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JP5571755B2 - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
従来より、タイヤ用ゴム組成物には、加工性の改善等種々の理由からオイル類が配合されている。しかし、これらオイル類として、そのほとんどが石油より製造されたものが使用されている。そのため、これらオイル類は、将来の化石資源枯渇の際には入手が困難になるおそれがあり、また、環境への配慮という点でも問題がある。
一方、特許文献1には、天然の植物由来の油脂をタイヤ用ゴム組成物に配合する技術が開示されているが、低燃費性、耐摩耗性、ウェットグリップ性能、加工性に改善の余地がある。特に、低燃費性、ウェットグリップ性能は背反性能であり、その両立は一般的に困難である。
特開2003−64222号公報
本発明は、前記課題を解決し、化石資源の枯渇や環境に配慮でき、良好な加工性を有し、良好な耐摩耗性、ウェットグリップ性能を維持又は改善しつつ、低燃費性を改善できるタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、マンサク科に属する樹木に由来するオイルをゴム組成物に配合することにより、驚くべきことに低燃費性等を改善できることを見出した。すなわち、本発明は、マンサク科に属する樹木に由来するオイルを含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
上記マンサク科に属する樹木が、マンサク属又はフウ属に属する樹木であることが好ましい。
上記フウ属に属する樹木が、Liquidamber styraciflua、Liauidamber orientalis、及びLiauidamber formasanaからなる群より選択される少なくとも1種の樹木であることが好ましい。
上記オイルが、スチレン、及びスチレン誘導体からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
上記オイルが、β−カリオフィレン、α−ピネン、及びβ−ピネンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
上記オイルが、スチレン、β−カリオフィレン、及びα−ピネンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
上記オイルが、上記マンサク科に属する樹木由来の樹脂から得られたものであることが好ましい。
上記オイルが、上記マンサク科に属する樹木由来の樹脂を水蒸気蒸留することにより得られたものであることが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、シリカを含むことが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いた空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、マンサク科に属する樹木に由来するオイルを含むタイヤ用ゴム組成物であるので、化石資源の枯渇や環境に配慮でき、良好な加工性を有し、良好な耐摩耗性、ウェットグリップ性能を維持又は改善しつつ、低燃費性を改善でき、該ゴム組成物をタイヤの各部材に使用することにより、低燃費性、耐摩耗性、ウェットグリップ性能に優れた空気入りタイヤを提供できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、マンサク科に属する樹木に由来するオイルを含む。本明細書において、オイルとは、マンサク科に属する樹木に由来する天然成分から分離された室温で液体の混合物のことを意味し、精油、アブソリュートといった概念のものも含まれる。
マンサク科に属する樹木に由来するオイルの組成は、樹木の種類、季節等によって変化し、また詳細な組成は明らかではないが、スチレン、カリオフィレン、ピネン等が含まれている(Flavor and Fragrance journal,20,70−73,2005)。そして、該オイルを配合することにより、良好な加工性を有し、良好な耐摩耗性、ウェットグリップ性能を維持又は改善しつつ、低燃費性を改善できる。これは、上記オイルをゴム成分等と混練することにより、該オイルに含まれているスチレン、カリオフィレン、ピネン等の成分が、a)縮合(重合)することにより重合体(粘着性樹脂)を生成してウェットグリップ性能を改善、b)ゴム成分にグラフト重合したり付加したりすることにより、ゴム成分に極性基が導入され、シリカ等の補強用充填剤の分散性が向上し、低燃費性、耐摩耗性を改善、c)通常のオイルと同様に、加工性を改善するためと推測される。
一方、オイルに含まれているスチレン、カリオフィレン、ピネン等の成分を個別にゴム組成物に配合した場合には、これらの成分がすぐに自己縮合したりして良好にゴム組成物中に分散せず、性能の改善効果が小さい。これに対して、上記オイルでは、スチレン、カリオフィレン、ピネン等の成分がモノマーのまま安定して存在しており、混練中に、ゴム組成物中で上記オイルがある程度分散した後、スチレン、カリオフィレン、ピネン等の成分が反応すると推測される。この理由は不明であるが、上記オイルには、天然の安定化成分が含まれているためと推測される。
また、マンサク科に属する樹木に由来するオイルは、天然由来であるため、化石資源の枯渇や環境に配慮できる。
本発明で使用できるゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等のジエン系ゴムが挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、ウェットグリップ性能及び耐摩耗性がバランスよく得られるという理由からBR、SBRが好ましく、BR、SBRを併用することがより好ましい。
BRとしては特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B等の高シス含有量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等のシンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等を使用できる。なかでも、良好な耐摩耗性が得られるという理由から、BRのシス含量は90質量%以上が好ましい。
ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。該BRの含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。BRの含有量が上記範囲内であると、低燃費性、耐摩耗性、ウェットグリップ性能がバランスよく得られる。
SBRとしては、特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用できる。
SBRのスチレン含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。5質量%未満であると、充分なウェットグリップ性能が得られない傾向がある。また、上記スチレン含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。50質量%を超えると、耐摩耗性が低下する傾向がある。なお、本発明において、SBRのスチレン含有量は、H−NMR測定により算出される。
ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。該SBRの含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。SBRの含有量が上記範囲内であると、低燃費性、耐摩耗性、ウェットグリップ性能がバランスよく得られる。
本発明のゴム組成物は、マンサク科に属する樹木に由来するオイルを含む。
マンサク科に属する樹木としては、特に限定されないが、マンサク属又はフウ属に属する樹木が好ましく、フウ属に属する樹木がより好ましい。
マンサク属に属する樹木としては、特に限定されない。
フウ属に属する樹木としては、特に限定されないが、Liquidamber styraciflua、Liauidamber orientalis、及びLiauidamber formasanaからなる群より選択される少なくとも1種の樹木であることが好ましく、Liquidamber styraciflua、Liauidamber orientalisがより好ましい。
マンサク科に属する樹木に由来するオイルの製造方法としては、特に限定されないが、マンサク科に属する樹木より樹脂を取得し、その樹脂よりオイルを分離精製して製造する方法、マンサク科に属する樹木の一部(幹、枝、葉、根、落葉)より水蒸気蒸留、溶媒抽出などの方法により、オイルを得る方法等があげられる。なかでも、マンサク科に属する樹木より樹脂を取得し、その樹脂よりオイルを分離精製して製造する方法が好ましい。
マンサク科に属する樹木より樹脂を取得する方法は、特に限定されず、例えば、樹木の幹や樹皮に傷をつけ、滲出してきた樹脂を取得する方法や、幹、枝、葉等より、水蒸気蒸留、溶媒抽出などの方法により抽出し、溶媒を除去して取得する方法等が挙げられる。また、同様に樹木からの生産物であるロジン樹脂採取の方法(トールロジン採取法、ガムロジン採取法、ウッドロジン採取法)は、すべて好ましく適用することができる。なかでも、目的とする樹脂が直接大量に得られ、一本の樹木から繰り返し採取できるという理由から、樹木の幹や樹皮に傷をつけ、滲出してきた樹脂を取得する方法が好ましい。
樹脂よりオイルを分離精製する方法としては、公知の方法をすべて利用することができる。具体的な方法としては、特に限定されないが、水蒸気蒸留法、油脂吸着法、有機溶媒抽出法、超臨界流体抽出法、圧搾法等があげられる。なかでも、簡便で、有用なオイル成分を分離できるという点で水蒸気蒸留法、有機溶媒抽出法が好ましく、水蒸気蒸留法がより好ましい。
また、マンサク科に属する樹木、特にフウ属に属する樹木に由来する樹脂及びオイルは、アロマ用途として流通しており、これらを利用してもよい。
マンサク科に属する樹木は、街路樹、園芸用品種として世界に広く分布しており、これら樹木の生産する樹脂等を活用することは、環境への配慮の点から好ましい。さらに、伐採時に生成した不要な幹、枝等や落葉を有効活用することも可能であり、食料品との競合も無く、理想的なバイオマス資源といえる。
上記オイルの組成は、上述のように、樹木の種類、季節等によって変化し、また詳細な組成は明らかではないが、上記オイルは、スチレン、及びスチレン誘導体からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、スチレンを含むことがより好ましい。これらの化合物(スチレン類)は、同一の化合物同士及び/又は他の化合物と重合可能であり、混練中にゴム中で分散しながら重合体を生成し、粘着性樹脂として、タイヤのグリップ特性を向上させるものと推測される。また、スチレン類は、混練中に、ジエン系ゴム成分にグラフト重合したり付加したりすることが可能で、その結果、ゴム特性(特に、低燃費性、耐摩耗性)を向上できるものと推測される。
スチレン誘導体としては、例えば、桂皮酸、桂皮酸エステル、シンナミルアルコール、シンナムアルデヒドや、これらの化合物やスチレンのベンゼン環に結合する水素原子が、水酸基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基、アミノ基、スルフィド基、チオール基、スルホン酸基等の極性官能基で置換された化合物等が挙げられる。
オイル100質量%中のスチレン、及びスチレン誘導体の合計含有量(好ましくはスチレンの含有量)は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、特に好ましくは40質量%以上、最も好ましくは60質量%以上である。また、該合計含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。
また、上記オイルは、β−カリオフィレン、α−ピネン、及びβ−ピネンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、β−カリオフィレン、α−ピネンを含むことがより好ましく、α−ピネンを含むことが更に好ましい。これらの化合物は、加工性を向上させると共に、同一の化合物同士及び/又は他の化合物と重合可能であり、混練中にゴム中で分散しながら重合体を生成し、粘着性樹脂として、タイヤのグリップ特性を向上させるものと推測される。
オイル100質量%中のβ−カリオフィレン、α−ピネン、及びβ−ピネンの合計含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。また、該合計含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
また、上記オイルは、スチレン、β−カリオフィレン、及びα−ピネンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、α−ピネン、スチレンを含むことがより好ましく、α−ピネン、スチレン、β−カリオフィレンを含むことが更に好ましい。これにより、本発明の効果が好適に得られる。
この際、オイル100質量%中のα−ピネンの含有量は、5〜45質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましく、オイル100質量%中のスチレンの含有量は、10〜90質量%が好ましく、60〜80質量%がより好ましく、オイル100質量%中のβ−カリオフィレンの含有量は、0.5〜30質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。
上記オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、更に好ましくは5質量部以上である。1質量部未満では、充分な低燃費性、耐摩耗性、ウェットグリップ性能が得られない傾向がある。また、上記オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは100質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。100質量部を超えると、破断強度、耐摩耗性が低下する傾向がある。
上記オイルは、補強用充填剤のなかでも、特に、シリカの分散性を向上させる効果が高いため、本発明のゴム組成物は、シリカを使用することが好ましい。これにより、低燃費性、ウェットグリップ性能を向上でき、また、耐摩耗性の改善効果も得られる。シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)などが挙げられる。なかでも、湿式法シリカが好ましい。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは50m/g以上、より好ましくは100m/g以上、更に好ましくは150m/g以上である。50m/g未満では、充分な補強性が得られず、充分な耐摩耗性が得られない傾向がある。また、シリカのNSAは、好ましくは250m/g以下、より好ましくは200m/g以下である。250m/gを超えると、未加硫ゴム組成物の粘度が高くなり、加工性が悪化する傾向がある。また、分散性が悪化し、低燃費性、耐摩耗性が低下する傾向がある。
なお、シリカのNSAは、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは40質量部以上である。5質量部未満であると、充分な低燃費性、ウェットグリップ性能の改善効果が得られない傾向がある。該含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは80質量部以下である。150質量部を超えると、分散性が悪化し、低燃費性、耐摩耗性が低下する傾向がある。
本発明のゴム組成物は、シリカとともにシランカップリング剤を併用することが好ましい。シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのクロロ系などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、スルフィド系が好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドがより好ましい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは5質量部以上である。2質量部未満では、耐摩耗性、低燃費性が悪化する傾向がある。また、該シランカップリング剤の含有量は、好ましくは15質量部以下、より好ましくは12質量部以下である。15質量部を超えると、コストの増加に見合った効果が得られない傾向がある。
本発明のゴム組成物は、カーボンブラックを含むことが好ましい。カーボンブラックを配合することにより、補強効果が得られ、本発明の効果(特に、耐摩耗性、ウェットグリップ性能の向上効果)がより良好に得られる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は10m/g以上が好ましく、20m/g以上がより好ましい。10m/g未満では、充分な補強性が得られず、充分な耐摩耗性、ウェットグリップ性能が得られないおそれがある。該NSAは、80m/g以下が好ましく、50m/g以下がより好ましい。80m/gを超えると、分散させるのが困難となり、低燃費性、加工性が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは15質量部以上である。5質量部未満では、充分な耐摩耗性、ウェットグリップ性能が得られないおそれがある。該含有量は、好ましくは70質量部以下、より好ましくは50質量部以下である。70質量部を超えると、分散性が悪化し、加工性、低燃費性、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
本発明で使用できるシリカ、カーボンブラック以外の補強用充填剤としては、タイヤ用ゴム組成物において公知に使用されているものであれば、限定無く使用でき、例えば、水酸化アルミニウム、クレー、炭酸カルシウム、モンモリロナイト、セルロース、ガラスバルーン、各種短繊維等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記オイルは、上述のように、混練中に重合するため、本来の軟化剤としての効果が低いため、本発明では、別途軟化剤を配合することが好ましい。
本発明で使用できる軟化剤としては、特に限定されず、例えば、オイルであればアロマオイル、ナフテンオイル、パラフィンオイル等の鉱物油が挙げられる。なかでも、アロマオイル(芳香族系プロセスオイル)が好ましい。これら軟化剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。軟化剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは3〜15質量部である。なお、本明細書において、軟化剤の含有量には、油展ゴムに含まれるオイル量も含まれる。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、粘着付与剤、ワックス、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。該ゴム組成物は、空気入りタイヤの各部材(例えば、トレッド、サイドウォール、ビードフィラー、インナーライナー等)に使用され、特に、トレッドに好適に使用できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。
すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどの各タイヤ部材の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
<製造例1>
Liauidamber orientalis(日本産)の樹皮を傷つけることにより、滲出した樹脂を採取した。得られた樹脂をろ紙に包み、水蒸気蒸留することにより、オイル1を得た。オイル1をガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)にて分析することにより得られた結果(オイルの組成)を表1に示す。
<製造例2>
Liquidamber styraciflua(日本産)を用いた点以外は、製造例1と同様にしてオイル2を得た。オイル2の成分をオイル1と同様に分析した結果(オイルの組成)を表1に示す。
Figure 0005571755
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBR:JSR(株)製のNS116(ビニル含有量:60質量%、スチレン含有量:20質量%)
BR:宇部興産(株)製のポリブタジエンゴム(UBEPOL BR150B、シス含量:97質量%)
オイル1、2:上記製造例1、2により調製したオイル(マンサク科に属する樹木に由来するオイル)
オイル3:スチレン、α−ピネンを1:1(質量比)で混合することにより調製した混合物(混合物の組成:スチレン50質量%、α−ピネン50質量%)
オイル4:ジャパンエナジー社製のプロセスX−140(芳香族系プロセスオイル)
レジン:スチレン共重合体樹脂(ヤスハラケミカル(株)製のYSレジンSX100)
シリカ:EVONIK−DEGUSSA社製のウルトラジルVN3(NSA:175m/g)
カーボンブラック:新日化カーボン(株)製のニテロン#55S(NSA:28m/g)
シランカップリング剤:EVONIK−DEGUSSA社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「桐」
酸化亜鉛:三井金属鉱業社製の酸化亜鉛2種
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N−フェニル−p−フェニレンジアミン)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学社製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
実施例及び比較例
表2に示す配合処方にしたがい、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を充填率が58%になるように充填し、80rpmで140℃に到達するまで混練りして混練り物を得た。
次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に硫黄および加硫促進剤を添加して混練りし、未加硫ゴム組成物を得た。さらに、得られた未加硫ゴム組成物を所定のサイズに成形し、150℃の条件下で20分間プレス加硫することにより加硫ゴム組成物を得、約2mm×130mm×130mmの加硫ゴムスラブシートを作成し、試験用サンプルとした。
また、得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、170℃の条件下で15分間プレス加硫し、試験用タイヤ(タイヤサイズ:215/45R17)を得た。
試験用サンプルから1cm角のサンプルシートを切り出し、該サンプルシートをトルエンに2日間浸漬し、得られたトルエン溶液をGC/MSにて分析したところ、表1に示したオイル1、2由来の成分は検出されず、ほぼ全量が重合又はゴム成分にグラフト重合若しくは付加していることが分かった。
得られた試験用サンプル、試験用タイヤを使用して、下記の評価を行った。それぞれの試験結果を表2に示す。
<加工性>
JIS K6300−1に基づいて、ムーニー粘度(ML1+4)を130℃で測定し、比較例1のムーニー粘度を100として、下記式から加工性指数を計算した。指数が大きいほど、未加硫時の加工性が良好であることを示す。
(加工性指数)=(比較例1のムーニー粘度)/(各配合のムーニー粘度)×100
<粘弾性試験>
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターVESを用いて、温度70℃、初期歪10%、動歪2%および周波数10Hzの条件下で試験用サンプルの損失正接(tanδ)を測定し、比較例1の転がり抵抗指数を100とし、下記計算式により、転がり抵抗を指数表示した。転がり抵抗指数が大きいほど、転がり抵抗が低減され、低燃費性に優れることを示す。
(転がり抵抗指数)=(比較例1のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
<ウェットグリップ性能>
各試験用タイヤを車両(国産FF2000cc)の全輪に装着して、湿潤アスファルト路面にて初速度100km/hからの制動距離を求めた。比較例1の制動距離を100とし、下記計算式により、ウェットグリップ性能を指数表示した。指数が大きいほどウェットグリップ性能に優れることを示す。
(ウェットグリップ性能)=(比較例1の制動距離)/(各配合の制動距離)×100
<耐摩耗性>
(株)岩本製作所製のランボーン摩耗試験機を用い、表面回転速度50m/分、付加荷重3.0kg、落砂量15g/分でスリップ率20%にて、試験用サンプルの摩耗量を測定し、それらの摩耗量の逆数をとった。そして、比較例1の摩耗量の逆数を100とし、そのほかの摩耗量の逆数を指数で表した。指数が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
Figure 0005571755
マンサク科に属する樹木に由来するオイル(オイル1、2)を含む実施例は、良好な加工性を有し、良好な耐摩耗性、ウェットグリップ性能を維持又は改善しつつ、低燃費性を改善できた。

Claims (9)

  1. フウ属に属する樹木に由来するオイルを含むタイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記フウ属に属する樹木が、Liquidamber styraciflua、Liauidamber orientalis、及びLiauidamber formasanaからなる群より選択される少なくとも1種の樹木である請求項記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記オイルが、スチレン、及びスチレン誘導体からなる群より選択される少なくとも1種を含む請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記オイルが、β−カリオフィレン、α−ピネン、及びβ−ピネンからなる群より選択される少なくとも1種を含む請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 前記オイルが、スチレン、β−カリオフィレン、及びα−ピネンからなる群より選択される少なくとも1種を含む請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. 前記オイルが、前記フウ属に属する樹木由来の樹脂から得られたものである請求項1〜のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. 前記オイルが、前記フウ属に属する樹木由来の樹脂を水蒸気蒸留することにより得られたものである請求項1〜のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  8. シリカを含む請求項1〜のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載のゴム組成物を用いた空気入りタイヤ。
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