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JP5609241B2 - 分光方法及び分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、分光方法及び分析装置等に関する。
近年、医療診断や飲食物の検査等に用いられるセンサーの需要が増大しており、高感度かつ小型のセンサーの開発が求められている。このような要求に応えるために、電気化学的な手法をはじめ様々なタイプのセンサーが検討されている。これらの中で、集積化が可能であること、低コスト、測定環境を選ばないこと等の理由から、表面プラズモン共鳴を用いたセンサーに対する関心が高まっている。
例えば、特許文献1には、表面に金属微粒子が固定された基板による局在表面プラズモン共鳴を利用して、センサー感度を向上する手法が開示されている。
特開2000−356587号公報 特開2007−10648号公報 特開2009−250951号公報
表面プラズモン共鳴による電場増強を利用してラマン散乱の強度を増強し、標的物のセンシングの感度を向上させる場合、その電場増強度は、励起波長における電場増強度とラマン散乱波長における電場増強度との積により決まる。よって、センシングの高感度化のためには、励起波長における電場増強度とラマン散乱波長における電場増強度をともに向上させる必要がある。
例えば、上述の特許文献1の手法では、金属微粒子のサイズや配列を均一にすることが困難であるため、共鳴波長にもばらつきが生じ、吸光度スペクトルの幅がブロードとなる。また、共鳴ピークも1つしか生じない。そのため、例えば希薄な標的物をセンシングする用途では、励起波長とラマン散乱波長の両波長において十分な電場増強度を得ることが困難となってしまう。
なお、特許文献2には、長波長側にシフトする共鳴ピークと短波長側にシフトする共鳴ピークをもつ局在プラズモン共鳴センサーの技術が開示されている。また、特許文献3には、複数の波長に対して共振可能とするために複数の共振領域により微小共振器が構成された電場増強デバイスの技術が開示されている。
本発明の幾つかの態様によれば、励起波長における電場増強度とラマン散乱波長における電場増強度を向上できる光デバイス、分析装置及び分光方法等を提供できる。
本発明の一態様は、電気伝導体の突起を、仮想平面に対して平行な方向に沿って第1の周期で配列した第1の突起群を有し、前記仮想平面に向かう垂線に対して傾斜した方向に進行する光を、前記第1の周期で配列された前記第1の突起群に入射させた場合の表面プラズモン共鳴が、第1の共鳴ピーク波長と第2の共鳴ピーク波長の各々で生じ、前記第1の共鳴ピーク波長を含む第1の共鳴ピーク波長帯域は、前記表面増強ラマン散乱における励起波長λ1を含み、前記第2の共鳴ピーク波長を含む第2の共鳴ピーク波長帯域は、前記表面増強ラマン散乱におけるラマン散乱波長λ2を含む光デバイスに関係する。
本発明の一態様によれば、第1の突起群の電気伝導体の突起が、仮想平面に対して平行な方向に沿って第1の周期で配列される。この第1の周期で配列された第1の突起群には、仮想平面に向かう垂線に対して傾斜した方向に進行する光が入射される。この入射された光により、第1の共鳴ピーク波長と第2の共鳴ピーク波長の各々で表面プラズモン共鳴が生じる。このとき、第1の共鳴ピーク波長を含む第1の共鳴ピーク波長帯域には、表面増強ラマン散乱における励起波長λ1が含まれ、第2の共鳴ピーク波長を含む第2の共鳴ピーク波長帯域には、表面増強ラマン散乱におけるラマン散乱波長λ2が含まれるように、第1の周期と光の入射角度が設定される。これにより、励起波長における電場増強度とラマン散乱波長における電場増強度を向上すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記ラマン散乱波長λ2は、前記励起波長λ1より長い波長であってもよい。
このようにすれば、ラマン散乱光のうち励起波長λ1より波長の長いラマン散乱波長λ2を用いて、標的物を検出できる。
また、本発明の一態様では、前記入射光として、偏光方向の前記仮想平面に平行な成分と前記第1の突起群の配列方向とが平行である直線偏光が入射されてもよい。
このようにすれば、偏光方向の仮想平面に平行な成分が第1の突起群の配列方向と平行である直線偏光を光デバイスに入射できる。これにより、伝搬型の表面プラズモンを励起できる。
また、本発明の一態様では、前記第1の突起群の頂面に、電気伝導体により形成される第2の突起群を含み、前記第2の突起群は、前記仮想平面に平行な方向に沿って、前記第1の周期よりも短い第2の周期で配列されてもよい。
このようにすれば、第2の突起群を、第1の突起群の頂面に、仮想平面に平行な方向に沿って第2の周期で配列できる。これにより、第2の突起群に局在型の表面プラズモンを励起できる。
また、本発明の一態様では、前記第1の突起群が配列される面であって前記第1の突起群の隣り合う突起間の面に、電気伝導体により形成される第3の突起群を含み、前記第3の突起群は、前記仮想平面に平行な方向に沿って、前記第1の周期よりも短い第3の周期で配列されてもよい。
このようにすれば、第3の突起群を、前記第1の突起群が配列される面であって第1の突起群の隣り合う突起間の面に、仮想平面に平行な方向に沿って第3の周期で配列できる。これにより、第3の突起群に局在型の表面プラズモンを励起できる。
また、本発明の他の態様は、光源と、上記のいずれかに記載の光デバイスと、前記光源からの前記波長λ1の入射光を、前記光デバイスの前記仮想平面に向う垂線に対して傾斜させて、前記回折格子に入射させる第1光学系と、前記光デバイスの前記電気伝導体格子により散乱または反射された光の中からラマン散乱光を取り出す第2光学系と、前記第2光学系を介して受光された前記ラマン散乱光を検出する検出器と、を含む分析装置に関係する。
また、本発明の他の態様では、前記第1光学系は、前記入射光を前記第1光学系の光軸からずらして入射することで、前記入射光を前記仮想平面に向かう垂線に対して傾斜させて、前記電気伝導体格子に入射させてもよい。
また、本発明の他の態様では、前記光デバイスの前記仮想平面に向う垂線を前記第1光学系の光軸に対して傾斜させて、前記光デバイスを支持する支持部をさらに含み、前記第1光学系は、前記入射光を前記第1光学系の光軸と一致させて入射することで、前記入射光を前記仮想平面に向かう垂線に対して傾斜させて、前記電気伝導体格子に入射させてもよい。
また、本発明のさらに他の態様は、電気伝導体の突起を、仮想平面に対して平行な方向に沿って第1の周期で配列した第1の突起群を用意し、前記仮想平面に向かう垂線に対して傾斜した方向に進行する光を、前記第1の周期で配列される前記第1の突起群に入射させ、第1の共鳴ピーク波長と第2の共鳴ピーク波長の各々で表面プラズモン共鳴を生じさせ、前記第1の共鳴ピーク波長を含む第1の共鳴ピーク波長帯域は、前記表面増強ラマン散乱における励起波長λ1を含み、前記第2の共鳴ピーク波長を含む第2の共鳴ピーク波長帯域は、前記表面増強ラマン散乱におけるラマン散乱波長λ2を含む分光方法に関係する。
本実施形態の比較例の説明図。 本実施形態の比較例の説明図。 本実施形態の比較例の説明図。 図4(A)は、ラマン散乱分光法の原理的な説明図であり、図4(B)は、ラマン散乱分光により取得されるラマンスペクトルの例である。 本実施形態の手法の説明図。 本実施形態のセンサーチップの構成例の斜視図。 本実施形態のセンサーチップの断面図。 センサーチップの反射光強度の特性例。 2つの共鳴ピーク波長の設定手法の説明図。 センサーチップの変形例の反射光強度の特性例。 センサーチップの第2の構成例の斜視図。 センサーチップの第2の構成例の断面図。 分析装置の構成例。 入射光を傾斜させて入射させるための第1の手法の説明図。 入射光を傾斜させて入射させるための第2の手法の説明図。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.比較例
図1〜図3を用いて、本実施形態の比較例として、金属微粒子による局在表面プラズモン共鳴を表面増強ラマン散乱分光に用いた場合について説明する。まず、図1、図2を用いて、金属微粒子による局在表面プラズモン共鳴について説明する。
上述のように、医療診断等に用いる高感度で小型のセンサーとして、表面プラズモン共鳴(SPR:Surface Plasmon Resonance)を用いたセンサーへの関心が高まっている。このセンサーは、励起光により金属表面に表面プラズモン(SP:Surface Plasmon)を励起し、その表面プラズモン共鳴による吸光度の変化を利用して、金属表面に付着した標的物をセンシングするものである。ここで、表面プラズモン共鳴とは、界面固有の境界条件により光と結合を起こす電子粗密波の振動モードである。
この表面プラズモンを励起する手法として、表面凹凸格子やプリズムを用いる手法が知られている。例えば、表面プラズモン共鳴を応用したセンサーとして、全反射型プリズムを用いる手法がある。この手法では、全反射型プリズムの表面に金属膜を形成し、その金属膜に標的物を接触させる。そして、全反射型プリズムに励起光を入射することで空気と金属膜の界面に伝播型表面プラズモンが励起され、その伝搬型表面プラズモンに起因する吸光度の変化から標的物の吸着の有無を検出する。標的物を吸着させる手法として、抗原抗体反応等が利用されている。
また、表面プラズモンを励起する他の手法として、金属微粒子による局在型表面プラズモン(LSP:Localized Surface Plasmon)を励起する手法がある。この局在型表面プラズモンでは、励起された表面プラズモンが、基板表面に形成された微細構造上に局在し、その局在した表面プラズモンによって、著しく増強された電場が誘起される。このような増強電場を利用してセンサー感度を向上することを目的として、金属微粒子や金属ナノ構造を用いた局在表面プラズモン共鳴(LSPR:Localized Surface Plasmon Resonance)を利用したセンサーが提案されている。
例えば、このようなセンサーとして、上述の特許文献1の手法がある。この手法では、図1に示すように、透明基板10の表面に金属微粒子20を固定し、その透明基板10に対して入射光を照射し、金属微粒子20を透過した反射光の吸光度を測定する。図2に示すように、金属微粒子20に標的物が付着している場合には、A1に示す吸光度スペクトルからA2に示す吸光度スペクトルに変化する。特許文献1の手法では、この吸光度の変化により、金属微粒子近傍の媒質の変化を検出し、標的物の吸着や堆積を検出する。
しかしながら、この手法では、金属微粒子の大きさや形状を均一に作製することや、金属微粒子を規則正しく配列することが困難である。金属微粒子のサイズや配列を制御できないと、プラズモン共鳴で生じる吸収や共鳴波長にもばらつきが生じる。そのため、図2に示すように、吸光度スペクトルの幅がブロードになり、ピーク強度が低下してしまう。そして、ピーク強度が低下すると、金属微粒子近傍の媒質の変化を検出する信号変化が小さくなり、センサー感度を向上させるにも限界が生じてしまう。そのため、吸光度スペクトルから物質を特定するような用途では、センサーの感度が不十分となってしまう。
さて、センサーの感度を向上する手法として、上述のセンサーを表面増強ラマン散乱(SERS:Surface Enhanced Raman Scattering)に適用する手法が考えられる。この手法は、表面プラズモン共鳴によってラマン散乱光を増強することで、ラマン分光の感度を向上する手法である。
しかしながら、この手法では、励起波長(図4(A)に示すλ1)とラマン散乱波長(λ2)における電場増強度によってセンサー感度が決まる(下式(1))ため、両波長において電場増強度を向上する必要がある。
例えば、従来の表面増強ラマン散乱センサーでは、共鳴ピークをひとつだけ利用するため、共鳴ピークの波長を励起波長あるいはラマン散乱波長のどちらかに合わせなければならない。この場合、どちらか一方の散乱過程における電場増強効果だけを利用することになり、高い電場増強効果は期待できない。
また、上述の特許文献1のセンサーを表面増強ラマン散乱に適用したとする。この場合、図2で上述のように、ブロードな表面プラズモン共鳴ピークがひとつしか存在しないため、励起波長とラマン散乱波長に対して、共鳴ピークの位置を適切な位置に設定する必要がある。すなわち、その共鳴ピーク波長が、局在電場の増強度に大きな影響を与えるからである。具体的には、図3に示すように、ラマンシフトに対して比較的ブロードな共鳴ピークが得られる。そのため、共鳴ピーク波長を励起波長とラマン散乱波長の間に設定すれば、励起過程とラマン散乱過程の両方で電場増強効果を期待できる。しかしながら、共鳴ピークがブロードであるため、個々の過程では共鳴の強さが弱くなり、過程全体の増強度は十分とは言えない。
2.本実施形態の手法
そこで、本実施形態では、電気伝導体格子の一例である金属格子に入射光を斜めに入射して共鳴ピークを2つ生じさせ、その2つの共鳴ピークを励起波長とラマン散乱波長に設定することで、センサー感度を向上する。以下では、この本実施形態の手法について説明する。まず、本実施形態に用いられるラマン散乱分光法について説明する。
図4(A)に、ラマン散乱分光法の原理的な説明図を示す。図4(A)に示すように、単一波長の光Linを標的分子X(標的物)に照射すると、散乱光の中には、入射光Linの波長λinと異なる波長λ2のラマン散乱光Ramが発生する。このラマン散乱光Ramと入射光Linとのエネルギー差は、標的分子Xの振動準位や回転準位や電子準位のエネルギーに対応している。標的分子Xは、その構造に応じた特有の振動エネルギーをもつため、単一波長の光Linを用いることで、標的分子Xを特定できる。
例えば、入射光Linの振動エネルギーをV1とし、標的分子Xの振動エネルギーをV2とし、ラマン散乱光Ramの振動エネルギーをV3とすると、V3=V1−V2となる。すなわち、V3がV2に応じた振動エネルギーとなるため、ラマン散乱光Ramの波長λ2を測定することで、標的分子Xを特定できる。
なお、入射光Linの大部分は、標的分子Xに衝突した後においても衝突前と同じ大きさのエネルギーを有している。この弾性的な散乱光をレイリー散乱光Rayという。例えば、レイリー散乱光Rayの振動エネルギーをV4とすると、V4=V1である。すなわち、レイリー散乱光Rayの波長λ1は、λ1=λinである。
図4(B)に、ラマン散乱分光により取得されるラマンスペクトル(ラマンシフトとラマン散乱強度との関係)の例を示す。図4(B)に示すグラフの横軸は、ラマンシフトを示す。ラマンシフトとは、ラマン散乱光Ramの波数(振動数)と入射光Linの波数との差であり、標的分子Xの分子結合状態に特有の値をとる。
図4(B)に示すように、B1に示すラマン散乱光Ramの散乱強度(スペクトルピーク)と、B2に示すレイリー散乱光Rayの散乱強度を比較すると、ラマン散乱光Ramの方が微弱であることがわかる。このように、ラマン散乱分光法は、標的分子Xの識別能力には優れている一方、標的分子Xをセンシングする感度自体は低い測定手法である。そのため、本実施形態では、表面増強ラマン散乱による分光法を用いて、センサーの高感度化を図っている。
この表面増強ラマン散乱を応用した高感度な表面プラズモン共鳴センサーを実現するためには、局所電場の増強度(以下、増強度と適宜省略する)ができるだけ大きいことが望ましい。増強度αは、下式(1)で表される(M.Inoue, K.Ohtaka, J.Phys.Soc.Jpn., 52, 3853 (1983))。ここで、αrayは、励起波長(レイリー散乱波長と等しい)における増強度であり、αramは、ラマン散乱波長における増強度である。
α=αray×αram (1)
上式(1)より、表面増強ラマン散乱過程における増強度を高めるには、励起過程における増強度とラマン散乱過程における増強度の両方を同時に高める必要がある。そのために本実施形態では、図5に示すように、励起波長及びラマン散乱波長の近傍だけに強い2つの共鳴ピークを発生させる。これにより、両散乱過程の相乗効果によって、局所電場の増強効果を飛躍的に高めることができる。
3.構成例
図6〜図9を用いて、励起波長とラマン散乱波長の近傍に2つの共鳴ピークを発生させる本実施形態の構成例について説明する。なお、以下では、各構成要素を図面上で認識し得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際のものとは適宜に異ならせている。
図6は、本実施形態のセンサーチップ(光デバイス、電気伝導体格子)の構成例の斜視図である。このセンサーチップは、表面プラズモン共鳴と表面増強ラマン散乱を利用して標的物(標的物質、標的分子)を検出するためのものであり、基材100(基板)、第1の突起群110を含む。このセンサーチップは、1次元の周期性を有する金属格子である。
なお以下では、センサーチップが、金属で形成される金属格子である場合を例に説明するが、本実施形態ではこの場合に限定されない。すなわち、センサーチップは、電気伝導体により形成される格子であればよく、例えば半導体(例えばポリシリコン)により形成される格子であってもよい。
具体的には、基材100は、Ag(銀)やAu(金)等の金属(広義には電気伝導体)を含み、例えば、四角形や円形の平板状に形成される。第1の突起群110は、基材100の平面(広義には面)に沿った第1の方向D1に周期的に配置され、例えば基材100と同じ金属により形成される。ここで、基材100の平面は、例えば第1の突起群110が形成される側の基材100の表面120である。
より具体的には、第1の突起群110の各突起は、突起の配列方向D1の断面形状が基材100の表面120から凸形状に形成される。凸形状は、矩形や台形、円弧等である。例えば、図6に示すように、第1の突起群110は、基材100に対する平面視において、方向D1に直交する第2の方向D2に平行な縞状に形成される。
図7に、本実施形態のセンサーチップの断面図を示す。この断面図の断面は、基材100の平面に垂直な面であり、第1の突起群110の配列方向D1に平行な面である。図7に示すように、基材100の平面の法線方向を方向D3とする。
基材100は、ガラス基板130の上に金属薄膜140を形成したものである。例えば、金属薄膜140の厚さは150nm以上である。第1の突起群110の断面形状は矩形(略矩形)であり、高さH1の突起が、方向D1に沿って第1の周期P1で配列される。この金属薄膜140と第1の突起群110により金属格子150(周期的な金属凹凸構造)が形成される。周期P1は100〜1000nmの範囲に設定され、高さH1は10〜100nmの範囲に設定されることが望ましい。
このセンサーチップには、直線偏光を含む入射光が入射される。直線偏光の偏光方向(偏光方位)は、方向D1とD3に平行な面に対して平行な方向である。この入射光は、金属薄膜140と第1の突起群110による金属格子150に対して傾斜させて入射させる。具体的には、傾斜角をθとすると、θ>0であり、図7に示す断面において入射方向と方向D3の反対方向との角度(基材100の平面に向う垂線に対する角度)がθとなるように入射光を入射させる。
なお上記では、直線偏光が、方向D1とD3に平行な面に対して平行であるとしたが、本実施形態では、直線偏光が上記の面に対して非平行であってもよく、上記面に平行な偏光成分を含んでいればよい。また、上記では、基材100としてガラス基板130の上に金属薄膜140を形成したものを用いているが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、本実施形態の基材100は、石英基板やサファイア基板の上に金属膜を形成したものでもよい。また、基材100として金属からなる平板を用いてもよい。
図8に、センサーチップの反射光強度の特性例を示す。図8は、金属格子をAgにより形成し、金属格子に対する光の入射角度θが3度であり、光の偏光方向が金属格子の溝方向D2と直交し、突起の断面が矩形(略矩形)であり、周期P1が500nmであり、高さH1が20nmである場合の特性例である。なお、横軸は反射光の波長を表し、縦軸は反射光強度(入射光強度に対する比率)を表す。
図8に示すように、本実施形態の金属格子には、表面プラズモンポラリトン(SPP:Surface Plasmon Polariton)の共鳴ピークが2つ存在する。例えば、1つの共鳴ピークは波長515nm付近に位置し、もう1つの共鳴ピークは波長555nm付近に位置する。この2つの共鳴ピークを、励起波長とラマン散乱波長の近傍に合わせる(または一致させる)ことにより、大きな増強ラマン散乱効果が期待できる。例えば、波長515nmのアルゴンレーザーを励起波長として用いた場合、波長555nm近傍のラマン散乱光(ラマンシフト1200〜1600cm−1)を強く増強させることが可能となる。
なお、本実施形態が適用される標的物として、例えば麻薬やアルコールや残留農薬等の希薄な分子や、ウイルス等の病原体が想定される。
4.共鳴ピーク波長の設定手法
図9を用いて、2つの共鳴ピーク波長の設定手法について説明する。まず、本実施形態のセンサーチップの機能について説明する。
センサーチップの格子面に光が入射すると、格子の凹凸により表面プラズモンが発生する。本実施形態では、センサーチップの格子面に対して斜めから光を入射させる。この入射角度θは数度(例えば10度以下)である。入射光の偏光方向を格子の溝方向と直交させておくと、金属格子内の自由電子の振動にともなって電磁波の振動が励起される。この電磁波の振動は自由電子の振動に影響するため、両者の振動が結合した系である表面プラズモンポラリトンが形成される。
この表面プラズモンポラリトンは、センサーチップの表面に沿って伝搬する。具体的には、表面プラズモンポラリトンは、空気と金属格子との界面に沿って伝搬し、金属格子の近傍に強い局所電場を励起する。表面プラズモンポラリトンの結合は光の波長に対して敏感であり、その結合効率は高い。そして、格子表面に例えば1〜数個の標的物が吸着すると、そこから表面増強ラマン散乱が発生する。このように、空気伝搬モードである入射光から表面プラズモンポラリトンを介して増強電場を励起し、増強電場と標的物の相互作用により表面増強ラマン散乱を発現させる。本実施形態では、反射光強度スペクトルの幅が狭く、ふたつの共鳴ピークを鋭くできる。これにより、センサー感度の向上を図り、表面増強ラマン散乱スペクトルから標的物質を特定することが可能なセンサーチップを実現できる。
図9に、表面プラズモンポラリトンの励起条件の説明図を示す。図9に示すC1は、表面プラズモンポラリトンの分散曲線(例えば、空気とAuの境界面での分散曲線)を表し、C2は、ライトラインを表す。図9では、金属格子の周期をP1とし、この場合の格子ベクトルの波数2π/P1を横軸上に示す。
まず、金属格子と励起条件の関係について説明する。入射光の波数をkiとし、入射角度をθとすると、金属格子の配列方向(図7に示す方向D1、または−D1)における1次のエバネッセント波の波数は、2π/P1±ki・sinθである。表面プラズモンポラリトンは、このエバネッセント波の波数2π/P1±ki・sinθと表面プラズモンの波数が一致した場合に励起される。すなわち、表面プラズモンポラリトンの励起条件は、エバネッセント波の生成条件を表す直線と表面プラズモンポラリトンの分散曲線との交点により表される。
図9のC3に、本実施形態の比較例として、金属格子に対して垂直(θ=0)に光を入射させた場合のエバネッセント波の生成条件を表す直線を示す。C3に示すように、この場合のエバネッセント波の波数は2π/P1で表される。この直線C3は、格子ベクトルの波数の位置から上へ延ばした線であり、表面プラズモンポラリトンの分散曲線C1と交わる。このとき、交点は1つであり、共鳴ピークは周波数ω0(角周波数)の1つだけ現れる。
C4とC5に、本実施形態でのエバネッセント波の生成条件を表す直線を示す。本実施形態のように金属格子に対して角度θ(θ>0)で光を入射させる場合、エバネッセント波の波数は2π/P1±ki・sinθで表される。直線C4は、2π/P1+ki・sinθに対応し、直線C5は、2π/P1−ki・sinθに対応する。これらの直線C4とC5は、格子ベクトルの波数の位置から角度θで斜め上に延ばした線であり、表面プラズモンポラリトンの分散曲線C1と2点で交わる。したがって、共鳴ピークは周波数ω+とω−の2つ(それぞれ波長λp1とλp2に対応する)が現れる。
本実施形態では、上記の表面プラズモンポラリトンの励起条件を利用して2つの共鳴ピーク波長λp1とλp2を設定し、その2つの共鳴ピーク波長を表面増強ラマン散乱に利用する。具体的には、まず厳密結合波解析(RCWA:Rigorous Coupled Wave Analysis)により分散曲線C1を求める(L.Li and C.W.Haggans,J.Opt.Soc.Am.,A10,1184-1189(1993))。分散曲線C1は、金属の種類や、媒質の種類や、金属格子の断面形状に固有の曲線である。次に、所望の格子周期P1と入射角度θを、標的物のラマンシフトに応じて決定する。すなわち、第1の共鳴ピーク波長λp1を励起波長(レイリー散乱波長)の近傍に設定し、第2の共鳴ピーク波長λp2(λp2>λp1)をラマン散乱波長の近傍に設定する。そして、分散曲線C1とω=ω+(λ=λp1)の交点を直線C4が通り、分散曲線C1とω=ω−(λ=λp2)の交点を直線C5が通るように、格子周期P1と入射角度θを設定する。
このようにして、金属格子の素材や、形状、高さH1、格子周期P1、光の入射角度θを設定することで、2つの共鳴ピークの波長λp1とλp2を所望の値に設定できる。
さて、比較例で上述のように、表面プラズモン共鳴が1つのブロードな共鳴ピークしか持たない場合、表面増強ラマン散乱の過程全体で十分な電場増強効果を得ることが困難であるという課題がある。
この点、本実施形態の光デバイスは、図7に示すように、電気伝導体の突起を、基材100の平面(広義には仮想平面)に対して平行な方向D1に沿って第1の周期P1(P1<λ1)で配列した第1の突起群110を有する。この第1の周期P1で配列された第1の突起群110には、基材100の平面に向かう垂線に対して傾斜した方向に進行する光(波長λ1、入射角度θ)が入射される。この入射光により、図9に示すように、第1の共鳴ピーク波長λp1と第2の共鳴ピーク波長λp2の各々で表面プラズモン共鳴が生じる。このとき、図8に示すように、第1の共鳴ピーク波長λp1を含む第1の共鳴ピーク波長帯域BW1は、表面増強ラマン散乱における励起波長λ1を含む。第2の共鳴ピーク波長λp2を含む第2の共鳴ピーク波長帯域BW2は、表面増強ラマン散乱におけるラマン散乱波長λ2を含む。
ここで、帯域BW1、BW2の幅とは、所定の反射光強度での帯域幅であり、例えばピークの半値幅である。なお、図8では、λ1=λp1、λ2=λp2としているが、本実施形態では、λ1とλp1は異なってもよく、λ2とλp2は異なってもよい。また、仮想平面とは、第1の突起群110の配列方向や入射光の入射角度等の基準となる平面であり、例えば基材100の平面(例えば基材100の表面120)に平行な面である。
上記実施形態によれば、表面増強ラマン散乱の過程全体で電場増強度を向上することが可能になる。すなわち、2つの共鳴ピーク波長帯域BW1、BW2が波長λ1、λ2を含むように周期P1や入射角度θ等が設定されることで、励起波長λ1における電場増強度とラマン散乱波長λ2における電場増強度を向上できる。
また、上記実施形態によれば、金属格子の素材や、断面形状、周期P1、高さH1、光の入射角度θを適宜変更することで、2つの共鳴ピークの位置と間隔を任意の値に合わせることができる。そのため、標的物を特定する際に照射する光の波長λinを適宜選択することが可能となり、測定波長範囲の幅を広げることができる。
また、本実施形態では、ラマン散乱波長λ2は、励起波長λ1より長い波長(λ2>λ1)である。
このようにすれば、ラマン散乱光のストークス成分と反ストークス成分のうち、散乱強度がより大きいストークス成分を測定できる。なお、本実施形態では、λ2<λ1である反ストークス成分を用いてもよい。
また、本実施形態では、図7に示すように、入射光として、偏光方向の基材100の平面に平行な成分(偏光方向の基材100の平面に対する正射影)と第1の突起群110の配列方向D1とが平行である直線偏光が入射される。
このようにすれば、直線偏光によって自由電子プラズマの粗密波が方向D1に沿った方向に誘起され、第1の突起群110の配列方向D1に沿って伝搬する表面プラズモンを励起できる。
また、本実施形態では、図12等で後述するように、第1の突起群110の頂面220に、金属により形成される第2の突起群200を含んでもよい。そして、第2の突起群200は、基材100の平面に平行な方向D1に沿って、第1の周期P1よりも短い第2の周期P2(P2<P1)で配列されてもよい。
また、本実施形態では、図12等で後述するように、第1の突起群110が配列される面であって第1の突起群110の隣り合う突起間の面230(第1の突起群110の隣り合う突起間の底面230)に、金属により形成される第3の突起群210を含んでもよい。そして、第3の突起群210は、基材100の平面に平行な方向D1に沿って、前記第1の周期P1よりも短い第3の周期P3(P3<P1)で配列されてもよい。
このようにすれば、第1の突起群110により伝搬型の表面プラズモンが励起され、その伝搬型の表面プラズモンにより第2の突起群200や第3の突起群210に局在型の表面プラズモンが励起される。これにより、励起波長とラマン散乱波長における電場増強度をさらに向上できる。
5.変形例
上述の図8では、金属格子150がAgにより形成される場合について説明したが、本実施形態では、金属格子150がAuにより形成されてもよい。図10に、この場合のセンサーチップの反射光強度の特性例を示す。図10は、金属格子に対する光の入射角度θが5度であり、光の偏光方向が金属格子の溝と直交し、突起の断面が矩形(略矩形)であり、周期P1が500nmであり、高さH1が40nmである場合の特性例である。
図10に示すように、2つの共鳴ピークの1つは波長545nmに位置し、もう1つは波長600nmに位置している。この2つの共鳴ピークを励起波長およびラマン散乱波長の近傍に合わせることにより、強い表面増強ラマン散乱の信号を取得することが可能となる。
このAuにより形成された金属格子では、図8に示すAgにより形成された金属格子と比べて、2つの共鳴ピークの波長が異なり、共鳴ピークがややブロードであり、共鳴ピークが浅くなっている。しかしながら、共鳴ピークを1つしか利用しない場合と比べて、表面増強ラマン散乱の信号を増強する効果は格段に優れている。また、Auを用いることで、酸化や硫化等による表面劣化を抑止できる。なお、図8に示すように、Agを用いた場合には、Auに比べて共鳴ピークが狭く深い。そのため、Auに比べて、表面増強ラマン散乱の信号の増強効果をより向上できる。
ここで、以上の実施形態では、表面プラズモンや、表面プラズモンポラリトン、表面増強ラマン散乱を強く発現させる物性を有するAgやAuを用いたが、本実施形態では、この他にPt(白金)やCu(銅)、Al(アルミニウム)等の金属を用いてもよい。
6.第2の構成例
上記実施形態では、第1の突起群110により伝搬型の表面プラズモンが励起されるが、本実施形態では、回折格子が、局在型の表面プラズモンを励起する他の突起群(金属微細構造)を含んでもよい。図11、図12を用いて、このようなセンサーチップの第2の構成例について説明する。
図11は、センサーチップの第2の構成例の斜視図である。このセンサーチップは、基材100、第1の突起群110、第2の突起群200、第3の突起群210を含む。なお、以下では、図7等で説明した構成要素と同一の構成要素には同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
図11に示すように、第1の突起群110は、基材100の平面に平行な第1の方向D1に沿って周期的に配置される。そして、第2の突起群200は、第1の突起群110の頂面220に方向D1に沿って周期的に配置される。第3の突起群210は、第1の突起群110の突起間の底面230(基材100の平面)に方向D1に沿って周期的に配置される。
より具体的には、第2の突起群200と第3の突起群210の各突起は、突起の配列方向D1の断面形状が頂面220と底面230から凸形状に形成される。凸形状は、矩形や台形、円弧等である。例えば、図11に示すように、第2の突起群200や第3の突起群210は、基材100に対する平面視において、方向D2に平行な縞状に形成される。この第2の突起群200と第3の突起群210は、第1の突起群110と同じ金属により形成されてもよく、異なる金属により形成されてもよい。
図12に、第2の構成例のセンサーチップの断面図を示す。この断面図の断面は、基材100の平面に垂直な面であり、方向D1に平行な面である。図12に示すように、第2の突起群200は、頂面220からの高さがH2であり、P1より短い周期P2で配列される。第3の突起群210は、底面230からの高さがH3であり、P1より短い周期P3で配列される。例えば、周期P2やP3は、500nm以下に設定することが望ましく、高さH2やH3は、200nm以下に設定することが望ましい。なお、高さH3は、H3>H1であってもよく、H3≦H1であってもよい。
ここで、上記では、第2の突起群200や第3の突起群210の配列方向が、第1の突起群110と同じ配列方向D1であるとしたが、本実施形態では、第2の突起群200や第3の突起群210の配列方向がD1と異なる方向であってもよい。この場合、配列周期P2やP3は、方向D1における配列周期となる。
次に、この第2の構成例のセンサーチップによる表面増強ラマン散乱について説明する。本実施形態では、励起光を角度θで傾けてセンサーチップに入射させる。そうすると、上述のように、第1の突起群110により、励起波長(レイリー散乱波長)とラマン散乱波長に2つの共鳴ピークをもつ伝搬型の表面プラズモンが励起される。この表面プラズモンは、金属格子150の表面に沿って伝搬し、第2の突起群200や第3の突起群210に局在型の表面プラズモンを励起する。そして、この局在型の表面プラズモンは、第2の突起群200や第3の突起群210の突起間に増強電場を励起し、その増強電場と標的物との相互作用により表面増強ラマン散乱が生じる。このとき、第2の突起群200や第3の突起群210の突起間隔が狭いため、突起間に強い増強電場が励起される。そのため、突起間に吸着した標的物が1個〜数個であっても、その増強電場によって強い表面増強ラマン散乱を生じさせることができる。
7.分析装置
図13に、本実施形態のセンサーチップを含む分析装置の構成例を示す。この分析装置(広義には分光装置)は、センサーチップ300(光デバイス)、光源310、コリメーターレンズ320、偏光制御素子330、対物レンズ350(第1光学系)、ダイクロイックミラー340、集光レンズ360、エタロン370(広義には、340と360と370は第2光学系)光検出器380(検出器)、搬送部420を含む。なお、本実施形態の分析装置は図13の構成に限定されず、その構成要素の一部(例えば搬送部)を省略したり、他の構成要素を追加したりする等の種々の変形実施が可能である。
光源310は、表面プラズモンポラリトンと表面増強ラマン散乱を励起するレーザー光を出射する。光源310から出射されたレーザー光は、コリメーターレンズ320により平行光にされ、偏光制御素子330により直線偏光にされる。偏光制御素子330を通過したレーザー光は、ダイクロイックミラー340によりセンサーチップ300の方向に導かれ、対物レンズ350で集光され、センサーチップ300に入射する。センサーチップ300の表面には、例えば金属格子や検出物質選択機構が形成される。この金属格子の周期は、レーザー光の波長よりも短い。
図8に示す矢印は、標的物の搬送方向を示す。標的物は、ファン(図示は省略)の駆動を制御することにより、搬入口400から搬送部420の内部に導入され、排出口410から搬送部420の外部に排出される。このとき、搬送部420を通過する標的物の一部が、支持部430にて支持されたセンサーチップ300に付着し、センサーチップ300の表面に標的物(図示は省略)が配置される。
金属格子表面へレーザー光が入射すると、レーザー光の振動にともなって自由電子が共鳴振動し、金属格子表面の近傍には表面プラズモンポラリトンを介して極めて強い増強電場が生じる。その増強電場に例えば1〜数個の標的物質が浸入すると、そこから表面増強ラマン散乱が発生する。センサーチップ300からのレイリー散乱光とラマン散乱光は、対物レンズ350を通過し、ダイクロイックミラー340によって光検出器380の方向に導かれる。この散乱光は、集光レンズ360で集光され、エタロン370(分光器)を通過し、光検出器380に入射する。そして、エタロン370により散乱光からラマン散乱光が分光され、光検出器380によりそのラマン散乱光が受光される。このようにして、散乱光がスペクトル分解され、標的物のスペクトル情報が得られる。
以上の分析装置によれば、上述したセンサーチップ300を備えることで、表面増強ラマン散乱を生じさせ、そのラマン散乱光を選択的に分光し、標的物を検出できる。これにより、センサー感度の向上を図り、表面増強ラマン散乱スペクトルから標的物を特定することが可能になる。
なお、本実施形態の分析装置は、麻薬や爆発物の検知、医療や健康診断、食品の検査に用いられるセンシング装置へ広く応用することが可能である。また、抗原抗体反応における抗原の吸着の有無などのように、物質の吸着の有無を検出するアフィニティー・センサー等として用いることができる。
図14に、センサーチップに入射光を傾斜させて入射させるための第1の手法の説明図を示す。この第1の手法では、入射ビームLin(入射光)を対物レンズ350の光軸からずらして入射することで、センサーチップ300に対して入射ビームLinを傾斜させる。
具体的には、対物レンズ350の光軸に対して垂直にセンサーチップ300を支持部430上に配置する。そして、所定距離だけ対物レンズ350の光軸から離して、対物レンズ350の光軸と平行に入射ビームLinを入射する。所定距離は、センサーチップ300に対する入射ビームLinの入射角度が対物レンズ350の屈折によってθとなる距離である。センサーチップ300からの散乱光Lsc(または反射光)は、対物レンズ350に入射され、対物レンズ350によってダイクロイックミラー340等の次段の光学系へ導かれる。
図15に、センサーチップに入射光を傾斜させて入射させるための第2の手法の説明図を示す。この第2の手法では、入射ビームLin(入射光)を対物レンズ350の光軸と一致させて入射させる一方で、対物レンズ350の光軸に対してセンサーチップ300を傾斜させて配置することで、センサーチップ300に対して入射ビームLinを傾斜させる。
具体的には、センサーチップ300の平面(基材100の平面)の法線と、対物レンズ350の光軸との成す角度をθに配置する。そして、対物レンズ350の光軸に沿って入射ビームLinを入射させる。そうすると、入射ビームLinは対物レンズ350によって屈折されず、センサーチップ300に対して入射角度θで入射される。センサーチップ300からの散乱光Lsc)は、上記第1の手法と同様に、対物レンズ350によって次段の光学系へ導かれる。なお、本実施形態では、センサーチップ300を傾斜させるために、図15に示すように支持部430を傾斜させてもよく、支持部430の支持面を傾斜面としてもよい。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語(標的物、入射光、回折格子、導電体等)と共に記載された用語(標的物質、励起光、金属格子、金属等)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また光デバイス、分析装置等の構成、動作も本実施形態で説明したものに限定に限定されず、種々の変形実施が可能である。
10 透明基板、20 金属微粒子、100 基材、110 第1の突起群、
120 基材の表面、130 ガラス基板、140 金属薄膜、150 金属格子、
200 第2の突起群、210 第3の突起群、220 第1の突起群の頂面、
230 第1の突起群の隣り合う突起間の底面、300 センサーチップ、
310 光源、320 コリメーターレンズ、330 偏光制御素子、
340 ダイクロイックミラー、350 対物レンズ、360 集光レンズ、
370 エタロン、380 光検出器、400 搬入口、410 排出口、
420 搬送部、
BW1 第1の共鳴ピーク波長帯域、BW2 第2の共鳴ピーク波長帯域、
D1 第1の方向、Lin 入射光、Lsc 散乱光、P1 第1の周期、
P2 第2の周期、P3 第3の周期、Ram ラマン散乱光、
Ray レイリー散乱光、X 標的分子、θ 入射角度、λ1 励起波長、
λ2 ラマン散乱波長、λin 入射光の波長、λp1 第1の共鳴ピーク波長、
λp2 第2の共鳴ピーク波長、ω+,ω− 共鳴周波数

Claims (9)

  1. 標的物の励起波長λ1に対応する波数をk1とし、前記標的物のラマン散乱波長λ2に対応する波数をk2とし、第1の突起群の表面プラズモンの分散曲線をf(k)とし、入射光の波数をkiとする場合に、
    第1の周期P1及び角度θを、f(k1)=2π/P1+ki・sinθ、f(k2)=2π/P1−ki・sinθにより設定し、
    電気伝導体の突起を仮想平面に対して平行な方向に沿って前記第1の周期P1で配列した前記第1の突起群を用意し、
    前記第1の突起群に前記標的物を付着させ、
    前記仮想平面に向かう垂線に対して前記角度θで傾斜した方向に進行する前記入射光を、前記第1の突起群に入射させ、
    前記励起波長λ1に対応する第1の共鳴ピーク波長と前記ラマン散乱波長λ2に対応する第2の共鳴ピーク波長の各々で表面プラズモン共鳴を生じさせ、
    前記第2の共鳴ピーク波長の光を検出することで前記標的物の表面増強ラマン分光を行うことを特徴とする分光方法。
  2. 請求項1において、
    前記ラマン散乱波長λ2は、
    前記励起波長λ1より長い波長であることを特徴とする分光方法
  3. 請求項1または2において、
    前記入射光として、偏光方向の前記仮想平面に平行な成分と前記第1の突起群の配列方向とが平行である直線偏光を前記第1の突起群に入射させることを特徴とする分光方法
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記第1の突起群の頂面に電気伝導体により形成され前記仮想平面に平行な方向に沿って前記第1の周期よりも短い第2の周期で配列される第2の突起群を用意することを特徴とする分光方法
  5. 光源と、
    電気伝導体の突起を仮想平面に対して平行な方向に沿って第1の周期P1で配列した第1の突起群を有する光デバイスと、
    前記光源からの表面増強ラマン散乱における励起波長λ1を含む入射光を、前記光デバイスの前記仮想平面に向う垂線に対して角度θで傾斜させて、標的物を付着させた前記第1の突起群に入射させる第1光学系と、
    前記第1の突起群により散乱または反射された光の中から表面増強ラマン散乱におけるラマン散乱波長λ2を含むラマン散乱光を取り出す第2光学系と、
    前記第2光学系を介して受光された前記ラマン散乱光を検出する検出器と、
    を含み、
    前記励起波長λ1に対応する波数をk1とし、前記ラマン散乱波長λ2に対応する波数をk2とし、前記第1の突起群の表面プラズモンの分散曲線をf(k)とし、前記入射光の波数をkiとする場合に、
    前記第1の周期P1及び前記角度θは、f(k1)=2π/P1+ki・sinθ、f(k2)=2π/P1−ki・sinθにより設定されることを特徴とする分析装置。
  6. 請求項において、
    前記ラマン散乱波長λ2は、
    前記励起波長λ1より長い波長であることを特徴とする分析装置。
  7. 請求項5または6において、
    前記第1の光学系は、
    前記入射光として、偏光方向の前記仮想平面に平行な成分と前記第1の突起群の配列方向とが平行である直線偏光を前記第1の突起群に入射させることを特徴とする分析装置。
  8. 請求項乃至のいずれかにおいて、
    前記光デバイスは、
    前記第1の突起群の頂面に、電気伝導体により形成される第2の突起群を含み、
    前記第2の突起群は、
    前記仮想平面に平行な方向に沿って、前記第1の周期よりも短い第2の周期で配列されることを特徴とする分析装置。
  9. 請求項乃至のいずれかにおいて、
    前記光デバイスは、
    前記第1の突起群が配列される面であって前記第1の突起群の隣り合う突起間の面に、電気伝導体により形成される第3の突起群を含み、
    前記第3の突起群は、
    前記仮想平面に平行な方向に沿って、前記第1の周期よりも短い第3の周期で配列されることを特徴とする分析装置。
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