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JP5618038B2 - エリスロポエチン応答性の診断方法 - Google Patents

エリスロポエチン応答性の診断方法 Download PDF

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Description

本発明は、新規エリスロポエチン阻害物質のレベルを指標とした被験者のエリスロポエチン応答性の診断方法に関する。
エリスロポエチン(erythropoietin: EPO)は、主に腎臓で生成される165アミノ酸からなる造血ホルモンで、骨髄に作用して赤血球を増加させる。わが国では、1990年に組換え型ヒトエリスロポエチン製剤が上市され、これまで腎性貧血や未熟児貧血等の治療に多くの福音をもたらしてきた。しかしながら、貧血患者のなかには、エリスロポエチン不応性あるいは低反応性の症例もみられ、臨床的には、その病態解明と克服が大きな課題となっている。
体内に外来性のホルモンを投与した場合、これに対する抗体が産生され、ホルモンと結合してその活性を失われることがある。近年、欧州を中心として、エリスロポエチン製剤の投与を受けた患者において、抗エリスロポエチン抗体の産生を伴う赤芽球癆の発症が報告されている(非特許文献1〜3)。赤芽球癆は純赤血球無形成症ともいわれ、赤芽球系細胞の形成が低下し、骨髄における赤血球が激減して貧血症状を呈する病態である。
わが国でも、赤芽球癆を合併した透析患者2例について、抗エリスロポエチン抗体や抗エリスロポエチン受容体抗体の存在が検討されたがいずれも陰性であった(非特許文献4)。また、エリスロポエチン低反応性症例101例について抗エリスロポエチン抗体価の測定も行われたが、いずれの症例にも抗体は検出されず、エリスロポエチン反応性の低下が抗エリスロポエチン抗体によるものとは思われなかった(非特許文献5)。
Casadevall N., et al., N. Engl. J. Med., 2002,; 346: 469-475 Peces R., et al., N. Engl. J. Med., 1996; 335: 523-524 Parbhakar S. S., Clin Nephrol., 1997; 47: 331-335 西忠博、武藤良知、十念雅浩、樋口正人、今井信雄、第11回腎とエリスロポエチン研究会Proceedings 「一般演題6 赤芽球癆(PRCA)を合併した透析患者の2例」、ライフサイエンス出版、2003、p27-31 樋口正人、第11回腎とエリスロポエチン研究会Proceedings 「追加発言 抗エポジン(エポエチンベータ)抗体測定の状況」、ライフサイエンス出版、2003、p32-34
本発明の課題は、エリスロポエチン不応性あるいは低応答性症例の原因を明らかにすることにより、エリスロポエチンの効果を投与前に判定する手法を確立することで、貧血治療におけるテイラーメイド医療の実現にある。
発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討し、エリスロポエチン不応性あるいは低応答性患者の血清中に、エリスロポエチン受容体を介したエリスロポエチンの作用を中和する物質(新規エリスロポエチン阻害物質)が存在することを初めて確認した。そして、このエリスロポエチン阻害物質を検出することにより、貧血患者のエリスロポエチン応答性を投与前に予測できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、被験者から単離した末梢血、尿、組織抽出液等のサンプル中における、エリスロポエチン受容体と特異的に結合し、エリスロポエチン受容体を介したエリスロポエチンの作用を中和するエリスロポエチン阻害物質のレベルを検出することにより、当該被験者のエリスロポエチン応答性を診断する方法に関する。
前記方法において、エリスロポエチン阻害物質は、エリスロポエチン受容体またはその断片に特異的に結合して、エリスロポエチン受容体を介したエリスロポエチンの作用を中和する活性を有するエリスロポエチン受容体結合性物質である。
前記方法では、被験者から単離したサンプル中に前記エリスロポエチン阻害物質の存在が確認された場合に、前記被験者はエリスロポエチン不応性あるいは低応答性と診断する。
前記エリスロポエチン阻害物質のレベルは、公知の免疫学的方法、たとえば、免疫沈降法、ならびにウエスタンブロット法、ドットブロット法、スロットブロット法、ELISA法、及びRIA法を含む固相免疫法あるいはこれらの変法から選ばれる少なくとも1つ以上によって測定可能である。
好ましくは、エリスロポエチン阻害物質のレベルは免疫沈降法及び/又はELISA法により測定する。
本発明はエリスロポエチン応答性の診断用キットも提供する。前記キットは、その必須構成要素として、エリスロポエチン受容体又はその断片を含む。エリスロポエチン受容体又はその断片の好適な一例としては、エリスロポエチン受容体細胞外ドメインまたはその断片を挙げることができる。
前記エリスロポエチン受容体又はその断片は、チップ、チューブ、ビーズ等の適当な固相に固定化されていてもよいし、固定可能なように固相支持体を別途キットに含んでいてもよい。
本発明のキットは、さらに、二次抗体、抗体固定用固相支持体、検出試薬、反応用緩衝液、酵素、及び基質など、エリスロポエチン阻害物質検出に必要な他の要素を含んでいてもよい。
本発明によれば、貧血患者のエリスロポエチン応答性を投与前に予測し、個々の患者の特性に合わせた安全かつ効果的な治療計画を立てることができる。さらに、本発明で見出された新規エリスロポエチン阻害物質のレベルを利用することにより、各種貧血の成因と病態の解析や新規貧血分類が可能になる。
1.貧血とエリスロポエチン応答性
前述したように、エリスロポエチンは主に腎臓で生成される165アミノ酸からなる造血ホルモンで、赤血球をつくる骨髄細胞のエリスロポエチン受容体を刺激し、赤血球の産生を増加させる。ちなみにエリスロポエチン受容体は、2つの部分からなり、エリスロポエチンはこれら2つの受容体分子を橋渡しするように結合することで、受容体を刺激し赤血球産生を促す。
現在、エリスロポエチンは腎性貧血等の貧血の治療に使用されているが、その効果には個人差があり、エリスロポエチンの効果が全く奏功しないエリスロポエチン不応性貧血や効果が低いエリスロポエチン低応答性貧血もみられる。本発明では、被験者から単離された末梢血等のサンプルを用いて、当該被験者のエリスロポエチンに対する応答性を投与前に簡便に診断する方法を提供する。
本発明において、「エリスロポエチン応答性」とは、エリスロポエチンに対する被験者の応答、すなわち、当該被験者においてエリスロポエチンが所定の活性(赤血球の増加による造血作用)を奏するかどうかを意味する。ここで、エリスロポエチンは、外因性であっても内因性であってもよく、また前記した活性(赤血球の増加による造血作用)を有する限り、天然のエリスロポエチンであっても、組換え型エリスロポエチン(天然型組換えエリスロポエチン及び非天然型組換えエリスロポエチン)であっても、PEG化エリスロポエチンなどの製剤化されたエリスロポエチンであってもよい。
本発明において、被験者は、エリスロポエチンの投与を必要とする対象であって、たとえば、貧血を伴う腎不全患者や、膠原病患者、がん患者、糖尿病患者、老人性貧血患者、原因不明の貧血等を挙げることができる。
2.新規エリスロポエチン阻害物質
発明者らは、エリスロポエチン不応性あるいは低応答性の患者から単離した血清中に、ヒトエリスロポエチン受容体の細胞外ドメインに特異的に結合する物質が共通して存在することを見出した。さらに、エリスロポエチン受容体を発現しているヒト前赤芽球性白血病細胞株(AS-E2)のエリスロポエチン依存性増殖が、この物質の添加によって、濃度依存的に抑制されることを明らかにした。これらの結果から、この物質がエリスロポエチン受容体と特異的に結合し、エリスロポエチン受容体を介したエリスロポエチンの作用を中和する活性を有するものと推定した。そして、血清中におけるこの物質のレベル(あるいは有無)と臨床的特徴や治療経過との関係を解析することにより、当該物質が被験者のエリスロポエチン応答性を予測する指標となりうることを実証した。以下、この物質を「エリスロポエチン阻害物質」と呼ぶ。
すなわち、本発明にかかる「エリスロポエチン阻害物質」とは、エリスロポエチン受容体あるいはその断片と特異的に結合し、エリスロポエチン受容体を介したエリスロポエチンの作用を中和するエリスロポエチン受容体結合性物質である。エリスロポエチン不応性あるいは低応答性患者では、先天的あるいは後天的にこの抗エリスロポエチン受容体抗体が産生されるために、エリスロポエチンの効果が十分に発揮されないものと思われる。
3.エリスロポエチン応答性の判定
3.1 試料の調製
本発明の検査方法は、被験者から採取した末梢血、尿、組織抽出液等のサンプルを用いて非侵襲的に行われる。検体が血液の場合は、必要に応じて高速遠心を行うことにより不溶性の物質を除去した後、その後の検出方法に応じて適宜調製される。
ELISA/RIA(あるいはこれらの変法)用試料は、例えば、回収した末梢血・血清又は血漿をそのまま使用するか、緩衝液で適宜希釈したものを用いる。ウエスタンブロット用(電気泳動用)試料は、例えば、上記末梢血・血清又は血漿をそのまま使用するか、緩衝液で適宜希釈して、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動用の2−メルカプトエタノールを含むサンプル緩衝液(シグマ社製等)と混合したものを用いる。ドット/スロットブロット用試料は、例えば、上記末梢血・血清又は血漿そのもの、又は緩衝液で適宜希釈したものを用いる。
3.2 エリスロポエチン阻害物質の検出
指標とするエリスロポエチン阻害物質のレベルは、エリスロポエチン受容体との特異的結合を利用した生化学的方法を用いて検出することができる。ここで「レベル」とは当該エリスロポエチン阻害物質の量に限定されず、これを間接的に示す力価(抗体価等)も含む。
前記生化学的方法としては、たとえば、免疫沈降法や、ウエスタンブロット法、ドットブロット法、スロットブロット法、ELISA法、及びRIA法を含む固相免疫法あるいはこれらに改変を加えた公知の変法等を挙げることができる。
検出に用いられるエリスロポエチン受容体分子は、公知の方法にしたがって調製できる。すなわち、エリスロポエチン受容体の細胞外ドメインあるいはその一部をコードするcDNAを発現可能なベクターを作製し、これを適当な宿主細胞に導入して該遺伝子を発現させればよい。エリスロポエチン受容体の配列は既に公知であり、その細胞外ドメインcDNA配列を配列表の配列番号1に示す。
免疫沈降法による検出の場合、例えば、被験者から単離した血清に、標識したエリスロポエチン受容体あるいはその断片を加えて放置し、遠心分離等によってエリスロポエチン受容体とエリスロポエチン阻害物質の複合体を沈殿として回収する。回収された沈殿について、用いた標識の蛍光あるいは放射活性を測定することにより、エリスロポエチン阻害物質の検出を行なう。
ELISAによる検出の場合、市販のELISAプレートに前述のエリスロポエチン受容体の細胞外ドメインあるいはその断片を固定する。ここに、被験者の血清を添加し、標識されたエリスロポエチン又は二次抗体を添加して酵素反応の生成物を検出する。前記標識の種類として好ましいものは、酵素(アルカリホスファターゼ又は西洋ワサビペルオキシダーゼ)又はビオチン(ただし二次抗体のビオチンにさらに酵素標識ストレプトアビジンを結合させる操作が加わる)であるが、これらに限定されない。標識二次抗体(又は標識ストレプトアビジン)としては、予め標識された抗体(又はストレプトアビジン)が、各種市販されている。
なお、RIAの場合は125I等の放射性同位元素で標識された抗体を用い、測定はガンマーカウンター等を用いて行う。
これら標識された酵素の活性を検出することにより、エリスロポエチン阻害物質のレベルが測定される。アルカリホスファターゼ又は西洋ワサビペルオキシダーゼで標識する場合、これら酵素の触媒により発色する基質や発光する基質が市販されている。
発色する基質を用いた場合、ウエスタンブロット法やドット/スロットブロット法を利用すれば、目視で検出できる。ELISA法では、市販のマイクロプレートリーダーを用いて各ウェルの吸光度又は蛍光強度(測定波長は基質により異なる)を測定することが好ましい。
一方、発光する基質を使用した場合は、ウエスタンブロット法やドット/スロットブロット法においては、X線フィルム又はイメージングプレートを用いたオートラジオグラフィーや、インスタントカメラを用いた写真撮影により検出することができる。また、デンシトメトリーやモレキュラー・イメージャーFxシステム(バイオラッド社製)等を利用した定量も可能である。さらに、ELISA法で発光基質を用いる場合は、発光マイクロプレートリーダー(例えば、バイオラッド社製等)を用いて酵素活性を測定する。
本発明の実施例では、検出方法の一例として、ELISAと放射免疫沈降法を用いた方法を提示する。
3.3 判定・評価
被験者から単離したサンプル中からエリスロポエチン受容体あるいはその断片と特異的に結合する物質が検出された場合、当該被験者はエリスロポエチン投与に対して、低応答性あるいは不応答性である可能性が高いと判定・評価できる。
前記評価では、必要に応じて、エリスロポエチン、インターロイキン6等の他のサイトカインや抗体のレベル、血清鉄等も合わせて評価の指標としてもよい。
4.診断用キット
本発明はまた、エリスロポエチン応答性の診断用キットを提供する。本発明のキットは、必須の構成要素としてエリスロポエチン受容体又はその断片(あるいはエリスロポエチン受容体の細胞外ドメイン又はその断片)を含む。このエリスロポエチン受容体の細胞外ドメイン又はその断片は、前項の記載に基づき、遺伝子組換え法により調製することができる。
前記エリスロポエチン受容体又はその断片(あるいはエリスロポエチン受容体の細胞外ドメイン又はその断片)の由来は、本発明にかかるエリスロポエチン阻害物質が検出可能であれば特に限定されないが、ヒト由来であることが好ましい。
前記したエリスロポエチン受容体又はその断片は、適当な標識によりラベル(例えば、酵素標識、放射性標識、蛍光標識等)されていてもよいし、ビオチン等により適当に修飾されていてもよい。また、前記エリスロポエチン受容体又はその断片は、目的とする検出方法に応じて、適当な支持体に固相化されていてもよいし、あるいは固相化可能なように支持体がキットに含まれていてもよい。そのような支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド等の蛋白を付着可能な合成樹脂、ガラス、ニトロセルロース、セルロース、及びアガロース製の支持体、あるいはゲル型支持体を使用することができる。支持体の形態は特に限定されないが、極小球あるいはビーズ(例えば“ラテックス”ビーズ)などの微粒子、微量遠心チューブなどのチューブ(内壁)、マイクロタイタープレート(ウェル)等の形態で提供される。
本発明のキットは上記した構成要素のほか、必要に応じて、二次抗体、ラベル体の検出のための試薬、反応用緩衝液、酵素、基質等、本発明の実施に必要な他の要素を含んでいてもよい。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例:
1.材料
(1)ヒトエリスロポエチン受容体
ヒトエリスロポエチンの細胞外ドメインのcDNA配列(配列番号1)を発現ベクター(Invitrogen)に組み込み、CHO細胞に導入して発現させ組換えヒトエリスロポエチン細胞外ドメイン(rhEPO細胞外ドメイン)を得た。
(2)抗ヒトエリスロポエチン抗体および抗ヒトエリスロポエチン受容体抗体
ウサギ抗ヒトエリスロポエチン(EPO)ポリクローナル抗体は、遺伝子組換えヒトEPO(中外製薬)を常法に従ってウサギに感作して作製した。マウス抗ヒトEPO受容体モノクローナル抗体は、遺伝子組換え可溶型ヒトEPO受容体をマウスに感作し、常法に従って樹立したハイブリドーマより作製した。
(3)EPO受容体発現細胞 AS-E2
EPO受容体発現細胞 AS-E2は中外製薬より供与されたものを用いた(文献:Miyazaki Y. Kuriyama K. Higuchi M. Tsushima H. Sohda H. Imai N. Saito M. Kondo T. Tomonaga M. Establishment and characterization of a new erythropoietin-dependent acute myeloid leukemia cell line, AS-E2. Leukemia. 11(11):1941-9, 1997 Nov.:受託番号FERM BP-04819)。このAS-E2細胞はEPO阻害物質の存在により増殖阻害を受ける。
2.対象
(1)患者背景
金沢大学医学部附属病院血液浄化療法部に入院あるいは通院した患者のうち、腎不全、SLEと診断された107例(腎不全9例(男性7例、女性2例)、SLE患者41例(男性2例、女性39例))、抗好中球細胞質抗体陽性血管炎23例(男性8例、女性15例)他の膠原病34例(男性8例、女性26例)、及びネガティブコントロールとして健常人プール血清(Chemicon International Inc.製)を対象とした。なお、被験者からは、金沢大学倫理委員会の承認のもと、あらかじめインフォームドコンセントを得ている。
(2)血清の採取
常法にしたがい被験者の末梢血を採取し、遠心して血清を調製した。
3.試験方法
(1)ELISA
・固相化プレートの作成
1) 可溶性ヒトEPO受容体(sEpoR)又はEPOを0.2M 炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH9.5)で5μg/mLに希釈し、0.1mL/wellになるよう96 well Plate(Nunc社) に分注。
2) 4℃で24時間インキュベート。
3) Plate内の溶液を除去した後、0.3mL/wellの0.05% Tween 20/TBSで1回Washし、1%BSA/PBSを0.3mL/wellになるよう添加して4℃保存(Blocking)。
・ELISA
1) Plateを0.3mL/wellの 0.05% Tween 20/TBSで1回洗浄したのち、1% BSA/PBSで1000倍希釈した血清サンプルを100μg/well添加し、4℃で20時間インキュベート。
2) Plate内の溶液を除去したのち、ウェル当たり0.3mLの0.05% Tween 20/TBSを加えてPlateを洗浄。同じ操作を4回反復。
3) Plate内の溶液を除去したのち、1% BSA/PBSで5000倍希釈したHRP標識抗ヒトIg(Zymed社)又はウサギIgG抗体(Zymed社)あるいは10000倍希釈したHRP標識抗マウスIgG抗体(Zymed社)を0.1mL/well添加し、室温で1.5時間攪拌しながらインキュベート(480 rpm)。
4) Plate内の溶液を除去したのち、ウェル当たり0.3mLの0.05% Tween 20/TBSを加えてPlateを洗浄。同じ操作を4回反復。
5) Plate内の溶液を除去したのち、TMB基質(DAKO社)0.1mL/well添加し、室温で15分間発色。
6) 2N硫酸(0.1mL/well)で反応を停止し、450nmの吸光度を測定
・判定基準
ネガティブコントロール(健常人プール血清)で得られた吸光度の1.5倍以上の吸光度が得られた場合に抗体陽性と判断した。
(2)放射免疫沈降法(Radioimmunoprecipitation Assay)
Iodogen法(Fraker PJ, Speck JC Jr. Protein and cell membrane iodinations with a sparingly soluble chloroamide, 1,3,4,6-tetrachloro-3a,6a-diphrenylglycoluril. Biochem Biophys Res Commun. 1978; 80 (4): 849-857.)によってヨード125で標識した可溶性エリスロポエチンレセプター(sEpoR)100 μL(約100,000 cpm),血清20 μL及び検体希釈液((150 mmol/L NaCl,0.02 w/v% NaN3,0.1 w/v% BSA,0.1 vol% Tween 20含有10 mmol/L Tris-HCl buffer,pH 7.4)80μLあるいはcold(非標識体)sEpoR(2μg/Assay)を含有した検体希釈液80μLを添加・撹拌(計200μL)し、4℃で24時間静置した。検体希釈液で洗浄したProtein G Sepharose 4FF(GEヘルスケア)懸濁液50μLを添加し、振とう機を用いて4℃で1時間攪拌した。攪拌後、冷却した検体希釈液2 mLを添加・攪拌し、遠心分離[1,500×g,5分間,4℃]し、上清を除去した。この沈渣に再度冷却した検体希釈液2 mLを添加・攪拌・遠心分離[1,500×g,5分間,4℃]し、上清を除去した。沈渣の放射能量(cpm)をガンマーカウンターを用いて5分間測定した。
・判定基準
Cold sEpoRを添加して測定した際の放射能量(cpm)がCold sEpoR非添加時に比して50%以下に低下した場合、エリスロポエチン受容体に対する特異抗体(sEpoR)陽性と判断した。
(3)AS-ESを用いた増殖試験
抗EpoR抗体によるEPO阻害活性は、EPO依存性ヒト白血病細胞株(AS-E2細胞、文献:Leukemia. 11(11):1941-9, 1997)の増殖阻害を指標に測定した。96ウェルプレート(Costar社)を用いてAS-E2細胞(10000 cells/well)をEPO(1ng/ml)及び種々の濃度の患者血清存在下にIMDM培地中で培養し、5-7日間培養後の生細胞数をWST-1試薬(Takara社)によるミトコンドリア活性で数値化した。なお、培養系の血清濃度(total)はウシ胎児血清を用いて常に20%となるよう調整した。
4.結果
(1)ELISA
107例のうち、11例で陽性であった。このうち10例がSLE患者であった。他の1例はその他の膠原病(シェーグレン症候群)であった。
(2)放射免疫沈降法
107例のうち、16例(男性3例、女性13例、SLE 7例、抗好中球細胞質抗体陽性血管炎4例、腎不全2例)に放射免疫沈降法を施行した。その結果、SLE患者ならびに抗好中球細胞質抗体陽性血管炎患者の2例において陽性であった。
最も陽性例が多くみられたSLE患者(11例/41例=26.8%)に対して臨床的特徴を検討した。表1に示すとおり、上記のいずれかの方法によるエリスロポエチン受容体結合性物質の有無(陽性/陰性)により、SLE患者は2群(陽性11例、陰性30例)に分けて解析した。その結果、両群間には網赤血球減少(Reticulocytopenia)及び骨髄赤芽球系の低形成(Erythroblastopenia)において有意な差(p<0.05)がみられた。
Figure 0005618038
(3)AS-ES細胞を用いた増殖試験
図1に示されるよう、健常血清ではいずれの濃度においても細胞の増殖は阻害されなかったが、患者血清(症例I:SLE患者(陽性)APSを合併したSLE女性)では添加した血清濃度依存的にAS-ES細胞の増殖が抑制された。
(4)治療経過と抗sEpoR抗体量の推移
さらに、プレドニン投与による治療経過と抗体量の推移を観察した(図2)。その結果、治療前に検出された抗sEpoR抗体はプレドニン治療により検出感度以下となり、それに伴って網赤血球数が増加し、貧血が軽快した。
5.考察
以上の結果から、今回ELISA及び放射免疫沈降法によって患者血清から検出された抗sEpoR抗体は、エリスロポエチン阻害作用を有する新規物質(エリスロポエチン阻害物質)であると判断された。
したがって、この物質を膠原病、慢性腎不全等の貧血を呈する患者で検出することにより、エリスロポエチン不応性/低反応性を投与前に予測し、より安全で効果的な治療を行なうことができる。また、本結果は、貧血の成因と病態機序の解明とともに、貧血の新規分類につながる可能性がある。
本発明は、エリスロポエチン投与を必要とする患者のためのテイラーメイド医療として臨床分野において有用であるとともに、各種貧血の成因や病態解明を目的とした基礎研究分野においても有用である。
図1は、AS-ES細胞を用いた増殖試験結果を示す。グラフ中■は健常血清、◆は患者血清(症例I)の結果である。グラフ縦軸はMIT変法で求めた吸光度(450nm - 650nm:450nmの吸光度から650nmの吸光度を差し引いた値)、横軸は添加したヒト血清濃度(%)を示す。 図2は、エリスロポエチン阻害物質陽性のSLE患者(1例)のプレドニン投与による治療経過とエリスロポエチン阻害物質量の推移を示す。グラフの縦軸は赤血球量(g/dl)あるいは網赤血球数(x104/μl)、横軸は採血日を示す。
配列番号1:エリスロポエチン受容体細胞外ドメインcDNA配列

Claims (7)

  1. 被験者から単離されたサンプル中にエリスロポエチン受容体と特異的に結合し、エリスロポエチン受容体を介したエリスロポエチンの作用を中和するエリスロポエチン受容体抗体の存在が確認された場合に前記被験者はエリスロポエチン不応性あるいは低応答性と診断する、被験者のエリスロポエチン応答性の診断のために、被験者から単離したサンプル中における、エリスロポエチン受容体と特異的に結合し、エリスロポエチン受容体を介したエリスロポエチンの作用を中和するエリスロポエチン受容体抗体のレベルを検出することを含む、エリスロポエチン受容体抗体の検出方法
  2. 前記エリスロポエチン受容体抗体のレベルが免疫学的方法によって測定されることを特徴とする、請求項に記載の検出方法。
  3. 前記免疫学的方法が、免疫沈降法、ならびにウエスタンブロット法、ドットブロット法、スロットブロット法、ELISA法、及びRIA法を含む固相免疫法あるいはこれらの変法から選ばれる少なくとも1つ以上である、請求項に記載の検出方法。
  4. 前記免疫学的方法が免疫沈降法及び/又はELISA法である、請求項3に記載の検出方法。
  5. エリスロポエチン受容体又はその断片を構成要素として含み、被験者から単離したサンプル中に前記エリスロポエチン受容体又はその断片と特異的に結合するエリスロポエチン受容体抗体が検出された場合、当該被験者はエリスロポエチン投与に対して、不応性あるいは低応答性である可能性が高いと判定できる、エリスロポエチン応答性の診断用キット。
  6. 前記エリスロポエチン受容体又はその断片の少なくとも一部が固相に固定化されていることを特徴とする、請求項に記載のキット。
  7. さらに、二次抗体、抗体固定用固相支持体、検出試薬、反応用緩衝液、酵素、及び基質から選ばれる少なくとも1つ以上を含む、請求項5又は6に記載のキット。
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