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JP5601471B2 - 塩素含有フルオロプロペンの製造方法 - Google Patents

塩素含有フルオロプロペンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、塩素含有フルオロプロペンの製造方法に関する。
一般式: CFX2CCl=CH2 (XはF又はClであり、同一または異なっていてよい)で表される塩素含有フルオロプロペンは、各種フルオロカーボンを製造するための原料や中間体として有用な化合物であり、更に、各種の重合体におけるモノマー成分や、各種の機能性材料としても有用である。特に、CF2ClCCl=CH2で表される2,3-ジクロロ-3,3-ジフルオロプロペン(HCFC-1232xf)は、洗浄剤、ドライクリーニング溶媒、レジスト除去剤として有望な化合物である。
上記した一般式で表される化合物の内で、CFCl2CCl=CH2で表される2,3,3-トリクロロ-3-フルオロプロパン(HCFC-1231xf, bp. 98.5-99℃)とCF2ClCCl=CH2で表される2,3-ジクロロ-3,3-ジフルオロプロペン(HCFC-1232xf, bp. 57-58℃)の製造方法としては、1,1,2,3-テトラクロロ-1-フルオロプロパン(HCFC-241db)又は1,2,3-トリクロロ-1,1-ジフルオロプロパン(HCFC-242dc)に、それぞれ当量以上のKOHを作用させて脱HClさせる方法が知られている(非特許文献1、非特許文献2、特許文献1等参照)。しかしながら、この方法では多量の廃棄物の処理が問題となる上、収率の改善が必要である。
また、CF3CCl=CH2で表される2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFC-1233xf, bp. 14-15℃)の製造方法としては、1, 2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロパン(HCFC-243db, bp. 76℃)に当量以上のKOHを作用させて脱HClさせる方法が知られている(非特許文献2、非特許文献3)。しかしながら、この方法についても、多量の廃棄物の処理が問題となる上、長い反応時間を要するなど、経済的に適した方法とは言えない。
その他、気相中において、フッ素化触媒存在下でハロゲン化炭化水素をフッ化水素(HF)と反応させる際に、反応条件によって脱HCl反応が進行してHCFC-1233xfが得られることが知られている(特許文献2、特許文献3)。しかしながら、この方法では、触媒の使用によるコストアップや触媒劣化の問題があり、更に、HFが必要であることなど、工業スケールにおける利用には多くの課題がある。
以上の通り、現状では、経済性に適合するように、簡便な方法によって高収率で一般式: CFX2CCl=CH2 で表される塩素含有フルオロプロペンを製造できる方法が確立するには至っていない。
US 2787646 WO 2008/054781 A1 WO 2009/125199 A2 GB 772484
Inst. Heteroorg. Compds. 1960, pp447-51 Journal of the Chemical Society, 1953, pp3371-8 Journal of the Chemical Society, 1951, pp2495-504 Journal of the American Chemical Society, 1947, 69, pp944-7
本発明は、上記した従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、工業的スケールでの実施に適した簡便かつ経済的に有利な方法によって、効率よく一般式: CFX2CCl=CH2 (XはF又はClであり、同一または異なっていてよい)で表される塩素含有フルオロプロペンを製造できる方法を提供することである。
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、一般式:CFX2CHClCH2Cl (XはF又はClであり、同一または異なっていてよい)で表される塩素含有フルオロプロパンを原料として用い、触媒を用いることなく、気相状態において、所定の温度範囲で十分に加熱する方法によれば、驚くべきことに、一段階の反応操作によって、副反応を抑制して、目的とするCFX2CCl=CH2(Xは上記に同じ)で表される塩素含有フルオロプロペンを高い選択率で製造することができ、従来の塩素含有フルオロプロペンの製造方法における欠点を解消して、工業的スケールにおいて、塩素含有フルオロプロペンを効率良く製造することが可能となることを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の一般式: CFX2CCl=CH2(XはF又はClであり、同一または異なっていてよい)で表される塩素含有フルオロプロペンの製造方法を提供するものである。
1. 触媒の不存在下において、一般式:CFX2CHClCH2Cl (XはF又はClであり、同一または異なっていてよい)で表される塩素含有フルオロプロパンを気相状態で加熱して、脱塩化水素反応を生じさせることを特徴とする一般式:CFX2CCl=CH2(Xは上記に同じ)で表される塩素含有フルオロプロペンの製造方法。
2. 加熱温度が350〜550℃である上記項1に記載の塩素含有フルオロプロペンの製造方法。
3. 塩素含有フルオロプロパンと同時に不活性ガスを供給して脱塩化水素反応を行う上記項1又は2に記載の塩素含有フルオロプロペンの製造方法。
4. 塩素含有フルオロプロパン1モルに対して、不活性ガスを0.5〜50モル供給する上記項3に記載の塩素含有フルオロプロペンの製造方法。
5. 上記項1〜4のいずれかの方法によって塩素含有フルオロプロペンを製造した後、反応生成物に含まれる未反応の塩素含有フルオロプロパンを反応器に戻して再利用する工程を含む、塩素含有フルオロプロペンの製造方法。
以下、本発明の塩素含有フルオロプロペンの製造方法について具体的に説明する。
(1)原料化合物
本発明では、原料化合物としては、一般式:CFX2CHClCH2Cl (XはF又はClであり、同一または異なっていてよい)で表される塩素含有フルオロプロパンを用いる。上記一般式で表される化合物は公知化合物であり、具体例として、化学式:CFCl2CHClCH2Clで表される1,1,2,3-テトラクロロ-1-フルオロプロパン(HCFC-241db, bp. 157℃)、化学式:CF2ClCHClCH2Clで表される1,2,3-トリクロロ-1,1-ジフルオロプロパン(HCFC-242dc, bp. 113-114℃)、化学式:CF3CHClCH2Clで表される1, 2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロパン(HCFC-243db, bp. 76℃)等を挙げることができる。これらの化合物の内で、1,1,2,3-テトラクロロ-1-フルオロプロパン(HCFC-241db, bp. 157℃)、及び1,2,3-トリクロロ-1,1-ジフルオロプロパン(HCFC-242dc, bp. 113-114℃)については、例えば、1,1,1,2,3-テトラクロロプロパン(HCC-240db)をフッ素化する方法で容易に得ることができる(非特許文献1参照)。
その他のHCFC-242dcの製造方法として、化学式:CF2ClCH=CH2 (HCFC-1242zf)で表される化合物又は化学式:CF2ClCHClCH3 (HCFC-252dc)で表される化合物を原料として、塩素を用いて塩素化する方法が知られている(特許文献4、非特許文献4等参照)。また、1, 2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロパン(HCFC-243db, bp. 76℃)の製造方法としては、特許文献3に示されるように、化学式:CF3CH=CH2 (HFC-1243zf)で表される化合物を原料として、塩素を用いて塩素化する方法が知られている。
これらの一般式:CFX2CHClCH2Cl(XはF又はClであり、同一または異なっていてよい)で表される塩素含有フルオロプロパンを原料として用い、後述する条件に従って反応を行うことによって、一段階の反応工程で、脱塩化水素反応を進行させて、目的とする一般式: CFX2CCl=CH2 (Xは上記に同じ)で表される塩素含有フルオロプロペンを高い選択率で製造できる。
(2)反応方法
本発明の製造方法は、上記した原料化合物を、気相状態で加熱して、脱塩化水素反応を生じさせる方法である。
本発明方法では、特に、脱塩化水素反応を行う際に、触媒の不存在下において、原料化合物を加熱することが重要である。この様な条件下において、上記原料化合物を加熱して反応させることによって、一段階の反応工程によって、高い選択率で目的とする一般式: CFX2CCl=CH2 (Xは上記に同じ)で表される塩素含有フルオロプロペンを得ることができる。
本発明方法では、反応温度は、反応器の中の温度として、300〜650℃程度が適当であり、350〜550℃程度がより好ましく、360〜480℃程度が特に好ましい。この様な温度範囲で加熱することによって、高い選択率で目的とする塩素含有フルオロプロペンを得ることができる。加熱温度がこの範囲より高温になると、副生成物が増加して目的とする塩素含有フルオロプロペンの選択率が低下し、一方、低温になると原料化合物の転化率が低下するので、いずれも好ましくない。
本発明では、特に、上記した温度範囲において、原料化合物を十分に加熱して、脱塩化水素反応を進行させることが重要である。このために、例えば、十分な長さを有する反応管を用いて、接触時間を長くして原料化合物を加熱する方法;内径の小さい反応管を用いて原料の伝熱面積を大きくすることで、伝熱効率を良好にする方法;熱伝導性が良好で本発明の反応に対する触媒活性が無く、生成する塩化水素(HCl)に対して安定な材料を反応管内に充填して、反応管内の温度分布を均一にして、反応を行う方法などを採用することが好ましい。
この場合、接触時間については、例えば、気相での反応空間の容積V(cc)と反応系に流す原料ガスの全流量Fo(0℃、0.1MPaでの流量:cc/sec)との比率:V/Foで表される接触時間を5〜100 sec程度の範囲とすることが好ましく、20〜60 sec 程度の範囲とすることがより好ましい。尚、上記した原料ガスの全流量とは、原料とする塩素含有フルオロプロパンの他に、後述する不活性ガスを用いる場合には、不活性ガスを加えた合計流量である。
また、内径の小さい反応管を用いて伝熱効率を良くする方法では、例えば、原料の流量と、反応管の内径の関係は、線速度が大きくかつ伝熱面積が大きくなるようにすることが好ましい。
また、触媒活性のない材料を充填する方法では、上記した条件を満足する材料として、例えば、ハステロイ片、ニッケル製ビーズ等を用い、これらの材料を反応管に充填すればよい。充填される材料の形状については特に限定はなく、反応管の形状に応じて、粉体状、ペレット状等の反応管に均一に充填可能な形状であればよい。
触媒の不存在下において、上記した加熱方法を採用することによって、特に良好な選択率で目的とする塩素含有フルオロプロペンを得ることが可能となる。
本発明方法では、前述した反応温度領域において、原料化合物を気体状態で存在させればよく、原料化合物の供給時には、原料化合物が液体状態であってもよい。例えば、気化器を用いて原料化合物を気化(気化領域)させてから予熱領域を通過させることによって、気相状態で反応を行うことができる。また、原料化合物を液体状態で反応装置に供給し、反応領域に達した時に気化させて反応させても良い。原料化合物を反応領域で気化させる方法については特に限定はないが、例えば、前述したハステロイ片やニッケル製ビーズなどの熱伝導性が良好で触媒活性が無く、生成する塩化水素(HCl)に対して安定な材料を反応管内に充填し、反応管内の温度分布を均一にして原料化合物の気化温度以上に加熱し、ここに液体状態の原料化合物を供給して、原料化合物を気化させて気相状態としてもよい。
原料化合物は、反応器にそのまま供給してもよいが、特に、不活性ガスとともに反応温度領域に供給することによって、副反応を抑制して、高い選択率で目的とする塩素含有フルオロプロペンを得ることができる。不活性ガスとしては、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン等を用いることができる。不活性ガスの供給量は、通常、原料化合物1 モルに対して0.5〜50モル程度の範囲とすることが好ましく、5〜30モル程度の範囲とすることがより好ましい。不活性ガスの使用量をこの様な範囲とすることによって、塩素含有フルオロプロペンの選択率を良好な範囲内に維持することができる。
本発明方法で用いる反応器の形態は特に限定されるものではなく、例えば、空塔の反応器や金属や媒体を充填した反応器を用いることができる。充填する金属や媒体としては、上述した通り、熱伝導性が良好で、反応に対して触媒活性が無く、生成する塩化水素(HCl)に対して安定な材料を用いればく、各種形状の多孔質材料や非多孔質材料を用いることができる。このような反応器を用いて、例えば、電気炉などにより外部から加熱して、反応器の内部を所定の温度に加熱すればよい。また、熱媒体を用いて伝熱・除熱・反応器内の温度分布を均一化した多管型反応器等を用いることもできる。尚、反応器としては、インコネル(INCONEL)、ハステロイ(HASTALLOY)、モネル(MONEL)、インコロイ(INCOLLOY)等の塩化水素の腐食作用に抵抗性がある材料によって構成されるものを用いることが好ましい。
反応時の圧力については、原料化合物が気相状態で存在できる圧力であれば特に限定されるものではなく、常圧下、加圧下、減圧下のいずれでもよい。即ち、本発明の製造方法は、減圧下又は大気圧(0.1MPa)下で実施することができ、原料が液体状態にならない程度の加圧下で実施することもできる。
上記した反応条件によれば、反応器出口では、目的とする一般式: CFX2CCl=CH2 (Xは上記に同じ)で表される塩素含有フルオロプロペンを含む反応生成物を得ることができる。該塩素含有フルオロプロペンは、蒸留などによって精製して回収することができ、そのまま目的とする用途に用いても良いし、他の化合物へと変換することもできる。
本発明方法では、目的物である塩素含有フルオロプロペンの選択率が高いので、未反応の原料を再び反応器に戻してリサイクルすることによって、原料転化率が低い場合であっても、高い生産性を維持することができる。
本発明方法によれば、化学式CFX2CHClCH2Cl (XはF又はClであり、同一または異なっていてよい)で表される塩素含有フルオロプロパンを原料として、一段階の反応操作によって、高い選択率で一般式: CFX2CCl=CH2(Xは上記に同じ)で表される塩素含有フルオロプロペンを製造することができる。
また、本発明の製造方法は、常圧や減圧状態等の穏和な条件下で実施が可能であり、連続製造に適した気相反応を利用する製造方法である。
更に、本発明方法によれば、従来の触媒を用いる製造方法の欠点をことごとく解消した上で、高い選択率で目的とする塩素含有フルオロプロペンを得ることができる。
このため、本発明の方法は、塩素含有フルオロプロペンの製造方法として工業的に有利な方法といえる。
実施例1〜3で用いた反応装置の概略図。
以下、本発明の実施例を記載して本発明を更に詳細に説明する。
実施例1
以下、原料として、1, 2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロパン(HCFC-243db)を用いた製造方法の具体例を示す。
本実施例で使用した反応装置図の概略を図1に示す。この反応装置では、外径1/2インチ(肉厚1.24 mm)、長さ199 cmの管状インコネル600製反応器(反応管、内容積163.2cm3)をマッフル炉内に組み、反応管入口側接続部には1, 2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロパン(HCFC-243db)と不活性ガスが供給されるラインを接続した。HCFC-243dbの供給ラインには気化器を設置し、液状態で供給したHCFC-243dbを140℃で気化させた。気化したHCFC-243dbは反応器へ供給されるまで200℃で予熱し、また、不活性ガスを供給する場合は、不活性ガスの供給ラインも200℃で予熱し、HCFC-243dbと混合した状態で反応器へ供給した。反応管接続部の入口側と出口側は両方とも外径1/8インチの配管で接続し、マッフル炉内での配管内容積についても反応空間とみなした。この場合のマッフル炉内における反応空間容積は164.0 cm3となった。反応管以外の配管・継手は全てハステロイ製の材料を使用した。
マッフル炉内部では、炉内の空間温度を2点測定し、この平均温度を炉内温度とし、反応管の外壁の温度を入口側から出口側に至るまで等間隔で8点測定し、この平均温度を反応温度とした。この反応管内を大気圧(0.1MPa)として、反応温度を400℃に維持し、窒素(N2)を200 cc/min(0℃、0.1MPaでの流量)の流量で反応器に連続的に供給し、10時間維持した。
その後、反応温度を400℃に保ち、窒素(N2)を200 cc/min(0℃、0.1MPaでの流量)の流量のままで供給しながら、1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロパン(HCFC-243db, 純度99.8%)を20.0 cc/min(0℃、0.1MPaでの流量)の速度で連続的に供給し、反応開始とした。このとき、反応温度を400℃に維持できるように炉内温度を設定した。窒素(N2)と1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロパン(HCFC-243db)のモル比(N2/ HCFC-243db )は10であり、接触時間(V/F0)は、マッフル炉内の反応空間容積(V)と反応物の総流量(F0)から、V/F0= 44.7 secであった。
反応開始から3時間後の反応器からの流出物をガスクロマトグラフを使用して分析した。反応生成物の内で、沸点が50℃以上の高沸点物と原料であるHCFC-243dbの回収量については、以下に説明する方法で定量した。即ち、内部標準物質として所定量のパークロロエチレンを溶解したHCFC-225(225ca:225cb = 57:43)と氷水を混合して分液状態にしておき、反応器出口成分を一定時間HCFC-225層にバブリングして、有機物をHCFC-225層で抽出し、塩化水素は氷水に溶解させた。
抽出液は20℃まで加温し、HCFC-225層をガスクロマトグラフ(FID)で分析した。カラムとしてはDB-1(60m)のキャピラリーカラムを使用し、内部標準物質であるパークロロエチレンとHCFC-243dbやその他の化合物との検出エリア比から、それぞれガスクロマトグラフでの係数を考慮して、HCFC-243db量をモル比に換算し、HCFC-243dbの回収量から原料転化率を算出し、その他の生成量も算出した。
一方、沸点が50℃以下の低沸点物については、以下に説明する方法で定量した。即ち、 反応器出口に水を入れた水洗塔を2本連結して接続し、ウォーターバスに浸して予め60℃に加温した後、反応器流出物を流し込み、バブリングさせて酸分を洗った後、CaCl2管を通して脱水したガス成分を捕集してガスクロマトグラフ(FID)で分析した。この時、反応器出口側から水洗塔に内部標準物質として所定量のジフルオロメタン(HFC-32)を同伴させた。カラムとしては、gsgaspro(60m)のキャピラリーカラムを使用し、内部標準物質であるHFC-32と各生成物との検出エリア比から、それぞれガスクロマトグラフでの係数を考慮して、各生成物の生成量をモル比に換算した。以上の方法を用いて反応器出口成分の定量を行った結果を表1に示す。
本実施例での生成物は以下の通りである。
CF3CCl=CH2 (HCFC-1233xf)
CF3CH=CH2 (HFC-1243zf)
CF3CH=CHCl (HCFC-1233zd) (E体とZ体の合計を表1に記載する)
CH2ClCCl=CF2 (HCFC-1232xc)
実施例2
窒素(N2)の供給量を400 cc/min(0℃、0.1MPaでの流量)に変更し、反応温度を450℃に変更した以外は実施例1と同様の条件で反応を行った。窒素(N2)と1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロパンのモル比(N2/ HCFC-243db )は20であった。接触時間(V/F0)はマッフル炉内の反応空間容積(V)と反応物の総流量(F0)から、V/F0= 23.4 secであった。反応開始から3時間の時点での分析結果を表1に示す。
実施例3
窒素(N2)の供給量を168 cc/min(0℃、0.1MPaでの流量)に、1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロパン(HCFC-243db, 純度99.8%)の供給量を28.0 cc/min(0℃、0.1MPaでの流量)に変更し、反応温度を380℃に変更した以外は実施例1と同様の条件で反応を行った。窒素(N2)と1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロパンのモル比(N2/ HCFC-243db )は6であった。接触時間(V/F0)はマッフル炉内の反応空間容積(V)と反応物の総流量(F0)から、V/F0= 50.2 secであった。反応開始から3時間の時点での分析結果を表1に示す。
Figure 0005601471

Claims (5)

  1. 触媒の不存在下において、一般式:CFX2CHClCH2Cl (XはF又はClであり、同一または異なっていてよい)で表される塩素含有フルオロプロパンを気相状態において350〜550℃で脱塩化水素反応を生じさせることを特徴とする一般式:CFX2CCl=CH2(Xは上記に同じ)で表される塩素含有フルオロプロペンの製造方法。
  2. 360〜480℃で脱塩化水素反応を生じさせる請求項1に記載の塩素含有フルオロプロペンの製造方法。
  3. 塩素含有フルオロプロパンと同時に不活性ガスを供給して脱塩化水素反応を行う請求項1又は2に記載の塩素含有フルオロプロペンの製造方法。
  4. 塩素含有フルオロプロパン1モルに対して、不活性ガスを0.5〜50モル供給する請求項3に記載の塩素含有フルオロプロペンの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかの方法によって塩素含有フルオロプロペンを製造した後、反応生成物に含まれる未反応の塩素含有フルオロプロパンを反応器に戻して再利用する工程を含む、塩素含有フルオロプロペンの製造方法。
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