以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
まず、本発明の実施の形態に係る電子機器の概略構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る電子機器の外観を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る電子機器1は、外観上、上部筐体10aと、下部筐体10bと、タッチパネル20と、を備えている。
上部筐体10aおよび下部筐体10bは、両者が一体に組み合わさることにより、筐体10を構成する。これら上部筐体10aと下部筐体10bとの間は、これらが一体に組み合わされた状態においては、例えばゴム製のパッキンを介した密閉構造にする等して、適当な防水および防塵の措置がなされているものとする。上部筐体10aおよび下部筐体10bは、例えば樹脂製のケースなどとして、ある程度の衝撃に耐えうる素材により構成するのが好適である。なお、以下の説明においては、上部筐体10aと下部筐体10bとの組み合わせ構造については、詳細な説明を省略する。
タッチパネル20は、通常、後述する表示部60の前面に配置して、表示部60に表示したオブジェクトに対する操作者の指やスタイラスペン等(以下、単に「接触物」と総称する)による接触を、対応するタッチパネル20のタッチ面において検出する。したがって、本実施の形態において、「タッチパネル」とは、例えばLCD等とすることができる表示部60の前面に配置する、即ち当該表示部60とは別に設けられる部材を想定して説明する。また、タッチパネル20は、タッチ面に対する接触物の接触の位置を検出し、当該検出した接触の位置を制御部(図示せず)に通知する。
このタッチパネル20は、例えば抵抗膜方式、静電容量方式、光学式等の公知の方式のもので構成されたタッチパネルを用いることができる。なお、タッチパネル20が接触物による接触を検出する上で、接触物がタッチパネル20に物理的に触れることは必須ではない。例えば、タッチパネル20が光学式である場合は、タッチパネル20は当該タッチパネル20上の赤外線が接触物で遮られた位置を検出するため、接触物がタッチパネル20に触れることは不要である。
上述した表示部60は、例えばキーのような押しボタンスイッチ(プッシュ式ボタンスイッチ)等のオブジェクトを画像で表示する。このオブジェクトは、タッチパネル20のタッチ面上において接触すべき領域を操作者に示唆する画像である。また、押しボタンスイッチとは、操作者が入力の操作に用いるボタンやキー等(以下、単に「キー等」と総称する)である。この表示部60は、例えば、液晶表示パネル(LCD)や有機EL表示パネル等を用いて構成する。すなわち、図1に示すタッチパネル20の背面側には、後述のように、LCDなどの表示部60を配置することができる。
図2は、図1に示した電子機器1において、上部筐体10aを下部筐体10bと分離させた状態、すなわち筐体を分解した状態を示す斜視図である。
図2に示すように、上部筐体10aは、枠状の部材とし、前面(上面)に窓(開口部)が形成されるようにする。この窓により、電子機器1を組み立てた状態において、操作者はタッチパネル20の表示を外部から視認することができる。なお、下部筐体10b内側の底部には、例えばLCDなどの表示部やLCDホルダ、また各種の基板などの種々の部品を設置することができるが、図2においては、そのような部品の図示は省略してある。
図2から分かるように、下部筐体10bと上部筐体10aとを組み合わせた状態においては、タッチパネル20は、タッチパネル20を支持するパネルホルダ22に取り付けられた状態で、下部筐体10bと上部筐体10aとの間に配置されている。図2においては、タッチパネル20および当該タッチパネル20を支持するパネルホルダ22が、上部筐体10aおよび下部筐体10bからそれぞれ取り外された状態を示している。
図2に示すように、上部筐体10aと下部筐体10bとの間に存在するタッチパネル20は、弾性材料製のパネルホルダ22に取り付けられ支持されている。このパネルホルダ22は、例えばシリコンゴムなどの弾性材料製として、例えばJIS−A硬度50〜60度程度とすることができる。以下、パネルホルダ22付きタッチパネル20を、適宜「タッチパネルユニット」と称する。
タッチパネル20を支持するパネルホルダ22は、その外周縁部付近において上方および下方の少なくとも一方に突出したパッキン部を有している。図2に示した例においては、パネルホルダ22は、その外周縁部付近において上方および下方の双方にそれぞれ突出したパッキン部を有している。このパッキン部は、後述するように、下部筐体10bと上部筐体10aとを組み合わせた状態において、下部筐体10bおよび上部筐体10aがそれぞれ有する凹部に挿入されることにより、パネルホルダ22が下部筐体10bおよび上部筐体10aに挟持される。図2においては、パネルホルダ22の下方に突出したパッキン部が下部筐体10bの凹部12bに挿入されることにより、パネルホルダ22は下部筐体10bに挟持される。
図3は、図2に示したタッチパネルユニットをさらに説明する図である。上述したように、図3に示すタッチパネルユニットは、タッチパネル20と、タッチパネル20を支持する弾性材料製のパネルホルダ22と、を備えている。
なお、図3においては、タッチパネルユニットの構造の理解を容易にするために、タッチパネルユニットの一部を切断した断面を含めた外観を斜視図により示す。すなわち、図3は、図2に示したタッチパネルユニットの手前の縁辺付近の部分を、図2に示したX軸の方向に切断した様子を示す図である。要するに、図3においては、タッチパネルユニットの手前の部分だけが、パネルホルダ22を含めて切断された状態を示してある。
タッチパネル20にパネルホルダ22を取り付ける際には、弾性材料製のパネルホルダ22を全体的に伸ばして若干広げてから、タッチパネル20に取り付けることができるようにするのが好適である。すなわち、パネルホルダ22を伸ばして広げることにより、タッチパネル20の縁辺部が、パネルホルダ22の内周縁部に形成された凹状のパネル受け部に嵌め込まれるようにして取り付けるのが好適である。
また、パネルホルダ22の製造時に、パネルホルダ22の内周縁部に形成された凹状のパネル受け部の寸法がタッチパネル20の縁辺部の寸法よりも若干小さくなるように成形するのが好適である。このようにすれば、タッチパネル20にパネルホルダ22を取り付けた際に、パネルホルダ22がタッチパネル20に密着する度合いが高くなる。パネルホルダ22がタッチパネル20に密着する度合いが高くなれば、タッチパネル20とパネルホルダ22との間の防塵などの効果が高まるようになる。タッチパネル20とパネルホルダ22との間を防水にする場合、高い機密性が求められる。したがって、タッチパネル20の縁辺部とパネルホルダ22とを接着または圧着などすることにより密着させて、当該タッチパネル20の縁辺部と当該パネルホルダ22との間が封止されるようにする。
このように、本実施の形態において、パネルホルダ22は、タッチパネル20を支持する弾性材料製のものとする。また、パネルホルダ22は、タッチパネル20の縁辺部に密着させることにより、タッチパネル20の縁辺部とパネルホルダ22との間が封止されるようにする。これにより、本実施の形態において、タッチパネル20とパネルホルダ22との間の防水および防塵が確保される。なお、本発明における密着とは、圧着による固定、接着剤による接着、あるいは両面テープによる貼り付けを行うことによりタッチパネル20とパネルホルダ22との間を封止することを意味するものとする。
図3に示すように、タッチパネル20の裏面には、その上下の縁辺(図の奥側および手前側の辺)付近に、振動部50が取り付けられている。振動部50は、タッチパネル20の裏面に例えば両面テープまたは接着剤などにより接着するのが好適である。この振動部50は、例えば圧電素子で構成し、タッチパネル20を湾曲させることにより振動させる。
図3に示した実施の形態においては、振動部50をタッチパネル20の裏面から貼り付けるようにしたが、本発明において、振動部50はタッチパネル20に振動を伝達させるものである。したがって、振動部50は、圧電素子などをタッチパネル20またはパネルホルダ22などの任意の位置に接着するなどして固定し、タッチパネル20を振動させるものとすることもできる。しかしながら、タッチパネル20を良好に振動させることができるように、振動部50は、タッチパネル20の裏面に貼り付けられた圧電素子とするのが好適である。
この振動部50は、所定の振動パターンによる振動を発生させることにより、タッチパネル20のタッチ面に接触している接触物に対して触感を呈示する。本実施の形態において、振動部50は、例えば図示しない制御部から供給される駆動信号に基づいて振動を発生する。
図4は、図2および図3に示したタッチパネルユニットの断面図である。図4は、組み立てた状態のタッチパネルユニットを、図2に示すX軸の方向に切断した様子を示す図である。上述したように、本実施の形態において、タッチパネルユニットは、タッチパネル20の縁辺部にパネルホルダ22を接着または圧着などにより密着させて構成する。また、タッチパネルユニットを切断する位置によっては、タッチパネル20の裏面に振動部50が接着されている。
図4に示すように、パネルホルダ22は、タッチパネル20の縁辺部が嵌め込まれるように形成された凹状のパネル受け部22aと、パネルホルダ22の外周縁部に形成されたパッキン部22cと、凹状のパネル受け部22aとパッキン部22cとを連結している連結部22bと、を有している。パネル受け部22aは、タッチパネル20の周縁部を挿入して嵌め込むことができる形状に形成する。また、パッキン部22cは、後述するように、支持部材に挟持される際にある程度潰されることを考慮した形状に形成するのが望ましい。例えば、図4に示すように、当該パッキン部22cは、パネルホルダ22の連結部22bなど他の部分よりも厚めの形状に形成するのが好適である。さらに、連結部22bは、タッチパネル20の振動を減衰させないように、パネルホルダ22のパッキン部22cなど他の部分よりも薄めの形状に形成するのが好適である。
本実施の形態において、弾性材料製のパネルホルダ22は、上述したように、タッチパネル20とは別部材として形成して、後からパネルホルダ22のパネル受け部22aにタッチパネル20の周縁部を挿入するようにして組み立てることができる。この場合、タッチパネル20の周縁部がパネルホルダ22のパネル受け部22aに嵌め込まれる接合部は、例えば接着剤などにより接着して封止されるようにする。また、例えば、パネルホルダ22のパネル受け部22aの寸法をタッチパネル20の縁辺部の寸法よりも若干小さくなるように成形して、パネルホルダ22のパネル受け部22aとタッチパネル20の縁辺部との間が圧着されるようにしてもよい。いずれにしても、上述したような措置により、タッチパネル20の縁辺部とパネルホルダ22との間が密着されて封止されることにより、水分などが侵入しないようにする。すなわち、本実施の形態において、弾性材料製のパネルホルダ22は、タッチパネル20の縁辺部に密着させることにより、タッチパネル20の縁辺部とパネルホルダ22との間が封止されるようにする。これにより、パネルホルダ22とタッチパネル20との間に防塵および防水対策が施される。
なお、本実施の形態において、タッチパネル20およびパネルホルダ22が一体成形される、すなわちタッチパネル20の周縁部が、弾性材料製のパネルホルダ22のパネル受け部22aと一体成形されるようにしてもよい。このようにすれば、タッチパネル20とパネルホルダ22との間の防塵および防水効果を更に高めることができる。
また、本実施の形態によるタッチパネルユニットにおいては、パネルホルダ22そのものが全体として弾性材料製である。また、図4に示すように、パネルホルダ22は、パネル受け部22aとパッキン部22cとの間に、薄く形成された連結部22bを有している。したがって、パネルホルダ22にある程度外側に向かう張力が作用している状態においても、パネルホルダ22全体の弾性および連結部22bの可撓性によって、タッチパネル20の振動が減衰することは低減される。
本実施の形態においては、このようにタッチパネルユニットをキット化することにより、当該ユニットを、1つの構成部品として端末製造業者などに販売することができる。また、タッチパネルユニットを採用することにより、端末製造時にタッチパネルに関連する構成部品を取り付ける作業を著しく簡略化することができる。さらに、タッチパネル20が破損した際などに、タッチパネル20を交換修理する場合にも、タッチパネルユニットを交換するだけで事足りるため、修理の際の手間を著しく低減させることもできる。
次に、本発明の実施の形態に係る電子機器の内部構成の詳細について説明する。
図5および6は、電子機器1の断面を示す図である。なお、図5および6ともに、電子機器1が左右対称の構成を有する場合の例を説明するため、電子機器1の右側の構成の図示は省略して、左側の構成のみ図示する。また、図5および6ともに、電子機器1を、図2に示したX軸の方向に切断した様子を示す断面図である。なお、図5および6ともに、図2に示したY軸方向の位置として、電子機器1の上端(図の奥端)または下端(図の手前端)の付近を除いた部分の位置において、電子機器1を切断した例を示す図である。
図5は、上部筐体10aと下部筐体10bとを組み合わせる前の状態を示す断面図である。図5に示すように、上部筐体10aと下部筐体10bとを組み合わせる際に、下部筐体10bの凹部12bに、パネルホルダ22のパッキン部22cの下側が挿入されて挟持されるようにする。また、上部筐体10aと下部筐体10bとを組み合わせる際には、上部筐体10aの凹部12aにも、パネルホルダ22のパッキン部22cの上側が挿入されて挟持されるようにする。
なお、図5においては、下部筐体10bの内部に、LCD等の表示部60、および各種の基板70を示してある。これらの表示部60および基板70は種々の部材を例示したものであり、例えば表示部60を、当該表示部を支持する表示部ホルダ60にしたり、または基板70を他の支持部材にするなど、各種の部材とすることができる。上述したように、本実施の形態においては、一般的なタッチパネルを備えた装置の場合と同様に、図5に示すように、タッチパネル20の背面側(すなわち振動部50が配置された面の側)に表示部60を配置する。
図6は、上部筐体10aと下部筐体10bとを組み合わせた後の状態を示す断面図である。図6に示すように、上部筐体10aと下部筐体10bとを組み合わせると、パネルホルダ22のパッキン部22cの上側および下側は、上部筐体10aの凹部12aおよび下部筐体10bの凹部12bにそれぞれ挿入されることにより若干潰される。したがって、弾性材料製のパネルホルダ22のパッキン部22cは、上部筐体10aおよび下部筐体10bに挟持されることにより、水分や埃などを通さないため、防塵および防水の効果が得られる。すなわち、仮に上部筐体10aと下部筐体10bとの組み合わせに防塵または防水加工が施されていなかったとしても、外部からの粉塵や水分などが浸入しないようにできる。また、図6に示すように、タッチパネル20を支持しているのは弾性材料製のパネルホルダ22であり、このパネルホルダ22は薄く形成された連結部22bを有している。したがって、タッチパネル20を振動部50が振動させる際に、当該振動を大きく減衰させる要素は存在しないため、振動の減衰を低減させることができる。
なお、図6に示すように、上部筐体10aと下部筐体10bとを組み合わせた後の状態においては、パネルホルダ22のパネル受け部22aの下側が、表示部60の表面端部に当接(載置の状態も含む)している。本実施の形態においては、パネルホルダ22が表示部60の表面により支持されることにより、タッチパネル20が振動していない状態においては、タッチパネル20を安定させることができる。一方、タッチパネル20が振動している状態においては、パネルホルダ22全体の弾性および連結部22bの可撓性によって、上方に自由に動くことができるため、振動の減衰を低減させることができる。なお、タッチパネル20およびパネル受け部22aと、上部筐体10aとの間に、振動するのに十分な空間部Sを形成することにより、タッチパネル20の上方への振動の減衰を低減させることができる。また、空間部Sからの水や埃の浸入は、パッキン部22cにより阻止されるため、内部の防水および防塵を確保することができる。
このように、本実施の形態において、上部筐体10aおよび下部筐体10bは、パネルホルダ22を支持する。また、本実施の形態において、パネルホルダ22は、タッチパネル20の縁辺部に密着させるパネル受け部22a、上部筐体10aおよび下部筐体10bに挟持されるパッキン部22c、およびパネル受け部22aとパッキン部22cとを連結する連結部22b、を有している。
また、本実施の形態において、パネルホルダ22は、パネル受け部22aと、パッキン部22cと、連結部22bとが、一体成形されるようにするのが好適である。ここで、パッキン部22cは、上部筐体10aおよび下部筐体10bに挟持されることにより、パッキン部22cと上部筐体10aおよび下部筐体10bとの間が封止されるようにする。また、連結部22bは、パネル受け部22aとパッキン部22cとを弾性的に連結することによりタッチパネル20を振動可能にする。さらに、パネル受け部22aは、表示部60または表示部60を支持する表示部ホルダ等に当接することにより支持されるようにする。なお、本実施の形態においては、上部筐体10aおよび下部筐体10bが支持部材を構成する。また、本実施の形態においては、表示部60の表面端部にパネル受け部22aを当接した場合について説明したが、表示部60を支持する表示部ホルダを形成し、パネル受け部22aを表示部ホルダ60に当接するようにしてもよい。
次に、本発明の実施の形態の変形例について説明する。本発明の実施の形態の変形例は、上述した実施の形態に係る電子機器1において、パネルホルダ22の形状に変更を施すものである。
図7は、図6に対応して、本発明の実施の形態の変形例に係る電子機器において、上部筐体10aと下部筐体10bとを組み合わせた後の状態を示す断面図である。
本発明の実施の形態の変形例においては、上述した実施の形態で説明したタッチパネルユニットのうち、パネルホルダ22の形状を変更する。図7に示すように、本発明の実施の形態の変形例において、パネルホルダ22は、上述の実施の形態で説明したパネルホルダ22よりも、そのパネル受け部22aの下側が長く延在し、上側が短くする。パネル受け部22aの上側または下側の一方を長めに延在させることにより、タッチパネル20を接着する面積を増大させることができる。このため、当該面積の部分によりタッチパネル20を強固に固定することができれば、パネル受け部22aの上側または下側のもう一方を短くすることができる。
このように、パネルホルダ22のパネル受け部22aを表示部60などに当接させることにより、タッチパネル20を振動させる際に振動の減衰を低減させつつも、タッチパネル20をある程度安定させることができる。また、パネル受け部22aを表示部60などに当接させる箇所の形状、大きさ、強度、設置数などを適宜調節することもできる。これにより、タッチパネル20を振動させる際の当該振動の大きさ、振幅、種類、あるいは振動していない時のタッチパネル20の安定性などを所望に応じて調整することができる。
このように、本発明の実施の形態の変形例によれば、パネルホルダ22のより面積の大きな部分が表示部60の表面により支持されることにより、タッチパネル20が振動していない状態においては、タッチパネル20を一層安定させることができる。また、この変形例によれば、パネル受け部22aの上側が短くなっているため、弾性材料製のパネルホルダ22を全体的に伸ばして若干広げてタッチパネル20に取り付ける際に、当該取り付けの作業を容易にすることができる。
なお、タッチパネル20が振動している状態においては、パネルホルダ22全体の弾性および連結部22bの可撓性によって上方に自由に動くことができ、振動の減衰を低減させることができるのは上述した実施の形態と同様である。また、パネルホルダ22のパッキン部22cが上部筐体10aの当接面12aおよび下部筐体10bに挟持されることにより、当該圧着部分は水分や埃などを通さないため、防塵および防水の効果が得られることも上述した実施の形態と同様である。
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。本発明は、タッチパネルユニットを上部筐体および下部筐体で挟むことにより、振動を減衰させずに防塵および防水対策を施すことを主な特徴とするものである。したがって、本発明の主な特徴を構成しない構成要素および構成態様については、本明細書において説明した以外にも、種々の構成を採用することができる。例えば、上述した上部筐体および下部筐体ならびにパネルホルダ22などは、本発明による効果が得られる限りにおいて、種々の形状とすることができる。
また、上部筐体10aおよび下部筐体10bは、電子機器の本体を構成する筐体を想定して説明した。しかしながら、本発明の筐体は上述した部材に限定されるものではなく、種々の部材とすることができる。
上記実施の形態においては、上部筐体10aおよび下部筐体10bが支持部材を構成する態様について説明した。しかしながら、本発明による支持部材は、タッチパネルユニットのパッキン部22cを支持(挟持)する部材であれば任意のものとすることができる。したがって、例えばLCDユニットや各種の基板、あるいはベゼルなど、各種の部材が支持部材を構成する態様も想定することができる。
また、上記実施の形態では、タッチパネル20を用いて、当該タッチパネル20のタッチ面に対する接触を検出した。すなわち、上記実施の形態において、「タッチパネル20」は、いわゆるタッチセンサのような部材を想定して説明した。しかしながら、本発明による電子機器に用いるタッチパネルは、操作者の指やスタイラスペンなどの接触物により接触されるものであれば任意のものとすることができる。
例えば、本発明による電子機器に用いるタッチパネルは、タッチ面に対する接触物の接触の位置を検出しない(つまりセンシング機能を有さない)、単なる「パネル」のような部材とすることもできる。このような構成の電子機器においては、例えば、押圧の荷重を検出する荷重検出部をさらに設けることにより、所定の押圧荷重の基準を満たした場合に、タッチパネルに対する接触がなされたものと判定することができる。このような荷重検出部は、任意の個数の歪みゲージセンサ等をタッチパネル20に設けたものとして構成することができる。
また、上記実施の形態では、タッチパネル20を用いて、当該タッチパネル20のタッチ面に対する接触を検出した。しかしながら、タッチパネル20に対する押圧の荷重を検出して、所定の押圧荷重の基準が満たされた場合に、タッチパネル20に対する接触がなされたものと判定することもできる。このような荷重の検出を行う場合、任意の個数の歪みゲージセンサ等をタッチパネル20に設けて、押圧によるタッチパネル20の歪みを検出することにより、当該歪みからタッチパネル20対する押圧の荷重を算出するなどの構成を想定することができる。
このような荷重の検出は、タッチパネル20における接触検出方式に応じて各種の構成を想定することができる。例えば、抵抗膜方式の場合には、接触面積による抵抗変化に基づく出力信号の変化から荷重が検出できれば、歪みゲージセンサを用いることなく構成することができる。あるいは、静電容量方式の場合には、静電容量の変化に基づく出力信号の変化から荷重が検出できる場合も、歪みゲージセンサを用いることなく構成することができる。
また、振動部50は、任意の個数の圧電振動子を用いて構成したり、タッチパネル20の全面に透明圧電素子を設けて構成したり、偏心モータを駆動信号の1周期で1回転させるようにして構成したり、することもできる。さらに、荷重検出部および振動部50は、圧電素子を用いて構成する場合は、圧電素子を共用して荷重検出部兼振動部を構成することもできる。圧電素子は、圧力が加わると電力を発生し、電力が加えられると変形するためである。
また、上述したように、振動部50は、荷重検出部も兼ねる圧電素子の出力に基づいて検出される押圧荷重が所定の基準を満たした際に、当該圧電素子を駆動することにより振動を発生するようにもできる。ここで、圧電素子の出力に基づいて検出される押圧荷重が触感を呈示する基準を満たした際とは、検出される押圧荷重が触感を呈示する基準値に達した際であってもよいし、検出される押圧荷重が触感を呈示する基準値を超えた際でもよいし、圧電素子の出力に基づいて触感を呈示する基準値が検出された際でもよい。
上述した実施の形態においては、タッチパネル20を表示部60の上面に重ねて配置した構成を想定して説明した。本発明による電子機器は、このような構成にすることは必須ではなく、タッチパネル20と表示部60とを離間した構成にすることもできる。しかしながら、タッチパネル20を表示部60の上面に重ねて配置した構成とする方が、表示される画像と発生する振動との対応関係を、操作者に容易に認識させることができる。
また、本実施の形態の説明における表示部60およびタッチパネル20は、表示部と接触検出部との両機能を共通の基板に持たせる等により、一体化した装置によって構成されるようにしてもよい。このように表示部と接触検出部との両機能を一体化した装置の構成の一例としては、液晶パネルが有するマトリクス状配列の画素電極群に、フォトダイオード等の複数の光電変換素子を規則的に混在させたものを挙げることができる。この装置は、液晶パネル構造によって画像を表示する一方で、パネル表面の所望位置をタッチ入力するペンの先端で液晶表示用のバックライトの光を反射し、この反射光を周辺の光電変換素子が受光することによって、タッチ位置を検出することができる。
なお、振動部50は、振動モータ(偏心モータ)などに基づいて電子機器を振動させることにより、タッチパネル20を間接的に振動させるように構成してもよいし、タッチパネル20に圧電素子を配設することにより、タッチパネル20を直接的に振動させるように構成してもよい。