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JP5572855B2 - バイオマスガス化改質触媒及びこれを用いた合成ガスの製造方法 - Google Patents

バイオマスガス化改質触媒及びこれを用いた合成ガスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、改質触媒及びこれを用いた合成ガスの製造方法に関し、詳しくは、高い活性、高い選択性を備える改質触媒、更には、高い炭素の燃焼活性、耐熱性、及び易還元性を備える改質触媒、並びに該触媒を用いた合成ガスの製造方法に関する。
バイオマス(Biomass)は、生物量を物質量で表現すること全般に対して広義に用いられる生態学上の用語である。近年では生物由来資源の意味でも使われており、バイオマスを用いた燃料はバイオ燃料(Biofuel)などとも呼ばれている。このようなバイオマス(「原料バイオマス」とも称する。)は、その利用方法の一つとして、ガス化してバイオ燃料として利用する方法がある。
一般にバイオマスのガス化においては、そのガス化温度がより低温になるにつれ高分子の炭化水素であるタールの生成量が増加し、一方、ガス化温度が高いほど低分子化されて水素及び炭素の生成量が増加する傾向にある。したがって、バイオマスをガス化する方法としては、空気/酸素をガス化剤とした部分酸化により、1000℃程度の高温でガス化を行い、タールの生成を抑制する方法が一般的に利用されている。
このため、一般的なバイオマスのガス化では、バイオマス自体が熱源の燃料として利用される割合が多く、具体的には4〜6割近くが反応に必要な熱を得るための熱源として燃やされているため、バイオマスからの合成ガスの収率は低下する。なお、ガス化剤に空気を用いた場合は、空気中に含まれる約8割の窒素によって合成ガスが希釈され、よりエネルギー密度の低い合成ガスになる。
したがって、高い収率で合成ガスを得るためには、より低温でガス化を行う必要があるが、低温でガス化を行うと前述のようにタールの生成により合成ガスの収率が低下してしまうほか、生成したタールや固体炭素が配管や反応炉へ付着しプロセスそのものにも悪影響を与えるという問題がある。
そこで、低温でバイオマスからより高い収率で合成ガスを製造するためには触媒を用いることが解決方法として考えられる。しかし、触媒を用いた場合でも、合成ガス中にタールが生成してしまい、合成ガスの収率が低下するほか、触媒上へタールが付着し活性点を減少させ、触媒の性能が低下することや、あるいは、触媒上への炭素析出により失活することもある。そのため、タールの生成と炭素の析出を最大限抑制し、高転換率(タール改質の高選択性)を可能とし、更に、低コスト、且つ、高寿命な触媒の開発が期待された。
バイオマスのガス化触媒はメタンなどの改質触媒と異なり、原料が高分子の炭化水素化合物であるため、炭素の析出を完全に除去することはほぼ不可能である。このため、長期間交換せずに使用するためには、触媒の再生工程が不可欠であり、再生が可能で、更に、機能を維持する高寿命、高活性な触媒の開発が必要となる。それゆえに、タールの生成と炭素析出を最大限抑制し、且つ高転換率を可能とすることに加え、触媒上へ付着したタール及び析出した炭素の燃焼除去によって触媒の再生を図る際に、高温になることへの対策である耐熱性を有する触媒が望まれていた。さらには、耐熱性とともに、前記燃焼による再生がより低温で行えるよう高い炭素の燃焼活性と、その燃焼による金属酸化によって引き起る失活を還元によって再生を容易に行うための易還元性を有する触媒が望まれていた。
ところで、従来から種々の改質触媒が提案されている。例えば、特表2005−529744号公報では、活性および/または選択性を制御することができる触媒の提供を目的として、担持触媒の総重量をベースとして、(i)特定量のコバルト、ニッケルまたはそれらの混合物;(ii)特定量の、特定の金属類から選択される少なくとも1つの促進剤;および(iii)特定量の炭素を不活性担体上に含有するフィッシャー‐トロプシュ合成触媒または触媒前駆体等が開示されている。
また、特表2007−532305号公報では、水素を炭化水素燃料から水蒸気改質処理で製造するために使用できる触媒の提供を目的として、アルカリ土類金属ヘキサアルミネートを特定量以上含み、特定量以上の表面積を有する触媒担体等が開示されている。
しかしながら、これら従来技術の触媒は、いずれもガソリン、灯油、ディーゼル油等の炭化水素を対象とするものであり、バイオマスからより高い収率で合成ガスを製造するための触媒としては開示がされていない。
特表2005−529744号公報 特表2007−532305号公報
本発明は、バイオマスからより高い収率で合成ガスを製造するための、高い耐熱性を備える改質触媒を提供することを目的とする。また、本発明は、炭素の燃焼除去によって触媒の再生を図る際に高温になることへの対策である耐熱性ともに、前記燃焼による再生がより低温で行えるよう高い炭素の燃焼活性と、その燃焼による金属酸化によって引き起る失活の還元による再生を容易に行うための易還元性を備える改質触媒を提供することを他の目的とする。
本発明は以下の構成からなる発明を提供することにより、本発明の目的を達成したものである。
バイオマスを原料として改質反応を介して合成ガスを得る際に用いられる改質触媒であって、アルカリ土類金属アルミネートを少なくとも含む改質触媒。
上記改質触媒であって、前記アルカリ土類金属アルミネートに併せて、ニッケル(Ni)を少なくとも含む、改質触媒。
上記改質触媒であって、前記アルカリ土類金属アルミネート及びニッケルに併せて、鉄(Fe)を少なくとも含む、改質触媒。
上記改質触媒であって、前記アルカリ土類金属アルミネート、ニッケル、鉄に併せて、白金(Pt)を少なくとも含む、改質触媒。
上記改質触媒であって、前記アルカリ土類金属アルミネートが、バリウムヘキサアルミネート(BaAl1219)である、改質触媒。
上記改質触媒であって、前記バイオマスが、農業系バイオマスである、改質触媒。
上記改質触媒であって、前記バイオマスが、木質系バイオマスである、改質触媒。
上記改質触媒であって、これが水蒸気改質触媒である、改質触媒。
更に、バイオマスを原料とし、触媒を用いて改質反応により水素と一酸化炭素を生成する合成ガスの製造方法であって、前記触媒として、上記何れかの改質触媒を用いる、合成ガスの製造方法。
前記合成ガスの製造方法であって、前記合成ガスの製造方法において用いる触媒が水蒸気改質触媒である、合成ガスの製造方法。
前記合成ガスの製造方法であって、前記バイオマスを熱化学的に分解及び部分酸化反応させ、水素、一酸化炭素、タール分、炭素分及び灰分の生成物を得る部分酸化工程と、前記灰分以外の前記生成物を前記触媒に導入しこれらを前記部分酸化工程で得られた熱を利用して改質する改質工程と、を含む、合成ガスの製造方法。
前記合成ガスの製造方法であって、前記改質工程は、前記灰分以外の前記生成物を水蒸気と反応させる水蒸気改質反応による水蒸気改質工程を含む、合成ガスの製造方法。
前記合成ガスの製造方法であって、前記部分酸化工程、前記改質工程、及び、前記水蒸気改質工程に必要な熱の少なくとも一部が外熱によって供給される、合成ガスの製造方法。
前記部分酸化工程、改質工程及び水蒸気改質工程は、300〜1100℃の温度範囲で行う、合成ガスの製造方法。
上記によれば、バイオマスからより高い収率で合成ガスを製造するための、高い活性、高い選択性を有する改質触媒が提供される。また、高い燃焼活性、耐熱性、及び易還元性を備える水蒸気改質触媒も提供される。さらに、バイオマスを原料としてより高い収率で合成ガスが得られる合成ガスの製造方法が提供される。
バイオマスガス化のための本実施例に係る改質触媒の性能を評価する装置の概念図である。
次に本発明をその好ましい実施形態に基づいて、さらに詳細に説明する。
本発明の改質触媒は、既述の通り、バイオマスを原料として改質反応を介して合成ガス(Syngas)を得る際に用いられるものであって、アルカリ土類金属アルミネートを少なくとも含むものである。本発明の改質触媒は、かかる構成からなるものであるため、従来の触媒に比して高い耐熱性を備えるものとなる。
本発明に用いられるアルカリ土類金属アルミネートとしては、例えば、バリウムヘキサアルミネート(BaAl1219)、マグネシウムヘキサアルミネート、ストロンチウムヘキサアルミネート、カルシウムヘキサアルミネート、マグネシウムカルシウムヘキサアルミネート等が挙げられる。
特に、改質触媒の耐熱性をより向上できる点で、バリウムヘキサアルミネート (BaAl1219)が好ましい。バリウムヘキサアルミネートを担体として、金属を担持し高温焼成した場合には、アルミナ(Al)を用いた場合に比して表面積の減少率が小さく、高い比表面積を有しており、バリウムヘキサアルミネートの特異な表面による効果がある。つまり、バリウムヘキサアルミネートを担体として用いた場合、高温条件でもシンタリングが抑制される耐熱性が高い触媒担体となる。
また、本発明の改質触媒においては、その構成成分として、金属アルミネートとともに、ニッケル(Ni)を少なくとも含むことが好ましい。本発明において、ニッケルを併用することで、バリウムヘキサアルミネートの効果を維持しつつ、よりタール改質の選択性を向上させることができる。また、ニッケルは安価に入手できる点でも、改質触媒の作製に有用である。
改質触媒の構成成分としてニッケルを用いる場合、ニッケルの含有量は、改質触媒に対して、1〜25質量%の範囲内とすることが好ましい。これは1質量%未満の場合ではニッケルを用いることによる触媒活性が十分発揮されないので好ましくない。また、25質量%超の場合は、ニッケルの担体表面上での分散度が低くなり、結果的に高い触媒活性が発揮されないので好ましくない。
また、本発明の改質触媒においては、その構成成分として、バリウムヘキサアルミネート及びニッケルとともに、鉄を少なくとも含むことがさらに好ましい。
本発明において、バリウムヘキサアルミネート及びニッケルとともに鉄を併用することで、ニッケルの凝集を抑制し、ニッケルの金属分散度が向上することで、活性点が多く保たれタールの改質能を高めることができる。また、触媒上に付着したタール及び析出した炭素を燃焼除去する燃焼活性も向上させることができ、より低い温度での触媒の再生を可能にする。
改質触媒の構成成分として鉄を用いる場合、鉄の使用量は、ニッケル:鉄のモル比が10:1〜1:3の範囲内となるようにすることが好ましい。これはニッケル:鉄のモル比が10:1より鉄の添加量が少ない場合では ニッケルの凝集を抑制する効果が十分発揮されないので好ましくない。また、ニッケル:鉄のモル比が1:3より鉄の添加量が多い場合は、鉄によってニッケル上の活性点が被覆されてしまい、ニッケルの改質活性が十分発揮されないので好ましくない。
また、本発明の改質触媒においては、その構成成分として、バリウムヘキサアルミネート、ニッケル、及び鉄とともに、白金を少なくとも含むことがさらに一層好ましい。
本発明において、バリウムヘキサアルミネート、ニッケル、及び鉄とともに、白金を併用することで、白金の還元の容易さから、他の金属よりも先に還元された白金上で水素の解離吸着が起こるため水素の誘導時期を縮めることができる。
改質触媒の構成成分として白金を用いる場合、白金の使用量は、改質触媒に対して、0.01〜1.0質量%の範囲内とすることが好ましい。
本発明の改質触媒においては、前述した構成成分のほか、本発明の効果を損なわない範囲で、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、マンガン(Mn)、セリウム(Ce)、パラジウム(Pd)等の通常公知の改質触媒の構成成分を含むこともできる。特に、ニッケルに替わるまたは併用する触媒種としてコバルト、ルテニウム、ロジウムがあり、鉄に替わるまたは併用するものとしてマンガン、セリウムがあり、白金に替わるまたは併用するものとしてロジウム、ルテニウム、パラジウムがあり、ニッケル、鉄及び白金それぞれと同様の効果が得られる点で好ましく挙げられる。
なお、触媒の形状はここでは記載しないが、ハニカム状、リング状、円柱状などいずれの触媒形状でもよい。
本発明の改質触媒が使用される合成ガスの製造方法においては、バイオマスが原料とされ、かかる原料のバイオマスとしては、例えば、Cで表されるもので、特に制限されるものではないが、稲藁や麦藁等の藁類、籾殻、草本類などの農業系バイオマス、または、林地残材、製材所廃材、剪定枝、果樹剪定枝、建築解体廃材、新増築廃材などの木質系バイオマス等が好ましい。
特に、稲藁や麦藁などの藁、籾殻等の農業系バイオマスは、破砕などの前処理に必要なエネルギーを低減出来るため、より好ましい。
本発明のバイオマスを原料とし、触媒を用いて改質反応により水素と一酸化炭素を生成する合成ガスの製造方法においては、触媒として、前述した改質触媒を用いている。このような改質触媒を用いることで、原料のバイオマスから得られる合成ガスの収率を高めることができ、所望の合成ガスを得ることができる。
本発明に係る合成ガスの製造方法の一実施形態として、下記の工程(1)と(2)、すなわち、
(1)バイオマスを熱化学的に分解及び部分酸化反応させ、水素、一酸化炭素、タール分、炭素分、灰分及び熱を得る部分酸化工程
(2)前記部分酸化工程で得られた灰分以外の生成物を前述した改質触媒に導入し、当該工程で得られた熱を利用して前記生成物を水蒸気と反応させる改質工程
を含む方法が挙げられる。
前記(1)の部分酸化反応は、例えば、純酸素、酸素富化空気、又は空気等の酸化ガス化剤を用いて行うことができる。なお、「酸素富化空気」は、酸素富化膜やPSA(Pressure Swing Adsorption)を用いた公知の技術で得られる酸素分圧の高い気体である。
前記(2)の改質工程では、300〜1100℃の温度範囲で行うことが好ましく、500〜700℃の温度範囲となるようにして水素(H)及び一酸化炭素(CO)を生成することがさらに好ましい。改質をかかる温度範囲で行うことで、より低い温度で部分酸化を行うことができ、原料のバイオマスの燃焼量を低減できて、結果として、高い収率で且つH/CO比率の高い合成ガスを得ることができる。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
1.触媒調製
[BaAl1219担体調製法]
(BaO)0.14(Al230.86となるようにアルミナ(Al23,表面積:100m/g)とBaCOを物理的に混合した。これを1400℃で12時間、焼成し、放冷した後、400kgf/cm の圧力でプレスしタブレット状に成型した。これを乳鉢で適当に粉砕し、ふるいを用いて粒径を177〜590μmに整粒し、BaAl1219を作製した。
[Ni 4、12質量%−BaAl1219触媒調製法]
上記で得られたBaAl1219にNiの含有量がそれぞれ4質量%、12質量%になるように硝酸ニッケル(Ni(NO・6HO)を用いて水溶液を調製し、含浸法にてニッケルを担持した。500℃で3時間焼成した。
[Ni 4、12質量%、Fe/BaAl1219触媒調製法]
上記で得られたBaAl1219にNiの含有量がそれぞれ4質量%、12質量%、かつNi:Feのモル比が4:1になるように硝酸ニッケル(Ni(NO・6HO)及び硝酸鉄(Fe(NO・9HO)を用いて水溶液を調製し、含浸法にてニッケル及び鉄を担持した。500℃で3時間焼成した。
[Pt 0.1質量%、Ni 12質量%、Fe/BaAl1219触媒調製法]
上記で得られたBaAl1219にNiの含有量が12質量%に、かつNi:Feのモル比が4:1になるように硝酸ニッケル(Ni(NO・6HO)及び硝酸鉄(Fe(NO・9HO)を用いて水溶液を調製し、含浸法にてニッケル及び鉄を担持した。500℃で3時間焼成した。次にPtの含有量が0.1質量%になるようにジアミノ亜硝酸白金((NH2Pt(NO2)を用いて水溶液を調製し、含浸法にて白金を担持した。500℃で3時間焼成した。
2.評価方法
図1に示された装置を用いて、バイオマスのガス化実験を行い、バイオマスガス化のための触媒の性能を評価した。本実施例の評価に用いた装置の概念図を図1に示す。
図1において、1が熱分解部であり、熱分解部1とタール改質部2との分散板兼連通路8、ガス注入口4、5、6等を有する。2がタール改質部であり、熱分解部1とタール改質部2の分散板兼連通路8、合成ガス排出口12を有する。なお、分散板兼連通路8は、触媒粒子を支持した上でガスを流通させるためのものである。
次に、バイオマスから合成ガスの生成までの過程を順を追って説明する。まず、原料のバイオマスを、例えば、図1のガス注入口3から供給する。供給されたバイオマスは、そのまま、又は一旦バイオマスフィーダー7においてバイオマス供給槽に蓄積された後、熱分解部1へ供給される。熱分解部1では、300〜1100℃の温度範囲で、0.1〜10秒、好ましくは、500〜700℃の温度範囲で、0.2〜2秒、バイオマスが熱分解される。これによって、バイオマスは、固体炭素、灰分などからなる固体成分9と、ガス状のタールなどからなる気体成分とに分離される。ここで、タールが気体成分となる温度に調節することは重要である。気体成分であれば、固体炭素などの固体成分9と分離して、別個に合成ガスを生成するタール改質部2へと導入することが可能だからである。
ガス状のタール等の分離された気体成分は、例えば、ガス注入口3、5、6などからのガスの流れに従って、場合によっては、空気、酸素、水蒸気などともに、分散板兼連通路8を通じて、タール改質部2へと導入される。
なお、分散板兼連通路8は、どのような形状であってもよいが、タール改質部2の触媒10が、タール改質部2外へ流出しないようにする。例えば、熱分解部1からタール改質部2へ下方となるような構成としてもよい。タール改質部2では、分離された気体成分と水蒸気とが、触媒10存在下で反応し、合成ガスを生成する。合成ガスは、合成ガス排出口12から排出される。
ガス化に供したバイオマスは、水分10.4%、C 48.9%、H 6.59%、O 44.0%、N 0.14%、S 0.01%、Cl 0.05%、灰分 0.36%の組成で構成される杉を主成分とした木材をふるいで177μm以下に整粒したもの(木材粉)を用い、また、供した触媒10は、表1に示す左列の5つのもので、それぞれ水素気流下で還元処理を行ったものを用いた。還元処理は500℃で30分間で行った。
図1の装置において、触媒10の触媒量を約1gとし、バイオマスとしての木材粉を60mg/min(2328μmol/min)としてバイオマスフィーダー7から供給し、ガス注入口5から供給する水蒸気を20μl/minとし、ガス注入口3から30ml/min、ガス注入口6から30ml/minの窒素をそれぞれ供給しガス化を行った。図1の装置における反応管の周囲に付した電気炉(図示せず)による外熱により反応温度を650℃、600℃、550℃の3パターンとし、反応時間は15分とし、バイオマス供給開始から1分後に生成ガスのサンプリングを開始し、GC−TCD、FIDを用いて生成した合成ガス12中のCO,H,CO,CHの生成速度(μmol・min−1)、炭素転換率(%−C)をそれぞれ測定した。
なお、炭素転換率の算出方法は、
炭素転換率(%−C)=(CO+CO+CH+2×C炭化水素生成速度)/(バイオマス中の炭素の供給速度)×100
である。
15分の反応時間経過後、600℃に安定化させ、ガス注入口4より酸素を導入し、触媒10上に付着した炭素を燃焼させ、次にガス注入口6から酸素を導入し、反応管の堆積板11上に堆積した固体炭素を燃焼させ、GC−TCDを用いて燃焼ガス中の二酸化炭素を1分ごと測定し、これらそれぞれの量から触媒上へ析出した炭素収率(%−C)、固体炭素収率(%−C)を算出した。また、タール収率(%−C)も算出した。
なお、触媒上へ析出した炭素収率をコーク収率と定義して実施例の結果を記載した。
なお、タール収率の算出方法は、
タール収率(%−C)=100−炭素転換率−コーク収率−固体炭素収率
である。
以上の結果を表1に示す。 なお、表1における各触媒の欄において、上段は反応温度650℃の結果を示し、中段は反応温度600℃の結果を示し、下段は反応温度550℃の結果を示す。
表1に示す結果から明らかなように、改質反応における触媒として、バリウムアルミネート(BaAl1219)を含む触媒(表1の下3つの触媒)を使用した場合(実施例)は、アルミナ(Al)を含む触媒(表1の上2つの触媒)を使用した場合(比較例)に比して、コーク量とタール量は減少し、炭素転換率は増加し、合成ガス (CO+H)の収率は高くなる傾向にあることが判る。
本発明は、バイオマスからより高い収率で合成ガスを製造するための、高い耐熱性を備える改質触媒として、産業上の利用可能性を有する。また、本発明は、炭素の燃焼除去によって触媒の再生を図る際に高温になることへの対策である耐熱性ともに、前記燃焼による再生がより低温で行えるよう高い炭素の燃焼活性と、その燃焼による金属酸化によって引き起る失活の還元による再生を容易に行うための易還元性を備える水蒸気改質触媒として、また、バイオマスを原料としてより高い収率で合成ガスが得られる合成ガスの製造方法として、産業上の利用可能性を有する。
1 熱分解部
2 タール改質部
3 ガス注入口
4 ガス注入口
5 ガス注入口
6 ガス注入口
7 バイオマスフィーダー
8 分散板兼連通路
9 固体成分
10 触媒
11 堆積板
12 合成ガス排出口

Claims (11)

  1. バイオマスを熱化学的に分解及び部分酸化反応させて得られた水素、一酸化炭素、タール分、炭素分及び灰分の生成物の前記灰分以外を導入し水蒸気と反応させる水蒸気改質触媒であって、
    バリウムヘキサアルミネートにニッケルとともに鉄を併用させて、付着したタール及び析出した炭素の燃焼除去による再生を可能としたことを特徴とするバイオマスガス化改質触媒。
  2. ニッケル:鉄のモル比が10:1〜1:3の範囲内であることを特徴とする請求項1記載のバイオマスガス化改質触媒。
  3. ニッケルを1〜25質量%の範囲内で含むことを特徴とする請求項2記載のバイオマスガス化改質触媒。
  4. バイオマスを熱化学的に分解及び部分酸化反応させて得られた水素、一酸化炭素、タール分、炭素分及び灰分の生成物の前記灰分以外を導入し水蒸気と反応させる水蒸気改質触媒であって、
    バリウムヘキサアルミネートにニッケルとともに鉄及び白金を併用させて、付着したタール及び析出した炭素の燃焼除去による再生を可能としたことを特徴とするバイオマスガス化改質触媒。
  5. 白金を0.01〜1.0質量%の範囲内で含むことを特徴とする請求項4記載のバイオマスガス化改質触媒。
  6. 前記バイオマスが、農業系バイオマスであることを特徴とする請求項1乃至5のうちの1つに記載のバイオマスガス化改質触媒。
  7. 前記バイオマスが、木質系バイオマスであることを特徴とする請求項1乃至5のうちの1つに記載のバイオマスガス化改質触媒。
  8. 前記バイオマスを熱化学的に分解及び部分酸化反応させ、水素、一酸化炭素、タール分、炭素分及び灰分の生成物を得る部分酸化工程と、
    前記灰分以外の前記生成物を導入し水蒸気と反応させる水蒸気改質工程と、を含み、
    前記水蒸気改質工程は、前記請求項1乃至5のうちの1つからなるバイオマスガス化改質触媒の存在下で反応させることを特徴とする合成ガスの製造方法。
  9. 前記水蒸気改質工程は、前記部分酸化工程で得られた熱を利用する工程であることを特徴とする請求項8記載の合成ガスの製造方法。
  10. 前記部分酸化工程、及び、前記水蒸気改質工程に必要な熱の少なくとも一部が外熱によって供給されることを特徴とする請求項8又は9に記載の合成ガスの製造方法。
  11. 前記部分酸化工程、及び水蒸気改質工程は、300〜1100℃の温度範囲で行うことを特徴とする請求項8乃至10のうちの1つに記載の合成ガスの製造方法。
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