JP5589330B2 - 偏光板離型用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム - Google Patents
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Description
(1)150℃、30分間加熱したときの熱収縮率が長手方向および幅方向とも2.0%以下
(2)150℃、30分間加熱したときの長手方向の熱収縮率と幅方向の熱収縮率の差が1.0%以下
(3)フィルム幅方向における配向角の変化量が500mm当り3.0°以下
さらに、本願における第2の発明は、前記二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであって、さらに下記要件(4)および(5)を満たす前記偏光板離型用ポリエチレンテレフタレートフィルムである。
(4)全光線透過率が85%以上
(5)フィルム表面の3次元中心面平均表面粗さSRaが0.010μm以上、0.350μm以下
さらに、本願における第3の発明は、未延伸フィルムを縦方向に延伸し、次いで横方向に延伸し、熱固定を行う前記偏光板離型用ポリエチレンテレフタレートフィルムの製造方法であって、下記要件(6)〜(8)を満たす偏光板離型用ポリエチレンテレフタレートフィルムの製造方法である。
(6)横延伸を120℃〜140℃の範囲で3.5〜4.5倍で行なった後、さらに140℃〜215℃で1.015倍以上の倍率で再延伸すること
(7)横延伸の最高温度と熱固定の最高温度の差が20℃以内であること
(8)熱固定の最高温度が215℃〜230℃であること
粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で写真を撮り、最も小さい粒子1個の大きさが2〜5mmとなるような倍率で、300〜500個の粒子の最大径(最も離れた2点間の距離)を測定し、その平均値を平均粒径とする。
これまで、光学的な軸精度を保持するために、比較的低温での熱固定処理が推奨されている。しかしながら、本願発明では熱固定処理工程の温度は215℃以上230℃以下が好ましい。熱固定処理の温度が215℃以上では、熱収縮率の絶対値が小さくなり好ましい。また、熱固定処理の温度が230℃以下であると、フィルムが不透明になり難く、また破断の頻度が少なくなり好ましい。
本発明における偏光板離型用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得るためには少なくとも2段階に分けて幅方向延伸を行うことが望ましい。特に延伸温度の異なる2つ以上の区分に分けて幅方向の延伸を行なうことが好ましい。具体的には、横延伸を120℃〜140℃の範囲で3.5〜4.5倍で行なった後、さらに140℃〜215℃で1.015倍以上の倍率で再延伸することが好ましい。以下、120℃〜140℃の範囲で2段の延伸(幅方向1段階目延伸をTD1、2段階目をTD2)を行い、140℃〜215℃の範囲で1段以上の延伸(n段階延伸をTDn)を行なう場合を一例にして説明する。
140℃〜215℃の範囲の延伸を3段目の延伸として行う場合、延伸倍率は1.015以上の倍率で行うことが望ましく、さらには0.02〜0.10倍が好ましく、0.04〜0.08倍がより好ましい。延伸を行う場合は、上記範囲内で温度および延伸倍率を制御することが望ましい。上記の120℃〜140℃の範囲で3.5〜4.5倍の延伸により配向の歪みの低減が図られるが、幅方向の端部側では未だ歪みの改善が十分でない。そこで、1.015倍以上の再延伸を施すことで、フィルム幅方向の端部側についても配向の歪みの改善が果たされる。しかしながら、延伸倍率を上げることは、フィルムに力学的な歪みを蓄積させる結果となり、熱寸法安定性の点では好ましくない。そこで、係る再延伸を、140℃〜215℃の範囲でかつ、横延伸の最高温度と熱固定の最高温度の差が20℃以内で行なうことで、熱寸法安定性に影響を与える歪みを極限まで低減させるのである。なお、再延伸での延伸倍率が大きくなると、力学的な歪みが生じ、熱寸法安定性が低下する場合があるので、ここでの延伸倍率は0.10倍以下であることが好ましい
(1)3次元中心面平均表面粗さ(SRa)
フィルムの表面を触針式三次元表面粗さ計(株式会社小坂研究所社製、SE−3AK)を用いて、針の半径2μm、荷重30mg、針のスピード0.1mm/秒の条件下で、フィルムの長手方向にカットオフ値0.25mmで、測定長1mmにわたって測定し、2μmピッチで500点に分割し、各点の高さを三次元粗さ解析装置(株式会社小坂研究所社製、TDA−21)に取り込ませた。これと同様の操作をフィルムの幅方向について2μm間隔で連続的に150回、即ちフィルムの幅方向0.3mmにわたって行い、解析装置にデータを取り込ませた。次に、前記解析装置を用いて、三次元平均表面粗さSRaを求めた。SRaの単位はμmである。なお、測定は3回行い、それらの平均値を採用した。
JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」ヘイズ(曇価)に準拠して測定した。測定器には、日本電色工業社製NDH−300A型濁度計を用いた。
JIS C 2318−1997 5.3.4(寸法変化)に準拠して測定した。測定すべき方向に対し、フィルムを幅10mm、長さ250mmに切り取り、200mm間隔で印を付け、5gfの一定張力下で印の間隔(A)を測定する。次いで、フィルムを150℃の雰囲気中のオーブンに入れ、無荷重下で150±3℃で30分間加熱処理した後、5gfの一定張力下で印の間隔(B)を測定する。以下の式より熱収縮率を求めた。
熱収縮率(%)=(A−B)/A×100
フィルム幅において、端縁を0%とし、他の端縁を100%とする。該フィルム幅の10%に相当する領域から90%に相当する領域について、幅方向に100mmピッチで連続してn個の100mm四方の正方形のフィルムサンプルを切り出した。該正方形のフィルムサンプルは長手方向、又は幅方向のいずれかの軸を基準に直角に切り出した。各フィルムサンプルについて、王子計測器株式会社製、MOA−6004型分子配向計を用いて、フィルム長手方向に対する分子鎖主軸の配向角(θi)、及び下記式によって定義される機械軸方向(長手方向、または幅方向のいずれか)に対する光学主軸の傾斜角(ξi)を測定した。なお、nは、フィルム全幅に0.8を乗じ、100mmで除した数値の小数点以下を切り上げた整数である。また、iはサンプル番号を表し、i=1〜nである。
|θ|≦45度のとき ξ=|θ|
|θ|>45度のとき ξ=|90度−|θ||
上記フィルムサンプルより測定した光学主軸の傾斜角のうち、最大値を光学主軸の最大傾斜角(ξmax)、最小値を最小傾斜角(ξmin)とした。
最大傾斜角を得た測定位置(フィルム幅方向に対して一方の端部を0とする。次も同じ)をLmax(mm)、最小傾斜角を得た測定位置をLmin(mm)とした場合に、500mmあたりの配向角の変化量は下記式で表すことができる。
(配向角の変化量)=(ξmax−ξmin)/(Lmax−Lmin)×500
得られたフィルムの片面に下記シリコーン塗布液を加工張力10kg/mを印可した状態でダイコート方式でシリコーンを塗布し、120℃のオーブンで乾燥させた。
(シリコーン塗布液)
硬化性シリコーン(KS847H、信越化学) 100質量部
硬化剤(CAT PL−50T、信越化学) 2質量部
希釈剤 メチルエチルケトン/キシレン/メチルイソブチルケトン 898質量部
得られたシリコ−ン塗布後のサンプルをロ−ルからカットして、平坦なテ−ブルの上に5mの長さを広げて、塗布面に蛍光灯の光を反射させて下記評価方法により熱しわの有無を確認する。
○:熱しわは全く見られず良好。
△:全面に熱しわは見られないが部分的に熱しわがみられる。
×:全面に熱しわが確認できる。
(6)で得られた離型フィルムについて、フィルム幅において、端縁を0%とし、他の端縁を100%とする。該フィルム幅の10%に相当する領域を端部として離型フィルムサンプルを採取した。採取した離型フィルムサンプルを幅方向が偏光フィルムの配向軸と平行となるように、粘着剤を介して離型フィルムを37インチサイズの偏光フィルム(820×461mm)に密着させ偏光板とした。白色光源とカメラの間に、2枚の偏光板をクロスニコルに配置し、その間に離型フィルムを密着させた偏光板を配置した。5人の検査員により下記目視判定により検査性を評価した。
○:干渉斑がなく、検査性が良好
△:干渉斑が少し生じるが、検査が可能
×:干渉斑が発生し、検査性が不良
ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)(PET樹脂(A))として、不活性粒子を含有していない、固有粘度が0.62dl/gのポリエチレンテレフタレート樹脂を用いた。また、PET樹脂(B)として、平均粒径2.3μmの不定形塊状シリカ粒子を2000ppm含有した、固有粘度が0.62dl/gのポリエチレンテレフタレート樹脂を用いた。
Claims (3)
- 二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであって、下記構成要件(1)〜(3)及び(6)〜(8)を満たし、前記(6)〜(8)は、未延伸フィルムを長手方向に延伸し、次いで幅方向に延伸し、熱固定を行う場合の条件である偏光板離型用ポリエチレンテレフタレートフィルム。
(1)150℃、30分間加熱したときの熱収縮率が長手方向および幅方向とも2.0%以下
(2)150℃、30分間加熱したときの長手方向の熱収縮率と幅方向の熱収縮率の差が1.0%以下
(3)フィルム幅方向における配向角の変化量が500mm当り3.0°以下
(6)延伸温度90〜120℃、延伸倍率2.0〜3.0倍、次いで延伸温度110〜140℃、延伸倍率1.3〜1.9倍で幅方向に延伸した後、さらに延伸温度140〜215℃、延伸倍率1.01倍以上、次いで延伸温度140〜215℃、延伸倍率1.01倍以上で幅方向に延伸すること
(7)幅方向延伸の最高温度と熱固定の最高温度の差が20℃以内であること
(8)熱固定の最高温度が215℃〜230℃であること - 前記二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであって、さらに下記要件(4)および(5)を満たす請求項1に記載の偏光板離型用ポリエチレンテレフタレートフィルム。
(4)全光線透過率が85%以上
(5)フィルム表面の3次元中心面平均表面粗さSRaが0.020μm以上、0.035μm以下 - 多層構成を有し、1つまたは2つの最表層に1〜10μmの平均粒径を有する微粒子を含有する請求項1または2に記載の偏光板離型用ポリエチレンテレフタレートフィルム。
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