JP5608410B2 - 電子写真感光体および画像形成装置、ならびに画像形成方法 - Google Patents
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Description
また、有機光導電性材料を用いた電子写真感光体は、複写機の分野に限らず、従来では写真技術が使われていた印刷版材、スライドフィルムおよびマイクロフィルムなどの分野においても利用されており、レーザ、発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)または陰極線管(Cathode Ray Tube;CRT)などを光源とする高速プリンタにも応用されている。
有機光導電性材料を用いた有機感光体は、感光層の成膜性がよく、可撓性も優れている上に、軽量で、透明性もよく、適当な増感方法によって広範囲の波長域に対して良好な感度を示す感光体を容易に設計できるなどの利点を有している。
したがって、有機感光体は、次第に電子写真感光体の主力として開発されてきている。
上記の機能分離型感光体は、電荷発生機能を担う電荷発生物質および電荷輸送機能を担う電荷輸送物質それぞれの材料選択範囲が広く、任意の特性を有する電子写真感光体を比較的容易に作製できるという利点も有している。
(1)光および熱に対して安定であること、
(2)感光体の表面を帯電させる際のコロナ放電によって発生するオゾン、窒素酸化物(NOX)および硝酸などに対して安定であること、
(3)高い電荷輸送能力を有すること、
(4)有機溶剤や結着剤との相溶性が高いこと、
(5)製造が容易で安価であること、
などの5項目が要求されているが、前述の従来の電荷輸送物質は、これら項目の一部を満足するが、全ての項目を高いレベルで満足するには至っていない。
これは、電荷輸送物質がバインダ樹脂とともに分散されて形成された電荷輸送層が感光体の表面層となる場合、充分な光応答性を確保するためには、高い電荷輸送能力が電荷輸送物質に要求されるからである。
すなわち、バインダ樹脂の含有率の増加に伴って電荷輸送層中の電荷輸送物質が希釈され、電荷輸送層の電荷輸送能力が一層低下して光応答性が悪くなるからである。
したがって、充分な光応答性を確保するために、電荷輸送物質には、高い電荷輸送能力が求められている。
で示される2,2−ジフェニルビニルアミン誘導体化合物を含む電子写真感光体が提供される。
さらに、本発明によれば、上記の画像形成装置を用いることを特徴とする画像形成方法が提供される。
したがって、光応答性を低下させることなく電荷輸送層の耐刷性を向上させ、本発明に係る化合物自体の優れた耐摩耗特性との相乗効果により更に耐久性を向上させた電子写真感光体を提供できる。
また、本発明の化合物を、センサ材料、EL素子、または静電記録素子などに使用すれば、高感度で光応答性の優れたデバイスを提供することができる。
本発明による電子写真感光体が電荷輸送物質として含有する2,2−ジフェニルビニルアミン誘導体化合物は、以下の一般式(I):
で表される。
Ar1およびAr2は、独立して、置換基を有してもよいアリレン基または二価の複素環式基である。
その置換基としては、例えば炭素数1〜4の直鎖状または分枝鎖状アルキル基(これらは更に1以上のハロゲン原子または炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよい)、炭素数1〜4の直鎖状または分枝鎖状アルコキシ基(これらは更に1以上のハロゲン原子または炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい)、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)、フェノキシ基およびフェニルチオ基が挙げられるがこれらに限定されない。
Ar1およびAr2は互いに異なってもよいし、または同一であってもよい。
Ar3およびAr4のアルキル基の例としては、メチル、エチル、n‐プロピル、イソプロピル、t‐ブチル、シクロヘキシルおよびシクロペンチル基などのアルキル基を挙げられる。
そのような置換基としては、例えば更に1以上のハロゲン原子または炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基;更に1以上のハロゲン原子または炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基;ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子);フェノキシ基およびフェニルチオ基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Ar3およびAr4は互いに異なってもよいし、または同一であってもよいが、どちらか一方はアリール基もしくは一価の複素環式基である。
Ar3およびAr4が、互いに結合する窒素原子と一緒になって形成し得る。
上記の複素環式基の例としては、単環式複素環式基および縮合複素環式基、例えば1つの五員または六員の複素環に1または2つのベンゼン環が縮合したものを挙げることができる。
上記の複素環式基は、いずれも芳香族基であっても、また水素化されていてもよい。
そのような置換基としては、例えば更に1以上のハロゲン原子または炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜4の直鎖状または分枝鎖状アルキル基;更に1以上のハロゲン原子または炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1〜4の直鎖状または分枝鎖状アルコキシ基;ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子);フェノキシ基およびフェニルチオ基が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
例えばAr1がスチルベニレン基である、以下に示す化合物(29):
このような化合物は、その構造上多くのホールのホッピングサイトを有しするため、高い電荷輸送能力を有し、有機光導電性材料として適切である。
で表されるビスエナミン化合物を、特開平6−348045号公報段落〔0014〕に記載されている方法に従って同様に合成できる。
で表されるアルデヒド体とする。
先ず、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)または1,2−ジクロロエタンなどの溶剤中に、オキシ塩化リンとN,N−ジメチルホルムアミド、オキシ塩化リンとN−メチル−N−フェニルホルムアミド、またはオキシ塩化リンとN,N−ジフェニルホルムアミドとを加え、公知の方法に従ってビルスマイヤー試薬を調製する。
で示されるヒドラジン試薬と、例えば、エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテルまたは1,4‐ジオキサン等の溶剤中において、上記一般式(III)で表されるエナミン‐アルデヒド化合物1.0当量と、上記一般式(IV)で表されるヒドラジン試薬あるいはその塩酸塩3.0〜3.3当量とを、酢酸等の有機酸、あるいは酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の有機塩の触媒を触媒量(0.001〜0.1当量)と共に60〜110℃で2〜8時間加熱撹拌することにより、本発明の一般式(I):
で表される2,2−ジフェニルビニルアミン誘導体化合物を製造できる。
Ar3およびAr4は、互いに結合する窒素原子と一緒になって、次の式:
Ar3およびAr4は、互いに結合する窒素原子と一緒になって、次の式:
前記Ar2が、
前記Ar1が、次の式:
前記Ar1が、次の式:
前記Ar1が、次の式:
なお、以下の表に示す各基は、上記一般式(I)の各基に対応するが、該一般式(I)における置換基Ar3とAr4とは、互いに固定されたものではなく、それぞれ入れ替わることができるものと理解される。
本発明の電子写真感光体は、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とがこの順で積層された積層型感光層、または電荷発生物質および電荷輸送物質を含む単層型感光層が導電性支持体上に形成されており、前記電荷輸送層または前記単層型感光層が、該電荷輸送物質として前記一般式(I)、とりわけ前記化合物(3)、(24)、(35)または(45)を含む積層型電子写真感光体または単層型電子写真感光体である。
以下、本発明の電子写真感光体および画像形成装置の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
尚、本発明の電子写真感光体および画像形成装置は、下記で説明する実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えた他の形態を含み得ることは勿論であり、そのような他の形態は本明細書および図面の記載に基づいて当業者に容易に理解される。
実施の形態1
図1は、本発明による電子写真感光体の実施の第1の形態である電子写真感光体1の構成を簡略化して示す部分断面図である。本実施の形態では、感光層は、電荷発生層と電荷輸送層との積層構造からなる。
導電性支持体11は、感光体1の電極としての役割を果たすとともに他の各層15、16の支持部材としても機能する。導電性支持体11の形状は、シート状で図示されているが、これに限定されることなく、例えば、円柱状、円筒状または無端ベルト状などであってもよい。
更に、これらの金属材料に限定されることなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンもしくはポリスチレンなどの高分子材料、硬質紙またはガラスなどの基体の表面に、金属箔をラミネートしたもの、金属材料を蒸着したもの、または導電性高分子、酸化スズ、酸化インジウムなどの導電性化合物の層を蒸着もしくは塗布したものなどを用いることもできる。これらの導電性材料は、感光体の導電性支持体として適切な形状に加工されて使用される。
導電性支持体11上に設けられる電荷発生層15は、光を吸収することによって電荷を発生する電荷発生物質12を含有する。
電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料およびトリスアゾ系顔料などのアゾ系顔料、インジゴおよびチオインジゴなどのインジゴ系顔料、ペリレンイミドおよびペリレン酸無水物などのペリレン系顔料、アントラキノンおよびピレンキノンなどの多環キノン系顔料、オキソチタニウムフタロシアニン化合物などの金属フタロシアニンおよび無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン化合物、スクアリリウム色素、ピリリウム塩類およびチオピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素などの有機光導電性材料、ならびにセレンおよび非晶質シリコンなどの無機光導電性材料などが挙げられる。
これらの電荷発生物質は、1種が単独で使用されてもよく、または2種以上が組合わされて使用されてもよい。
本発明で用いられるオキソチタニウムフタロシアニン化合物とは、オキソチタニウムフタロシアニンおよびその誘導体のことである。オキソチタニウムフタロシアニン誘導体としては、例えば、オキソチタニウムフタロシアニンのフタロシアニン基に含まれる芳香環の水素原子が塩素原子、フッ素原子などのハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基などの置換基で置換されたもの、オキソチタニウムフタロシアニンの中心金属であるチタン原子に塩素原子などの配位子が配位したものなどが挙げられる。
すなわち、上記オキソチタニウムフタロシアニン化合物は、電荷発生能力および電荷注入能力に優れるので、光を吸収することによって多量の電荷を発生するとともに、発生した電荷をその内部に蓄積することなく、電荷輸送層16に効率よく注入できる。
一方、電荷輸送物質13には、前記一般式(I)で表される電荷移動度の高い化合物が使用されるので、光吸収によって電荷発生物質12で発生する電荷は、電荷輸送物質13に効率的に注入されて円滑に輸送されることとなり、更に高感度かつ高解像度の電子写真感光体を得ることができる。
例えば、オキソチタニウムフタロシアニンは、フタロニトリルと四塩化チタンとを、加熱融解するか、またはα−クロロナフタレンなどの適当な溶媒中で加熱反応させることによってジクロロチタニウムフタロシアニンを合成し、次いで、塩基または水で加水分解することによって製造することができる。また、イソインドリンとテトラブトキシチタンなどのチタニウムテトラアルコキシドとを、N−メチルピロリドンなどの適当な溶媒中で加熱反応させることによっても、オキソチタニウムフタロシアニンを製造することができる。
電荷発生物質は他の増感染料(増感剤)と併用してもよい。増感剤を添加することによって、感光体の感度が向上し、更に繰返し使用による残留電位の上昇および帯電電位の低下などを抑えることができ、電気的耐久性を向上させることができる。
そのような増感染料としては、例えば、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルーおよびビクトリアブルーなどに代表されるトリフェニルメタン系染料、エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、アクリジンオレンジおよびフラペオシンなどに代表されるアクリジン染料、メチレンブルーおよびメチレングリーンなどに代表されるチアジン染料、カプリブルーおよびメルドラブルーなどに代表されるオキサジン染料、シアニン染料、スチリル染料、ピリリウム塩染料またはチオピリリウム塩染料などの増感染料が挙げられる。
電荷発生層15には、結着性を向上させるために、バインダ樹脂が含有されてもよい。バインダ樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂およびポリビニルホルマール樹脂などの樹脂、ならびにこれらの樹脂を構成する繰返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂などが挙げられる。
電荷発生物質の割合が10重量%未満であると、感光体の感度が低下するおそれがある。
また、電荷発生物質の割合が99重量%を超えると、バインダ樹脂の含有量が低すぎて、電荷発生層15の膜強度が低下する可能性がある。
さらに、電荷発生層15における電荷発生物質の分散性が低下して電荷発生物質の粗大粒子が増大し、消去されるべき部分以外の表面電荷が露光によって減少し、画像欠陥、特に白地にトナーが付着し微小な黒点が形成される、いわゆる黒ぽちと呼ばれる画像のかぶりが多くなるおそれもある。
電荷発生層用塗布液に使用される溶剤としては、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;1,2−ジメトキシエタンなどのエチレングリコールのアルキルエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性極性溶剤などが挙げられる。
これらの溶剤は、1種が単独で使用されてもよく、または2種以上が混合されて混合溶剤として使用されてもよい。
電荷発生物質は、上記の溶剤中に分散される前に、予め粉砕機によって粉砕処理されてもよい。粉砕処理に用いられる粉砕機としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミルおよび超音波分散機などが挙げられる。
電荷発生層15の形成方法としては、前述の電荷発生物質を導電性支持体11の表面に真空蒸着する真空蒸着法、前記の電荷発生物質を含む電荷発生層用塗布液を導電性支持体11の表面に塗布する塗布法などが挙げられる。これらの中でも簡便な塗布法が好適に用いられる。
電荷輸送層16は、バインダ樹脂中に電荷輸送物質13を含み、電荷発生層15で発生した電荷を輸送する機能を有する。
前記一般式(I)で表される電荷輸送物質は、前記の表1に示す化合物(1)〜(50)からなる群から選ばれる1種が単独でまたは2種以上が混合されて使用され得る。
前記一般式(I)で表される化合物は、他の電荷輸送物質と混合されて使用されてもよい。
電荷輸送層16を形成するバインダ樹脂17には、電荷輸送物質13との相溶性に優れるものが選ばれる。
そのようなバインダ樹脂の具体例としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などのビニル重合体樹脂およびこれらを構成する繰返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂、ならびにポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂およびフェノール樹脂などが挙げられる。また、これらの樹脂を部分的に架橋した熱硬化性樹脂も挙げられる。
これらの樹脂は、1種が単独で使用されてもよく、または2種以上が混合されて使用されてもよい。
前記比率A/Bを10/12以下とし、バインダ樹脂を高い比率で電荷輸送層16に含有させることによって、電荷輸送層16の耐刷性を向上させることができる。
従来公知の電荷輸送物質を用いた場合、このようにバインダ樹脂の比率を高くすると、結果として電荷輸送物質の含有率が低下することにより、感光体の光応答性が不足し、画像欠陥の生じることがあった。
すなわち、本発明に係る一般式(I)で表される化合物を電荷輸送物質として使用することにより、感光体1は、光応答性が低下することなく、電荷輸送層16の耐刷性が向上し、機械的耐久性が向上する。
また、電荷輸送層16を浸漬塗布法によって形成する場合には、塗布液の粘度が増大して塗布速度が低下し、生産性が著しく悪くなるおそれがある。塗布液の粘度の増大を抑えるために塗布液中の溶剤の量を多くすると、ブラッシング現象が発生し、形成された電荷輸送層16に白濁が発生する可能性がある。
電荷輸送層16には、成膜性、可撓性および表面平滑性を向上させるために、必要に応じて、可塑剤および/またはレベリング剤などの添加剤を添加してもよい。
ヒンダードフェノール誘導体もしくはヒンダードアミン誘導体の使用量、またはヒンダードフェノール誘導体およびヒンダードアミン誘導体の合計使用量電荷輸送物質13に対して0.1重量%以上50重量%以下の範囲にあることが好ましい。
使用量を0.1重量%以上とすることで、塗布液の安定性の向上および感光体の耐久性の向上に更なる効果を得ることができる。使用量が50重量%を超えると、感光体特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンおよびモノクロルベンゼンなどの芳香族炭化水素、ジクロロメタンおよびジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、THF、ジオキサンおよびジメトキシメチルエーテルなどのエーテル類、ならびにN,N−ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶剤などが挙げられる。
溶剤は、1種を単独で使用してもよく、または2種以上が混合して使用してもよい。
また、上記の溶剤に、必要に応じてアルコール類、アセトニトリルまたはメチルエチルケトンなどの溶剤をさらに加えて使用することもできる。
電荷輸送層16は、例えば前述の電荷発生層15を形成する場合と同様に、適当な溶剤中に電荷輸送物質13およびバインダ樹脂17ならびに必要な場合には前述の添加剤を溶解または分散させて電荷輸送層用塗布液を調製し、この塗布液をスプレイ法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法または浸漬塗布法などによって、電荷発生層15上に塗布することによって形成される。これらの塗布方法の中でも、特に浸漬塗布法は、前述したように種々の点で優れているので、電荷輸送層16を形成する場合にも多く利用されている。
電荷輸送層16の膜厚が5μm未満であると、感光体表面の帯電保持能が低下するおそれがある。電荷輸送層16の膜厚が50μmを超えると、感光体1の解像度が低下する可能性がある。
感光層14の各層、すなわち電荷発生層15および/または電荷輸送層16には、本発明の好ましい特性を損なわない範囲内で、電子受容物質および色素などの増感剤を1種または2種以上添加してもよい。
増感剤を添加することによって、感光体の感度が向上し、また、繰返し使用による残留電位の上昇および疲労などが抑えられ、電気的耐久性が向上する。
図2は、本発明による電子写真感光体の実施の第2の形態である電子写真感光体2の構成を簡略化して示す部分断面図である。本実施形態の電子写真感光体2は、図1に示す実施の第1形態の電子写真感光体1に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
電子写真感光体2において注目すべきは、導電性支持体11と感光層14との間に、中間層18が設けられていることである。
さらに、中間層18が導電性支持体11と感光層14とを接着する接着剤として機能するので、感光層14の導電性支持体11からの剥離を抑えることができる。
中間層18としては、各種樹脂材料から成る樹脂層、アルマイト層などが用いられる。
樹脂層を構成する樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂およびポリアミド樹脂などの合成樹脂、ならびにこれらの合成樹脂を構成する繰返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂などを挙げることができる。また、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコールおよびエチルセルロースなども挙げられる。
また、中間層18には、金属酸化物粒子などの粒子を含有させてもよい。中間層18にこれらの粒子を含有させることによって、該中間層の体積抵抗値を調節し、導電性支持体11からの感光層14への電荷の注入を防止する効果を高めることができる。また、種々の環境下において感光体2の電気特性を維持し、環境安定性を向上させることができる。含有させ得る金属酸化物粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムおよび酸化スズなどの粒子が挙げられる。
中間層用塗布液の溶剤としては、水もしくは各種有機溶剤、またはこれらの混合溶剤が用いられる。その中でも、水、メタノール、エタノールもしくはブタノールなどの単独溶剤、または水とアルコール類、2種類以上のアルコール類、アセトンもしくはジオキソランなどとアルコール類、ジクロロエタン、クロロホルムもしくはトリクロロエタンなどの塩素系溶剤とアルコール類などの混合溶剤が好適に用いられる。
上記の金属酸化物粒子を樹脂溶液中に分散させる方法としては、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミル、超音波分散機またはペイントシェーカなどを用いる公知の分散方法を使用することができる。
また、樹脂の重量(E)と金属酸化物の重量(F)との重量比(E/F)は、90/10〜1/99であることが好ましく、より好ましくは70/30〜5/95である。
実施の形態3
[単層型電子写真感光体]
図3は、本発明による電子写真感光体の実施の第3の形態である電子写真感光体3の構成を簡略化して示す部分断面図である。本実施の形態の電子写真感光体3は、図2に示す実施の第2形態の電子写真感光体2に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
例えば、実施の形態1〜3のそれぞれの感光層14の表面に、表面保護層が設けられる構成であってもよい。これらの感光層の表面に表面保護層を設けることによって、感光体の機械的耐久性を更に向上させることができる。また、感光体表面を帯電させる際のコロナ放電によって発生するオゾンおよび/または窒素酸化物(NOx)などの活性ガスの感光層への化学的悪影響を防止し、感光体の電気的耐久性を更に向上させることができる。
[画像形成装置]
本発明の画像形成装置は、本発明に係る電子写真感光体を備えてなる。
前述のように、帯電電位が高く、高感度で、充分な光応答性を示し、また耐久性に優れ、低温環境下または高速プロセスで用いた場合にもそれらの特性が低下しない電子写真感光体を備えるので、各種の環境下において高品質の画像を提供することのできる信頼性の高い画像形成装置が提供される。
以下に、本発明による電子写真感光体を備える画像形成装置の実施の形態について説明する。なお、本発明による画像形成装置は、以下の記載内容に限定されるものではない。
図4において、帯電器32は帯電ローラなどの接触式帯電手段として示されているが、これに限定されることなく、例えばコロナ放電器などの非接触式帯電手段(例えばスコロトロン帯電器)であってもよい。
まず、図示しない制御部からの指示に応じて、感光体1が駆動手段によって矢符41方向に回転駆動され、露光手段30からの光31の結像点よりも感光体1の回転方向の上流側に設けられる帯電器32によって、その表面43が正または負の所定電位に均一に帯電される。
化合物(3)の製造
ディーン-スタークを備えた反応器中のトルエン300mLに、N,N'−ジフェニルベンジジン(33.6g;1.0モル当量)、ジフェニルアセトアルデヒド(40.2g;2.05モル当量)、DL-10-カンファースルホン酸(0.23g;0.01モル当量)を加えて加熱還流し、トルエンと共沸した水を系外に取除きながら、6時間反応を行った。反応終了後、反応溶液を10分の1(1/10)程度に濃縮し、激しく撹拌しながらヘキサン100mL中に徐々に滴下した。生成した結晶を濾取し、冷エタノールで洗浄して、トルエン−酢酸エチル(1:3)混合溶媒で再結晶して、以下の式(a):
mp.191.0〜194.0℃、収率58%。
NMR(δ、ppm、CDCl3)7.2−7.3(m、14H)、7.15−6.85(m、24H)、6.76(s,2H)。
得られた結晶をLC−MSで分析した結果、目的化合物である以下の表1に示す化合物(3)の化合物(分子量の計算値:1080.49)の分子イオン[M]+に相当するピークが1080.9に観測され、また以下のフラグメントピークも観察された。
MW=1003:[M−φ]+ <ベンゼン環が脱離した形態に相当>
MW=885:[M−(φ2‐N‐N=C)]+ <ジフェニルヒドラゾンが脱離した形態に相当>
MW=901:[M−(CH=C(φ)2)]+ <エナミンユニットが脱離した形態に相当>
MW=809:[M−(φ‐C=N‐N‐φ2)]+ <ジフェニルヒドラゾンユニットが脱離した形態に相当>
MW=616:[M−(φ2‐N‐N=C ‐φ‐N‐CH=C(φ)2)]+ <アミンユニットが脱離した形態に相当>
MW=168:[φ2‐N]+ <ジフェニルヒドラゾンの一部>
(φはベンゼン環を示す。)
このことから、得られた結晶が化合物(3)の化合物であることが確認された(収率:92%)。
また、LC−MSの分析結果から、得られた化合物(3)の純度が99.1%であることが判った。
理論値…C:86.64%、H:5.59%、N:7.77%
実測値…C:86.05%、H:6.06%、N:7.89%
化合物(24)の製造
N,N'−ジナフチル−3,3'ジメチルベンジジン(23.2g)およびジフェニルアセトアルデヒド(20.1g)から、上記の製造例1に記載の方法に従って、式(c):
<LC−MS>
純度:98.9%
[M]+:実測値:1084.9 (分子量の計算値:1084.50)
フラグメントイオンピーク
MW=1069:[M−Me]+ <メチル基が脱離した形態に相当>
MW=1007:[M−φ]+ <フェニル基が脱離した形態に相当>
MW=951:[M−(C=N‐N‐(Me)φ)]+ <フェニルメチルヒドラゾンが脱離した形態に相当>
MW=905:[M−(CH=C(φ)2)]+ <エナミンユニットが脱離した形態に相当>
MW=632:[M−(φ(Me)‐N‐N=C‐Np‐N‐CH=C(φ)2)]+ <アミンユニットが脱離した形態に相当>
MW=106:[φ(Me)‐N]+ <フェニルメチルヒドラゾンの一部>
(φはベンゼン環、Npはナフタレン環、Meはメチル基を示す。)
<元素分析> 理論値…C:86.31%、H:5.94%、N:7.74%
実測値…C:86.21%、H:5.91%、N:7.88%
化合物(35)の製造
1‐(4‐フェニルアミノフェニル)−4−フェニルアミノベンゾフラン(18.8g)およびジフェニルアセトアルデヒド(20.1g)から、上記の製造例1に記載の方法に従って式(d):
<LC−MS>
純度:99.0%
[M]+:1120.9 (分子量の計算値:1120.5)
フラグメントイオンピーク
MW=1043:[M−φ]+ <ベンゼン環が脱離した形態に相当>
MW=925:[M−(φ2‐N‐N=C)]+ <ジフェニルヒドラゾンが脱離した形態に相当>
MW=941:[M−(CH=C(φ)2)]+ <エナミンユニットが脱離した形態に相当>
MW=861:[M−(φ‐C=N‐N‐φ2)]+ <ジフェニルヒドラゾンユニットが脱離した形態に相当>
MW=656:[M−(φ2‐N‐N=C ‐φ‐N‐CH=C(φ)2)]+ <アミンユニットが脱離した形態に相当>
MW=168:[φ2‐N]+ <ジフェニルヒドラゾンの一部>
(φはベンゼン環を示す。)
<元素分析> 理論値…C:85.69%、H:5.39%、N:7.49%
実測値…C:85.41%、H:5.49%、N:7.59%
化合物(45)の製造
3,6‐フェニルアミノ‐N‐エチルカルバゾール(18.9g)およびジフェニルアセトアルデヒド(20.1g)から、上記の製造例1に記載の方法に従って、合成した式(e):
化合物(45)
<LC−MS>
純度:98.9%
[M+H]+:997.9 (分子量の計算値:997.5)
フラグメントイオンピーク
MW=982:[M−Me]+ <メチル基が脱離した形態に相当>
MW=968:[M−CH2CH3]+ <エチル基が脱離した形態に相当>
MW=920:[M−φ]+ <ベンゼン環が脱離した形態に相当>
MW=864:[M−(C=N‐N‐(Me)φ)]+ <フェニルメチルヒドラゾンが脱離した形態に相当>
MW=818:[M−(CH=C(φ)2)]+ <エナミンユニットが脱離した形態に相当>
MW=595:[M−(φ(Me)‐N‐N=C‐Np‐N‐CH=C(φ)2)]+ <アミンユニットが脱離した形態に相当>
MW=106:[φ(Me)‐N]+ <フェニルメチルヒドラゾンの一部>
(φはベンゼン環、Meはメチル基を示す。)
<元素分析> 理論値…C:84.22%、H:5.96%、N:9.82%
実測値…C:84.08%、H:6.05%、N:9.87%
酸化アルミニウム(Al2O3)と二酸化ジルコニウム(ZrO2)とで表面処理された樹枝状の酸化チタン(石原産業株式会社製:TTO−D−1)9重量部と、共重合ナイロン樹脂(東レ株式会社製:CM8000)9重量部とを、1,3−ジオキソラン41重量部とメタノール41重量部との混合溶剤に加え、ペイントシェーカを用いて12時間分散させ、中間層用塗布液(100g)を調製した。調製した中間層用塗布液を、厚み0.2mmのアルミニウム製板状導電性支持体上に、ベーカアプリケータにて塗布した後、乾燥させ、膜厚1μmの中間層を形成した。
以上のようにして、図2に示す積層型の層構成を有する実施例1の電子写真感光体を作製した。
実施例1において電荷輸送物質として用いた化合物(3)に代えて、前記製造例2で得られた化合物(24)を用いる以外は、実施例1と同様にして、実施例2の電子写真感光体を作製した。
実施例1において電荷輸送物質として用いた化合物(3)に代えて、前記製造例3で得られた化合物(35)を用いる以外は、実施例1と同様にして、実施例3の電子写真感光体を作製した。
電荷輸送物質として、化合物(3)に代えて、以下の式(A):
実施例1と同様にして、厚み0.2mmのアルミニウム製板状導電性支持体上に、膜厚1μmの中間層を形成した。
次に、電荷発生物質としてX型無金属フタロシアニン(大日本インキ化学工業社製:ファストゲンブルー8120BS)1重量部と、バインダ樹脂としてポリカーボネート樹脂(三菱瓦斯化学株式会社製:Z−400)18重量部と、電荷輸送物質として表1に示す化合物(3)の化合物10重量部と、3,5−ジメチル−3',5'−ジ−t−ブチルジフェノキノン5重量部と、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.5重量部と、THF115重量部とを、ボールミルで12時間分散し、感光層用塗布液を調製した。この感光層用塗布液を、先に形成した中間層上に、ベーカアプリケータによって塗布した後、温度110℃で1時間熱風乾燥させ、膜厚20μmの感光層を形成した。
以上のようにして、図3に示す単層型の層構成を有する実施例4の電子写真感光体を作製した。
以上のようにして作製した実施例1〜4および比較例1の各感光体について、静電複写紙試験装置(株式会社川口電機製作所製:EPA−8200)を用いて、初期特性および繰返し特性を評価した。評価は、温度22℃、相対湿度65%(65%RH)の常温/常湿(N/N:Normal Temperature/Normal Humidity)環境下、および温度5℃、相対湿度20%(20%RH)の低温/低湿(L/L:Low Temperature/Low Humidity)環境下のそれぞれの環境下において行なった。
ネルギ1μW/cm2の単色光を用いた。
酸化アルミニウム(Al2O3)と二酸化ジルコニウム(ZrO2)とで表面処理された樹枝状の酸化チタン(石原産業株式会社製:TTO−D−1)9重量部と、共重合ナイロン樹脂(東レ株式会社製:CM8000)9重量部とを、1,3−ジオキソラン41重量部とメタノール41重量部との混合溶剤に加えた後、ペイントシェーカにて8時間分散処理し、中間層用塗布液(1kg)を調製した。この中間層塗布液を塗工槽に満たし、この塗工槽に直径30mm×長さ357mm×厚さ0.8mmのアルミニウム製円筒状導電性支持体を浸漬した後に引上げ、乾燥させ、膜厚1.0μmの中間層を導電性支持体上に形成した。
なお、該電荷発生層のCu−Kα特性X線(波長:1.54Å)によるX線回折スペクトルを測定した結果、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.2°に明確な回折ピークを示した。
この電荷輸送層用塗布液を、先に形成した中間層と同様の浸漬塗布法にて、先に形成した電荷発生層上に塗布した後、温度130℃で1時間乾燥させ、膜厚23μmの電荷輸送層を形成した。
以上のようにして、実施例5の電子写真感光体を作製した。
実施例5における電荷輸送物質として用いられた化合物(3)に代えて、製造例2で得られた化合物(24)を用いる以外は、実施例5と同様にして、実施例6の電子写真感光体を作製した。
実施例5における電荷輸送物質として用いられた化合物(3)に代えて、製造例4で得られた化合物(45)を用いる以外は、実施例5と同様にして、実施例6の電子写真感光体を作製した。
実施例5における電荷輸送物質として用いられた化合物(3)に代えて、前述の化合物(A)を用いる以外は、実施例5と同様にして、比較例2の電子写真感光体を作製した。
実施例5における電荷輸送層の形成に際し、バインダ樹脂であるポリカーボネート樹脂の量を25重量部に変更する以外は、実施例5と同様にして、実施例8の電子写真感光体を作製した。
実施例5における電荷輸送層の形成に際し、バインダ樹脂であるポリカーボネート樹脂の量を25重量部に変更し、電荷輸送物質として、化合物(3)に代えて、製造例2で得られた化合物(24)を用いる以外は、実施例5と同様にして、実施例9の電子写真感光体を作製した。
実施例5における電荷輸送層の形成に際し、バインダ樹脂であるポリカーボネート樹脂の量を25重量部に変更し、電荷輸送物質として、化合物(3)に代えて、製造例4で得られた化合物(45)を用いる以外は、実施例5と同様にして、実施例10の電子写真感光体を作製した。
実施例5における電荷輸送層の形成に際し、バインダ樹脂であるポリカーボネート樹脂の量を10重量部に変更する以外は、実施例5と同様にして、実施例11の電子写真感光体を作製した。
実施例5における電荷輸送層の形成に際し、バインダ樹脂であるポリカーボネート樹脂の量を31重量部に変更する以外は、実施例5と同様にして、電子写真感光体を作製した。ただし、実施例5と同量のTHFでは電荷輸送層用塗布液の粘度が高くなったので、THF(150g)を追加し、十分に希釈した電荷輸送層用塗布液を調製し直し、これを用いて電荷輸送層を形成した。
電荷輸送層の形成に際し、電荷輸送物質として、化合物(3)に代えて、前述の構造式(A)で表される化合物Aを用い、バインダ樹脂であるポリカーボネート樹脂の量を10重量部に変更する以外は、実施例5と同様にして、参考例3の電子写真感光体を作製した。
[評価2]
以上のようにして作製した実施例5〜7および比較例2の各感光体を、ドラムチェッカー(ジェンテック社製:CYNCYA)においてX‐TOFモードで、電界強度が2.5×105V/cm、温度25℃、相対湿度50%のホール移動度を測定した。
上記の試験用複写機を用い、所定のパターンのテスト画像を記録用紙4万枚に形成した後、搭載していた感光体を取出して感光層の膜厚d1[μm]を測定し、この値d1を作製時の感光層の膜厚d0から差引いた値(d0−d1)を膜減り量Δdとして求め、耐刷性の評価指標とした。膜厚の測定は、膜厚測定装置F20−EXR(フィルメトリクス社製)で行なった。
上記試験用複写機内部に、画像形成過程における感光体の表面電位を測定できるように表面電位計(ジェンテック社製:CATE751)を設けた。この複写機を用い、各感光体について、温度22℃、相対湿度65%のN/N環境下において、帯電器による帯電動作直後の感光体の表面電位を帯電電位V1[V]として測定した。また、レーザ光によって露光を施した直後の感光体の表面電位を残留電位VL[V]として測定し、これをN/N環境下における残留電位VLNとした。帯電電位V1の絶対値が大きい程、帯電性に優れると評価し、残留電位VLNの絶対値が小さい程、光応答性に優れると評価した。
11 導電性支持体
12 電荷発生物質
13 電荷輸送物質
14 感光層
15 電荷発生層
16 電荷輸送層
17 バインダ樹脂
18 中間層
30 露光手段
31 露光手段からの光
32 帯電器
33 現像器
34 転写器
35 定着器
36 クリーナ
100 画像形成装置
Claims (6)
- 電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とがこの順で積層された積層型感光層、または電荷発生物質および電荷輸送物質を含む単層型感光層が導電性支持体上に形成されており、前記電荷輸送層または前記単層型感光層が、該電荷輸送物質として下記一般式(I):
前記一般式(I)で表される化合物が、
前記Ar 1 が、次の式:
前記Ar 1 が、次の式:
前記Ar 1 が、次の式:
前記Ar 1 が、次の式:
- 前記電荷発生層または前記単層型感光層が、バインダ樹脂を含有し、前記電荷輸送層または前記単層型感光層において、前記電荷輸送物質(A)と前記バインダ樹脂(B)との重量比A/Bが、10/12〜10/30である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷発生層または前記単層型感光層が、電荷発生物質としてCu−Kα特性X線回折(波長:1.54Å)におけるブラッグ角(2θ±0.2°)が少なくとも27.2°に回折ピークを有するオキソチタニウムフタロシアニンを含む請求項1または2に記載の電子写真感光体。
- 前記感光体が、前記積層型感光層または前記単層型感光層と、前記導電性支持体との間に、中間層を更に備える請求項1〜3のいずれか一つに記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜4のいずれか一つに記載の電子写真感光体を備える画像形成装置。
- 請求項5に記載の画像形成装置を用いることを特徴とする画像形成方法。
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