JP5540745B2 - 活性エネルギー線硬化性組成物 - Google Patents
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Description
さらに、分子内にラジカル重合性官能基を有する界面活性剤を所定の割合で含有させることで、耐溶剤性を改良する技術も提案されている(特許文献2参照)。
また、特許文献2記載の技術では、形成される塗膜の硬度が不足し耐擦傷性を満足させるものではなかった。
炭素数6以上の脂肪酸からなる脂肪酸アミド構造と、アルキレンオキサイド構造と、アクリロイル基またはメタクリロイル基とを有する活性エネルギー線硬化性化合物(A)と、
前記活性エネルギー線硬化性化合物(A)とは異なる活性エネルギー線硬化性化合物(B)と、
を含有する活性エネルギー線硬化性組成物に関し、
また前記活性エネルギー線硬化性化合物(A)は、前記水酸基を有する第1級または第2級アミン(a2)の水酸基に由来するウレタン結合を介して、アクリロイル基またはメタクリロイル基が導入されていることが好ましく、
また、前記ウレタン結合は、水酸基を有する第1級または第2級アミン(a2)に由来する少なくとも一部の水酸基を、アクリロイル基またはメタクリロイル基とイソシアネート基とを有する化合物(a3)と反応させることにより形成されたものが好ましく、
また、前記アルキレンオキサイド構造が、水酸基を有する第1級または第2級アミン(a2)由来の水酸基とイソシアネート基とを有する化合物(a3)との反応により生成してなるものか、又は脂肪酸(a1)と水酸基を有する第1級または第2級アミン(a2)との反応により生じた脂肪酸アミド中の水酸基を有する第1級または第2級アミン(a2)由来の水酸基に付加されたアルキレンオキサイド鎖であることが好ましく、
また、水酸基を有するアミン(a2)の水酸基が2個であることが好ましく、
また、前記活性エネルギー線硬化性化合物(A)は、アクリロイル基またはメタクリロイル基を、平均で1分子中に1個よりも多く有することが好ましく、
また、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、D50粒子径が0.005〜30μmの微粒子をさらに含むことが好ましい。
開発当初は、指紋痕の付着防止を課題としていた。しかし、付着自体を防止することは事実上不可能に近い。そこで本発明者は、硬化塗膜の屈折率を指紋痕の成分の屈折率に近似させることによって、付着した指紋痕を目立たなくすることはできないかと考えた。しかし、両者の屈折率を同等にしても、付着した指紋痕は周囲の硬化塗膜と一体化することなく、その存在がはっきりと視認できた。以上の知見を得て発明者はさらに、付着した指紋痕の高さをできるだけ低くすることによって、周囲の硬化塗膜との境界線を目立たなくする手段を検討し、本発明の効果を実現するに至った。
炭素数6以上の脂肪酸アミド構造とアルキレンオキサイド鎖は、指紋痕や皮脂等との親和性に富むと考えられる。そこで、両構造を備える硬化性化合物(A)を含有する硬化性組成物から形成した硬化塗膜の表面に付着した指紋痕等は、硬化塗膜表面に濡れ広がりやすく、高さが低くなりやすいので、付着した指紋痕が目立たなくなる効果を奏すると考察される。そして、硬化塗膜の表面に付着した指紋痕等は、布や紙等で拭かれることにより、一部は布等に移行するが、その多くは硬化塗膜の表面により広くより薄く塗り広げられ、見た目のうえでは硬化塗膜と一体化すると思われる。その結果、見えにくくなる、目立たなくという効果を奏するものと考えられる。すなわち、本発明でいう、拭き取り性とは、見えにくくなる、目立たなくなるという意である。
例えば、水酸基を1個有する第1級アミンと脂肪酸とから形成される脂肪酸アミド、水酸基を2個有する第2級アミンと脂肪酸とから形成される脂肪酸アミド、水酸基を1個有する第2級アミンと脂肪酸とから形成される脂肪酸アミドである。
これら水酸基を有する脂肪酸アミドとしては、水酸基を有する脂肪酸アミドの水酸基にアルキレンオキサイド鎖がさらに付加してなる、アルキレンオキサイド付加体(例えば、エチレンオキサイド付加体、プロピレンオキサイド付加体などのC2−4アルキレンオキサイド付加体)も含まれる。
まず、脂肪酸(a1)と水酸基を有する第1級または第2級アミン(a2)とのアミド化反応を利用することで水酸基と炭素数6以上の炭化水素部分を導入した脂肪酸アミドを形成する。
その中でも、オレイン酸を特に好適に使用することができる。これら飽和または不飽和脂肪酸は単独または複数を任意の量比で組み合わせて使用することが可能である。
アルカノールアミンのうち、水酸基を1個有する第1級アミン(即ち、N−モノ置換アミン)としては、エタノールアミン、イソプロパノールアミン、ブタノールアミンなどのモノアルカノールアミン類(C1−6アルカノールアミン類、特にC2−4アルカノールアミン類)、などが例示できる。
アルカノールアミンのうち、水酸基を2個有する第2級アミン(即ち、N,N−二置換アミン)としては、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミンなどのジアルカノールアミン類(ジC1−6アルカノールアミン類、特にジC2−4アルカノールアミン類)などが挙げられる。
アルカノールアミンのうち、水酸基を1個有する第2級アミン(即ち、N,N−二置換アミン)としては、メチルエタノールアミン、エチルエタノールアミンなどのアルキルアルカノールアミン類(C1−6アルキルC1−6アルカノールアミン類、特にC1−4アルキルC2−4アルカノールアミン類)などが例示できる。
これらの中でも、水酸基を2個有するアミンであるジアルカノールアミンが好ましく、特にジエタノールアミンが好ましい。
次いで、脂肪酸アミド中の水酸基と、後述するアクリロイル基またはメタクリロイル基とイソシアネート基とを有する化合物(a3)とを反応させることにより、アルカノールアミン由来のアルキレンオキサイド構造とウレタン結合とが生成される。
あるいは、脂肪酸アミド中の水酸基にアルキレンオキサイド鎖が付加してなる、脂肪酸アミドのアルキレンオキサイド付加体と、アクリロイル基またはメタクリロイル基とイソシアネート基とを有する化合物(a3)とを反応させることによって、ウレタン結合を生成できる。
アルキレンオキサイドを付加していない脂肪酸アミド、アルキレンオキサイドを付加してなる脂肪酸アミドは、それぞれ単独で又は両者を二種以上組み合わせて使用できる。
脂肪酸アミドのアルキレンオキサイド付加体としては、例えばポリオキシエチレンカプリン酸エタノールアミド、ポリオキシエチレンラウリン酸エタノールアミド、ポリオキシプロピレンラウリン酸エタノールアミド、ポリオキシエチレンラウリン酸イソプロパノールアミド、ポリオキシエチレンミリスチン酸エタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸エタノールアミド、ポリオキシエチレンオレイン酸エタノールアミドなどのポリオキシC2−4アルキレンN−(ヒドロキシC1−4アルキル)−C6−24アルカンカルボン酸アミド;ポリオキシエチレンラウリン酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンオレイン酸ジエタノールアミドなどのジC1−4アルカノールアミンとC6−24アルカンカルボン酸とのアミドのC2−4アルキレンオキサイド付加体などが例示できる。
水酸基を有し、アルキレンオキサイド鎖を有しない脂肪酸アミド、もしくは水酸基及びアルキレンオキサイド鎖を有する脂肪酸アミドを用い、それらの水酸基の少なくとも一部を、アクリロイル基またはメタクリロイル基とイソシアネート基とを有する化合物(a3)を反応させることによって、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有した化合物を合成することができる。脂肪酸アミドの水酸基の全てを、上記イソシアネート基を有する化合物(a3)と反応させることが好ましい。これにより、硬化性化合物(A)に、ウレタン結合を介して、これらの官能基を導入することができる。
このとき得られる化合物は、脂肪酸アミド構造とウレタン構造との間にアルキレンオキサイド構造を有する。
平均で1個よりも多くのアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する脂肪酸アミドから得られる硬化性化合物(A)を用いることにより、本発明の硬化性組成物から形成される硬化塗膜の耐傷付き性、耐溶剤性を向上させることができる。
すなわち、活性エネルギー線硬化性化合物(A)は、たとえば、炭素数6以上の脂肪酸と水酸基を有する第1級もしくは第2級アミンとから形成される脂肪酸アミド構造を少なくとも有し、アルキレンオキサイド鎖と、ウレタン結合と、アクリロイル基またはメタクリロイル基とを有する化合物である。
(1)炭素数6以上の脂肪酸(a1)と水酸基を有する第1級または第2級アミン(a2)とをアミド化反応させ、水酸基を有する脂肪酸アミドを合成する工程;
(2)前記脂肪酸アミドの水酸基の少なくとも一部を、アクリロイル基またはメタクリロイル基とイソシアネート基とを有する化合物(a3)と反応させて、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する脂肪酸アミドを合成する工程;
を含む、脂肪酸アミド構造と、アルキレンオキサイド鎖と、アクリロイル基またはメタクリロイル基とを有する活性エネルギー線硬化性化合物(A)の製造方法により提供される。
硬化性化合物(B)としては、耐傷付き性、耐溶剤性に優れ、かつ強靭な硬化塗膜を形成し得るように、硬化に寄与するエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する、いわゆる多官能の化合物を主として用いることが好ましく、補助的に単官能のものも用いることができる。硬化性化合物(B)は、以下に例示するような化合物の複数種を組み合わせて使用してもよい。
ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、ポリエーテルポリ(メタ)アクリレート、ポリアクリルポリ(メタ)アクリレート、ポリアルキッドポリ(メタ)アクリレート、ポリエポキシポリ(メタ)アクリレート、ポリスピロアセタールポリ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンポリ(メタ)アクリレート、ポリチオールポリエンポリ(メタ)アクリレート、ポリシリコンポリ(メタ)アクリレート等の多官能のポリ(メタ)アクリレート化合物;
多価アルコールと多塩基酸および(メタ)アクリル酸とから合成されるエステル化合物、たとえばトリメチロールエタン/コハク酸/アクリル酸=2/1/4(モル比)から合成されるエステル化合物等が挙げられる。
、水素添加ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ノルボルナンージイソシア
ネートメチル、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。また前記ジイソシアネート化合物のトリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシアヌレート環を有する3量体等も用いることができる。
この微粒子は、屈折率、防弦性、反射防止性、低収縮・低カール性等、要求される機能に応じて、D50粒子径0.005〜30μmの粒径範囲から適宜選択することができる。
D50粒子径0.005〜0.1μmの微粒子を用いると、硬化塗膜の屈折率を調整すると共に、硬化塗膜の硬化時の収縮を抑制したり、高温高湿度の環境下に硬化塗膜が置かれた場合の収縮を抑制したりできる。
なお、D50粒子径は、マイクロトラック超微粒子粒度分析計(型式:UPA−EX150、日機装社製)によって求めた、粒径分布曲線の体積分布累積量の50%に相当する粒子径である。
用いられる光重合開始剤としては、たとえば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類等が挙げられる。具体的には、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド、ミヒラーズケトン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられ、これらの光重合開始剤は、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
溶剤の具体的としては、以下が例示できる。これらは単独で、または複数種を組み合わせて使用することができる。
芳香族系溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
グリコール系溶剤としては、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等が挙げられる。
硬化塗膜の厚みは、鉛筆硬度および耐摩耗性を確保し、また、部材との密着性の低下または硬化塗膜中のクラック発生を回避する観点から、4〜20μmであることが好ましく、4〜15μmであることがより好ましく、5〜10μmであることが更に好ましい。
プラスチック製のフィルムとしては、透明であるものが好ましい。
ポリエステル系ポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。セルロース系ポリマーとしては、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC)等が挙げられる。アクリル系ポリマーとしては、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
スチレン系ポリマーとしては、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体等が挙げられる。オレフィン系ポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体等が挙げられる。アミド系ポリマーとしては、ナイロンや芳香族ポリアミド等が挙げられる。
<活性エネルギー線硬化性化合物の合成工程>
攪拌翼、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えたフラスコに、ラウリン酸ジエタノールアミド(水酸基:2個、商品名:「アミゾールLDE」、川研ファインケミカル社製)28.7部を仕込み、温度70℃、空気を吹き込みながら、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(イソシアネート基:1個、商品名:「カレンズAOI」、昭和電工社製)28.2部を滴下し、滴下終了後3時間撹拌を維持した。反応終了後、室温に冷却し、化合物(A−1)を得た。
なお、ラウリン酸ジエタノールアミド由来の水酸基と2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート由来のイソシアネート基のモル比は、水酸基:イソシアネート基=2モル:2モルであり、合成例1の化合物(A−1)のアクリロイル基の平均個数は2個である。
合成例1において用いたラウリン酸ジエタノールアミド28.7部の代わりに、ミリスチン酸ジエタノールアミド(水酸基:2個、商品名:「アミゾールMDE」、川研ファインケミカル社製)を31.6部用いた以外は合成例1と同様の操作を行い、化合物(A−2)を得た。
なお、ミリスチン酸ジエタノールアミド由来の水酸基と2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート由来のイソシアネート基のモル比は、水酸基:イソシアネート基=2モル:2モルであり、合成例2の化合物(A−2)のアクリロイル基の平均個数は2個である。
合成例1において用いたラウリン酸ジエタノールアミド28.7部の代わりに、ステアリン酸ジエタノールアミド(水酸基:2個、商品名:「アミゾールSDE」、川研ファインケミカル社製)を37.2部用いた以外は合成例1と同様の操作を行い、化合物(A−3)を得た。
なお、ステアリン酸ジエタノールアミド由来の水酸基と2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート由来のイソシアネート基のモル比は、水酸基:イソシアネート基=2モル:2モルであり、合成例3の化合物(A−3)のアクリロイル基の平均個数は2個である。
合成例1において用いたラウリン酸ジエタノールアミド28.7部の代わりに、オレイン酸ジエタノールアミド(水酸基:2個、商品名:「アミゾールODHE」、川研ファインケミカル社製)を37.0部用いた以外は合成例1と同様の操作を行い、化合物(A−3)を得た。
なお、オレイン酸ジエタノールアミド由来の水酸基と2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート由来のイソシアネート基のモル比は、水酸基:イソシアネート基=2モル:2モルであり、合成例4の化合物(A−4)のアクリロイル基の平均個数は2個である。
合成例1において用いたラウリン酸ジエタノールアミド28.7部の代わりに、オレイン酸ジエタノールアミド(水酸基:2個、商品名:「アミゾールODHE」、川研ファインケミカル社製)を37.0部用い、28.2部用いた2−アクリロイルオキシエチルイソシアネートの代わりに、1、1−ビス(アクリロイルメチル)エチルイソシアネート(イソシアネート基:1個、商品名:「カレンズBEI」、昭和電工社製)を47.8部用いた以外は合成例1と同様の操作を行い、化合物(A−5)を得た。
なお、オレイン酸ジエタノールアミド由来の水酸基と1、1−ビス(アクリロイルメチル)エチルイソシアネート由来のイソシアネート基のモル比は、水酸基:イソシアネート基=2モル:2モルであり、合成例5の化合物(A−5)のアクリロイル基の平均個数は4個である。
合成例1において用いたラウリン酸ジエタノールアミド28.7部の代わりに、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(水酸基:1個、エチレンオキサイド数10個、商品名:「アミゼット10C」、川研ファインケミカル社製)を69.7部用い、28.2部用いた2−アクリロイルオキシエチルイソシアネートの代わりに、1、1−ビス(アクリロイルメチル)エチルイソシアネート(イソシアネート基:1個、商品名:「カレンズBEI」、昭和電工社製)を23.9部用いた以外は合成例1と同様の操作を行い、化合物(A−6)を得た。
なお、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸由来の水酸基と1、1−ビス(アクリロイルメチル)エチルイソシアネート由来のイソシアネート基のモル比は、水酸基:イソシアネート基(1、1−ビス(アクリロイルメチル)エチルイソシアネート由来)=1モル:1モルであり、合成例6の化合物(A−6)のアクリロイル基の平均個数は2個である。
攪拌翼、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えたフラスコに、デシルテトラデカノール(水酸基:1個、商品名:「リソノール24SP」、高級アルコール工業社製)35.5部を仕込み、温度70℃、空気を吹き込みながら、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名:「カレンズAOI」、昭和電工社製)14.1部を滴下し、滴下終了後3時間撹拌を維持した。反応終了後、室温に冷却し、化合物(X−2)を得た。
なお、デシルテトラデカノール由来の水酸基と2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート由来のイソシアネート基のモル比は、水酸基(デシルテトラデカノール由来):イソシアネート基(2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート由来)=1モル:1モルであり、合成例7の化合物(X−1)のアクリロイル基の平均個数は1個である。
化合物(B)としてのペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:「アロニックスM305」東亜合成社製)100部に対し、合成例1で合成した化合物(A−1)を5部、光重合開始剤としてイルガキュア184(チバスペシャリティーケミカルズ製)5部、プロピレングリコールメチルエーテル110部を混合し不揮発分50%の硬化性組成物(コーティング用組成物または塗液ともいう。)を得た。
この組成物を、厚さ約100μmの表面易接着処理ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:「コスモシャインA4100」東洋紡社製)の易接着処理面にバーコーターを用いて塗布し、熱風オーブンで溶剤を除去した後、出力80w/cmの高圧水銀ランプで紫外線を照射し、塗膜を重合硬化させ、乾燥膜厚約6μmのコート層を有する硬化塗膜付き基材を得た。
合成例1で合成した化合物(A−1)の代わりに、合成例2〜6で合成した化合物(A−2)〜(A−6)に変更した以外は、実施例1と同様にして硬化塗膜付き基材を得た。
実施例4のコーティング用樹脂組成物に、さらに微粒子としてD50粒子径の4μmのシリカ(商品名:「Nipsil SS50−B」東ソーシリカ社製)を4部加えて塗液を調製した以外は、実施例1と同様にして、硬化塗膜付き基材を得た。
合成例1で合成した化合物(A−1)を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして硬化塗膜付き基材を得た。
合成例1で合成した化合物(A−1)の代わりに、オレイン酸ジエタノールアミド(水酸基:2個、商品名:「アミゾールODHE」、川研ファインケミカル社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして硬化塗膜付き基材を得た。
合成例1で合成した化合物(A−1)の代わりに、合成例7で合成した化合物(X−1)を用いた以外は、実施例1と同様にして硬化塗膜付き基材を得た。
合成例1で合成した化合物(A−1)の代わりに、ジメチルシロキサン骨格を含有するレベリング剤(商品名:「BYK−UV3500」ビックケミー・ジャパン社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして硬化塗膜付き基材を得た。
合成例1で合成した化合物(A−1)の代わりに、ビニル基を1個含有するポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(商品名:「アクアロンRN−10」第一工業製薬社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして硬化塗膜付き基材を得た。
硬化塗膜付き基材の硬化塗膜面に対して、クレメンス型引掻き硬度試験機(型式:HA−301テスター産業社製)を用いてJISK5400に準拠し、荷重750gにて測定した。
#0000のスチールウールを装着した1平方センチメートルの角形パッドを硬化塗膜付き基材の硬化塗膜面上に置き、荷重500gで10回往復させた後、外観を目視で評価し、傷の本数を測定した。
溶剤処理前面評価として、試験者の頬に人差し指を1秒間押し当てた後に、その人差し指を各実施例及び比較例の硬化塗膜付き基材の硬化塗膜面の上に2秒間押し付けた。その後、別の指で10回軽くこすり、目視観察によって拭き取り性(未処理面)を以下の基準で評価した。なお、評価Aおよび評価Bは実用上支障の無い性能を有している。
A:拭き取り跡が残らない。
B:拭き取り跡がわずかに残る。
C:拭き取り跡が残る。
また、溶剤処理後評価として、イソプロパノールで湿らせた脱脂綿をコート層付き基材のコート層面の上に置き、50回往復させた後、未処理面評価と同様に評価を行った。
硬化塗膜付き基材の硬化塗膜面を、イソプロパノールで湿らせた脱脂綿で50往復擦った後、肉眼で塗膜外観を評価した。
Haze Meter(型式:NDH2000、日本電色社製)を用いて硬化塗膜付き基材のヘイズ値(Hz)および全光線透過率(T.t.)を測定した。
さらに、微粒子を含有する硬化性組成物を用いた実施例7の硬化塗膜付き基材は、全光線透過率をさほど低下させることなく、5%と比較的大きなヘイズ値を得ることができた。よって、このような硬化塗膜付き基材は、硬化塗膜側から入射した光を硬化塗膜表面で乱反射させることによって、直接目に入る反射光を和らげ、まぶしさを低減する効果をも奏する。
脂肪酸アミドを含有する比較例2では、比較例1に比して指紋拭き取り性は良好であったが、用いた脂肪酸アミドが、活性エネルギー線硬化機能を担う官能基を全く有しないものであるため、硬化塗膜の耐溶剤性が不十分であり、溶剤で硬化塗膜を拭いた後は指紋拭き取り性が低下してしまうとともに、耐擦傷性試験における傷付きも多く、ハードコート性が不足していた。
Claims (11)
- 炭素数6以上の脂肪酸からなる脂肪酸アミド構造と、アルキレンオキサイド構造と、アクリロイル基またはメタクリロイル基とを有する活性エネルギー線硬化性化合物(A)と、
前記活性エネルギー線硬化性化合物(A)とは異なる活性エネルギー線硬化性化合物(B)と、
を含有する活性エネルギー線硬化性組成物。 - 前記活性エネルギー線硬化性化合物(A)の脂肪酸アミド構造は、炭素数6以上の脂肪酸(a1)と水酸基を有する第1級または第2級アミン(a2)を反応させることにより形成されたものである、請求項1記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 前記活性エネルギー線硬化性化合物(A)の脂肪酸アミド構造は、炭素数12以上の脂肪酸(a1)と水酸基を有する第1級または第2級アミン(a2)とを反応させることにより形成されたものである、請求項2記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 前記活性エネルギー線硬化性化合物(A)の脂肪酸アミド構造は、炭素数12〜24の脂肪酸(a1)と水酸基を有する第1級または第2級アミン(a2)とを反応させることにより形成されたものである、請求項3記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 前記活性エネルギー線硬化性化合物(A)は、前記水酸基を有する第1級または第2級アミン(a2)の水酸基に由来するウレタン結合を介して、アクリロイル基またはメタクリロイル基が導入されている、請求項2〜4のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 前記ウレタン結合は、水酸基を有する第1級または第2級アミン(a2)に由来する少なくとも一部の水酸基を、アクリロイル基またはメタクリロイル基とイソシアネート基とを有する化合物(a3)を反応させることにより形成されたものである、請求項5記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 前記アルキレンオキサイド構造が、水酸基を有する第1級または第2級アミン(a2)由来の水酸基とイソシアネート基とを有する化合物(a3)との反応により生成してなるものか、又は脂肪酸(a1)と水酸基を有する第1級または第2級アミン(a2)との反応により生じた脂肪酸アミド中の水酸基を有する第1級または第2級アミン(a2)由来の水酸基に付加されたアルキレンオキサイド鎖であることを特徴とする請求項6項記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 前記水酸基を有するアミン(a2)の水酸基が2個であることを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 前記活性エネルギー線硬化性化合物(A)は、アクリロイル基またはメタクリロイル基を、平均で1分子中に1個よりも多く有するものである、請求項1〜8のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 耐指紋性硬化塗膜形成用である、請求項1〜9のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- ガラス、プラスチック、金属、木質部材および紙の中から選ばれる少なくとも1つの部材の少なくとも一部に、請求項1〜10のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化性組成物から形成される硬化塗膜が設けられてなる、硬化塗膜付き部材。
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