜ステップS203と、ステープラ49によって綴じを行われる転写紙Sの種類に応じてダウンタイムを仮設定するステップS204〜ステップS207と、ステープラ49によって綴じを行われる転写紙Sの枚数に応じてダウンタイムを仮設定するステップS208〜ステップS211と、仮設定されたダウンタイムのうちの最大値すなわち一番長い時間を選択してステップS105において用いるダウンタイムとして採用し確定するステップS212とを有している。
なお、ステップS202、ステップS203、ステップS205、ステップS206、ステップS207、ステップS209、ステップS210、ステップS211に示されている下降時間仮保存領域は、上下駆動制御手段として機能する制御手段96に備えられたメモリによって構成された、仮設定されたダウンタイムを記憶する領域である。
そのため、下降時間仮保存領域は、ステップS201〜ステップS203においてステープラ49による転写紙Sの綴じ位置に応じて仮設定されたダウンタイムを記憶する領域であるtime_aと、ステップS204〜ステップS207においてステープラ49によって綴じを行われる転写紙Sの種類に応じて仮設定されたダウンタイムを記憶する領域であるtime_bと、ステップS208〜ステップS211においてステープラ49によって綴じを行われる転写紙Sの枚数に応じて仮設定されたダウンタイムを記憶する領域であるtime_cとを有している。
ステップS201〜ステップS203において行われるダウンタイムの仮設定には、図13(a)に示すテーブルが用いられる。ステップS204〜ステップS207において行われるダウンタイムの仮設定には、図13(b)に示すテーブルが用いられる。ステップS208〜ステップS211において行われるダウンタイムの仮設定には、図13(c)に示すテーブルが用いられる。
図12に沿ってダウンタイム決定までの流れを説明すると、まず、ステープラ49による転写紙Sの綴じ位置が手前綴じ、奥綴じ、2箇所綴じの位置の何れであるかがステップS201において判断され、かかる綴じ位置が手前綴じ、奥綴じの位置の何れかである場合にはステップS202において図13(a)に示したテーブルに従ってダウンタイムとして200msecが仮設定されるとともにこれが領域time_aに記憶され、かかる綴じ位置が2箇所綴じである場合にはステップS203において図13(a)に示したテーブルに従ってダウンタイムとして150msecが仮設定されるとともにこれが領域time_aに記憶される。
次いで、ステープラ49によって綴じを行われる転写紙Sの種類が薄紙、普通紙、厚紙の何れであるかがステップS204において判断され、かかる種類が薄紙である場合にはステップS205において図13(b)に示したテーブルに従ってダウンタイムとして200msecが仮設定されるとともにこれが領域time_bに記憶され、かかる種類が厚紙である場合にはステップS206において図13(b)に示したテーブルに従ってダウンタイムとして150msecが仮設定されるとともにこれが領域time_bに記憶され、かかる種類が普通紙である場合にはステップS207において図13(b)に示したテーブルに従ってダウンタイムとして180msecが仮設定されるとともにこれが領域time_bに記憶される。
次いで、ステープラ49によって綴じを行われる転写紙Sの枚数が20枚以下、21枚以上40枚以下、41枚以上の何れであるかがステップS208において判断され、かかる枚数が20枚以下である場合にはステップS209において図13(c)に示したテーブルに従ってダウンタイムとして200msecが仮設定されるとともにこれが領域time_cに記憶され、かかる枚数が41枚以上である場合にはステップS210において図13(c)に示したテーブルに従ってダウンタイムとして150msecが仮設定されるとともにこれが領域time_cに記憶され、かかる枚数が21枚以上40枚以下である場合にはステップS211において図13(c)に示したテーブルに従ってダウンタイムとして180msecが仮設定されるとともにこれが領域time_cに記憶される。
次いで、ステップS212では、領域time_a、領域time_b、領域time_cに仮設定値として記憶されているダウンタイムが比較されるとともに最大値が選択され、この最大値がダウンタイムすなわち可動トレイ部下降時間としてセットされる。
このセットが行われるとステップS103、ステップS104が行われ、次のステップS105において、上下駆動制御手段として機能する制御手段96は、セットされたダウンタイムが経過するまで待つとともに、かかるダウンタイムが経過すると、上下駆動制御手段として機能してトレイDCモータ89aの駆動を停止し、可動トレイ部17bの先端部の下降を停止する(図12(S106))。
図13に示したテーブルは、上下駆動制御手段として機能する制御手段96に記憶されている。
なお、図12に示した動作において、図11に沿って説明した動作を行うようにしてもよい。
ダウンタイムを仮設定するために、かかる位置、高さ、時間の条件を用いる順番は、上述の順番に限られない。また、かかる位置、高さ、時間の条件のうち、何れか1つを用いるようにしてもよく、この場合に仮設定は不要であり、用いられた条件によって決定されたダウンタイムがそのままステップS105において用いられる。よってこの場合、仮設定されたダウンタイムを記憶する領域、ステップS212のような仮設定されたダウンタイムのうち最大の値を選択する処理は必要ない。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
たとえば、後処理装置は、画像形成装置において画像形成済みの記録媒体に対して少なくとも綴じ処理による後処理が可能であれば、画像形成装置に対して着脱可能な、たとえばオプションとして備えられる装置でなく、画像形成装置100の内部、上述の形態であれば本体99の内部に、インナーフィニッシャとして一体に設置された構成となっていてもよいし、いわゆるスタンドアロン型の後処理装置として、画像形成装置から独立した装置として用いられるものであってもよい。
その他、画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリの複合機でなく、これらの単体であっても良いし、印刷装置であっても良いし、その他、複写機とプリンタとの複合機等の他の組み合わせの複合機であっても良い。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。