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JP5528174B2 - 固体酸化物形燃料電池用集電材およびそれを用いた固体酸化物形燃料電池用セル - Google Patents

固体酸化物形燃料電池用集電材およびそれを用いた固体酸化物形燃料電池用セル Download PDF

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Description

本発明は、アンモニアガスを燃料とする固体酸化物形燃料電池(以下、SOFCとも記載する)に関し、詳しくは固体電解質の片面側に燃料極が形成され、他面側に空気極が形成されたSOFCにおいて、燃料極側に設置された燃料極集電体、並びに当該燃料極集電体を有する固体酸化物形燃料電池用セルに関する。
従来、SOFCの燃料としては水素や天然ガスの水蒸気改質ガスが一般的で広く検討されているが、これら以外にもメタンガス、メタンハイドレートなどの炭化水素系ガス;アルコール;コークス炉ガス、石炭乾溜ガス(COG)、石炭ガス化ガスなどの石炭ガス;し尿や生ゴミ等を発酵処理して得られるバイオガス;ガソリン;灯油;などが燃料として利用可能である。しかし、これらの燃料は、分解生成物の1つである炭素の燃料極へのデポジットの問題や燃料中に含まれる不純物成分(付臭剤などの硫黄系化合物、塩素、Si系化合物、アルカリ金属など)による燃料極電極触媒への被毒の問題がある。また、発電反応後には炭酸ガスとして排出されるので、低炭素社会の実現のための環境エネルギー技術としては必ずしも十分なものではない。
そこで、非炭化水素系で炭酸ガスを排出せず、しかも炭素デポジットや不純物の問題が無い上にエネルギー密度が高いアンモニアを燃料とするSOFCが検討されつつある(例えば非特許文献1、2)。しかし、その多くは初期の発電性能に係わる研究であって、排気ガスに含まれる未反応のアンモニアガスに関する研究は十分になされていない。
一方、高分子電解質形燃料電池(以下、PEFCと記載する。)では、アンモニア燃料としたいろいろな技術が開示、改良されているが、いずれもアンモニアを一旦水素に分解し、この水素を燃料として供給する技術である。例えば、特許文献1では、アンモニアを主成分とする燃料を、アンモニア分解反応器内で分解反応により水素を発生させ、その発生水素を分解反応器内部に具備した水素分離膜を通して水素を取り出し、この精製された水素を燃料電池の燃料水素として用いるようにした燃料電池用水素供給システムを用いた技術が開示されている。しかし、当然のことではあるが、PEFCでアンモニアを直接供給する技術は開示されていない。
非特許文献1には、Ni/8YSZを燃料極とした100cmの電解質支持型セル(以下、ESCと記載する)や81cmの燃料極支持型セル(以下、ASCと記載する)を用いて700〜1000℃でアンモニアの分解率を決定するためにアンモニア排出濃度が測定されている。それによると、1000℃では平衡組成とほぼ同じ約15ppmであるが、温度が下がるにつれて増加し750℃では約80ppm、700℃では約250ppmであり、このようなシステムで効率よく燃料のアンモニアを用いるものではない。このような場合、未分解アンモニアをトラップ・分解処理する対策を採ると、SOFCシステムが複雑になり、またメンテナンスも煩雑になるので、コストUP要因になる虞れがある。
特開平8−78039号公報
第6回ヨーロッパSOFCフォーラム講演予稿集(第3巻、P.1524、2004年) Journal of Power Sources Vol.118、(2003年)、p.342−348
本発明の目的は、アンモニアを含むガスを燃料とするSOFCにおいて、アンモニア分解反応器を必要とせず、当該燃料を、燃料極集電体を通して直接燃料極側に供給し、SOFC定常運転時のアンモニアのSOFC系外への排出量を長期にわたって極力少なくできる固体酸化物形燃料電池用燃料極集電材料、および当該燃料極集電材料によって形成された固体酸化物形燃料電池用燃料極集電体、並びに当該燃料極集電体を有する固体酸化物形燃料電池用セルを提供することにある。
本発明者らは、上記した目的を達成すべく鋭意研究した結果、アンモニアを含むガスを燃料とする固体酸化物形燃料電池用セルに用いられる燃料極集電体として、燃料極に用いられる導電性金属と同種の金属と、アンモニア分解触媒とを含む材料構成とすることが有効であることを発見し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、1つの面において、燃料極集電体に用いられる材料として、少なくとも燃料極に用いられる導電性金属と同種の金属、およびアンモニア分解触媒を含むことを特徴とする固体酸化物形燃料電池用セルの燃料極集電材料にある。このとき、当該アンモニア分解触媒が周期律表第6族〜10族の元素の金属からなる群より選択される少なくとも1種であること、特に、Mo、W、Fe、Ru、Co、Ni、PdおよびPtの金属からなる群より選択される少なくとも1種であることが好適である。
また、本発明は、もう1つの面において、固体酸化物形燃料電池における燃料極側に設置される燃料極集電体であって、前記の燃料極集電材料で形成された燃料極集電体にある。その形態は、少なくとも前記アンモニア分解触媒、および燃料極に用いられる導電性金属と同種の金属を含む材料からなることが好ましい。
さらには、本発明は、他の面において、本発明の燃料極集電体を有する固体酸化物形燃料電池用セルにある。
なお、本発明で燃料とするアンモニアを含むガスとは、アンモニアガス、液化アンモニアガス、し尿や生ゴミ等を発酵処理、或いは豚糞及び牛糞等畜産廃棄物の高効率嫌気性消化槽から発生するバイオガスの他、天然ガス、メタンガス、メタンハイドレートなどの炭化水素系ガス;アルコール;コークス炉ガス、石炭乾溜ガス(COG)、石炭ガス化ガスなどの石炭ガスなどであるが、本発明ではアンモニア濃度が30%以上、好ましくは50%以上のアンモニアガス、液化アンモニアガス、し尿や生ゴミ等を発酵処理或いは豚糞及び牛糞等畜産廃棄物の高効率嫌気性消化槽から発生するバイオガスが好適に使用される。特に、アンモニアガス、液化アンモニアガスが好適である。
本発明によれば、以下の詳細な説明から理解されるように、本発明の燃料極集電材料は、燃料極に用いられる導電性金属と同種の金属とアンモニア分解触媒を含むことによって、集電性能を損なうことなくアンモニア分解性にも優れた燃料極集電材料とすることができる。その結果、アンモニアを含むガスを燃料とする固体酸化物形燃料電池の系外に排出される未分解アンモニアが極めて少なく、好ましくはアンモニア排出濃度が5ppm以下になり、健康上や環境上も問題とはほとんどならなくなるとともに、発電性能もアンモニア分解触媒を含まないものと遜色ないものとなる。
また、本発明の燃料極集電体を有するセルを用いた固体酸化物形燃料電池は、アンモニア分解反応器、未分解アンモニアの系外排出を抑制するためのアンモニアトラップによる回収システム、未分解アンモニアを含むガスをリサイクルするための配管システムなどが不要になり、小型かつコンパクトであるにもかかわらず高出力な燃料電池を提供することができる。
本発明による固体酸化物形燃料電池用燃料極集電材料は、アンモニアを含むガスを燃料とするいろいろなタイプの固体酸化物形燃料電池用セルにおいて燃料極集電体の形成に有利に使用することができる。典型的には、平板型セル、円筒型セル、セグメント型セルなどである。平板型セルは電解質支持型セル(ESC)、燃料極支持型セル(ASC)、空気極支持型セル(CSC)に分けることができる。円筒型セルは、円筒縦縞型セルと円筒横縞型セルに分けることができ、さらにその中に、円筒平板型セルを含むことができる。要するに、本発明の実施において、SOFCは、刊行物等で公知な構造及び現在実施されている構造を含めたいろいろな構造を有することができる。
本発明の固体酸化物形燃料電池用セルは、基本的に、従来一般的な燃料電池と同様に、固体電解質と、該電解質の一方の面に形成された燃料極と、該電解質の他方の面に形成された空気極とを含むセルとして構成することができ、本発明の範囲において任意に変更し、改良することができが、以下に詳細に説明するように、本発明の燃料極集電材料から形成された燃料極集電体が設置されることが肝要である。
本発明の実施において、固体酸化物形燃料電池用セルの固体電解質は、いろいろな形態で形成することができる。この電解質は、典型的には、平板の形態であるかもしくはフィルム、薄膜、コーティングなどの形態である。また、固体電解質の材質は、特に限定されるものではなく、例えば、次のような公知の材料を包含する。
(a)YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、ScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)、これらのジルコニアにさらにCe、Al等をドープしたジルコニア系粉末
(b)SDC(サマリアドープドセリア)、GDC(ガドリアドープドセリア)等のドープセリア系粉末
(c)LSGM(ランタンガレート)系粉末、例えばLa0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2
(d)酸化ビスマス系粉末、例えばBi
固体電解質の厚さは一般的に5〜500μmの範囲であり、それ自体が燃料極及び空気極のための支持機能を有しているESCの場合は50〜500μm、好ましくは100〜400μm、燃料極によって固体電解質が支持されるASCの場合は5〜100μm、好ましくは10〜50μmである。
固体電解質は、シート、薄膜、フィルム等の形成に慣用されている任意の技法、例えばグリーンシートプロセスを使用して形成することができる。例えば、上記固体電解質材料のペーストを所定のパターンで塗布し、乾燥してグリーンシートを形成した後、そのグリーンシートを高温で焼成することによってシート状固体電解質を容易に形成することができる。ペーストの塗布には、例えば、スクリーン印刷法などの印刷法を有利に使用することができる。具体的には、例えば平板状の仮支持体の片面に固体電解質材料のペーストを所定のパターンで印刷し、乾燥及び焼成することによって膜状の固体電解質を形成することができる。焼成温度は、使用する固体電解質材料の特徴などに応じて広い範囲で変更することができるけれども、通常、約1200〜1500℃の範囲である。
空気極は、本発明の実施において特に限定されるものではなく、燃料電池に一般的に使用されている空気極材料から形成することができる。適当な空気極形成材料として、マンガン系、フェライト系、コバルト系やニッケル系ペロブスカイト型構造の酸化物が好ましく、例えば、ストロンチウム(Sr)等の周期律表第2族元素が添加されたランタンストロンチウムマンガナイト(LaSr1−XMnO)、ランストロンチウムコバルタイト(LaSr1−XCoO)、ランストロンチウムコバルトフェライト(LaSr1−XCoFe1−Y)、ランタンニッケルフェライト(LaNiFe1−Y)などを挙げることができる。
また、上記酸化物にYSZ、ScSZ、ScCeSZなどのジルコニア系粉末セラミックスやSDC、GDCなどのドープセリア系粉末が混合されていてもよい。
空気極は、内部に空気又は酸素が充分に拡散でき、かつ充分な電気伝導性を維持できる程度に、多孔質に形成される。空気極の気孔率は、いろいろに変更することができるけれども、通常、約10〜60%であることが好ましい。また、固体電解質を比較的に薄く形成したような場合には、空気極を例えば導電性メッシュのような支持体で支持するような構成を採用してもよい。空気極を導電性メッシュで支持した場合、耐熱衝撃性を高め、急激な温度変化によるひび割れの発生を防止することができる。
また、空気極の厚さは、いろいろに変更することができるけれども、通常、約20〜200μmであり、好ましくは約30〜120μmである。空気極が薄すぎると、空気極本来の機能を得ることができなくなり、不十分な空気極反応の結果として出力の低下などの問題が引き起こされる。
空気極は、薄膜、フィルム等の形成に慣用されている任意の技法を使用して形成することができる。例えば、空気極は、すでに形成してある固体電解質の表面に空気極形成性のペーストを所定のパターンで塗布し、乾燥後に焼成することによって容易に形成することができる。ペーストの塗布には、例えば、スクリーン印刷法などの印刷法を有利に使用することができる。焼成温度は、使用する空気極形成材料の特徴などに応じて広い範囲で変更することができるけれども、通常、約900〜1500℃の範囲である。もちろん、必要ならば、その他の手法を使用して空気極を形成してもよい。
本発明の固体酸化物形燃料電池用セルでは特定の燃料極集電材料から形成された燃料極集電体を有する。当該燃料極材料は、少なくともアンモニア分解触媒、および燃料極に用いられる導電性金属と同種の金属元素を含んで構成される。
ここで燃料極に用いられる導電性金属とは、燃料極集電体が設置されている燃料極中に含有されている導電性金属をいう。
前記導電性金属は、本発明の実施において特に限定されるものではなく、燃料電池に一般的に使用されている導電性金属を使用できる。具体的には、Ni、Co、Pt、Pd、Ruといった金属、あるいはそれらの合金が選択される。なお、本発明では、SOFCシステムが定常運転されている状態での燃料極の状態で特定していることから、上記金属の酸化物であっても、還元雰囲気に曝されて上記金属になっているものは導電性金属として包含されるものとする。
次いで、本発明の燃料極集電材料におけるアンモニア分解触媒とは、アンモニアを含む燃料ガス中のアンモニアが水素と窒素に分解するのを促進する触媒である。その触媒成分は、周期律表第6族〜10族の元素の金属からなる群より選択される少なくとも1種であり、具体的には、Mo、W、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Ptなどなる群より選択される少なくとも1種であり、それらの合金であってもよい。特に、W、Fe、Ru、Co、Ni、PdおよびPtの群から選択される金属が好ましい。なお、本発明では、上記導電性金属の場合と同様にアンモニア分解触媒の場合も、上記金属の酸化物であっても燃料極集電体が還元雰囲気に曝された状態で上記金属に還元されるものはアンモニア分解触媒として包含される。
アンモニア分解活性を有するこれら金属は、前記導電性金属との混合体中に分散されていることが好ましい。
さらに加えて、本発明の燃料極集電材料におけるアンモニア分解触媒は、アンモニアに対する吸着能を式:吸着分子数(モル)/アンモニア分解触媒の単位面積(m)で表した場合、約0.1×10−6モル/m〜10×10−6モル/mの吸着能を示すことが好ましい。アンモニア分解触媒の吸着能が0.1×10−6モル/mを下回ると、水素に分解されずに未分解のままアンモニアが多くなり、燃料電池系外に排出されるアンモニア濃度も高くなる不具合が発生し、反対に10×10−6モル/mを上回ると、反応物のアンモニア分解触媒からの脱離が起き難くなり、結果として電極反応が不活発になるといった不具合が発生する。
アンモニア分解触媒となる上記金属はその粒子径が0.01〜5μmの範囲のものがアンモニア分解活性に優れ好ましく、0.05〜3μmの範囲のものが特に好ましい。粒子径が0.01μmを下回ると、短時間のうちに凝集が起こって巨大粒子となりアンモニア分解活性が大きく低下する不具合が発生し、反対に5μmを上回ると、凝集は起こりにくくなるがアンモニア分解活性は低く、水素に分解されずに未分解のままアンモニアが多くなり、SOFC系外に排出されるアンモニア濃度も高くなる不具合が発生する。
次いで本発明の燃料極集電体について説明する。
前記に記載の燃料極集電材料を含む燃料極集電体には、(1)ガス拡散性、(2)熱膨張挙動の整合性、(3)電子伝導性、(4)化学的・熱力学的安定性等の特性が要求されている。これらの観点の中でも、熱膨張挙動の整合性を燃料極となるべく整合させるために、燃料極集電材料には、該燃料極集電体が設置された燃料極に含有されている導電性金属と同じ金属を含むことが好ましい。
燃料極集電体の厚さは、いろいろに変更することができるけれども、通常、約10〜100μmであり、好ましくは約20〜50μmである。集電体が薄すぎると、燃料極とセパレータとの間の隙間を埋めることが出来なくなる。また、集電体が厚すぎると、燃料極集電体自身の抵抗による損失が大きくなる。
また、本発明の燃料極集電体は、内部に燃料となる分子等が充分に拡散でき、かつ充分な電気伝導度を維持できる程度に、多孔質に形成される。燃料極集電体の気孔率は、いろいろに変更することができるけれども、通常、約10〜70%の範囲であることが好ましく、20〜60%の範囲であることがより好ましい。
それらの中でアンモニアを含むガスを燃料とする場合には、未分解のアンモニアを出来うる限り減量せしめるために、本発明では燃料極集電体がアンモニア分解触媒を含む燃料極集電材料から形成されるが、燃料極集電体中におけるアンモニア分解触媒の好ましい形態としては、燃料極に使用されている導電性金属と同種の金属とアンモニア分解触媒が、均一に分散した状態であることが好ましい。
これらは、アンモニア分解触媒が燃料極集電体中に分散されていることから、継続してアンモニアを含むガスを燃料として供給しても、発電性能が維持されつつ、安定したアンモニア分解活性が発揮され、系外に排出される未分解アンモニア量が低減される。
燃料極集電体は、本集電材料を印刷や塗布にて燃料極側に形成することにより得られる。あるいは、集電材料を燃料極側に形成した後、焼結して用いても良い。また、燃料極集電体は、種々の態様で形成することができるが、例えば、規則性を持つパターンで、燃料極上に形成することができる。一例として、格子状にパターン形成することにより燃料極が露出するため、ガス拡散性をさらに向上させることが出来る。また、印刷や塗布をせずに、シート状の集電材料を用い、燃料極上に設置しても良い。
本集電材料を印刷や塗布にて燃料極側に形成する際には、導電性金属粉末あるいは該当する導電性金属の酸化物と、アンモニア分解触媒の粉末とに加え、さらに、バインダーを含んでいても良い。バインダーを用いてスラリー状とすることで、集電材料の流動性または可塑性が向上する。そのため、燃料極とセパレータとの間に生じる隙間を一層埋めやすくなり、接触抵抗を一層低減させやすくなるからである。また、単セル表面に本集電材料を付着させた後、脱落などが生じ難くなるからである。なお、上記バインダーは、SOFCの初回昇温時などに消滅する。
上記バインダーとしては、具体的には、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルブチラール、ポリエチレン、ポリメチルメタアクリレート、シンナー、ポリビニルアルコール、メチルセルロースなどを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
本集電材料は、例えば、所望の割合となるように秤量した導電性金属粉末あるいは該当する導電性金属の酸化物と、アンモニア分解触媒の粉末とを適当な混合方法により混合することにより得ることができる。上記混合方法は、特に限定されるものではなく、ボールミル、サンドミル、振動ミル、ビーズミルなどの各種の混合方法を例示することができる。また、混合は、乾式で行っても良いし、水やアルコールなど適当な溶媒を加えて湿式で行っても良い。
バインダーを用いる場合には、予め導電性金属粉末あるいは該当する導電性金属の酸化物粉末とアンモニア分解触媒粉末とを混合し、混合粉末を調製し、これをバインダー中に、超音波を付与するなどして分散させるなどすれば良い。他にも、導電性金属粉末あるいは該当する導電性金属の酸化物粉末とアンモニア分解触媒粉末およびバインダーを一緒に混練したり、導電性金属粉末あるいは該当する導電性金属の酸化物粉末とアンモニア分解触媒粉末の何れか一方の粉末とバインダーとを混練し、これに残った他方の粉末を添加し、さらに混練したりするなどしても良い。また、上記調製には、バインダー以外にも、有機溶剤、水などの各種溶媒や分散剤なども適宜併用することができる。
アンモニア分解触媒においては、周期律表第6族〜10族の元素の金属からなる群より選択される少なくとも1種のアンモニア分解触媒の量(金属換算)は、該アンモニア分解触媒および燃料極に含有される導電性金属と同種の金属との合計量に対して5〜95質量%、好ましくは10〜80質量%、更に好ましくは20〜70質量%である。
本発明による固体酸化物形燃料電池用セルは、アンモニアを含むガスを燃料としても発電効率に優れ、長寿命化、低コスト化が可能であり、アンモニア排出量も極めて少ないので環境上、保健上も問題がなく、いろいろな分野において有利に製造することができる。例えば、本発明の燃料電池は、自動車用発電や業務用発電、家庭用発電などの分野で有利に利用することができる。また、小型化することで、例えばLEDの点灯、LCDの表示、携帯ラジオ、携帯情報機器などの駆動にも有利に利用することができる。
以下に実施例と比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明の趣旨に反しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(燃料極材料)
市販の酸化ニッケル粉末(正同化学社製:製品名:Green、平均粒子径:0.7μm、比表面積:3.5m2/g)を55質量%および、電解質粒子として、市販の10モル%スカンジア1モル%安定化ジルコニア粒子(第一稀元素化学工業社製;製品名:10Sc1CeSZ、平均粒子径:0.6μm、比表面積:10.8m2/g)45質量%を、攪拌して混合物とし、燃料極材料を調製した。
(空気極用材料)
市販の酸化ランタン、炭酸ストロンチウム、酸化コバルトおよび酸化鉄粉末から固相法で合成したランタンストロンチウムコバルトフェライト粉末La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8(平均粒子径:0.7μm、比表面積:3.5m2/g)80質量%と、市販の酸化サマリウムおよび酸化セリア粉末から固相法で合成した30モル%サマリアドープセリア(平均粒子径:1.9μm、比表面積:2.4m2/g)20質量%とを攪拌混合して空気極材料とした。
(燃料極集電体材料)
アンモニア分解触媒として、市販の金属ルテニウム粉末(フルヤ化学社製)、導電性金属材料として、市販の金属ニッケル粉末(井原技研社製)を用いた。ルテニウム粉末20質量%と金属ニッケル粉末80質量%とを攪拌混合して混合物とし、当該混合物100質量部に対して、ポリエチレングリコールを7質量部加え、さらに攪拌混合して燃料極集電材料のペーストを調製した。
(燃料極集電体付きセルの作製)
電解質として、ドクターブレード法を用いて作成、焼成した10モル%スカンジア1モル%安定化ジルコニアシート(直径:120mm、厚さ300μm)を用いた。この電解質の一方に面に、上記燃料極材料にバインダー(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、n−パラフィン、テレピン油、セルロース系樹脂)を加えた後混練して調製した燃料極ペーストをスクリーン印刷法で塗布し、乾燥後、1300℃で2時間焼成して形成した。なお、燃料極の厚さは40μmで気孔率は35%であった。
次いで、上記電解質の他方の面に、上記の空気極材料とバインダーを用い、同様にして空気極ペーストを調製し。950℃で焼成した以外は燃料極と同様にして空気極を形成し、電極有効面積が95cmの固体酸化物形燃料電池用セルを作製した。次いで、スクリーン印刷法を用いて燃料極の表面上に、上述した燃料極集電材料のペーストを塗布し、厚さ約25μmの燃料極集電体を形成することで燃料極集電体付きセルを作製した。
(比較例1)
実施例1の燃料極集電材料において、アンモニア分解触媒としての金属ルテニウム粉末を添加せず、金属ニッケル粉末のみを燃料極材料とした以外は、実施例1と全く同様にして、燃料極集電体付きセルを作製した。
(発電試験と排気ガス中のアンモニア量の測定)
上記実施例1と比較例1で得た燃料極集電体付きセルを用いて、800℃で発電試験を行った。すなわち、当該セルの空気極側に白金網(80メッシュ)を設置した後、2枚の金属マニホルドで空気極と燃料極の両側からセルを挟持し、燃料ガスとしてボンベのアンモニア(流量1L/min)、酸化剤ガスとして空気(流量1L/min)を供給した。
測定に当たっては、電流測定器としてアドバンテスト社製の型番「TR6845」、電流電圧発生器としては高砂製作所社製の型番「GP016−20R」を使用し、定常運転になってから1000時間継続して発電試験を行い、電流密度が0.5A/cmの時のセル面積抵抗(ASR)を200時間ごとに算出した。
また、定常運転後200時間ごとに燃料極排ガスの一部をガスサンプラーで捕集し、ガスクロにて排ガス中のアンモニア含有量を測定した。
結果を表に示す。
Figure 0005528174
表1からも明らかな様に、燃料極集電体にアンモニア分解触媒を含む実施例1のセルでは、燃料極排ガス中のアンモニア含有量は30ppm以下であるが、アンモニア分解触媒を含まない比較例1のセルでは、アンモニア含有量は400ppm以上であり、アンモニア分解触媒の効果が明確に表れている。また、発電試験では、アンモニア分解触媒を含む実施例1と比較例1とでは、面積抵抗値およびその経時変化にほとんど差は無く、アンモニア分解触媒を燃料極集電体に含むことによっても、その発電性能を損なっていないことが判る。
本発明は、新規な発電に関するものであり、新たなエネルギーに関する分野に展開することができる。

Claims (5)

  1. アンモニアを含むガスを燃料とする固体酸化物形燃料電池の燃料極側に設置された燃料極集電体を形成するための集電材料であって、少なくともアンモニア分解触媒と、前記燃料極を構成している導電性金属と同種の金属を含み、前記アンモニア分解触媒が周期律表第6族〜10族の元素の金属からなる群より選択される少なくとも1種であり、前記燃料極を構成している導電性金属と同種の金属が、Fe、Co、NiおよびCuからなる群より選択される少なくとも1種の金属である(但し、前記アンモニア分解触媒と前記燃料極を構成している導電性金属と同種の金属とが、同金属元素である場合を除く。)ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池用燃料極集電材料。
  2. 前記アンモニア分解触媒が、Mo、W、Fe、Ru、Co、Ni、PdおよびPt、の金属からなる群より選択される少なくとも1種である請求項に記載の燃料極集電材料。
  3. 固体酸化物形燃料電池における固体電解質の燃料極側に形成される燃料極集電体であって、請求項1または2に記載の燃料極集電材料で形成されたものであることを特徴とする固体酸化物形燃料電池用燃料極集電体。
  4. 前記燃料極集電体において、前記アンモニア分解触媒が、均一に分散されていることを特徴とする請求項に記載の固体酸化物形燃料電池用燃料極集電体。
  5. 固体電解質の片面側に燃料極が形成され、他面側に空気極が形成されたアンモニアを含むガスを燃料とする固体酸化物形燃料電池用セルにおいて、燃料極側に燃料極集電体が設置されたセルであって、前記燃料極集電体が請求項あるいは請求項に記載の集電体であることを特徴とする集電体付き固体酸化物形燃料電池用セル。
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