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JP5602992B2 - 光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、更に詳しくは、高い光拡散性と高い光線透過率を両立し、且つシルバー・樹脂ヤケのない優れた熱安定性を有した光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に関する。また、射出(プレス)成形、特に最大投影面積が500〜50,000cmの大型射出(プレス)成形に適した光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に関する。
従来より各種照明カバー、透過型ディスプレイ用の光拡散板、自動車メーター用の拡散板、および各種銘板などの光拡散性が要求される用途に、芳香族ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、および塩化ビニル樹脂などの透明性樹脂に有機物や無機物の光拡散剤を分散させた材料が広く用いられている。この様な透明性樹脂の中で、芳香族ポリカーボネート樹脂は機械的特性、耐熱性、および耐候性に優れている上、高い光線透過率を備えた樹脂であることから、幅広く使用されている。
光拡散剤としては、架橋アクリル系粒子、架橋シリコーン系粒子および架橋スチレン系粒子などの架橋構造を有する有機系粒子が挙げられる。また光拡散剤として、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化チタン、および弗化カルシウムなどの無機系粒子あるいはガラス短繊維などの無機系繊維も利用されている。特に有機系粒子は無機系粒子に比べて成形品の表面平滑性に優れており高度な成形品外観を達成できるため、幅広い用途に適用可能である。
また光拡散剤を分散させた材料の用途としては、例えば、ポリカーボネート樹脂においては電灯カバー、照明グローブ、車載用スピードメーター、看板(特に内照式)、樹脂窓ガラス、並びに表示装置用の光拡散板(例えば、液晶表示装置におけるバックライトモジュールに使用される光拡散板、およびプロジェクターテレビの如き投影型表示装置のスクリーンに使用される光拡散板などに代表される)などが例示される。これら用途において共通した重要な機能は、電灯・LED等の点光源体、蛍光灯・冷陰極管等の線光源体の光量を可能な限り落とさず、面に均一に光を拡散させた面光源体を形成させることにある。該用途のうち、電灯カバー・照明グローブ・看板(特に内照式)・樹脂窓ガラス等は、製品の外装部材にあたるため、成形品には美しい外観(白度)が求められ、黄色化、シルバー、ヤケ等の外観不良を生じた場合、製品としての価値が失われる。同様に、車載用スピードメーター、並びに表示装置用の光拡散板などは、光源から光源と反対側の面へ、均一に拡散光を出射させる必要があるため、色度の悪化、および光の遮断原因となるシルバー、ヤケ等を生じた成形品は同様に、製品価値の低いものとなる。更に、近年は液晶表示装置などの大型・薄型化の進歩が著しく、成形時の樹脂に対する熱履歴も増加し、熱安定性の必要性が高まっている。
このような熱安定性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物としては、芳香族ポリカーボネート樹脂、シリコーン架橋粒子に代表される高分子微粒子、特定構造のホスホナイトおよび/またはホスファイト、トリアルキルホスフェート、ペンタエリスリトールジホスファイト、およびヒンダードフェノールの特定割合からなる光拡散性樹脂組成物が公知である(特許文献1、2参照)。また、大型射出成形品を製造する際の熱安定性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が公知としてある(特許文献3参照)
しかしながら、これら文献に記載される知見では、高温成形における樹脂自体の黄色化は抑制できても、架橋アクリル粒子など粒子自体の分解温度が低い場合は、300℃を越えた高温成形時に、シルバー・ヤケまでを抑制するには十分とはいい難かった。
さらに、高分子微粒子として用いる架橋アクリル系粒子そのものを、熱安定化処理する方法が公知としてある(特許文献3参照)。かかる文献では、高温にて成形した場合に光拡散剤として用いる架橋アクリル粒子が分解し、その分解生成物の影響でポリカーボネート樹脂が着色してしまうと推定されており、これに対して架橋アクリル系粒子内に特定のリン系安定剤を加えることにより、着色の防止を達成している。しかしながら、300℃を越えた高温成形時においては、やはりシルバー・ヤケまでを抑制するには十分とはいい難く、架橋アクリル粒子そのものに熱安定処方を施しただけでは樹脂組成物全体で考えた場合には熱安定性は不十分なものであった。
特開2001−214049号公報 特開2001−323149号公報 特開2006−307140号公報
本発明の目的は、高い光拡散性と高い光線透過率を両立し、且つシルバー・樹脂ヤケのない優れた熱安定性を有した光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、前記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)熱量測定装置により測定した5%重量減少温度が300℃以上である、前記芳香族ポリカーボネート樹脂と相溶しない架橋(メタ)アクリル系重合体粒子(B成分)0.01〜3.0重量部を含有する光拡散性樹脂組成物が、射出(プレス)成形、特に最大投影面積が500〜50,000cmの大型射出(プレス)成形においてシルバー・樹脂ヤケがない熱安定性を示すことを見出し、本発明に到達した。
本発明によれば、(1)(A)芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)熱量測定装置により測定した5%重量減少温度が300℃以上である、前記芳香族ポリカーボネート樹脂と相溶しない架橋(メタ)アクリル系重合体粒子(B成分)0.01〜3.0重量部を含有する光拡散性樹脂組成物が提供される。即ち、本発明の要旨は、従来よりもはるかに高い5%重量減少温度を有する架橋(メタ)アクリル系重合体粒子を芳香族ポリカーボネート樹脂に配合し、その結果前記課題を達成したことにある。
本発明の好適な態様の1つは、(2)B成分は、重合過程で架橋粒子内に、リン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、および硫黄系酸化防止剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の安定剤をB成分100重量部に対して0.005〜2.0重量部配合された架橋(メタ)アクリル粒子である前記構成(1)の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物である。
本発明の好適な態様の1つは、(3)B成分に含有されるリン系化合物が、下記式(I)〜(III)で示される亜リン酸系安定剤であることを特徴とする前記構成(2)の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物である。
Figure 0005602992
(式中、Arは炭素原子数6〜20のアルキル基、またはアルキル基を含んでいてもよい炭素原子数6〜20の芳香族基である。)
Figure 0005602992
(式中、Arは炭素原子数6〜20のアルキル基、またはアルキル基を含んでいてもよい炭素原子数6〜20の芳香族基である。)
Figure 0005602992
(式中、Arは炭素原子数6〜20のアルキル基、またはアルキル基を含んでいてもよい炭素原子数6〜20の芳香族基である。)
本発明の好適な態様の1つは、(4)A成分100重量部に対し、(C)リン系安定剤(C成分)0.0001〜1重量部、および/または(D)ヒンダードフェノール系化合物(D成分)0.001〜1重量部を配合してなる前記構成(1)〜(3)の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物である。
かかる安定剤の配合によって、特に芳香族ポリカーボネート樹脂自体の熱安定性が改良され、更に良好な輝度を有する光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が提供される。
本発明の好適な態様の1つは、(5)A成分の芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、(E)蛍光増白剤(E成分)0.0005〜0.5重量部を配合してなる前記構成(1)〜(4)の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物である。
かかる成分の配合によって、輝度が向上するか、またはその長期使用における色相変化の少ない光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が提供される。
本発明の好適な態様の1つは、(6)前記構成(1)〜(5)の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物より形成された照明用カバー、車両用ランプカバー、および光拡散板である。
また、本発明の好適な態様の1つは、(7)最大投影面積が500〜50,000cmであり、射出プレス成形法により製造された前記構成(6)の光拡散板である。
以下、本発明の詳細について説明する。
<A成分について>
本発明のA成分は樹脂組成物の主成分となる芳香族ポリカーボネート樹脂である。代表的な芳香族ポリカーボネート樹脂(以下、単に「ポリカーボネート」と称することがある)は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを反応させて得られるものであり、反応の方法としては界面重縮合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステル交換法及び環状カーボネート化合物の開環重合法等を挙げることができる。
前記二価フェノールの具体例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ビフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称“ビスフェノールA”)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等が挙げられる。これらの中でも、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン、特にビスフェノールA(以下“BPA”と略称することがある)が汎用されている。
本発明では、汎用のポリカーボネートであるビスフェノールA系のポリカーボネート以外にも、他の二価フェノール類を用いて製造した特殊なポリカーボネ−トをA成分として使用することが可能である。
例えば、二価フェノール成分の一部又は全部として、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(以下“BPM”と略称することがある)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(以下“Bis−TMC”と略称することがある)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン及び9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(以下“BCF”と略称することがある)を用いたポリカーボネ−ト(単独重合体又は共重合体)は、吸水による寸法変化や形態安定性の要求が特に厳しい用途に適当である。これらのBPA以外の二価フェノールは、該ポリカーボネートを構成する二価フェノール成分全体の5モル%以上、特に10モル%以上、使用するのが好ましい。
殊に、高剛性かつより良好な耐加水分解性が要求される場合には、樹脂組成物を構成するA成分が次の(1)〜(3)の共重合ポリカーボネートであるのが特に好適である。
(1)該ポリカーボネートを構成する二価フェノール成分100モル%中、BPMが20〜80モル%(より好適には40〜75モル%、さらに好適には45〜65モル%)であり、かつBCFが20〜80モル%(より好適には25〜60モル%、さらに好適には35〜55モル%)である共重合ポリカーボネート。
(2)該ポリカーボネートを構成する二価フェノール成分100モル%中、BPAが10〜95モル%(より好適には50〜90モル%、さらに好適には60〜85モル%)であり、かつBCFが5〜90モル%(より好適には10〜50モル%、さらに好適には15〜40モル%)である共重合ポリカーボネート。
(3)該ポリカーボネートを構成する二価フェノール成分100モル%中、BPMが20〜80モル%(より好適には40〜75モル%、さらに好適には45〜65モル%)であり、かつBis−TMCが20〜80モル%(より好適には25〜60モル%、さらに好適には35〜55モル%)である共重合ポリカーボネート。
これらの特殊なポリカーボネートは、単独で用いてもよく、2種以上を適宜混合して使用してもよい。また、これらを汎用されているビスフェノールA型のポリカーボネートと混合して使用することもできる。
これらの特殊なポリカーボネートの製法及び特性については、例えば、特開平6−172508号公報、特開平8−27370号公報、特開2001−55435号公報及び特開2002−117580号公報等に詳しく記載されている。
なお、上述した各種のポリカーボネートの中でも、共重合組成等を調整して、吸水率及びTg(ガラス転移温度)を下記の範囲内にしたものは、ポリマー自体の耐加水分解性が良好で、かつ成形後の低反り性においても格段に優れているため、形態安定性が要求される分野では特に好適である。
(i)吸水率が0.05〜0.15%、好ましくは0.06〜0.13%であり、かつTgが120〜180℃であるポリカーボネート、あるいは
(ii)Tgが160〜250℃、好ましくは170〜230℃であり、かつ吸水率が0.10〜0.30%、好ましくは0.13〜0.30%、より好ましくは0.14〜0.27%であるポリカーボネート。
ここで、ポリカーボネートの吸水率は、直径45mm、厚み3.0mmの円板状試験片を用い、ISO62−1980に準拠して23℃の水中に24時間浸漬した後の水分率を測定した値である。また、Tg(ガラス転移温度)は、JIS K7121に準拠した示差走査熱量計(DSC)測定により求められる値である。
一方、カーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カーボネートエステル又はハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネート又は二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
このような二価フェノールとカーボネート前駆体とから界面重合法によってポリカーボネートを製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールが酸化するのを防止するための酸化防止剤等を使用してもよい。また、ポリカーボネートは3官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネートであってもよい。ここで使用される3官能以上の多官能性芳香族化合物としては、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン等が挙げられる。
分岐ポリカーボネートを生ずる多官能性化合物を含む場合、その量は、ポリカーボネート全量中、0.001〜1モル%、好ましくは0.005〜0.9モル%、特に好ましくは0.01〜0.8モル%である。また、特に溶融エステル交換法の場合、副反応として分岐構造が生ずる場合があるが、かかる分岐構造量についても、ポリカーボネート全量中、0.001〜1モル%、好ましくは0.005〜0.9モル%、特に好ましくは0.01〜0.8モル%であるものが好ましい。なお、かかる分岐構造の割合についてはH−NMR測定により算出することが可能である。
また、本発明のポリカーボネートは、芳香族もしくは脂肪族(脂環式を含む)の2官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート、2官能性アルコール(脂環式を含む)を共重合した共重合ポリカーボネート並びにかかる2官能性カルボン酸及び2官能性アルコールを共に共重合したポリエステルカーボネートであってもよい。また、得られたポリカーボネートの2種以上をブレンドした混合物でも差し支えない。
ここで用いる脂肪族の2官能性のカルボン酸は、α,ω−ジカルボン酸が好ましい。脂肪族の2官能性のカルボン酸としては、例えば、セバシン酸(デカン二酸)、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、オクタデカン二酸、イコサン二酸等の直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸及びシクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸が好ましく挙げられる。2官能性アルコールとしては、脂環族ジオールがより好適であり、例えばシクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、トリシクロデカンジメタノール等が例示される。
さらに、本発明では、A成分として、ポリオルガノシロキサン単位を共重合した、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の使用も可能である。
A成分のポリカーボネートは、上述した二価フェノールの異なるポリカーボネート、分岐成分を含有するポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体等の各種ポリカーボネートの2種以上を混合したものであってもよい。さらに、製造法の異なるポリカーボネート、末端停止剤の異なるポリカーボネート等を2種以上混合したものを使用することもできる。
本発明のポリカーボネート樹脂の製造方法である界面重合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマー固相エステル交換法、および環状カーボネート化合物の開環重合法などの反応形式は、各種の文献及び特許公報などで良く知られている方法である。
A成分の芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は限定されない。しかしながら、粘度平均分子量は、1×10未満であると強度等が低下し、5×10を超えると成形加工特性が低下するようになるので、1×10〜5×10の範囲が好ましく、1.2×10〜3×10の範囲がより好ましく、1.5×10〜2.8×10の範囲がさらに好ましい。この場合、成形性等が維持される範囲内で、粘度平均分子量が前記範囲外であるポリカーボネートを混合することも可能である。例えば、粘度平均分子量が5×10を超える高分子量のポリカーボネート成分を配合することも可能である。
本発明でいう粘度平均分子量は、まず、次式にて算出される比粘度(ηSP)を20℃で塩化メチレン100mlに芳香族ポリカーボネート0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求め、
比粘度(ηSP)=(t−t)/t
[tは塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
求められた比粘度(ηSP)から次の数式により粘度平均分子量Mを算出する。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−40.83
c=0.7
尚、A成分を使用した光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物における粘度平均分子量の算出は次の要領で行なわれる。すなわち、該組成物を、その20〜30倍重量の塩化メチレンと混合し、組成物中の可溶分を溶解させる。かかる可溶分をセライト濾過により採取する。その後得られた溶液中の溶媒を除去する。溶媒除去後の固体を十分に乾燥し、塩化メチレンに溶解する成分の固体を得る。かかる固体0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液から、前記と同様にして20℃における比粘度を求め、該比粘度から前記と同様にして粘度平均分子量Mを算出する。
<B成分について>
本発明のB成分は熱量測定装置により測定した5%重量減少温度(以下単に5%重量減少温度と記載する。)が300℃以上である、A成分と相溶しない架橋(メタ)アクリル系重合体粒子である。かかる架橋(メタ)アクリル系重合体粒子配合の主たる目的は、透過光をできる限り落とさず、高い拡散光を得る点にある。
本発明において使用される架橋(メタ)アクリル系重合体粒子は、従来光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物において汎用されている架橋(メタ)アクリル系重合体粒子[例えばテクポリマーMBX―5(商品名、積水化成品工業(株)製、5%重量減少温度250℃)]と比較して5%重量減少温度がはるかに高く、300℃以上、好ましくは320℃以上、より好ましくは340℃以上である。5%重量減少温度が300℃より低い場合、射出(プレス)成形で得られる製品に、シルバー・樹脂ヤケを生じ、外観を損ねるだけでなく、高い光拡散性と高い光線透過率の両立を達成することが困難となる。なお、5%重量減少温度の上限は特に限定されないが、450℃以下が好ましい。
架橋アクリル粒子の特性により透過光量、色相および輝度、並びにシルバー・ヤケ等の外観に差が生じる原因は、該架橋粒子の熱分解した時に発生する分解物の量にあると推察される。かかる熱分解物が溶融加工時にポリカーボネート樹脂と副反応を生ずることにより、透過光量、色相および輝度、並びにシルバー・ヤケ等の外観に悪影響を及ぼしていると考えられる。一方、架橋(メタ)アクリル粒子の5%重量減少温度と、溶融加工時に発生する光量、色相および輝度、並びにシルバー・ヤケ等の不良現象は密接な関係にあり、熱安定性を示すには有用な指標であるといえる。尚、本発明における5%重量減少温度の測定は、JIS K7120に準拠し、TGA測定装置を用いて、窒素ガス雰囲気中、23℃から900℃までの温度範囲、および20℃/分の昇温速度からなる測定条件の下でなされる。かかる重量減少挙動において、5%の重量減少が認められる温度が5%重量減少温度とされる。
本発明の使用される架橋(メタ)アクリル系重合体粒子の屈折率は好ましくは1.55以下、より好ましくは1.53以下、更に好ましくは1.50以下である。屈折率が1.55より大きい場合、ポリカーボネート樹脂の屈折率との差が少なくなることにより光の屈折が弱くなるため、期待する光散乱効果が得られないため好ましくない。尚、屈折率は市販のアッベ式屈折率計(株式会社 アタゴ製 2T型アッベ式屈折率計)により測定した。
さらに本発明の使用される架橋(メタ)アクリル系重合体粒子の平均粒子径は好ましくは1〜50μm、より好ましくは1〜30μm、更に好ましくは1〜10μmである。粒子径が1μmより小さい場合、光拡散性は得られるが光透過性が劣ってしまうため好ましくなく、50μmより大きい場合、光拡散性を得るためには多量に添加する必要があり、それにより強度低下等の物性に影響を与えるので好ましくない。なお、平均粒径は以下の方法で測定される。すなわち、孔径50〜280μmの細孔に電解質溶液を満たし、当該電解質溶液を粒子が通過する際の電界質溶液の導電率変化から体積を求め、平均粒子径を計算する。測定した平均粒子径は、ベックマンコールター社製のコールターマルチサイザーIIによって測定した体積平均粒子径である。
具体的な測定方法は以下の通りである。先ず、市販のガラス製の試験管に粒子0.1gと0.1%ノニオン系界面活性剤溶液10mlを投入し、ヤマト科学社製タッチミキサーTOUCHMIXER MT−31で2秒間混合した後、試験管を市販の超音洗浄機であるヴェルヴォクリーア社製ULTRASONICCLEANER VS−150に入れ、溶液を10秒間予備分散させる。次に、この溶液を本体備え付けの、ISOTON2(ベックマンコールター社製:測定用電解液)を満たしたビーカー中に、緩く攪拌しながらスポイドで滴下して、本体画面の濃度計の示度を10%前後に合わせる。次にマルチサイザーII本体にREFERENCEMANUAL FOR THECOULTER MULTISIZER(1987)に従って入力し、manualで測定する。測定中はビーカー内を気泡が入らない程度に緩く攪拌しておき、粒子を10万個測定した点で測定を終了する。
架橋(メタ)アクリル系重合体粒子は乳化重合、懸濁重合、シード重合の公知の方法で製造される。
本発明において使用される架橋(メタ)アクリル系重合体粒子は、その重合過程で、リン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、および硫黄系酸化防止剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の安定剤を添加されることが好ましい。
架橋(メタ)アクリル系重合体に添加されるリン系化合物としては、下記式(I)〜(III)で示される亜リン酸系安定剤の効果が高く、好ましく用いられる。
Figure 0005602992
(式中、Arは炭素原子数6〜20のアルキル基、またはアルキル基を含んでいてもよい炭素原子数6〜20の芳香族基である。)
Figure 0005602992
(式中、Arは炭素原子数6〜20のアルキル基、またはアルキル基を含んでいてもよい炭素原子数6〜20の芳香族基である。)
Figure 0005602992
(式中、Arは炭素原子数6〜20のアルキル基、またはアルキル基を含んでいてもよい炭素原子数6〜20の芳香族基である。)
上記式(I)で示される亜リン酸系安定剤の具体例としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、トリス(ジ−iso−プロピルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−n−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジエチルフェニル)ホスファイトなどが挙げられる。
上記式(II)で示される亜リン酸系安定剤の具体例としては、例えば、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス{2,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル}ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、およびジシクロヘキシルペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられる。
上記式(III)で示される亜リン酸系安定剤の具体例としては、例えば、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイトなどが挙げられる。
更に他のホスファイト化合物としては二価フェノール類と反応し環状構造を有するものも使用できる。例えば、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、および2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイトなどが例示される。
この中でもフェノール性OH基を有するホスファイト系化合物が好ましく、中でも6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピンが特によい効果が得られる。
ヒンダードフェノール系化合物としては、例えば、α−トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン、シナピルアルコール、ビタミンE、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−tert−ブチル−6−(3’−tert−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネートジエチルエステル、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−ジメチレン−ビス(6−α−メチル−ベンジル−p−クレゾール)2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−ブチリデン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−N−ビス−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、1,6−へキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[2−tert−ブチル−4−メチル6−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフタレート、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1,−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、4,4’−ジ−チオビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−トリ−チオビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2−チオジエチレンビス−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、N,N’−ヘキサメチレンビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス2[3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチルイソシアヌレート、およびテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどが例示される。これらの中でもオクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(代表的市販品としてCIBA SPECILATY CHEMICALS社製:Irganox1076(商品名))が好ましい。前記のヒンダードフェノール系酸化防止剤はいずれも入手容易であり、これらは単独でまたは2種以上を組合せて使用することができる。
さらに、硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジ−ラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジ−ミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジ−ステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスチル−テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジ−トリデシル−3,3’−チオジプロピオネートなどが例示される。
前記の硫黄系酸化防止剤はいずれも入手容易であり、これらは単独でまたは2種以上を組合せて使用することができる。
上記のリン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、および硫黄系酸化防止剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の安定剤の添加量はB成分100重量部を基準として、
0.005〜2.0重量部が好ましく、より好ましくは0.05〜1.0重量部、さらに好ましくは0.05〜0.5重量部である。添加量が0.005重量部未満の場合、酸化防止効果が小さく、樹脂の熱分解、色相の悪化等を招き、2.0重量部より大きい場合は、酸化防止剤が本来有する色味が組成物全体の色相に悪影響を及ぼすため好ましくない。
B成分の含有量は、100重量部のA成分を基準として、0.01〜3.0重量部であり、好ましくは0.05〜2.0重量部、より好ましくは0.05〜1.0重量部である。0.01重量部未満では満足した光拡散性が得られず、3重量部を超えると光拡散性は十分であるが、透過光の低下が著しくなる。
<C成分について>
本発明のC成分は、各種のリン系安定剤である。かかるリン系安定剤の配合の主たる目的は、樹脂組成物の成形加工時の熱安定性を向上させ、良好な色相の拡散光を得る点にある。かかるリン系安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステル、並びに第3級ホスフィンなどが例示される。
具体的にはホスファイト化合物としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(ジエチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−iso−プロピルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−n−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス{2,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル}ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、およびジシクロヘキシルペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられる。
更に他のホスファイト化合物としては二価フェノール類と反応し環状構造を有するものも使用できる。例えば、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、および2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイトなどが例示される。
ホスフェート化合物としては、トリブチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクロルフェニルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルクレジルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、およびジイソプロピルホスフェートなどが例示され、好ましくはトリフェニルホスフェート、トリメチルホスフェートである。
ホスホナイト化合物としては、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、およびビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト等があげられ、テトラキス(ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトが好ましく、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、およびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトがより好ましい。かかるホスホナイト化合物は前記アルキル基が2以上置換したアリール基を有するホスファイト化合物との併用可能であり好ましい。
ホスホネイト化合物としては、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、およびベンゼンホスホン酸ジプロピル等が挙げられる。
第3級ホスフィンとしては、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリアミルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン、ジフェニルオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリナフチルホスフィン、およびジフェニルベンジルホスフィンなどが例示される。特に好ましい第3級ホスフィンは、トリフェニルホスフィンである。
前記リン系安定剤は、1種のみならず2種以上を混合して用いることができる。前記リン系安定剤の中でも、ホスファイト化合物またはホスホナイト化合物が好ましい。最も好ましいホスファイト化合物は、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトである。ホスホナイト化合物としては、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイトおよびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトおよびこれらの混合物が好ましく、これらの混合物が最も好ましい。両者の重量割合(前者/後者)は、好ましくは90/10〜70/30の範囲、より好ましくは85/15〜75/25の範囲である。またこれらとホスフェート化合物との併用も好ましい態様である。
C成分の配合量は、100重量部のA成分を基準として、好ましくは0.0001〜1重量部であり、より好ましくは0.01〜1重量部であり、更に好ましくは0.02〜0.5重量部である。0.0001重量部未満では耐溶融変色性が得られず、1重量部を超えると本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が変質を起こすようになる。
<D成分について>
本発明のD成分は、ヒンダードフェノール系安定剤である。かかるヒンダードフェノール系安定剤の配合の主たる目的は、光拡散性樹脂組成物の成形加工時の熱安定性、耐熱老化性、および耐紫外線性を向上させることである。かかるヒンダードフェノール系安定剤としては、例えば、α−トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン、シナピルアルコール、ビタミンE、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−tert−ブチル−6−(3’−tert−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネートジエチルエステル、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−ジメチレン−ビス(6−α−メチル−ベンジル−p−クレゾール)2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−ブチリデン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−N−ビス−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、1,6−へキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[2−tert−ブチル−4−メチル6−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフタレート、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1,−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、4,4’−ジ−チオビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−トリ−チオビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2−チオジエチレンビス−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、N,N’−ヘキサメチレンビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス2[3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチルイソシアヌレート、およびテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどが例示される。これらの中でもオクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(代表的市販品としてCIBA SPECILATY CHEMICALS社製:Irganox1076(商品名))が好ましい。前記のヒンダードフェノール系酸化防止剤はいずれも入手容易であり、これらは単独でまたは2種以上を組合せて使用することができる。
D成分の配合量は、100重量部のA成分を基準として好ましくは0.001〜1重量部であり、より好ましくは0.005〜0.8重量部、更に好ましくは0.01〜0.5重量部である。この配合量が0.001重量部未満では耐溶融変色性や耐乾熱変色性が得られず、1重量部を超えると輝度が低下する。
前記C成分およびD成分はそれぞれ単独でまたは二種以上を組み合わせて配合することができる。特にC成分を必須成分として含有することが好ましい。
<E成分について>
本発明のE成分は、蛍光増白剤である。かかる蛍光増白剤の主たる目的は、拡散光の輝度を向上させ、また拡散光の色相を調節する。蛍光増白剤は、光線の紫外部のエネルギーを吸収し、このエネルギーを可視部に放射する作用を有するものである。蛍光増白剤としては公知のビスベンゾオキサゾール、クマリンおよびビス(スチリル)ビフェニルなどが利用できる。中でもクマリン系蛍光増白剤が好ましい。クマリン系蛍光増白剤としては、トリアジン−フェニルクマリン、ベンゾトリアゾール−フェニルクマリン、およびナフトトリアゾール−フェニルクマリンなどが例示される。E成分の配合量は、100重量部のA成分を基準として0.0005〜0.5重量部であり、より好ましくは0.0005〜0.3重量部である。0.5重量部を超えても該組成物の色調の改良効果は小さい。
<その他成分について>
本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂には、更に慣用の他の添加剤を本発明の効果が発揮される範囲で配合することも可能である。例えば難燃剤、光安定剤、離型剤、滴下防止剤、難燃助剤、染料、顔料、蓄光顔料、蛍光増白剤以外の蛍光染料、帯電防止剤、流動改質剤、結晶核剤、無機および有機の抗菌剤、光触媒系防汚剤(微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛など)、グラフトゴムに代表される衝撃改質剤、赤外線吸収剤、並びにフォトクロミック剤などを配合することができる。
難燃剤の配合は、より強い光源下で使用される場合に好ましいことが多い。本発明の難燃剤としては、テトラブロムビスフェノールA、テトラブロムビスフェノールAのオリゴマー、ブロム化ビスフェノール系エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノール系フェノキシ樹脂、ブロム化ビスフェノール系ポリカーボネート、ブロム化ポリスチレン、ブロム化架橋ポリスチレン、ブロム化ポリフェニレンエーテル、ポリジブロムフェニレンエーテル、デカブロモジフェニルオキサイドビスフェノール縮合物および含ハロゲンリン酸エステルに代表されるハロゲン系難燃剤;モノホスフェート化合物としてトリフェニルホスフェート、縮合リン酸エステルとしてレゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、およびビスフェノールAビス(ジキシレニルホスフェート)、その他ペンタエリスリトールジフェニルジホスフェートなどに代表される有機リン酸エステル系難燃剤;ポリリン酸アンモニウム塩、リン酸アルミニウム、リン酸ジルコニウムなどの無機系リン酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの無機金属化合物の水和物、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化アンチモンなどに代表される無機系難燃剤;パーフルオロブタンスルホン酸カリウム、パーフルオロブタンスルホン酸カルシウム、パーフルオロブタンスルホン酸セシウム、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸カリウム、β−ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物に代表される有機アルカリ(土類)金属塩系難燃剤;フェニル基を含有する(ポリ)オルガノシロキサン化合物、および(ポリ)オルガノシロキサンとポリカーボネート樹脂の共重合体;フェノキシホスファゼンオリゴマーや環状フェノキシホスファゼンオリゴマーに代表されるホスファゼン系難燃剤などを挙げることができる。
難燃助剤としては、アンチモン酸ナトリウム、三酸化アンチモン等が挙げられ、滴下防止剤としてはフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン等を代表的に挙げることができる。更にかかるポリテトラフルオロエチレンは、配合時の形態として分散液状、分散液と他のポリマーとを共凝固等することにより得られた被覆状物等であり微分散形態が可能であるものが好ましい。難燃剤、難燃助剤、および滴下防止剤の配合量は、通常100重量部のA成分を基準として0.01〜10重量部が好ましい。
本発明で好ましく使用される離型剤は、その90%重量以上が一価アルコールと一価脂肪酸のエステルおよび/または多価アルコールと脂肪酸のエステルからなる離型剤である。かかるエステルは、炭素原子数1〜20の一価または多価アルコールと炭素原子数5〜30の飽和脂肪酸とのエステルであることが好ましい。かかる一価または多価アルコールと飽和脂肪酸とのエステルとしては、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、2−エチルヘキシルステアレート、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ソルビタンジステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールジステアレート等が挙げられ、単独あるいは二種以上の混合物で用いることができる。なかでも、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリルステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレートが好ましく用いられる。かかる離型剤を使用する場合は、その配合量は目的に応じて種々をとることが可能であるが、100重量部のA成分を基準として0.02〜1重量部が好ましい。
更に本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物には、アンスラキノン系染料、ペリレン系染料、クマリン系染料、チオインジゴ系染料、チオキサントン系染料などに代表され、緑色、黄色、および赤色などを発する、蛍光増白剤以外の蛍光染料、並びに紺青等のフェロシアン化物、ペリノン系染料、キノリン系染料、キナクリドン系染料、ジオキサジン系染料、イソインドリノン系染料、およびフタロシアニン系染料等に代表される有機系染料を配合することができ、これらは100重量部のA成分を基準として0.0001〜2重量部が好ましい。
光安定剤としては、紫外線吸収剤の配合は屋外での使用や強い光源の下で使用される場合により好ましい。本発明の紫外線吸収剤としては、具体的に、ベンゾフェノン系では、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシトリハイドライドレイトベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−ソジウムスルホキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン等があげられ、ベンゾトリアゾール系では、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−クミル−6−ベンゾトリアゾールフェニル)、2,2’−p−フェニレンビス(1,3−ベンゾオキサジン−4−オン)、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾールがあげられ、その他2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)の如き環状イミノエステル系紫外線吸収剤、1,3−ビス−[(2’−シアノ−3’,3’−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス[(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル)プロパンの如きシアノアクリレート系紫外線吸収剤、並びにトリアジン系紫外線吸収剤が挙げられ、これらは紫外線吸収性単量体からの重合体でもよく、これらを1種もしくは2種以上併用することができる。かかる紫外線吸収剤は、100重量部のA成分を基準として、好ましくは0.001〜2重量部、より好ましくは0.05〜1重量部である。
<樹脂組成物の製造方法について>
本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の製造に当たっては、その製造方法は特に限定されるものではない。しかしながら本発明の樹脂組成物の好ましい製造方法は押出機を用いて各成分を溶融混練する方法である。かかる方法は架橋(メタ)アクリル系重合体粒子の良好な分散を達成する。
押出機としては特に二軸押出機が好適である。その代表的な例としては、ZSK(Werner & Pfleiderer社製、商品名)を挙げることができる。かかるZSKタイプの二軸押出機においてそのスクリューは、完全噛合い型であり、スクリューは長さとピッチの異なる各種のスクリューセグメント、および幅の異なる各種のニーディングディスク(またそれに相当する混練用セグメント)からなるものである。
二軸押出機においてより好ましい態様は次の通りである。スクリュー形状は1条、2条、および3条のネジスクリューを使用することができ、特に溶融樹脂の搬送能力やせん断混練能力の両方の適用範囲が広い2条ネジスクリューが好ましく使用できる。二軸押出機におけるスクリューの長さ(L)と直径(D)との比(L/D)は、20〜45が好ましく、更に28〜42が好ましい。L/Dが大きい方が均質な分散が達成されやすい一方、大きすぎる場合には熱劣化により樹脂の分解が起こりやすい。スクリューには混練性を上げるためのニーディングディスクセグメント(またはそれに相当する混練セグメント)から構成された混練ゾーンを1個所以上有することが必要であり、1〜3箇所有することが好ましい。
更に押出機としては、原料中の水分や、溶融混練樹脂から発生する揮発ガスを脱気できるベントを有するものが好ましく使用できる。ベントからは発生水分や揮発ガスを効率よく押出機外部へ排出するための真空ポンプが好ましく設置される。また押出原料中に混入した異物などを除去するためのスクリーンを押出機ダイス部前のゾーンに設置し、異物を樹脂組成物から取り除くことも可能である。かかるスクリーンとしては金網、スクリーンチェンジャー、焼結金属プレート(ディスクフィルターなど)などを挙げることができる。
更にB成分、C成分、D成分、E成分、およびその他添加剤(以下の例示において単に“添加剤”と称する)の押出機への供給方法は特に限定されないが、以下の方法が代表的に例示される。(i)添加剤をA成分の樹脂とは独立して押出機中に供給する方法。(ii)添加剤とA成分の樹脂粉末とをスーパーミキサーなどの混合機を用いて予備混合した後、押出機に供給する方法。(iii)添加剤とA成分の樹脂とを予め溶融混練してマスターペレット化する方法。
前記方法(ii)の1つは、必要な原材料を全て予備混合して押出機に供給する方法である。また方法(ii)の他の方法は、添加剤が高濃度に配合されたマスター剤を作成し、該マスター剤を独立にまたは残りの樹脂と更に予備混合した後、押出機に供給する方法である。尚、該マスター剤は、粉末形態および該粉末を圧縮造粒などした形態のいずれも選択できる。また他の予備混合の手段は、例えばナウターミキサー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、メカノケミカル装置、および押出混合機などがあるが、スーパーミキサーのような高速撹拌型の混合機が好ましい。更に他の予備混合の方法は、例えば樹脂と添加剤を溶媒中に均一分散させた溶液とした後、該溶媒を除去する方法である。
押出機より押出された樹脂は、直接切断してペレット化するか、またはストランドを形成した後かかるストランドをペレタイザーで切断してペレット化される。更に外部の埃などの影響を低減する必要がある場合には、押出機周囲の雰囲気を清浄化することが好ましい。更にかかるペレットの製造においては、光学ディスク用ポリカーボネート樹脂や光学用環状ポリオレフィン樹脂やにおいて既に提案されている様々な方法を用いて、ペレットの形状分布の狭小化、ミスカット物の低減、運送または輸送時に発生する微小粉の低減、並びにストランドやペレット内部に発生する気泡(真空気泡)の低減を適宜を行うことができる。これらの処方により成形のハイサイクル化、およびシルバーの如き不良発生割合の低減を行うことができる。またペレットの形状は、円柱、角柱、および球状など一般的な形状を取り得るが、より好適には円柱である。かかる円柱の直径は好ましくは1〜5mm、より好ましくは1.5〜4mm、さらに好ましくは2〜3.3mmである。一方、円柱の長さは好ましくは1〜30mm、より好ましくは2〜5mm、さらに好ましくは2.5〜3.5mmである。
<本発明の樹脂組成物からなる成形品について>
前記の如く得られた本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は通常前記の如く製造されたペレットを射出成形して各種製品を製造することができる。更にペレットを経由することなく、押出機で溶融混練された樹脂を直接シート、フィルム、異型押出成形品、ダイレクトブロー成形品、および射出成形品にすることも可能である。
かかる射出成形においては、通常の成形方法だけでなく、適宜目的に応じて、射出圧縮成形、射出プレス成形、ガスアシスト射出成形、発泡成形(超臨界流体の注入によるものを含む)、インサート成形、インモールドコーティング成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形、二色成形、サンドイッチ成形、および超高速射出成形などの射出成形法を用いて成形品を得ることができる。これら各種成形法の利点は既に広く知られるところである。また成形はコールドランナー方式およびホットランナー方式のいずれも選択することができる。なかでも、大型成形品に関しては、射出プレス成形が好適である。
射出プレス成形法は、優れた寸法精度と低減された歪とを両立した成形品を与える。歪の低減は透過光の均一性において重要である。また歪みの低減はより密着性の高いハードコート剤の適用を可能とする。一方で、射出プレス成形法は、その成形法の特徴から概して大容量の樹脂を、高速で、少ないゲートから金型キャビティ内に充填する。この結果、成形時の樹脂に過大な熱負荷がかかりやすく、より熱安定性の高い樹脂組成物が求められる。尚、本発明の射出成形品は、射出成形後に熱曲げ加工に代表される2次加工工程を経ることにより所定の形状に成形されてもよい。
また本発明の樹脂組成物は、押出成形により各種異形押出成形品、シート、およびフィルムなどの形で利用することもできる。またシート、フィルムの成形にはインフレーション法や、カレンダー法、キャスティング法なども使用可能である。さらに特定の延伸操作をかけることにより熱収縮チューブとして成形することも可能である。また本発明の樹脂組成物を回転成形やブロー成形などにより成形品とすることも可能である。
これにより優れた色相の拡散光を有する光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の成形品が提供される。即ち、本発明によれば、100重量部のA成分を基準として、0.01〜3重量部のB成分、およびその他添加剤を含有してなる光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を溶融成形してなる成形品が提供される。
<照明用カバーについて>
本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、光透過性、色相および輝度に優れると共に、熱安定性にも優れるため、照明用カバーに適する。
本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、成形加工における形状の自由性、また住宅火災における延焼の抑制目的としての耐炎性材料として、幅広く使用が可能である。光源としては、電球、蛍光灯、白色LED、並びに赤色、緑色および青色の3色が配列されたLEDアレイ等を使用することが可能である。本来の目的である光を拡散させる機能については、各種照明毎に、光量、ならびに光源‐カバー間距離等が異なるため、カバーの成形品厚み、または拡散粒子濃度を調整することにより、希望する拡散光を得ることが可能である。
<車両用照明カバーについて>
本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、光透過性、色相および輝度に優れると共に、熱安定性にも優れるため、車両用照明カバーに適する。前記の照明用カバー同様であるが、本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、成形加工における形状の自由性・意匠性が優れるため、幅広く使用が可能である。車両の内装部材に関しては、夏場の屋外における車内が100℃を越える場合があることから、耐熱性に優れたポリカーボネート樹脂組成物は非常に好適である。また、光源としては、電球、蛍光灯、白色LED、並びに赤色、緑色および青色の3色が配列されたLEDアレイ等を使用することが可能である。本来の目的である光を拡散させる機能については、各種照明毎に、光量、ならびに光源‐カバー間距離等が異なるため、カバーの成形品厚み、または拡散粒子濃度を調整することにより、希望する拡散光を得ることが可能である。
<光拡散板について>
本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、光透過性、色相および輝度に優れると共に、熱安定性にも優れる。したがって面積の大きな光拡散板に適している。より好適な用途として最大投影面積が500〜50,000cmである光拡散板が挙げられる。光拡散版の好ましい最大投影面積は1,000〜25,000cmであり、好ましい厚みは0.3〜3mmである。したがって、本発明によれば、前記の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなり、かかる最大投影面積を有し、光透過性、色相および輝度に優れた光拡散板が提供される。
本発明によれば、さらに好適な態様として、前記光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなり、面積500〜50,000cm(より好適には1,000〜25,000cm)の表示装置用光拡散板が提供される。表示装置用光拡散板としては、液晶表示装置のバックライトモジュールに使用される光拡散板およびプロジェクターテレビの如き投影型表示装置のスクリーンに使用される光拡散板が例示される。中でも直下型バックライト用光拡散板が好ましい。バックライトモジュールは各種の光源が使用でき冷陰極管、白色LED、並びに赤色、緑色および青色の3色が配列されたLEDアレイが使用される。
本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなる光拡散板は、その表面がフレネルレンズ形状、シリンドリカルレンズ形状、輝点ドット形状、およびプリズム形状等の表面凹凸形状を有するものであってもよく、またかかる形状を別途他の材料によって積層した積層板とすることも可能である。本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に直接フレネルレンズ形状やシリンドリカルレンズ形状を付与する場合、かかる樹脂組成物を用いて射出成形、圧縮成形、および押出成形等の成形方法により所望の形状に成形することができる。さらに、射出成形、圧縮成形、および押出成形により表面に凹凸を形成する方法としては、(1)金型キャビティ表面や転写ロール表面にかかる形状に対応する凹凸が設けられ、かかる凹凸が樹脂成形品表面に転写される方法、および(2)かかる形状に対応する凹凸が設けられた別材料が金型キャビティ内にインサートされるか、または押出時に積層され、樹脂成形品と一体化された後、かかる別材料が除去されて樹脂成形品表面に凹凸が設けられる方法などが例示される。
また、場合によっては、かかるスクリーンは光輝性顔料を含む層を積層することにより、その表面凹凸によるレンズを省略することも可能である。さらに、本発明に係る表示装置用光拡散板は、その光源側(観察者とは反対の面)に光源からの光の反射を防止するため各種の光反射防止膜を形成することができる。
<他の用途について>
さらに、本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、前述した光拡散板のほかにも、各種電子・電気機器、OA機器、車両用外装部品、車両用内装部品、機械部品、その他農業資材、漁業資材、搬送容器、包装容器および雑貨等の各種用途に有用である。表示装置用の光拡散板以外の用途としては、例えば、電灯カバー、メーター、看板(特に内照式)、樹脂窓ガラス、画像読取装置、車輌用屋根材、船舶用屋根材、住宅用屋根材および太陽電池カバーなどが例示される。
更に本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなる成形品には、各種の表面処理を行うことが可能である。ここでいう表面処理とは、蒸着(物理蒸着、化学蒸着など)、メッキ(電気メッキ、無電解メッキ、溶融メッキなど)、塗装、コーティング、および印刷(転写型ラミネートを含む)などの樹脂成形品の表層上に新たな層を形成させるものであり、通常樹脂に用いられる方法が適用できる。表面処理としては、具体的には、ハードコート、撥水・撥油コート、紫外線吸収コート、赤外線吸収コート、並びにメタライジング(蒸着など)などの各種の表面処理が例示される。ハードコートは屋外使用時に好ましくかつ必要とされる表面処理である。
本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、従来にない高い光拡散性と高い光線透過率を両立し、且つシルバー・樹脂ヤケのない優れた熱安定性を有した樹脂組成物である。従来よりも良好な熱安定性を有することから大型の表示装置用の光拡散板(例えば、液晶表示装置等バックライトモジュールに使用される光拡散板、プロジェクターテレビ等投影型表示装置のスクリーンに使用される光拡散板等)として特に好適である。また、かかる特性は、表示装置用の光拡散板以外にも、例えば、電灯カバー、メーター、看板(特に内照式)、樹脂窓ガラス、画像読取装置、車輌用屋根材、車両用内装部品(かかる部品は、車両内装照明用カバーが代表的である)、船舶用屋根材、住宅用屋根材、太陽電池カバー、各種電子・電気機器、OA機器、車両部品、機械部品、その他農業資材、漁業資材、搬送容器、包装容器および雑貨を含む幅広い分野において有用であり、その奏する産業的価値は極めて高いと言うことができる。
本発明者が現在最良と考える本発明の形態は、前記の各要件の好ましい範囲を集約したものとなるが、例えば、その代表例を下記の実施例中に記載する。もちろん本発明はこれらの形態に限定されるものではない。
各種特性値は以下の方法にて測定した。
(1)5%重量減少温度
JIS K7120に準拠し、TGA測定装置を用いて、窒素ガス雰囲気中、23℃から900℃までの温度範囲、および20℃/分の昇温速度からなる測定条件の下で測定した。かかる重量減少挙動において、5%の重量減少が認められる温度を5%重量減少温度とした。
(2)全光線透過率
シリンダー温度280℃および後述の条件にて1辺50mm、厚み2mmの試験片を作成し、厚み方向の透過率を株式会社 村上色彩技術研究所製のヘーズメーターHR−100を使用してASTM D1003に従い測定した。
(3)分散度
シリンダー温度280℃および後述の条件にて1辺50mm、厚み2mmの試験片を作成し、株式会社 村上色彩技術研究所製の変角度計GP−200を使用して測定した。
測定方法の概略を図1に示す。尚、図1において光線を上方から垂直に試験片面に当てたとき、γ=0度の透過光量を100とした場合、その透過光量が50になるときのγの角度(度)を分散度とした。
(4)拡散光の色相(YI、ΔYI)
シリンダー温度340℃および後述の条件にて1辺150mm、厚み2mmの試験片を連続成形により作成し、「試験片A」とした。また、同一温度条件下で、10分間シリンダ内に樹脂を滞留させた後成形を開始し、2ショット目に得られる試験片を「試験片B」とした。これらの試験片についてカラーマシーン(日本電色工業(株)製Z−1001DP)によりC光源反射法にてYI値を測定した。
試験片AのYI値をYI、また、試験片BのYI値−試験片AのYI値の値をΔYIとした。
(5)シルバー
シルバーの有無に関しては、上記試験片A、Bの成形品表面を目視観察し、次の判定に従い評価を実施した。
○: 試験片A、Bともにシルバーが無い
△: 試験片Aにはシルバーは発生しないが、試験片Bにはシルバーの発生がある
×: 試験片A、Bともにシルバーの発生がある
(6)大型射出プレス成形品による熱安定性評価
図2に示す肉厚5mmの成形品を射出プレス成形法により後述の条件で成形し、その外観を確認した。成形は十分なパージショット後、連続20ショットの成形を行い、成形の安定した11〜20ショット目までの計10個の成形品を使用してシルバーの有無を目視観察し、次の判定に従い評価を実施した。
○: いずれの成形品にもシルバーが無い
△: 一部の成形品にシルバー発生がある
×: いずれの成形品にもシルバー発生がある
(7)酸化防止剤の残存量
重合体粒子中の酸化防止剤を溶媒により抽出し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、およびH−NMRを用いて、定量を行った。
[実施例1〜39、比較例1〜17]
[拡散粒子の製造例]
(PMMA−1の調製)
攪拌機、温度計を備えた重合器にラウリル硫酸ナトリウム0.1重量部を溶解させた脱イオン水500重量部を入れ、そこへ第三リン酸カルシウム50重量部を分散させた。これに予め調製しておいたメタクリル酸メチル90重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート10重量部の重合性単量体成分に過酸化ベンゾイル0.5重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.5重量部、ホスファイト系酸化防止剤としてアデカスタブPEP−24G(旭電化社製)0.5重量部を溶解させた混合液を入れて、その液をT.Kホモミキサーにて10000rpmで10分間攪拌し、液滴径がおよそ3μmになるように調整した後、酸化防止剤としてアデカスタブPEP−24G(旭電化社製)3.0重量部を添加した。次に、重合器を65℃に加熱して攪拌しながら懸濁重合を行った後、室温まで冷却した。ここで得られた懸濁液を濾過、洗浄した後、乾燥して光拡散剤となるホスファイト系酸化防止剤含有の架橋(メタ)アクリル系重合体粒子(PMMA−1、屈折率1.49、5%重量減少温度340℃、平均粒子径3.0μm)を得た。
(PMMA−2の調製)
酸化防止剤として、アデカスタブPEP−24G(旭電化社製)1.0重量部を用いたこと以外はPMMA−1の調製と同様にしてホスファイト系酸化防止剤含有の架橋(メタ)アクリル系重合体粒子(PMMA−2、屈折率1.49、5%重量減少温度350℃、平均粒子径3.0μm)を得た。
(PMMA−3の調製)
酸化防止剤として、イルガフォス168(チバガイギー社製)0.5重量部を用いたこと以外はPMMA−1の調製と同様にしてホスファイト系酸化防止剤含有の架橋(メタ)アクリル系重合体粒子(PMMA−3、屈折率1.49、5%重量減少温度330℃、平均粒子径3.0μm)を得た。
(PMMA−4の調製)
酸化防止剤として、アデカスタブHP−10(旭電化社製)0.5重量部を用いたこと以外はPMMA−1の調製と同様にしてホスファイト系酸化防止剤含有の架橋(メタ)アクリル系重合体粒子(PMMA−4、屈折率1.49、5%重量減少温度340℃、平均粒子径3.0μm)を得た。
(PMMA−5の調製)
酸化防止剤としてイルガノックス1076(チバガイギー社製)0.1重量部を用いたこと以外はPMMA−1の調製と同様にしてヒンダードフェノール系化合物含有の架橋(メタ)アクリル系重合体粒子(PMMA−5、屈折率1.49、5%重量減少温度330℃、平均粒子径3.0μm)を得た。
(PMMA−6の調製)
酸化防止剤としてスミライザーTP−D(住友化学社製)0.5重量部を用いたこと以外はPMMA−1の調製と同様にして硫黄系酸化防止剤含有の架橋(メタ)アクリル系重合体粒子(PMMA−6、屈折率1.49、5%重量減少温度330℃、平均粒子径3.0μm)を得た。
(PMMA−7の調製)
ラウリル硫酸ナトリウムの量を0.05重量部に、また、T.Kホモミキサーの回転数を3000rpm、液滴径を15μmになるように調整した以外は、PMMA−1の調製と同様にしてホスファイト系酸化防止剤含有の架橋(メタ)アクリル系重合体粒子(PMMA−7、屈折率1.49、5%重量減少温度340℃、平均粒子径14.5μm)を得た。
(PMMA−8の調製)
ラウリル硫酸ナトリウムの量を0.05重量部に、また、T.Kホモミキサーの回転数を2000rpm、液滴径を31μmになるように調整した以外は、PMMA−1の調製と同様にしてホスファイト系酸化防止剤含有の架橋(メタ)アクリル系重合体粒子(PMMA−8、屈折率1.49 、5%重量減少温度340℃、平均粒子径30.0μm)を得た。
(PMMA−9の調製)
攪拌機、温度計を備えた重合器にラウリル硫酸ナトリウム0.1重量部を溶解させた脱イオン水500重量部を入れ、そこへ第三リン酸カルシウム50重量部を分散させた。これに予め調製しておいたメタクリル酸メチル90重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート10重量部の重合性単量体成分に過酸化ベンゾイル0.5重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.5重量部を溶解させた混合液を入れて、その液をT.Kホモミキサーにて10000rpmで10分間攪拌し、液滴径がおよそ3μmになるように調整した。次に、重合器を65℃に加熱して攪拌しながら懸濁重合を行った後、室温まで冷却した。ここで得られた懸濁液を濾過、洗浄した後、乾燥して光拡散剤となるホスファイト系酸化防止剤を含有しない架橋(メタ)アクリル系重合体粒子(PMMA−9、屈折率1.49、5%重量減少温度254℃、平均粒子径3.0μm)を得た。
(PMMA−10の調製)
酸化防止剤として、アデカスタブPEP−24G(旭電化社製)を0.01重量部用いること以外はPMMA−1の調製と同様にしてホスファイト系酸化防止剤含有の架橋(メタ)アクリル系重合体粒子(PMMA−10、屈折率1.49、5%重量減少温度270℃、平均粒子径3.0μm)を得た。
(PMMA−11の調製)
酸化防止剤として、Sandstab P−EPQ(クラリアントジャパン社製)を0.5重量部用いること以外はPMMA−1の調製と同様にしてホスファイト系酸化防止剤含有の架橋(メタ)アクリル系重合体粒子(PMMA−11、屈折率1.49、5%重量減少温度280℃、平均粒子径3.0μm)を得た。
拡散粒子の製造に使用した酸化防止剤の使用量、その残存量、光拡散剤の平均粒子径については、表1にまとめて示す。
Figure 0005602992
なお、拡散粒子の製造で用いた酸化防止剤は次のものを意味する。
(拡散粒子の製造に用いた酸化防止剤)
アデカスタブPEP−24G:ビス(2,4−ジーt−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト
イルガフォス168:トリス(2,4−ジーt−ブチルフェニル)ホスファイト
アデカスタブHP−10:2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト
イルガノックス1076:オクタデシルー3−(3,5−ジーt−ブチルー4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
スミライザーTP−D:ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)
Sandstab P−EPQ:テトラキス(ジ−t−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト
(光拡散性ポリカーボネート系樹脂組成物ペレットおよびそれより成形される成形体の製造例)
(i)成形用材料の作成
ポリカーボネート樹脂100重量部に、表1および表2記載の各種添加剤を各配合量で配合し、ブレンダーを用いて均一に混合した。得られた混合物を押出機のスクリュー根元に位置する第1供給口に供給して押出した。押出し機は径30mmφのスクリューを装備したベント付き二軸押出機((株)日本製鋼所製:TEX30α(完全かみ合い、同方向回転、2条ネジスクリュー)を使用した。ベント口手前に1箇所の混練ゾーンを有するスクリュー構成を採用した。押出条件は吐出量25kg/h、スクリュー回転数150rpm、ベントの真空度3kPaであり、また押出機のシリンダ温度は第1供給口部270℃、ダイス部280℃とした。シリンダ温度のプロファイルはほぼブロックごとに均等に増加する配分とした。押出されたストランドをストランドカットしてペレットを得た。
(ii)試験片の作成
上記で得られたペレットを、熱風乾燥機を用いて120℃で5時間乾燥した。乾燥されたペレットを射出成形機(住友重機械工業(株)製:SG260M−HP)に供給し、試験片を射出成形した。成形条件は、シリンダ温度を各評価における所定の温度、金型温度80℃、射出速度20mm/秒、保圧50MPa、冷却時間30sとした。
(iii)大型射出プレス成形品の作成
上記で得られたペレットを、プラテンの4軸並行制御機構を備えた射出プレス成形可能
な大型成形機((株)名機製作所製:MDIP2100、最大型締め力33540kN)を用いて射出プレス成形し図1に示す大型成形品を製造した。ペレットは付帯のホッパードライヤーにより120℃で5時間乾燥した。成形条件は、シリンダ温度300℃、ホットランナー設定温度280℃、固定側金型温度110℃、可動側金型温度100℃、射出速度16mm/s、充填時間31s、中間型締め位置から最終型締め位置までのストロークであるプレスストローク3.0mm、冷却時間230s、および成形サイクル310sであった。まだ可動側金型パーティング面は最終の前進位置において固定側金型パーティング面に接触しないものとした。ランナーはモールドマスターズ社製のバルブゲート型のホットランナー(ゲート直径7mmφ)を用い、充填完了直前に型圧縮を開始し、充填完了後直ちにバルブゲートを閉じて溶融樹脂がゲートからシリンダーへ逆流しない条件とした。
得られた成形板の各評価結果を表2〜表4に示した。
また、表2〜表4記載の各成分の略号は下記のものを意味する。
(A成分)
PC−1:ビスフェノールAおよび末端停止剤としてp−tert−ブチルフェノール、並びにホスゲンから界面重縮合法で合成した直鎖状芳香族ポリカーボネート樹脂パウダー(帝人化成(株)製:パンライトL−1225WP(商品名)、粘度平均分子量22500)
PC−2:直鎖状芳香族ポリカーボネート樹脂パウダー(帝人化成(株)製:パンライトL−1225WX(商品名)、粘度平均分子量19700)
(B成分)
PMMA−1〜9:前記方法にて調製した架橋アクリル粒子
(C成分)
P−1:テトラキス(ジ−t−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト(クラリアントジャパン製:Sandstab P−EPQ(商品名))
P−2: ビス(2,4−ジーt−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(旭電化工業(株)製:「アデカスタブPEP−24G」(商品名))
P−3: トリメチルホスフェート(大八化学工業(株)製:「TMP」(商品名)
(D成分)
HP−1:オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバガイギー社製:「イルガノックス1076」(商品名))
HP−2:3,9−ビス[2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1、1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(旭電化工業(株)製:「アデカスタブAO−80」(商品名))
(E成分)
E−1:クマリン系蛍光増白剤 [ハッコールケミカル(株)製:ハッコールPSR(商品名)]
E−2:蛍光増白剤 [日本化薬(株)製:カヤライトOS(商品名)]
Figure 0005602992
Figure 0005602992
Figure 0005602992
本発明における分散度の測定方法を示す概略図である。 実施例において成形した大型射出プレス成形品の概略図を示す。図示されるとおり該大型成形品はなだらかな曲面から構成される3次元形状を有する。[1−A]は正面図(成形時のプラテン面に投影した図)を示し、[1−b]は長手方向の側面図、[1−C]は流動末端側からの側面図を示す。
符号の説明
A 試験片(平板状)
B 光源
γ 拡散光角度
11 成形品本体(本体部は厚み5mm、最大投影面積は約11000cmである)
12 ホットランナーノズル先端に対応する部分
13 成形品のゲート(該ゲートは厚み5mmの平板状である)
14 成形品ゲート側長さ(成形品の最大幅に相当し、1000mmである)
15 成形品流動末端側の長さ(900mm)
16 成形品本体の長さ(1240mm)
17 ゲート部を含む成形品全体の長さ(1350mm)
18 成形品の高さ(90mm)
19 取り付け用爪部

Claims (8)

  1. (A)芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)熱量測定装置により測定した5%重量減少温度が300℃以上であり、かつ重合過程で架橋粒子内に、ヒンダードフェノール系化合物、および多価メルカプタン化合物を除く硫黄系酸化防止剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の安定剤をB成分100重量部に対し、0.005〜2.0重量部配合された(ただし、ホスファイト系酸化防止剤が配合された場合を除く)、前記芳香族ポリカーボネート樹脂と相溶しない架橋(メタ)アクリル系重合体粒子(B成分)0.01〜3.0重量部を含有する光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  2. A成分100重量部に対し、(C)リン系安定剤(C成分)0.0001〜1重量部、および/または(D)ヒンダードフェノール系化合物(D成分)0.001〜1重量部を含有することを特徴とする請求項1に記載の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  3. A成分100重量部に対し、(E)蛍光増白剤(E成分)0.0005〜0.5重量部を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物より形成された照明用カバー。
  5. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物より形成された車両用ランプカバー。
  6. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物より形成された光拡散板。
  7. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物より形成された直下型バックライト用光拡散板。
  8. 最大投影面積が500〜50,000cmであり、射出プレス成形法により製造されたことを特徴とする請求項6記載の光拡散板。
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