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JP5563864B2 - 水分散型ブロックイソシアネート組成物 - Google Patents

水分散型ブロックイソシアネート組成物 Download PDF

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JP5563864B2
JP5563864B2 JP2010078165A JP2010078165A JP5563864B2 JP 5563864 B2 JP5563864 B2 JP 5563864B2 JP 2010078165 A JP2010078165 A JP 2010078165A JP 2010078165 A JP2010078165 A JP 2010078165A JP 5563864 B2 JP5563864 B2 JP 5563864B2
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Description

本発明は、水分散型ブロックイソシアネート組成物およびポリウレタン樹脂に関し、詳しくは、硬化剤として用いられる水分散型ブロックイソシアネート組成物、および、その水分散型ブロックイソシアネート組成物を用いて得られるポリウレタン樹脂に関する。
ブロックイソシアネートは、加熱によりブロック剤が解離し、イソシアネート基が再生するイソシアネートであり、ポットライフが長く、加工性に優れるため、塗料、接着剤など、ポリオール成分(主剤)とイソシアネート成分(硬化剤)とを使用時に配合する二液硬化型ポリウレタン樹脂の硬化剤として、よく使用されている。
このようなブロックイソシアネートは、従来、有機溶剤に溶解して調製されているが、近年、環境負荷の観点から、有機溶剤の使用を低減することが望まれており、水に分散して調製することが種々検討されている。
また、ブロックイソシアネートのブロック剤としては、例えば、オキシム化合物、カプロラクタム化合物、ピラゾール化合物などが知られているが、ピラゾール化合物は、オキシム化合物やカプロラクタム化合物に比べて低温で解離するため、低温硬化が要求されるブロック剤として用いられている。
このようなブロックイソシアネートとして、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート三量体とポリオキシエチレンアミンとを反応させた後、さらに、3,5−ジメチルピラゾール(ブロック化剤)を反応させ、その後、ブチルグリコールエーテル、スルホスクシン酸ナトリウム(イオン性界面活性剤)および水を添加して得られる水分散性ブロックトイソシアネートが、提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
このような水分散性ブロックトイソシアネートの分子構造内には、ブロックトイソシアネートに少なくとも3個連続したエチレンオキサイド基が導入されており、これにより、ブロックトイソシアネートが内部乳化されている。
また、その他のブロックイソシアネートとして、例えば、イソシアヌレート構造を分子内に含むヘキサメチレンジイソシアナート系ポリイソシアナートのイソシアナート基を完全にブロックしたブロックイソシアナート、ノニオン系界面活性剤と保護コロイド剤からなる水性化補助剤、および、媒体としての水を主成分とするブロックイソシアナート水分散体も、提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特表平11−512772号公報 特開平4−216817号公報
しかるに、特許文献1に記載の水分散型ブロックトイソシアネートでは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート三量体とポリオキシエチレンアミンとの反応によって、その分子構造内にポリオキシエチレン基が導入される。
すなわち、この水分散型ブロックトイソシアネートでは、ポリオキシエチレン基を導入するために、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート三量体のイソシアネート基が消費されている。
そのため、このような水分散型ブロックトイソシアネートでは、十分なイソシアネート基濃度を確保することができず、ポリオール成分との配合において、多量の水分散型ブロックトイソシアネートが必要となる。さらには、このような水分散型ブロックトイソシアネートとポリオール成分との反応により得られるポリウレタン樹脂は、優れた耐水性を確保できない場合がある。
また、特許文献2に記載のブロックイソシアナート水分散体は、必須成分として、保護コロイド(より具体的には、ポリビニルアルコールなど)を含有している。
このような保護コロイドを含有するブロックイソシアナート水分散体は、乳化安定性や貯蔵安定性に劣る場合がある。
また、このようなブロックイソシアナート水分散体とポリオール成分との反応により得られるポリウレタン樹脂は、やはり、耐水性を十分に確保することができず、さらには、優れた外観および透明性を得ることができないという不具合がある。
本発明の目的は、乳化安定性および貯蔵安定性に優れるとともに、耐水性、外観および透明性に優れるポリウレタン樹脂を得ることのできる水分散型ブロックイソシアネート組成物、および、その水分散型ブロックイソシアネート組成物を用いて得られるポリウレタン樹脂を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の水分散型ブロックイソシアネート組成物は、イソシアネート基がブロック剤によってブロックされたブロックイソシアネート、および、分散剤を含有する水分散型ブロックイソシアネート組成物であって、前記分散剤は、保護コロイド剤を含有せず、界面活性剤を含有し、前記界面活性剤は、分子末端にヒドロキシ基を有するHLB16以上の芳香族ノニオン界面活性剤を、含有することを特徴としている。
また、本発明の水分散型ブロックイソシアネート組成物は、前記界面活性剤が、さらに、分子末端にヒドロキシ基を有するHLB16未満の芳香族ノニオン界面活性剤を、含有することが好適である。
また、本発明の水分散型ブロックイソシアネート組成物は、前記ブロックイソシアネート100質量部に対して、0.1〜3質量部のアニオン界面活性剤を含有することが好適である。
また、本発明の水分散型ブロックイソシアネート組成物は、前記ブロックイソシアネートの体積平均粒子径が300nm以下であることが好適である。
また、本発明のポリウレタン樹脂は、上記の水分散型ブロックイソシアネート組成物からなるイソシアネート成分と、ポリオール成分との反応により得られることを特徴としている。
本発明の水分散型ブロックイソシアネート組成物は、優れた乳化安定性および貯蔵安定性を確保することができる。
また、本発明の水分散型ブロックイソシアネート組成物によれば、優れた耐水性、外観および透明性を備えるポリウレタン樹脂を得ることができる。
また、本発明のポリウレタン樹脂は、上記の水分散型ブロックイソシアネート組成物が用いられるため、優れた耐水性、外観および透明性を備えることができる。
本発明の水分散型ブロックイソシアネート組成物は、ブロックイソシアネート、および、分散剤を含有している。
ブロックイソシアネートは、ブロック剤によってイソシアネート基がブロックされているイソシアネート化合物であって、特に制限されないが、原料成分として、1分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を含有するイソシアネート化合物と、ブロック剤とを含んでいる。
イソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートなどのポリイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(2,4−または2,6−トリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(以下、TDIと省略する)、フェニレンジイソシアネート(m−、p−フェニレンジイソシアネートもしくはその混合物)、4,4´−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート(以下、NDIと省略する)、ジフェニルメタンジイソシネート(4,4´−、2,4´−または2,2´−ジフェニルメタンジイソシネートもしくはその混合物)(以下、MDIと省略する)、4,4´−トルイジンジイソシアネート(以下、TODIと省略する)、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、キシリレンジイソシアネート(1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(以下、XDIと省略する)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(1,3−または1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(以下、TMXDIと省略する)、ω,ω′−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼンなどの芳香脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート(1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート)、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロジイソシアネート、以下、IPDIと省略する)、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(4,4′−、2,4′−または2,2′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート、これらのTrans,Trans−体、Trans,Cis−体、Cis,Cis−体、もしくはその混合物))(以下、H12MDIと省略する)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート(メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート)、ノルボルナンジイソシアネート(各種異性体もしくはその混合物)(以下、NBDIと省略する)、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(1,3−または1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンもしくはその混合物)(以下、HXDIと省略する)などの脂環族ジイソシアネートが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート)、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIと省略する)、2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプエートなどの脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。
また、イソシアネート化合物としては、例えば、上記したポリイソシアネート(芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートなど)の誘導体も挙げられる。
ポリイソシアネートの誘導体としては、例えば、上記したポリイソシアネートの多量体(例えば、2量体、3量体、5量体、7量体など)、アロファネート変性体(例えば、上記したポリイソシアネートと、アルコール類との反応より生成するアロファネート変性体など)、ポリオール変性体(例えば、ポリイソシアネートとアルコール類との反応より生成するポリオール変性体(アルコール付加体)など)、ビウレット変性体(例えば、上記したポリイソシアネートと、水やアミン類との反応により生成するビウレット変性体など)、ウレア変性体(例えば、上記したポリイソシアネートとジアミンとの反応により生成するウレア変性体など)、オキサジアジントリオン変性体(例えば、上記したポリイソシアネートと炭酸ガスとの反応により生成するオキサジアジントリオンなど)、カルボジイミド変性体(上記したポリイソシアネートの脱炭酸縮合反応により生成するカルボジイミド変性体など)、ウレトジオン変性体、ウレトンイミン変性体などが挙げられる。
これらイソシアネート化合物は、単独使用または2種類以上併用することができる。
イソシアネート化合物として、好ましくは、芳香脂肪族ポリイソシアネートおよび/またはその誘導体が挙げられ、より好ましくは、キシリレンジイソシアネート(1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネートもしくはその混合物(XDI))および/またはその誘導体が挙げられる。
ブロック剤としては、熱処理により、イソシアネート化合物から解離するブロック剤であれば、特に制限されず、例えば、アルコール系化合物、フェノール系化合物、活性メチレン系化合物、アミン系化合物、イミン系化合物、オキシム系化合物、カルバミン酸系化合物、尿素系化合物、酸アミド系(ラクタム系)化合物、酸イミド系化合物、トリアゾール系化合物、ピラゾール系化合物、イミダゾール系化合物、イミダゾリン系化合物、メルカプタン系化合物、重亜硫酸塩などが挙げられる。
アルコール系化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、1−または2−オクタノール、シクロへキシルアルコール、エチレングリコール、ベンジルアルコール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,2−トリクロロエタノール、2−(ヒドロキシメチル)フラン、2−メトキシエタノール、メトキシプロパノール、2−エトキシエタノール、n−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−エトキシエトキシエタノール、2−エトキシブトキシエタノール、ブトキシエトキシエタノール、2−エチルヘキシルオキシエタノール、2−ブトキシエチルエタノール、2−ブトキシエトキシエタノール、N,N−ジブチル−2−ヒドロキシアセトアミド、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−モルホリンエタノール、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール、3−オキサゾリジンエタノール、2−ヒドロキシメチルピリジン、フルフリルアルコール、12−ヒドロキシステアリン酸、トリフェニルシラノール、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどが挙げられる。
フェノール系化合物としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、n−プロピルフェノール、イソプロピルフェノール、n−ブチルフェノール、s−ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、n−ヘキシルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、n−オクチルフェノール、n−ノニルフェノール、ジ−n−プロピルフェノール、ジイソプロピルフェノール、イソプロピルクレゾール、ジ−n−ブチルフェノール、ジ−s−ブチルフェノール、ジ−t−ブチルフェノール、ジ−n−オクチルフェノール、ジ−2−エチルヘキシルフェノール、ジ−n−ノニルフェノール、ニトロフェノール、ブロモフェノール、クロロフェノール、フルオロフェノール、ジメチルフェノール、スチレン化フェノール、メチルサリチラート、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、ヒドロキシ安息香酸2−エチルヘキシル、4−[(ジメチルアミノ)メチル]フェノール、4−[(ジメチルアミノ)メチル]ノニルフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、ピリジノール、2−または8−ヒドロキシキノリン、2−クロロ−3−ピリジノール、ピリジン−2−チオールなどが挙げられる。
活性メチレン系化合物としては、例えば、メルドラム酸、マロン酸ジアルキル(例えば、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジn−ブチル、マロン酸ジ−t−ブチル、マロン酸ジ2−エチルヘキシル、マロン酸メチルn−ブチル、マロン酸エチルn−ブチル、マロン酸メチルs−ブチル、マロン酸エチルs−ブチル、マロン酸メチルt−ブチル、マロン酸エチルt−ブチル、メチルマロン酸ジエチル、マロン酸ジベンジル、マロン酸ジフェニル、マロン酸ベンジルメチル、マロン酸エチルフェニル、マロン酸t−ブチルフェニル、イソプロピリデンマロネートなど)、アセト酢酸アルキル(例えば、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸n−プロピル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸n−ブチル、アセト酢酸t−ブチル、アセト酢酸ベンジル、アセト酢酸フェニルなど)、2−アセトアセトキシエチルメタクリレート、アセチルアセトン、シアノ酢酸エチルなどなどが挙げられる。
アミン系化合物としては、例えば、ジブチルアミン、ジフェニルアミン、アニリン、N−メチルアニリン、カルバゾール、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル)アミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、イソプロピルエチルアミン、2,2,4−、または、2,2,5−トリメチルヘキサメチレンアミン、N−イソプロピルシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ビス(3,5,5−トリメチルシクロヘキシル)アミン、ピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、(ジメチルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン、6−メチル−2−ピペリジン、6−アミノカプロン酸などなどが挙げられる。
イミン系化合物としては、例えば、エチレンイミン、ポリエチレンイミン、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、グアニジンなどが挙げられる。
オキシム系化合物としては、例えば、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム、ジアセチルモノオキシム、ペンゾフェノオキシム、2,2,6,6−テトラメチルシクロヘキサノンオキシム、ジイソプロピルケトンオキシム、メチルt−ブチルケトンオキシム、ジイソブチルケトンオキシム、メチルイソブチルケトンオキシム、メチルイソプロピルケトンオキシム、メチル2,4−ジメチルペンチルケトンオキシム、メチル3−エチルへプチルケトンオキシム、メチルイソアミルケトンオキシム、n−アミルケトンオキシム、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオンモノオキシム、4,4’−ジメトキシベンゾフェノンオキシム、2−ヘプタノンオキシムなどが挙げられる。
カルバミン酸系化合物としては、例えば、N−フェニルカルバミン酸フェニルなどが挙げられる。
尿素系化合物としては、例えば、尿素、チオ尿素、エチレン尿素などが挙げられる。
酸アミド系(ラクタム系)化合物としては、例えば、アセトアニリド、N−メチルアセトアミド、酢酸アミド、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、ピロリドン、2,5−ピペラジンジオン、ラウロラクタムなどが挙げられる。
酸イミド系化合物としては、例えば、コハク酸イミド、マレイン酸イミド、フタルイミドなどが挙げられる。
トリアゾール系化合物としては、例えば、1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
ピラゾール系化合物としては、例えば、ピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチルピラゾール、4−ベンジル−3,5−ジメチルピラゾール、4−ニトロ−3,5−ジメチルピラゾール、4−ブロモ−3,5−ジメチルピラゾール、3−メチル−5−フェニルピラゾールなどが挙げられる。
イミダゾール系化合物としては、例えば、イミダゾール、ベンズイミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾールなどが挙げられる。
イミダゾリン系化合物としては、例えば、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリンなどが挙げられる。
メルカプタン系化合物としては、例えば、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、ヘキシルメルカプタンなどが挙げられる。
重亜硫酸塩としては、例えば、重亜硫酸ソーダなどが挙げられる。
また、ブロック剤としては、上記に限定されず、例えば、ベンゾオキサゾロン、無水イサト酸、テトラブチルホスホニウム・アセタートなどのその他のブロック剤も挙げられる。
これらブロック剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
ブロック剤として、好ましくは、オキシム系化合物、ピラゾール系化合物、より好ましくは、ピラゾール系化合物が挙げられる。
ブロック剤として、オキシム系化合物、ピラゾール系化合物を用いれば、優れた低温解離性を確保するとともに、乳化安定性、貯蔵安定性を良好とすることができる。
そして、ブロックイソシアネートは、例えば、イソシアネート化合物とブロック剤とを反応させることによって、得ることができる。
より具体的には、例えば、イソシアネート化合物とブロック剤とを、イソシアネート化合物のイソシアネート基に対する、ブロック剤中のイソシアネート基と反応する活性基の当量比(活性基/イソシアネート基)が、0.8以上、好ましくは、1.0以上、通常、1.2以下の配合割合において、反応させる。
このようなイソシアネート化合物とブロック剤との配合割合として、より具体的には、イソシアネート化合物100質量部に対して、ブロック剤が、例えば、10〜200質量部、好ましくは、20〜80質量部である。
また、このような反応では、必要により、反応溶媒を用いることができ、そのような反応溶媒としては、イソシアネート基に対して不活性で、除去が容易な低沸点溶媒である、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、例えば、テトラヒドロフランなどのエーテル類、例えば、アセトニトリルなどのニトリル類などの有機溶剤が挙げられる。反応溶媒の配合割合は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜決定される。
また、反応条件としては、例えば、大気圧下、不活性ガス(例えば、窒素ガス、アルゴンガスなど)雰囲気下、反応温度が、例えば、0〜150℃、好ましくは、20〜120℃であり、反応時間が、例えば、5分〜12時間、好ましくは、5分〜8時間である。
なお、反応の終了は、例えば、赤外分光分析法などを採用し、イソシアネート基の消失を確認することによって、判断することができる。
そして、これによって、イソシアネート化合物のイソシアネート基がブロック剤によってブロックされたブロックイソシアネートを調製することができる。
分散剤は、ブロックイソシアネートを水中に分散(乳化)させるために配合されるものであり、分散剤としては、通常、保護コロイド剤や界面活性剤が挙げられるが、本発明の水分散型ブロックイソシアネート組成物では、分散剤は、保護コロイド剤を含有せず、界面活性剤を含有している。より詳しくは、分散剤は、界面活性剤のみを含有している。
なお、保護コロイド剤としては、例えば、完全鹸化ポリビニルアルコール、部分鹸化ポリビニルアルコール、ブロック部分鹸化ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、デンプン糊、アクリル酸系ポリマー、メタクリル酸系ポリマーなどが挙げられる。
界面活性剤は、必須成分として、分子末端にヒドロキシ基を有するHLB16以上の芳香族ノニオン界面活性剤を含有している。
分子末端にヒドロキシ基を有する芳香族ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジブチルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、例えば、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル(ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルなど)、ポリオキシエチレンベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンクミルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルなどが挙げられる。
これら芳香族ノニオン界面活性剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
芳香族ノニオン界面活性剤として、好ましくは、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルが挙げられ、より好ましくは、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンクミルフェニルエーテルが挙げられる。
また、必須成分としての芳香族ノニオン界面活性剤のHLBは、上記の通り、16以上、好ましくは、18以上であり、通常、20以下である。
そのようなHLB16以上の芳香族ノニオン界面活性剤は、市販品としても入手可能であり、具体的には、例えば、エマルゲンA−500(ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル 固形分濃度:100質量%、HLB:18.0、花王社製)、CP−20(ポリオキシエチレンクミルフェニルエーテル、固形分濃度:100質量%、HLB:16.3、東邦化学工業社製)、ノイゲンEA177(ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、固形分濃度::100質量%、HLB:17.0、第一工業製薬社製)などが挙げられる。
分子末端にヒドロキシ基を有するHLB16以上の芳香族ノニオン界面活性剤の配合割合は、上記ブロックイソシアネート100質量部に対して、例えば、1〜30質量部、好ましくは、3〜20質量部、より好ましくは、5〜15質量部である。
また、界面活性剤は、任意成分として、好ましくは、分子末端にヒドロキシ基を有するHLB16未満の芳香族ノニオン界面活性剤を含有する。
分子末端にヒドロキシ基を有するHLB16未満の芳香族ノニオン界面活性剤を配合すれば、乳化安定性、貯蔵安定性を良好とすることができ、さらには、耐水性を向上することができる。
芳香族ノニオン界面活性剤としては、例えば、上記した芳香族ノニオン界面活性剤が挙げられる。
また、任意成分としての芳香族ノニオン界面活性剤のHLBは、上記の通り、16未満、好ましくは、15未満であり、通常、4以上、好ましくは、8以上である。
そのようなHLB16未満の芳香族ノニオン界面活性剤は、市販品としても入手可能であり、具体的には、例えば、ノナール912A(ポリオキシエチレンクミルフェニルエーテル、固形分濃度:100質量%、HLB:14.3、東邦化学工業社製)、ノイゲンEA87(ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、固形分濃度:100質量%、HLB:10.6、第一工業製薬社製)などが挙げられる。
界面活性剤が、任意成分として、分子末端にヒドロキシ基を有するHLB16未満の芳香族ノニオン界面活性剤を含有する場合には、その含有割合は、上記の必須成分(分子末端にヒドロキシ基を有するHLB16以上の芳香族ノニオン界面活性剤)100質量部に対して、例えば、1〜150質量部、好ましくは、10〜120質量部、より好ましくは、30〜100質量部であり、また、上記ブロックイソシアネート100質量部に対して、例えば、1〜30質量部、好ましくは、3〜20質量部、より好ましくは、5〜15質量部である。
また、界面活性剤は、その他の任意成分(上記の分子末端にヒドロキシ基を有するHLB16未満の芳香族ノニオン界面活性剤を除く、任意成分)として、さらに、上記した芳香族ノニオン界面活性剤以外のノニオン界面活性剤(以下、非芳香族ノニオン界面活性剤と称する。)、アニオン活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤などを含有することができる。
非芳香族ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステルなどが挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウムなどの脂肪酸塩、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム塩(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなど)などの硫酸エステル塩、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなど)などのアルキルベンゼンスルホン酸塩、例えば、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどのスルホコハク酸エステル塩などのスルホン酸塩などが挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム塩などが挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルベタインなどのアルキルベタインなどが挙げられる。
その他の任意成分として、好ましくは、アニオン界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤が、その他の任意成分(好ましくは、アニオン界面活性剤)を含有する場合において、その含有割合は、上記の必須成分(分子末端にヒドロキシ基を有するHLB16以上の芳香族ノニオン界面活性剤)100質量部に対して、例えば、1〜50質量部、好ましくは、1〜30質量部、より好ましくは、3〜20質量部であり、また、上記ブロックイソシアネート100質量部に対して、例えば、0.1〜5質量部、好ましくは、0.1〜3質量部、より好ましくは、0.2〜2質量部である。
その他の任意成分として、アニオン界面活性剤を配合し、その配合割合が上記範囲であれば、優れた耐水性を確保するとともに、貯蔵安定性を向上させることができる。
分散剤の配合割合は、上記ブロックイソシアネート100質量部に対して、例えば、1〜30質量部、好ましくは、3〜20質量部、より好ましくは、5〜15質量部である。
そして、本発明の水分散型ブロックイソシアネート組成物を調製するには、分散剤とともに、ブロックイソシアネートを水中に乳化させる。
具体的には、まず、上記の分散剤(界面活性剤)を水に溶解させて、分散剤水溶液(界面活性剤水溶液)を調製し、その分散剤水溶液と上記のブロックイソシアネートとを、上記割合となるように、配合する。なお、界面活性剤として、上記した任意成分を配合する場合には、任意成分を、適宜、ブロックイソシアネートまたは分散剤水溶液のいずれかまたは両方に配合することができる。
次いで、例えば、ホモミキサーやホモディスパーなどの攪拌機を用いて、ブロックイソシアネートおよび分散剤水溶液を攪拌および混合した後、必要により、さらに水を配合して、乳化し、ブロックイソシアネート乳化液を調製する。
なお、ブロックイソシアネート乳化液には、必要により、消泡剤などの添加剤を添加することができる。添加剤の配合割合は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜決定される。
その後、ブロックイソシアネート乳化液に有機溶剤が含有されている場合(例えば、イソシアネート化合物とブロック剤とを有機溶剤中で反応させることにより得られた反応液を、ブロックイソシアネートとしてそのまま用いた場合)には、ブロックイソシアネート乳化液を、例えば、減圧下で加熱することにより、有機溶剤を揮発除去する。
これにより、ブロックイソシアネートが水中に外部乳化された水分散型ブロックイソシアネート組成物を得ることができる。
このようにして得られた水分散型ブロックイソシアネート組成物では、ブロックイソシアネートの体積平均粒子径が、例えば、450nm以下、好ましくは、400nm、より好ましくは、300nm以下、さらに好ましくは、250nm以下、通常、50nm以上である。
ブロックイソシアネートの体積平均粒子径が、上記上限以下であれば、貯蔵安定性を向上することができ、また、ポリオール成分(後述)と配合することにより外観に優れた塗膜を得ることができる。
そして、このようにして得られる水分散型ブロックイソシアネート組成物は、分散剤が保護コロイドを含有しないため、優れた乳化安定性および貯蔵安定性を確保することができる。
また、このような水分散型ブロックイソシアネート組成物は、分散剤が、分子末端にヒドロキシ基を有するHLB16以上の芳香族ノニオン界面活性剤を必須成分として含む界面活性剤を含有するため、優れた耐水性、外観および透明性を備えるポリウレタン樹脂を、得ることができる。
より具体的には、このような水分散型ブロックイソシアネート組成物は、例えば、各種ポリウレタン樹脂のイソシアネート成分(硬化剤)、より具体的には、二液硬化型ポリウレタン樹脂(例えば、塗料、接着剤など)などのイソシアネート成分(硬化剤)として、用いられる。
二液硬化型ポリウレタン樹脂では、例えば、上記の水分散型ブロックイソシアネート組成物からなるイソシアネート成分(硬化剤)と、ポリオール成分(主剤)とを、それぞれ個別に調製し、それらを使用時に配合する。
ポリオール成分としては、例えば、マクロポリオールが挙げられる。
マクロポリオールは、水酸基を2つ以上有する数平均分子量400以上の有機化合物であって、例えば、多塩基酸(例えば、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸など)と低分子量ポリオール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなど)との縮合反応など、公知のエステル化反応により得られるポリエステルポリオール、例えば、上記した低分子量ポリオールを開始剤として、ヒドロキシル基含有植物油脂肪酸(例えば、リシノレイン酸を含有するひまし油脂肪酸、12−ヒドロキシステアリン酸を含有する水添ひまし油脂肪酸など)などのヒドロキシカルボン酸を縮合反応させて得られる植物油系ポリエステルポリオール、例えば、上記した低分子量ポリオールを開始剤として、例えば、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトンなどのラクトン類を開環重合により得られる、ポリカプロラクトンポリオール、例えば、低分子量ポリオールを開始剤とするアルキレンオキシドの開環重合などにより得られるポリエーテルポリオール、例えば、低分子量ポリオールを開始剤として、ホスゲン、ジアルキルカーボネート、ジアリルカーボネート、アルキレンカーボネートなどを反応させることにより得られるポリカーボネートポリオール、例えば、公知のヒドロキシル基含有アクリレートと、そのヒドロキシル基含有アクリレートと共重合可能な共重合性ビニルモノマーとを共重合させることによって得られるアクリルポリオール、例えば、それらポリオール(ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアクリルポリオールなど)を、イソシアネート基に対する水酸基の当量比(OH/NCO)が1を超過する割合で、上記したポリイソシアネートと反応させることによって得られるウレタン変性ポリオール(ポリウレタン樹脂(例えば、ポリエステルタイプのポリウレタンポリオール、ポリエーテルタイプのポリウレタンポリオール、ポリカーボネートタイプのポリウレタンポリオール、ポリアクリルタイプのポリウレタンポリオール、あるいは、ポリエステルポリエーテルタイプのポリウレタンポリオールなど))などが挙げられる。
これらマクロポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
マクロポリオールとして、好ましくは、ポリウレタン樹脂(ウレタン変性ポリオール)が挙げられる。
二液硬化型ポリウレタン樹脂において、水分散型ブロックイソシアネート組成物(イソシアネート成分)とマクロポリオール(ポリオール成分)との配合割合は、例えば、マクロポリオールの水酸基に対する水分散型ブロックイソシアネート組成物のイソシアネート基(ブロック剤によりブロックされているイソシアネート基)の当量比(イソシアネート基/活性水素基)として、例えば、0.5〜5、好ましくは、0.6〜3となる割合である。
また、反応条件は、水分散型ブロックイソシアネート組成物におけるブロック剤が解離する条件であれば、特に制限されないが、具体的には、反応温度が、例えば、80〜200℃、好ましくは、100〜180℃である。
これにより、水分散型ブロックイソシアネート組成物におけるブロック剤を解離させるとともに、水分散型ブロックイソシアネート組成物の再生したイソシアネート基と、マクロポリオールの水酸基とを反応させることができ、二液硬化型ポリウレタン樹脂を硬化させることができる。
なお、このような方法では、必要により、水分散型ブロックイソシアネート組成物(イソシアネート成分)およびマクロポリオール(ポリオール成分)のいずれか一方またはその両方には、必要に応じて、例えば、反応溶媒、触媒、エポキシ樹脂、塗工性改良剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤などの安定剤、可塑剤、界面活性剤、顔料、充填剤、有機または無機微粒子、防黴剤などの添加剤を適宜配合することができる。添加剤の配合量は、その目的および用途により適宜決定される。
そして、このようにして得られるポリウレタン樹脂は、上記の水分散型ブロックイソシアネート組成物が用いられるため、優れた耐水性、外観および透明性を備えることができる。
なお、本発明の水分散型ブロックイソシアネート組成物は、上記のポリウレタン樹脂に限定されず、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂など、種々の公知の樹脂の硬化剤として、用いることができる。
次に、本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は、下記の実施例によって限定されることはない。
(成分)
1.イソシアネート化合物
(1)タケネートD−110N(キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、固形分75%、三井化学社製)
(2)タケネートD−160N(ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、固形分75%、三井化学社製)
2.ブロック剤
(1)3,5−ジメチルピラゾール
(2)メチルエチルケトオキシム
3.有機溶剤
メチルエチルケトン
4.界面活性剤
(1)エマルゲンA−500(ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル 固形分濃度:100質量%、HLB:18.0、花王社製)
(2)CP−20(ポリオキシエチレンクミルフェニルエーテル、固形分濃度:100質量%、HLB:16.3、東邦化学工業社製)
(3)ノイゲンEA177(ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、固形分濃度::100質量%、HLB:17.0、第一工業製薬社製)
(4)ノナール912A(ポリオキシエチレンクミルフェニルエーテル、固形分濃度:100質量%、HLB:14.3、東邦化学工業社製)
(5)ノイゲンEA87(ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、固形分濃度:100質量%、HLB:10.6、第一工業製薬社製)
(6)ペグノールC−40(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、固形分濃度100質量%、HLB:17.6、東邦化学工業社製)
(7)サンノールTD−3130(ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム塩、固形分濃度31質量%、ライオン社製)
(8)ルノックス100(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、固形分濃度60質量%、東邦化学工業社製)
(9)エマールE−27C(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、固形分濃度27質量%、花王社製)
5.保護コロイド剤
(1)クラレポバールPVA205(部分鹸化ポリビニルアルコール、鹸化度:87.0〜89.0mol%、重合度:500 クラレ社製)
(2)クラレポバールPVA217(部分鹸化ポリビニルアルコール、鹸化度:87.0〜89.0mol%、重合度:1700 クラレ社製)
6.水系ウレタン樹脂
(1)タケラックW−5030(ポリエステルタイプのウレタン変性ポリオール(水性ポリウレタン樹脂)、三井化学社製)
(2)タケラックW−5100(ポリカーボネートタイプのウレタン変性ポリオール(水性ポリウレタン樹脂)、三井化学社製)
(ブロックイソシアネートの合成)
製造例1(ブロックイソシアネート(a))
攪拌機、温度計、還流冷却管を取り付けた4つ口フラスコを窒素置換した後、それにタケネートD−110N682質量部と、メチルエチルケトン129.5質量部とを仕込み、攪拌し、タケネートD−110Nをメチルエチルケトンに溶解させた。
次いで、内温を50〜60℃に保ち、攪拌しながら、3,5−ジメチルピラゾール188.5質量部を1時間かけて添加した。
その後、内温50℃で1時間攪拌し、3,5−ジメチルピラゾールの固体が完全に溶解したことを確認した後、FT−IR(フーリエ変換赤外分光光度計)でイソシアネート基の吸収が消失したことを確認して、ブロックイソシアネート(a)を得た。
製造例2(ブロックイソシアネート(b))
攪拌機、温度計、還流冷却管を取り付けた4つ口フラスコを窒素置換した後、それに、タケネートD−110N699.7質量部と、メチルエチルケトン125.1質量部とを仕込み、攪拌し、タケネートD−110Nをメチルエチルケトンに溶解させた。
次いで、内温を50〜60℃に保ち、攪拌しながら、メチルエチルケトオキシム175.2質量部を1時間かけて添加した。
その後、内温50℃で1時間攪拌し、FT−IR(フーリエ変換赤外分光光度計)でイソシアネート基の吸収が消失したことを確認して、ブロックイソシアネート(b)を得た。
製造例3(ブロックイソシアネート(c))
攪拌機、温度計、還流冷却管を取り付けた4つ口フラスコを窒素置換した後、それに、タケネートD−160N644.9質量部と、メチルエチルケトン133.8質量部とを仕込み、攪拌し、タケネートD−160Nをメチルエチルケトンに溶解させた。
次いで、内温を50〜60℃に保ち、攪拌しながら、3,5−ジメチルピラゾール201.3質量部を1時間かけて添加した。
その後、内温50℃で1時間攪拌し、3,5−ジメチルピラゾールの固体が完全に溶解したことを確認した後、FT−IR(フーリエ変換赤外分光光度計)でイソシアネート基の吸収が消失したことを確認して、ブロックイソシアネート(c)を得た。
(水分散型ブロックイソシアネート組成物の調製)
実施例1
製造例1で合成されたブロックイソシアネート500質量部を、ホモミキサーで攪拌(回転数:4000rpm)しながら、そのブロックイソシアネートにノナール912A 17.5質量部を30分かけて添加した。
次いで、そのブロックイソシアネートにエマルゲンA−500の25質量%水溶液140質量部を、30分かけて添加し、次いで、イオン交換水645質量部を30分かけて添加し、乳化させた。
その後、消泡剤(BYK−022、ビッグケミー社製)0.18質量部を添加し、回転数1000rpmで1時間攪拌し、その後、減圧下において、50℃の温水浴で加熱し、有機溶剤(製造例1において用いられたメチルエチルケトン)を留去するとともに、水を一部留去し、固形分40%の水分散型ブロックイソシアネート組成物(A)を得た。
実施例2〜5、9、参考例6〜8および比較例1〜7
表1に示す配合処方とした以外は、実施例1と同様にして、水分散型ブロックイソシアネート組成物(B)〜(P)を得た。
(評価)
<乳化安定性>
各実施例、各参考例および各比較例において得られた各水分散型ブロックイソシアネート組成物の乳化安定性を、目視により評価した。その結果を、表1に示す。
なお、評価の基準を下記に示す。
◎・・・問題なく乳化できた。
○・・・乳化は可能であるがわずかに凝集物が見られた。
×・・・乳化できなかった(水と樹脂に相分離するため水分散体が得られなかった。)。
<貯蔵安定性>
各実施例、各参考例および各比較例において得られた各水分散型ブロックイソシアネート組成物を、25℃において1週間放置し、その貯蔵安定性を、目視により評価した。その結果を、表1に示す。
なお、評価の基準を下記に示す。
○・・・相分離が観察されなかった。
×・・・1週間以内に相分離した。
<平均粒子径>
各実施例、各参考例および各比較例において得られた各水分散型ブロックイソシアネート組成物の、ブロックイソシアネートの体積平均粒子径を、サブミクロン粒子アナライザーN5(BECKMAN COULTER社製)により測定した。その結果を、表1に示す。
<耐水性評価>
水分散型ブロックイソシアネート組成物(A)2質量部、および、タケラックW−5030 20質量部を配合し、撹拌および混合した後、アプリケーターにより、膜厚が100μmとなるように、ガラス板に塗布した。
次いで、塗膜を、乾燥機により、130℃または160℃で30分間加熱し、硬化させた。その後、ガラス板および塗膜を冷却して、試験片を得た。
そして、試験片の塗膜表面に水を滴下し、水が蒸発しないように試験片を被覆して、24時間静置した後の塗膜の様子(白化の有無)を、目視により確認した。
また、水分散型ブロックイソシアネート組成物(B)〜(D)、(I)、(J)、(O)および(P)それぞれの耐水性を、目視により評価した。その結果を表2に示す。
<塗膜の透明性および外観評価>
水分散型ブロックイソシアネート組成物(A)10質量部、および、タケラックWS−5100 10質量部を配合し、撹拌および混合した後、膜厚が3μmとなるように、厚み12μmのPETフィルムに塗布した。
そして、塗膜を、ドライヤー(熱風)により加熱および乾燥させた。その後、塗膜の透明性および外観(表面状態)を、目視により評価した。
また、水分散型ブロックイソシアネート組成物(B)〜(D)、(I)、(J)、(O)および(P)それぞれの透明性および外観(表面状態)を、目視により評価した。その結果を表2に示す。
なお、評価の基準を下記に示す。
(透明性評価)
◎:透明
○:やや濁りあり
×:濁りあり
(外観評価)
◎:斑点などがなく、均一な塗膜が形成されていた。
○:白い斑点がわずかに発生していた。
×:白い斑点が全体的に発生していた。

Claims (3)

  1. イソシアネート基がブロック剤によってブロックされたブロックイソシアネート、および、分散剤を含有する水分散型ブロックイソシアネート組成物であって、
    前記分散剤は、保護コロイド剤を含有せず、界面活性剤を含有し、
    前記界面活性剤は、
    分子末端にヒドロキシ基を有するHLB16以上の芳香族ノニオン界面活性剤と、
    分子末端にヒドロキシ基を有するHLB16未満の芳香族ノニオン界面活性剤とを含有し、
    分子末端にヒドロキシ基を有するHLB16未満の芳香族ノニオン界面活性剤の含有割合が、分子末端にヒドロキシ基を有するHLB16以上の芳香族ノニオン界面活性剤100質量部に対して、1〜150質量部である
    ことを特徴とする、水分散型ブロックイソシアネート組成物。
  2. 前記ブロックイソシアネート100質量部に対して、0.1〜3質量部のアニオン界面活性剤を含有することを特徴とする、請求項1に記載の水分散型ブロックイソシアネート組成物。
  3. 前記ブロックイソシアネートの体積平均粒子径が300nm以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の水分散型ブロックイソシアネート組成物。
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