JP5724225B2 - ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents
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Description
このような芳香族ポリカーボネートの製造法としては、いわゆる界面重合法が知られているが、原料として有害なホスゲンを使用すること、ジクロロメタン等の溶媒を必要とすること、多量のアルカリ化合物を必要とすること等から、環境への負荷が大きいという問題があった。
一方、ビスフェノール化合物と炭酸ジフェニルをエステル交換させることにより芳香族ポリカーボネートを製造する、いわゆるエステル交換法も知られているが、この方法では多量のフェノールを副生するため、その処理方法が問題であった。この問題を解決するために、副生フェノールを炭酸ジフェニルの原料、またはビスフェノールAの原料として再利用することが提案されている(例えば特許文献1〜5参照)。
また、従来の芳香族ポリカーボネートは一般的に石油資源から誘導される原料を用いて製造されるが、近年、石油資源の枯渇が危惧されており、植物などのバイオマス資源から得られる原料を用いたポリカーボネートの提供が求められている。また、二酸化炭素排出量の増加、蓄積による地球温暖化が、気候変動などをもたらすことが危惧されていることからも、使用後の廃棄処分をしてもカーボンニュートラルな、植物由来モノマーを原料としたポリカーボネートの開発が求められている。
分子内に下記一般式(1)で表される構造を有する複素環式構造を持つジヒドロキシ化合物と、前記炭酸ジフェニル製造工程によって製造された炭酸ジフェニルとを、270℃未満でエステル交換させてポリカーボネート(A)を製造するポリカーボネート製造工程(a)、
フェノール及びケトン化合物又はアルデヒド化合物を原料とし、ビスフェノール化合物を製造するビスフェノール化合物製造工程、及び、
ビスフェノール化合物製造工程によって製造したビスフェノール化合物と、前記炭酸ジフェニル製造工程によって製造された炭酸ジフェニルとをエステル交換させてポリカーボネート(B)を製造するポリカーボネート製造工程(b)、
を含み、
ポリカーボネート製造工程(a)で副生するフェノールと、ポリカーボネート製造工程(b)で副生するフェノールとを混合し、
全体の副生フェノールに対する、ポリカーボネート製造工程(a)から副生する副生フェノールの比率が、50重量%以下であり、
炭酸ジフェニルの原料及び/またはビスフェノール化合物の原料の少なくとも一部として用いることを特徴とするポリカーボネートの製造方法。
[2] フェノール及びカルボニル化合物を原料とし、炭酸ジフェニルを製造する炭酸ジフェニル製造工程(a1)、
分子内に下記一般式(1)で表される構造を有する複素環式構造を持つジヒドロキシ化合物と、前記炭酸ジフェニル製造工程(a1)によって製造された炭酸ジフェニルとを、270℃未満でエステル交換させてポリカーボネート(A)を製造するポリカーボネート製造工程(a)、
フェノール及びケトン化合物又はアルデヒド化合物を原料とし、ビスフェノール化合物を製造するビスフェノール化合物製造工程、
フェノール及びカルボニル化合物を原料とし、炭酸ジフェニルを製造する炭酸ジフェニル製造工程(b1)、及び、
ビスフェノール化合物製造工程によって製造したビスフェノール化合物と、前記炭酸ジフェニル製造工程(b1)によって製造された炭酸ジフェニルとをエステル交換させてポリカーボネート(B)を製造するポリカーボネート製造工程(b)、
を含み、
ポリカーボネート製造工程(a)で副生するフェノールと、ポリカーボネート製造工程(b)で副生するフェノールとを混合し、
全体の副生フェノールに対する、ポリカーボネート製造工程(a)から副生する副生フェノールの比率が、50重量%以下であり、
炭酸ジフェニルの原料及び/またはビスフェノール化合物の原料の少なくとも一部として用いることを特徴とするポリカーボネートの製造方法。
[3] ポリカーボネート製造工程(a)で副生するフェノールと、ポリカーボネート製造工程(b)で副生するフェノールとを混合した後、精製する前記[1]または[2]に記載のポリカーボネートの製造方法。
[4] ポリカーボネート製造工程(a)で副生するフェノールを精製した後、ポリカーボネート製造工程(b)で副生するフェノールと混合する前記[1]から[3]の何れかに記載のポリカーボネートの製造方法。
[5] 副生フェノールを蒸留により精製する前記[1]から[4]の何れかに記載のポリカーボネートの製造方法
[6] ポリカーボネート(A)のフェノール含有量が500重量ppm以下である前記[1]から[5]の何れかに記載のポリカーボネートの製造方法。
[7] 前記ジヒドロキシ化合物が、下記式(2)の構造式で表される化合物を含む前記[1]から[6]の何れかに記載のポリカーボネートの製造方法。
更に、本発明の別の態様に係る本発明のポリカーボネートの製造方法(III)(以下、「本発明の製造方法(III)」と略称することがある)は、上記[5]のとおり、フェノール及びカルボニル化合物を原料とし、炭酸ジフェニルを製造する炭酸ジフェニル製造工程(a1)、本発明に係るジヒドロキシ化合物と、前記炭酸ジフェニル製造工程(a1)によって製造された炭酸ジフェニルとを、270℃未満でエステル交換させてポリカーボネート(A)を製造するポリカーボネート製造工程(a)、フェノール及びケトン化合物又はアルデヒド化合物を原料とし、ビスフェノール化合物を製造するビスフェノール化合物製造工程、フェノール及びカルボニル化合物を原料とし、炭酸ジフェニルを製造する炭酸ジフェニル製造工程(b1)、及び、ビスフェノール化合物製造工程によって製造したビスフェノール化合物と、前記炭酸ジフェニル製造工程(b1)によって製造された炭酸ジフェニルとをエステル交換させてポリカーボネート(B)を製造するポリカーボネート製造工程(b)、を含み、ポリカーボネート製造工程(a)で副生するフェノールと、ポリカーボネート製造工程(b)で副生するフェノールとを混合し、炭酸ジフェニルの原料及び/またはビスフェノール化合物の原料の少なくとも一部として用いることを特徴とするものである。
本発明の製造方法において、ポリカーボネート(A)とは、本発明のジヒドロキシ化合物と炭酸ジフェニルとを、270℃未満でエステル交換させることで製造することができるポリカーボネートを意味し、ポリカーボネート(B)とは、詳しくは後述するビスフェノール化合物と、炭酸ジフェニルとをエステル交換させることで製造することができるポリカーボネートを意味する。
また、本発明の製造方法において、分子内に前記一般式(1)で表される構造を有するジヒドロキシ化合物と炭酸ジフェニルとを、270℃未満でエステル交換させてポリカーボネート(A)を製造する工程を、ポリカーボネート製造工程(a)と称し、ビスフェノール化合物製造工程によって製造したビスフェノール化合物と、前記炭酸ジフェニル製造工程によって製造された炭酸ジフェニルとをエステル交換させてポリカーボネート(B)を製造する工程を、ポリカーボネート製造工程(b)、と称す。
更に、本発明の製造方法において、ポリカーボネート製造工程(a)にて用いる炭酸ジフェニルを製造する工程を、炭酸ジフェニル製造工程(a1)と称し、ポリカーボネート製造工程(b)にて用いる炭酸ジフェニルを製造する工程を、炭酸ジフェニル製造工程(b1)、と称す。
そこで、本発明の製造方法においては、本発明のジヒドロキシ化合物と炭酸ジフェニルとをエステル交換させる際の温度を270℃未満とすることにより、エステル交換中の本発明のジヒドロキシ化合物の分解物の生成を抑制し、副生するフェノール中の不純物濃度を低減している。その結果、副生するフェノールを原料モノマーの原料の一部とした場合においても、最終品であるポリカーボネート(A)及び/又は(B)の着色や熱安定性の低下を回避することができる。
エステル交換させる際の温度は、好ましくは260℃以下、更に好ましくは255℃以下、特に好ましくは250℃以下である。
なお、エステル交換反応の温度が270℃以上であると、エステル交換反応中に副生するフェノール中に着色等を引き起こす不純物が急激に増加し、これを炭酸ジフェニルやビスフェノール化合物の原料として再利用すると、これらのモノマー製造工程で使用する触媒の被毒や、最終的に得られるポリカーボネートの着色や熱安定性の低下を招く。
ポリカーボネート(A)の原料モノマーである、本発明のジヒドロキシ化合物としては、具体的には、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−tert−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−tert−ブチル−6−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル)フルオレン等、側鎖に芳香族基を有し、主鎖に芳香族基に結合したエーテル基を有する化合物、下記一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物に代表される無水糖アルコール、下記一般式(3)で表されるスピログリコール等の環状エーテル構造を有する化合物が挙げられ、これらは単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
また、これらの塩基性安定剤は、除去せずにそのままポリカーボネートの原料として用いると、それ自体が重合触媒となり、重合速度や品質の制御が困難になるので、使用前にイオン交換樹脂や蒸留等で除去することが好ましい。
なお、上述のように本発明の製造方法(I)においては、ポリカーボネート(A)を製造するポリカーボネート製造工程(a)における副生フェノールを原料の少なくとも一部として、ポリカーボネート(A)の原料モノマーである炭酸ジフェニルを製造することが要件である。
また、本発明の製造方法(II)および(III)においても、ポリカーボネート製造工程(a)における副生フェノールを、ポリカーボネート(A)と(B)の共通の原料モノマーである炭酸ジフェニルの原料の少なくとも一部として使用することが好ましい。
また、炭酸ジフェニル中に、塩化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン等が含まれると、ジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応を阻害するので、これらの含有量は、それぞれ50重量ppb以下であることが好ましい。
上記触媒は、通常水溶液またはフェノール溶液として供給される。
図1は、本発明の製造方法(I)で用いる製造工程の一例を示す図である。図1に示す製造工程において、炭酸ジフェニルの製造工程で製造された炭酸ジフェニルは、本発明のジヒドロキシ化合物と混合されて、ポリカーボネート製造工程に送られ、触媒の存在下、前述のように270℃未満でエステル交換反応させて、重合反応を行い、ポリカーボネートを製造する。この時、ポリカーボネート製造工程で副生するフェノールは回収された後、炭酸ジフェニル製造工程に送られて、再び炭酸ジフェニルとしてポリカーボネートを製造する原料となる。
上述のように副生するフェノールは、ポリカーボネート製造工程におけるエステル交換反応(重合)温度が270℃未満であれば、不純物の生成が少なく、そのまま炭酸ジフェニルの製造原料として使用しても差し支えない。
一方で、副生フェノール中には、触媒を添加する際に用いた水や、フェノールと同伴して留出した炭酸ジフェニルやジヒドロキシ化合物、これらが部分的に縮合して生成したオリゴマー等が存在することがある。そのため、図2に示すように炭酸ジフェニル製造工程の前段に、副生フェノールの精製工程を設け、副生フェノールからこれらの不純物を除去した後、炭酸ジフェニルの原料として使用することが好ましい。本発明の製造方法(I)において、副生フェノールの精製工程における精製方法は特に限定はないが、蒸留が好適である。この場合の蒸留は単蒸留であっても、連続蒸留であっても良く、特に限定されない。
また、ジヒドロキシ化合物が、前記構造式(2)で表される化合物である場合には、エステル交換(重合)反応中にフルフラールが発生する。フルフラールの発生は、著しく副生フェノールの品質を悪化させるため、その副生フェノール中の含有量は好ましくは1.5重量ppm以下、更に好ましくは1.0ppm以下、中でも0.5ppm以下が特に好ましい。
更に、本発明の製造方法(III)として、例えば図6に示すように、ポリカーボネートの製造に用いる炭酸ジフェニル製造工程を、ポリカーボネート製造工程(a)で用いる炭酸ジフェニルを製造する炭酸ジフェニル製造工程(a1)と、ポリカーボネート製造工程(b)で用いる炭酸ジフェニルを製造する炭酸ジフェニル製造工程(b1)との別の工程に分けて、副生フェノールを再利用する際に、ビスフェノール化合物製造工程、炭酸ジフェニル製造工程(a1)、および炭酸ジフェニル製造工程(b1)のそれぞれの工程において使用する副生フェノールの使用比率を任意の比率で共有することもできる。例えば、副生フェノールをビスフェノール化合物製造工程でのみ使用したり、炭酸ジフェニル製造工程(b1)でのみ使用したりすることが出来る。
この方法を採用することにより、ポリカーボネート(A)の生産量およびポリカーボネート(B)の生産量に、より適した量の副生フェノールの再利用を行うことが可能となり、エネルギーや資源の有効活用を行うことが出来る。
副生フェノールをポリカーボネート製造工程(b)に再利用する際に、ポリカーボネート製造工程(b)などの共有する他のプロセスに与える影響を少なくするために、全体の副生フェノールに対する、ポリカーボネート製造工程(a)から副生する副生フェノールの比率は、50重量%以下であることが好ましく、更には30重量%以下、特には20重量%以下が好ましい。この比率は、本発明のポリカーボネート製造工程(a)から副生するフェノールの量をαkg、ポリカーボネート製造工程(b)から副生するフェノールの量をβkgとした場合に、下記式:
α/(α+β) × 100
で表すことが出来る。
また、本発明の製造方法(III)における他の態様としては、図9に示すように、ポリカーボネート製造工程(a)及び(b)より副生したフェノールを一緒に精製して、炭酸ジフェニルあるいはビスフェノール化合物の原料として用いることもできるし、図10に示すように、本発明のポリカーボネート製造工程(a)及び/または(b)で副生したフェノールをあらかじめ精製しておく方法も、副生フェノールを再利用したモノマー及びそれを用いたポリマーの品質向上の観点から好ましい。
また、他の副生フェノール再利用工程と、本発明における副生フェノール再利用工程を共有させても良い。
この場合の蒸留は、単蒸留であっても、連続蒸留であっても良く、特に限定されず、上述の本発明の製造方法(I)と同様の蒸留条件で行うことが好適である。
ここで、反応器としては、例えば、攪拌槽型反応器、薄膜反応器、遠心式薄膜蒸発反応器、表面更新型二軸混練反応器、二軸横型攪拌反応器、濡れ壁式反応器、自由落下させながら重合する多孔板型反応器、ワイヤーに沿わせて落下させながら重合するワイヤー付き多孔板型反応器等が用いられる。
また、重合反応後半の重合速度の低下を抑止し、熱履歴による劣化を最小限に抑えるためには、重合の最終段階でプラグフロー性と界面更新性に優れた横型攪拌反応器を使用することが好ましい。
横型攪拌反応器とは、少なくとも1基の水平回転軸と、この水平回転軸に取り付けられた攪拌翼を有するものをいう。横型攪拌反応器の攪拌翼の形式としては、例えば、円板型、パドル型等の一軸タイプの攪拌翼やHVR、SCR、N−SCR(三菱重工業社製)、バイボラック(住友重機械工業社製)、あるいはメガネ翼、格子翼(日立プラントテクノロジー社製)等の二軸タイプの攪拌翼が挙げられる。
なお、特にポリカーボネート(A)を製造する工程においては、水平回転軸の長さをLとし、攪拌翼の回転直径をDとしたときにL/Dが1〜15であることが好ましい。
熱安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸及びこれらのエステル等が挙げられ、具体的には、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート、4,4’−ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、ベンゼンホスホン酸ジプロピル等が挙げられる。なかでも、トリスノニルフェニルホスファイト、トリメチルホスフェート、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、及びベンゼンホスホン酸ジメチルが好ましく使用される。
このポリカーボネート(A)の還元粘度が低すぎると成形材料として用いた時の機械的強度が小さく、大きすぎると、成形する際の流動性が低下し、サイクル特性を低下させ、成形品の複屈折率が大きくなり易い傾向がある。
以下において、イソソルビド、ポリカーボネートの物性ないし特性の評価は次の方法により行った。
(1)炭酸ジフェニル中のイオン濃度
炭酸ジフェニル(5g)を精製トルエン(10ml) に加温溶解後、超純水(10ml)を加え、室温で10分間攪拌(マグネチックスターラー1000rpm)した後、水相中のイオン量をイオンクロマトグラフィー(DIONEX社製 DX−AQ)で定量分析し、炭酸ジエステルに対する重量比で表した。
(2)色相
カラーメーター(日本電色社製「300A」)を用いて、チップカラーを測定した。
ガラスセルに、チップを所定量入れ、反射測定で測定し、b*値を測定した。
この数値が小さいほど、黄色みが小さい。
中央理化社製DT−504型自動粘度計にてウベローデ型粘度計を用い、溶媒として、フェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンの重量比1:1混合溶媒を用い、温度30.0℃±0.1℃で測定した。濃度は1.00g/dlになるように、精密に調整した。サンプルを120℃で攪拌しながら、30分で溶解し、冷却後測定に用いた。
溶媒の通過時間t0、溶液の通過時間tから、下記式:
ηrel=t/t0
より相対粘度ηrelを求め、 相対粘度ηrelから、下記式:
ηsp=(η−η0)/η0=ηrel−1
より比粘度ηspを求めた。
比粘度ηspを濃度c(g/dl)で割って、下記式:
ηred=ηsp/c
より還元粘度(換算粘度)ηredを求めた。
この数値が高いほど分子量が大きい。
ポリカーボネート(B)の濃度(C)0.6g/dlの塩化メチレン溶液を用いて、温度20℃で測定した比粘度(ηsp)から、下記の両式
ηsp/C=[η](1+0.28ηsp)
[η]=1.23×10-4×Mv0.83
を用いて算出した。
セイコー電子社製「TG−DTA」(SSC−5200、TG/DTA220)を用い、試料10mgをアルミニウム製容器に載せ、窒素雰囲気下(窒素流量200ml/分)で昇温速度10℃/分で30℃から450℃まで測定し、5%重量が減少した際の温度を求めた。 この温度が高いほど、熱分解しにくい。
a.芳香環を有しない化合物の分析
約2gの溜出液を精秤し、アセトニトリルを加えて10mlの溶液を調整して、ガスクロマトグラフィーの測定を行った。絶対検量線法にて含有不純物を定量した。
・装置:アジレントテクノロジー株式会社製 HP6890
分析カラム:アジレントテクノロジー株式会社製 DB−1
オーブン温度:100℃から320℃まで10℃/minで昇温
検出器:水素炎イオン化検出器
検出器温度:320℃
キャリアガス:He 1ml/min
試料注入量:1μl
b.芳香環を有する化合物の分析
約0.1gの溜出液を精秤し、アセトニトリルを加えて10mlの溶液を調整して、液体クロマトグラフィーの測定を行った。絶対検量線法にて含有不純物を定量した。
・装置:島津製作所製
システムコントローラ CBM−20A
ポンプ LC−10AT
カラムオーブン CTO−10Avp
検出器 SPD−10Avp
分析カラム:SUPELCO Ascentis Express C18(5cm×3.0mm、粒子サイズ2.7μm)
オーブン温度:40℃
検出器:UV213nm
溶離液:A)0.1%リン酸水溶液/アセトニトリル=5/1
B)アセトニトリル
(B液を3%から95%までグラジエント)
試料注入量:3μl
微量のフラン誘導体化合物を定量する際には、約1gの溜出液を精秤し、アセトニトリルを加えて10mLの溶液を調製し、検出器の検出波長を277nmにした以外は、上記と同様の方法により液体クロマトグラフィーの測定を行った。
試料1.25gを塩化メチレン7mlに溶解した後、総量が25mlになるようにアセトンを添加して再沈殿処理を行った。溶液を0.2μmディスクフィルターでろ過して、液体クロマトグラフィーにてフェノールの定量を行った後、残留量を算出した。
・装置:島津製作所製
システムコントローラ CBM−20A
ポンプ LC−10AT
カラムオーブン CTO−10Avp
検出器 SPD−10Avp
分析カラム:SUPELCO Ascentis Express C18(5cm×3.0mm、粒子サイズ2.7μm)
オーブン温度:40℃
・検出器:UV213nm
・溶離液:A)0.1%リン酸水溶液/アセトニトリル=5/1
B)アセトニトリル
(B液を3%から95%までグラジエント)
・試料注入量:3μl
<イソソルビドの蒸留>
安定剤としてリン酸水素2Naを30重量ppm含むイソソルビド(融点66℃)500重量部をあらかじめ窒素気流下、攪拌翼を具備した容器に仕込み、熱媒で加熱した。溶融が始まり攪拌が可能になった時点で攪拌を開始し、全量を均一に溶融させ、内温を80℃にした。続いて、該容器の圧力を徐々に下げ、加温を行った。内圧133〜266Pa、内温160℃になった時点で溜出が始まり、初留を25.5重量部採取した後、主留として403.5重量部、後留として28.5重量部採取し、残りは釜残として容器中に残した。蒸留終了後、窒素を入れ、常圧に戻した。得られた蒸留品を窒素気流下で冷却した後、粉砕して蒸留精製したイソソルビドを得た。釜残を残したまま、同様の操作を繰り返し、得られた精製イソソルビドは、アルミラミネート袋に窒素気流下で、脱酸素剤(商品名エージレス、三菱ガス化学社製)を同封して室温にてシール保管した。
<ポリカーボネート製造工程(a)>
タービン型攪拌機と還流冷却器、フェノールコンデンサ、回収フェノールタンクを具備した第1槽型反応器に、塩化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオンがそれぞれ50ppb未満である炭酸ジフェニル(三菱化学社製、以下、「DPC」と略称することがある)、上記で蒸留精製したイソソルビド(以下、「ISB」と略称することがある)及びトリシクロデカンジメタノール(以下、「TCDDM」と略称することがある)を、一定のモル比(DPC/ISB/TCDDM=1.03/0.70/0.30)で仕込んだ。この時同時に、触媒として炭酸セシウム水溶液を、全ヒドロキシ化合物1モルに対し、1.0μモル(セシウム金属として2.0μモル)になるように添加し、次に反応器を密閉した後、反応器を1.3kPaにまで減圧にして窒素で大気圧まで復圧する操作を5回繰り返し、内部を窒素置換した。次に熱媒を流通させ、原料混合物を融解させた後、撹拌を開始し、還流冷却器の温度は100℃、フェノールコンデンサの温度は45℃に設定して副生するフェノールを捕集した。内温が220℃に達したところで、その温度を保持するように制御し、90分かけて圧力を常圧から13.3kPaにした。この状態でフェノールを留出させながら、60分間オリゴマー化反応を行った。オリゴマー化終了後、第1槽型反応槽を窒素で復圧し、ダブルヘリカル型撹拌翼、還流冷却器、フェノールコンデンサ、回収フェノールタンク、コールドトラップを具備した第2槽型反応槽にオリゴマーを移送した。
第2槽型反応槽の撹拌を開始し、常圧から40分かけて13.3kPaにまで圧力を下げ、13.3kPaに到達した時点で内温が230℃になるように制御した。その後、温度は230℃に保ったまま、30分かけて圧力を1.3kPa以下にした。還流冷却器の温度は100℃、フェノールコンデンサの温度は45℃、コールドトラップはドライアイスで冷却し、留出するフェノールを捕集した。1.3kPaに到達してから120分後、反応器内を窒素で復圧し、ポリマーをストランド状に抜き出し、水冷固化させた後、回転式カッターでポリマーペレットを得た。
留出したフェノールは、第1槽型反応槽及び第2槽型反応槽の回収フェノールタンク、及び第2槽型反応槽のコールドトラップから窒素下で抜き出し、混合した後(これを回収フェノールAとする)、以下に示すDPC製造工程に供与した。(回収フェノールA)の分析値を表1に示した。
<炭酸ジフェニル製造工程>
上記で得られた(回収フェノールA)と触媒のピリジンを、10℃に冷却した還流冷却器を具備した反応器へ連続供給し、150℃で撹拌しながらホスゲンガスを連続供給した。反応によって副生する塩化水素ガスはアルカリ水溶液で中和後排出した。該塩化水素ガス中にはホスゲンは検出されず、供給したホスゲンは全量消費されていた。反応器からはDPCを90〜92重量%含有する反応液を連続的に抜き出した。反応液の色相(APHA)は25で着色は僅かであった。
得られた反応液と5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を、中和混合槽に供給し、80℃下で10分間撹拌混合して、pH8.5に調整した。中和後の有機相は静置分離後、水洗混合槽に移送した。水洗混合槽では有機相に対して30重量%に相当する温水を撹拌混合し、静置分離後、有機相を回収した。該有機相には、DPCの他、少量の水、ピリジン、フェノールが含まれていた。
次に、上記有機相を濃縮部及び回収部にスルザーパッキング(住友重機械工業社製)を充填した理論段数8段の連続蒸留塔の中段に供給した。蒸留塔の上部には還流装置を設置し、還流比1、圧力2.66kPa、塔頂温度80〜100℃、塔中段温度160℃の条件で蒸留を行い、水、ピリジン、フェノールを塔頂より留去し、塔底よりDPC(水10重量ppm以下、ピリジン1重量ppm以下、フェノール50重量ppm)を連続的に抜き出した。
更に、この塔底缶出液を上部に還流装置、中央に原料供給部があり、濃縮部及び回収部にスルザーパッキング(住友重機械工業社製)を充填した、理論段数8段の連続蒸留塔に供給した。還流比0.5、圧力2.66kPa、塔頂温度180℃の条件で蒸留を行い塔頂より精製DPCを得た(DPC−1)。精製DPC中の塩化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオンは、それぞれ50ppb未満であった。
<回収フェノールを原料としたDPC(DPC−1)を用いたポリカーボネート製造工程>
得られた(DPC−1)を窒素下で冷却し、粉砕してフレークにしたものを用いた以外は、上記ポリカーボネート製造工程と同様にしてポリカーボネート(A)を得た。結果を表2に示す。
参考例1の<回収フェノールを原料としたDPCを用いたポリカーボネート製造工程>において、(DPC−1)の代わりに、参考例1のポリカーボネート製造工程で得られた(回収フェノールA)を下記の条件で蒸留精製して(回収フェノールP)とし、これをDPCの原料として用いて(DPC−P)を得た。参考例1において(DPC−1)の代わりに(DPC−P)を使用した他は、参考例1と同様に行った。結果を表2に示す。
<回収フェノールAの蒸留精製工程>
第1蒸留塔、第2蒸留塔の2基の蒸留塔を用い、第1蒸留塔では、26.6kPa、還流比2で、軽沸成分を一部フェノールとともに塔頂より留去し、缶出液を第2蒸留塔へ連続供給した。第2蒸留塔では、6.65kPa、還流比0.5で、塔頂より精製したフェノールを得た(これを回収フェノールPとする)。
<ポリカーボネート製造工程(b)>
参考例2の炭酸ジフェニル製造工程で得られたDPC(DPC−P)とビスフェノールA(三菱化学社製、以下、「BPA」と略称することがある)とを、一定のモル比(DPC/BPA=1.05/1.00)で第1槽型反応器に仕込んだ。この時同時に、触媒として炭酸セシウム水溶液を、BPA1モルに対し、0.5μモル(セシウム金属として1.0μモル)になるように添加し、次に反応器を密閉した後、反応器を1.3kPaにまで減圧にして窒素で大気圧まで復圧する操作を5回繰り返し、内部を窒素置換した。次に熱媒を流通させ、原料混合物を融解させた後、撹拌を開始し、還流冷却器の温度は100℃、フェノールコンデンサの温度は45℃に設定して副生するフェノールを捕集した。内温が210℃に達したところで、その温度を保持するように制御し、40分かけて圧力を常圧から13.3kPaにした。続いて、この圧力を保持したまま、フェノールを留去させながら80分オリゴマー化反応を行った。オリゴマー化終了後、第1槽型反応槽を窒素で復圧し、ダブルヘリカル型撹拌翼、還流冷却器、フェノールコンデンサ、回収フェノールタンク、コールドトラップを具備した第2槽型反応槽にオリゴマーを移送した。第2槽型反応槽の撹拌を開始し、常圧から40分かけて13.3kPaにまで圧力を下げ、圧力が13.3kPaになると同時に内温が280℃になるように制御した。その後、温度は280℃に保ったまま、30分かけて圧力を1.3kPa以下にした。還流冷却器の温度は100℃、フェノールコンデンサの温度は45℃、コールドトラップはドライアイスで冷却し、留出するフェノールを捕集した。所定の撹拌動力値になった時点で反応器内を窒素で復圧し、ポリマーをストランド状に抜き出し、水冷固化させた後、回転式カッターで芳香族ポリカーボネートであるポリカーボネート(B)のペレットを得た。結果を表2に示す。留出したフェノールは、第1槽型反応槽及び第2槽型反応槽の回収フェノールタンク、及び第2槽型反応槽のコールドトラップから窒素下で抜き出し、混合した(これを回収フェノールBとする)。
参考例3で得られた(回収フェノールB)と、参考例1で得られた(回収フェノールA)を、回収フェノールA/(回収フェノールA+回収フェノールB)=0.2(重量比)になるように混合した他は、参考例1と同様の方法でDPCを製造した(これをDPC−2とする)。この(DPC−2)とBPA(三菱化学社製)とを、一定のモル比(DPC/BPA=1.05/1.00)で第1槽型反応器に仕込んだ。この時同時に、触媒として炭酸セシウム水溶液を、BPA1モルに対し、0.5μモル(セシウム金属として1.0μモル)になるように添加し、次に反応器を密閉した後、反応器を1.3kPaにまで減圧にして窒素で大気圧まで復圧する操作を5回繰り返し、内部を窒素置換した。次に熱媒を流通させ、原料混合物を融解させた後、撹拌を開始し、還流冷却器の温度は100℃、フェノールコンデンサの温度は45℃に設定して副生するフェノールを捕集した。内温が210℃に達したところで、その温度を保持するように制御し、40分かけて圧力を常圧から13.3kPaにした。続いて、この圧力を保持したまま、フェノールを留去させながら80分オリゴマー化反応を行った。オリゴマー化終了後、第1槽型反応槽を窒素で復圧し、ダブルヘリカル型撹拌翼、還流冷却器、フェノールコンデンサ、回収フェノールタンク、コールドトラップを具備した第2槽型反応槽にオリゴマーを移送した。第2槽型反応槽の撹拌を開始し、内温が230℃になるように制御しながら、常圧から40分かけて13.3kPaにまで圧力を下げ、圧力が13.3kPaになると同時に内温が280℃になるように制御した。それから30分かけて圧力を1.3kPa以下にした。還流冷却器の温度は100℃、フェノールコンデンサの温度は45℃、コールドトラップはドライアイスで冷却し、留出するフェノールを捕集した。所定の撹拌動力値になった時点で反応器内を窒素で復圧し、ポリマーをストランド状に抜き出し、水冷固化させた後、回転式カッターでポリカーボネート(B)のペレットを得た。結果を表2に示す。
<BPA製造工程>
参考例1で得られた(回収フェノールA)を用いて、以下の方法でBPAを製造した。4−ピリジンエタンチオールでスルホン酸基の15%を中和したスルホン酸型酸性陽イオン交換樹脂(三菱化学社製商品名ダイヤイオンSK−104)を反応器に充填し、これに上記のフェノール(回収フェノールA)とアセトン(三菱化学社製)とからなる原料流体(フェノール:アセトン=10:1(モル比))をフェノール湿潤触媒基準のLHSV=1hr-1で連続的に流通させながら、80℃の反応温度で、ビスフェノールAの生成反応を行った。アセトンの反応率は80%であった。
反応率(%)={(供給アセトン量−未反応アセトン量)/供給アセトン量}×100
上記で得られたビスフェノールAと未反応原料等の反応混合物から低沸点物(未反応アセトン、水など)及びフェノールの一部を除去してビスフェノールA濃度を約25%にしたのち、50℃に冷却して付加物の結晶を析出させた。これを濾過して、付加物の結晶と母液とに分離した。ここで得られた付加物結晶を、再度フェノールに溶解させたのち、50℃に冷却して結晶を析出させ、濾過して付加物の結晶と母液とに分離した。分離された結晶は溶融して蒸留塔に送り、8kPaの減圧下、180℃に加熱して大部分のフェノールを除去し、更に、塔底から回収されるビスフェノールA中の残存フェノールをスチームストリッピングにより2kPaの減圧下、190℃に加熱して除去し、ビスフェノールAを得た(これをBPA−1とする)。
市販のBPA(三菱化学社製)の代わりに上記で得られた(BPA−1)を用いた他は、参考例3と同様にしてポリカーボネート(B)を得た。結果を表2に示す。
<BPA製造工程>
(回収フェノールA)の代わりに、参考例2で得られた(回収フェノールP)を用いて、比較例5と同様の方法でBPAを製造した。得られたBPAを(BPA−2)とする。
市販のBPA(三菱化学社製)の代わりに上記で得られた(BPA−2)を用いた他は、参考例3と同様にしてポリカーボネート(B)を得た。結果を表2に示す。
<BPA製造工程>
(回収フェノールA)の代わりに、参考例3で得られた(回収フェノールB)と、参考例1で得られた(回収フェノールA)とを、回収フェノールA/(回収フェノールA+回収フェノールB)=0.2(重量比)になるように混合したものを用いて、比較例5と同様の方法でBPAを製造した(これをBPA−3とする)。
市販のBPA(三菱化学社製)の代わりに上記で得られた(BPA−3)を用いた他は、参考例3と同様にしてポリカーボネート(B)を得た。結果を表2に示す。
<ポリカーボネート製造工程>
タービン型攪拌機と還流冷却器、フェノールコンデンサ、回収フェノールタンクを具備した第1槽型反応器に、塩化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオンがそれぞれ50ppb未満である炭酸ジフェニル(DPC 三菱化学社製)、上記で蒸留精製したイソソルビド(ISB)及びトリシクロデカンジメタノール(TCDDM)を、一定のモル比(DPC/ISB/TCDDM=1.03/0.70/0.30)で仕込んだ。この時同時に、触媒として炭酸セシウム水溶液を、全ヒドロキシ化合物1モルに対し、1.0μモル(セシウム金属として2.0μモル)になるように添加し、次に反応器を密閉した後、反応器を1.3kPaにまで減圧にして窒素で大気圧まで復圧する操作を5回繰り返し、内部を窒素置換した。次に熱媒を流通させ、原料混合物を融解させた後、撹拌を開始し、還流冷却器の温度は100℃、フェノールコンデンサの温度は45℃に設定して副生するフェノールを捕集した。内温が220℃に達したところで、その温度を保持するように制御し、90分かけて圧力を常圧から13.3kPaにした。この状態でフェノールを留出させながら、60分間オリゴマー化反応を行った。オリゴマー化終了後、第1槽型反応槽を窒素で復圧し、ダブルヘリカル型撹拌翼、還流冷却器、フェノールコンデンサ、回収フェノールタンク、コールドトラップを具備した第2槽型反応槽にオリゴマーを移送した。
第2槽型反応槽の撹拌を開始し、常圧から40分かけて13.3kPaにまで圧力を下げ、13.3kPaに到達した時点で内温が260℃になるように制御した。その後、温度は260℃に保ったまま、30分かけて圧力を1.3kPa以下にした。還流冷却器の温度は100℃、フェノールコンデンサの温度は45℃、コールドトラップはドライアイスで冷却し、留出するフェノールを捕集した。1.3kPaに到達してから120分後、反応器内を窒素で復圧し、ポリマーをストランド状に抜き出し、水冷固化させた後、回転式カッターでポリマーペレットを得た。
留出したフェノールは、第1槽型反応槽及び第2槽型反応槽の回収フェノールタンク、及び第2槽型反応槽のコールドトラップから窒素下で抜き出し、混合した後(これを回収フェノールCとする)、以下に示すDPC製造工程に供与した。(回収フェノールC)の分析値を表1に示した。
<炭酸ジフェニル製造工程>
参考例1において(回収フェノールA)の代わりに上記(回収フェノールC)を用いた他は、参考例1と同様に行った。得られた精製DPCを(DPC−3)とする。(DPC−3)中の塩化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオンは、それぞれ50ppb未満であった。
<(DPC−3)を用いたポリカーボネート製造工程>
(DPC−1)の代わりに(DPC−3)を用いた以外は、参考例1の<(DPC−1)を用いたポリカーボネート製造工程>と同様にしてポリカーボネート(A)を得た。結果を表2に示す。
実施例4において、回収フェノールA/(回収フェノールA+回収フェノールB)=0.7(重量比)になるように混合した他は、実施例4と同様の方法でDPCを製造した(これをDPC−4とする)。
<(DPC−4)を用いたポリカーボネート製造工程>
(DPC−2)の代わりに(DPC−4)を用いた以外は、実施例4と同様にしてポリカーボネート(A)を得た。結果を表2に示す。
<ポリカーボネート製造工程>
タービン型攪拌機と還流冷却器、フェノールコンデンサ、回収フェノールタンクを具備した第1槽型反応器に、塩化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオンがそれぞれ50ppb未満である炭酸ジフェニル(DPC 三菱化学社製)、上記で蒸留精製したイソソルビド(ISB)、トリシクロデカンジメタノール(TCDDM)とを、一定のモル比(DPC/ISB/TCDDM=1.03/0.70/0.30)で仕込んだ。この時同時に、触媒として炭酸セシウム水溶液を、全ヒドロキシ化合物1モルに対し、1.0μモル(セシウム金属として2.0μモル)になるように添加し、次に反応器を密閉した後、反応器を1.3kPaにまで減圧にして窒素で大気圧まで復圧する操作を5回繰り返し、内部を窒素置換した。次に熱媒を流通させ、原料混合物を融解させた後、撹拌を開始し、還流冷却器の温度は100℃、フェノールコンデンサの温度は45℃に設定して副生するフェノールを捕集した。内温が220℃に達したところで、その温度を保持するように制御し、90分かけて圧力を常圧から13.3kPaにした。この状態でフェノールを留出させながら、60分間オリゴマー化反応を行った。オリゴマー化終了後、第1槽型反応槽を窒素で復圧し、ダブルヘリカル型撹拌翼、還流冷却器、フェノールコンデンサ、回収フェノールタンク、コールドトラップを具備した第2槽型反応槽にオリゴマーを移送した。
第2槽型反応槽の撹拌を開始し、常圧から40分かけて13.3kPaにまで圧力を下げ、13.3kPaに到達した時点で内温が280℃になるように制御した。その後、温度は280℃に保ったまま、30分かけて圧力を1.3kPa以下にした。還流冷却器の温度は100℃、フェノールコンデンサの温度は45℃、コールドトラップはドライアイスで冷却し、留出するフェノールを捕集した。1.3kPaに到達してから120分後、反応器内を窒素で復圧し、ポリマーをストランド状に抜き出し、水冷固化させた後、回転式カッターでポリマーペレットを得た。
留出したフェノールは、第1槽型反応槽及び第2槽型反応槽の回収フェノールタンク、及び第2槽型反応槽のコールドトラップから窒素下で抜き出し、混合した後(これを回収フェノールDとする)、以下に示すDPC製造工程に供与した。(回収フェノールD)の分析値を表1に示した。
<炭酸ジフェニル製造工程>
参考例1において(回収フェノールA)の代わりに上記(回収フェノールD)を用いた他は、参考例1と同様に行った。反応液の色相(APHA)は50で着色していた。得られた精製DPCを(DPC−5)とする。(DPC−5)中の塩化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオンは、それぞれ50ppb未満であった。
<(DPC−5)を用いたポリカーボネート製造工程>
(DPC−1)の代わりに(DPC−5)を用いた以外は、参考例1の<(DPC−1)を用いたポリカーボネート製造工程>と同様にしてポリカーボネート(A)を得た。結果を表2に示す。得られたポリカーボネート(A)の還元粘度は低く、b*値も高かった。
参考例3において(DPC−P)の代わりに、比較例1における(DPC−5)を用いた他は、参考例3と同様に行い、ポリカーボネート(B)のペレットを得た。結果を表2に示す。b*値が高く着色が見られた。
原料調製槽、槽型攪拌反応器3基及び横型攪拌反応器1基を有する連続製造装置により、以下の条件でポリカーボネートを製造した。
第1及び第2槽型撹拌反応器には、100℃に制御された還流冷却器、45℃に制御されたフェノールコンデンサ、回収フェノールタンクが装備されており、第2槽型撹拌反応器及びそれに続く横型撹拌反応器には、45℃に制御されたフェノールコンデンサ、回収フェノールタンク、コールドトラップが装備されている。
まず、内温140℃に制御された原料調製槽にて窒素ガス雰囲気下、塩化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオンがそれぞれ50ppb未満である炭酸ジフェニル(DPC 三菱化学社製)、上記で蒸留精製したイソソルビド(ISB)及びトリシクロデカンジメタノール(TCDDM)を、一定のモル比(DPC/ISB/TCDDM=1.03/0.70/0.30)で混合し、原料混合溶融液を得た。
続いて、この原料混合溶融液に、触媒として炭酸セシウム水溶液を、全ジヒドロキシ成分1モルに対し、1.0μモルの割合で連続供給するとともに、内温210℃、圧力13.3kPaに制御された第1槽型撹拌反応器に連続供給し、平均滞留時間が60分になるように、槽底部の排出ラインに設けたバルブの開度を制御しつつ、液面レベルを一定に保った。
第1槽型攪拌反応器の槽底から排出された重合反応液は、引き続き、第2槽型攪拌反応器、第3槽型攪拌反応器、第4横型攪拌反応器(日立プラントテクノロジー社製メガネ翼、L/D=4)に、逐次、連続供給した。
第2槽型撹拌反応器の内温は230℃、圧力2.0kPa、第3槽型撹拌反応器の内温は230℃、圧力133Pa、第4横型攪拌反応器の内温は230℃、圧力133Paに制御し、各反応器の平均滞留時間が60分になるように液面レベルを制御し、また、重合反応と同時に副生するフェノールの留去を行った。
<(DPC−5)を用いたポリカーボネート製造工程>
参考例1において(DPC−1)の代わりに上記で得られた(DPC−5)を用いた以外は、参考例1の<(DPC−1)を用いたポリカーボネート製造工程>と同様にしてポリカーボネート(A)を得た。結果を表2に示す。なお、蟻酸含有量は2重量ppm未満であった。
Claims (7)
- フェノール及びカルボニル化合物を原料とし、炭酸ジフェニルを製造する炭酸ジフェニル製造工程、
分子内に下記一般式(1)で表される構造を有する複素環式構造を持つジヒドロキシ化合物と、前記炭酸ジフェニル製造工程によって製造された炭酸ジフェニルとを、270℃未満でエステル交換させてポリカーボネート(A)を製造するポリカーボネート製造工程(a)、
フェノール及びケトン化合物又はアルデヒド化合物を原料とし、ビスフェノール化合物を製造するビスフェノール化合物製造工程、及び、
ビスフェノール化合物製造工程によって製造したビスフェノール化合物と、前記炭酸ジフェニル製造工程によって製造された炭酸ジフェニルとをエステル交換させてポリカーボネート(B)を製造するポリカーボネート製造工程(b)、
を含み、
ポリカーボネート製造工程(a)で副生するフェノールと、ポリカーボネート製造工程(b)で副生するフェノールとを混合し、
全体の副生フェノールに対する、ポリカーボネート製造工程(a)から副生する副生フェノールの比率が、50重量%以下であり、
炭酸ジフェニルの原料及び/またはビスフェノール化合物の原料の少なくとも一部として用いることを特徴とするポリカーボネートの製造方法。
- フェノール及びカルボニル化合物を原料とし、炭酸ジフェニルを製造する炭酸ジフェニル製造工程(a1)、
分子内に下記一般式(1)で表される構造を有する複素環式構造を持つジヒドロキシ化合物と、前記炭酸ジフェニル製造工程(a1)によって製造された炭酸ジフェニルとを、270℃未満でエステル交換させてポリカーボネート(A)を製造するポリカーボネート製造工程(a)、
フェノール及びケトン化合物又はアルデヒド化合物を原料とし、ビスフェノール化合物を製造するビスフェノール化合物製造工程、
フェノール及びカルボニル化合物を原料とし、炭酸ジフェニルを製造する炭酸ジフェニル製造工程(b1)、及び、
ビスフェノール化合物製造工程によって製造したビスフェノール化合物と、前記炭酸ジフェニル製造工程(b1)によって製造された炭酸ジフェニルとをエステル交換させてポリカーボネート(B)を製造するポリカーボネート製造工程(b)、
を含み、
ポリカーボネート製造工程(a)で副生するフェノールと、ポリカーボネート製造工程(b)で副生するフェノールとを混合し、
全体の副生フェノールに対する、ポリカーボネート製造工程(a)から副生する副生フェノールの比率が、50重量%以下であり、
炭酸ジフェニルの原料及び/またはビスフェノール化合物の原料の少なくとも一部として用いることを特徴とするポリカーボネートの製造方法。
- ポリカーボネート製造工程(a)で副生するフェノールと、ポリカーボネート製造工程(b)で副生するフェノールとを混合した後、精製する請求項1または請求項2に記載のポリカーボネートの製造方法。
- ポリカーボネート製造工程(a)で副生するフェノールを精製した後、ポリカーボネート製造工程(b)で副生するフェノールと混合する請求項1から請求項3の何れか1項に記載のポリカーボネートの製造方法。
- 副生フェノールを蒸留により精製する請求項1から請求項4の何れか1項に記載のポリカーボネートの製造方法。
- ポリカーボネート(A)のフェノール含有量が500重量ppm以下である請求項1から請求項5の何れか1項に記載のポリカーボネートの製造方法。
- 前記ジヒドロキシ化合物が、下記式(2)の構造式で表される化合物を含む請求項1から請求項6の何れか1項に記載のポリカーボネートの製造方法。
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