JP5546109B2 - 核酸の塩基配列の識別方法 - Google Patents
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Description
好ましくは、プライマーとマスクオリゴの両者がハイブリダイズする第一の核酸及び第二の核酸上の領域が、マスクオリゴの5'末端を含んだ領域とハイブリダイズする。
好ましくは、プライマーは第二の核酸よりも、第一の核酸に対してより相補的である。
好ましくは、第一の核酸と第二の核酸が一塩基多型の関係にある。
好ましくは、お互いがDNA二本鎖の異なる鎖と相補的であり、かつ、DNA鎖上の自身と相同の配列の3'末端側に存在する領域にもう一方のオリゴヌクレオチドプライマーが相補的となるように設計された、少なくとも二種類のプライマーを使用する。
好ましくは、増幅速度の差を利用して、第一の核酸と第二の核酸の塩基配列の相違を識別する。
より好ましくは、反応溶液は、少なくとも0.05%以上の界面活性剤をさらに含む。
好ましくは、界面活性剤は非イオン性界面活性剤である。
好ましくは、非イオン性界面活性剤は、HLB価が12以上である。
より好ましくは、非イオン性界面活性剤は、HLB価が14以上である。
より好ましくは、非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステルである。
好ましくは、反応溶液は、2価の陽イオンをさらに含む。
好ましくは、反応溶液は、融解温度調整剤をさらに含む。
好ましくは、反応溶液を50℃以上100℃以下の実質的に等温でインキュベートする。
好ましくは、反応溶液を等温でインキュベートする時間は60分以内である。
本発明による実質的に等温で行なわれる核酸増幅法によって第一の核酸と第二の核酸の塩基配列の相違を識別する方法であって、(1)第一の核酸と実質的に相補的な少なくとも一種類のオリゴヌクレオチド(以下、プライマー)と、(2)該第一の核酸と第二の核酸の識別すべき塩基配列部位に対してハイブリダイズし、かつ、第一の核酸よりも第二の核酸に対してより相補的であり、さらに、ポリメラーゼによる伸長反応の起点とならないように設計された少なくとも一種類のオリゴ核酸(以下、マスクオリゴ)を使用し、該プライマーの一部と該マスクオリゴの一部が該第一の核酸及び該第二の核酸の同一領域とハイブリダイズすることを特徴とする。
(1)デオキシヌクレオチド3リン酸
伸長反応の基質として、デオキシヌクレオチド3リン酸を用いる。具体的には、dATP、dCTP、dGTP、dTTPの混合物を使用することが好ましい。デオキシヌクレオチド3リン酸としては、dNTPのアナログ(例えば、7−デアザ−dGTP等)が含まれていてもよい。
本発明においては、鎖置換能を有するポリメラーゼを用いる。本明細書において「鎖置換能」とは、鋳型となる核酸配列に従ってDNA複製を行う際、DNA鎖を置き換えながら進行し、鋳型鎖にアニーリングしている相補鎖を遊離させる、即ち鎖置換(strand displacement)することができる活性のことをいう。鎖置換能を有するポリメラーゼの具体例としては、バチルス ステアロサーモフィラス由来の5’→3’エキソヌクレアーゼ欠損Bst.DNAポリメラーゼ、及びバチルスカルドテナックス由来の5’→3’エキソヌクレアーゼ欠損Bca DNAポリメラーゼ 、サーモコッカス リトラリス由来の5’→3’エキソヌクレアーゼ欠損Vent.DNAポリメラーゼなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。鎖置換能を有するポリメラーゼは、天然由来のものでもよいし、遺伝子工学的に製造した組み換え蛋白質でもよい。
本発明では、使用する酵素の金属要求性等に応じて、2価の陽イオンを用いることができる。2価の陽イオンとしては、マグネシウム塩やその他の金属塩を使用することができ、例えば、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウムなどを使用できる。2価の陽イオンの濃度は最終濃度で、好ましくは1mM〜20mMであり、さらに好ましくは2mM〜10mMの範囲である。
本発明では、反応溶液中に界面活性剤を添加する。界面活性剤を使用することにより、非特異的な核酸の増幅を防止するという本発明の有利な効果が達成される。本発明で使用できる界面活性剤の種類は、特には限定されないが、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸エステル塩(SDS)、スルホコハク酸オクチルエステル塩、ステアリン酸石けんなどの陰イオン(アニオン)性界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル(Tween等)、POEアルキルエーテル(Brij等)、POEアルキルフェニルエーテル(Triton等)、ノニルフェノール、ラウリルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー、POEアルキルアミン、POE脂肪酸ビスフェニルエーテルなどの非イオン(ノニオン)性界面活性剤、セチルピリジニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライドのような陽イオン(カチオン)性界面活性剤、そして、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルカルボキシベタインのような双性(両性)界面活性剤などを使用できる。界面活性剤の使用量は本発明の効果が達成できる限り特に限定されないが、好ましくは0.01%以上、より好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.1%以上である。界面活性剤の使用量の上限は特に限定されないが、通常は10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは1%以下である。
(a)オリゴヌクレオチドプライマー
本発明では、鋳型となるDNAにアニールすることで、DNAポリメラーゼによりその3'末端よりDNA鎖が伸長される性質を有するオリゴヌクレオチドをオリゴヌクレオチドプライマーと定義する。本発明で使用されるオリゴヌクレオチドプライマーとしては、デオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチドで構成されたものを使用することができ、さらに、修飾リボヌクレオチドあるいは修飾デオキシリボヌクレオチドを含有するものでもよい。
本発明では、第一の核酸と相補的である少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプライマーを用いる。より好ましくは、第一の核酸と相補的であるが、第二の核酸とは相補的ではない少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプライマーを用いる。さらに好ましくは、第一の核酸と相補的であるが、第二の核酸とは相補的ではない少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプライマーを含む2種のオリゴヌクレオチドプライマー(1組のオリゴヌクレオチドプライマーセット)を用いる。ここで使用する1組のオリゴヌクレオチドプライマーセットとは、お互いがDNA二本鎖の異なる鎖と相補的であり、かつ、DNA鎖上の自身と相同の配列の3'末端側に存在する領域にもう一方のオリゴヌクレオチドプライマーが相補的となるように設計された(自身と相補的な配列の5'末端側の領域にもう一方のオリゴヌクレオチドプライマーと相同な配列が存在するように設計された)、少なくとも2種のオリゴヌクレオチドプライマーの組み合わせを意味する。
本発明においてはさらに、第一の核酸と第二の核酸の識別すべき塩基配列部位に対してハイブリダイズし、かつ、第一の核酸よりも第二の核酸に対してより相補的であり、さらに、核酸増幅の起点とはならないように設計された少なくとも一本のオリゴ核酸(以下、マスクオリゴとも称する)を用いる。
本発明において鋳型となる核酸(DNAまたはRNA)は、ゲノムDNA、cDNA、合成DNA、mRNA、全RNAのいずれでもよい。鋳型となる核酸を含む可能性のある試料から調製した核酸を使用してもよいし、鋳型となる核酸を含む可能性のある試料をそのまま直接使用してもよい。鋳型となる核酸を含む試料の種類は特に限定されず、例えば、体液(例えば、全血、血清、尿、脳脊髄液、精液、唾液など)、組織(例えば、癌組織など)、細胞培養物のような生体由来試料、ウイルス、細菌、カビ、酵母、植物及び動物のような核酸含有試料、微生物が混入している可能性のある試料(例えば、食品など)、あるいは土壌、排水のような環境中の試料が挙げられる。上記したような試料から核酸を調製する場合、その調製方法は特に限定されず、例えば、界面活性剤による処理、超音波処理、ガラスビーズを用いた精製など当業者に公知の方法を用いることができる。核酸の試料からの精製は、フェノール抽出、クロマトグラフィー、ゲル電気泳動または密度勾配遠心分離などにより行うことができる。
本発明における反応溶液には、融解温度調整剤を添加することができる。融解温度調整剤の具体例としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ベタイン、ホルムアミドもしくはグリセロール、テトラアルキルアンモニウム塩、またはこれらの2種以上の混合物を挙げることができる。融解温度調整の使用量は特に限定されないが、DMSOやホルムアミド、グリセロールの場合、通常は反応溶液中に10%以下の量で含めることができる。
ベタインやテトラアルキルアンモニウム塩は、0.2〜3.0M、好ましくは0.5〜1.5M程度添加することができる。
本発明における反応溶液には、緩衝成分を含めることができる。緩衝成分としては、特に限定はないが、例えば、ビシン、トリシン、ヘペス、トリス、リン酸塩(リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等)などを使用することができる。緩衝成分の最終濃度は5mM〜100mMの範囲、特に好ましくは10mM〜50mMの範囲であり、またpHは、増幅反応に用いられる酵素の至適pHにもよるが、一般的には6.0〜9.0、特に好ましくはpH7.0〜9.0のものを使用できる。
次に、本発明による核酸の塩基配列の識別方法について説明する。本発明では、(1)第一の核酸と相補的であるが、第二の核酸とは相補的ではない少なくとも1種のプライマーを含む少なくとも2種のプライマー、(2)該第一の核酸と第二の核酸の識別すべき塩基配列部位に対してハイブリダイズし、かつ、第一の核酸よりも第二の核酸に対してより相補的であり、さらに、核酸増幅の起点とはならないように設計された少なくとも一本のオリゴ核酸、(3)少なくとも1種のデオキシヌクレオチド3リン酸、(4)少なくとも1種の鎖置換能を有するDNAポリメラーゼ、及び(5)鋳型となる核酸断片を含む反応溶液をインキュベートする。これにより、前記プライマーの3’末端を起点とするポリメラーゼ反応を行い、該核酸断片を増幅することができる。ここで、第一の核酸に対しては迅速に核酸増幅が起こり、第二の核酸に対しては核酸増幅が起こらないか遅れることによって、第一の核酸と第二の核酸の塩基配列の違いを識別することができる。本発明では、好ましくは、核酸を増幅する工程を実質的に等温で行うことができる。反応溶液をインキュベートする際の温度は好ましくは50℃以上であり、より好ましくは55℃以上であり、例えば、60℃程度でインキュベートすることができる。好ましい温度範囲は、例えば、約50℃から約70℃であり、さらに好ましくは約55℃から約65℃である。この場合、プライマーの非特異的なアニーリングが抑制され、DNA増幅の特異性が向上し、また鋳型DNAの二次構造が解消されることによりDNAポリメラーゼの伸長性も向上する。本発明による核酸の増幅方法は、実質的に等温において実施すことができる。本発明において等温とは、各工程の反応温度を大きく変化することなく、各工程が実質的に一定の温度で行われることを意味する。
本発明による方法は、核酸の塩基配列の識別のために使用することができ、例えば、一塩基多型の検出のために使用することができ、さらに正常型ホモ、変異型ホモ、又はヘテロの何れかの遺伝子型を識別するために使用することができる。
(1)ターゲット核酸断片を含む核酸試料液の調整
β3AR190(T)であるテンプレート(以下、Wild型)及びβ3AR190(C)であるテンプレート(以下、Mutant型)、β3AR190(T/C)であるテンプレート(以下、Hetero型)を、7.5ngを前処理液(30mM NaOH、0.05% Tween20)とともに98℃で3分.加熱を行い、1本鎖にしたのち、β3AR遺伝子中の配列の増幅を以下の条件で行った。
プライマーは、β3AR遺伝子を標的に設計を行った。各プライマーの配列を以下に示す。
プライマー(1)(Forward):
5'−ATCGTGGCCATCGCCT−3'(配列番号1)
プライマー(2)(Reverse):
5'−CCAGCGAAGTCACGAAC−3'(配列番号2)
なお、このプライマーセットは、β3AR190(T)に対して相補的であるが、β3AR190(C)に対しては非相補的である。
マスクオリゴとして、以下の配列を有する修飾核酸を加えた。なお、Phosはリン酸化されていることを示す。なお、実施例で用いたフォワードプライマー、リバースプライマー、マスクオリゴの位置関係を図4に示す。
5’−CGTGGCCATCGCCCGGA−Phos−3’(配列番号3)
以下に示す反応液の組成で、60℃、60分反応させることで増幅反応を実施した。なお、pHは8.8に調整した。
<反応液の組成>
Tris−HCl 20mM
KCl 10mM
(NH4)2SO4 10mM
MgSO4 8mM
Tween20 0.10%
DMSO 5.0%
dNTP 各1.4mM
SYBR Green 50000倍希釈
プライマー(1) 3.6μM
プライマー(2) 3.6μM
マスクオリゴ(3'末端リン酸化オリゴDNA) 3.6μM
Bst.Polymerase(NEB社製) 8.0U
テンプレートDNA 7.5ng
前記(2)における増幅反応を、リアルタイム蛍光検出装置(Mx3000p,Stratagene社製)を用いて蛍光検出を行った。結果を図1に示す。
核酸試料由来のサンプルから核酸の増幅が起きていることがわかる。ここで、Mx3000pの解析ソフトを用いて、上記のグラフにおいて蛍光量が250に到達したときの時間(Ct値として定義)を算出したところ、Wild型(β3AR190(T))ではCt=36.2±0.7分、Mutant型(β3AR190(C))ではCt=62.2±3.6分、Hetero型(β3AR190(T/C))ではCt=37.5±0.8分であった。
(1)ターゲット核酸断片を含む核酸試料液の調整
β3AR190(T)であるテンプレート(以下、Wild型)及びβ3AR190(C)であるテンプレート(以下、Mutant型)、β3AR190(T/C)であるテンプレート(以下、Hetero型)を、7.5ngを前処理液(30mM NaOH、0.05% Tween20)とともに98℃で3分.加熱を行い、1本鎖にしたのち、β3AR遺伝子中の配列の増幅を以下の条件で行った。
プライマーは、β3AR遺伝子を標的に設計を行った。各プライマーの配列を以下に示す。
プライマー(1)(Forward):
5'−ATCGTGGCCATCGCCT−3'(配列番号1)
プライマー(2)(Reverse):
5'−CCAGCGAAGTCACGAAC−3'(配列番号2)
なお、このプライマーセットは、β3AR190(T)に対して相補的であるが、β3AR190(C)に対しては非相補的である。
マスクオリゴとして、以下の配列を有するRNAを加えた。なお、実施例で用いたフォワードプライマー、リバースプライマー、マスクオリゴの位置関係を図4に示す。
マスクオリゴ(3)
5’−CGUGGCCAUCGCCCGGA−3’(配列番号4)
以下に示す反応液の組成で、60℃、60分反応させることで増幅反応を実施した。なお、pHは8.8に調整した。
<反応液の組成>
Tris−HCl 20mM
KCl 10mM
(NH4)2SO4 10mM
MgSO4 8mM
Tween20 0.10%
DMSO 5.0%
dNTP 各1.4mM
SYBR Green 50000倍希釈
プライマー(1) 3.6μM
プライマー(2) 3.6μM
マスクオリゴRNA 3.6μM
Bst.Polymerase(NEB社製) 8.0U
テンプレートDNA 7.5ng
前記(2)における増幅反応を、リアルタイム蛍光検出装置(Mx3000p,Stratagene社製)を用いて蛍光検出を行った。結果を図2に示す。
(1)ターゲット核酸断片を含む核酸試料液の調整
β3AR190(T)であるテンプレート(以下、Wild型)及びβ3AR190(C)であるテンプレート(以下、Mutant型)、β3AR190(T/C)であるテンプレート(以下、Hetero型)を、7.5ngを前処理液(30mM NaOH、0.05% Tween20)とともに98℃で3分.加熱を行い、1本鎖にしたのち、β3AR遺伝子中の配列の増幅を以下の条件で行った。
プライマーは、β3AR遺伝子を標的に設計を行った。各プライマーの配列を以下に示す。
プライマー(1)(Forward):
5'−ATCGTGGCCATCGCCT−3'(配列番号1)
プライマー(2)(Reverse):
5'−CCAGCGAAGTCACGAAC−3'(配列番号2)
なお、このプライマーセットは、β3AR190(T)に対して相補的であるが、β3AR190(C)に対しては非相補的である。
以下に示す反応液の組成で、60℃、60分反応させることで増幅反応を実施した。なお、pHは8.8に調整した。
<反応液の組成>
Tris−HCl 20mM
KCl 10mM
(NH4)2SO4 10mM
MgSO4 8mM
Tween20 0.10%
DMSO 5.0%
dNTP 各1.4mM
SYBR Green 50000倍希釈
プライマー(1) 3.6μM
プライマー(2) 3.6μM
Bst.Polymerase(NEB社製) 8.0U
テンプレートDNA 7.5ng
前記(2)における増幅反応を、リアルタイム蛍光検出装置(Mx3000p,Stratagene社製)を用いて蛍光検出を行った。結果を図3に示す。
核酸試料由来のサンプルから核酸の増幅が起きていることがわかる。ここで、Mx3000pの解析ソフトを用いて、上記のグラフにおいて蛍光量が250に到達したときの時間(Ct値として定義)を算出したところ、Wild型(β3AR190(T))ではCt=31.5±0.3分、Mutant型(β3AR190(C))ではCt=41.6±3.0分、Hetero型(β3AR190(T/C))ではCt=32.4±1.2分であった。
Claims (23)
- 等温で行なわれる核酸増幅法によって第一の核酸と第二の核酸の塩基配列の相違を識別する方法であって、(1)第一の核酸と相補的な少なくとも一種類のオリゴヌクレオチドであってループ構造を形成する構造を有さないオリゴヌクレオチド(以下、プライマー)と、(2)該第一の核酸と第二の核酸の識別すべき塩基配列部位に対してハイブリダイズし、かつ、第一の核酸よりも第二の核酸に対してより相補的であり、さらに、ポリメラーゼによる伸長反応の起点とならないように設計された少なくとも一種類のオリゴ核酸(以下、マスクオリゴ)を使用し、該プライマーの一部と該マスクオリゴの一部が該第一の核酸及び該第二の核酸の同一領域とハイブリダイズし、増幅速度の差を利用して、第一の核酸と第二の核酸の塩基配列の相違を識別することを特徴とする、核酸の塩基配列の相違を識別する方法。
- プライマーとマスクオリゴの両者がハイブリダイズする第一の核酸及び第二の核酸上の領域が、プライマーの3'末端を含んだ領域とハイブリダイズすることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- プライマーとマスクオリゴの両者がハイブリダイズする第一の核酸及び第二の核酸上の領域が、マスクオリゴの5'末端を含んだ領域とハイブリダイズすることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
- プライマーが第二の核酸よりも第一の核酸に対してより相補的であることを特徴とする、請求項1から3の何れかに記載の方法。
- プライマーが、3'末端の連続した領域でのみ第一の核酸もしくは第二の核酸とハイブリダイズするように設計されることを特徴とする、請求項1から4の何れかに記載の方法。
- 第一の核酸と第二の核酸が一塩基多型の関係にあることを特徴とする、請求項1から5の何れかに記載の方法。
- お互いがDNA二本鎖の異なる鎖と相補的であり、かつ、DNA鎖上の自身と相同の配列の3'末端側に存在する領域にもう一方のオリゴヌクレオチドプライマーが相補的となるように設計された、少なくとも2種類のプライマーを使用することを特徴とする、請求項1から6の何れかに記載の方法。
- 少なくとも1種のデオキシヌクレオチド3リン酸、少なくとも1種の鎖置換能を有するDNAポリメラーゼ、及び、鋳型となる核酸断片を含む反応溶液をインキュベートすることにより前記プライマーの3’末端を起点とするポリメラーゼ反応を行うことで該核酸断片を増幅することによって第一の核酸と第二の核酸の塩基配列の相違を識別する、請求項1から7の何れかに記載の方法。
- 反応溶液が、少なくとも0.01%以上の界面活性剤をさらに含む、請求項1から8の何れかに記載の方法。
- 反応溶液が、少なくとも0.05%以上の界面活性剤をさらに含む、請求項9に記載の方法
- 界面活性剤が非イオン性界面活性剤である、請求項9又は10に記載の方法。
- 非イオン性界面活性剤のHLB価が12以上であることを特徴とする請求項11に記載の方法
- 非イオン性界面活性剤のHLB価が14以上であることを特徴とする請求項12に記載の方法
- 非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系から選ばれることを特徴とする請求項11から13の何れかに記載の方法
- ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項14に記載の方法
- ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレートの少なくとも1つから選ばれることを特徴とする請求項16に記載の方法。
- 反応溶液が、2価の陽イオンをさらに含む、請求項1から17の何れかに記載の方法。
- 反応溶液が、融解温度調整剤をさらに含む、請求項1から18の何れかに記載の方法。
- 少なくとも1種の鎖置換能を有するポリメラーゼが、バチルス ステアロサーモフィラス由来の5’→3’エキソヌクレアーゼ欠損Bst.DNAポリメラーゼ、及びバチルスカルドテナックス由来の5’→3’エキソヌクレアーゼ欠損Bca DNAポリメラーゼ 、サーモコッカス リトラリス由来の5’→3’エキソヌクレアーゼ欠損Vent.DNAポリメラーゼからなる群より選択されるポリメラーゼである、請求項1から19の何れかに記載の方法。
- 反応溶液を等温でインキュベートする、請求項1から20の何れかに記載の方法。
- 反応溶液を50℃以上100℃以下の等温でインキュベートする、請求項1から21の何れかに記載の方法。
- 反応溶液を等温でインキュベートする時間が60分以内である、請求項1から22の何れかに記載の方法。
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