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JP5628677B2 - ベータ−ラクタマーゼの検出のための方法および組成物 - Google Patents

ベータ−ラクタマーゼの検出のための方法および組成物 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2007年10月19日に出願された米国特許仮出願第60/981,156号明細書に対する米国特許法第119条(e)の下の優先権を主張する。
クラスAセリンカルバペネマーゼ、メタロ−ベータ−ラクタマーゼ、AmpCベータ−ラクタマーゼ、および基質特異性拡張型ベータ−ラクタマーゼ(ESBL)を含む、特異的なベータ−ラクタマーゼの検出のための方法および組成物が本明細書に提示される。本明細書に提示される方法は、わずか2から10分以内で、細菌試料における特異的なベータ−ラクタマーゼの存在の検出を可能にする方法を含む。
ベータ−ラクタマーゼは、ベータ−ラクタム抗生物質薬のベータ−ラクタム環などのベータ−ラクタム環を加水分解する酵素のファミリーである。ベータ−ラクタマーゼは、グラム陽性細菌およびグラム陰性細菌において見つけられており、多くの細菌株の抗生物質耐性を担う。
ベータ−ラクタマーゼは、それらの一次構造に基づいて、4つの分子クラス、すなわちクラスAからDに分類することができる。クラスA、C、およびDは、それらの活性部位にセリン残基を有し、クラスBまたはメタロ−ベータ−ラクタマーゼは、それらの活性部位に亜鉛を有する。カルバペネマーゼは、クラスA、B、およびDに属する酵素を含む、ベータ−ラクタマーゼの多様なグループである。クラスAカルバペネマーゼは、KPC−1、KPC−2、KPC−3、およびKPC−4を含む。クラスBカルバペネマーゼは、IMPファミリー、VIMファミリー、GIM−1、およびSPM−1ならびに他のものを含む。クラスDカルバペネマーゼは、OXA−23、OXA−24、OXA−25、OXA−26、OXA−27、OXA−40、およびOXA−40ならびに他のものを含む。AmpCベータ−ラクタマーゼは、クラスCの酵素であり、染色体遺伝子によってコードすることができる、またはプラスミド由来のものとすることができる。AmpCベータ−ラクタマーゼは、広域性セファロスポリンおよび広域スペクトルセファロスポリン(つまりセファマイシンおよびオキシイミノ−ベータ−ラクタム)を加水分解する。基質特異性拡張型ベータ−ラクタマーゼ(ESBL)は、オキシイミノ鎖を有するセファロスポリンを加水分解するベータ−ラクタマーゼである。ESBLは、TEMファミリー、SHVファミリー、および他のものならびにCTX−Mファミリーを含み、これらは、クラスAの酵素である。元の基質特異性のベータ−ラクタマーゼ(OSBL)は、クラスAの酵素を含む。
細菌の間のベータ−ラクタマーゼの広がりは、ベータ−ラクタム薬剤に対する細菌の耐性を増加させてきた。それらの薬剤に対して耐性の細菌を有する患者へのベータ−ラクタム薬剤の投与は、それらの細菌を選択し、ベータ−ラクタマーゼの伝達の増加に至る。したがって、適切な治療計画が所与の患者に選択され、耐性の細菌の広がりの可能性が低下するように、特異的なベータ−ラクタマーゼを発現する細菌を迅速に検出する必要がある。
米国特許第5,922,593号明細書 米国意匠特許第421,498号明細書 米国特許第6,096,272号明細書 米国特許第6,372,485号明細書 米国特許第7,115,384号明細書
一態様において、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびある種のベータ−ラクタマーゼ阻害剤を使用する、特定のベータ−ラクタマーゼの迅速な検出のための方法が本明細書に提示される。例えば、セリンカルバペネマーゼ、メタロ−ベータ−ラクタマーゼ、AmpC、および基質特異性拡張型ベータ−ラクタマーゼ(ESBL)の迅速な検出のための方法が本明細書に提示される。本明細書に提示されるいくつかの方法は、細菌細胞抽出物の作製を必要とせず、本明細書に提示されるいくつかの方法は、少量の細菌試料を必要とするのみである(例えば1010CFU未満または108CFU未満の細菌)。さらに、本明細書に提示される方法は、わずか2から10分以内で、細菌試料におけるそのようなベータ−ラクタマーゼの存在の検出を可能にする。ベータ−ラクタマーゼの存在の検出により、細菌感染症を有する患者に、適切な治療計画の選択のための情報を提供することができる。
本明細書に提示される方法は、(a)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質(例えばニトロセフィン)および1つまたは複数のベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む異なる組成物と、同じ供給源からの2つ以上の細菌試料を接触させるステップと、(b)組成物における基質の利用を検出するステップとを含むことができ、組成物における基質の利用は、1つまたは複数の阻害剤の存在により、細菌供給源において存在する(1つまたは複数の)ベータ−ラクタマーゼが阻害されるかどうかを示す。異なる組成物の結果によって、細菌供給源におけるある種のベータ−ラクタマーゼの存在を決定することができ、他のベータ−ラクタマーゼの存在を除外することができる。検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質および1つまたは複数のベータラクタマーゼ阻害剤を含む異なる組成物は、同じ供給源からの細菌試料と同時にまたは順次、接触させることができる。組成物は、細菌試料との組成物の接触に続く基質利用の検出に適用可能な任意のタイプの携帯容器またはデバイスにおいて提供することができる。例えば、組成物は、寒天プレート、ペーパーディスク、ペーパーストリップ中に埋め込まれた液体組成物の形態で、またはウェルもしくはチューブ中の乾燥形態で提供することができる。特定の実施形態において、1つまたは複数の組成物中に含まれるベータ−ラクタマーゼ阻害剤は、セリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤、AmpC阻害剤、金属キレート剤、および/またはESBL阻害剤である。
本明細書に提示される方法および組成物は、ベータ−ラクタマーゼ阻害剤の特定の濃度が、驚くべき予測不可能な方法で、異なるベータ−ラクタマーゼに対するその阻害能力に影響を与えることができるという発見に部分的に基づく。例えば、ある濃度のクラブラン酸は、クラスAセリンカルバペネマーゼではなく、ESBLおよび元の基質特異性のベータ−ラクタマーゼ(OSBL)を阻害する。発明者らは、例えば、細菌試料におけるクラスAセリンカルバペネマーゼの存在を、ある濃度のクラブラン酸を使用することによって、細菌試料におけるESBLおよびOSBLの存在と区別することができることを発見した。発明者らはまた、ある濃度のクロキサシリン阻害剤が、クラスAベータ−ラクタマーゼおよびクラスCベータ−ラクタマーゼを阻害することも発見した。
一実施形態において、ベータ−ラクタマーゼの存在を検出するための方法であって、(a)(i)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびAmpC阻害剤を含む第1の組成物と第1の細菌試料を接触させ、かつ(ii)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ならびにクラスAセリンカルバペネマーゼではなくESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量のセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第2の組成物と第2の細菌試料を接触させるステップであって、第1の細菌試料および第2の細菌試料は、同じ供給源由来である、ステップと、(b)第1の組成物および第2の組成物における基質の利用を検出するステップとを含み、基質が第1の組成物および第2の組成物において利用された場合、クラスAセリンカルバペネマーゼまたはメタロ−ベータ−ラクタマーゼであるベータ−ラクタマーゼが検出されるとする方法が本明細書に提示される。
セリンカルバペネマーゼおよびメタロベータ−ラクタマーゼの存在を区別するために、第1の細菌試料および第2の細菌試料と同じ供給源からの第3の細菌試料は、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤、ならびに金属キレート剤を含む第3の組成物と接触させることができ、第3の組成物における基質の利用が検出される。第1の組成物および第2の組成物のみならず、第3の組成物における基質利用も検出される場合、クラスAセリンカルバペネマーゼの存在が、細菌供給源において検出される。その一方で、第3の組成物において検出される基質利用はないが、第1の組成物および第2の組成物において検出される基質利用がある場合、メタロ−ベータ−ラクタマーゼの存在が、細菌供給源において検出される。基質利用が第3の組成物において検出されないが、第1の組成物および第2の組成物における基質利用が検出される場合、クラスAセリンカルバペネマーゼの存在は、除外することができる。
他の実施形態において、ベータ−ラクタマーゼを検出するための方法であって、(a)(i)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質を含む第1の組成物と第1の細菌試料を接触させ、かつ(ii)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質および金属キレート剤を含む第2の組成物と第2の細菌試料を接触させるステップであって、第1の細菌試料および第2の細菌試料は、同じ供給源由来である、ステップと、(b)第1の組成物および第2の組成物における基質の利用を検出するステップとを含み、(i)第1の組成物および第2の組成物における基質が利用された場合、メタロ−ベータ−ラクタマーゼ以外のベータ−ラクタマーゼが検出され、(ii)第1の組成物における基質は利用されたが、第2の組成物における基質は利用されなかった場合、メタローベータ−ラクタマーゼであるベータ−ラクタマーゼガ検出される方法、が本明細書に提示される。さらに、第1の組成物による基質利用が検出されなければ、細菌供給源において存在するベータ−ラクタマーゼがないことを示す。
他の実施形態において、ベータ−ラクタマーゼを検出するための方法であって、(a)(i)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびAmpC阻害剤を含む第1の組成物と第1の細菌試料を接触させ、(ii)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第2の組成物と第2の細菌試料を接触させ、(iii)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤、ならびに金属キレート剤を含む第3の組成物と第3の細菌試料を接触させ、かつ(iv)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第4の組成物と第4の細菌試料を接触させるステップであって、第1の細菌試料、第2の細菌試料、第3の細菌試料、および第4の細菌試料は、同じ供給源由来である、ステップと、(b)第1の組成物、第2の組成物、第3の組成物、および第4の組成物における基質の利用を検出するステップとを含み、(i)第1の組成物、第2の組成物、第3の組成物、および第4の組成物における基質が利用された場合、クラスAセリンカルバペネマーゼであるベータ−ラクタマーゼが検出され、(ii)第1の組成物、第2の組成物、および第4の組成物における基質は利用されたが、第3の組成物における基質は利用されなかった場合、メタロ−ベータ−ラクタマーゼであるベータ−ラクタマーゼが検出され、(iii)第4の組成物における基質は利用されたが、第1の組成物、第2の組成物、および第3の組成物における基質は利用されなかった場合、AmpCベータ−ラクタマーゼであるベータ−ラクタマーゼが検出される方法、が本明細書に提示される。さらに、第1の組成物、第2の組成物、および第4の組成物における基質利用は検出されるが、第3の組成物における基質利用が検出されなければ、クラスAセリンカルバペネマーゼが細菌供給源中に存在しないことを示す。さらに、第4の組成物における基質利用は検出されるが、第1の組成物、第2の組成物、および第3の組成物における基質利用が検出されなければ、クラスAセリンカルバペネマーゼ、メタロ−ベータ−ラクタマーゼ、およびESBLが細菌供給源中に存在しないことを示す。
他の実施形態において、ベータ−ラクタマーゼの存在を検出するための方法であって、(a)(i)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびAmpC阻害剤を含む第1の組成物と第1の細菌試料を接触させ、(ii)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第2の組成物と第2の細菌試料を接触させ、(iii)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤、ならびに金属キレート剤を含む第3の組成物と第3の細菌試料を接触させ、(iv)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第4の組成物と第4の細菌試料を接触させ、かつ(v)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびESBL阻害剤を含む第5の組成物と第5の細菌試料を接触させるステップであって、第1の細菌試料、第2の細菌試料、第3の細菌試料、第4の細菌試料、および第5の細菌試料は、同じ供給源由来である、ステップと、(b)第1の組成物、第2の組成物、第3の組成物、第4の組成物、および第5の組成物における基質の利用を検出するステップとを含み、(i)第1の組成物における基質は利用されたが、第2の組成物、第3の組成物、第4の組成物、および第5の組成物における基質は利用されなかった場合、ESBLであるベータ−ラクタマーゼが検出され、(ii)第4の組成物における基質は利用されたが、第1の組成物、第2の組成物、および第3の組成物における基質は利用されなかった場合、AmpCベータ−ラクタマーゼであるベータ−ラクタマーゼが検出され、(iii)第1の組成物、第2の組成物、および第4の組成物における基質は利用されたが、第3の組成物における基質は利用されなかった場合、メタロ−ベータ−ラクタマーゼであるベータ−ラクタマーゼが検出され、(iv)第1の組成物、第2の組成物、第3の組成物、および第4の組成物における基質が利用された場合、クラスAセリンカルバペネマーゼであるベータ−ラクタマーゼが検出される方法、が本明細書に提示される。さらに、第1の組成物における基質利用は検出されるが、第2の組成物、第3の組成物、第4の組成物、および第5の組成物の基質利用が検出されなければ、クラスAセリンカルバペネマーゼ、メタロ−ベータ−ラクタマーゼ、およびAmpCベータ−ラクタマーゼが細菌供給源中に存在しないことを示す。さらに、第1の組成物、第2の組成物、および第4の組成物における基質利用は検出されるが、第3の組成物における基質利用が検出されなければ、クラスAセリンカルバペネマーゼが細菌供給源中に存在しないことを示す。さらに、第4の組成物における基質利用は検出されるが、第1の組成物、第2の組成物、および第3の組成物における基質利用が検出されなければ、クラスAセリンカルバペネマーゼ、メタロ−ベータ−ラクタマーゼ、およびESBLが細菌供給源中に存在しないことを示す。
ある実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、溶解試薬を含む。溶解試薬(例えば緩衝液中の溶解試薬)は、当業者に知られている。特定の実施形態において、溶解試薬は、細菌細胞を溶解するまたはその溶解を促進するが、ベータ−ラクタマーゼ基質の加水分解または1つもしくは複数のベータ−ラクタマーゼ阻害剤の活性またはその両方に干渉しない。一実施形態において、溶解試薬は、細菌細胞の溶解を促進する酵素または他の作用物質である。そのような酵素の非限定的な例は、リゾチーム、ラビアーゼ、リソスタフィン、アクロモペプチダーゼ、およびムタノリシンを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、リゾチームを含む。
ある実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、溶解試薬および溶解試薬の安定化を促進する作用物質を含む。一実施形態において、溶解試薬の安定化を促進する作用物質は、熱安定性である。特定の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、溶解試薬および炭水化物、例えば単糖、二糖、多糖、オリゴ糖、またはポリオールを含む。炭水化物の特定の例は、マンニトール、リボース、グルコース、フルクトース、マンノース、スクロース、ラクトース、グリセロール、キサンタンガム、トレハロース、およびグリコール(例えばプロピレングリコール)を含むが、これらに限定されない。特定の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、リゾチームおよびトレハロースを含む。
ある実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、溶解試薬、溶解試薬の安定化を促進する作用物質、およびさらなる作用物質、例えば、溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質(例えば金属キレート剤)を含む。特定の実施形態において、さらなる作用物質は、EDTAまたはEGTAである。特定の実施形態において、メタロ−ベータ−ラクタマーゼが検出されるまたは検出され得る場合、EDTAもしくはEGTAまたはその両方は、利用されない。特定の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、リゾチーム、トレハロース、およびEDTAを含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、液体組成物、寒天プレート、ペーパーストリップ、ペーパーディスク、タブレット、ウェル中の乾燥形態、または1つもしくは複数のチューブ、例えばチューブのアレイ中の乾燥形態をしている。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、プレート、トレイ、カセット、もしくはパネルのウェル、ペーパーストリップ、ペーパーディスク、またはチューブ(例えば試験管もしくはEppendorfチューブ)などの固体支持体上または固体支持体中で乾燥して、存在する。ある実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、パネル、カセット、トレイ、またはプレート(例えばマイクロタイマープレート)のウェル中で乾燥して、存在する。特定の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、Phoenix(商標) Panel(BD、USA)のウェルまたはBBL(商標) Crystal(商標) Identification System(BD、UDA)からのパネルのウェル中で乾燥して、存在する。他の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、Vitek(登録商標) card(bioMerieux、USA)のウェル中で乾燥して、存在する。他の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、MicroScan panel(Dade Behring、USA)のウェル中で乾燥して、存在する。他の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、API biochemical test(bioMerieux、USA)のチューブ中で乾燥して、存在する。他の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、Remel RapID(商標) System(Remel、USA)のパネルのウェル中で乾燥して、存在する。
他の態様において、特定のベータ−ラクタマーゼの存在を検出するためのキットが、本明細書に提示される。一実施形態において、キットは、1つまたは複数の容器中に、(a)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびAmpC阻害剤を含む第1の組成物と、(b)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第2の組成物とを含む。いくつかの実施形態において、キットは、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤、ならびに金属キレート剤を含む第3の組成物をさらに含む。いくつかの実施形態において、キットは、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第4の組成物をさらに含む。いくつかの実施形態において、キットは、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびESBL阻害剤を含む第5の組成物をさらに含む。
他の実施形態において、キットは、1つまたは複数の容器中に、(a)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびAmpC阻害剤を含む第1の組成物と、(b)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第2の組成物と、(c)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第3の組成物とを含む。他の実施形態において、キットは、1つまたは複数の容器中に、(a)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびAmpC阻害剤を含む第1の組成物と、(b)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第2の組成物と、(c)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびESBL阻害剤を含む第3の組成物とを含む。いくつかの実施形態において、キットは、1つまたは複数の容器中に、(a)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質を含む第1の組成物と(b)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質および金属キレート剤を含む第2の組成物とを含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のキットは、溶解試薬を含む組成物を含む。ある実施形態において、ベータ−ラクタマーゼ基質に加えて、いくつかの実施形態では1つまたは複数のベータ−ラクタマーゼ阻害剤に加えて、本明細書に記載のキット中の組成物は、溶解試薬を含む。特定の実施形態において、溶解試薬は、細菌細胞を溶解するが、ベータ−ラクタマーゼ基質の加水分解または1つもしくは複数のベータ−ラクタマーゼ阻害剤の活性またはその両方に干渉しない。一実施形態において、溶解試薬は、マイルドな非変性界面活性剤(例えばTriton(登録商標) X−100またはCHAPS)などの界面活性剤である。他の実施形態において、溶解試薬は、細菌細胞の溶解を促進する酵素または他の作用物質である。そのような酵素の非限定的な例は、リゾチーム、ラビアーゼ、リソスタフィン、アクロモペプチダーゼ、およびムタノリシンを含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のキットは、溶解試薬および溶解試薬の安定化を促進する作用物質を含む組成物を含有する。ある実施形態において、ベータ−ラクタマーゼ基質に加えて、いくつかの実施形態では1つまたは複数のベータ−ラクタマーゼ阻害剤に加えて、本明細書に記載のキット中の組成物は、溶解試薬および溶解試薬の安定化を促進する作用物質を含む。一実施形態において、溶解試薬の安定化を促進する作用物質は、熱安定性である。
特定の実施形態において、本明細書に記載のキットは、溶解試薬および炭水化物、例えば単糖、二糖、多糖、オリゴ糖、またはポリオールを含む組成物を含有する。炭水化物の特定の例は、マンニトール、リボース、グルコース、フルクトース、マンノース、スクロース、ラクトース、グリセロール、キサンタンガム、トレハロース、およびグリコール(例えばプロピレングリコール)を含むが、これらに限定されない。特定の実施形態において、本明細書に記載のキット中の組成物は、リゾチームおよびトレハロースを含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のキットは、溶解試薬、溶解試薬の安定化を促進する作用物質、およびさらなる作用物質、例えば、溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質(例えば金属キレート剤)を含む組成物を含有する。特定の実施形態において、さらなる作用物質は、EDTAまたはEGTAである。特定の実施形態において、メタロ−ベータ−ラクタマーゼが検出されるまたは検出され得る場合、EDTAもしくはEGTAまたはその両方は利用されない。特定の実施形態において、本明細書に記載のキット中の組成物は、リゾチーム、トレハロース、およびEDTAを含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のキット中の組成物は、液体組成物、寒天プレート、ペーパーストリップ、ペーパーディスク、タブレット、ウェル中の乾燥形態、または1つもしくは複数のチューブ、例えばチューブのアレイ中の乾燥形態をしている。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、プレート、トレイ、カセット、もしくはパネルのウェル、ペーパーストリップ、ペーパーディスク、またはチューブ(例えば試験管もしくはEppendorfチューブ)などの固体支持体上または固体支持体中で乾燥して、存在する。ある実施形態において、本明細書に記載のキット中の組成物は、パネル、トレイ、カセット、またはプレート(例えばマイクロタイタープレート)のウェル中で乾燥して、存在する。特定の実施形態において、本明細書に記載のキット中の組成物は、Phoenix(商標) Panel(BD、USA)のウェルまたはBBL(商標) Crystal(商標) Identification System(BD、UDA)からのパネルのウェル中で乾燥して、存在する。他の実施形態において、本明細書に記載のキット中の組成物は、Vitek(登録商標) card(bioMerieux、USA)のウェル中で乾燥して、存在する。他の実施形態において、本明細書に記載のキット中の組成物は、MicroScan panel(Dade Behring、USA)のウェル中で乾燥して、存在する。他の実施形態において、本明細書に記載のキット中の組成物は、API biochemical test(bioMerieux、USA)のチューブ中で乾燥して、存在する。他の実施形態において、本明細書に記載のキット中の組成物は、Remel RapID(商標) System(Remel、USA)のパネルのウェル中で乾燥される。
3.1 定義
本明細書において使用されるように、用語「約」および「およそ」は、他に示されない限り、用語によって修飾されている値のせいぜい20%まで、上回るまたは下回る値を指す。
本明細書において使用されるように、用語「溶解試薬の安定化を促進する作用物質」および「溶解試薬の安定化を促進する作用物質」は、約50℃よりも高い温度への曝露の後の、細菌細胞を溶解するための溶解試薬の能力の損失を予防する作用物質を指す。特定の実施形態において、作用物質は、約50℃から約120℃、約50℃から約100℃、約50℃から約85℃、約50℃から約80℃、または約60℃から約75℃の温度への曝露の後の、細菌細胞を溶解するための溶解試薬の能力の損失を予防する。他の特定の実施形態において、作用物質は、少なくとも5分間、少なくとも10分間、少なくとも15分間、少なくとも20分間、少なくとも30分間、少なくとも45分間、少なくとも1時間、少なくとも1.5時間、または少なくとも2時間の間、約50℃から約120℃、約50℃から約100℃、約50℃から約85℃、約50℃から約80℃、または約60℃から約75℃の温度への曝露の後の、細菌細胞を溶解するための溶解試薬の能力の損失を予防する。他の特定の実施形態において、作用物質は、約2分から約3時間、約2分から約2時間、約2分から約1時間、約2分から約30分間、約2分から約15分間、約15分から約2時間、約15分から約1.5時間、約15分から約1時間、約15分から約45分間、または約15分から約30分間の間、約50℃から約120℃、約50℃から約100℃、約50℃から約85℃、約50℃から約80℃、または約60℃から約75℃の温度への曝露の後の、細菌細胞を溶解するための溶解試薬の能力の損失を予防する。
本明細書において使用されるように、用語「純粋な細菌試料」は、細菌を含有する生物学的試料を寒天含有培地に画線することから生じる同じ供給源からの1つまたは複数の細菌コロニーから収集される試料を意味する。試料が1つを超えるコロニー由来である場合、一般に、すべてのコロニーは、同じ種由来である。
本明細書において使用されるように、細菌試料との関連における用語「同じ供給源」は、同じ実体(例えばヒト対象)からの(1つまたは複数の)生物学的試料から単離される、得られる、またはそれに由来する2つ以上の細菌試料を意味する。例えば、2つ以上の細菌試料は、1つの対象からの1、2つ、またはそれ以上の組織、器官、または分泌物から得ることができる。
本明細書において使用されるように、用語「対象」および「患者」は、動物対象を指すために区別なく使用される。特定の実施形態において、対象は哺乳動物である。他の実施形態において、対象は非ヒトである。好ましい実施形態において、対象はヒトである。
ベータ−ラクタマーゼに関して、本明細書において使用されるように、用語「基質利用」は、ベータ−ラクタマーゼによる基質の加水分解を意味する。
4.1 ベータ−ラクタマーゼアッセイ
検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質および1つまたは複数のベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む組成物を使用する、特定のベータ−ラクタマーゼの迅速な検出のための方法が本明細書に提示される。本明細書に提示される方法は、(a)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質(例えばニトロセフィン)および1つまたは複数のベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む異なる組成物と、同じ供給源からの2つ以上の細菌試料を接触させるステップと、(b)組成物における基質の利用を検出するステップとを含むことができ、組成物における基質の利用は、1つまたは複数の阻害剤の存在により、細菌試料において存在する(1つまたは複数の)ベータ−ラクタマーゼが阻害されるかどうかを示す。異なる組成物の結果によって、細菌供給源におけるある種のベータ−ラクタマーゼの存在を決定することができ、かつ/または他のベータ−ラクタマーゼの存在を除外することができる。
本明細書に提示される方法は、例えば、(a)(i)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質および1つまたは複数のベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第1の組成物と第1の細菌試料を接触させ、かつ(ii)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質および1つまたは複数のベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第2の組成物と第2の細菌試料を接触させるステップであって、少なくとも1つのそのようなベータ−ラクタマーゼ阻害剤は、第1の組成物における1つまたは複数のベータ−ラクタマーゼ阻害剤と異なり、第1の細菌試料および第2の細菌試料は、同じ供給源由来である、ステップと、(b)第1の組成物および第2の組成物における基質の利用を検出するステップとを含んでいてもよく、第1の組成物および/または第2の組成物における基質利用は、細菌供給源における1つまたは複数の特定のベータ−ラクタマーゼの存在、および場合によって1つまたは複数の特定のベータ−ラクタマーゼの欠如を示す。特定の実施形態において、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質を含み、ベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含まない対照組成物もまた、他の組成物と同じ供給源からの細菌試料と接触させる。この対照組成物における基質利用の検出により、ベータ−ラクタマーゼが細菌供給源において存在することを確証する。いくつかの実施形態において、1つもしくは複数のベータ−ラクタマーゼを発現することが知られている細菌試料を含む陽性対照および/または1つもしくは複数の特定のベータ−ラクタマーゼを発現しないことが知られている細菌試料を含む陰性対照が、本明細書に提示される方法において含まれる。
ある実施形態において、先の段落において記載された第1の組成物、第2の組成物、および対照組成物は、溶解試薬を含む。特定の実施形態において、先の段落において記載された第1の組成物、第2の組成物、および対照組成物は、溶解試薬および溶解試薬の安定化を促進する作用物質を含む。他の実施形態において、先の段落において記載された第1の組成物、第2の組成物、および対照組成物は、溶解試薬、溶解試薬の安定化を促進する作用物質、および溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質を含む。
下記の表1は、細菌試料における特定のベータ−ラクタマーゼの存在を検出するために使用することができ、異なる組成物における基質利用の検出に基づいて検出することができるベータ−ラクタマーゼを同定する組成物の例示的な表を提供する。同じ供給源からの細菌試料を異なる組成物と接触させた場合に、基質利用を比較することによって、特定のベータ−ラクタマーゼの存在を、検出することができ、場合によって、特定のベータ−ラクタマーゼの存在を、除外することができる。
いくつかの実施形態において、1、2、3、4、5、またはすべての、下記の表1における組成物は、細菌供給源における特定のベータ−ラクタマーゼの存在を検出するために使用される。例えば、ある実施形態において、同じ供給源からの第1の細菌試料、第2の細菌試料、および第3の細菌試料は、下記の表1における組成物#1、組成物#4、および組成物#5とそれぞれ接触させ、組成物における基質の利用が検出される。基質利用は、組成物#1および組成物#4において検出されるが、組成物#5における基質利用は、検出されない場合、メタロ−ベータ−ラクタマーゼが、細菌供給源において存在する。基質利用が、3つの組成物すべてにおいて検出される場合、クラスAセリンカルバペネマーゼが、細菌供給源において存在し、検出される。基質利用は、組成物#1において検出されるが、基質利用は、組成物#4および#5において検出されない場合、クラスAセリンカルバペネマーゼおよびメタロ−ベータ−ラクタマーゼ以外のベータ−ラクタマーゼが、細菌供給源において存在する。
Figure 0005628677
Figure 0005628677
一実施形態において、セリンカルバペネマーゼまたはメタロ−ベータ−ラクタマーゼの存在を検出するための方法は、(a)(i)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびAmpC阻害剤を含む第1の組成物と第1の細菌試料を接触させ、かつ(ii)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ならびに基質特異性拡張型ベータ−ラクタマーゼ(ESBL)および元の基質特異性のベータ−ラクタマーゼ(OSBL)を阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第2の組成物と第2の細菌試料を接触させるステップであって、第1の細菌試料および第2の細菌試料は、同じ供給源由来であるステップと、(b)第1の組成物および第2の組成物における基質の利用を検出するステップとを含み、基質が第1の組成物および第2の組成物において利用された場合、クラスAセリンカルバペネマーゼまたはメタロ−ベータ−ラクタマーゼは検出される。セリンカルバペネマーゼおよびメタロ−ベータ−ラクタマーゼの存在を区別するために、第1の細菌試料および第2の細菌試料と同じ供給源からの第3の細菌試料は、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤、ならびに金属キレート剤を含む第3の組成物と接触させることができ、第3の組成物における基質の利用が検出される。第3の組成物ならびに第1の組成物および第2の組成物における基質利用が検出される場合、クラスAセリンカルバペネマーゼの存在が、細菌供給源において検出される。その一方で、第3の組成物において検出される基質利用はないが、第1の組成物および第2の組成物において検出される基質利用がある場合、メタロ−ベータ−ラクタマーゼの存在が、細菌供給源において検出される。さらに、基質利用が、第3の組成物において検出されないが、第1の組成物および第2の組成物における基質利用が検出される場合、クラスAセリンカルバペネマーゼの存在は、除外することができる。下記の表2は、クラスAセリンカルバペネマーゼまたはメタロ−ベータ−ラクタマーゼを含有する細菌試料を、本段落において記載される組成物と接触させた場合の結果を要約する。
Figure 0005628677
特定の実施形態において、ベータ−ラクタマーゼの存在を検出するための方法は、(a)(i)発色ベータ−ラクタマーゼ基質およびAmpC阻害剤を含む第1の組成物と第1の細菌試料を接触させ、かつ(ii)発色ベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第2の組成物と第2の細菌試料を接触させるステップであって、第1の細菌試料および第2の細菌試料は、同じ供給源由来である、ステップと、(b)第1の組成物および第2の組成物の色を検出するステップを含み、第1の組成物および第2の組成物の色が基質利用を示すように変化した場合、ベータ−ラクタマーゼが検出され、ベータ−ラクタマーゼは、クラスAセリンカルバペネマーゼまたはメタロ−ベータ−ラクタマーゼである。一実施形態において、AmpC阻害剤は、クロキサシリンである。他の実施形態において、セリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤は、クラブラン酸である。先の実施形態において記載された第1の組成物および第2の組成物は、当業者が十分に理解するように、独立してまたは様々な組合せにおいてともに使用することができる。他の実施形態において、発色ベータ−ラクタマーゼ基質は、ニトロセフィンである。特定の実施形態において、第1の組成物は、20μMから200μMのニトロセフィン、20μMから5mMのクロキサシリン、および0.05Mから1Mリン酸緩衝液またはMES緩衝液を含む。他の実施形態において、第2の組成物は、20μMから200μMのニトロセフィン、20μMから5mMのクロキサシリン、1μMから1.5mMのクラブラン酸、および0.05Mから1Mのリン酸緩衝液またはMES緩衝液を含む。他の実施形態において、各組成物は、pH5からpH7である。特定の実施形態において、組成物において使用される阻害剤の濃度は、組成物におけるベータ−ラクタマーゼ基質の濃度に依存する。
他の特定の実施形態において、ベータ−ラクタマーゼの存在を検出するための方法は、(a)(i)発色ベータ−ラクタマーゼ基質およびAmpC阻害剤を含む第1の組成物と第1の細菌試料を接触させ、(ii)発色ベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第2の組成物と第2の細菌試料を接触させ、かつ(iii)発色ベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤、ならびに金属キレート剤を含む第3の組成物と第3の細菌試料を接触させるステップであって、第1の細菌試料、第2の細菌試料、および第3の細菌試料は、同じ供給源由来である、ステップと、(b)第1の組成物、第2の組成物、および第3の組成物の色を検出するステップを含み、(i)第1の組成物、第2の組成物、および第3の組成物の色が基質利用を示すように変化した場合、クラスAセリンカルバペネマーゼであるベータ−ラクタマーゼが検出され、(ii)第1の組成物および第2の組成物の色は基質利用を示すように変化したが、第3の組成物の色は基質利用を示すように変化しなかった場合、メタロ−ベータ−ラクタマーゼであるベータ−ラクタマーゼが検出される。一実施形態において、AmpC阻害剤は、クロキサシリンである。他の実施形態において、セリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤は、クラブラン酸である。他の実施形態において、金属キレート剤は、ジピコリン酸またはジエチルジチオカルバメートである。他の実施形態において、発色ベータ−ラクタマーゼ基質は、ニトロセフィンである。特定の実施形態において、第1の組成物は、20μMから200μMのニトロセフィン、20μMから5mMのクロキサシリン、および0.05Mから1Mリン酸緩衝液またはMES緩衝液を含む。他の実施形態において、第2の組成物は、20μMから200μMのニトロセフィン、20μMから5mMのクロキサシリン、0.1μMから1.5mMのクラブラン酸、および0.05Mから1Mリン酸緩衝液またはMES緩衝液を含む。他の実施形態において、第3の組成物は、20μMから200μMのニトロセフィン、20μMから5mMのクロキサシリン、0.1μMから1.5mMのクラブラン酸、0.5mMから1.5mMのジピコリン酸(DPC)または1mMから20mMのジエチルジチオカルバメート(DEDTC)、および0.05Mから1Mリン酸緩衝液またはMES緩衝液を含む。先の実施形態において記載された第1の組成物、第2の組成物、および第3の組成物は、当業者が十分に理解するように、独立してまたは様々な組合せにおいてともに使用することができる。他の実施形態において、各組成物は、pH5からpH7である。特定の実施形態において、組成物において使用される阻害剤の濃度は、組成物におけるベータ−ラクタマーゼ基質の濃度に依存する。
他の実施形態において、ベータ−ラクタマーゼを検出するための方法であって、(a)(i)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質を含む第1の組成物と第1の細菌試料を接触させ、かつ(ii)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質および金属キレート剤を含む第2の組成物と第2の細菌試料を接触させるステップであって、第1の細菌試料および第2の細菌試料は、同じ供給源由来である、ステップと、(b)第1の組成物および第2の組成物における基質の利用を検出するステップとを含み、(i)第1の組成物および第2の組成物における基質が利用された場合、メタロ−ベータ−ラクタマーゼ以外のベータ−ラクタマーゼが検出され、(ii)第1の組成物における基質は利用されたが、第2の組成物における基質は利用されなかった場合、メタロ−ベータ−ラクタマーゼであるベータ−ラクタマーゼが検出される方法が本明細書に提示される。さらに、第1の組成物および第2の組成物による基質利用が検出されなければ、細菌供給源において存在するベータ−ラクタマーゼがないことを示す。下記の表3は、メタロ−ベータ−ラクタマーゼまたは金属ベータ−ラクタマーゼ以外のベータ−ラクタマーゼを含有する細菌試料を、本段落において記載される組成物と接触させた場合の結果を要約する。
Figure 0005628677
他の特定の実施形態において、ベータ−ラクタマーゼの存在を検出するための方法であって、(a)(i)発色ベータ−ラクタマーゼ基質を含む第1の組成物と第1の細菌試料を接触させ、かつ(ii)発色ベータ−ラクタマーゼ基質および金属キレート剤を含む第2の組成物と第2の細菌試料を接触させるステップであって、第1の試料および第2の試料は、同じ供給源由来である、ステップと、(b)第1の組成物および第2の組成物の色を検出するステップとを含み、(i)第1の組成物および第2の組成物の色が基質利用を示すように変化した場合、メタロ−ベータ−ラクタマーゼ以外のベータ−ラクタマーゼが検出され、(ii)第1の組成物の色は基質利用を示すように変化したが、第2の組成物の色は基質利用を示すように変化しなかった場合、メタロ−ベータ−ラクタマーゼであるベータ−ラクタマーゼが検出される。一実施形態において、発色ベータ−ラクタマーゼ基質は、ニトロセフィンである。他の実施形態において、金属キレート剤は、ジピコリン酸(DPC)またはジエチルジチオカルバメート(DEDTC)である。特定の実施形態において、第1の組成物は、20μMから200μMのニトロセフィンおよび0.05Mから1Mのリン酸緩衝液またはMES緩衝液を含む。他の実施形態において、第2の組成物は、20μMから200μMのニトロセフィンおよび0.5mMから10mMのジピコリン酸(DPC)または1mMから20mMのジエチルジチオカルバメート(DEDTC)および0.05Mから1Mのリン酸緩衝液またはMES緩衝液を含む。先の実施形態において記載された第1の組成物および第2の組成物は、当業者が十分に理解するように、独立してまたは様々な組合せにおいてともに使用することができる。他の実施形態において、各組成物は、pH5からpH7である。特定の実施形態において、組成物において使用される阻害剤の濃度は、組成物におけるベータ−ラクタマーゼ基質の濃度に依存する。
他の実施形態において、ベータ−ラクタマーゼを検出するための方法は、(a)(i)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびAmpC阻害剤を含む第1の組成物と第1の細菌試料を接触させ、(ii)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第2の組成物と第2の細菌試料を接触させ、(iii)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤、ならびに金属キレート剤を含む第3の組成物と第3の細菌試料を接触させ、かつ(iv)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第4の組成物と第4の細菌試料を接触させるステップであって、第1の細菌試料、第2の細菌試料、第3の細菌試料、および第4の細菌試料は、同じ供給源由来である、ステップと、(b)第1の組成物、第2の組成物、第3の組成物、および第4の組成物における基質の利用を検出するステップとを含み、(i)第1の組成物、第2の組成物、第3の組成物、および第4の組成物における基質が利用された場合、クラスAセリンカルバペネマーゼであるベータ−ラクタマーゼが検出され、(ii)第1の組成物、第2の組成物、および第4の組成物における基質は利用されたが、第3の組成物における基質は利用されなかった場合、メタロ−ベータ−ラクタマーゼであるベータ−ラクタマーゼが検出され、(iii)第4の組成物における基質は利用されたが、第1の組成物、第2の組成物、および第3の組成物における基質は利用されなかった場合、AmpCベータ−ラクタマーゼであるベータ−ラクタマーゼが検出される。さらに、第1の組成物、第2の組成物、および第4の組成物における基質利用は検出されるが、第3の組成物における基質利用が検出されなければ、クラスAセリンカルバペネマーゼが、細菌供給源中に存在しないことを示す。さらに、第4の組成物における基質利用は検出されるが、第1の組成物、第2の組成物、および第3の組成物における基質利用が検出されなければ、クラスAセリンカルバペネマーゼ、メタロ−ベータ−ラクタマーゼ、およびESBLが、細菌供給源中に存在しないことを示す。下記の表4は、クラスAセリンカルバペネマーゼ、メタロ−ベータ−ラクタマーゼ、またはAmpCベータ−ラクタマーゼを含有する細菌試料を、本段落において記載される組成物と接触させた場合の結果を要約する。
Figure 0005628677
特定の実施形態において、ベータ−ラクタマーゼを検出するための方法は、(a)(i)発色ベータ−ラクタマーゼ基質およびAmpC阻害剤を含む第1の組成物と第1の細菌試料を接触させ、(ii)発色ベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第2の組成物と第2の細菌試料を接触させ、(iii)発色ベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤、ならびに金属キレート剤を含む第3の組成物と第3の細菌試料を接触させ、かつ(iv)発色ベータ−ラクタマーゼ基質ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第4の組成物と第4の細菌試料を接触させるステップであって、第1の細菌試料、第2の細菌試料、第3の細菌試料、および第4の細菌試料は、同じ供給源由来である、ステップと、(b)第1の組成物、第2の組成物、第3の組成物、および第4の組成物の色を検出するステップとを含み、(i)第1の組成物、第2の組成物、第3の組成物、および第4の組成物の色が基質利用を示すように変化した場合、クラスAセリンカルバペネマーゼであるベータ−ラクタマーゼが検出され、(ii)第1の組成物、第2の組成物、および第4の組成物の色は基質利用を示すように変化したが、第3の組成物の色は基質利用を示すように変化しなかった場合、メタロ−ベータ−ラクタマーゼであるベータ−ラクタマーゼが検出され、(iii)第4の組成物の色は基質利用を示すように変化したが、第1の組成物、第2の組成物、および第3の組成物の色は基質利用を示すように変化しなかった場合、AmpCベータ−ラクタマーゼであるベータ−ラクタマーゼが検出される。一実施形態において、AmpC阻害剤は、クロキサシリンである。他の実施形態において、セリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤は、クラブラン酸である。他の実施形態において、金属キレート剤は、DPCまたはDEDTCである。他の実施形態において、色素形成基質は、ニトロセフィンである。特定の実施形態において、第1の組成物は、20μMから200μMのニトロセフィン、20μMから5mMのクロキサシリン、および0.05Mから1Mのリン酸緩衝液またはMES緩衝液を含む。他の実施形態において、第2の組成物は、20μMから200μMのニトロセフィン、20μMから5mMのクロキサシリン、1μMから1.5mMのクラブラン酸、および0.05Mから1Mのリン酸緩衝液またはMES緩衝液を含む。他の実施形態において、第3の組成物は、20μMから200μMのニトロセフィン、20μMから5mMのクロキサシリン、1μMから1.5mMのクラブラン酸、0.5mMから10mMのDPCまたは1mMから20mM DEDTC、および緩衝液中の0.05Mから1Mのリン酸またはMESを含む。他の実施形態において、第4の組成物は、20μMから200μMのニトロセフィン、1μMから1.5mMのクラブラン酸、および0.05Mから1Mのリン酸緩衝液またはMES緩衝液を含む。先の実施形態において記載された第1の組成物、第2の組成物、第3の組成物、および第4の組成物は、当業者が十分に理解するように、独立してまたは様々な組合せにおいてともに使用することができる。他の実施形態において、各組成物は、pH5からpH7である。特定の実施形態において、組成物において使用される阻害剤の濃度は、組成物におけるベータ−ラクタマーゼ基質の濃度に依存する。
他の実施形態において、ベータ−ラクタマーゼの存在を検出するための方法は、(a)(i)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびAmpC阻害剤を含む第1の組成物と第1の細菌試料を接触させ、(ii)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第2の組成物と第2の細菌試料を接触させ、(iii)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤、ならびに金属キレート剤を含む第3の組成物と第3の細菌試料を接触させ、(iv)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第4の組成物と第4の細菌試料を接触させ、かつ(v)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびESBL阻害剤を含む第5の組成物と第5の細菌試料を接触させるステップであって、第1の細菌試料、第2の細菌試料、第3の細菌試料、第4の細菌試料、および第5の細菌試料は、同じ供給源由来である、ステップと、(b)第1の組成物、第2の組成物、第3の組成物、第4の組成物、および第5の組成物における基質の利用を検出するステップとを含み、(i)第1の組成物における基質は利用されたが、第2の組成物、第3の組成物、第4の組成物、および第5の組成物における基質は利用されなかった場合、ESBLであるベータ−ラクタマーゼが検出され、(ii)第4の組成物における基質は利用されたが、第1の組成物、第2の組成物、および第3の組成物における基質は利用されなかった場合、AmpCベータ−ラクタマーゼであるベータ−ラクタマーゼが検出され、(iii)第1の組成物、第2の組成物、および第4の組成物における基質は利用されたが、第3の組成物における基質は利用されなかった場合、メタロ−ベータ−ラクタマーゼであるベータ−ラクタマーゼが検出され、(iv)第1の組成物、第2の組成物、第3の組成物、および第4の組成物における基質が、利用された場合、クラスAセリンカルバペネマーゼであるベータ−ラクタマーゼが検出される。さらに、第1の組成物における基質利用は検出されるが、第2の組成物、第3の組成物、第4の組成物、および第5の組成物の基質利用が検出されなければ、クラスAセリンカルバペネマーゼ、メタロ−ベータ−ラクタマーゼ、およびAmpCベータ−ラクタマーゼが試料中に存在しないことを示す。さらに、第1の組成物、第2の組成物、および第4の組成物における基質利用は検出されるが、第3の組成物における基質利用が検出されなければ、クラスAセリンカルバペネマーゼが、細菌供給源中に存在しないことを示す。さらに、第4の組成物における基質利用は検出されるが、第1の組成物、第2の組成物、および第3の組成物における基質利用が検出されなければ、クラスAセリンカルバペネマーゼ、メタロ−ベータ−ラクタマーゼ、およびESBLが、細菌供給源中に存在しないことを示す。下記の表5は、セリンカルバペネマーゼ、メタロ−ベータ−ラクタマーゼ、AmpC、またはESBLを含有する細菌試料を、本段落において記載される組成物と接触させた場合の結果を要約する。
他の実施形態において、ベータ−ラクタマーゼの存在を検出するための方法は、(a)(i)発色ベータ−ラクタマーゼ基質およびAmpC阻害剤を含む第1の組成物と第1の細菌試料を接触させ、(ii)発色ベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第2の組成物と第2の細菌試料を接触させ、(iii)発色ベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤、ならびに金属キレート剤を含む第3の組成物と第3の細菌試料を接触させ、(iv)発色ベータ−ラクタマーゼ基質ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第4の組成物と第4の細菌試料を接触させ、かつ(v)発色ベータ−ラクタマーゼ基質およびESBL阻害剤を含む第5の組成物と第5の細菌試料を接触させるステップであって、第1の細菌試料、第2の細菌試料、第3の細菌試料、第4の細菌試料、および第5の細菌試料は、同じ供給源由来である、ステップと、(b)第1の組成物、第2の組成物、第3の組成物、第4の組成物、および第5の組成物の色を検出するステップとを含み、(i)第1の組成物の色は基質利用を示すように変化したが、第2の組成物、第3の組成物、第4の組成物、および第5の組成物の色は基質利用を示すように変化しなかった場合、ESBLであるベータ−ラクタマーゼが検出され、(ii)第4の組成物の色は基質利用を示すように変化したが、第1の組成物、第2の組成物、および第3の組成物の色は基質利用を示すように変化しなかった場合、AmpCベータ−ラクタマーゼであるベータ−ラクタマーゼが検出され、(iii)第1の組成物、第2の組成物、および第4の組成物の色は基質利用を示すように変化したが、第3の組成物の色は基質利用を示すように変化しなかった場合、メタロ−ベータ−ラクタマーゼであるベータ−ラクタマーゼが検出され、(iv)第1の組成物、第2の組成物、第3の組成物、および第4の組成物の色が基質利用を示すように変化した場合、クラスAセリンカルバペネマーゼであるベータ−ラクタマーゼが検出される。一実施形態において、AmpC阻害剤は、クロキサシリンである。他の実施形態において、セリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤は、クラブラン酸である。他の実施形態において、金属キレート剤は、DEDTCまたはDPCである。他の実施形態において、ESBL阻害剤は、セフォタキシムまたはセフタジジムである。他の実施形態において、色素基質は、ニトロセフィンである。特定の実施形態において、第1の組成物は、20μMから200μMのニトロセフィン、20μMから5mMのクロキサシリン、および0.05Mから1Mのリン酸緩衝液またはMES緩衝液を含む。他の実施形態において、第2の組成物は、20μMから200μMのニトロセフィン、20μMから5mMのクロキサシリン、0.5mMから1.5mMのクラブラン酸、および0.05Mから1Mのリン酸緩衝液またはMES緩衝液を含む。他の実施形態において、第3の組成物は、20μMから200μMのニトロセフィン、20μMから5mMのクロキサシリン、0.1μMから1.5mMのクラブラン酸、0.5mMから10mMのDPCまたは1mMから20mMのDEDTC、および0.05Mから1Mのリン酸緩衝液またはMES緩衝液を含む。他の実施形態において、第4の組成物は、20μMから200μMのニトロセフィン、0.1μMから1.5mMのクラブラン酸、および0.05Mから1Mのリン酸緩衝液またはMES緩衝液を含む。他の実施形態において、第5の組成物は、20μMから200μMのニトロセフィン、1mMから10mMのセフォタキシムまたはセフタジジム、および0.05Mから1Mのリン酸緩衝液またはMES緩衝液を含む。先の実施形態において記載された第1の組成物、第2の組成物、第3の組成物、第4の組成物、および第5の組成物は、当業者が十分に理解するように、独立してまたは様々な組合せにおいてともに使用することができる。他の実施形態において、各組成物は、pH5からpH7である。特定の実施形態において、組成物において使用される阻害剤の濃度は、組成物におけるベータ−ラクタマーゼ基質の濃度に依存する。
Figure 0005628677
他の実施形態において、(1つまたは複数の)ベータ−ラクタマーゼの存在を検出するための方法は、(a)(i)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびAmpC阻害剤を含む第1の組成物と第1の細菌試料を接触させ、(ii)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質ならびにクラスAセリンカルバペネマーゼではなくESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量のセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第2の組成物と第2の細菌試料を接触させ、かつ(iii)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ならびにクラスAセリンカルバペネマーゼではなくESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量のセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第3の組成物と第3の細菌試料を接触させるステップであって、第1の細菌試料、第2の細菌試料、および第3の細菌試料は、同じ供給源由来である、ステップと、(b)第1の組成物、第2の組成物、および第3の組成物における基質の利用を検出するステップとを含み、(i)第1の組成物および第2の組成物における基質は利用されたが、第3の組成物における基質は利用されなかった場合、AmpCおよびESBLであるベータ−ラクタマーゼ、またはAmpCおよびOSBLであるベータ−ラクタマーゼが検出され、(ii)第2の組成物における基質は利用されたが、第1の組成物および第3の組成物における基質は利用されなかった場合、AmpCであるベータ−ラクタマーゼが検出され、(iii)第1の組成物における基質は利用されたが、第2の組成物および第3の組成物における基質は利用されなかった場合、ESBLおよび/またはOSBLであるベータ−ラクタマーゼが検出される。さらに、第2の組成物における基質利用は検出されるが、第1の組成物および第3の組成物における基質利用が検出されなければ、ESBLおよび/またはOSBLが、細菌供給源中に存在しないことを示す。下記の表6は、AmpC、ESBL、および/またはOSBLを含有する細菌試料を、本段落において記載される組成物と接触させた場合の結果を要約する。
Figure 0005628677
他の実施形態において、ベータ−ラクタマーゼの存在を検出するための方法は、(a)(i)発色ベータ−ラクタマーゼ基質およびAmpC阻害剤を含む第1の組成物と第1の細菌試料を接触させ、(ii)発色ベータ−ラクタマーゼ基質ならびにクラスAセリンカルバペネマーゼではなくESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量のセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第2の組成物と第2の細菌試料を接触させ、かつ(iii)発色ベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ならびにクラスAセリンカルバペネマーゼではなくESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量のセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第3の組成物と第3の細菌試料を接触させるステップであって、第1の細菌試料、第2の細菌試料、および第3の細菌試料は、同じ供給源由来である、ステップと、(b)第1の組成物、第2の組成物、および第3の組成物の色を検出するステップとを含み、(i)第1の組成物および第2の組成物の色は基質利用を示すように変化したが、第3の組成物の色は基質利用を示すように変化しなかった場合、AmpCおよびESBL、またはAmpCおよびOSBLであるベータ−ラクタマーゼが検出され、(ii)第2の組成物の色は基質利用を示すように変化したが、第1の組成物および第3の組成物の色は基質利用を示すように変化しなかった場合、AmpCであるベータ−ラクタマーゼが検出され、(iii)第1の組成物の色は基質利用を示すように変化したが、第2の組成物および第3の組成物の色は基質利用を示すように変化しなかった場合、ESBLおよび/またはOSBLであるベータ−ラクタマーゼが検出される。一実施形態において、AmpC阻害剤は、クロキサシリンである。他の実施形態において、セリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤は、クラブラン酸である。他の実施形態において、色素基質は、ニトロセフィンである。特定の実施形態において、第1の組成物は、20μMから200μMのニトロセフィン、20μMから5mMのクロキサシリン、および0.05Mから1Mのリン酸緩衝液またはMES緩衝液を含む。他の実施形態において、第2の組成物は、20μMから200μMのニトロセフィン、1μMから1.5mMのクラブラン酸、および0.05Mから1Mのリン酸緩衝液またはMES緩衝液を含む。他の実施形態において、第3の組成物は、20μMから200μMのニトロセフィン、20μMから5mMのクロキサシリン、1μMから1.5mMのクラブラン酸、および0.05Mから1Mのリン酸緩衝液またはMES緩衝液を含む。他の実施形態において、各組成物は、pH5からpH7である。他の実施形態において、第4の組成物は、20μMから200μMのニトロセフィン、1μMから1.5mMのクラブラン酸、および0.05Mから1Mのリン酸緩衝液またはMES緩衝液を含む。先の実施形態において記載された第1の組成物、第2の組成物、および第3の組成物は、当業者が十分に理解するように、独立してまたはともに使用することができる。他の実施形態において、各組成物は、pH5からpH7である。特定の実施形態において、組成物において使用される阻害剤の濃度は、組成物におけるベータ−ラクタマーゼ基質の濃度に依存する。
ある実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、溶解試薬を含む。溶解試薬(例えば溶解緩衝液中の溶解試薬)は、当業者に知られている。特定の実施形態において、溶解試薬は、細菌細胞を溶解するが、ベータ−ラクタマーゼ基質の加水分解または1つもしくは複数のベータ−ラクタマーゼ阻害剤の活性またはその両方に干渉しない。一実施形態において、溶解試薬は、マイルドな非変性界面活性剤(例えばTriton(登録商標) X−100またはCHAPS)などの界面活性剤である。他の実施形態において、溶解試薬は、細菌細胞の溶解を促進する酵素または他の作用物質である。そのような酵素の非限定的な例は、リゾチーム、ラビアーゼ、リソスタフィン、アクロモペプチダーゼ、およびムタノリシンを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、約0.1mg/mlから約10mg/ml、約0.5mg/mlから約10mg/ml、約1mg/mlから約10mg/ml、約2mg/mlから約10mg/ml、約3mg/mlから約10mg/ml、約4mg/mlから約10mg/ml、または約5mg/mlから約10mg/mlの、細菌細胞の溶解を促進する酵素または他の作用物質を含む。他の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、約0.1mg/mlから約8mg/ml、約1mg/mlから約6mg/ml、約1mg/mlから約5mg/ml、約1mg/mlから約5mg/ml、約2mg/mlから4mg/ml、または約3mg/mlの、細菌細胞の溶解を促進する酵素または他の作用物質を含む。
特定の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、リゾチームを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、約0.1mg/mlから約10mg/ml、約0.5mg/mlから約10mg/ml、約1mg/mlから約10mg/ml、約2mg/mlから約10mg/ml、約3mg/mlから約10mg/ml、約4mg/mlから約10mg/ml、または約5mg/mlから約10mg/mlのリゾチームを含む。他の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、約0.1mg/mlから約8mg/ml、約1mg/mlから約6mg/ml、約1mg/mlから約5mg/ml、約1mg/mlから約5mg/ml、約2mg/mlから4mg/ml、または約3mg/mlのリゾチームを含む。
ある実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、溶解試薬(例えばリゾチーム、ラビアーゼ、リソスタフィン、アクロモペプチダーゼ、またはムタノリシン)および溶解試薬の安定化を促進する作用物質を含む。特定の実施形態において、溶解試薬の安定化を促進する作用物質は、ベータ−ラクタマーゼ基質の加水分解または1つもしくは複数のベータ−ラクタマーゼ阻害剤の活性またはその両方に干渉しない。一実施形態において、溶解試薬の安定化を促進する作用物質は、熱安定性である。特定の実施形態において、溶解試薬の安定化を促進する作用物質は、約60℃またはそれ以上、約50℃から約100℃、約60℃から約90℃、約60℃から約85℃、約60℃から約75℃、または約60℃から約70℃の温度で安定性である。特定の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、約0.1%から約10%、約1%から約10%、約2%から約10%、約4%から約10%、約1%から約8%、約2%から約8%、約2%から約6%、または約2%から約4%の、溶解試薬の安定化を促進する作用物質を含む。
特定の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、溶解試薬および炭水化物、例えば単糖、二糖、多糖、オリゴ糖、またはポリオールを含む。炭水化物の特定の例は、マンニトール、リボース、グルコース、フルクトース、マンノース、スクロース、ラクトース、グリセロール、キサンタンガム、トレハロース、およびグリコール(例えばプロピレングリコール)を含むが、これらに限定されない。特定の実施形態において、炭水化物は、トレハロースである。
特定の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、リゾチームおよびトレハロースを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、約0.1mg/mlから約10mg/ml、約0.5mg/mlから約10mg/ml、約1mg/mlから約10mg/ml、約2mg/mlから約10mg/ml、約3mg/mlから約10mg/ml、約4mg/mlから約10mg/ml、または約5mg/mlから約10mg/mlのリゾチーム、および約0.1%から約10%、約1%から約10%、約2%から約10%、約4%から約10%、約1%から約8%、約2%から約8%、約2%から約6%、または約2%から約4%のトレハロースを含む。他の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、約0.1mg/mlから約8mg/ml、約1mg/mlから約6mg/ml、約1mg/mlから約5mg/ml、約1mg/mlから約5mg/ml、約2mg/mlから4mg/ml、または約3mg/mlのリゾチーム、および約0.1%から約10%、約1%から約10%、約2%から約10%、約4%から約10%、約1%から約8%、約2%から約8%、約2%から約6%、または約2%から約4%のトレハロースを含む。
ある実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、溶解試薬(例えばリゾチーム、ラビアーゼ、リソスタフィン、アクロモペプチダーゼ、またはムタノリシン)およびさらなる作用物質、例えば、溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質(例えば金属キレート剤)を含む。ある実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、溶解試薬(例えばリゾチーム、ラビアーゼ、リソスタフィン、アクロモペプチダーゼ、またはムタノリシン)、溶解試薬の安定化を促進する作用物質、およびさらなる作用物質、例えば、溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質(例えば金属キレート剤)を含む。特定の実施形態において、溶解試薬の安定化を促進する作用物質は、ベータ−ラクタマーゼ基質の加水分解または1つもしくは複数のベータ−ラクタマーゼ阻害剤の活性またはその両方に干渉しない。特定の実施形態において、溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質は、溶解試薬が作用物質の非存在下において細菌細胞を溶解する速度に比べて、約10%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、または約75%、溶解試薬が細菌細胞を溶解する速度を増加させる。他の実施形態において、溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質は、溶解試薬が作用物質の非存在下において細菌細胞を溶解する速度に比べて、約10%から約50%、約10%から約75%、約25%から約75%、約25%から約50%、約25%から約40%、約25%から約30%、または約50%もしくは約75%、溶解試薬が細菌細胞を溶解する速度を増加させる。ある実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、約0.1mMから約5mM、約1mMから約4mM、約1mMから約3mM、約2mMから約3mM、または約0.1から約2mMの、溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質を含む。
特定の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、溶解試薬、溶解試薬の安定化を促進する作用物質、およびEDTAまたはEGTAを含む。特定の実施形態において、メタロ−ベータ−ラクタマーゼが検出される場合、または検出され得る場合、EDTAもしくはEGTAまたはその両方は、利用されない。
特定の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、リゾチーム、トレハロース、およびEDTAを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、約0.1mg/mlから約10mg/ml、約0.5mg/mlから約10mg/ml、約1mg/mlから約10mg/ml、約2mg/mlから約10mg/ml、約3mg/mlから約10mg/ml、約4mg/mlから約10mg/ml、または約5mg/mlから約10mg/mlのリゾチーム、約0.1%から約10%、約1%から約10%、約2%から約10%、約4%から約10%、約1%から約8%、約2%から約8%、約2%から約6%、または約2%から約4%のトレハロース、および約0.1mMから約5mM、約1mMから約4mM、約1mMから約3mM、約2mMから約3mM、または約0.1から約2mMのEDTAを含む。他の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、約0.1mg/mlから約8mg/ml、約1mg/mlから約6mg/ml、約1mg/mlから約5mg/ml、約1mg/mlから約5mg/ml、約2mg/mlから4mg/ml、または約3mg/mlのリゾチーム、約0.1%から約10%、約1%から約10%、約2%から約10%、約4%から約10%、約1%から約8%、約2%から約8%、約2%から約6%、または約2%から約4%のトレハロース、および約0.1mMから約5mM、約1mMから約4mM、約1mMから約3mM、約2mMから約3mM、または約0.1から約2mMのEDTAを含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、液体組成物、寒天プレート、ペーパーストリップ、ペーパーディスク、タブレットの形態、ウェル中の乾燥形態、または1つもしくは複数のチューブ、例えばチューブのアレイ中の乾燥形態をしている。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、プレート、パネル、カセット、もしくはトレイのウェル、ペーパーストリップ、ペーパーディスク、またはチューブなどの固体支持体上または固体支持体中で乾燥して、存在する。本明細書において使用されるように、本明細書に記載の組成物の形態との関連における用語「固体支持体」は、本明細書に記載の組成物を乾燥または付着させてもよい固体表面であり、本明細書に提示される方法に従うベータ−ラクタマーゼの検出に適した固体表面を指す。固体支持体の非限定的な例は、シリカゲル、樹脂、誘導体化プラスチックフィルム、ガラスビーズ、およびポリスチレンビーズを含む。
ある実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、例えば50℃から100℃、50℃から85℃、50℃から75℃、60℃から75℃、または60℃から70℃の温度の熱を使用して、固体支持体上または固体支持体中で乾燥させる。一実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、例えば50℃から100℃、50℃から85℃、50℃から75℃、60℃から75℃、または60℃から70℃の温度の、強制空気条件または真空条件下の熱を使用して、固体支持体上または固体支持体中で乾燥させる。他の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、凍結乾燥技術を使用して、固体支持体上または固体支持体中で乾燥させる。他の実施形態において、本明細書に記載の組成物は、噴霧乾燥技術を使用して、固体支持体上または固体支持体中で乾燥させる。
ある実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、パネル、トレイ、カセット、またはプレート(例えばマイクロタイタープレート)のウェル中であらかじめ混合し、乾燥させる。特定の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、Phoenix(商標) Panel(BD、USA)のウェル、BBL(商標) Crystal(商標) Identification System(BD、USA)のパネルのウェル、Vitek(登録商標) card(bioMerieux、USA)、MicroScan panel(Dade Behring、USA)のウェル、またはRemel RapID(商標) System(Remel、USA)のパネルのウェルなどの、トレイ、カセット、マイクロタイマープレート、またはパネルのウェル中であらかじめ混合し、乾燥させる。本明細書に記載の組成物を、例えば、例えば50℃から100℃、50℃から85℃、50℃から75℃、60℃から75℃、または60℃から70℃の温度の熱を使用して、その中でまたはその上で乾燥させてもよいウェルを有するパネルの説明のために、例えば、特許文献1および特許文献2(これらはそれぞれ、参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。他の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、チューブ、例えば試験管またはEppendorfチューブ中であらかじめ混合し、乾燥させる。特定の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、API biochemical test(bioMerieux、USA)のためにチューブ中であらかじめ混合し、乾燥させる。
特定の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、Phoenix(商標) Panel(BD、USA)のウェル中で乾燥して存在し、BD Phoenix(商標) Automated Microbiology System(BD、USA)などの自動化システムは、基質利用を検出するために使用される。基質利用の検出のための自動化システムの説明のために、例えば、特許文献1、特許文献3、特許文献4、および特許文献5(これらはそれぞれ、参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。特定の実施形態において、生理食塩水緩衝液またはブロス(例えばASTブロスもしくはIDブロス(BD、USA))において再懸濁された純粋な細菌試料は、本明細書に記載の組成物を含む個々のウェルを有するPhoenix(商標) panel(BD、USA)に添加され、パネルは、BD Phoenix(商標) Automated Microbiology System(BD、USA)において、ある期間、インキュベートされ、基質利用は、異なる時点で検出される。
他の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、BBL(商標) Crystal(商標) Identification System(BD、USA)のパネルのウェル中で乾燥して存在し、BBL(商標) Crystal(商標) Identification System(BD、USA)などの自動化システムは、基質利用を検出するために使用される。他の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、Vitek(登録商標) card(bioMerieux、USA)のウェル中で乾燥して存在し、Vitek(登録商標) system(bioMerieux、USA)などの自動化システムは、基質利用を検出するために使用される。他の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、MicroScan panel(Dade Behring、USA)のウェル中で乾燥して存在し、MicroScan Walk−Away(登録商標) system(Dade Behring、USA)などの自動化システムは、基質利用を検出するために使用される。
他の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、タブレットの形態をしている。タブレットおよび細菌細胞懸濁液は、任意のタイプの適した容器(例えばマイクロタイタープレートのウェル、試験管、またはEppendorfチューブ)中で組み合わせることができ、基質利用は、選ばれる基質に依存して変わるであろう適切な技術またはデバイスによって検出することができる。
他の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、乾燥パウダーの形態をしている。乾燥パウダーおよび細菌細胞懸濁液は、任意のタイプの適した容器(例えばマイクロタイタープレートのウェル、試験管、またはEppendorfチューブ)中で組み合わせることができ、基質利用は、選ばれる基質に依存して変わるであろう適切な技術またはデバイスによって検出することができる。
特定のベータ−ラクタマーゼの存在の検出における使用のための異なる組成物は、同じ供給源からの細菌試料と同時にまたは順次に接触させることができる。特定の実施形態において、異なる組成物(例えば第1の組成物および第2の組成物)は、互いに、約1分間から約15分、約1分間から約10分、約1分間から約5分、約2秒間から約60秒、約2秒間から約45秒、約2秒間から約30秒、約5秒間から約60秒、または約5秒間から約30秒以内で同じ供給源からの細菌試料と接触させる。他の実施形態において、異なる組成物(例えば第1の組成物および第2の組成物)は、互いに、約15分、約10分、約5分、約4分、約2分、または約1分以内で、同じ供給源からの細菌試料と接触させる。
いくつかの実施形態において、特定のベータ−ラクタマーゼの存在について試験される細菌試料に加えて、1つまたは複数の特定のベータ−ラクタマーゼを発現することが知られている細菌試料(つまり陽性対照)が、本明細書に提示される方法に含まれる。他の実施形態において、特定のベータ−ラクタマーゼの存在について試験される細菌試料に加えて、1つまたは複数の特定のベータ−ラクタマーゼを発現しないことが知られている細菌試料(つまり陰性対照)が、本明細書に提示される方法に含まれる。他の実施形態において、特定のベータ−ラクタマーゼの存在について試験される細菌試料に加えて、1つまたは複数の特定のベータ−ラクタマーゼを発現することが知られている細菌試料(つまり陽性対照)および1つまたは複数の特定のベータ−ラクタマーゼを発現しないことが知られている細菌試料(つまり陰性対照)が、本明細書に提示される方法に含まれる。例えば、AmpCベータ−ラクタマーゼの陽性対照は、ATCC No.700603とすることができ、陰性対照は、ATCC No.25922とすることができる。配列決定などの分子的および/または生化学的方法を使用して、本明細書に記載のアッセイのための陽性対照および陰性対照を同定して、特定の細菌株による特定のベータ−ラクタマーゼの発現を決定することができる。
一般に、本明細書に提示される方法の一部として利用される異なる組成物と接触させた細菌試料は、同じ供給源由来である。いくつかの実施形態において、本明細書に提示される方法に従って組成物と接触させた細菌試料は、純粋な細菌試料である。ある他の実施形態において、本明細書に提示される方法に従って組成物と接触させた細菌試料は、細菌培養物からの試料であり、これは、患者標本などの特定の供給源からの試料が接種され、細菌が増殖することを可能にするために、ある期間、インキュベートされたものである。一実施形態において、細菌試料は、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質の基質利用を検出するのに必要とされる細菌の最小量を少なくとも含有する。特定の実施形態において、細菌試料は、少なくとも103コロニー形成単位(CFU)/ml、好ましくは少なくとも105CFU/ml、より好ましくは少なくとも106、および最も好ましくは少なくとも107CFU/mlの細菌を含む。他の実施形態において、細菌試料は、約103CFU/mlから約1012CFU/ml、約105CFU/mlから約1012CFU/ml、約106CFU/mlから約1012CFU/ml、または約107CFU/mlから約1012CFU/mlの細菌を含む。特定の実施形態において、細菌試料は、約107CFU/mlから約1010CFU/mlの細菌を含む。一実施形態において、およそ同じ数の細菌が、それぞれの組成物と接触させる各細菌試料中にある。特定の実施形態において、およそ同じ量のCFUを、それぞれの組成物と接触させる。
いくつかの実施形態において、細菌試料は、細胞懸濁液を作製するために緩衝液、滅菌水、生理食塩水、またはブロス(例えばASTブロスもしくはIDブロス(BD、USA))に添加される、細菌の試料である。一実施形態において、同じ量の細胞懸濁液は、それぞれの組成物と接触させる。特定の実施形態において、各組成物と接触させる細胞懸濁液の混濁度は、利用されるデバイスが基質利用を検出する、許容できる範囲内にある。他の実施形態において、それぞれの組成物と接触させる細胞懸濁液の混濁度は、Dade Behring Microscan turbidity readerによって測定されるように、約0.1から約3、約0.2から約2.5、または約0.2から約2である。他の実施形態において、それぞれの組成物と接触させる細胞懸濁液の混濁度は、PhoenixSpecによって測定されるように、約0.1から約4、約0.2から約5、または約0.25から約4MacFarlandである。他の実施形態において、それぞれの組成物と接触させる細胞懸濁液の混濁度は、約5から10倍希釈した後にPhoenixSpecによって測定されるように、約0.1から約5、約0.1から約4、約0.2から約5、または約0.25から約4MacFarlandである。他の実施形態において、それぞれの組成物と接触させる細胞懸濁液の混濁度は、PhoenixSpec(BD、USA)によって測定されるように、約0.4から約0.8、約0.5から約0.7、または約0.5から約0.6MacFarlandである。
特定の実施形態において、1つを超える、2つを超える、またはそれ以上の組成物において存在する同じ阻害剤の濃度は、同じまたは類似している(互いに約10%以内で)。他において、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質の濃度は、すべての組成物において、同じまたは類似している(つまり互いに約10%以内で)。他の実施形態において、本明細書に提示される任意の方法において利用される各組成物は、約pH5から約pH8、好ましくは約pH5.5から約pH7.5、およびより好ましくはpH6から約pH7である。特定の実施形態において、各組成物は、同じまたは類似したpHを有する(つまり互いに約10%または約5%以内で)。
特定の実施形態において、本明細書に提示される方法の接触ステップは、約20℃から約42℃、より好ましくは約25℃から約40℃、および最も好ましくは約37℃で行われる。他の実施形態において、それぞれの組成物は、同じまたはおよそ同じ(つまり5℃以内で)温度で、本明細書に提示される方法に従って同じ供給源からの細菌試料と接触させる。
本明細書に提示される方法の検出ステップは、特定の検出可能な基質のための標準的な方法(例えば発色ベータ−ラクタマーゼ基質の目視観察および/または分光光度法)による検出を可能にするために、ベータ−ラクタマーゼについて陽性な細菌試料によって利用されるのに十分な基質について、必要とされる最小量の時間、実行することができる。
特定の実施形態において、本明細書に提示される方法の検出ステップは、接触ステップの後に、約2分から約60分間、好ましくは約2分から約45分間または約2分から約30分間、より好ましくは約2分から約15分間、および最も好ましくは約2分から約10分間、実行される。他の実施形態において、本明細書に提示される方法の検出ステップは、接触ステップの後に、約15分から約5時間、約30分から約5時間、約30分から約4時間、約30分から約5時間、約1時間から約2時間、約1時間から約3時間、約1時間から約4時間、約1時間から約5時間、約2時間から約4時間、約2時間から約5時間、または約2時間から約6時間、実行される。他の実施形態において、本明細書に提示される方法の検出ステップは、約24時間、約20時間、約18時間、約16時間、約12時間、約8時間、約4時間、約2時間、または約1時間にわたり、異なる時点で実行される。特定の実施形態において、検出ステップは、同じ供給源からの各細菌試料を、同じ量の時間、各組成物と接触させた後に、実行される。
いくつかの実施形態において、同じ供給源からの細菌試料を異なる組成物と接触させた場合の基質利用の速度が比較される。特定の実施形態において、基質利用の速度を計算するためのソフトウェアを有する分光光度計が使用される。異なるベータ−ラクタマーゼの酵素活性は、組成物中に含まれる検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質の濃度、組成物中に含まれる阻害剤の濃度およびタイプ、組成物のpH、ならびに接触ステップが行われる温度によって異なって影響を与えられてもよい。例えば、セリンカルバペネマーゼは、クロキサシリンおよびクラブラン酸を含む組成物において存在するベータ−ラクタマーゼ基質と類似した速度で、クロキサシリンを含む組成物において存在するベータ−ラクタマーゼ基質を利用することができる。その一方で、メタロ−ベータ−ラクタマーゼは、それが、ベータ−ラクタマーゼ基質および金属キレート剤を含む組成物において存在するベータ−ラクタマーゼ基質を利用することができるよりも速く、ベータ−ラクタマーゼ基質を利用することができる。
いくつかの実施形態において、基質利用を決定する場合、組成物の間の質的差異が比較される。例えば、ニトロセフィンなどの発色ベータ−ラクタマーゼ基質が組成物において使用される場合、組成物が、特定の色(例えばニトロセフィンについては赤色)に変わるかどうかが評価されてもよい。他の実施形態において、基質利用を決定する場合、組成物の間の量的差異が比較される。例えば、ニトロセフィン、発色ベータ−ラクタマーゼ基質が組成物において使用される場合、赤色に変わる基質の割合を評価することができる。
基質利用を評価するために使用される特定の技術は、選ばれる基質に依存して変わるであろう。例えば、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質が、色素基質(例えばニトロセフィンまたはPADAC(登録商標))である場合、基質利用は、目視観察または分光光度法によって評価することができる(例えばニトロセフィンについて492nmまたは390nmの波長で)。特に、ニトロセフィンの加水分解は、例えば、黄色から赤色に変わる基質の色を視覚的に観察することによって検出することができる。PADAC(登録商標)の加水分解は、紫色から黄色に変わる基質の色を視覚的に観察することによって検出することができる。検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質が蛍光基質である場合、基質利用は、基質の蛍光を測定することによって検出することができる。異なる抗生物質は、異なる波長を有し、細菌種による、基質としての抗生物質の使用は、組成物の波長の変化をもたらすであろう。したがって、いくつかの実施形態において、分光光度計は、ベータ−ラクタマーゼ基質として抗生物質を含む組成物の波長の変化をモニターするために使用される。
特定の実施形態において、BD Phoenix(商標) Automated Microbiology System(BD、USA)が、基質利用を評価するために使用される。他の実施形態において、Vitek(登録商標)2 automated system(bioMerieux、USA)が、基質利用を評価するために使用される。他の実施形態において、MicroScan Walk−Away(登録商標) automated system(Dade Behring、USA)が、基質利用を評価するために使用される。
4.2 ベータ−ラクタマーゼアッセイにおける使用のための組成物
特定のベータ−ラクタマーゼの検出における使用のための組成物は、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質を含むことができる。容易に検出可能な任意のベータ−ラクタマーゼ基質は、本明細書に提示される組成物において使用することができる。検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質の非限定的な例は、色素基質、蛍光基質、および抗生物質を含む。発色ベータ−ラクタマーゼ基質は、ニトロセフィン(3−[2,4−ジニトロスチリル]−7−(2−チエニルアセトアミド]3−セフェム−4−カルボン酸(Calbiochem、San Diego、CA))、PADAC(登録商標)(ピリジニウム−2−アゾ−p−ジメチルアニリン発色団(Calbiochem、San Diego、CA))、CENTA(商標)(EMD Chemicals,Inc.、San Diego、CA)、HMRZ−86((7R)−7[2−アミノチアゾール−4−イル]−(z)−2−(1−カルボキシ−1−メチルエトキシイミノ)アセトアミド)−3−(2,4−ジニトロスチリル)−(3−セフェム−4−カルボン酸トリフルオロアセテート、E−異性体(関東化学株式会社 東京、日本)、およびセフェゾンを含むが、これらに限定されない。蛍光基質は、Fluorcillin Green 495/525およびFluorocillin Green 345/350 LIVE BLAZER(商標)−FRET B/G(Invitrogen、Carlsbad、CA)を含むが、これらに限定されない。抗生物質は、ベータ−ラクタム、ペニシリン、アモキシシリンなどを含む。特定の実施形態において、分光光度法および目視観察などの、当業者に知られている技術によって検出されるような基質利用を示す基質の濃度は、本明細書に提示される組成物において使用される。
特定の実施形態において、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質は、ニトロセフィンである。特定の実施形態において、ニトロセフィンは、約1μMから約1mM、約1μMから約750μM、約1μMから約500μM、または約1μMから約250μMの濃度で、本明細書に記載の組成物において存在する。他の実施形態において、ニトロセフィンは、約20μMから約200μMの濃度で、本明細書に記載の組成物において存在する。
他の実施形態において、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質は、CENTA(商標)である。特定の実施形態において、CENTA(商標)は、約1μMから約1mM、約1μMから約750μM、約1μMから約500μM、または約1μMから約250μMの濃度で、本明細書に記載の組成物において存在する。他の実施形態において、CENTA(商標)は、約20μMから約200μMの濃度で、本明細書に記載の組成物において存在する。
他の実施形態において、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質は、HMRZ−86である。特定の実施形態において、HMRZ−86は、約1μMから約1mM、約1μMから約750μM、約1μMから約500μM、または約1μMから約250μMの濃度で、本明細書に記載の組成物において存在する。他の実施形態において、HMRZ−86は、約20μMから約200μMの濃度で、本明細書に記載の組成物において存在する。
検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質に加えて、本明細書に提示される方法における使用のための組成物は、以下のベータ−ラクタマーゼ阻害剤のうちの1、2つ、またはそれ以上を含んでいてもよい。すなわち、AmpC阻害剤、セリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤、金属キレート剤、およびESBL阻害剤である。特定の実施形態において、組成物は、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびAmpC阻害剤を含む。他の実施形態において、組成物は、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む。他の実施形態において、組成物は、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤、ならびに金属キレート剤を含む。他の実施形態において、組成物は、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む。他の実施形態において、組成物は、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質および金属キレート剤を含む。他の実施形態において、組成物は、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびESBL阻害剤を含む。当業者が十分に理解するように、細菌の濃度および検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質の濃度は、組成物に添加される阻害剤の濃度に影響を与えるであろう。さらに、当業者は、各組成物が、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質および/または阻害剤の異なる組合せを含む異なる組成物と陽性対照細菌試料(および最適には陰性対照細菌試料)を接触させることによって、経験的に、組成物において使用するための阻害剤の濃度範囲をルーチン的に決定することができるであろう。
本明細書において使用されるように、用語「AmpC阻害剤」は、セリンカルバペネマーゼ、メタロ−ベータ−ラクタマーゼ、OSBL、およびESBLの酵素活性ではなく、特定の濃度でAmpCの酵素活性を阻害する作用物質を指す。AmpC阻害剤の非限定的な例は、クロキサシリン(VWR、Pennsylvania、USA)、クロキサシリンの塩形態、syn2190(NAEJA Pharmaceutical,Inc.、Edmonton、Alberta、Canada)、クロキサシリンの塩形態(クロキサシリンのナトリウム塩形態またはカリウム塩形態など)、アズトレオナム(VWR、Pennsylvania、U.S.A.)、ならびにボロン酸およびその誘導体(Focus Synthesis LLC、San Diego、CA)、ならびにその組合せを含む。一実施形態において、AmpC阻害剤は、クロキサシリンである。特定の実施形態において、AmpC阻害剤を含む組成物は、約1μMから約100mM、約1μMから約75mM、約1μMから約50mM、約1μMから約25mM、約1μMから約10mM、または約1μMから約5mMのAmpC阻害剤を含有する。他の実施形態において、AmpC阻害剤を含む組成物は、約100μMから約4mM、約200μMから約4mM、500μMから約4mM、約750μMから約4mM、または約1mMから約4mMのAmpC阻害剤を含有する。他の実施形態において、AmpC阻害剤を含む組成物は、約500μMから約3mM、約1mMから約3mM、約1.5mMから約3mM、または約2mMから約3mMのAmpC阻害剤を含有する。特定の実施形態において、AmpC阻害剤は、クロキサシリンである。特定の実施形態において、組成物は、約20μMから約5mMのクロキサシリンまたはその塩形態を含む。
本明細書において使用されるように、用語「セリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤」は、クラスAセリンカルバペネマーゼおよびAmpCではなく、特定の濃度で、ESBLおよびOSBLの酵素活性を阻害する作用物質を指す。セリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤の非限定的な例は、クラブラン酸(GlaxoSmithKline、UK)、クラブラン酸の塩形態(クラブラン酸のナトリウム塩形態など)、タゾバクタム(Wyeth Ayerst Research、New York、U.S.A.)、スルバクタム(Pfizer、New York、U.S.A.)、およびその組合せを含む。一実施形態において、セリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤は、クラブラン酸である。特定の実施形態において、ESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないクラブラン酸またはその塩形態を含む組成物は、約10μMから約100mM、約10μMから約75mM、約10μMから約50mM、約10μMから約25mM、約10μMから約10mM、または約10μMから約5mMのクラブラン酸またはその塩形態を含有する。他の実施形態において、ESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないクラブラン酸またはその塩形態を含む組成物は、約10μMから約2mM、約25μMから約2mM、50μMから約2mM、約75μMから約2mM、または約100μMから約2mMのクラブラン酸またはその塩形態を含有する。他の実施形態において、ESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないクラブラン酸またはその塩形態を含む組成物は、約200μMから約2mM、約250μMから約2mM、約300μMから約2mM、約400μMから約2mM、または約500μMから約2mMのクラブラン酸またはその塩形態を含有する。他の実施形態において、ESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないクラブラン酸またはその塩形態を含む組成物は、約1μMから約2mM、約1μMから約1.5mM、約1μMから約1mM、約1μMから約750μM、約1μMから約500μM、約1μMから約250μM、または約1μMから50μMのクラブラン酸またはその塩形態を含有する。特定の実施形態において、ESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量のだがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないクラブラン酸またはその塩形態を含む組成物は、約500μMから約1.5mMのクラブラン酸またはその塩形態を含有する。一実施形態において、セリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤は、タゾバクタムである。特定の実施形態において、ESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないタゾバクタムまたはその塩形態を含む組成物は、約100μMから約1mM、約100μMから約750μM、約100μMから約500μM、または約100μMから約250μMのタゾバクタムまたはその塩形態を含有する。他の実施形態において、セリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤は、スルバクタムである。特定の実施形態において、ESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないスルバクタムまたはその塩形態を含む組成物は、約100μMから約5mM、約100μMから約4mM、約100μMから約3mM、約100μMから約2mM、または約100μMから約1mMのスルバクタムまたはその塩形態を含有する。他の実施形態において、ESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないスルバクタムまたはその塩形態を含む組成物は、約100μMから約750μM、約100μMから約500μM、100μMから約250μM、約100μMから約200mM、または約100μMから約150μMのスルバクタムまたはその塩形態を含有する。
金属キレート剤の非限定的な例は、ジピコリン酸(DPC)、ジエチルジチオカルバメート(DEDTC)、N,N,N’,N’−テトラキス−(2−ピリジルメチル)−エチレンジアミン(TPEN)(VWR、Pennsylvania、U.S.A.)、EDTA(VWR、Pennsylvania、U.S.A.)、2,3−ジメルカプト−1−プロパンスルホン酸(DMPS)(Sigma、St. Louis、MO、U.S.A.)、および1,10−フェナントロリン(Sigma、St. Louis、MO、U.S.A.)を含む。特定の実施形態において、金属キレート剤は、亜鉛特異的である。TPENは、亜鉛特異的金属キレート剤の非限定的な例である。代替的実施形態において、金属キレート剤は、亜鉛に結合することができるが、亜鉛特異的ではない。DMPS、EDTA、1,10−フェナントロリン、DPC、およびDEDTCは、亜鉛特異的ではない金属キレート剤の非限定的な例である。好ましい実施形態において、金属キレート剤は、膜浸透性である。いくつかの実施形態において、組成物は、約0.5mMから約200mM、約1mMから約100mM、または約1mMから約50mMの濃度のEDTA、DMPS、1,10−フェナントロリン、DPC、DEDTC、またはTPENを含む。特定の実施形態において、組成物は、約0.5mMから約10mM、約0.5mMから約7mM、約0.5mMから約5mM、約0.5mMから約2mM、または約0.5mMから約1mMの濃度のDPCを含む。他の実施形態において、組成物は、約1mMから約20mM、約1mMから約15mM、約1mMから約10mM、約1mMから約7mM、約1mMから約5mM、または約1mMから約2mMの濃度のDEDTCを含む。
本明細書において使用されるように、用語「ESBL阻害剤」は、OSBLの酵素活性ではなく、特定の濃度で、ESBLの酵素活性を阻害する作用物質を指す。ESBL阻害剤の非限定的な例は、セフタジジム(GlaxoSmithKline、UK)、セフタジジムの塩形態、セフォタキシム(MP Biomedicals、Solon、OH、U.S.A.)、セフォタキシムの塩形態、およびその組合せを含む。一実施形態において、ESBL阻害剤は、セフタジジムである。特定の実施形態において、組成物は、約1mMから約20mM、約1mMから約15mM、約1mMから約10mM、約1mMから約7mM、約1mMから約5mM、または約1mMから約2mMの濃度のセフタジジムまたはその塩形態を含む。他の実施形態において、ESBL阻害剤は、セフォタキシムまたはその塩形態である。特定の実施形態において、組成物は、約1mMから約20mM、約1mMから約15mM、約1mMから約10mM、約1mMから約7mM、約1mMから約5mM、または約1mMから約2mMの濃度のセフォタキシムまたはその塩形態を含む。他の実施形態において、ESBL阻害剤は、セフタジジムおよびセフォタキシムの組合せである。特定の実施形態において、組成物は、約1mMから約20mM、約1mMから約15mM、約1mMから約10mM、約1mMから約7mM、約1mMから約5mM、または約1mMから約2mMの濃度のセフタジジムまたはその塩形態およびセフォタキシムまたはその塩形態の組合せを含む。
検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質および1つまたは複数のベータ−ラクタマーゼ阻害剤に加えて、1つまたは複数のベータ−ラクタマーゼの検出における使用のための組成物は、緩衝液を含んでいてもよい。組成物のpHの維持を助け、ベータ−ラクタマーゼ基質の加水分解または1つもしくは複数のベータ−ラクタマーゼ阻害剤の活性またはその両方に干渉しない任意の緩衝液を、使用することができる。緩衝液の非限定的な例は、リン酸MES緩衝液、酢酸緩衝液、Tris緩衝液、ADA緩衝液、MDPS緩衝液、およびHEPES緩衝液を含む。特定の実施形態において、組成物は、0.05から1mlのリン酸緩衝液またはMES緩衝液を含む。
いくつかの実施形態において、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質および1つまたは複数のベータ−ラクタマーゼ阻害剤に加えて、組成物は、細菌の細胞壁の破裂を容易にするために酵素、非イオン性界面活性剤、またはEDTAなどの作用物質を含む。当業者が十分に理解するように、本明細書に提示される組成物におけるEDTAの使用は、濃度に依存して、メタロ−ベータ−ラクタマーゼを阻害し得る。したがって、当業者は、本明細書に提示される組成物にEDTAを添加する前にこれを考慮するべきである。好ましい実施形態において、組成物は、細菌の細胞壁の破裂を容易にするさらなる作用物質を含まない。
ある実施形態において、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質および1つまたは複数のベータ−ラクタマーゼ阻害剤に加えて、本明細書に記載の組成物は、溶解試薬を含む。溶解試薬は、当業者に知られている。特定の実施形態において、溶解試薬は、細菌細胞を溶解するが、ベータ−ラクタマーゼ基質の加水分解または1つもしくは複数のベータ−ラクタマーゼ阻害剤の活性またはその両方に干渉しない。一実施形態において、溶解試薬は、マイルドな非変性界面活性剤(例えばTriton(登録商標) X−100またはCHAPS)などの界面活性剤である。他の実施形態において、溶解試薬は、細菌細胞の溶解を促進する酵素または他の作用物質である。そのような酵素の非限定的な例は、リゾチーム、ラビアーゼ、リソスタフィン、アクロモペプチダーゼ、およびムタノリシンを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の組成物は、約0.1mg/mlから約10mg/ml、約0.5mg/mlから約10mg/ml、約1mg/mlから約10mg/ml、約2mg/mlから約10mg/ml、約3mg/mlから約10mg/ml、約4mg/mlから約10mg/ml、または約5mg/mlから約10mg/mlの、細菌細胞の溶解を促進する酵素または他の作用物質を含む。他の実施形態において、本明細書に記載の組成物は、約0.1mg/mlから約8mg/ml、約1mg/mlから約6mg/ml、約1mg/mlから約5mg/ml、約1mg/mlから約5mg/ml、約2mg/mlから4mg/ml、または約3mg/mlの、細菌細胞の溶解を促進する酵素または他の作用物質を含む。
特定の実施形態において、本明細書に記載の組成物は、リゾチームを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の組成物は、約0.1mg/mlから約10mg/ml、約0.5mg/mlから約10mg/ml、約1mg/mlから約10mg/ml、約2mg/mlから約10mg/ml、約3mg/mlから約10mg/ml、約4mg/mlから約10mg/ml、または約5mg/mlから約10mg/mlのリゾチームを含む。他の実施形態において、本明細書に記載の組成物は、約0.1mg/mlから約8mg/ml、約1mg/mlから約6mg/ml、約1mg/mlから約5mg/ml、約1mg/mlから約5mg/ml、約2mg/mlから4mg/ml、または約3mg/mlのリゾチームを含む。
ある実施形態において、本明細書に記載の組成物は、溶解試薬(例えばリゾチーム、ラビアーゼ、リソスタフィン、アクロモペプチダーゼ、またはムタノリシン)および溶解試薬の安定化を促進する作用物質を含む。特定の実施形態において、溶解試薬の安定化を促進する作用物質は、ベータ−ラクタマーゼ基質の加水分解または1つもしくは複数のベータ−ラクタマーゼ阻害剤の活性またはその両方に干渉しない。一実施形態において、溶解試薬の安定化を促進する作用物質は、熱安定性である。特定の実施形態において、本明細書に記載の組成物は、約0.1%から約10%、約1%から約10%、約2%から約10%、約4%から約10%、約1%から約8%、約2%から約8%、約2%から約6%、または約2%から約4%の、溶解試薬の安定化を促進する作用物質を含む。
特定の実施形態において、本明細書に記載の組成物は、溶解試薬および炭水化物、例えば単糖、二糖、多糖、オリゴ糖、またはポリオールを含む。炭水化物の特定の例は、マンニトール、リボース、グルコース、フルクトース、マンノース、スクロース、ラクトース、グリセロール、キサンタンガム、トレハロース、およびグリコール(例えばプロピレングリコール)を含むが、これらに限定されない。特定の実施形態において、炭水化物は、トレハロースである。
特定の実施形態において、本明細書に記載の組成物は、リゾチームおよびトレハロースを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の組成物は、約0.1mg/mlから約10mg/ml、約0.5mg/mlから約10mg/ml、約1mg/mlから約10mg/ml、約2mg/mlから約10mg/ml、約3mg/mlから約10mg/ml、約4mg/mlから約10mg/ml、または約5mg/mlから約10mg/mlのリゾチーム、および約0.1%から約10%、約1%から約10%、約2%から約10%、約4%から約10%、約1%から約8%、約2%から約8%、約2%から約6%、または約2%から約4%のトレハロースを含む。他の実施形態において、本明細書に記載の組成物は、約0.1mg/mlから約8mg/ml、約1mg/mlから約6mg/ml、約1mg/mlから約5mg/ml、約1mg/mlから約5mg/ml、約2mg/mlから4mg/ml、または約3mg/mlのリゾチーム、および約0.1%から約10%、約1%から約10%、約2%から約10%、約4%から約10%、約1%から約8%、約2%から約8%、約2%から約6%、または約2%から約4%のトレハロースを含む。
ある実施形態において、本明細書に記載の組成物は、溶解試薬(例えばリゾチーム、ラビアーゼ、リソスタフィン、アクロモペプチダーゼ、またはムタノリシン)およびさらなる作用物質、例えば、溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質(例えば金属キレート剤)を含む。ある実施形態において、本明細書に記載の組成物は、溶解試薬(例えばリゾチーム、ラビアーゼ、リソスタフィン、アクロモペプチダーゼ、またはムタノリシン)、溶解試薬の安定化を促進する作用物質、およびさらなる作用物質、例えば、溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質(例えば金属キレート剤)を含む。特定の実施形態において、溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質は、ベータ−ラクタマーゼ基質の加水分解または1つもしくは複数のベータ−ラクタマーゼ阻害剤の活性またはその両方に干渉しない。特定の実施形態において、溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質は、溶解試薬が作用物質の非存在下において細菌細胞を溶解する速度に比べて、約10%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、または約75%、溶解試薬が細菌細胞を溶解する速度を増加させる。他の実施形態において、溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質は、溶解試薬が作用物質の非存在下において細菌細胞を溶解する速度に比べて、約10%から約50%、約10%から約75%、約25%から約75%、約25%から約50%、約25%から約40%、約25%から約30%、または約50%もしくは約75%、溶解試薬が細菌細胞を溶解する速度を増加させる。一実施形態において、本明細書に記載の組成物は、約0.1mMから約5mM、約1mMから約4mM、約1mMから約3mM、約2mMから約3mM、または約0.1から約2mMの、溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質を含む。
特定の実施形態において、本明細書に記載の組成物は、溶解試薬(例えばリゾチーム、ラビアーゼ、リソスタフィン、アクロモペプチダーゼ、またはムタノリシン)、溶解試薬の安定化を促進する作用物質、およびEDTAまたはEGTAを含む。特定の実施形態において、メタロ−ベータ−ラクタマーゼが検出されるか、または検出され得る場合、EDTAもしくはEGTAまたはその両方は、利用されない。
特定の実施形態において、本明細書に記載の組成物は、リゾチーム、トレハロース、およびEDTAを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載の組成物は、約0.1mg/mlから約10mg/ml、約0.5mg/mlから約10mg/ml、約1mg/mlから約10mg/ml、約2mg/mlから約10mg/ml、約3mg/mlから約10mg/ml、約4mg/mlから約10mg/ml、または約5mg/mlから約10mg/mlのリゾチーム、約0.1%から約10%、約1%から約10%、約2%から約10%、約4%から約10%、約1%から約8%、約2%から約8%、約2%から約6%、または約2%から約4%のトレハロース、および約0.1mMから約5mM、約1mMから約4mM、約1mMから約3mM、約2mMから約3mM、または約0.1から約2mMのEDTAを含む。他の実施形態において、本明細書に記載の組成物は、約0.1mg/mlから約8mg/ml、約1mg/mlから約6mg/ml、約1mg/mlから約5mg/ml、約1mg/mlから約5mg/ml、約2mg/mlから4mg/ml、または約3mg/mlのリゾチーム、約0.1%から約10%、約1%から約10%、約2%から約10%、約4%から約10%、約1%から約8%、約2%から約8%、約2%から約6%、または約2%から約4%のトレハロース、および約0.1mMから約5mM、約1mMから約4mM、約1mMから約3mM、約2mMから約3mM、または約0.1から約2mMのEDTAを含む。
組成物は、細菌試料との組成物の接触に続いて、基質利用の検出に適用可能な任意の形態とすることができる。例えば、組成物は、寒天プレート、ペーパーディスク、ペーパーストリップ中に埋め込まれた液体組成物、タブレットの形態、ウェル中の乾燥形態、または1つもしくは複数のチューブ中の乾燥形態をしていてもよい。特定の実施形態において、組成物は、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質および1つまたは複数の異なるベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む液体組成物をそれぞれ有する液体組成物である。液体組成物の使用は、以下の第6節において提供される実施例において例示される。
いくつかの実施形態において、組成物は、プレート、パネル、カセット、もしくはトレイのウェル、ペーパーストリップ、ペーパーディスク、またはチューブなどの固体支持体上または固体支持体中で乾燥して、存在する。ある実施形態において、組成物は、例えば50℃から100℃、50℃から85℃、50℃から75℃、60℃から75℃、または60℃から70℃の温度の熱を使用して、固体支持体上または固体支持体中で乾燥させる。一実施形態において、組成物は、例えば50℃から100℃、50℃から85℃、50℃から75℃、60℃から75℃、または60℃から70℃の温度の、強制空気条件または真空条件下の熱を使用して、固体支持体上または固体支持体中で乾燥させる。他の実施形態において、組成物は、凍結乾燥技術を使用して、固体支持体上または固体支持体中で乾燥させる。他の実施形態において、組成物は、噴霧乾燥技術を使用して、固体支持体上または固体支持体中で乾燥させる。
他の実施形態において、組成物は、異なる区分に分割され、それぞれの区分が異なる組成物を含む1つの寒天プレートの一部である。例えば、寒天プレートは、3つの区分を含み、それぞれの区分は、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質および1つまたは複数の異なるベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む組成物を含むことができる。他の実施形態において、寒天プレート当たり1つの組成物だけが存在する。言い換えれば、それぞれの寒天プレートは、1つの組成物だけを含み、その結果、異なる組成物を含む2つ以上の寒天プレートが、本明細書に提示される方法において利用される。
他の実施形態において、組成物は、異なる区分に分割され、それぞれの区分が異なる組成物を含むペーパーディスクまたはペーパーストリップの一部である。例えば、ペーパーディスクまたはペーパーストリップは、3つの区分を含み、それぞれの区分は、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質および1つまたは複数の異なるベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む組成物を含むことができる。他の実施形態において、ペーパーディスクまたはペーパーストリップ当たり1つの組成物だけが存在する。言い換えれば、それぞれのペーパーディスクまたはペーパーストリップは1つの組成物だけを含み、その結果、異なる組成物を含む2つ以上のペーパーディスクまたはペーパーストリップが、本明細書に提示される方法において利用される。特定の実施形態において、ペーパーディスクまたはペーパーストリップは、ろ紙である。他の特定の実施形態において、組成物は、BBL(商標) Dryslide(商標) ニトロセフィン(Becton Dickinson、Diagnostic Systems、USA)に類似する形態で提供される。
ある実施形態において、本明細書に記載の組成物は、パネル、トレイ、カセット、またはプレート(例えばマイクロタイタープレート)のウェル中で乾燥して、存在する。特定の実施形態において、本明細書に記載の組成物は、Phoenix(商標) Panel(BD、USA)のウェル、BBL(商標) Crystal(商標) Identification System(BD、USA)のパネルのウェル、Vitek(登録商標) card(bioMerieux、USA)、MicroScan panel(Dade Behring、USA)のウェル、またはRemel RapID(商標) System(Remel、USA)のパネルのウェルなどの、トレイまたはパネルのウェル中で乾燥して、存在する。本明細書に記載の組成物を、例えば熱でまたはその熱を使用して乾燥させてもよいウェルを有するパネルの説明のために、例えば、特許文献1および特許文献2(これらはそれぞれ、参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の組成物は、API biochemical test(bioMerieux、USA)のためのチューブなどのチューブ中で乾燥して、存在する。
特定の実施形態において、本明細書に記載の組成物は、Phoenix(商標) Panel(BD、USA)のウェル中で乾燥して存在し、BD Phoenix(商標) Automated Microbiology System(BD、USA)などの自動化システムは、基質利用を検出するために使用される。基質利用の検出のための自動化システムの説明のために、例えば、特許文献1、特許文献4、特許文献3、および特許文献5(これらはそれぞれ、参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。特定の実施形態において、本明細書に記載の組成物は、BBL(商標) Crystal(商標) Identification System(BD、USA)のパネルのウェル中で乾燥して存在し、BD BBL(商標) Crystal(商標) Identification System(BD、USA)などの自動化システムは、基質利用を検出するために使用される。
他の実施形態において、組成物は、Vitek(登録商標)(bioMerieux、USA)のウェル中で乾燥して存在し、bioMerieux Vitek(登録商標) system(bioMerieux、USA)などの自動化システムは、基質利用を検出するために使用される。他の実施形態において、組成物は、MicroScan panel(Dade Behring、USA)のウェル中で乾燥して存在し、MicroScan Walk−Away(登録商標) systemなどの自動化システムは、基質利用を検出するために使用される(Dade Behring、USA)。
ある実施形態において、本明細書に記載の組成物は、タブレットの形態をしている。タブレットおよび細菌細胞懸濁液は、任意のタイプの容器(例えばマイクロタイタープレートのウェル、試験管、またはEppendorfチューブ)中で組み合わせることができ、基質利用は、選ばれる基質に依存して変わるであろう適切な技術またはデバイスによって検出することができる。
ある実施形態において、本明細書に記載の組成物は、乾燥パウダーの形態をしている。乾燥パウダーおよび細菌細胞懸濁液は、任意のタイプの容器(例えばマイクロタイタープレートのウェル、試験管、またはEppendorfチューブ)中で組み合わせることができ、基質利用は、選ばれる基質に依存して変わるであろう適切な技術またはデバイスによって検出することができる。
4.3 細菌試料
任意の供給源からの生物学的試料から単離される、得られる、またはそれに由来する細菌試料は、本明細書に提示される方法において使用することができる。一実施形態において、細菌試料は、対象、例えばヒト対象から得られる生物学的試料から単離される、得られる、またはそれに由来する。そのような生物学的試料が本明細書に提示される方法に従って得られ、利用されてもよい対象の例は、無症状の対象、感染症の1、2、3、4、またはそれ以上の症状を現すまたは示す対象、感染症を有するとして臨床的に診断された対象、感染症に罹患しやすい対象(例えば感染症に対する遺伝的素因を有する対象および対象を感染症に罹患しやすくする、または感染症にかかる可能性を増加させる生活習慣を送る対象)、感染症を有すると疑われる対象、感染症のための療法を受けている対象、感染症および少なくとも1つの他の状態を有する対象(例えば2、3、4、5、またはそれ以上の状態を有する対象)、感染症のための療法を受けていない対象、ならびに感染症と診断されたことがない対象を含むが、これらに限定されない。一実施形態において、感染症は、グラム陰性細菌感染症である。他の実施形態において、感染症は、グラム陽性細菌感染症である。細菌感染症を引き起こす細菌の非限定的な例は、大腸菌(E.coli)、肺炎桿菌属(Klebsiella)[例えば肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)およびクレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)]、ブドウ球菌属(Staphylococcus)[例えば黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)]、連鎖球菌属(Streptococcus)[例えば肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)]、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、シュードモナス属(Pseudomonas)[例えば緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)]、腸球菌属(Enterococcus)、ならびにアシネトバクター バウマンニ(Acinetobacter baumannii)を含むが、これらに限定されない。
一実施形態において、対象は、非霊長動物(例えば雌ウシ、イヌ、ブタ、ネコ、イヌ、ウマなど)および霊長動物(例えばヒト)などの哺乳動物である。他の実施形態において、対象は、トリ、爬虫類動物、および非ヒト哺乳動物などの非ヒト動物である。他の実施形態において、対象は、家畜(例えばブタ、ウマ、もしくは雌ウシ)、ペット(例えばモルモット、イヌ、もしくはネコ)、および/または実験動物(例えばラットもしくはマウス)である。好ましい実施形態において、対象は、ヒトである。
生物学的試料は、対象の任意の組織もしくは器官、または対象からの分泌物から得ることができる。対象からの代表的な生物学的試料は、限定を伴うことなく、鼻スワブ、咽頭スワブ、糞便、皮膚スワブ、血液(血液培養物を含む)、痰、サルビア(salvia)、気管支肺胞上皮洗浄液、気管支吸引液、肺組織、脊髄体液、滑液、および尿を含む。いくつかの実施形態において、2、3、またはそれ以上の生物学的試料が、対象から得られる。特定の実施形態において、2つ以上の生物学的試料は、対象からの2つ以上の組織、器官、および/または分泌物から得られる。対象から生物学的試料を得ることに加えて、生物学的試料は、食物、飲料、電話、カウンターなどから得ることができる。生物学的試料を収集するための技術は、当業者らに知られている。
いくつかの実施形態において、生物学的試料は、使用の前に保存される。例えば、対象からの生物学的試料は、4℃、−30℃、または−70℃で保存することができる。生物学的試料を保存するための技術は、当業者に知られている。
いくつかの実施形態において、生物学的試料が得られた後に、生物学的試料は、純粋な細菌試料が得られるように処理することができる、または生物学的試料は、当業者に知られている技術を使用して処理する前に保存することができる。当業者に知られている任意の技術は、純粋な細菌試料を得るために使用することができる。一般に、生物学的試料は、生物学的試料において存在する細菌集団を個々のコロニーとして成長する個々の細胞に分離するために、固体寒天含有培地上に画線される。選ばれる培地ならびに成長条件(例えば環境の温度および気体)は、選択されている細菌に依存するであろう。例えば、18時間35℃でインキュベートされた、5%ヒツジ血液を有するTrypticase(商標)Soy Agar(BD、USA)は、個々の細菌コロニーを得るために使用することができる。ある実施形態において、純粋な細菌試料は、細菌試料として24時間以内に使用される。いくつかの実施形態において、純粋な細菌試料は、使用の前に保存される(例えば4℃または−70℃で)。細菌試料を保存するための技術は、当業者に知られている。いくつかの実施形態において、純粋な細菌試料のアリコートまたは接種材料は、細菌試料として使用される。他の実施形態において、純粋な細菌試料のアリコートまたは接種材料は、溶解され、産生される細菌細胞抽出物は、細菌試料として使用される。いくつかの実施形態において、細菌細胞抽出物は、使用の前に保存される。
他の実施形態において、生物学的試料を得た後に、生物学的試料は、培地に接種するために使用することができ、接種された培地は、試料において存在する任意の細菌が増殖することを可能にするために一定の期間、インキュベートされる。選ばれる培地ならびに成長条件(例えば温度は、収集されている細菌に依存するであろう)。例えば、18時間35℃でインキュベートされた、5%ヒツジ血液を有するTrypticase(商標)Soy Agar(BD、USA)を使用することができる。いくつかの実施形態において、細菌培養物は、使用の前に保存される(例えば4℃または−70℃で)。細菌培養物を保存するための技術は、当業者に知られている。いくつかの実施形態において、培養物中の細菌のアリコートまたは接種材料は、細菌試料として使用される。他の実施形態において、培養物中の細菌のアリコートまたは接種材料は、溶解され、産生される細菌細胞抽出物は、細菌試料として使用される。いくつかの実施形態において、細菌細胞抽出物は、使用の前に保存される。
いくつかの実施形態において、細菌試料は使用の前に保存される。例えば、細菌試料は、4℃で保存される。
ある実施形態において、任意の供給源からの生物学的試料から単離される、得られる、またはそれに由来する細菌の試料は、細胞懸濁液を作製するために緩衝液に添加され、細胞懸濁液のアリコートは、細菌試料として使用される。いくつかの実施形態において、任意の供給源からの生物学的試料から単離される、得られる、またはそれに由来する細菌の試料は、細胞懸濁液を作製するために滅菌水に添加され、細胞懸濁液のアリコートは、細菌試料として使用される。特定の実施形態において、任意の供給源からの生物学的試料から単離される、得られる、またはそれに由来する細菌の試料は、細胞懸濁液を作製するために、生理食塩水緩衝液またはブロス(例えば、BD Phoenix(商標) Automated Microbiology System(BD、USA)のキットの一部として販売されるASTブロスまたはIDブロス)に添加され、細胞懸濁液のアリコートは、細菌試料として使用される。
ある実施形態において、純粋な細菌試料は、細胞懸濁液を作製するために緩衝液に添加され、細胞懸濁液のアリコートは、細菌試料として使用される。いくつかの実施形態において、純粋な細菌試料は、細胞懸濁液を作製するために滅菌水に添加され、細胞懸濁液のアリコートは、細菌試料として使用される。特定の実施形態において、純粋な生物学的試料は、細胞懸濁液を作製するために、生理食塩水緩衝液またはブロス(例えば、BD Phoenix(商標) Automated Microbiology System(BD、USA)のキットの一部として販売されるASTブロスまたはIDブロス)に添加され、細胞懸濁液のアリコートは、細菌試料として使用される。特定の実施形態において、純粋な細菌試料は、純粋な細菌試料の生成の24時間またはそれ未満以内に緩衝液、滅菌水、またはブロスに添加される。
特定の実施形態において、任意の供給源からの生物学的試料から単離される、得られる、またはそれに由来する細菌の試料は、溶解され、産生される細菌細胞抽出物のアリコートは、細菌試料として使用される。細菌を溶解するための技術は、当業者に知られている。細菌を溶解するための技術の非限定的な例は、機械的破壊技術、凍結/解凍技術、および溶解緩衝液技術を含む。例えば、細菌は、例えばブレンダーまたはグラインダーなどの機械的な力を利用して溶解されてもよい。試料容量が小さい場合、液体のホモジナイズ(homogenization)処理または超音波処理が、細菌を溶解するために使用することができる。マイルドな非変性界面活性剤(例えばTriton(登録商標) X−100またはCHAPS)などの1つまたは複数の界面活性剤を含む溶解緩衝液もまた、細菌を溶解するために使用することができる。1つもしくは複数の酵素(例えばリゾチーム、ラビアーゼ、リソスタフィン、アクロモペプチダーゼ、もしくはムタノリシン)または細菌細胞溶解を促進する他の作用物質を含む溶解緩衝液が、細菌を溶解するために使用することができる。特定の実施形態において、リゾチームおよび金属キレート剤(例えばEDTAまたはEGTA)を含む溶解緩衝液が、細菌を溶解するために使用することができる。他の実施形態において、リゾチームおよび溶解試薬の安定化を促進する作用物質を含む溶解緩衝液が、細菌を溶解するために使用することができる。他の実施形態において、リゾチーム、溶解試薬の安定化を促進する作用物質、および金属キレート剤(例えばEDTAまたはEGTA)を含む溶解緩衝液が、細菌を溶解するために使用することができる。いくつかの実施形態において、細菌細胞抽出物は、使用の前に保存される。
4.4 細菌の特性評価
本明細書に提示されるベータ−ラクタマーゼアッセイに加えてまたはそれとの関連において、細菌試料は、当業者に知られている技術を使用して特性評価できる。例えば、細菌試料は、細菌の形態について観察することもでき、および/または異なる染色反応を実行することもできる。形態的な特徴および染色反応は、細菌の同定を助けることができる。特定の実施形態において、グラム染色は、当業者に知られている技術を使用して実行される。ある実施形態において、グラム染色は、本明細書に提示されるベータ−ラクタマーゼアッセイの前に実行される。他の実施形態において、細菌の種を同定するためのアッセイは、当業者に知られている技術を使用して実行される。特定の実施形態において、BD Phoenix ID/AST Systemなどの自動化抗生物質感受性機器上で実行されるIDは、細菌の種を同定するために実行される。
4.5 療法の選択
本明細書に提示される方法を利用する特定のベータ−ラクタマーゼの存在の検出は、細菌感染症と診断された患者のための適切な治療計画の選択のための情報を提供することができる。例えば、細菌供給源における特定のベータ−ラクタマーゼの存在の検出は、細菌によって引き起こされる感染症を治療するためにどのような抗生物質が使用されるべきではないかを示してもよく、代替療法、例えば、細菌が耐性ではない他のベータラクタム薬剤または非ベータラクタム薬剤を示唆してもよい。患者のための適切な治療計画を容易にすることに加えて、細菌供給源における特定のベータ−ラクタマーゼの存在の検出は、他の細菌へのベータ−ラクタマーゼの伝達の低下を助けることもでき、かつ/またはベータラクタム耐性細菌の広がりを低下させることもできる。
4.6 キット
特定のベータ−ラクタマーゼの存在を検出するためのキットが、本明細書に提示される。本明細書に提示されるキットは、本明細書に記載の1つまたは複数の組成物を含むことができる。一実施形態において、キットは、1つまたは複数の容器中に、(a)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびAmpC阻害剤を含む第1の組成物と、(b)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第2の組成物とを含む。いくつかの実施形態において、キットは、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤ならびに金属キレート剤を含む、第3の組成物をさらに含む。いくつかの実施形態において、キットは、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第4の組成物をさらに含む。いくつかの実施形態において、キットは、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびESBL阻害剤を含む第5の組成物をさらに含む。いくつかの実施形態において、キットは、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質を含み、ベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含まない第6の組成物をさらに含む。ある実施形態において、これらの組成物はそれぞれ、溶解試薬をさらに含み、場合により溶解試薬の安定化を促進する作用物質および/または溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質をさらに含む。
他の実施形態において、キットは、1つまたは複数の容器中に、(a)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびAmpC阻害剤を含む第1の組成物と、(b)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第2の組成物と、(c)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、ESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第3の組成物とを含む。いくつかの実施形態において、キットは、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質を含み、ベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含まない第4の組成物をさらに含む。ある実施形態において、これらの組成物はそれぞれ、溶解試薬をさらに含み、場合により溶解試薬の安定化を促進する作用物質および/または溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質をさらに含む。
他の実施形態において、キットは、1つまたは複数の容器中に、(a)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびAmpC阻害剤を含む第1の組成物と、(b)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第2の組成物と、(c)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびESBL阻害剤を含む第3の組成物とを含む。いくつかの実施形態においてキットは、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質を含み、ベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含まない第4の組成物をさらに含む。ある実施形態において、これらの組成物は、それぞれ溶解試薬をさらに含み、場合により溶解試薬の安定化を促進する作用物質および/または溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質をさらに含む。
他の実施形態において、キットは、1つまたは複数の容器中に、(a)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびAmpC阻害剤を含む第1の組成物と、(b)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第2の組成物と、(c)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤ならびに金属キレート剤を含む第3の組成物とを含む。いくつかの実施形態において、キットは、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質を含み、ベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含まない第4の組成物をさらに含む。ある実施形態において、これらの組成物はそれぞれ、溶解試薬をさらに含み、場合により溶解試薬の安定化を促進する作用物質および/または溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質をさらに含む。
他の実施形態において、キットは、1つまたは複数の容器中に、(a)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびAmpC阻害剤を含む第1の組成物と、(b)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第2の組成物と、(c)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤および金属キレート剤を含む第3の組成物と、(d)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第4の組成物とを含む。いくつかの実施形態において、キットは、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質を含み、ベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含まない第5の組成物をさらに含む。ある実施形態において、これらの組成物はそれぞれ、溶解試薬をさらに含み、場合により溶解試薬の安定化を促進する作用物質および/または溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質をさらに含む。
他の実施形態において、キットは、1つまたは複数の容器中に、(a)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびAmpC阻害剤を含む第1の組成物と、(b)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第2の組成物と、(c)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤ならびに金属キレート剤を含む第3の組成物と、(d)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第4の組成物と、(e)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびESBL阻害剤を含む第5の組成物とを含む。いくつかの実施形態において、キットは、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質を含み、ベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含まない第6の組成物をさらに含む。ある実施形態において、これらの組成物はそれぞれ、溶解試薬をさらに含み、場合により溶解試薬の安定化を促進する作用物質および/または溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質をさらに含む。
他の実施形態において、キットは、1つまたは複数の容器中に、(a)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質を含む第1の組成物と、(b)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質および金属キレート剤を含む第2の組成物とを含む。ある実施形態において、これらの組成物はそれぞれ、溶解試薬をさらに含み、場合により溶解試薬の安定化を促進する作用物質および/または溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質をさらに含む。
本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、容易に検出可能な任意のベータ−ラクタマーゼ基質を含むことができる。検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質の非限定的な例は、発色基質、蛍光発生基質および抗生物質を含むが、これらに限定されない。発色ベータ−ラクタマーゼ基質は、ニトロセフィン(3−[2,4−ジニトロスチリル]−7−(2−チエニルアセトアミド]3−セフェム−4−カルボン酸(Calbiochem、San Diego、CA)、PADAC(登録商標)(ピリジニウム−2−アゾ−p−ジメチルアニリン発色団(Calbiochem、San Diego、CA))、CENTA(商標)(EMD Chemicals,Inc.、San Diego、CA)、HMRZ−86((7R)−7[2−アミノチアゾール−4−イル]−(z)−2−(1−カルボキシ−1−メチルエトキシイミノ)アセトアミド)−3−(2,4−ジニトロスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸トリフルオロアセテート、E−異性体(Kanto Chemical Co.,Inc、Tokyo、Japan))およびセフェゾンを含む。蛍光発生基質は、Fluorcillin Green495/525およびFluorocillin Green345/350 LiveBlazer(商標)−FRET B/G (Invitrogen、Carlsbad、(CA))を含む。抗生物質は、ベータ−ラクタム、ペニシリン、アモキシシリンなどを含む。
一実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物はそれぞれ、同じ検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質を含有する。他の実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物はそれぞれ、同じまたは類似の(全般に、互いに約10%以内で)の濃度の、同じ検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質を含有する。いくつかの実施形態において、本明細書に提示されるキットは、希釈し、組成物に加えることができる、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質の濃縮溶液、例えば、2x、5xまたは10x溶液を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に提示されるキットは、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質を凍結試薬として含む。他の実施形態において、本明細書に提示されるキットは、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質を乾燥試薬として含む。
特定の実施形態において、本明細書に提示されるキットの組成物に含まれる検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質は、発色基質である。より特定の実施形態において、本明細書に提示されるキットの組成物に含まれる検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質は、ニトロセフィンである。特定の実施形態において、ニトロセフィンは、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物中に、約1μMから約1mM、約1μMから約750μM、約1μMから約500μMまたは約1μMから約250μMの濃度で存在する。他の実施形態において、ニトロセフィンは、本明細書に記載の組成物中に約20μMから約200μMの濃度で存在する。
他の実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質は、CENTA(商標)である。特定の実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、CENTA(商標)を、約1μMから約1mM、約1μMから約750μM、約1μMから約500μMまたは約1μMから約250μMの濃度で含む。他の実施形態において、CENTA(商標)は、本明細書に記載の組成物中に約20μMから約200μMの濃度で存在する。
他の実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質は、HMRZ−86である。特定の実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、HMRZ−86を、約1μMから約1mM、約1μMから約750μM、約1μMから約500μMまたは約1μMから約250μMの濃度で含む。他の実施形態において、HMRZ−86は、本明細書に記載の組成物中に約20μMから約200μMの濃度で存在する。
一実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる1つまたは複数の組成物は、1つまたは複数の阻害剤を含有する。他の実施形態において、1つまたは複数の同じ阻害剤を含む、本明細書に提示されるキット中の組成物それぞれに関して、それらの阻害剤の濃度は、同じまたは類似(全般に、互いに約10%以内で)である。いくつかの実施形態において、本明細書に提示されるキットは、希釈し、組成物に加えることができる阻害剤の濃縮溶液、例えば、2x、5xまたは10x溶液を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に提示されるキットは、阻害剤を凍結試薬として含む。他の実施形態において、本明細書に提示されるキットは、阻害剤を乾燥試薬として含む。いくつかの実施形態において、本明細書に提示されるキットは、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質および1つまたは複数の阻害剤を、細菌が、本明細書に提示される方法に従った組成物と接触できるような形態で含む組成物を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に提示されるキットは、キットの様々な組成物を作製するために使用できるすべての要素を含む。
一実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、AmpC阻害剤を、約1μMから約100mM、約1μMから約75mM、約1μMから約50mM、約1μMから約25mM、約1μMから約10mMの濃度で含み、または約1μMから約5mMのAmpC阻害剤を含む。他の実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、AmpC阻害剤を、約100μMから約4mM、約200μMから約4mM、500μMから約4mM、約750μMから約4mMの濃度で含み、または約1mMから約4mMのAmpC阻害剤を含む。他の実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、AmpC阻害剤を、約500μMから約3mM、約1mMから約3mM、約1.5mMから約3mMの濃度で含み、または約2mMから約3mMのAmpC阻害剤を含む。
特定の実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、クロキサシリン、クロキサシリンの塩形態、syn2190(NAEJA Pharmaceutical, Inc.、Edmonton、Alberta、Canada)もしくはボロン酸またはそれらの誘導体(Focus Synthesis LLC、San Diego、CA)を、AmpC阻害剤として含む。特定の実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、クロキサシリンまたはその塩形態を、AmpC阻害剤として含む。特定の実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、約20μMから約5mMのクロキサシリンまたはその塩形態を含む。他の実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、約20μMから約4mM、約20μMから約3mM、約20μMから約2mM、約20μMから約1mM、約20μMから約750μM、約20μMから約500μM、約20μMから約250μMまたは約20μMから約75μMのクロキサシリンまたはその塩形態を含む。他の実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、約500μMから約5mM、約500μMから約4mM、約500μMから約3mM、約500μMから約2mMまたは約500μMから約1mMのクロキサシリンまたはその塩形態を含む。他の実施形態において、組成物は、約1mMから約5mM、約2mMから約5mM、約1mMから約4mM、約2mMから約4mM、約1mMから約3mMまたは約1mMから約2mMのクロキサシリンまたはその塩形態を含む。
一実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、セリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む。特定の実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、タゾバクタムまたはその塩形態を含む。特定の実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、約100μMから約1mM、約100μMから約750μM、約100μMから約500μMまたは約100μMから約250μMのタゾバクタムまたはその塩形態を含む。他の実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、スルバクタムまたはその塩形態を含む。特定の実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、約100μMから約5mM、約100μMから約4mM、約100μMから約3mM、約100μMから約2mMまたは約100μMから約1mMのスルバクタムまたはその塩形態を含む。他の実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、約100μMから約750μM、約100μMから約500μM、100μMから約250μM、約100μMから約200mMまたは約100μMから約150μMのスルバクタムまたはその塩形態を含む。
一実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、クラブラン酸またはその塩形態を含む。特定の実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、約10μMから約100mM、約10μMから約75mM、約10μMから約50mM、約10μMから約25mM、約10μMから約10mMもしくは約10μMから約5mMのクラブラン酸またはその塩形態を含む。他の実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、約10μMから約2mM、約25μMから約2mM、50μMから約2mM、約75μMから約2mMもしくは約100μMから約2mMのクラブラン酸またはその塩形態を含む。他の実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、約200μMから約2mM、約250から約2mM、約300μMから約2mM、約400μMから約2mMもしくは約500μMから約2mMのクラブラン酸またはその塩形態を含む。特定の実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、約500μMから約1.5mMのクラブラン酸またはその塩形態を含む。
特定の実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、TPENなどの亜鉛特異的金属キレート剤を含む。代替的実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、DMPS、EDTA、1,10−フェナントロリン、DPCまたはDEDTCなどの、亜鉛に結合できるが、亜鉛特異的ではない金属キレート剤を含む。好ましい実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、膜透過性である金属キレート剤を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、EDTA、DMPS、1,10−フェナントロリン、DEDTC、TPENまたはDPCを、約0.5mMから約200mM、約1mMから約100mMまたは約1mMから約50mMの濃度で含む。
特定の実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、DPCを、約0.5mMから約10mM、約0.5mMから約7mM、約0.5mMから約5mM、約0.5mMから約2mMまたは約0.5mMから約1mMの濃度で含む。他の実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、DEDTCを、約1mMから約20mM、約1mMから約15mM、約1mMから約10mM、約1mMから約7mM、約1mMから約5mMまたは約1mMから約2mMの濃度で含む。
一実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、ESBL阻害剤を含む。一実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、セフタジジムまたはその塩形態を含む。特定の実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、セフタジジムを、約1mMから約20mM、約1mMから約15mM、約1mMから約10mM、約1mMから約7mM、約1mMから約5mMまたは約1mMから約2mMの濃度で含む。他の実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、セフォタキシムまたはその塩形態を含む。他の実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、セフォタキシムを、約1mMから約20mM、から約15mM、約1mMから約10mM、約1mMから約7mM、約1mMから約5mMまたは約1mMから約2mMの濃度で含む。他の実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、セフタジジムおよびセフォタキシムの組合せを含む。他の実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、セフタジジムおよびセフォタキシムの組合せまたはそれらの塩形態を、約1mMから約20mM、約1mMから約15mM、約1mMから約10mM、約1mMから約7mM、約1mMから約5mMまたは約1mMから約2mMの濃度で含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のキットは、溶解試薬を含む組成物を含有する。ある実施形態において、ベータ−ラクタマーゼ基質に加えて、いくつかの実施形態では1つまたは複数のベータ−ラクタマーゼ阻害剤に加えて、本明細書に記載のキット中の組成物は溶解試薬を含む。特定の実施形態において、溶解試薬は細菌細胞を溶解するが、ベータ−ラクタマーゼ基質の加水分解または1つもしくは複数のベータ−ラクタマーゼ阻害剤の活性、またはその両方に干渉しない。一実施形態において、溶解試薬は、穏やかな非変性界面活性剤などの(例えば、Triton(登録商標)X−100またはCHAPS)界面活性剤である。他の実施形態において、溶解試薬は、酵素または細菌細胞の溶解を促進する他の作用物質である。このような酵素の非限定的な例は、リゾチーム、ラビアーゼ、リゾスタフィン、アクロモペプチダーゼまたはムタノリシンを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載のキットは、約0.1mg/mlから約10mg/ml、約0.5mg/mlから約10mg/ml、約1mg/mlから約10mg/ml、約2mg/mlから約10mg/ml、約3mg/mlから約10mg/ml、約4mg/mlから約10mg/mlまたは約5mg/mlから約10mg/mlの溶解試薬(例えば、リゾチーム)を含む組成物を含有する。他の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される組成物は、約0.1mg/mlから約8mg/ml、約1mg/mlから約6mg/ml、約1mg/mlから約5mg/ml、約1mg/mlから約5mg/ml、約2mg/mlから4mg/mlまたは約3mg/mlの溶解試薬(例えば、リゾチーム)を含む。特定の実施形態において、本明細書に記載のキットは、リゾチームを含む組成物を含有する。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のキットは、溶解試薬および溶解試薬の安定化を促進する作用物質を含む組成物を含有する。ある実施形態において、ベータ−ラクタマーゼ基質に加えて、いくつかの実施形態では1つまたは複数のベータ−ラクタマーゼ阻害剤に加えて、本明細書に記載のキット中の組成物は、溶解試薬および溶解試薬の安定化を促進する作用物質を含む。一実施形態において、溶解試薬の安定化を促進する作用物質は熱安定性である。特定の実施形態において、本明細書に記載のキットは、約0.1%から約10%、約1%から約10%、約2%から約10%、約4%から約10%、約1%から約8%、約2%から約8%、約2%から約6%または約2%から約4%の、溶解試薬の安定化を促進する作用物質を含む組成物を含有する。
一実施形態において、本明細書に記載のキットは、溶解試薬および炭水化物、例えば単糖類、二糖類、多糖類、オリゴ糖またはポリオールを含む組成物を含有する。炭水化物の具体例は、限定するものではないが、マンニトール、リボース、グルコース、フルクトース、マンノース、スクロース、ラクトース、グリセロール、キサンタンガム、トレハロースおよびグリコール(例えば、プロピレングリコール)を含む。特定の実施形態において、本明細書に記載のキットは、リゾチームおよびトレハロースを含む組成物を含有する。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のキットは、溶解試薬、溶解試薬の安定化を促進する作用物質およびさらなる作用物質、例えば、溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質(例えば、金属キレート剤)を含む組成物を含有する。一実施形態において、本明細書に記載のキットは、約0.1mMから約5mM、約1mMから約4mM、約1mMから約3mM、約2mMから約3mMまたは約0.1から約2mMの、溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質を含む組成物を含有する。
特定の実施形態において、本明細書に記載のキットは、溶解試薬、溶解試薬の安定化を促進する作用物質およびEDTAまたはEGTAを含む組成物を含有する。特定の実施形態において、メタロ−ベータ−ラクタマーゼが検出されるまたは検出され得る場合、EDTAもしくはEGTA、またはその両方は利用されない。特定の実施形態において、本明細書に記載のキットは、リゾチーム、トレハロースおよびEDTAを含む組成物を含有する。
特定の実施形態において、1つまたは複数の同じ溶解試薬(および場合により、溶解試薬の安定化を促進する作用物質および/または細菌の細胞壁の分解を促進する作用物質)を含む、本明細書に提示されるキット中の組成物それぞれに関して、それらの試薬(および作用物質)の濃度は同じまたは類似である(全般に、互いに約10%以内で)。いくつかの実施形態において、本明細書に提示されるキットは、希釈し、組成物に加えることができる、溶解試薬の濃縮溶液、例えば、2x、5xまたは10x溶液を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に提示されるキットは、希釈し、組成物に加えることができる、溶解試薬を安定化する作用物質の濃縮溶液、例えば、2x、5xまたは10x溶液を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に提示されるキットは、希釈し、組成物に加えることができる、細菌の細胞壁の分解を促進する作用物質の濃縮溶液、例えば、2x、5xまたは10x溶液を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に提示されるキットは、以下を凍結試薬または作用物質として含む:凍結試薬または作用物質としての、溶解試薬、溶解試薬の安定化を促進する作用物質および細菌の細胞壁の分解を促進する作用物質。他の実施形態において、本明細書に提示されるキットは、以下のうち1種、2種またはすべてを乾燥試薬または作用物質として含む:溶解試薬、溶解試薬の安定化を促進する作用物質および溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質。
特定の実施形態において、本明細書に提示されるキットは、細菌が、本明細書に提示される方法に従った組成物と接触できるような形態の組成物を含む。一実施形態において、組成物は、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、溶解試薬を含み、場合により1つまたは複数の阻害剤、溶解試薬の安定化を促進する作用物質および/または溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質を含む。他の実施形態において、組成物は、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、溶解試薬および1つまたは複数の阻害剤を含み、場合により溶解試薬の安定化を促進する作用物質および/または溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質またはその両方を含む。他の実施形態において、組成物は、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、溶解試薬および1つまたは複数の阻害剤、溶解試薬の安定化を促進する作用物質を含み、場合により溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質を含む。
検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質および1つまたは複数のベータ−ラクタマーゼ阻害剤に加えて、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、緩衝液を含むことができる。組成物のpHの維持を助け、ベータ−ラクタマーゼ基質の加水分解に干渉しない任意の緩衝液を使用することができる。特定の実施形態において、緩衝液はベータ−ラクタマーゼ基質の加水分解または1つもしくは複数のベータ−ラクタマーゼ阻害剤の活性、またはその両方に干渉しない。緩衝液の非限定的な例は、リン酸緩衝液、MES緩衝液、酢酸緩衝液、Tris緩衝液、ADA緩衝液、MOPS緩衝液およびHEPES緩衝液を含む。一実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物はそれぞれ、同じ緩衝液を含有する。他の実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物はそれぞれ、同じまたは類似の(すなわち、互いに約10%以内で)濃度の同じ緩衝液を含有する。特定の実施形態において、組成物は、0.05から1mlのリン酸緩衝液またはMES緩衝液を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に提示されるキットは、希釈し、組成物に加えることができる、緩衝液の濃縮溶液、例えば、2x、5xまたは10x溶液を含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に提示されるキットは、食塩緩衝液またはブロスを含むことができる。ベータ−ラクタマーゼ基質の加水分解または1つもしくは複数のベータ−ラクタマーゼ阻害剤の活性、またはその両方に干渉しない、任意のブロスを使用することができる。特定の実施形態において、BD Phoenix(商標)Panel(BD、USA)と共に利用されるASTブロスおよび/またはIDブロスが、本明細書に提示されるキットに含まれる。いくつかの実施形態において、本明細書に提示されるキットは、使用前に希釈できるブロスの濃縮溶液、例えば、2x、5xまたは10x溶液を含む。
特定の実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物はそれぞれ、同じまたは類似の(すなわち、互いに約10%または約5%以内で)のpHを有する。一実施形態において、組成物は、約pH5からpH8、好ましくは約pH5.5から約pH7.5およびより好ましくは約pH6から約pH7のpHを有する。
いくつかの実施形態において、本明細書に提示されるキットは、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質を含む容器、1つまたは複数の阻害剤を含む1つまたは複数の他の容器を含み、場合により指示書を含む。ある実施形態において、本明細書に提示されるキットは、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質を含む第1の容器、溶解試薬を含む組成物を含む第2の容器、1つまたは複数の阻害剤を含む1つまたは複数の他の容器を含み、場合により指示書を含む。他の実施形態において、本明細書に提示されるキットは、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質を含む第1の容器、溶解試薬および溶解試薬の安定化を促進する作用物質を含む組成物を含む第2の容器、1つまたは複数の阻害剤を含む1つまたは複数の他の容器を含み、場合により指示書を含む。他の実施形態において、本明細書に提示されるキットは、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質を含む第1の容器、溶解試薬、溶解試薬の安定化を促進する作用物質および溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質を含む組成物を含む第2の容器、1つまたは複数の阻害剤を含む1つまたは複数の他の容器を含み、場合により指示書を含む。他の実施形態において、本明細書に提示されるキットは、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質を含む第1の容器、溶解試薬を含む組成物を含む第2の容器、溶解試薬の安定化を促進する作用物質を含む第3の容器、1つまたは複数の阻害剤を含む1つまたは複数の他の容器を含み、場合により指示書を含む。他の実施形態において、本明細書に提示されるキットは、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質を含む第1の容器、溶解試薬を含む組成物を含む第2の容器、溶解試薬の安定化を促進する作用物質を含む第3の容器、溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質を含む第4の容器、1つまたは複数の阻害剤を含む1つまたは複数の他の容器を含み、場合により指示書を含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に提示されるキットは組成物および場合により指示書を含む容器を含み、組成物は検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質および1つまたは複数の阻害剤を含む。ある実施形態において、本明細書に提示されるキットは組成物および場合により指示書を含む容器を含み、組成物は、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、1つまたは複数の阻害剤および溶解試薬を含む。他の実施形態において、本明細書に提示されるキットは組成物および場合により指示書を含む容器を含み、組成物は、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、1つまたは複数の阻害剤および溶解試薬ならびに溶解試薬の安定化を促進する作用物質を含む。他の実施形態において、本明細書に提示されるキットは組成物および場合により指示書を含む容器を含み、組成物は、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、1つまたは複数の阻害剤、溶解試薬、溶解試薬の安定化を促進する作用物質および溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質を含む。
キットに含まれ得る指示書は、キットのユーザーに、特定のベータ−ラクタマーゼを検出できるような本明細書に記載の組成物などの特定の組成物の作製方法を指示できる。例えば、指示書は、キットのユーザーに、特定濃度の緩衝液を作製し、組成物に加えること、および組成物に加える検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質および1つまたは複数の阻害剤の濃度の情報を与えることができる。いくつかの実施形態において、キットに含まれる検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質は、使用前に希釈が必要である。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の阻害剤は、使用前に希釈が必要である。いくつかの実施形態において、本明細書に提示されるキットに含まれる組成物は、細菌試料に接触する準備のできた形態である。
キットに含まれる組成物は、組成物と細菌試料の接触後の基質利用を検出しやすい任意の形態であってよい。例えば、キットに含まれる組成物は、液体組成物、寒天プレート、ペーパーディスク、ペーパーストリップ、タブレット、またはウェル中の乾燥形態の形態であってよい。特定の実施形態において、組成物は、キットに含まれる液体組成物であり、それぞれの液体組成物は、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質および1つまたは複数の様々なベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む。他の実施形態において、キットに含まれる組成物は、凍結されている。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のキットに含まれる組成物を乾燥されて、プレート、パネル、カセットまたはトレイのウェル、ペーパーストリップ、ペーパーディスクまたはチューブなどの固体支持体上または固体支持体中に存在する。ある実施形態において、組成物は固体支持体上または固体支持体中で、例えば50℃から100℃、50℃から85℃、50℃から75℃、60℃から75℃または60℃から70℃の熱を使用して乾燥させる。一実施形態において、組成物は、固体支持体上または固体支持体中に、強制換気または真空条件下で、例えば50℃から100℃、50℃から85℃、50℃から75℃、60℃から75℃または60℃から70℃の熱を使用して乾燥させる。他の実施形態において、組成物は、凍結乾燥技術を使用して、固体支持体上または固体支持体中で乾燥させる。他の実施形態において、組成物は、噴霧乾燥技術を使用して、固体支持体上または固体支持体中で乾燥させる。
他の実施形態において、キットに含まれる組成物は、異なる区分に分割され、それぞれの区分が異なる組成物を含む1つの寒天プレートの一部である。例えば、寒天プレートは3つの区分を含み、それぞれの区分は、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質および1つまたは複数の異なるベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む組成物を含むことができる。他の実施形態において、寒天プレート当たり1つの組成物だけが存在する。言い換えれば、それぞれの寒天プレートは1つの組成物だけを含み、その結果、異なる組成物を含む2つ以上の寒天プレートが、本明細書に提示される方法に利用される。
他の実施形態において、キットに含まれる組成物は、異なる区分に分割され、それぞれの区分が異なる組成物を含むペーパーディスクまたはペーパーストリップの一部である。例えば、ペーパーディスクまたはペーパーストリップは3つの区分を含み、それぞれの区分は、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質および1つまたは複数の異なるベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む組成物を含むことができる。他の実施形態において、ペーパーディスクまたはペーパーストリップごとに1つの組成物だけが存在する。言い換えれば、それぞれのペーパーディスクまたはペーパーストリップは1つの組成物だけを含み、その結果、異なる組成物を含む2つ以上のペーパーディスクまたはペーパーストリップが、本明細書に提示される方法に利用される。特定の実施形態において、ペーパーディスクまたはペーパーストリップはろ紙である。使用できるろ紙の型の非限定的な例は、Whatman紙(VWR、Pennsylvania、U.S.A.)を含む。他の実施形態において、キットに含まれる組成物は、使用前に水和される乾燥ウェルの中である。特定の実施形態において、キットに含まれる組成物は、BBL(商標)Dryslide(商標)ニトロセフィン(BD Diagnostic Systems、USA)と類似の形態である。いくつかの実施形態において、キットに含まれる組成物がペーパーディスクまたはペーパーストリップまたは乾燥ウェルの形態である場合、基質利用は、目視検査により検出される。
ある実施形態において、キットに含まれる組成物は乾燥して、パネル、トレイ、カセットまたはプレート(例えば、マイクロタイタープレート)のウェル中に存在する。特定の実施形態において、キットに含まれる組成物は乾燥して、Phoenix(商標)Panel(BD、USA)、Vitek(登録商標)card(bioMerieux、USA)、BBL(商標)Crystal(商標)Identification System(BD、USA)用パネル、Remel RapID(商標)System(Remel、USA)用パネルまたはMicroScan panel(Dade Behring、USA)などのトレイ、カセットまたはパネルのウェル中に存在する。キットに含まれる組成物が、例えば熱を使用してウェル上またはウェル中に乾燥され得るところのウェルを有するパネルの説明に関して、例えば、特許文献1および特許文献2(これらはそれぞれ参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。いくつかの実施形態において、キットに含まれる組成物は乾燥して、API生物化学試験(bioMerieux、USA)用のチューブ中に存在する。
特定の実施形態において、キットに含まれる組成物は乾燥して、Phoenix(商標)Panel(BD、USA)のウェルおよびBD Phoenix(商標)Automated Microbiology System(BD、USA)などの自動システム中に存在し、基質利用の検出に使用される。基質利用の検出用自動システムの説明に関して、例えば特許文献1、特許文献4、特許文献3および特許文献5(これらはそれぞれ、参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。他の実施形態において、キットに含まれる組成物は乾燥して、BBL(商標)Crystal(商標)Identification System(BD、USA)用パネルのウェル中に存在し、BBL(商標)Crystal(商標)Identification System(BD、USA)などの自動システムが、基質利用の検出に使用される。他の実施形態において、キットに含まれる組成物は乾燥して、Vitek(登録商標)card(bioMerieux、USA)のウェル中に存在し、Vitek(登録商標)システム(bioMerieux、USA)などの自動システムが基質利用の検出に使用される。他の実施形態において、キットに含まれる組成物は乾燥し、MicroScan panel(Dade Behring、USA)のウェルおよびMicroScan Walk−Away(登録商標)システムなどの自動システム中に存在し、基質利用の検出に使用される。
いくつかの実施形態において、キットに含まれる組成物は、保存のために、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質および/または阻害剤を安定化させる、不活性成分を含む。例えば、キット中の組成物は、保存のために、組成物の安定化を促進するためのスクロースを含むことができる。
組成物に加えて、本明細書に提示されるキットは、このキットを使用し、特定のベータ−ラクタマーゼを検出するための指示書を含むことができる。特定の実施形態において、指示書は、陽性対照および陰性対照を、試験試料と並行して操作することを推奨する。いくつかの実施形態において、本明細書に提示されるキットは、1つまたは複数の特定のベータ−ラクタマーゼを発現しないことが知られている細菌試料(すなわち、陰性対照)を含む。他の実施形態において、本明細書に提示されるキットは、1つまたは複数の特定のベータ−ラクタマーゼを発現することが知られている細菌試料(すなわち、陽性対照)を含む。さらに他の実施形態において、本明細書に提示されるキットは、1つまたは複数の特定のベータ−ラクタマーゼを発現することが知られている細菌試料(すなわち、陽性対照)および1つまたは複数の特定のベータ−ラクタマーゼを発現しないことが知られている細菌試料(すなわち、陰性対照)を含む。いくつかの実施形態において、(1つまたは複数の)細菌対照は、凍結乾燥されている。
4.7 システム
本明細書に提示されるキットまたはキットの(1つまたは複数の)構成要素を含むシステムおよびコンピュータシステムと組み合わせて使用するためのコンピュータプログラム製品が本明細書に提示される。このようなシステムにおいて、コンピュータプログラム製品は、コンピュータにより読み取り可能な記憶媒体およびそこに内蔵されたコンピュータプログラム機構を含むことができる。コンピュータプログラム機構は、1つまたは複数の細菌試料中に、クラスAセリンカルバペネマーゼ、メタロ−ベータ−ラクタマーゼ、AmpCベータ−ラクタマーゼおよび/またはESBLを含む、特定のベータ−ラクタマーゼの存在を評価するための命令を含むことができる。いくつかの実施形態において、コンピュータプログラムは、以下:クラスAセリンカルバペネマーゼ、メタロ−ベータ−ラクタマーゼ、AmpCベータ−ラクタマーゼおよび/またはESBLの、1種、2種、3種またはそれ以上の存在を評価するための命令を含む。
特定の実施形態において、本明細書に記載のベータ−ラクタマーゼの存在を評価するために使用するシステムは、BD Phoenix(商標)Automated Microbiology System(BD、USA)と同じまたは類似である。例えば、このような自動システムの説明に関して、特許文献1、特許文献4、特許文献3および特許文献5(これらはそれぞれ、参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。他の実施形態において、本明細書に記載のベータ−ラクタマーゼの存在を評価するためのシステムは、BBL(商標)Crystal(商標)Identification System(BD、USA)と同じまたは類似である。他の実施形態において、本明細書に記載のベータ−ラクタマーゼの存在を評価するために使用するシステムは、bioMerieuxによるVitek(登録商標)自動システムと同じまたは類似である。他の実施形態において、本明細書に記載のベータ−ラクタマーゼの存在を評価するために使用するシステムは、Dade BehringによるMicroScan Walk−Away(登録商標)自動システムと同じまたは類似である。
本明細書に提示されるいくつかのシステムは、キットまたは本明細書に提示されるキットの1つまたは複数の構成要素、中央処理装置および中央処理装置に接続したメモリを有するコンピュータを含む。本明細書に提示されるいくつかのシステムは、キットまたは本明細書に提示されるキットの1つまたは複数の構成要素、コンピュータにより読み取り可能な媒体[ハンドヘルド(handheld)の蛍光光度計または分光光度計など]、中央処理装置および中央処理装置に接続したメモリを有するコンピュータを含む。メモリは、クラスAセリンカルバペネマーゼ、メタロ−ベータ−ラクタマーゼ、AmpCベータ−ラクタマーゼおよびESBLを含む、特定のベータ−ラクタマーゼの存在を評価するための命令を格納する。特定の実施形態において、メモリは、以下:クラスAセリンカルバペネマーゼ、メタロ−ベータ−ラクタマーゼ、AmpCベータ−ラクタマーゼおよびESBLの、1種、2種、3種またはそれ以上の存在を評価するための命令を格納する。いくつかの実施形態において、メモリは、本明細書に提示される方法の結果をリモートコンピュータに送信するための命令を含み、リモートコンピュータは1種、2種、3種またはそれ以上のベータ−ラクタマーゼの存在を評価するための命令を含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のように、クラスAセリンカルバペネマーゼ、メタロ−ベータ−ラクタマーゼ、AmpCベータ−ラクタマーゼおよび/またはESBLを含む、特定のベータ−ラクタマーゼの存在の評価結果を含む、コンピュータにより読み取り可能な媒体を含むコンピュータシステムが本明細書に提示される。いくつかの実施形態において、本明細書に提示されるコンピュータシステムは:
中央処理装置;
不揮発性主記憶装置、例えば、ソフトウェアおよびデータの格納用ハードディスクドライブ、記憶装置コントローラによりコントロールされる記憶装置;
システムコントロールプログラム、データ、ならびにアプリケーションプログラムを格納するための、不揮発性記憶装置からロードされたプログラムおよびデータを含む、高速ランダムアクセスメモリ(RAM)などのシステムメモリ[読み出し専用メモリ(ROM)もまた含むことができる。]、;
1つまたは複数のインプット装置(例えば、キーボード)およびディスプレイまたは他のアウトプット装置を含むユーザーインターフェイス;
任意の有線または無線の通信網(例えば、インターネットなどの広域ネットワーク)に接続するためのネットワークインターフェイスカード;
システムの前述の要素を相互に接続するための内部バス、及び前述の要素に電力を供給するための電源;
を含む。
コンピュータの動作は、中央処理装置により実行されるオペレーティングシステムにより主にコントロールされ得る。オペレーティングシステムは、システムメモリに格納できる。オペレーティングシステムに加えて、実行システムは、本明細書に提示される様々なファイルおよびデータ構造へのアクセスをコントロールするためのファイルシステム;本明細書に提示される方法に従った、1つまたは複数の決定則の構築において使用するための訓練データセット;訓練データの処理および決定則の構築のためのデータ分析アルゴリズムモジュール;1つまたは複数の決定則;ベータ−ラクタマーゼが存在するかどうかを決定するためのプロファイル評価モジュール;を含むことができる。
コンピュータは、ソフトウェアプログラムモジュールおよびデータ構造を含むことができる。データ構造はそれぞれ、限定するものではないが、フラットASCIIまたはバイナリファイル、Excelスプレッドシート、リレーショナルデータベース(例えば、SQL)またはオンライン分析処理(OLAP)データベース(例えば、MDXおよび/またはそれらの変形)を含む、データ記憶システムの任意の形態を含むことができる。いくつかの実施形態において、このようなデータ構造は、それぞれ、階層構造[例えば、スタースキーマ(star schema)]を含む、1つまたは複数のデータベースの形態である。いくつかの実施形態において、このようなデータ構造はそれぞれ、明確な階層を有さないデータベース(例えば、階層的に配置されないディメンション表)の形態である。
いくつかの実施形態において、記憶されたデータ構造またはコンピュータシステムにアクセス可能なデータ構造はそれぞれ、単一のデータ構造である。他の実施形態において、実際にこのようなデータ構造は、同じコンピュータがホストになることができる、または全くなれない複数のデータ構造(例えば、データベース、ファイル、アーカイブ)を含む。例えば、いくつかの実施形態において、訓練データセットは、コンピュータおよび/または広域ネットワークにわたるコンピュータによりアドレス可能な(複数の)コンピュータのどちらかに記憶された、複数のExcelスプレッドシートを含むことができる。他の例において、訓練セットは、コンピュータに記憶されたデータベース、または広域ネットワークにわたるコンピュータによりアドレス可能な1つもしくは複数のコンピュータにわたって分布するデータベースのどちらかを含むことができる。
上記のモジュールおよびデータ構造の多くが1つまたは複数のリモートコンピュータに配置できることが、認識されるであろう。例えば、いくつかの実施形態において、ウェブサービス型の実現が使用される。このような実施形態において、評価モジュールは、ネットワークを介してコンピュータと通信したクライアントのコンピュータに常駐することができる。いくつかの実施形態において、プロファイル評価モジュールは対話型ウェブページである。
いくつかの実施形態において、訓練データセットおよび/または決定則は単一のコンピュータ上にあり、他の実施形態において、このようなデータ構造およびモジュールの1つまたは複数は、1つまたは複数のリモートコンピュータをホストとする。1つまたは複数のコンピュータ上のデータ構造およびソフトウェアモジュールの任意の配置は、これらのデータ構造およびソフトウェアモジュールが、ネットワークにわたってまたは他の電子的手段によって相互にアドレス可能である限り、本明細書に提示されるシステムの範囲内である。
いくつかの実施形態において、搬送波に組み込まれたデジタル信号は、本明細書に提示される方法に関するデータを含む。いくつかの実施形態において、搬送波に組み込まれたデジタル信号は、細菌供給源中に特定のベータ−ラクタマーゼが存在するかどうかについての決定を含む。いくつかの実施形態において、グラフィカルユーザーインターフェイスが、細菌供給源中に特定のベータ−ラクタマーゼが存在するかどうかの決定のために提供される。グラフィカルユーザーインターフェイスは、リモートコンピュータから受け取る搬送波に組み込まれたデジタル信号にコードされた結果を表示するための、ディスプレイフィールドを含むことができる。
5.実施例
本明細書に提示される実施例は、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質および1つまたは複数のベータ−ラクタマーゼ阻害剤を使用して、特定のベータ−ラクタマーゼの存在を検出することの正確さおよび効率を実証する。
5.1カルバペネマーゼの検出
この実施例は、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質および1つまたは複数のベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む組成物が、試料中のカルバペネマーゼの存在を検出するために使用できることを実証する。
5.1.1 材料および方法
発色ベータ−ラクタマーゼ・アッセイ
代表的大腸菌(E.coil)の細菌株をそれぞれ、5%ヒツジ血液を含むTrypticase(商標)Soy Agarの寒天プレート上に画線し、プレートを35℃において18時間インキュベートした。その後、それぞれのプレートからの試料を、Microscan濁度リーダーによって測定して濁度が約1.6になるまでBD 2054 Falconチューブ中の1mlの滅菌水に加えた。50μlの細胞懸濁液を150μlの以下の組成物それぞれに加え、各組成物中の最終濃度を以下のようにした:(i)組成物1は、50μMのニトロセフィン、2mMのクロキサシリンおよび75mMのpH7.0リン酸緩衝液を含み、(ii)組成物2は、50μMのニトロセフィン、2mMのクロキサシリン、1mMのクラブラン酸および75mMのpH7.0リン酸緩衝液を含む。ニトロセフィンの色は、[クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)株に関して]10分後または(大腸菌(E.coli)および肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)に関して)1時間後に視覚的に評価した。ベータ−ラクタマーゼによるニトロセフィンの加水分解が、組成物の色を黄色から赤に変化させる。
イミペニムのMICアッセイ
イミペニムのMICアッセイを、CLSI(Clinical and Laboratory Standards Institute)の標準に従ったマイクロブロス希釈法により実施した。
5.1.2 結果
代表的大腸菌(E.coli)株に関する発色ベータ−ラクタマーゼアッセイの結果を以下の表7に要約する。下記の表8は、本明細書に記載のベータ−ラクタマーゼアッセイに基づく結論と、表7の同じ大腸菌(E.coli)株に関する、イミペニムのMICアッセイならびに等電点分離法(IEF)およびPCR試験によりあらかじめ決定されたベータ−ラクタマーゼプロファイルにより得られた結果とを比較する。発色ベータ−ラクタマーゼアッセイの結果に基づく結論は、カルバペネマーゼの存在の検出に関するイミペニムのMIC、IEFおよびPCRの結果に基づく結論と一致する。
Figure 0005628677
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代表的肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)株に関する発色ベータ−ラクタマーゼアッセイの結果を以下の表9に要約する。下記の表10は、本明細書に記載のベータ−ラクタマーゼアッセイに基づく結論と、表9の同じ肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)株に関する、イミペニムのMICアッセイならびに等電点分離法(IEF)およびPCR試験によりあらかじめ決定されたベータ−ラクタマーゼプロファイルにより得られた結果とを比較する。発色ベータ−ラクタマーゼアッセイの結果に基づく結論は、カルバペネマーゼの存在の検出に関する、イミペニムのMIC、IEFおよびPCRの結果に基づく結論と一致する。
Figure 0005628677
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代表的クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)株に関する発色ベータ−ラクタマーゼアッセイの結果を以下の表11に要約する。下記の表12は、本明細書に記載のベータ−ラクタマーゼアッセイに基づく結論と、イミペニムのMICアッセイならびに表11の同じクレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)株に関する等電点分離法(IEF)およびPCR試験によりあらかじめ決定されたベータ−ラクタマーゼのプロファイルにより得られた結果とを比較する。発色ベータ−ラクタマーゼアッセイの結果に基づく結論は、カルバペネマーゼの存在の検出に関するイミペニムのMIC、IEFおよびPCRの結果に基づく結論と一致する。
Figure 0005628677
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5.2 メタロ−ベータ−ラクタマーゼの検出
この実施例は、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質および1つまたは複数のベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む組成物が、試料中のメタロ−ベータ−ラクタマーゼの存在を検出するために使用できることを実証する。
5.2.1 材料および方法
発色ベータ−ラクタマーゼアッセイ
代表的肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)株をそれぞれ、5%ヒツジ血液を含むTrypticase(商標)Soy Agarの寒天プレート上に画線し、プレートを35℃において18時間インキュベートした。その後、それぞれのプレートからの肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)の試料を、Microscan濁度リーダーによって測定して濁度が約1.6になるまで、BD 2054 Falconチューブ中の1mlの滅菌水に加えた。50μlの細胞懸濁液を、以下の150μlの組成物それぞれに加え、各組成物中の最終濃度を以下のようにした:(i)組成物1は、50μMのニトロセフィン、2.5mMのクロキサシリンおよび50mMのpH7.0リン酸緩衝液を含み、(ii)組成物2は、50μMのニトロセフィン、2.5mMのクロキサシリン、1mMのクラブラン酸および50mMのpH7.0リン酸緩衝液を含み、ならびに(iii)組成物3は、50μMのニトロセフィン、2.5mMのクロキサシリン、1mMのクラブラン酸、5mMもしくは15mMの濃度のDEDTC、1.5mMもしくは4.5mMの濃度のDPCまたは9mMの濃度のTPENおよび50mMのpH7.0リン酸緩衝液を含む。ニトロセフィンの色は、30分後または1時間後に視覚的に評価した。ベータ−ラクタマーゼによるニトロセフィンの加水分解が、組成物の色を黄色から赤に変化させる。
イミペニムのMICアッセイ
イミペニムのMICアッセイを、CLSI(Clinical and Laboratory Standards Institute)の標準に従ったマイクロブロス希釈法により実施した。
5.2.2 結果
代表的肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)株に関する発色ベータ−ラクタマーゼアッセイの結果を以下の表13に要約する。アッセイにおいて、2種の異なる金属キレート剤の影響を、2種の異なる濃度で評価した。各組成物を、代表的菌株と共に30分間インキュベートし、その後目視検査によりアッセイの結果を評価した。以下の表14は、本明細書に記載の発色ベータ−ラクタマーゼアッセイに基づく結論と、表13の同じ肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)株に関する、イミペニムのMICアッセイならびに等電点分離法(IEF)およびPCR試験によりあらかじめ決定されたベータ−ラクタマーゼのプロファイルにより得られた結果とを比較する。発色ベータ−ラクタマーゼアッセイの結果に基づく結論は、試料中のメタロ−ベータ−ラクタマーゼの存在の検出に関する、イミペニムのMIC、IEFおよびPCRの結果に基づく結論と一致する。
Figure 0005628677
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代表的肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)(KLEPNEP)株および緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)(PSEAER)株に関する発色ベータ−ラクタマーゼアッセイの結果を、以下の表15に要約する。アッセイにおいて、2種の異なる金属キレート剤の影響を評価した。各組成物を、代表的菌株と共に60分間インキュベートし、その後目視検査によりアッセイの結果を評価した。以下の表16は、本明細書に記載のベータ−ラクタマーゼアッセイに基づく結論と、表15の同じ細菌株に関する、イミペニムのMICアッセイならびに等電点分離法(IEF)およびPCR試験によりあらかじめ決定されたベータ−ラクタマーゼのプロファイルにより得られた結果とを比較する。発色ベータ−ラクタマーゼアッセイの結果に基づく結論は、試料中のメタロ−ベータ−ラクタマーゼまたはセリンカルバペネマーゼの存在の検出に関する、イミペニムのMIC、IEFおよびPCRの結果に基づく結論と一致する。
Figure 0005628677
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5.3 AMPCベータ−ラクタマーゼの検出
この実施例は、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質および1つまたは複数のベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む組成物が、AmpCの存在を検出するために使用できることを実証する。
5.3.1 材料および方法
発色ベータ−ラクタマーゼアッセイ
代表的大腸菌(E.coil)株をそれぞれ、5%ヒツジ血液を含むTrypticase(商標)Soy Agarの寒天プレート上に画線し、プレートを35℃において18時間インキュベートした。その後、それぞれのプレートからの大腸菌(E.coil)の試料を、Microscan濁度リーダーによって測定して濁度が約1.6になるまで、BD 2054 Falconチューブ中の1mlの滅菌水に加えた。50μlの細胞懸濁液を150μlの以下の組成物それぞれに加え、各組成物中の濃度を以下のようにした:(i)組成物1は、50μMのニトロセフィンおよび50mMのpH7.0リン酸緩衝液を含み、(ii)組成物2は、50μMのニトロセフィン、5mMのクロキサシリン、および50mMのpH7.0リン酸緩衝液を含み、(iii)組成物3は、50μMのニトロセフィン、1mMのクラブラン酸および50mMのpH7.0リン酸緩衝液を含み、ならびに(iv)組成物4は、50μMのニトロセフィン、5mMのクロキサシリン、1mMのクラブラン酸および50mMのpH7.0リン酸緩衝液を含む。ニトロセフィンの色は、60分後に視覚的に評価した。ベータ−ラクタマーゼによるニトロセフィンの加水分解が、組成物の色を黄色から赤に変化させる。
セフォキシチンのMICアッセイ
セフォキシチンのMICアッセイを、CLSI(Clinical and Laboratory Standards Institute)の標準に従ったマイクロブロス希釈法により実施した。
5.3.2 結果
代表的大腸菌(E.coli)株に関する発色ベータ−ラクタマーゼアッセイの結果を以下の表17に要約する。下記の表18は、本明細書に記載のベータ−ラクタマーゼアッセイに基づく結論と、表17の同じ大腸菌(E.coli)株を使用した、セフォキシチンのMICアッセイならびに等電点分離法(IEF)およびPCR試験によりあらかじめ決定されたベータ−ラクタマーゼプロファイルにより得られた結果とを比較する。発色ベータ−ラクタマーゼアッセイの結果に基づく結論は、試料中のAmpCの存在の検出に関するセフォキシチンのMIC、IEFおよびPCRの結果に基づく結論と一致する。
Figure 0005628677
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5.4 ESBLの検出
この実施例は、検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質および1つまたは複数のベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む組成物が、ESBLの存在を検出するために使用できることを実証する。
5.4.1 材料および方法
発色ベータ−ラクタマーゼアッセイ
BDコレクションからの代表的大腸菌(E.coil)株および肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)株をそれぞれ、5%ヒツジ血液を含むTrypticase(商標)Soy Agarの寒天プレート上に画線し、プレートを35℃において18時間インキュベートした。その後、それぞれのプレートからの大腸菌(E.coil)または肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)の試料を、Microscan濁度リーダーによって測定して、所望の濁度(試料2〜5、8〜10は測定値1.5、試料1〜2は測定値1.0、試料6〜7は測定値0.5)になるまで、BD 2054 Falconチューブ中の1mlの滅菌水に加えた。50μlの細胞懸濁液を150μlの以下の組成物それぞれに加え、各組成物中の最終濃度を以下のようにした:(i)組成物1は、50μMのニトロセフィンおよび50mMのpH7.0リン酸緩衝液を含み、(ii)組成物2は、50μMのニトロセフィン、0.1mMのクラブラン酸および50mMのpH7.0リン酸緩衝液を含み、(iii)組成物3は、50μMのニトロセフィン、25mMのセフォタキシムおよび50mMのpH7.0リン酸緩衝液を含み、ならびに(iv)組成物4は、50μMのニトロセフィン、1.25mMのセフトリアキソン(Toku−E、Japan)および50mMのpH7.0リン酸緩衝液を含む。ニトロセフィンの色は、20分後または60分後に視覚的に評価した。ベータ−ラクタマーゼによるニトロセフィンの加水分解が、組成物の色を黄色から赤に変化させる。
MICアッセイ
CTX(セフォタキシム)、CAZ(セフォタキシム/クラブラン酸)、CAZ(セフタジジム)およびCCZ(セフタジジム/クラブラン酸)のMICアッセイを、CLSI(Clinical and Laboratory Standards Institute)の標準に従ったマイクロブロス希釈法により実施した。
5.4.2 結果
代表的大腸菌(E.coli)(ESCCOL)株および肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)(KLEPNEP)株に関する発色ベータ−ラクタマーゼアッセイの結果を、以下の表19に要約する。以下の表20は、本明細書に記載のベータ−ラクタマーゼアッセイに基づく結論と、表19の同じ菌株を使用した、セフォキシチンのMICアッセイならびに等電点分離法(IEF)およびPCR試験によりあらかじめ決定されたベータ−ラクタマーゼのプロファイルにより得られた結果とを比較する。発色ベータ−ラクタマーゼアッセイの結果に基づく結論は、試料中のESBLの存在の検出に関する、セフォキシチンのMIC、IEFおよびPCRの結果に基づく結論と一致する。
Figure 0005628677
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5.5 溶解試薬の存在下におけるベータ−ラクタマーゼの検出
この実施例は、in situでの細菌細胞の溶解およびベータ−ラクタマーゼの検出が、ベータ−ラクタマーゼアッセイの高レベルの感度を提供し、特定の細菌型(例えば、グラム陰性菌)により発現された、特定のベータ−ラクタマーゼを検出する場合、このことが特に有利であり得ることを実証する。
5.5.1 材料および方法
パネルの作製。ニトロセフィン、トレハロース、および/または細菌細胞を溶解するために使用する試薬を含むストック溶液を、pH6のMES緩衝液中に調製し、Phoenix(商標)panel(BD、USA)の底部のウェルに、1種のストック溶液を1つのウェルに分注した。その後、パネルを、オーブンでおよそ30分間およそ70℃において乾燥させた。その後、Phoenix panelの上部に底部を取り付け、接種準備のできたパネルシステムを形成した。Phoenix panelへの接種後の、再水和の後の試薬濃度は、0.1MのpH6 MES緩衝液中に3mg/mlのリゾチーム、1mMのEDTAおよび1%トレハロースであった。
接種および溶解試験。大腸菌(E.coli)および肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)などの細菌の代表的菌株を、それぞれ、5%ヒツジ血液を含むTrypticase(商標)Soy Agarの寒天プレート(BD、USA)上に画線し、プレートを35℃において18時間インキュベートした。その後、各プレートの純粋培養由来のコロニーをBD Phoenix IDブロス(BD、USA)に接種し、所望の濁度の約0.5MacFarlandに調節した。次いで、細菌細胞懸濁液を、細胞溶解試験のために特に作製したPhoenix panelのID側に注いだ。接種したら、パネルを、Phoenixの計器にかけ、ニトロセフィンの加水分解率を比色シグナルの変化により、20分ごとに16時間モニターした。
微生物。本明細書において試験した菌株中のベータ−ラクタマーゼの存在を、等電点分離(IEF)ゲル電気泳動、PCR試験またはMICアッセイにより、あらかじめ特徴づけ、これらはCLSI(Clinical and Laboratory Standards Institute)の標準に従ったマイクロブロス希釈法により実施した。
5.5.2 結果
以下の表21に示すように、細胞内ベータ−ラクタマーゼを包含するいくつかの菌株は、溶解試薬の不在下で、ニトロセフィン活性が比較的低い(<=4 Phoenix panelにおいて10時間以内)。Phoenixのウェルに溶解試薬を加えると、それらの細胞によるニトロセフィンの加水分解率が有意に改善された。いくつかの菌株は、溶解試薬の不在下でも比較的高いニトロセフィン活性を示した(>4 Phoenix panelにおいて10時間以内)。それらの菌株に関して、溶解試薬の存在は変化をもたらさないか、またはニトロセフィン活性にわずかな改善をもたらすだけであった。溶解試薬は、細菌株により発現されたベータ−ラクタマーゼのニトロセフィン活性を阻害しなかった。リゾチームまたはEDTAは、単独または組合せでも、ニトロセフィンを加水分解しなかった。任意の理論に縛られるものではないが、ニトロセフィンの加水分解率における改善は、より多くのベータ−ラクタマーゼが細胞膜周辺腔から多く放出され、したがって、より多くのベータ−ラクタマーゼが、基質であるニトロセフィンにアクセス可能になることが主な原因であると考えられる。
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均等物
当業者らは、日常的な実験を使用するだけで、本明細書において記載される、本発明の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識し、または確認することができるであろう。そのような均等物は、以下の特許請求の範囲によって包含されることが意図される。
本明細書において言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、個々の各刊行物、特許、または特許出願が、参照により本明細書に組み込まれるように、明確に、個々に示されるのと同じ程度まで、参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書における参考文献の引用または論述は、そのようなものが本発明に対する先行技術であるということを認めるものとして解釈されないものとする。

Claims (48)

  1. ベータ−ラクタマーゼの存在を検出するための方法であって、
    (a)i.検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびAmpC阻害剤を含む第1の組成物と第1の細菌試料を接触させ、かつ
    ii.検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ならびに基質特異性拡張型ベータ−ラクタマーゼ(ESBL)および元の基質特異性のベータ−ラクタマーゼ(OSBL)を阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第2の組成物と第2の細菌試料を接触させるステップであって、前記第1の細菌試料および前記第2の細菌試料は、同じ供給源由来である、ステップと、
    (b)前記第1の組成物および前記第2の組成物における基質の利用を検出するステップと
    を含み、前記基質が前記第1の組成物および前記第2の組成物において利用された場合、ベータ−ラクタマーゼは検出され、前記ベータ−ラクタマーゼは、クラスAセリンカルバペネマーゼまたはメタロ−ベータ−ラクタマーゼであることを特徴とする方法。
  2. ベータ−ラクタマーゼの存在を検出するための方法であって、
    (a)i.検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびAmpC阻害剤を含む第1の組成物と第1の細菌試料を接触させ、
    ii.検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第2の組成物と第2の細菌試料を接触させ、かつ
    iii.検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤、ならびに金属キレート剤を含む第3の組成物と第3の細菌試料を接触させるステップであって、前記第1の細菌試料、前記第2の細菌試料、および前記第3の細菌試料は、同じ供給源由来である、ステップと、
    (b)前記第1の組成物、前記第2の組成物、および前記第3の組成物における基質の利用を検出するステップとを含み、
    i.前記第1の組成物、前記第2の組成物、および前記第3の組成物における基質が利用された場合、クラスAセリンカルバペネマーゼであるベータ−ラクタマーゼが検出され、
    ii.前記第1の組成物および前記第2の組成物における基質は利用されたが、前記第3の組成物における基質は利用されなかった場合、メタロ−ベータ−ラクタマーゼであるベータ−ラクタマーゼが検出されることを特徴とする方法。
  3. ベータ−ラクタマーゼを検出するための方法であって、
    (a)i.検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびAmpC阻害剤を含む第1の組成物と第1の細菌試料を接触させ、
    ii.検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第2の組成物と第2の細菌試料を接触させ、
    iii.検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤、ならびに金属キレート剤を含む第3の組成物と第3の細菌試料を接触させ、かつ
    iv.検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第4の組成物と第4の細菌試料を接触させるステップであって、前記第1の細菌試料、前記第2の細菌試料、前記第3の細菌試料、および前記第4の細菌試料は、同じ供給源由来である、ステップと、
    (b)前記第1の組成物、前記第2の組成物、前記第3の組成物、および前記第4の組成物における基質の利用を検出するステップとを含み、
    i.前記第1の組成物、前記第2の組成物、前記第3の組成物、および前記第4の組成物における基質が利用された場合、クラスAセリンカルバペネマーゼであるベータ−ラクタマーゼが検出され、
    ii.前記第1の組成物、前記第2の組成物、および前記第4の組成物における基質は利用されたが、前記第3の組成物における基質は利用されなかった場合、メタロ−ベータ−ラクタマーゼであるベータ−ラクタマーゼが検出され、
    iii.前記第4の組成物における基質は利用されたが、前記第1の組成物、前記第2の組成物、および前記第3の組成物における基質は利用されなかった場合、AmpCであるベータ−ラクタマーゼが検出されることを特徴とする方法。
  4. ベータ−ラクタマーゼの存在を検出するための方法であって、
    (a)i.検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびAmpC阻害剤を含む第1の組成物と第1の細菌試料を接触させ、
    ii.検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量のセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第2の組成物と第2の細菌試料を、
    iii.検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、クラスAセリンカルバペネマーゼではなくESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤、ならびに金属キレート剤を含む第3の組成物と第3の細菌試料を接触させ、
    iv.検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第4の組成物と第4の細菌試料を接触させ、かつ
    v.検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびESBL阻害剤を含む第5の組成物と第5の細菌試料を接触させるステップであって、前記第1の細菌試料、前記第2の細菌試料、前記第3の細菌試料、前記第4の細菌試料、および前記第5の細菌試料は、同じ供給源由来である、ステップと、
    (b)前記第1の組成物、前記第2の組成物、前記第3の組成物、前記第4の組成物、および前記第5の組成物における基質の利用を検出するステップと
    を含み、
    i.前記第1の組成物における基質は利用されたが、前記第2の組成物、前記第3の組成物、前記第4の組成物、および前記第5の組成物における基質は利用されなかった場合、ESBLであるベータ−ラクタマーゼが検出され、
    ii.前記第4の組成物における基質は利用されたが、前記第1の組成物、前記第2の組成物、および前記第3の組成物における基質は利用されなかった場合、AmpCであるベータ−ラクタマーゼが検出され、
    iii.前記第1の組成物、前記第2の組成物、および前記第4の組成物における基質は利用されたが、前記第3の組成物における基質は利用されなかった場合、メタロ−ベータ−ラクタマーゼであるベータ−ラクタマーゼが検出され、
    iv.前記第1の組成物、前記第2の組成物、前記第3の組成物、および前記第4の組成物における基質が利用された場合、クラスAセリンカルバペネマーゼであるベータ−ラクタマーゼが検出されることを特徴とする方法。
  5. 前記セリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤は、クラブラン酸、タゾバクタム、スルバクタム、またはそれらの塩形態であることを特徴とする請求項1、2、3、または4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記セリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤は、クラブラン酸またはその塩形態であることを特徴とする請求項1、2、3、または4のいずれかに記載の方法。
  7. ESBLおよびOSBLを阻害するのに十分だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないクラブラン酸の量は、約0.01mMから約100mMであり、ここで、前記「約」とは修飾されている値のせいぜい20%まで、上回る、または下回る値をいう、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 前記AmpC阻害剤は、syn2190であることを特徴とする請求項1、2、3、または4のいずれかに記載の方法。
  9. 前記AmpC阻害剤は、ボロン酸またはその誘導体であることを特徴とする請求項1、2、3、または4のいずれかに記載の方法。
  10. 前記AmpC阻害剤は、クロキサシリンまたはその塩形態であることを特徴とする請求項1、2、3、または4のいずれかに記載の方法。
  11. クロキサシリンは、約0.01mMから約100mMの濃度で存在し、ここで、前記「約」とは修飾されている値のせいぜい20%まで、上回る、または下回る値をいう、ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 前記ESBL阻害剤は、セフォタキシム、セフタジジム、またはそれらの塩形態であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  13. 前記金属キレート剤は、ジピコリン酸(DPC)、ジエチルジチオカルバメート(DEDTC)、N,N,N’N’−テトラキス−(2−ピリジルメチル)−エチレンジアミン(TPEN)、EDTA、2,3−ジメルカプト−1−プロパンスルホン酸(DMPS)、または1,10−フェナントロリンであることを特徴とする請求項2、3、または4のいずれかに記載の方法。
  14. 前記検出可能な基質は、PADAC(商標)、CENTA(商標)、またはHMRZ−86であることを特徴とする請求項1、2、3、または4のいずれかに記載の方法。
  15. 前記検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質は、ニトロセフィンであることを特徴とする請求項1、2、3、または4のいずれかに記載の方法。
  16. ニトロセフィンは、約1μMから約1mMの濃度で存在し、ここで、前記「約」とは修飾されている値のせいぜい20%まで、上回る、または下回る値をいうことを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 前記基質の利用は、前記細菌試料と前記組成物を接触させた後の、約2分から約5時間以内に検出され、ここで、前記「約」とは修飾されている値のせいぜい20%まで、上回る、または下回る値をいうことを特徴とする請求項1、2、3、または4のいずれかに記載の方法。
  18. 前記基質の利用は、前記細菌試料と前記組成物を接触させた後の、約2分から約1時間以内に検出され、ここで、前記「約」とは修飾されている値のせいぜい20%まで、上回る、または下回る値をいうことを特徴とする請求項1、2、3、または4のいずれかに記載の方法。
  19. 前記基質の利用は、前記細菌試料と前記組成物を接触させた後の、約2分から約10分以内に検出され、ここで、前記「約」とは修飾されている値のせいぜい20%まで、上回る、または下回る値をいうことを特徴とする請求項1、2、3、または4のいずれかに記載の方法。
  20. 前記基質の利用は、前記組成物のスペクトル変化または蛍光変化を評価することによって検出されることを特徴とする請求項1、2、3、または4のいずれかに記載の方法。
  21. 前記細菌試料は、細菌感染症を有することが疑われるヒトから得られることを特徴とする請求項1、2、3、または4のいずれかに記載の方法。
  22. 各組成物は、溶解試薬を含むことを特徴とする請求項1、2、3、または4のいずれかに記載の方法。
  23. 各組成物は、溶解試薬および溶解試薬の安定化を促進する作用物質を含むことを特徴とする請求項1、2、3、または4のいずれかに記載の方法。
  24. 各組成物は、溶解試薬、溶解試薬の安定化を促進する作用物質、および溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質を含むことを特徴とする請求項1、2、3、または4のいずれかに記載の方法。
  25. 各組成物は、リゾチームおよびトレハロースを含むことを特徴とする請求項1、2、3、または4のいずれかに記載の方法。
  26. 各組成物は、リゾチーム、トレハロース、およびEDTAを含むことを特徴とする請求項1、2、3、または4のいずれかに記載の方法。
  27. 各組成物は、異なる固体支持体上または固体支持体中で乾燥して、存在することを特徴とする請求項24に記載の方法。
  28. 各組成物は、異なる固体支持体上または固体支持体中で乾燥して、存在することを特徴とする請求項26に記載の方法。
  29. ベータ−ラクタマーゼの存在を検出するためのキットであって、1つまたは複数の容器中に、
    (a)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびAmpC阻害剤を含む第1の組成物と、
    (b)検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第2の組成物とを含むことを特徴とするキット。
  30. 検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質、AmpC阻害剤、ESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤、ならびに金属キレート剤を含む第3の組成物をさらに含むことを特徴とする請求項29に記載のキット。
  31. 検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第4の組成物をさらに含むことを特徴とする請求項30に記載のキット。
  32. 検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質ならびにESBLおよびOSBLを阻害するのに十分な量だがクラスAセリンカルバペネマーゼを阻害するのには十分な量ではないセリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤を含む第3の組成物をさらに含むことを特徴とする請求項29に記載のキット。
  33. 検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびESBL阻害剤を含む第3の組成物をさらに含むことを特徴とする請求項29に記載のキット。
  34. 検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質およびESBL阻害剤を含む第5の組成物をさらに含むことを特徴とする請求項31に記載のキット。
  35. 前記検出可能なベータ−ラクタマーゼ基質は、ニトロセフィン、PADAC(商標)、CENTA(商標)、またはHMTZ−86であることを特徴とする請求項29、30、31、32、33、または34のいずれかに記載のキット。
  36. 前記AmpC阻害剤は、クロキサシリン、クロキサシリンの塩形態、syn2190、ボロン酸、またはボロン酸誘導体であることを特徴とする請求項29、30、31、32、33、または34のいずれかに記載のキット。
  37. 前記セリンベータ−ラクタマーゼ阻害剤は、クラブラン酸、タゾバクタム、スルバクタム、またはその塩形態であることを特徴とする請求項29、30、31、32、33、または34のいずれかに記載のキット。
  38. 前記ESBL阻害剤は、セフォタキシム、セフタジジム、またはそれらの塩形態であることを特徴とする請求項33または34に記載のキット。
  39. 前記金属キレート剤は、DPC、DEDTC、TPEN、EDTA、DMPS、または1,10−フェナントロリンであることを特徴とする請求項30、31、または34のいずれかに記載のキット。
  40. 各組成物は、溶解試薬を含むことを特徴とする請求項29、30、31、32、33、または34のいずれかに記載のキット。
  41. 各組成物は、溶解試薬および溶解試薬の安定化を促進する作用物質を含むことを特徴とする請求項29、30、31、32、33、または34のいずれかに記載のキット。
  42. 各組成物は、溶解試薬、溶解試薬の安定化を促進する作用物質、および溶解試薬による細菌細胞の溶解を亢進する作用物質を含むことを特徴とする請求項29、30、31、32、33、または34のいずれかに記載のキット。
  43. 各組成物は、リゾチームおよびトレハロースを含むことを特徴とする請求項29、30、31、32、33、または34のいずれかに記載のキット。
  44. 各組成物は、リゾチーム、トレハロース、およびEDTAを含むことを特徴とする請求項29、30、31、32、33、または34のいずれかに記載のキット。
  45. 各組成物は、異なる固体支持体上または固体支持体中で乾燥して、存在することを特徴とする請求項29、30、31、32、33、または34のいずれかに記載のキット。
  46. 各組成物は、異なる固体支持体上または固体支持体中で乾燥して、存在することを特徴とする請求項40に記載のキット。
  47. 各組成物は、異なる固体支持体上または固体支持体中で乾燥して、存在することを特徴とする請求項41に記載のキット。
  48. 各組成物は、異なる固体支持体上または固体支持体中で乾燥して、存在することを特徴とする請求項42に記載のキット。
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