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JP5602376B2 - 芳香族ビニル化合物重合体の製造方法、該製造方法により製造された芳香族ビニル化合物重合体、並びに該芳香族ビニル化合物重合体を用いたゴム組成物およびタイヤ - Google Patents

芳香族ビニル化合物重合体の製造方法、該製造方法により製造された芳香族ビニル化合物重合体、並びに該芳香族ビニル化合物重合体を用いたゴム組成物およびタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、芳香族ビニル化合物重合体の製造方法、該製造方法により製造された芳香族ビニル化合物重合体、並びに該芳香族ビニル化合物重合体を用いたゴム組成物およびタイヤに関し、詳しくは、簡便かつ効率的に、分子量分布が狭い芳香族ビニル化合物重合体を得ることができる芳香族ビニル化合物重合体の製造方法、該製造方法により製造された芳香族ビニル化合物重合体、並びに該芳香族ビニル化合物重合体を用いたゴム組成物およびタイヤに関する。
芳香族ビニル化合物は、タイヤの初期グリップ性能向上用の材料をはじめ、様々な業界で使用されており、その製造方法も数多く提案されている。例えば、特許文献1には、−15℃の温度で、α−メチルスチレンを反応させる、5000(Mn)以下の分子量を有する、α−メチルスチレンのオリゴマーの製造方法が提案されている。また、特許文献2には、α−メチルスチレンモノマーのアニオン重合によるポリ(α−メチルスチレン)ポリマーの製造方法が、提案されている。さらに、特許文献3には、α−メチルスチレンおよびイソプロペニルトルエンからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーと、スチレンとの共重合体の製造方法が、開示されている。
また、特許文献4には、不飽和アルキル芳香族化合物としてイソプロペニルトルエンおよび/またはα−メチルスチレン、不飽和脂肪族化合物としてC5成分を用いた、芳香族石油樹脂の製造方法が、開示されている。さらに、特許文献5には、イソプロペニルトルエンと、炭素数4および5の留分等をフリーデルクラフツ触媒の存在下で共重合させる炭化水素樹脂の製造方法が、提案されている。
このうち、タイヤのトレッドゴムに使用する重合体また共重合体は重量平均分子量で5,000未満が多く、また、それらの多くはフリーデルクラフツ触媒を用いて製造されている。
特表2003−501524号公報 特表2006−522195号公報 特開2007−131706号公報 特開2002−145966号公報 特開昭52−56189号公報
しかしながら、特許文献3および4記載の方法では、操作が複雑で工業的生産を行うためには特殊な設備が必要となり、さらに、時間がかかるという問題がある。また、特殊設備を必要としない特許文献1、2および5記載の方法では、分子量分布が広くなってしまい、初期グリップ性能に大きな悪影響を与えてしまうという問題がある。
そこで本発明の目的は、簡便かつ効率的に、分子量分布が狭い芳香族ビニル化合物重合体を得ることができる芳香族ビニル化合物重合体の製造方法、該製造方法により製造された芳香族ビニル化合物重合体、並びに該芳香族ビニル化合物重合体を用いたゴム組成物およびタイヤを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の単独重合体または共重合体に対し、特定の条件下で開始剤を滴下することで、簡便かつ効率的に、分子量分布が狭い芳香族ビニル化合物重合体が得られることを見出して、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の芳香族ビニル化合物重合体の製造方法は、飽和炭化水素溶媒、脂環式炭化水素溶媒および芳香族炭化水素溶媒よりなる群から選ばれる1種以上からなる溶媒中で、下記一般式(I)、
Figure 0005602376
(式中のRとRは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、または炭素数6〜12のアリール基を示し、RとRは同一であっても異なっていてもよい)の単独重合体、もしくは前記一般式(I)と下記一般式(II)、
Figure 0005602376
(式中のRとRは水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、または炭素数6〜12のアリール基を示し、RとRは同一であっても異なっていてもよい)との共重合体を合成するにあたって、
フリーデルクラフツ触媒を開始剤として使用し、
前記開始剤を滴下し始めた後、前記開始剤を滴下した始めた温度t℃に対し、t℃未満(t−6)℃以上の温度範囲で、滴下を終了させ、
その後、アルコール溶媒で精製することを特徴とする。
また、本発明の芳香族ビニル化合物重合体の製造方法は、前記開始剤の滴下速度が一定であることが好ましく、前記フリーデルクラフツ触媒が四塩化すず(IV)であり、前記溶媒がメチルシクロヘキサンであることが好ましい。
さらに、本発明の芳香族ビニル化合物重合体の製造方法は、前記単独重合体が、前記一般式(I)で表される4−tert−ブチル−α−メチルスチレンであることが好ましい。
さらにまた、本発明の芳香族ビニル化合物重合体の製造方法は、前記共重合体が、前記一般式(I)で表されるα−メチルスチレンと、前記一般式(II)で表される4−tert−ブチル−α−メチルスチレンとの共重合体であることが好ましい。
また、本発明の芳香族ビニル化合物重合体の製造方法は、前記共重合体が、前記一般式(I)で表されるα−メチルスチレンと、前記一般式(II)で表される4−メチル−α−メチルスチレンとの共重合体であることが好ましい。
さらに、本発明の芳香族ビニル化合物重合体の製造方法は、前記アルコール溶媒が、エタノール、2−プロパノール、またはエタノールと2−プロパノールとの混合物であることが好ましい。
本発明によれば、上記構成としたことにより、簡便かつ効率的に、分子量分布が狭い芳香族ビニル化合物重合体を得ることができる芳香族ビニル化合物重合体の製造方法、該製造方法により製造された芳香族ビニル化合物重合体、並びに該芳香族ビニル化合物重合体を用いたゴム組成物およびタイヤを提供することが可能となった。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
本発明の芳香族ビニル化合物重合体の製造方法は、溶媒中に、下記一般式(I)、
Figure 0005602376
(式中のRとRは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、または炭素数6〜12のアリール基を示し、RとRは同一であっても異なっていてもよい)の単独重合体、もしくは上記一般式(I)と下記一般式(II)、
Figure 0005602376
(式中のRとRは水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、または炭素数6〜12のアリール基を示し、RとRは同一であっても異なっていてもよい)との共重合体を添加し、さらに、フリーデルクラフツ触媒を開始剤として使用し、開始剤を滴下し始めた後、開始剤を滴下した始めた温度t℃に対し、t℃未満(t−6)℃以上の温度範囲で、滴下を終了させ、その後、アルコール溶媒で精製することを特徴とするものである。
本発明において用いられる溶媒は、飽和炭化水素溶媒、脂環式炭化水素溶媒および芳香族炭化水素溶媒よりなる群から選ばれる1種以上からなる炭化水素溶媒であり、これらの炭化水素溶媒の中でも、炭素数2〜12の炭化水素溶媒が好ましい。具体的には、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、プロペン、1−ブテン、i−ブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンセン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素が好ましく、これらの中でも、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等のヘキサン類が更に好ましい。これら不活性有機溶媒は、一種単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。また、中でも、メチルシクロヘキサンが特に好ましい。
上記一般式(I)及び(II)中におけるR〜Rで表される、炭素原子数1〜10のアルキル基としては、置換されていてもよく分岐を有してもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基、第三アミル基、ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、ヘプチル基、2−ヘプチル基、3−ヘプチル基、イソヘプチル基、第三ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、第三オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基等が挙げられる。
上記一般式(I)及び(II)中におけるR〜Rで表される、炭素原子数1〜10のアルコキシ基としては、上記炭素原子数1〜10のアルキル基に酸素原子が結合したものが挙げられる。
上記一般式(I)及び(II)中におけるR〜Rで表される、炭素原子数6〜12のアリール基としては、置換されていてもよく分岐を有してもよく、フェニル基,3,4,5−トリメトキシフェニル基、4−第三ブチルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基等の芳香族環が挙げられる。
本発明において、単独重合体としては、例えば、一般式(I)で表される4−tert−ブチル−α−メチルスチレン等が挙げられる。
また、本発明において、共重合体としては、一般式(I)で表されるα−メチルスチレンと、一般式(II)で表される4−tert−ブチル−α−メチルスチレンとの共重合体、一般式(I)で表されるα−メチルスチレンと、一般式(II)で表される4−メチル−α−メチルスチレンとの共重合体等を挙げることができる。
本発明において用いられるフリーデルクラフツ触媒は、一般にフリーデルクラフツ触媒として知られているもの等が挙げられ、例えば、四塩化すず(IV)、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ジクロルモノエチルアルミニウム、四塩化チタン、三フッ化ホウ素などの各種錯体等を挙げることができ、中でも、四塩化すず(IV)が特に好ましい。また、フリーデルクラフツ触媒の使用量としては、0.5〜1.0mol%が好ましい。
本発明の芳香族ビニル化合物重合体の製造方法は、開始剤を滴下し始めた後、開始剤を滴下し始めた温度t℃に対し、t℃未満(t−6)℃以上の温度範囲で、滴下を終了させ、重合温度を±3℃の温度範囲に制御して重合を実施することが肝要であり、好ましくは、(t−1)℃以下(t−6)℃以上の温度範囲で、滴下を終了させる。重合温度は、開始剤を加えるにつれて低下させ、例えば、開始剤の滴下時間を10分で重合温度を2±3℃で制御する場合は、開始剤の滴下を5℃からはじめ、2.0分/℃毎に温度を下げて、−1℃で開始剤の滴下を終了させる。また、滴下スピードは一定であることが好ましい。
なお、本発明において、開始剤を滴下した始めた温度tは、使用する溶媒、単独重合体、共重合体等により適宜設定されるものであるが、好ましくは、−80〜150℃の範囲であり、さらに好ましくは、−20〜100℃の範囲である。
また、本発明の芳香族ビニル化合物重合体の製造方法は、開始剤滴下後、アルコール溶媒で精製するものである。アルコール溶媒で精製することにより、未反応モノマー、ダイマーやトリマーなどの低分子成分を効率的に除去できるため、分子量分布を狭めることができる。
本発明において用いられるアルコール溶媒は、特に限定されないが、好ましくは、エタノール、2−プロパノール、またはエタノールと2−プロパノールとの混合物である。
本発明の芳香族ビニル化合物重合体は、本発明の芳香族ビニル化合物重合体の製造方法によって製造されたことを特徴とするものである。
また、本発明のゴム組成物は、本発明の芳香族ビニル化合物重合体を含有するものであれば限定されず、その他の成分を本発明の目的を害しない範囲で適宜選択して使用することができる。上記その他の成分としては、例えば、天然ゴム及び合成ゴム等のゴム成分、カーボンブラック、無機充填剤、硫黄等の加硫剤、ジベンゾチアジルジスルフィド等の加硫促進剤、加硫助剤、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル−スルフェンアミド、N−オキシジエチレン−ベンゾチアジル−スルフェンアミド等の老化防止剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、オゾン劣化防止剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤、酸化防止剤、カップリング剤、発泡剤、発泡助剤等の添加剤などの他、通常ゴム業界で用いる各種配合剤などが挙げられる。これらは、市販品を好適に使用することができる。
さらに、本発明のタイヤは、本発明のゴム組成物を用いたことを特徴とするものである。本発明のゴム組成物をタイヤのトレッド部材等として使用することで、良好な初期グリップ性能が得られる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
(実施例1)
4−tert−ブチル−α−メチルスチレン重合体の製造
500mlの四つ口フラスコに、撹拌装置、温度計、還流冷却管を取り付け、ここに4−tert−ブチル−α−メチルスチレン100g、トルエン260mlを反応混合液として仕込み、窒素置換した後によく撹拌した。その後、均一に分散させた反応混合液を、氷冷浴を用いて10℃まで冷却した。一方、滴下ロートに、開始剤として三弗化ホウ素フェノール錯体0.7g(0.5mol%)とトルエン7gとを入れ、該滴下ロートを上記四つ口フラスコに取り付けた。
次いで、反応混合液の温度を上記氷冷浴で10℃に保持しながら、ここに上記開始剤を10分かけて滴下して重合反応を開始し、重合温度を2.0分で1℃低下させた。重合温度が4℃で開始剤の滴下を終了し、続けて4℃に保持したまま、さらに30分間撹拌した。重合反応終了後、あらかじめ用意したエタノール1000g中に30分かけて滴下して、粉末の析出物を得た。この粉末をろ過した後、減圧乾燥して収量40gの白色粉末を得た。得られた重合体は数平均分子量(Mn):1560、重合平均分子量(Mw):2809、分子量分布(Mw/Mn):1.8であった。
(実施例2)
4−tert−ブチル−α−メチルスチレン重合体の製造
500mlの四つ口フラスコに、撹拌装置、温度計、還流冷却管を取り付け、ここに4−tert−ブチル−α−メチルスチレン100g、メチルシクロヘキサン260mlを反応混合液として仕込み、窒素置換した後によく撹拌した。その後、均一に分散させた反応混合液を、氷冷浴を用いて10℃まで冷却した。一方、滴下ロートに、開始剤として四塩化スズ(IV)0.7g(0.5mol%)とトルエン7gとを入れ、該滴下ロートを上記四つ口フラスコに取り付けた。
次いで、反応混合液の温度を上記氷冷浴で10℃に保持しながら、ここに上記開始剤を10分かけて滴下して重合反応を開始し、重合温度を2.5分で1℃低下させた。重合温度が6℃で開始剤の滴下を終了し、続けて6℃に保持したまま、さらに30分間撹拌した。重合反応終了後、あらかじめ用意したエタノール1000g中に30分かけて滴下して、粉末の析出物を得た。この粉末をろ過した後、減圧乾燥して収量40gの白色粉末を得た。得られた重合体は数平均分子量(Mn):1560、重合平均分子量(Mw):2809、分子量分布(Mw/Mn):1.8であった。
(実施例3)
α−メチルスチレン/4−tert−ブチル−α−メチルスチレン重合体の製造
モノマーとしてα−メチルスチレンを50gと4−tert−ブチル−α−メチルスチレン50gを、開始剤として四塩化スズ(IV)0.9g(0.5mol%)を用いて、9℃で開始剤を滴下し、重合温度を2.5分で1℃低下させた。重合温度が7℃で開始剤の滴下を終了し、続けて7℃で撹拌した以外は実施例2と同様に行った。得られた白色粉末の重合体は数平均分子量(Mn):1585、重合平均分子量(Mw):3012、分子量分布(Mw/Mn):1.9であった。
(実施例4)
α−メチルスチレン/4−メチル−α−メチルスチレン共重合体の製造
モノマーとしてα−メチルスチレンを50gと4−メチル−α−メチルスチレン50gを、開始剤として四塩化スズ(IV)0.8g(0.5mol%)を用いて、9℃で開始剤を滴下し、重合温度を2.5分で1℃低下させた。重合温度が8℃で開始剤の滴下を終了し、続けて8℃で撹拌した以外は実施例2と同様に行った。得られた白色粉末の重合体は数平均分子量(Mn):1660、重合平均分子量(Mw):2989、分子量分布(Mw/Mn):1.8であった。
(比較例1)
4−tert−ブチル−α−メチルスチレン重合体の製造
500mlの四つ口フラスコに、撹拌装置、温度計、還流冷却管を取り付け、ここに4−tert−ブチル−α−メチルスチレン100g、トルエン150gを反応混合液として仕込み、よく撹拌した。その後、均一に分散させた反応混合液を、ドライアイスで冷却したエタノール浴を用いて−8℃まで冷却した。一方、滴下ロートに、開始剤として三弗化ホウ素フェノール錯体1.0gを入れ上記四つ口フラスコに取り付けた。
次いで、反応混合液の温度を上記エタノール浴で−8℃に保持しながら、ここに上記開始剤を10分かけて滴下し、重合反応を開始させた。開始剤の滴下終了後、−8℃に保持したまま、さらに3時間撹拌を続行した。次に5%水酸化ナトリウム水溶液50mlを加えて30分間激しく撹拌して開始剤を分解した後、水層を分離し、更に反応液が中性になるまで水洗した後、未反応モノマーならびにトルエンを留去し、残渣として35gの塊状重合体を得た。得られた重合体は数平均分子量(Mn):769、重合平均分子量(Mw):3389、分子量分布(Mw/Mn):4.4であった。
(比較例2)
α−メチルスチレン/4−tert−ブチル−α−メチルスチレン共重合体の製造
モノマーとしてα−メチルスチレンを50gと4−tert−ブチル−α−メチルスチレン50gを、開始剤として三弗化ホウ素フェノール錯体1.0gを用いて、−9℃で開始剤を滴下し、開始剤の滴下終了後も−9℃で撹拌した以外は比較例1と同様に行った。得られた白色粉末の重合体は数平均分子量(Mn):723、重合平均分子量(Mw):3110、分子量分布(Mw/Mn):4.3であった。
(比較例3)
α−メチルスチレン/4−メチル−α−メチルスチレン共重合体の製造
モノマーとしてα−メチルスチレンを50gと4−メチル−α−メチルスチレンを50gを、開始剤として三弗化ホウ素フェノール錯体1.0gを用いて、−6℃で開始剤を滴下し、重合温度が−13℃で開始剤の滴下を終了し、続けて−13℃で撹拌した以外は実施例1と同様に行った。得られた白色粉末の重合体は数平均分子量(Mn):697、重合平均分子量(Mw):2998、分子量分布(Mw/Mn):4.3であった。
(比較例4)
4−tert−ブチル−α−メチルスチレン重合体の製造
500mlの四つ口フラスコに、撹拌装置、温度計、還流冷却管を取り付け、ここに4−tert−ブチル−α−メチルスチレン100g、トルエン260mlを反応混合液として仕込み、窒素置換した後によく撹拌した。その後、均一に分散させた反応混合液を、氷冷浴を用いて10℃まで冷却した。一方、滴下ロートに、開始剤として三弗化ホウ素フェノール錯体0.7g(0.5mol%)とトルエン7gとを入れ、該滴下ロートを上記四つ口フラスコに取り付けた。
次いで、反応混合液の温度を上記氷冷浴で10℃に保持しながら、ここに上記開始剤を10分かけて滴下して重合反応を開始し、重合温度を1分で1℃低下させた。重合温度が−2℃で開始剤の滴下を終了し、続けて−2℃に保持したまま、さらに30分間撹拌した。重合反応終了後、あらかじめ用意したエタノール1000g中に30分かけて滴下して、粉末の析出物を得た。この粉末をろ過した後、減圧乾燥して収量40gの白色粉末を得た。得られた重合体は数平均分子量(Mn):815、重合平均分子量(Mw):3259、分子量分布(Mw/Mn):4.0であった。
実施例1〜4では、分子量分布(Mw/Mn)が1.8または1.9であり、簡便かつ効率的に、分子量分布が狭い芳香族ビニル化合物重合体が得られた。一方、比較例1〜4では、分子量分布(Mw/Mn)が4.0、4.3、4.4であり、分子量分布が広い芳香族ビニル化合物重合体が得られた。

Claims (7)

  1. 飽和炭化水素溶媒、脂環式炭化水素溶媒および芳香族炭化水素溶媒よりなる群から選ばれる1種以上からなる溶媒中、下記一般式(I)、
    Figure 0005602376
    (式中のRとRは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、または炭素数6〜12のアリール基を示し、RとRは同一であっても異なっていてもよい)の単独重合体、もしくは前記一般式(I)と下記一般式(II)、
    Figure 0005602376
    (式中のRとRは水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、または炭素数6〜12のアリール基を示し、RとRは同一であっても異なっていてもよい)との共重合体を合成するにあたって
    リーデルクラフツ触媒を開始剤として使用し、
    前記開始剤を滴下し始めた後、前記開始剤を滴下した始めた温度t℃に対し、t℃未満(t−6)℃以上の温度範囲で、滴下を終了させ、
    その後、アルコール溶媒で精製することを特徴とする芳香族ビニル化合物重合体の製造方法。
  2. 前記開始剤の滴下速度が一定である請求項1記載の芳香族ビニル化合物重合体の製造方法。
  3. 前記フリーデルクラフツ触媒が四塩化すず(IV)であり、前記溶媒がメチルシクロヘキサンである請求項1または2記載の芳香族ビニル化合物重合体の製造方法。
  4. 前記単独重合体が、前記一般式(I)で表される4−tert−ブチル−α−メチルスチレンである請求項1〜3のうちいずれか一項記載の芳香族ビニル化合物重合体の製造方法。
  5. 前記共重合体が、前記一般式(I)で表されるα−メチルスチレンと、前記一般式(II)で表される4−tert−ブチル−α−メチルスチレンとの共重合体である請求項1〜3のうちいずれか一項記載の芳香族ビニル化合物重合体の製造方法。
  6. 前記共重合体が、前記一般式(I)で表されるα−メチルスチレンと、前記一般式(II)で表される4−メチル−α−メチルスチレンとの共重合体である請求項1〜3のうちいずれか一項記載の芳香族ビニル化合物重合体の製造方法。
  7. 前記アルコール溶媒が、エタノール、2−プロパノール、またはエタノールと2−プロパノールとの混合物である請求項1〜6のうちいずれか一項記載の芳香族ビニル化合物重合体の製造方法。
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