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JP5601829B2 - 精製ガス・脱着ガス取得方法および精製ガス・脱着ガス取得装置 - Google Patents

精製ガス・脱着ガス取得方法および精製ガス・脱着ガス取得装置 Download PDF

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JP5601829B2 JP2009271055A JP2009271055A JP5601829B2 JP 5601829 B2 JP5601829 B2 JP 5601829B2 JP 2009271055 A JP2009271055 A JP 2009271055A JP 2009271055 A JP2009271055 A JP 2009271055A JP 5601829 B2 JP5601829 B2 JP 5601829B2
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Description

本発明は、圧力変動吸着法を利用して、混合ガスから目的ガスを分離する方法および装置に関する。
混合ガスから目的ガスを分離ないし精製する方法として、圧力変動吸着法(PSA法)を利用した手法が知られている。PSA法については、例えば下記の特許文献1〜5に記載されている。
PSA法では、例えば、不純物を吸着するための吸着剤が充填された吸着塔が使用される。そのような吸着塔を使用して行われるPSA法による従来のガス精製方法においては、吸着塔にて、例えば次の吸着工程、脱着工程、および洗浄工程を含むサイクルが繰り返される。吸着工程では、塔内が高圧状態にある吸着塔に対して原料ガスたる混合ガスが導入されて、当該原料ガス中の不純物が吸着剤に吸着されつつ、当該吸着塔から非吸着ガスが導出される。この非吸着ガスは、目的ガスが富化されたガスであり、精製ガスとして取得される。脱着工程では、吸着塔内が大気開放されて降圧されることにより、吸着剤から不純物が脱着され、この不純物を含む脱着ガスが塔外へ排出される。洗浄工程では、吸着塔に洗浄ガスが通流される。洗浄工程の後、塔内が昇圧されて次サイクルの吸着工程に備えられる。
脱着工程にて塔外に排出される上記の脱着ガスについては、必要に応じた処理を経て大気に廃棄される場合もあれば、所定目的に利用される場合もある。上記の脱着ガスが所定目的に利用される場合には、一般に、当該脱着ガスについて、一旦タンクに貯留したうえで、圧縮機によって昇圧した状態で利用先に供給する必要がある。しかしながら、脱着ガス用のこのような圧縮機を使用することは、PSA法によるガス精製において、設備コスト、動力コスト、およびメンテナンスコスト等の上昇を招き、好ましくない。
特開2002−177726号公報 特開2002−355521号公報 特開2002−355522号公報 特開2004−66125号公報 特開2005−118717号公報
本発明は、混合ガスから有用な脱着ガスを得つつ当該混合ガスから高回収率で目的ガスを分離するのに適した精製ガス・脱着ガス取得方法および精製ガス・脱着ガス取得装置を提供することを、目的とする。
本発明の第1の側面によると、吸着剤が充填された吸着塔を用いて、混合ガスから目的ガスを分離する方法が提供される。本方法は、少なくとも吸着工程、脱着工程、および減圧パージ工程を含むサイクルを吸着塔にて繰り返し行うものである。吸着工程では、吸着塔内が吸着圧力にある状態にて、当該吸着塔に混合ガスを導入し、当該混合ガス中の不純物を吸着剤に吸着させ、且つ、目的ガスが富化された精製ガスを当該吸着塔から導出する。吸着圧力とは、混合ガス中の所定不純物を塔内の吸着剤が選択的に吸着するための高圧力である。脱着工程では、吸着塔内を中間圧力まで降圧し、吸着剤から不純物の一部を脱着させ、且つ、当該吸着塔から脱着ガスを導出する。減圧パージ工程では、吸着塔内を大気開放して降圧しつつ、吸着剤から不純物の一部を脱着させ、且つ、当該吸着塔に洗浄ガスを通流させる。
本精製ガス・脱着ガス取得方法においては、脱着工程にある吸着塔内は、上述の従来方法のようには大気開放されない。本方法の脱着工程にある吸着塔内は、大気圧より高い圧力(中間圧力)にあり、従って、このような吸着塔から導出される脱着ガス(吸着剤から脱着した不純物を含む)については、圧力を有するガスとして取得することが可能である。この脱着ガスは、所定目的に利用できる場合があり、利用目的に応じて前記の中間圧力を設定することにより、圧縮機などを使用せずとも、利用目的に適した圧力を有するガスとして取得することが可能である。
また、本精製ガス・脱着ガス取得方法においては、脱着工程を終えた吸着塔にて減圧パージ工程を実行する。減圧パージ工程では、上述のように、吸着塔内を大気開放して降圧しつつ、吸着剤から不純物を脱着させ、且つ、当該吸着塔に洗浄ガスを通流させる。このような減圧パージ工程を実行する前の吸着塔内の吸着剤は、吸着工程にて吸着した不純物が充分には脱離していない状態にある。そのため、脱着工程を終えた吸着塔にて上記の減圧パージ工程を実行せずに当該吸着塔内を吸着圧力まで昇圧してから次サイクルの吸着工程を実行する、という構成を各サイクルにて仮に採用すると、吸着塔内の吸着剤において、本来的な不純物吸着容量よりも実効的な不純物吸着容量が小さくなり、その結果、精製ガスについて充分な回収率を達成することができない事態が生じ得る。これに対し、脱着工程を終えた吸着塔にて上記減圧パージ工程を実行すると、大気開放下にて、吸着剤からの不純物の離脱を促進させて吸着剤を再生ないし浄化させることができ、当該再生された吸着剤を使用して次サイクルの吸着工程を実行することができるので、精製ガスについて高い回収率を達成しやすい。
以上のように、本発明の第1の側面に係る精製ガス・脱着ガス取得方法は、混合ガスから有用な脱着ガスを得つつ、当該混合ガスから高回収率で目的ガスを分離するのに、適する。
本発明の第2の側面によると、吸着剤が充填された複数の吸着塔を用いて、混合ガスから目的ガスを分離する方法が提供される。本方法は、吸着工程、第1減圧工程、第2減圧工程、脱着工程、減圧パージ工程、第1昇圧工程、および第2昇圧工程を含むサイクルを複数の吸着塔のそれぞれにおいて繰り返し行う。吸着工程では、吸着塔内が吸着圧力にある状態にて、当該吸着塔に混合ガスを導入し、当該混合ガス中の不純物を吸着剤に吸着させ、且つ、目的ガスが富化された精製ガスを当該吸着塔から導出する。吸着圧力とは、混合ガス中の所定不純物を塔内の吸着剤が選択的に吸着するための高圧力である。第1減圧工程では、吸着塔から第1導出ガスを導出して当該吸着塔内を第1中間圧力まで降圧する。第2減圧工程では、吸着塔から第2導出ガスを導出して当該吸着塔内を第2中間圧力まで降圧する。脱着工程では、吸着塔内を第3中間圧力まで降圧し、吸着剤から不純物の一部を脱着させ、且つ、当該吸着塔から脱着ガスを導出する。減圧パージ工程では、吸着塔内を大気開放して降圧しつつ、吸着剤から不純物の一部を脱着させ、且つ、当該吸着塔に洗浄ガスを通流させる。第1昇圧工程では、吸着塔に第1昇圧ガスを導入して吸着塔内を昇圧する。第2昇圧工程では、吸着塔に第2昇圧ガスを導入して吸着塔内を更に昇圧する。そして、本方法では、減圧パージ工程にある吸着塔には、第1減圧工程にある吸着塔から導出される第1導出ガスを洗浄ガスとして導入する。第1昇圧工程にある吸着塔には、第2減圧工程にある吸着塔から導出される第2導出ガスを第1昇圧ガスとして導入する。第2昇圧工程にある吸着塔には、精製ガスを第2昇圧ガスとして導入する。
本精製ガス・脱着ガス取得方法においては、脱着工程にある吸着塔内は、上述の従来方法のようには大気開放されない。本方法の脱着工程にある吸着塔内は、大気圧より高い圧力(第3中間圧力)にあり、従って、このような吸着塔から導出される脱着ガス(吸着剤から脱着した不純物を含む)については、圧力を有するガスとして取得することが可能である。この脱着ガスは、所定目的に利用できる場合があり、利用目的に応じて前記の第3中間圧力を設定することにより、圧縮機などを使用せずとも、利用目的に適した圧力を有するガスとして取得することが可能である。
また、本精製ガス・脱着ガス取得方法においては、脱着工程を終えた吸着塔にて上記の減圧パージ工程を実行する。脱着工程を終えた吸着塔にて上記減圧パージ工程を実行すると、第1の側面に関して上述したように、大気開放下にて、吸着剤からの不純物の離脱を促進させて吸着剤を再生ないし浄化させることができ、当該再生された吸着剤を使用して次サイクルの吸着工程を実行することができるので、精製ガスについて高い回収率を達成しやすい。
以上のように、本発明の第2の側面に係る精製ガス・脱着ガス取得方法は、有用な脱着ガスを得つつ、混合ガスから高回収率で目的ガスを分離するのに、適する。
本発明の第2の側面において、好ましくは、第2昇圧工程にある吸着塔には、吸着工程にある吸着塔から導出される精製ガスを第2昇圧ガスとして導入する。このような構成によると、一旦取得された精製ガスを第2昇圧対象の吸着塔に対して供給するための機構を設ける必要はない。したがって、このような構成によると、第2昇圧工程を含む本方法を効率よく実行することが可能である。
本発明の第1および第2の側面において、好ましくは、脱着工程にある吸着塔から導出される脱着ガスをタンクに貯留する。このような構成は、脱着ガスについて安定した圧力で脱着ガス利用先に供給するうえで、好適である。
本発明の第3の側面によると、精製ガス・脱着ガス取得装置が提供される。本装置は、複数の吸着塔および第1〜第6配管を備える。各吸着塔は、第1ガス通過口および第2ガス通過口を有し、且つ、当該第1および第2ガス通過口の間において吸着剤が充填されている。第1配管は、ガス導入端を有する主幹路と、吸着塔ごとに設けられて当該吸着塔の第1ガス通過口側に連結され且つ開閉弁が付設された複数の第1分枝路とを有する。第2配管は、第1ガス排出端を有する主幹路と、吸着塔ごとに設けられて当該吸着塔の第2ガス通過口側に連結され且つ開閉弁が付設された複数の第2分枝路とを有する。第3配管は、第2配管の主幹路における第1ガス排出端および複数の第2分枝路の間に連結された主幹路と、吸着塔ごとに設けられて当該吸着塔の第2ガス通過口側に連結され且つ開閉弁が付設された複数の第3分枝路とを有する。第4配管は、第3配管の主幹路における複数の第3分枝路および第2配管の間に連結された主幹路と、吸着塔ごとに設けられて当該吸着塔の第2ガス通過口側に連結され且つ開閉弁が付設された複数の第4分枝路とを有する。第5配管は、第2ガス排出端を有する主幹路と、吸着塔ごとに設けられて当該吸着塔の第1ガス通過口側に連結され且つ開閉弁が付設された複数の第5分枝路とを有する。第6配管は、第5配管の主幹路における第2ガス排出端および複数の第5分枝路の間に連結され、開閉弁が付設され、且つ、第3ガス排出端を有する。本装置によると、本発明の第1および第2の側面に係る精製ガス・脱着ガス取得方法を、適切に実行することができる。
本発明の第3の側面に係る精製ガス・脱着ガス取得装置は、好ましくは、第5配管の第2ガス排出端が連結された貯留タンクを更に備え、且つ、第5配管の主幹路において、第2ガス排出端と第6配管との間に、開閉弁が付設されている。貯留タンクは、第1および第2の側面に係る上記の方法において取得することのできる脱着ガスを貯留するためのものである。このような貯留タンクの具備は、当該脱着ガスについて安定した圧力で脱着ガス利用先に供給するうえで、好適である。
本発明に係る精製ガス・脱着ガス取得方法を実行するのに使用することのできる精製ガス・脱着ガス取得装置の概略構成を表す。 本発明に係る精製ガス・脱着ガス取得方法の各ステップについて、各吸着塔で行われる工程、および、図1に示す精製ガス・脱着ガス取得装置の各自動弁の開閉状態を示す表である。 本発明に係る精製ガス・脱着ガス取得方法のステップ1〜3におけるガス流れ状態を表す。 本発明に係る精製ガス・脱着ガス取得方法のステップ4〜6におけるガス流れ状態を表す。 本発明に係る精製ガス・脱着ガス取得方法のステップ7〜9におけるガス流れ状態を表す。 比較例1〜3に係る方法を実行するのに使用することのできる装置の概略構成を表す。 比較例1〜3に係る方法の各ステップについて、各吸着塔で行われる工程、および、図6に示す装置の各自動弁の開閉状態を示す表である。 比較例1〜3に係る方法のステップ1〜3におけるガス流れ状態を表す。 比較例1〜3に係る方法のステップ4〜6におけるガス流れ状態を表す。 比較例1〜3に係る方法のステップ7〜9におけるガス流れ状態を表す。 実施例における脱着工程末期圧力(第3中間圧力)、精製ガス(水素)の純度、および水素の回収率、並びに、比較例1〜3における脱着工程末期圧力、精製ガス(水素)の純度、および水素の回収率をまとめた表である。
図1は、本発明に係る精製ガス・脱着ガス取得方法を実行することのできる精製ガス・脱着ガス取得装置X1の概略構成を表す。精製ガス・脱着ガス取得装置X1は、吸着塔10A,10B,10Cと、昇圧機21と、貯留タンク22と、圧力制御装置23と、配管31〜38とを備え、混合ガスたる原料ガスから圧力変動吸着法(PSA法)を利用して不純物を吸着除去して目的ガスを濃縮分離することが可能なように構成されている。精製対象たる目的ガスは、例えば水素である。不純物は、例えば、二酸化炭素や、一酸化炭素、水蒸気、メタン、窒素などである。
吸着塔10A,10B,10Cのそれぞれは、両端にガス通過口11,12を有し、ガス通過口11,12の間において、原料ガス中の不純物を選択的に吸着するための吸着剤が充填されている。二酸化炭素を不純物として吸着除去するためには、吸着剤として例えばカーボン系吸着剤を採用する。一酸化炭素や窒素を不純物として吸着除去するためには、吸着剤として例えばゼオライト系吸着剤を採用する。水蒸気を不純物として吸着除去するためには、吸着剤として例えばアルミナ系吸着剤を採用する。メタンを不純物として除去する場合にはカーボン系吸着剤を採用してもよいし、ゼオライト系吸着剤を採用してもよい。吸着塔10A,10B,10Cのそれぞれには、一種類の吸着剤を充填してもよいし、複数種類の吸着剤を積層させて充填してもよい。吸着塔10A,10B,10Cに充填する吸着剤の種類や数については、吸着塔10A,10B,10Cにて除去すべき不純物の種類および量に応じて決定する。
昇圧機21は、ガス吸入口およびガス送出口を有し、ガス吸入口から吸引した原料ガスをガス送出口から吸着塔10A,10B,10Cに向けて供給ないし送り出すためのものである。昇圧機21は例えば圧縮機である。貯留タンク22は、配管36を介して得られるガスを一旦貯留するためのものである。圧力制御装置23は、配管38を流れるガスの圧力を制御するためのものである。
配管31は、端部E1を有し、且つ、昇圧機21のガス吸入口に連結されている。配管31の端部E1は、本実施形態における原料ガス導入端である。
配管32は、端部E2を有する主幹路32’、および、吸着塔10A,10B,10Cの各ガス通過口11側にそれぞれが連結された分枝路32A,32B,32Cを有する。主幹路32’の端部E2は、昇圧機21のガス送出口に連結されている。端部E2は、本装置から昇圧機21および配管31を除いた構成において原料ガス導入端をなす。分枝路32A,32B,32Cには、開状態と閉状態との間を切り替わることが可能な自動弁32a,32b,32cが付設されている。
配管33は、端部E3を有する主幹路33’、および、吸着塔10A,10B,10Cの各ガス通過口12側にそれぞれが連結された分枝路33A,33B,33Cを有する。主幹路33’の端部E3は、本実施形態における第1ガス排出端である。分枝路33A,33B,33Cには、開状態と閉状態との間を切り替わることが可能な自動弁33a,33b,33cが付設されている。
配管34は、端部E4を有する主幹路34’、および、吸着塔10A,10B,10Cの各ガス通過口12側にそれぞれが連結された分枝路34A,34B,34Cを有する。主幹路34’の端部E4は、配管33の主幹路33’における、端部E3と分枝路33A,33B,33Cとの間、に連結されている。主幹路34’には、開状態と閉状態との間を切り替わることが可能な自動弁34xと、流量調節弁34yとが付設されている。流量調節弁34yの操作により、自動弁34xが開状態であるときの、主幹路34’を流れるガスの流量を、制御することが可能である。分枝路34A,34B,34Cには、開状態と閉状態との間を切り替わることが可能な自動弁34a,34b,34cが付設されている。
配管35は、端部E5を有する主幹路35’、および、吸着塔10A,10B,10Cの各ガス通過口12側にそれぞれが連結された分枝路35A,35B,35Cを有する。主幹路35’の端部E5は、配管34の主幹路34’における、自動弁34xおよび流量調節弁34yと分枝路34A,34B,34Cとの間、に連結されている。主幹路35’には、開状態と閉状態との間を切り替わることが可能な自動弁35xと、流量調節弁35yとが付設されている。流量調節弁35yの操作により、自動弁35xが開状態であるときの、主幹路35’を流れるガスの流量、を制御することが可能である。分枝路35A,35B,35Cには、開状態と閉状態との間を切り替わることが可能な自動弁35a,35b,35cが付設されている。
配管36は、端部E6を有する主幹路36’、および、吸着塔10A,10B,10Cの各ガス通過口11側にそれぞれが連結された分枝路36A,36B,36Cを有する。主幹路36’の端部E6は、貯留タンク22に連結されている。端部E6は、本装置から貯留タンク22、圧力制御装置23、および配管38を除いた構成において第2ガス排出端をなす。主幹路36’には、開状態と閉状態との間を切り替わることが可能な自動弁36xが付設されている。分枝路36A,36B,36Cには、開状態と閉状態との間を切り替わることが可能な自動弁36a,36b,36cが付設されている。
配管37は、配管36の主幹路36’における端部E6と分枝路36A,36B,36Cとの間に連結され、開状態と閉状態との間を切り替わることが可能な自動弁37xが付設されており、且つ、端部E7を有する。端部E7は、本実施形態における第3ガス排出端である。
配管38は、貯留タンク22に連結されており、且つ、端部E8を有する。端部E8は、本実施形態における第2ガス排出端であり、脱着ガス利用先の装置またはプラントに対して脱着ガスを供給するように連結可能である。また、配管38には、圧力調整弁38xが付設されている。上述の圧力制御装置23が圧力調整弁38xの開度を制御するように構成されている。
以上のような構成を有する精製ガス・脱着ガス取得装置X1を使用して、本発明に係る精製ガス・脱着ガス取得方法を実行することができる。具体的には、精製ガス・脱着ガス取得装置X1の駆動時において、図2に示す態様で自動弁32a〜32c,33a〜33c,34a〜34c,34x,35a〜35c,35x,36a〜36c,36x,37xを切り替えることにより、装置内において所望のガスの流れ状態を実現し、以下のステップ1〜9からなる1サイクルを繰り返すことができる(図2では、各自動弁の開状態を○で表し且つ閉状態を×で表す。後出の図7においても同様である)。本方法の1サイクルにおいては、吸着塔10A,10B,10Cのそれぞれにて、吸着工程、第1減圧工程、第2減圧工程、脱着工程、減圧パージ工程、第1昇圧工程、および第2昇圧工程が行われる。図3から図5は、ステップ1〜9における精製ガス・脱着ガス取得装置X1でのガスの流れ状態を表す。
ステップ1では、図2に示すように各自動弁の開閉状態が選択され且つ昇圧機21が稼動することにより、図3(a)に示すようなガス流れ状態が実現されて、吸着塔10Aにて吸着工程が、吸着塔10Bにて減圧パージ工程が、吸着塔10Cにて第1減圧工程が行われる。
ステップ1にて吸着工程が行われる吸着塔10Aは、後述のステップ8〜9(第1昇圧工程,第2昇圧工程)を経て塔内が所定の高圧(吸着圧力)の状態にある。そして、ステップ1では、図1および図3(a)を併せて参照するとよく理解できるように、吸着圧力にある吸着塔10Aのガス通過口11側に、配管31ならびに配管32の主幹路32’および分枝路32Aを介して、精製対象たる目的ガス(例えば水素)を含むガスG1(混合ガス)が導入されて、当該ガスG1中の不純物(例えば、二酸化炭素や、一酸化炭素、水、メタン、窒素など)が吸着塔10A内の吸着剤に吸着され、且つ、目的ガスが富化された精製ガスG2が吸着塔10Aのガス通過口12側から導出される。精製ガスG2は、配管33の分枝路33Aおよび主幹路33’を介して、端部E3から装置外に送出される。この精製ガスG2については、所定の容器に貯留してもよいし、所定の装置やプラントに直接に供給して使用してもよい。
これとともに、ステップ1では、後述のステップ7〜9(吸着工程)を経た吸着塔10Cにおいて、ガス通過口12側からガスG3が導出されて、塔内が降圧される。ガスG3は、配管34の分枝路34Cおよび主幹路34’ならびに配管35の主幹路35’および分枝路35Bを介して、吸着塔10Bへと導かれる。このような第1減圧工程にて、吸着塔10Cの内部は、吸着工程時の吸着圧力から、当該吸着圧力と大気圧の間の所定の第1中間圧力まで、降圧される。
これとともに、ステップ1では、後述のステップ9(脱着工程)を経た吸着塔10Bにおいて、塔内がガス通過口11側にて大気開放されて降圧されつつ、ガス通過口12側に吸着塔10CからのガスG3が洗浄ガスとして導入される。このような減圧パージ工程にある吸着塔10Bでは、脱着工程から引き続き吸着剤から上記不純物が脱着され、ガス通過口11側からガスG3’が導出される。このガスG3’は、配管36の分枝路36Bおよび主幹路36’ならびに配管37を介して、端部E7から装置外へ排出される。また、大気開放操作により、吸着塔10Bの内部圧力は例えば5kPa(ゲージ圧)以下まで低下する。
ステップ2では、図2に示すように各自動弁の開閉状態が選択され且つ昇圧機21が稼動することにより、図3(b)に示すようなガス流れ状態が実現されて、吸着塔10Aにて吸着工程が、吸着塔10Bにて第1昇圧工程が、吸着塔10Cにて第2減圧工程が行われる。
図1および図3(b)を併せて参照するとよく理解できるように、ステップ2では、吸着塔10Aにおいて、ステップ1から引き続き吸着工程が行われ、精製ガスG2が導出される。精製ガスG2は、ステップ1から引き続き、配管33の端部E3から装置外に送出される。
これとともに、ステップ2では、吸着塔10Cにおいて、ガス通過口12側からガスG4が導出されて、ステップ1から引き続き塔内が降圧される。ガスG4は、配管34の分枝路34Cおよび主幹路34’ならびに配管35の主幹路35’および分枝路35Bを介して、吸着塔10Bへと導かれる。このような第2減圧工程にて、吸着塔10Cの内部は、第1減圧工程終了時の第1中間圧力から、当該第1中間圧力と大気圧の間の所定の第2中間圧力まで、降圧される。
これとともに、ステップ2では、吸着塔10Bのガス通過口12側に吸着塔10CからのガスG4が第1昇圧ガスとして導入される。このような第1昇圧工程にて、吸着塔10Bの内部は所定圧力まで昇圧される。
ステップ3では、図2に示すように各自動弁の開閉状態が選択され且つ昇圧機21が稼動することにより、図3(c)に示すようなガス流れ状態が実現されて、吸着塔10Aにて吸着工程が、吸着塔10Bにて第2昇圧工程が、吸着塔10Cにて脱着工程が行われる。
図1および図3(c)を併せて参照するとよく理解できるように、ステップ3では、吸着塔10Aにおいて、ステップ2から引き続き吸着工程が行われ、精製ガスG2が導出される。ステップ3にて吸着塔10Aから導出され続ける精製ガスG2は、その一部がステップ2から引き続き配管33の端部E3から装置外に送出され、また、配管33の分枝路33Aおよび主幹路33’ならびに配管34の主幹路34’および分枝路34Bを介して、一部が吸着塔10Bへと導かれる。
これとともに、ステップ3では、吸着塔10Cにおいて、ステップ2から引き続き塔内が降圧されて、吸着剤から上記不純物(の一部)が脱着され、ガス通過口11側からガスG5(脱着ガス)が導出される。ガスG5は、配管36の分枝路36Cおよび主幹路36’を介して、貯留タンク22に導かれて貯留される。脱着工程にて、吸着塔10Cの内部は、第2減圧工程終了時の第2中間圧力から、当該第2中間圧力と大気圧の間の所定の第3中間圧力まで、降圧される。このような脱着工程にある吸着塔10Cからは、第3中間圧力以上の圧力を有するガスとして、ガスG5は導出され続ける。また、貯留タンク22に貯留されたガスG5は、配管38を介して脱着ガス利用先に供給され得る。
これとともに、ステップ3では、吸着塔10Bのガス通過口12側に吸着塔10Aからの精製ガスG2が第2昇圧ガスとして導入される。このような第2昇圧工程にて、吸着塔10Bの内部は上記吸着圧力へと昇圧される。
ステップ4〜6では、ステップ1〜3で吸着塔10Aにおいて行われたのと同様に、吸着塔10Bにおいて、図4(a)から図4(c)に示すように吸着工程が行われる。これとともに、ステップ4〜6では、ステップ1〜3で吸着塔10Bにおいて行われたのと同様に、吸着塔10Cにおいて、図4(a)から図4(c)に示すように、減圧パージ工程(ステップ4)、第1昇圧工程(ステップ5)、および第2昇圧工程(ステップ6)が順次行われる。これとともに、ステップ4〜6では、ステップ1〜3で吸着塔10Cにおいて行われたのと同様に、吸着塔10Aにおいて、図4(a)から図4(c)に示すように、第1減圧工程(ステップ4)、第2減圧工程(ステップ5)、および脱着工程(ステップ6)が順次行われる。
ステップ7〜9では、ステップ1〜3で吸着塔10Aにおいて行われたのと同様に、吸着塔10Cにおいて、図5(a)から図5(c)に示すように吸着工程が行われる。これとともに、ステップ7〜9では、ステップ1〜3で吸着塔10Bにおいて行われたのと同様に、吸着塔10Aにおいて、図5(a)から図5(c)に示すように、減圧パージ工程(ステップ7)、第1昇圧工程(ステップ8)、および第2昇圧工程(ステップ9)が順次行われる。これとともに、ステップ7〜9では、ステップ1〜3で吸着塔10Cにおいて行われたのと同様に、吸着塔10Bにおいて、図5(a)から図5(c)に示すように、第1減圧工程(ステップ7)、第2減圧工程(ステップ8)、および脱着工程(ステップ9)が順次行われる。
以上のようにして、精製ガス・脱着ガス取得装置X1からは、目的ガスが富化された精製ガスG2を取得し続けることができ、且つ、脱着ガスたるガスG5を取得することができる。
ガスG5は上述のように貯留タンク22に貯留されるところ、必要に応じて、貯留タンク22内のガスG5は配管38を介してその端部E8から送出される。端部E8は、上述のように、脱着ガス利用先の装置またはプラントに対してガスG5(脱着ガス)を供給するように連結可能である。
上述の精製ガス・脱着ガス取得方法においては、脱着工程にある吸着塔10A,10B,10C内は、上述の従来方法のようには大気開放されない。本方法の脱着工程にある吸着塔10A,10B,10C内は、大気圧より高い圧力(第3中間圧力)にあり、従って、このような吸着塔から導出される脱着ガスについては、圧力を有するガスとして取得することが可能である。この脱着ガスは、所定目的に利用できる場合があり、利用目的に応じて前記の第3中間圧力を設定することにより、圧縮機などを使用せずとも、利用目的に適した圧力を有するガスとして取得することが可能である。吸着塔10A,10B,10Cのそれぞれは、吸着工程を経た後に上述の第1および第2減圧工程を経ても、その塔内に有意量の目的ガスが残存している場合がある。この場合、第2減圧工程の後の脱着工程では、吸着剤から脱着した不純物と共に当該残存目的ガスが塔外に導出される。すなわち、この場合、上記のガスG5には有意量の目的ガスが含まれるのである。そのため、上記の原料ガスが目的ガスとして可燃ガスを含む場合には、例えば、所定の装置やプラントにてガスG5を燃料ガスとして使用することが可能である。また、脱着工程にある吸着塔10A,10B,10Cでは、吸着工程にて吸着剤に吸着した不純物の一部(大部分)が当該吸着剤から脱着されて、塔外に導出される。すなわち、上記のガスG5には有意量の不純物が含まれる。そのため、上記の原料ガスが不純物として可燃ガスを含む場合には、例えば、所定の装置やプラントにてガスG5を燃料ガスとして使用することが可能である。
上述の精製ガス・脱着ガス取得方法においては、脱着工程を終えた吸着塔10A,10B,10Cにて減圧パージ工程を実行する。減圧パージ工程では、上述のように、塔内を大気開放して降圧しつつ、吸着剤から不純物を脱着させ、且つ、当該吸着塔に洗浄ガスを通流させる。このような減圧パージ工程を実行する前の吸着塔10A,10B,10C内の吸着剤は、吸着工程にて吸着した不純物が充分には脱離していない状態にある。そのため、脱着工程を終えた吸着塔10A,10B,10Cにて上述の減圧パージ工程を実行せずに当該吸着塔内を吸着圧力まで昇圧してから次サイクルの吸着工程を実行する、という構成を各サイクルにて仮に採用すると、塔内の吸着剤において、本来的な不純物吸着容量よりも実効的な不純物吸着容量が小さくなり、その結果、精製ガスG2について充分な回収率を達成することができない事態が生じ得る。これに対し、脱着工程を終えた吸着塔10A,10B,10Cにて上述の減圧パージ工程を実行すると、大気開放下にて、吸着剤からの不純物の離脱を促進させて吸着剤を再生ないし浄化させることができ、当該再生された吸着剤を使用して次サイクルの吸着工程を実行することができるので、精製ガスG2について高い回収率を達成しやすい。
以上のように、本発明に係る上述の精製ガス・脱着ガス取得方法は、混合ガス(ガスG1)から有用な脱着ガス(ガスG5)を得つつ、当該混合ガスから高回収率で目的ガスを分離するのに、適する。
上述の精製ガス・脱着ガス取得方法においては、脱着工程にある吸着塔10A,10B,10Cから導出されるガスG5(脱着ガス)を貯留タンク22に貯留する。このような構成は、ガスG5について安定した圧力で脱着ガス利用先に供給するうえで、好適である。
上述の精製ガス・脱着ガス取得方法においては、貯留タンク22から脱着ガス利用先にガスG5を供給する際、圧力制御装置23によって開度が制御される圧力調整弁38xが付設された配管38を介して、ガスG5は脱着ガス利用先に供給される。このような構成は、ガスG5について安定した圧力で脱着ガス利用先に供給するうえで、好適である。
〔実施例〕
図1に示す概略構成を有する精製ガス・脱着ガス取得装置X1を使用して、図2から図5に示す吸着工程、第1減圧工程、第2減圧工程、脱着工程、減圧パージ工程、第1昇圧工程、および第2昇圧工程からなる1サイクルを吸着塔10A,10B,10Cのそれぞれにおいて繰り返すことにより、水素を含む原料ガスから水素を濃縮分離した。本実施例の原料ガスは、精製対象たる目的ガスとして水素を96.93vol%含むのに加え、不純物として、1.72vol%の二酸化炭素と、1.15vol%の一酸化炭素と、0.16vol%のメタンと、0.04vol%の窒素とを含む。精製ガス・脱着ガス取得装置X1に対する原料ガスの供給量は、19.5NL/minとした。
本実施例において使用した精製ガス・脱着ガス取得装置X1における縦置きの吸着塔10A,10B,10Cのそれぞれは円筒形状(内径37.1mm,内寸高さ1800mm)
を有する。各吸着塔内には、吸着剤として、Ca5A型のゼオライトモレキュラシーブとカーボンモレキュラシーブとを体積比9:1で積層したもの2.16リットルを充填した
。本実施例では、吸着塔10A,10B,10Cのそれぞれにおいて、吸着工程は375秒間、第1減圧工程は20秒間、第2減圧工程は25秒間、脱着工程は330秒間、減圧パージ工程は20秒間、第1昇圧工程は25秒間、および第2昇圧工程は330秒間行った。吸着工程にある吸着塔10A,10B,10Cの内部の圧力(吸着圧力)は2MPa(ゲージ圧)とし、第1減圧工程にある吸着塔10A,10B,10Cの内部の第1減圧工程末期圧力(第1中間圧力)は1.8MPa(ゲージ圧)とし、第2減圧工程にある吸
着塔10A,10B,10Cの内部の第2減圧工程末期圧力(第2中間圧力)は1.3M
Pa(ゲージ圧)とし、脱着工程にある吸着塔10A,10B,10Cの内部の脱着工程末期圧力(第3中間圧力)は0.20MPa(ゲージ圧)とした。そして、減圧パージ工
程にある吸着塔10A,10B,10Cの内部は大気開放した(大気開放操作によって塔内圧力は5kPa(ゲージ圧)以下まで低下した)。脱着工程にある吸着塔10A,10B,10Cから導出される0.20MPa(ゲージ圧)のガスG5については、貯留タン
ク22に貯留した。本実施例における脱着工程にある吸着塔10A,10B,10Cから導出されるガスG5の、一脱着工程にわたって平均した水素濃度は、約71vol%であっ
た。また、本実施例では、貯留タンク22内のガスG5(脱着ガス)を、所定プラントに対して燃料ガスとして供給し続けた。
以上のような条件で行った本実施例において取得した精製ガスG2(水素)について、純度は99.99vol%であり、且つ、回収率は80.0%であった。本実施例における第
3中間圧力(脱着工程末期圧力)、精製ガス(水素)の純度、および水素の回収率について、図11の表に掲げる。
〔比較例1〕
図6に示す概略構成を有する装置X2を使用して、図7から図10に示す吸着工程、第1減圧工程、第2減圧工程、脱着工程、パージ工程、第1昇圧工程、および第2昇圧工程からなる1サイクルを装置X2の吸着塔10A,10B,10Cのそれぞれにおいて繰り返すことにより、実施例の原料ガスと同じ組成の原料ガスから水素を濃縮分離した。本比較例で使用した装置X2は、配管36の主幹路36’に自動弁36xが付設されていない点、自動弁37x付きの配管37を備えない点、および、圧力調整弁38x付きの配管38および圧力制御装置23の代わりに圧縮機24および配管39A,39Bを備える点において、上述の精製ガス・脱着ガス取得装置X1と異なる。本比較例の方法は、主に、減圧パージ工程の代わりに(減圧しない)パージ工程を実行する点、および、貯留タンク22内のガスを所定プラントに供給し続けるうえで圧縮機24を使用する点において、上述の実施例の方法と異なる。本比較例のパージ工程では、脱着工程を経た吸着塔において、塔内圧力が脱着工程末期圧力と同じに維持されつつ、ガス通過口12側に他吸着塔からのガスG3が洗浄ガスとして導入され、ガス通過口11側からガスG3’が導出される。このガスG3’は、配管36を介して貯留タンク22に導かれて貯留される。
本比較例において、装置X2に対する原料ガスの供給量は、実施例における原料ガス供給量と同じとした。本比較例では、吸着塔10A,10B,10Cのそれぞれにおいて、吸着工程は290秒間、第1減圧工程は80秒間、第2減圧工程は40秒間、脱着工程は170秒間、パージ工程は80秒間、第1昇圧工程は40秒間、および第2昇圧工程は
170秒間行った。また、吸着工程にある吸着塔10A,10B,10Cの内部の圧力(吸着圧力)は2MPa(ゲージ圧)とし、第1減圧工程にある吸着塔10A,10B,10Cの内部の第1減圧工程末期圧力(第1中間圧力)は1.6MPa(ゲージ圧)とし、
第2減圧工程にある吸着塔10A,10B,10Cの内部の第2減圧工程末期圧力(第2中間圧力)は0.86MPa(ゲージ圧)とし、脱着工程にある吸着塔10A,10B,
10Cの内部の脱着工程末期圧力は0.15MPa(ゲージ圧)とし、パージ工程にある
吸着塔10A,10B,10Cの内部の圧力は脱着工程末期圧力と同じに維持した。脱着工程にある吸着塔10A,10B,10Cから導出される0.15MPa(ゲージ圧)の
ガスG5については、貯留タンク22に貯留した。また、本比較例では、貯留タンク22内のガスG5を、圧縮機24を使用して、所定プラントに対して燃料ガスとして供給し続けた。
以上のような条件で行った本比較例において取得した精製ガスG2(水素)について、純度は99.99vol%であり、且つ、回収率は75.8%であった。本比較例における脱
着工程末期圧力、取得水素の純度、および水素の回収率について、図11の表に掲げる。
〔比較例2〕
第2減圧工程末期圧力を0.86MPa(ゲージ圧)に代えて0.75MPa(ゲージ圧)とし且つ脱着工程末期圧力を0.15MPa(ゲージ圧)に代えて0.05MPa(ゲージ圧)とした以外は比較例1と同様の条件で、図7から図10に示す各工程からなる1サイクルを装置X2の吸着塔10A,10B,10Cのそれぞれにおいて繰り返すことにより、実施例の原料ガスと同じ組成の原料ガスから水素を濃縮分離した。本比較例におけるパージ工程にある吸着塔10A,10B,10Cの内部の圧力は、比較例1におけるパージ工程にある吸着塔10A,10B,10Cの内部の圧力と同様に、脱着工程末期圧力と同じに維持した。
以上のような条件で行った本比較例において取得した精製ガスG2(水素)について、純度は99.99vol%であり、且つ、回収率は81.7%であった。本比較例における脱
着工程末期圧力、取得水素の純度、および水素の回収率について、図11の表に掲げる。
〔比較例3〕
脱着工程末期圧力を0.15MPa(ゲージ圧)に代えて0.20MPa(ゲージ圧)とした以外は比較例1と同様の条件で、図7から図10に示す各工程からなる1サイクルを装置X2の吸着塔10A,10B,10Cのそれぞれにおいて繰り返すことにより、実施例の原料ガスと同じ組成の原料ガスから水素を濃縮分離した。本比較例におけるパージ工程にある吸着塔10A,10B,10Cの内部の圧力は、比較例1におけるパージ工程にある吸着塔10A,10B,10Cの内部の圧力と同様に、脱着工程末期圧力と同じに維持した。本比較例における脱着工程にある吸着塔10A,10B,10Cから導出されるガスG5の、一脱着工程にわたって平均した水素濃度は、約56vol%であった。
以上のような条件で行った本比較例において取得した精製ガスG2(水素)について、純度は99.99vol%であり、且つ、回収率は69.8%であった。本比較例における脱
着工程末期圧力、取得水素の純度、および水素の回収率について、図11の表に掲げる。
〔評価〕
比較例1〜3に係る結果の比較から、脱着工程末期圧力を高く設定するほど回収率が低下してしまうことが判る。比較例1〜3において、脱着工程末期圧力が最も高く設定された比較例3の方法による回収率は、最も低い。このような比較例3に係る結果と実施例に係る結果との比較から、実施例の方法は、水素含有混合ガスから可燃性の脱着ガスを得つつ当該水素含有混合ガスから高回収率で水素を分離するのに適することが判る。
X1 精製ガス・脱着ガス取得装置
X2 装置
10A,10B,10C 吸着塔
11,12 ガス通過口
21 昇圧機
22 貯留タンク
23 圧力制御装置
24 圧縮機
31〜38,39A,39B 配管
32’,33’,34’,35’,36’ 主幹路
32A〜32C,33A〜33C,34A〜34C,35A〜35C 分枝路
32a〜32c,33a〜33c,34a〜34c,35a〜35c 自動弁
34x,35x,36x,37x 自動弁

Claims (3)

  1. 吸着剤が充填された複数の吸着塔を用いて、混合ガスから目的ガスを分離する方法であって、
    吸着塔内が吸着圧力にある状態にて、当該吸着塔に前記混合ガスを導入し、当該混合ガス中の不純物を前記吸着剤に吸着させ、且つ、目的ガスが富化された精製ガスを当該吸着塔から導出する、吸着工程と、
    吸着塔から第1導出ガスを導出して当該吸着塔内を第1中間圧力まで降圧する第1減圧工程と、
    吸着塔から第2導出ガスを導出して当該吸着塔内を第2中間圧力まで降圧する第2減圧工程と、
    吸着塔内を第3中間圧力まで降圧し、前記吸着剤から前記不純物の一部を脱着させ、且つ、当該吸着塔から脱着ガスを導出してタンクに貯留する、脱着工程と、
    前記吸着塔内を大気開放して降圧しつつ、前記吸着剤から前記不純物の一部を脱着させ、且つ、当該吸着塔に洗浄ガスを通流させる、減圧パージ工程と、
    吸着塔に第1昇圧ガスを導入して吸着塔内を昇圧する第1昇圧工程と、
    吸着塔に第2昇圧ガスを導入して吸着塔内を更に昇圧する第2昇圧工程と、を含むサイクルを前記複数の吸着塔のそれぞれにおいて繰り返し行い、
    前記減圧パージ工程にある吸着塔には、前記第1減圧工程にある吸着塔から導出される前記第1導出ガスを前記洗浄ガスとして導入し、
    前記第1昇圧工程にある吸着塔には、前記第2減圧工程にある吸着塔から導出される前記第2導出ガスを前記第1昇圧ガスとして導入し、
    前記第2昇圧工程にある吸着塔には、前記精製ガスを前記第2昇圧ガスとして導入する、精製ガス・脱着ガス取得方法。
  2. 前記第2昇圧工程にある吸着塔には、前記吸着工程にある吸着塔から導出される前記精製ガスを前記第2昇圧ガスとして導入する、請求項に記載の精製ガス・脱着ガス取得方法。
  3. 第1ガス通過口および第2ガス通過口を有し当該第1および第2ガス通過口の間において吸着剤が充填された複数の吸着塔と、
    ガス導入端を有する主幹路、および、前記吸着塔ごとに設けられて当該吸着塔の前記第1ガス通過口側に連結され且つ開閉弁が付設された複数の第1分枝路、を有する第1配管と、
    第1ガス排出端を有する主幹路、および、前記吸着塔ごとに設けられて当該吸着塔の前記第2ガス通過口側に連結され且つ開閉弁が付設された複数の第2分枝路、を有する第2配管と、
    前記第2配管の前記主幹路における前記第1ガス排出端および前記複数の第2分枝路の間に連結された主幹路、並びに、前記吸着塔ごとに設けられて当該吸着塔の前記第2ガス通過口側に連結され且つ開閉弁が付設された複数の第3分枝路を有する、第3配管と、
    前記第3配管の前記主幹路における前記複数の第3分枝路および前記第2配管の間に連結された主幹路、並びに、前記吸着塔ごとに設けられて当該吸着塔の前記第2ガス通過口側に連結され且つ開閉弁が付設された複数の第4分枝路を有する、第4配管と、
    第2ガス排出端を有する主幹路、および、前記吸着塔ごとに設けられて当該吸着塔の前記第1ガス通過口側に連結され且つ開閉弁が付設された複数の第5分枝路、を有する第5配管と、
    前記第5配管の前記主幹路における前記第2ガス排出端および前記複数の第5分枝路の間に連結され、開閉弁が付設され、且つ、第3ガス排出端を有する、第6配管と、
    前記第5配管の前記第2ガス排出端が連結された貯留タンクと、を備え、前記第5配管の前記主幹路において、前記第2ガス排出端と前記第6配管との間に、開閉弁が付設されている、精製ガス・脱着ガス取得装置であって、
    前記複数の吸着塔において、請求項1または2に記載の精製ガス・脱着ガス取得方法を実施するように構成された、精製ガス・脱着ガス取得装置。
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