JP5668562B2 - ビスフェノールaの製造方法 - Google Patents
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Description
体」と略記することがある)は、エポキシ樹脂やポリカーボネート樹脂の原料として重要な化合物であり、近年需要が増大している。そして、高品質の樹脂をより安価に得るために、無色で高純度のビスフェノールAをより効率的に製造する方法が要求されている。
通常、ビスフェノールAは、化学量論的に過剰のフェノールとアセトンとをイオン交換
樹脂などの酸触媒の存在下で縮合反応させることにより連続的に製造される。そして、ビスフェノールAは、上記縮合反応物の濃縮液を冷却することにより、ビスフェノールAとフェノールとの付加物(以下「付加物」と略記することがある)として回収した後に、付加物に含まれるフェノールを除去することにより製品として得られる。そして、晶析後に付加物を分離した母液は、反応工程や晶析工程などに循環され、プロセス内で再利用される。
スフェノールAの他に、2−(2−ヒドロキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(以下「2,4’体」と略記することがある)を始めとする多くのビスフェノールAへ異性化し得るビス(ヒドロキシフェニル)プロパン類が含まれており、従って
製品ビスフェノールAの回収率を高めるためには、これの異性化し得る成分を、ビスフェ
ノールAへ異性化して回収することが重要である。この異性化工程には、通常、スルホン
酸などの強酸基を導入したイオン交換樹脂が触媒(以下、「異性化触媒」と称することがある)として用いられるが、この触媒の劣化速度が大きいために触媒交換頻度が多くなるという問題が生じていた。
つまり、上記方法によっては、異性化触媒の寿命の延長も十分でなく、さらに特別の処理を行う必要があるために、さらに簡便に異性化触媒の劣化を抑制し、工業的に有利にビスフェノールAを製造する方法が求められていた。
用いる酸触媒であって、劣化が緩やかであるものを提供すること、さらに、該酸触媒を用いることにより、ビスフェノールAを効率よく製造する方法を提供することを課題とする
。
ものを用いたところ、触媒活性は高く維持され、その劣化が緩やかであることを見出した。
すなわち、本発明は、
[1]スチレン系モノマーと架橋性モノマーとを含む重合性モノマーの共重合反応で得られたゲル型ビーズに強酸基を導入した強酸性イオン交換樹脂とビス(ヒドロキシフェニル)プロパン類を含む液とを接触させて、ビスフェノールAに異性化する異性化工程を含む
ビスフェノールAの製造方法において、前記強酸性イオン交換樹脂の平均粒径が650μ
m以下であることを特徴とするビスフェノールA製造方法、
[2]前記強酸性イオン交換樹脂が、その架橋度が2〜6%であることを特徴とする上記[1]記載のビスフェノールA製造方法、
[3]以下の(A)から(G)工程からなるビスフェノールAの製造方法において、下記
(F)工程において用いる強酸性イオン交換樹脂の平均粒径が650μm以下であることを特徴とするビスフェノールA製造方法、
(A)過剰量のフェノールとアセトンとを酸性触媒の存在下、縮合反応させる縮合反応工程、
(B)縮合反応工程で得られた反応混合物を濃縮する濃縮工程、
(C)濃縮工程で得られた濃縮液を冷却することによりビスフェノールAとフェノールと
の付加物を晶析させ、該付加物と母液に分離する晶析・固液分離工程、
(D)ビスフェノールAとフェノールとの付加物からフェノール除去し、ビスフェノールAを回収するフェノール除去工程、および、
(E)フェノール除去工程で得られたビスフェノールAを造粒化する造粒工程を有し、
(F)晶析・固液分離工程で得られた母液の少なくとも一部を強酸性イオン交換樹脂と接触させてビスフェノールAに異性化する異性化工程、
(G)異性化工程で得られた異性化処理液からビスフェノールAを分離回収するビスフェ
ノール回収工程、
[4]前記強酸性イオン交換樹脂が、その粒径が30〜650μmのものが全体の50%以上であることを特徴とする上記[3]に記載のビスフェノールAの製造方法、に存する
。
用いる酸触媒であって、劣化が緩やかであるものを提供するものである。さらに、該酸触媒を用いることにより、触媒寿命が延びて、特にコストの面において、ビスフェノールA
を工業的に有利に製造する方法が提供されるという効果を有する。
化工程)を含むビスフェノールAの製造方法において、前記強酸性イオン交換樹脂の平均
粒径が650μm以下であることを特徴とするビスフェノールA製造方法である。
法である。具体的には、過剰量のフェノールとアセトンとを強酸性イオン交換樹脂触媒の存在下、縮合反応させて(以下、「縮合反応工程」と称する)、得られたビスフェノールA、未反応フェノール、水などを含む反応混合物を濃縮した後(以下、「濃縮工程」と称
する)、冷却することによりビスフェノールAとフェノールとの付加物を晶析させ、該付
加物を母液と分離し(以下、「晶析・固液分離工程」と称する)、次いで、該付加物からフェノールを除去し(以下、「フェノール除去工程」)、ビスフェノールAを回収するこ
とによりビスフェノールAを製造し、さらに上記母液の少なくとも一部を強酸性イオン交
換樹脂と接触させて異性化処理した後、ビスフェノールAを回収する(以下、「異性化工
程」と称する)ものである。上記工程の詳細は以下のとおりである。
原料のフェノールとアセトンは、化学量論的にフェノール過剰で反応させる。フェノールとアセトンとのモル比は、フェノール/アセトン=3〜30、好ましくは、5〜20の範囲である。反応温度は、通常、50〜100℃で行われる。触媒としては、スルホン酸型等の強酸性陽イオン交換樹脂が用いられる。
上記フェノール(後述の、ビスフェノール製造プロセス内で回収されるフェノールを除く)は、純度が高いものであればそのまま使用することもできるが、一般的には精製した後に使用するのが好ましい。フェノールの精製方法としては特に制限はないが、例えば、フェノールを、40〜110℃で、一般的な強酸基を有する陽イオン交換体のような酸性触媒と反応させ、フェノール中に含まれる不純物を重質化させた後に蒸留して重質分を除去する方法などが挙げられる。当該酸性触媒は、下述する異性化触媒と同じものを用いることができる。通常、精製したフェノールはそのまま使用されるが、フェノール中に水分が含まれる場合、一般的には水分を除去した後に使用するのが好ましい。フェノール中の水分を除去する方法としては特に制限はないが、例えば、共沸剤存在下で水分を含有したフェノールの蒸留を行い、フェノールと水分を分離する方法などが挙げられる。このようにして得られるフェノールは、反応器へ供給することにより反応原料として使用される。強酸基を有する陽イオン交換体の主な形態としては、ゲル型が好ましい。また、物質拡散性や、樹脂の耐久性、強度の確保の観点で、多孔質型(ポーラス型、ハイポーラス型、又はマクロポーラス型)も好ましい。ゲル型には単純ゲル型共重合体及び拡大網目型ゲル共重合体があり、いずれも用いることができる。一方、多孔質型は多孔性共重合体であって、表面積、気孔率、平均孔径などが任意のものを用いることができる。
強酸性イオン交換体(以下、「触媒ビーズ」と称することがある)、及び下述する変性強酸型陽イオン交換体のサイズは、平均粒径が、通常0.2mm以上、2.0mm以下の
範囲にあり、かつ粒径分布均一度は、通常1.6以下、好ましくは1.5以下である。また、特に好ましい触媒ビーズとして、平均粒径が30〜650μmの触媒ビーズ、又は下述する変性強酸型陽イオン交換体が、全体の50%以上、好ましくは60%以上、さらに好ましくは80%以上、最も好ましくは90%以上を占めるものが挙げられる。
上記ゲル型触媒ビーズの原料であるスチレン系モノマーとは、スチレン、又はスチレンのベンゼン環若しくはスチレンのビニル基にイオン交換樹脂としての機能を損なわない範囲の任意の置換基を有するモノマーであるが、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエーテル、ポリスチレンなどのポリマーや、オリゴマーの末端がスチリル構造になっているようなマクロモノマーであってもよい。なお、ここで、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」を意味する。後述の「(メタ)アクリロイル」についても同様である。スチレン系モノマーとしては、好ましくは下記式(1)で表されるモノマーが挙げられる。
スチレン系モノマーとしては、具体的には、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、フルオロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等の、ベンゼン環が炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子で置換されたスチレンや、α−メチルスチレン、α−フルオロスチレン、β−フルオロスチレン等の、ビニル基が炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子で置換されたスチレン等が挙げられる。スチレン系モノマーとしては、これらの中でも、スチレンが最も好ましい。また、これらのスチレン系モノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
のポリビニルベンゼン、ジビニルトルエン等のアルキルジビニルベンゼン、ビス(ビニルフェニル)、ビス(ビニルフェニル)メタン、ビス(ビニルフェニル)エタン、ビス(ビニルフェニル)プロパン、ビス(4−ビニルフェニル)スルホン等の、2以上のベンゼン環が直接又はアルキレン基、スチリレン基などの連結基を介して結合した構造を有する芳香族ジビニル化合物が挙げられる。また、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエーテル、ポリスチレンなどのポリマー、オリゴマーの両末端がスチリル構造、(メタ)アクリル構造のような重合性炭素−炭素二重結合を有するマクロモノマーでもよい。これらの中でも、架橋性モノマーとしては、ジビニルベンゼンが好ましい。なお、ジビニルベンゼンによっては、製造される際に副生物としてエチルビニルベンゼン(エチルスチレン)が生成し、これを多量に含有している場合もあるが、本発明においてはこのようなジビニルベンゼンも使用することができる。これらの架橋性モノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
のα−オレフィン;(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
強酸基が導入されたゲル型ビーズを、常法に従って、洗浄、単離等により分離することで、強酸基を有する陽イオン交換体を得る。当該触媒を、固定床流通方式で使用する場合には、含有される触媒ビーズ、又は下述する変性強酸型陽イオン交換体のうち、その粒径が30〜600μmのものが50%以上を占めるものが好ましく用いられる。
れた性能が得られる。一方、触媒ビーズ、又は下述する変性強酸型陽イオン交換体がその粒径が30〜650μmのものが全体の50%未満であると、触媒粒子内の拡散抵抗のため、触媒活性が低下をすると共に、触媒粒子内での逐次反応により選択性の低下を引き起こす。
4版、140〜142頁)に記載の以下の式で算出した値で定義される。
平均粒径=樹脂の累積体積の50%に相当する径
均一係数=大粒子側の累積体積が40%に相当する径/大粒子側の累積体積が90%に相当する径
また、篩別法以外の遠心沈降法、コールター法、画像解析法、レーザー回析散乱法などの方法を用いて得られた測定値を換算することにより、篩別法の値として用いることもできる。
(B)濃縮工程
この工程においては、上記の縮合反応工程で得られた反応混合物から低沸点成分を分離して濃縮されたビスフェノールAを含む晶析原料を調製する。ここでいう低沸点成分とし
ては、フェノールよりも低沸点の成分であり、例えば、未反応のアセトン、副生する水、不純物として含まれるアルコール、イソプロピルフェノール、アルキルチオールなどの担持型でない助触媒を使用する場合の助触媒などが挙げられる。低沸点成分の分離方法としては、蒸留塔を使用し、反応工程において得られた反応混合物を蒸留し、塔頂から低沸点成分を分離する方法が挙げられる。塔底液はビスフェノールA及びフェノールを含む液体
成分である。蒸留塔は1基または複数基の公知のものが使用できるが、1基で分離を行うのが好ましい。
。減圧蒸留は、通常、温度50〜150℃、圧力5〜40kPaで行われる。反応混合物中に含まれる未反応フェノールの一部が低沸点成分と共に塔頂から抜き出されてもよい。また、所望により、追加の蒸留塔を使用してフェノールを除去したり、あるいは、フェノールを追加することによってビスフェノールAの濃度を調節してもよい。これらの処理に
よって得られた晶析原料は、次の晶析工程に供給される。
この工程においては、上記の工程で得られた晶析原料から付加物を含むスラリーを形成した後に付加物と母液とに分離する。晶析装置としては、通常、連続晶析装置が使用される。連続晶析装置としては、ジャケットや内部コイルによる冷却方式の晶析装置、外部循環冷却式晶析装置、蒸発冷却式晶析装置などが知られており、特に制限はないが、外部循環冷却式晶析装置とジャケット式晶析装置とが好適に使用される。外部循環冷却式晶析装置は、晶析槽とその外部に配置された冷却器とを配管、バルブ等から成る循環路で形成されており、冷却器としては、多管式冷却器が好適に使用される。また、微結晶を溶解するための溶解槽または加熱器を具備することが好ましい。ジャケット式晶析装置は、晶析を行う容器の周囲にジャケットを有し、当該ジャケット内に冷媒を通し、当該容器の壁面を介して冷却するタイプである。容器内に攪拌翼やバッフルを具備し、内液が良好に攪拌できるものが好ましい。また、何れのタイプも、混合性の向上のため、内部にドラフトチューブを具備するのが好ましい。結晶の形状やサイズを制御するため、分級装置を装置内に具備するか外部に併設してもよい。分級装置としては、結晶の形状やサイズによる結晶の沈降速度の差を利用したもの、溶解速度の差を利用したもの等が挙げられる。また、必要に応じ、晶析操作の途中で加熱を行ったり、あるいは、結晶の溶解操作を行うことも出来る。このような場合は、冷媒に代えて熱媒を使用する。
(D)フェノール除去工程
この工程においては、上記の工程で得られた付加物からフェノールを分離してビスフェノールAを回収する。本フェノール除去工程(D)では、通常、100〜160℃に付加
物を加熱溶融し、得られた溶融液から、例えば、蒸留装置、薄膜蒸発器、フラッシュ蒸発器などを使用することにより、大部分のフェノールを除去する方法が採用される。また、溶融液中に残存している微量のフェノールを除去するために、上記の操作を行った後、更に、スチームストリッピング等により残存フェノールを除去し、ビスフェノールAを精製
する方法も採用される。この方法は、例えば、特開昭63−132850号公報、特開平2−28126号公報などに記載されている。
上記のようにして得られた高純度で溶融状態のビスフェノールAは、造粒塔やフレーカ
ーに送られ、固体のプリルやフレークとなって製品ビスフェノールAとなる。例えば、造
粒塔を使用する場合、溶融ビスフェノールAは、造粒塔の塔頂に送液され、塔頂に設置さ
れたノズルプレートに設けられた多数の孔より噴霧される。噴霧された溶融液は、造粒塔の塔底から上昇する循環ガスにより冷却され、塔底よりプリルと呼ばれる粒子状の固体として抜き出され、製品ビスフェノールAとなる。また、得られたビスフェノールAを、溶融法によるポリカーポネート樹脂の製造に供する場合のように、固体にせずに溶融状態のまま次工程に移送することも出来る。
この工程においては、上記の晶析−固液分離工程(C)で分離・分割された母液の一部を異性化触媒と接触させる。ここで、異性化とは、母液中の2,4′体をビスフェノール
A(4,4′体)に変換することを意味する。 異性化工程に供給する母液の割合は、上
記の晶析−固液分離工程(C)で分離された母液中に含まれる酸および不純物(水、アセトン、フェノール、ビスフェノールAを除く物質)の量によって決定するのが好ましい。
上記の母液中に含まれる酸および不純物の合計量は、ビスフェノールAに対する濃度とし
て、通常0.3〜2重量倍、好ましくは0.3〜1.5重量倍の範囲である。
くは14重量%を上回らない様にするのがよい。これは異性化工程で使用する酸触媒反応器にてビスフェノールAとフェノールとの付加物が析出するのを防止するためである。
比に対して母液の組成から80〜100%程度反応が進行した状態である。それ以上反応が進行すると、イソプロペニルフェノールの環状二量体が多量に生成し、ビスフェノールAへの反応収率が極端に悪化する。反応率の調節は、主に反応温度で行うのが簡便であり
運用上好ましいが、通液量や酸触媒量などで調節することも可能である。
ましい。
平均粒径=樹脂の累積体積の50%に相当する径
上記異性化触媒の製造方法は、上述の触媒ゲルと同様であるが、異性化触媒の場合には、形態としては、ゲル型であることが必要となる。
上記異性化処理液は、含有されるビスフェノールAを回収し、製品とする。具体的なビ
スフェノールA回収方法としては、例えば、上記異性化処理液を、縮合反応工程、濃縮工
程、晶析・固液分離工程のいずれかの工程に循環する方法、あるいは、異性化反応処理液を特開2009−242316号公報に記載の方法で回収晶析した後に、縮合反応工程、濃縮工程、晶析・固液分離工程のいずれかの工程に循環する方法が挙げられる。ここで、特開2009−242316号公報に記載されている再結合反応工程において用いる強酸性イオン交換樹脂として、本願発明の異性化触媒を用いることもできる。
なお、以下において、「部」は「重量部」を示す。
[実施例1]
(1)異性化反応触媒評価用の原料液調整
先ず、特開2005−97568号公報の記載の方法に従って、強酸性陽イオン交換樹脂触媒の存在下に過剰量のフェノールとアセトンとを縮合反応させる反応工程(A)、得られた反応混合物から低沸点成分およびフェノールを分離して濃縮されたビスフェノールAを含む晶析原料を調製する濃縮工程(B)、得られた晶析原料からビスフェノールAとフェノールとの付加物を含むスラリーを形成した後にビスフェノールAとフェノールとの付
加物と母液とに分離する晶析−固液分離工程(C)、この母液の一部を母液処理工程に供給し、他の母液は反応工程の原料の一部として循環させ、母液の組成が安定したところで採取した。高速液体クロマトグラフィーを用いて組成を求めた。表1に結果を示す。
図1に示す、加振装置として水中スピーカーが取り付けられた液滴製造装置と重合反応装置を用いて、均一粒径の球状のゲル型ビーズ(以下、「共重合体」と称することがある)を製造した。
この液滴製造装置1は、連続相を形成する水性媒質2を保持する液滴製造槽3と、水性媒質2と混和しない疎水性液体4を保持する疎水性液体貯槽5と、疎水性液体貯槽5に貯留されている疎水性液体4を液滴製造槽3に供給する疎水性液体供給管6とを備えている。また、液滴製造装置1は、水性媒質2に接触し、疎水性液体供給管6から供給された疎水性液体4を噴出する噴出孔11を備えたノズル部材7と、液滴製造槽3内の水性媒質2に機械的に振動を加える加振手段である水中スピーカー(水中音響機器)8と、水性媒質2を貯留する水性媒質貯槽9と、水性媒質貯槽9に貯留されている水性媒質2を液滴製造槽3に供給する水性媒質供給管10とを備えている。ここで、符号12は疎水性液体噴出貯槽、符号13、14はそれぞれ疎水性液体、水性媒質の供給ポンプを示す。
また、図1の重合反応装置16は、液滴製造装置1の液滴製造槽3内の液滴15が水性媒質2と共に移送され液滴15を合着、破砕しないで重合反応を行わせる重合反応槽17と、重合反応槽17に液滴製造槽3内からの液滴15を合着、破砕させないで水性媒質2
と共に移送する疎水性液滴移送管18とを有している。
本実施例では、まず、水性媒質2として、ポリビニルアルコールを0.05重量%含有する水溶液を、水性媒質貯槽9から液滴製造槽3及び重合反応槽17に満たした。ポリビニルアルコール水溶液は、重合反応開始まで40℃に加温して保持した。一方、重合開始剤として過酸化ベンゾイルを含む96部のスチレン、4部のジビニルベンゼンからなる重合性モノマー混合液を、疎水性液体として疎水性液体貯槽5からノズル部材7の噴出孔11より流量1.54mL/min/孔で液滴製造槽3内に噴出させた。その際、重合性モノマー混合液の噴出流を砕いて均一な粒径を有する液滴15とするために、噴出流に水中スピーカー8より1400Hzの振動を加えた。この時に得られた重合性モノマー混合液の液滴15の平均粒径は、0.32mmであり、均一係数は1.01であった。なお、この液滴15の平均粒径及び均一係数は、液滴の拡大写真を撮影し、画像解析法により粒度分布を求めて算出した。
得られた共重合体スラリーを、遠心分離機を用いて固液分離し、ポリビニルアルコール水溶液を含まない状態で回収した。得られた共重合体は平均粒径0.29mmで、均一係数は1.02の球状の粒子であった。
上記(2)で得られた共重合体180gを、1Lの4ッ口フラスコに入れ、ニトロベンゼン198gを加えて70℃で1.5時間加熱、撹拌し、共重合体を膨潤させた。冷却後、ニトロベンゼン324g、98重量%硫酸360gと発煙硫酸189gを加えて、70℃まで昇温し、4時間加熱後、105℃まで昇温して3時間保持した。
加熱、撹拌し、ニトロベンゼンを留去した。得られた樹脂を脱塩水にて洗浄し、ゲル型触媒ビーズ(以下、「強酸性陽イオン交換樹脂」と称することがある)を得た。
得られた強酸性陽イオン交換樹脂の交換容量、平均粒径、均一係数、粒径30〜650μmの触媒ビーズ含有率を求め、その結果を表2に示した。
平均粒径=樹脂の累積体積の50%に相当する径
均一係数=大粒子側の累積体積が40%に相当する径/大粒子側の累積体積が90%に相当する径
なお、粒径30〜650μmの触媒ビーズ含有率は、前記の共重合体同様に篩別法により得られた粒度分布から算出した。
上記(3)で製造したゲル型触媒ビーズ50mLを、内径17.6mm、全長240mmのジャケット付のガラス製カラムに充填した。ジャケット温度を75℃でコントロールしながらフェノールを50mL/hrで触媒を充填した反応器上部より24時間通液し、触媒中の水分を完全にフェノールで置換し、その後、表1の組成の母液を、75℃にて50mL/hrで反応器上部よりダウンフローで連続的に通液して反応を行なった。反応開始後、都度、反応液を採取し、反応液中の各組成濃度を高速液体クロマトグラフィー及びカールフィッシャー水分計により、以下の条件で定量した。2,4’体/4,4’体の75℃平衡値への到達率を2,4体の転化率として下式を用いて算出した。結果を図3に示した。なお、75℃の2,4’体/4,4’体の平衡値は、0.107とした。
2,4転化率=1−((反応液2,4’/4,4'比)−0.107)/(原料2,4’
/4,4’比)−0.107)
<分析法>
高速液体クロマトグラフィー:島津製作所製「LC−10A」
カラム:Waters Sun FireTM C18 5μm、4.6φ×250mm検出器:UV 280nm
溶離液:A液 90%アセトニトリル水溶液、B液 0.59mol/Lりん酸水溶液の1mLを1Lの0.5%りん酸二水素ナトリウム水溶液で希釈した液
[実施例2]
窒素導入管と冷却管を備えた3Lの4ッ口フラスコに、脱塩水2316mL、6重量%ポリビニルアルコール水溶液27.5mLを加え、窒素を導入して溶存酸素を除去した。
実施例2と同様の方法で、ポリビニルアルコール水溶液及び重合性モノマー混合液を調製し、120rpmで撹拌して懸濁液とし、75℃で8時間保持して共重合反応を行った。重合後、ポリビニルアルコール水溶液を除去し、共重合体を得た。この共重合体を水簸処理し、小粒子を除去した。
[比較例1]
強酸性陽イオン交換樹脂として、三菱化学株式会社製の架橋度4%ゲル型強酸性陽イオン交換樹脂(商品名:ダイヤイオン(登録商標)SK104)を準備した。この強酸性陽イオン交換樹脂の交換容量、平均粒径、均一係数、粒径30〜650μmの触媒ビーズ含有率を求め、その結果を表2に示した。 上記強酸性陽イオン交換樹脂を用いて、実施例1と同様の方法で、異性化反応を行い、液体クロマトグラフィーによる分析から算出した結果を図3に示した。
三菱化学株式会社製の架橋度4%ゲル型強酸性陽イオン交換樹脂(商品名:ダイヤイオン(登録商標)SK104)7.5mLを、内径1cm、全長44cmのステンレス製カラムに充填した。75℃のフェノールを26mL/hrで触媒を充填した反応器上部より24時間通液し、触媒中の水分を完全にフェノールで置換し、その後、表1の組成の母液を、75℃にて26mL/hrで反応器上部よりダウンフローで連続的に通液して反応を行なった。反応開始後、都度、反応液を採取し、反応液中の各組成濃度を高速液体クロマトグラフィー及びカールフィッシャー水分計により、以下の条件で定量した。液体クロマトグラフィーによる分析から算出した結果を図4に示した。
強酸性陽イオン交換樹脂として、三菱化学株式会社製のマクロポーラス型強酸性陽イオン交換樹脂(商品名:ダイヤイオン(登録商標)RCP160M)を準備した。この強酸性陽イオン交換樹脂の交換容量、平均粒径、均一係数、粒径30〜650μmの触媒ビーズ含有率を求め、その結果を表2に示した。 上記強酸性陽イオン交換樹脂を用いて、参考例1と同様の方法で、異性化反応を行い、液体クロマトグラフィーによる分析から算出した結果を図4に示した。
2 水性媒質
3 液滴製造槽
4 疎水性液体
5 疎水性液体貯槽
6 疎水性液体供給管
7 ノズル部材
8 水中スピーカー
9 水性媒質貯槽
10 水性媒質供給管
11 噴出孔
12 疎水性液体噴出貯槽
13,14 供給ポンプ
15 液滴
16 重合反応装置
17 重合反応槽
18 液滴移送管
Claims (4)
- スチレン系モノマーと架橋性モノマーとを含む重合性モノマーの共重合反応で得られたゲル型ビーズに強酸基を導入した強酸性イオン交換樹脂とビス(ヒドロキシフェニル)プロパン類を含む液とを接触させて、ビスフェノールAに異性化する異性化工程を含むビス
フェノールAの製造方法において、前記強酸性イオン交換樹脂の平均粒径が650μm以
下であることを特徴とするビスフェノールA製造方法。 - 前記強酸性イオン交換樹脂が、その架橋度が2〜6%であることを特徴とする請求項1記載のビスフェノールA製造方法。
- 以下の(A)から(G)工程からなるビスフェノールAの製造方法において、下記(F
)工程において用いる強酸性イオン交換樹脂の平均粒径が650μm以下であることを特徴とするビスフェノールA製造方法。
(A)過剰量のフェノールとアセトンとを酸性触媒の存在下、縮合反応させる縮合反応工程、
(B)縮合反応工程で得られた反応混合物を濃縮する濃縮工程、
(C)濃縮工程で得られた濃縮液を冷却することによりビスフェノールAとフェノールと
の付加物を晶析させ、該付加物と母液に分離する晶析・固液分離工程、
(D)ビスフェノールAとフェノールとの付加物からフェノール除去し、ビスフェノールAを回収するフェノール除去工程、および、
(E)フェノール除去工程で得られたビスフェノールAを造粒化する造粒工程を有し、
(F)晶析・固液分離工程で得られた母液の少なくとも一部を強酸性イオン交換樹脂と接触させてビスフェノールAに異性化する異性化工程、
(G)異性化工程で得られた異性化処理液からビスフェノールAを分離回収するビスフェ
ノール回収工程。 - 前記強酸性イオン交換樹脂が、その粒径が30〜650μmのものが全体の50%以上であることを特徴とする請求項3に記載のビスフェノールAの製造方法。
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