JP5604860B2 - 偽造防止用紙 - Google Patents
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Description
上記ホログラムや回折構造体は、双方ともに偽造困難で、カラーコピー機等による複写も困難で、また意匠的にも優れる事から、クレジットカードやIDカード、各種有価証券、証明書等に広く用いられている。
しかしながら、実際の運用上ではホログラムや回折構造体の真偽判定は人の目に委ねられるため、微視的には粗悪な偽造品であっても全ての人が肉眼で一様に正確な真偽判定を行う事は容易でない。
例えば、表面レリーフ構造のホログラムや回折構造体は密着露光により複製される恐れがある。
偽造を防ぐため、例えば回折効果を持つ細かいパターンの配置に工夫を凝らす事が特許文献1に記載されている。この表示体は、目視では情報が読み取れないようにセキュリティ情報の有無を分かり難くしている。従って、真正品か否かの判断は目視では困難であるから、その判定には読み取り機械を使用する事になる。
また、密着露光法で複製されたホログラムや回折構造体は、オリジナルと比較すれば精度の低下を確認できるが、通常複製品は複製品のみで流通するため、専門家ではない一般の人には真正品か否かの判断が困難であるという問題がある。
近年では、この凹凸を更に微細に、凸部の周期を光の波長以下とする事で、光の反射を防ぎ入射光を制御できる事が開示されている(例えば特許文献2参照)。この技術は、凸部の周期が光の波長以下、特に50〜250nm程度とする事で、光の反射を抑制し、光制御シートに適用したというものである(以下、この様な光の波長以下の凸部周期を持つ凹凸構造を、微細レリーフと称する)。
また、微細レリーフに反射層を備える事で、回折光を制御し、回折光が観察可能な表示体とする事が開示されている。(例えば特許文献3参照)
しかし、このような微細レリーフに反射層を設けた構成の表示体は、従来の回折構造体より高精度な製造技術が必要なため偽造が困難である事から偽造防止効果は高いが、表示体の水平方向に近い角度から観察しなければ回折光が発生しないため、従来の回折構造の観察方法では、回折光の観察が難しいという問題がある。
く、プリズム構造部を重ね合わせるだけで、複数種類の反射光や回折光を容易に観察する事が可能となる。
図1の偽造防止用紙1は、基材11上に光学可変素子であるOVD12が帯状に貼付されている。尚、このOVD12はその光学変化を直接目視で観察できれば、窓開き状に基材11中に漉き込まれていたり、帯状ではない別の形状に貼付されていても良い。OVD12は、観察する角度によって図柄や色彩、明るさなどが変化する表示体からなり、図1では例えば破線で囲んだ“OVD”の文字がOVD121であり、図1は真正面から見た図であるため、中央部の“OVD”のOVD121は明るさが暗く、用紙端に近いOVD121では真正面ではなく角度が変化するので、輝度が少し増している。
図1の偽造防止用紙1の基材11には穿孔部13があり、穿孔部13を覆うようにプリズムシート14が貼付されている。尚、このプリズムシート14は、図2に断面を示したようにプリズムの凹凸がある面を基材11側とし、その反対面は平面である。
OVD12の回折構造部121に照明光121aが入射した場合、正反射光121bと回折光121cが発生し、観察者は121cの角度から観察できるように偽造防止用紙1または顔を傾ける事で回折光121cを観察する事ができる。
12の回折構造部121に照明光121aが入射した場合、正反射光121bと回折光121cが発生し、プリズムシート14によって入射光及び反射光、回折光の角度が各々変化する事を示している。
このような構造による屈折効果は、照明光121aがプリズムシート14にθ1の角度で入射した時、空気とプリズムシートの屈折率の差によって照明光121aの入射角度がθ2に変化して回折構造部121に入射する。これにより、回折構造部121では反射光121bと回折光121cが発生し、各々プリズムシートの屈折によって、反射光121bは射出角がθ2からθ1に、回折光121cは射出角がθ4からθ3に変化して射出される。この時の屈折現象は、空気の屈折率とプリズムシートの屈折率との差により発現し、一般的には空気の屈折率は約1.0、プリズムシートに使用できる透明材料であるガラスや樹脂の屈折率は1.5〜2.5程度であるため、空気の1.0よりも大きくなり、スネルの法則(n1Sinθ1=n2Sinθ2)により、θ1>θ2、θ4>θ3となる。
基材11は偽造防止用紙1乃至4の基材であり、紙や樹脂の単体またはその積層体、もしくは紙や樹脂の複合単体や積層体、または樹脂を主材料として製造された合成紙など、偽造防止用紙に使用される材料であれば何れの材質でも良い。
OVD12は、基材として樹脂フィルムが使用できる。樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、ポリエチレンナフタレート樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、ポリエチレン樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム、耐熱塩化ビニルフィルム等が使用できる。これらの樹脂の中で、耐熱性が高く厚みが安定している事から、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムが好ましく使用できる。
形成層にこのプレス版を熱圧着し、薄膜表面に凹凸パターンからなるレリーフを転写する事で、回折構造体が形成される。
を形成し、画像パターン状に露光・現像した後、アルカリ性または酸性のエッチング液を適用して露出した反射層を溶解して除去する方法である。この場合も、残存する感光性樹脂層をそのまま残存させて、耐薬品性を持たせる保護層として利用する事ができる。
接着層としては、熱及び圧力によって被転写物である基材11に接着するものであれば良く、公知の感熱性接着材料を使用する事ができる。
図には示さないが、その他の層として各層間の密着性をより強固なものとするためにアンカー層を設けたり、OVD12の全面または一部を着色する着色層を設けたり、文字や絵柄を印刷するために印刷層を追加する事ができる。これらのインキとしては、周知の密着向上剤や接着剤、染料や顔料を用いた着色剤、または印刷インキなどをそれぞれ使用する事ができる。
プリズムシート14に使用される基材としては、樹脂フィルムが使用できる。樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、ポリエチレンナフタレート樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、ポリエチレン樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム、耐熱塩化ビニルフィルム等が使用できる。これらの樹脂の中で、耐熱性が高く厚みが安定している事から、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムが好ましく使用できる。
また、反応性水酸基を有するアクリルポリオールやポリエステルポリオール等にポリイソシアネートを架橋剤として添加して架橋させたウレタン樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂等が使用できる。この内、紫外線あるいは電子線硬化性樹脂としては、エポキシ(メタ)アクリル、ウレタン(メタ)アクリレート等も使用でき、V字のプリズム形状の加工は、切削や金属版による熱圧エンボス、射出成型等により作製出来る。尚、本発明では、透明な樹脂を用いて所望の形状に作製できれば、特に前記樹脂や作製方法に限定されるものではない。
<実施例1>
まず、プリズムシートの基材として25μm厚みのポリエチレンテレフタレート(通称PET)フィルムを使用した。この基材に、紫外線硬化タイプのアクリル樹脂をバーコート法により5μmの膜厚に均一に塗布し、角度が79°の頂角を持つV字型の溝が一定間隔で並んだ形状を持つNi製のエンボス版を押し当てながら紫外線を照射して硬化させ、所望のプリズムシートを作製した。
アクリル樹脂 20.0重量部
反応性シリコーン 1.0重量部
メチルエチルケトン 50.0重量部
酢酸エチル 30.0重量部
塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂 15.0重量部
アクリル樹脂 10.0重量部
シリカ 1.0重量部
メチルエチルケトン 44.0重量部
トルエン 30.0重量部
次に実施例2として、本発明第4の例である偽造防止用紙について説明する。
まず、プリズムシートの基材として25μm厚みのポリエチレンテレフタレート(通称PET)フィルムを使用した
この基材に、紫外線硬化タイプのアクリル樹脂をバーコート法により5μmの膜厚に均一に塗布し、角度が50°の頂角を持つV字型の溝が一定間隔で並んだ形状を持つNi製のエンボス版を押し当てながら紫外線を照射して硬化させ、所望のプリズムシートを作製した。
紫外線硬化型アクリル樹脂 20.0重量部
メチルエチルケトン 50.0重量部
酢酸エチル 30.0重量部
塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂 15.0重量部
アクリル樹脂 10.0重量部
シリカ 1.0重量部
メチルエチルケトン 44.0重量部
トルエン 30.0重量部
比較例として、実施例1及び2におけるプリズムシートが無い他は、全て同じ層構成、材料からなる偽造防止用紙を作製した。
をOVDに密着させてOVDを観察したところ、正面から15°の角度に傾けた状態で文字の色彩が変化して回折光を観察する事が出来、更にそこから角度を22°に変化させると、更に緑色の回折光を観察する事ができた。一方、プリズムシートがない状態の比較例で作製した偽造防止用紙では、正面から15°及び20°では回折光を観察する事が出来ず、もっと深い角度に傾ける事によって回折光が観察され、観察者によっては水平近くの角度による回折光に気付かない者もいた。よって、プリズムシートを重ね合わせる事で、2種類のOVDの回折光を観察する際に、少ない観察角度変化で観察する事ができ、更に、プリズムシート部を前後、または左右にずらす事で回折光の有無が分かるので、複数種類のOVDが混在しても真贋判定がし易かった。
2・・・・本発明に係る第2の例である偽造防止用紙
3・・・・本発明に係る第3の例を示す偽造防止用紙
11・・・・本発明に係る第1の例乃至第4の例を示す偽造防止用紙の基材
12・・・・OVD(光学可変素子)
13・・・・穿孔部
14・・・・プリズムシート
15・・・・透明部
121・・・・回折構造部
122・・・・回折構造部
121a・・・・入射光
121b・・・・反射光
121c・・・・回折光
122a・・・・入射光
122b・・・・反射光
122c・・・・回折光
151・・・・プリズム構造部
152・・・・平坦部
153・・・・プリズム構造部
154・・・・プリズム構造部
Claims (4)
- 光学的変化を発現させるOVDを有する偽造防止用紙において、偽造防止用紙の基材中または基材上のOVDとは別の部分に、OVDによって発現した反射光や回折光の入射角と反射角を変化させるプリズム構造を備えた事を特徴とする偽造防止用紙。
- 光学的変化を発現させるOVDを有する偽造防止用紙において、偽造防止用紙の基材中または基材上のOVDとは別の部分に透明部を設け、この透明部の少なくとも一部が、OVDによって発現した反射光や回折光の入射角と反射角を変化させるためのプリズム構造を備えている事を特徴とする偽造防止用紙。
- 前記OVDが少なくとも2種類からなり、そのOVDの反射光や回折光の入射角と反射角を変化させるための透明なプリズム構造も少なくとも2種類からなる事を特徴とする請求項1または2に記載の偽造防止用紙。
- 前記OVDの少なくとも1種類が回折光を発現させる回折構造からなり、更にその回折構造の隣接する凸部の中心間距離が200nm〜400nm、凹部の深さが100nm以上である事を特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の偽造防止用紙。
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