JP5523247B2 - ポリアミド組成物及びポリアミド組成物からなる成形体 - Google Patents
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Description
例えば自動車産業においては環境に対する取り組みとして排出ガス低減のために、金属代替による車体軽量化の要求がある。かかる要求に応えるために、外装材料や内装材料等にポリアミドが一段と用いられるようになっており、ポリアミド材料に対する耐熱性、強度、及び外観等の要求特性のレベルは一層向上している。
特に、エンジンルーム内の温度も上昇傾向にあるため、ポリアミド材料に対する高耐熱化の要求が強まっている。
具体的には、テレフタル酸とヘキサメチレンジアミンからなるポリアミド(以下、「PA6T」と略称する場合がある。)等が提案されている。
このPA6Tは、融点が370℃程度の高融点ポリアミドであるが、溶融成形により成形体を得ようとすると、ポリアミドの熱分解が激しく起こり、十分な特性を有する成形体を得ることが困難である。
具体的には、特許文献2には、ジカルボン酸単位として1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を1〜40%配合した半脂環族ポリアミドの電気及び電子部材は、ハンダ耐熱性に優れていることが開示されており、特許文献3には、半脂環族ポリアミドの自動車部品は、流動性及び靭性等に優れていることが開示されている。
このポリアミドの製造方法については、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸と、1,9−ノナンジアミンとを230℃以下で反応させてプレポリマーを作り、そのプレポリマーを230℃で固相重合し、融点311℃のポリアミドを製造することが開示されている。
そのため、外装部品のような外観が要求され、日光等に曝される用途には不向きであり、さらには比重も大きく軽量化の面で改善を図ることが必要である。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(A):(a)少なくとも50モル%の脂環族ジカルボン酸を含有するジカルボン酸と、(b)少なくとも50モル%の炭素数3〜20の分岐状飽和脂肪族ジアミンを含有するジアミンと、を重合させたポリアミドと、
(B):ガラス繊維と、
(C):前記ガラス繊維(B)以外の無機充填材と、
を、含有し、
前記(A)ポリアミド100質量部に対して、前記(C)前記ガラス繊維(B)以外の無機充填材1〜200質量部を含有するポリアミド組成物を提供する。
〔2〕
前記(b)ジアミン中に含有されている前記炭素数3〜20の分岐状飽和脂肪族ジアミンが、2−メチルペンタメチレンジアミンである前記〔1〕に記載のポリアミド組成物を提供する。
〔3〕
前記(a)ジカルボン酸中に含有されている前記脂環族ジカルボン酸が、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸である前記〔1〕又は〔2〕に記載のポリアミド組成物を提供する。
〔4〕
前記(a)ジカルボン酸が、炭素数10以上の脂肪族ジカルボン酸を、さらに含有する前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載のポリアミド組成物を提供する。
〔5〕
前記(A)ポリアミドは、(c)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸が、さらに共重合されているポリアミドである前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載のポリアミド組成物を提供する。
〔6〕
前記(A)ポリアミドの融点Tm2が270〜350℃である前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載のポリアミド組成物を提供する。
〔7〕
前記(A)ポリアミドにおけるトランス異性体比率が50〜85%である前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載のポリアミド組成物を提供する。
〔8〕
(A):(a)少なくとも50モル%の脂環族ジカルボン酸を含有するジカルボン酸と、(b)少なくとも50モル%の炭素数3〜20の分岐状飽和脂肪族ジアミンを含有するジアミンと、を重合させたポリアミド:100質量部と、
(B):ガラス繊維:1〜200質量部と、
(C):ウォラストナイト、カオリン、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、クレーからなる群から選ばれる少なくとも1種の無機充填材:1〜200質量部と、
を、含有する前記〔1〕乃至〔7〕のいずれか一に記載のポリアミド組成物を提供する。
〔9〕前記(C)無機充填材の平均粒径が0.01〜38μmである、前記〔1〕乃至〔8〕のいずれか一に記載のポリアミド組成物を提供する。
〔10〕前記〔1〕乃至〔9〕のいずれか一に記載のポリアミド組成物からなる成形体を提供する。
(A):(a)少なくとも50モル%の脂環族ジカルボン酸を含有するジカルボン酸と、
(b)少なくとも50モル%の主鎖から分岐した置換基を持つジアミンを含有するジアミンと、を重合させたポリアミドと、
(B):ガラス繊維と、
(C):前記ガラス繊維(B)以外の無機充填材と、
を、含有し、
前記(A)ポリアミド100質量部に対して、前記(C)前記ガラス繊維(B)以外の無機充填材1〜200質量部を含有する。
本実施形態のポリアミド組成物は、(A)ポリアミド、(B)ガラス繊維、(C)前記(B)以外の無機充填材を含有するポリアミド組成物である。
本実施形態のポリアミド組成物を構成する(A)ポリアミドは、下記の(a)ジカルボン酸と、(b)ジアミンとを、重合させたものである。
(a)少なくとも50モル%の脂環族ジカルボン酸を含有するジカルボン酸。
(b)少なくとも50モル%の主鎖から分岐した置換基を持つジアミンを含有するジアミン。
なお、ポリアミドとは、主鎖中にアミド結合(−NHCO−)を有する重合体を意味する。
(a)ジカルボン酸は、少なくとも50モル%の脂環族ジカルボン酸を含有するものである。
(a)ジカルボン酸として、脂環族ジカルボン酸を少なくとも50モル%含有するものを用いることにより、耐熱性、流動性、靭性、低吸水性、強度、剛性等を同時に満足する、ポリアミドが得られる。
(a−1)脂環族ジカルボン酸としては、例えば、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、及び1,3−シクロペンタンジカルボン酸等の、脂環構造の炭素数が3〜10である、好ましくは脂環構造の炭素数が5〜10である脂環族ジカルボン酸が挙げられる。
脂環族ジカルボン酸は、無置換でも置換基を有していてもよい。
置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、及びtert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基などが挙げられる。
脂環族ジカルボン酸としては、耐熱性、低吸水性、剛性及び強度等の観点で、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が好ましい。
脂環族ジカルボン酸は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
原料モノマーとしての脂環族ジカルボン酸は、トランス体とシス体のどちらか一方を用いてもよく、トランス体とシス体の種々の比率の混合物として用いてもよい。
脂環族ジカルボン酸は、高温で異性化し、一定の比率になることや、シス体の方がトランス体に比べてジアミンとの当量塩の水溶性が高いことから、原料モノマーとしての脂環族ジカルボン酸は、トランス体/シス体が、モル比にして、好ましくは50/50〜0/100、より好ましくは40/60〜10/90であり、さらに好ましくは35/65〜15/85である。
脂環族ジカルボン酸のトランス体/シス体比(モル比)は、液体クロマトグラフィー(HPLC)や核磁気共鳴分光法(NMR)により求められる。
置換基としては、例えば、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアリールアルキル基、クロロ基及びブロモ基等のハロゲン基、炭素数1〜6のシリル基、スルホン酸基並びにナトリウム塩等のその塩等が挙げられる。
特に、耐熱性及び低吸水性等の観点から、炭素数が10以上である脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
炭素数が10以上である脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、及びエイコサン二酸等が挙げられる。
特に、耐熱性等の観点から、セバシン酸及びドデカン二酸が好ましい。
脂環族ジカルボン酸以外のジカルボン酸は、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
多価カルボン酸は、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(a)ジカルボン酸中の(a−1)脂環族ジカルボン酸の割合は、50〜100モル%であり、60〜100モル%であることが好ましく、70〜100モル%であることがより好ましく、100モル%であることがさらに好ましい。
(a)ジカルボン酸中の(a−1)脂環族ジカルボン酸の割合が、(a)ジカルボン酸中において少なくとも50モル%であるものとすることにより、耐熱性、低吸水性、剛性及び強度等を同時に満足するポリアミドが得られる。
(a)ジカルボン酸中の、(a−1)脂環族ジカルボン酸以外のジカルボン酸の割合(モル%)は、0〜50モル%であり、0〜40モル%であることが好ましい。
ジカルボン酸と等価な化合物としては、上記ジカルボン酸に由来するジカルボン酸構造と同様のジカルボン酸構造となり得る化合物であれば特に限定されるものではない。例えば、ジカルボン酸の無水物及びハロゲン化物等が挙げられる。
(A)ポリアミドを構成する(b)ジアミンは、当該(b)中に、少なくとも50モル%の主鎖から分岐した置換基をもつジアミン(以下、「(b−1)主鎖から分岐した置換基を持つジアミン」と表記することもある。)を含有するものとする。
(b)ジアミンが、(b−1)主鎖から分岐した置換基を持つジアミンを、少なくとも50モル%含むものを用いることにより、流動性、靭性、強度、剛性等を同時に満足するポリアミドが得られる。
主鎖から分岐した置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、及びtert−ブチル基等の、炭素数1〜4のアルキル基等が挙げられる。
(b−1)主鎖から分岐した置換基を持つジアミンとしては、耐熱性、剛性及び強度等の観点で、2−メチルペンタメチレンジアミンが好ましい。
(b−1)主鎖から分岐した置換基を持つジアミンは、1種類のみを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、及びトリデカメチレンジアミン等の炭素数2〜20の直鎖飽和脂肪族ジアミン等が挙げられる。
芳香族ジアミンとしては、例えば、メタキシリレンジアミン等が挙げられる。
(b−2)主鎖から分岐した置換基を持つジアミン以外のジアミンは、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
多価脂肪族アミンは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(b−1)主鎖から分岐した置換基を持つジアミンの割合は、50〜100モル%であり、60〜100モル%であることが好ましく、80〜100モル%であることがより好ましく、85〜100モル%であることがさらに好ましく、90〜100モル%であることがさらにより好ましく、100モル%であることが特に好ましい。
(b)ジアミン中の(b−1)主鎖から分岐した置換基を持つジアミンの割合が少なくとも50モル%であるものとすることにより、流動性、靭性、強度及び剛性に優れるポリアミドが得られる。
(b)ジアミン中の(b−2)主鎖から分岐した置換基を持つジアミン以外のジアミンの割合(モル%)は0〜50モル%であり、0〜40モル%であることが好ましい。
(a)ジカルボン酸の添加量は、(b)ジアミンの添加量と同モル量付近であることが好ましい。重合反応中の(b)ジアミンの反応系外への逃散分もモル比においては考慮して、(a)ジカルボン酸全量のモル量1.00に対して、(b)ジアミン全体(逃散分を考慮した量も含む)のモル量は、好ましくは0.90〜1.20であり、より好ましくは0.95〜1.10であり、さらに好ましくは0.98〜1.05である。
(A)ポリアミドは、上述した(a)ジカルボン酸、(b)ジアミンの他、靭性の観点で、(c)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸をさらに共重合させることが好ましい。
(c)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸とは、重(縮)合可能なラクタム及び/又はアミノカルボン酸を意味する。
(c)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸としては、炭素数4〜14のラクタム及び/又はアミノカルボン酸が好ましく、炭素数6〜12のラクタム及び/又はアミノカルボン酸がより好ましい。
特に、靭性の観点で、ε−カプロラクタム、ラウロラクタム等が好ましく、ε−カプロラクタムがより好ましい。
アミノカルボン酸としては、例えば、前記ラクタムが開環した化合物であるω−アミノカルボン酸、α,ω−アミノ酸等が挙げられる。
アミノカルボン酸としては、ω位がアミノ基で置換された炭素数4〜14の直鎖又は分岐状飽和脂肪族カルボン酸が好ましく、例えば、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、及び12−アミノドデカン酸等が挙げられる。その他のアミノカルボン酸としては、パラアミノメチル安息香酸等も挙げられる。
(c)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸は、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(c)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸の添加量(モル%)は、上述した(a)ジカルボン酸、(b)ジアミン及び(c)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸の各モノマー全体のモル量に対して0〜20モル%であることが好ましい。
上述した(a)ジカルボン酸、(b)ジアミン、さらには必要に応じて(c)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸を用いてポリアミドを重合する際、分子量調節のために公知の末端封止剤をさらに添加してもよい。
末端封止剤としては、例えば、モノカルボン酸、モノアミン、無水フタル酸等の酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、及びモノアルコール類等が挙げられる。ポリアミドの熱安定性の観点から、モノカルボン酸及びモノアミンが好ましい。
末端封止剤は、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
モノカルボン酸は、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
モノアミンは、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上述した(a)ジカルボン酸、(b)ジアミンの組み合わせについては特に限定されるものではないが、(a)ジカルボン酸として(a−1)脂環族ジカルボン酸を少なくとも50モル%含有するものと(b)ジアミンとして(b−1)である2−メチルペンタメチレンジアミンを少なくとも50モル%含有するもの、の組み合わせが好ましく、さらには、(a)ジカルボン酸として(a−1)である1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を少なくとも50モル%含有するものと(b)ジアミンとして(b−1)である2−メチルペンタメチレンジアミンを少なくとも50モル%含有するもの、の組み合わせがより好ましい。
これらの組み合わせにより重合させることにより、耐熱性、流動性、靭性、低吸水性、強度及び剛性に優れることを同時に満足するポリアミドとすることができる。
(A)ポリアミド中における脂環族ジカルボン酸構造のトランス異性体比率は、(A)ポリアミド中における脂環族ジカルボン酸全体中のトランス異性体の比率を表し、かかるトランス異性体比率は、好ましくは50〜85モル%であり、より好ましくは50〜80モル%であり、さらに好ましくは60〜80モル%である。
トランス異性体比率が上記範囲内にあることにより、(A)ポリアミドは、高融点、靭性、剛性及び強度に優れるという特徴に加えて、高いガラス転移温度(Tg)による熱時剛性と、通常では耐熱性と相反する性質である流動性と、高い結晶性を同時に満足するという性質を持つ。
(A)ポリアミドのこれらの特徴は、(a)ジカルボン酸として、少なくとも50モル%の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が含有されているものを用い、(b)ジアミンとして、少なくとも50モル%の2−メチルペンタメチレンジアミンが含有されているものの組み合わせからなり、かつ、(A)ポリアミド中における脂環族ジカルボン酸構造のトランス異性体比率が50〜85モル%であるポリアミドとすることにより、特に顕著に得られる。
なお、トランス異性体比率は、下記実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態におけるポリアミド(A)は、(a)少なくとも50モル%の脂環族ジカルボン酸を含有するジカルボン酸と、(b)少なくとも50モル%の、主鎖から分岐した置換基を持つ脂肪族ジアミンを含有するジアミンとを重合させる工程を含む、ポリアミドの製造方法により製造できる。
(A)ポリアミドの製造方法としては、ポリアミドの重合度を上昇させる工程を、さらに含むことが好ましい。
(1)ジカルボン酸・ジアミン塩又はその混合物の水溶液又は水の懸濁液を加熱し、溶融状態を維持したまま重合させる方法(以下、「熱溶融重合法」と略称する場合がある。)。
(2)熱溶融重合法で得られたポリアミドを融点以下の温度で固体状態を維持したまま重合度を上昇させる方法(以下、「熱溶融重合・固相重合法」と略称する場合がある。)。
(3)ジアミン・ジカルボン酸塩又はその混合物の、水溶液又は水の懸濁液を加熱し、析出したプレポリマーをさらにニーダー等の押出機で再び溶融して重合度を上昇させる方法(以下、「プレポリマー・押出重合法」と略称する場合がある。)。
(4)ジアミン・ジカルボン酸塩又はその混合物の、水溶液又は水の懸濁液を加熱し、析出したプレポリマーをさらにポリアミドの融点以下の温度で固体状態を維持したまま重合度を上昇させる方法(以下、「プレポリマー・固相重合法」と略称する場合がある。)。
(5)ジアミン・ジカルボン酸塩又はその混合物を、固体状態を維持したまま重合させる方法(以下、「固相重合法」と略称する場合がある)。
(6)ジカルボン酸と等価なジカルボン酸ハライドとジアミンとを用いて重合させる方法「溶液法」。
トランス異性体比率を上記範囲内に、特に80%以下に維持することにより、色調や引張伸度に優れた、高融点のポリアミドが得られる。
ポリアミド(A)の着色や、熱劣化による引張伸度の低下を防止するために、トランス異性体比率を80%以下に維持して重合することが好ましい。
なお、ポリアミド(A)の製造工程においては、トランス異性体比率を85%以下に維持することが容易であるため、また、得られるポリアミドが色調に優れるため、上述した(1)熱溶融重合法、及び(2)熱溶融重合・固相重合法によりポリアミドを製造することが好ましい。
重合装置としては、特に限定されるものではなく、公知の装置を使用できる。例えば、オートクレーブ型反応器、タンブラー型反応器、及びニーダー等の押出機型反応器等が挙げられる。
先ず、バッチ式の熱溶融重合法によりポリアミドを製造する方法について示す。
バッチ式の熱溶融重合法としては、例えば、水を溶媒として、ポリアミドの重合成分((a)ジカルボン酸、(b)ジアミン、及び必要に応じて、(c)ラクタム及び/又はア
ミノカルボン酸)を含有する約40〜60質量%の溶液を作製し、これを、110〜180℃の温度及び約0.035〜0.6MPa(ゲージ圧)の圧力で操作される濃縮槽で、約65〜90質量%に濃縮して濃縮溶液を得る。
次に、上記濃縮溶液をオートクレーブに移し、容器における圧力が約1.5〜5.0MPa(ゲージ圧)になるまで加熱を続ける。
その後、水及び/又はガス成分を抜きながら圧力を約1.5〜5.0MPa(ゲージ圧)に保ち、温度が約250〜350℃に達した時点で、大気圧まで降圧する(ゲージ圧は、0MPa)。
大気圧に降圧後、必要に応じて減圧することにより、副生する水を効果的に除くことができる。
その後、窒素等の不活性ガスで加圧し、ポリアミド溶融物をストランドとして押し出す。該ストランドを、冷却、カッティングしてペレットを得る。
例えば、水を溶媒としてポリアミド成分を含有する約40〜60質量%の溶液を、予備装置の容器において約40〜100℃まで予備加熱する。
次に、濃縮槽/反応器に移し、約0.1〜0.5MPa(ゲージ圧)の圧力及び約200〜270℃の温度で約70〜90%に濃縮して濃縮溶液を得る。
この濃縮溶液を約200〜350℃の温度に保ったフラッシャーに排出し、その後、大気圧まで降圧する(ゲージ圧は、0MPa)。
大気圧に降圧後、必要に応じて減圧する。
その後、ポリアミド溶融物は押し出されてストランドとなり、冷却、カッティングされペレットとなる。
(分子量)
ポリアミド(A)の分子量としては、25℃の相対粘度ηrを指標として特定する。
ポリアミド(A)の分子量は、靭性、強度及び剛性、ならびに成形性等の観点で、JIS−K6810に準じて測定した98%硫酸中濃度1%、25℃の相対粘度ηrにおいて、好ましくは1.5〜7.0であり、より好ましくは1.7〜6.0であり、さらに好ましくは1.9〜5.5である。
25℃の相対粘度は、下記実施例に記載するように、JIS−K6810に準じて測定できる。
後述する実施例により測定されるポリアミド(A)の融点(Tm2)は、耐熱性の観点から、270〜350℃であることが好ましい。
融点Tm2は、好ましくは270℃以上であり、より好ましくは275℃以上であり、さらに好ましくは280℃以上である。
また、融点Tm2は、好ましくは350℃以下であり、より好ましくは340℃以下であり、さらに好ましくは335℃以下であり、よりさらに好ましくは330℃以下である。
融点Tm2を270℃以上とすることにより、耐熱性に優れるポリアミドが得られ、融点Tm2を350℃以下とすることにより、押出、成形等の溶融加工時におけるポリアミドの熱分解等を抑制できる。
ポリアミド(A)の融解熱量ΔHは、耐熱性の観点から、好ましくは10J/g以上であり、より好ましくは14J/g以上であり、さらに好ましくは18J/g以上であり、さらにより好ましくは20J/g以上である。
融点及び融解熱量の測定装置としては、例えば、PERKIN−ELMER社製Diamond−DSC等が挙げられる。
ポリアミド(A)のガラス転移温度(Tg)は90〜170℃であることが好ましい。ガラス転移温度(Tg)は、好ましくは90℃以上であり、より好ましくは100℃以上であり、さらに好ましくは110℃以上である。
ガラス転移温度は、好ましくは170℃以下であり、より好ましくは165℃以下であり、さらに好ましくは160℃以下である。
ガラス転移温度を90℃以上とすることにより、耐熱性や耐薬品性に優れるポリアミド(A)とすることができる。
また、ガラス転移温度を170℃以下とすることにより、外観のよい成形品を得ることができる。
ガラス転移温度の測定は、下記実施例に記載するように、JIS−K7121に準じて行うことができる。
ガラス転移温度の測定装置としては、例えば、PERKIN−ELMER社製Diamond−DSC等が挙げられる。
本実施形態のポリアミド組成物は、(B)ガラス繊維を含有する。
ガラス繊維は、断面が真円状でも扁平状でもよい。
ガラス繊維の断面の扁平状の形状には、例えば、長方形、長方形に近い長円形、楕円形、長手方向の中央部がくびれた繭型等が挙げられる。
また、扁平率は、繊維断面の長径をD2、繊維の断面の短径をD1とするとき、D2/D1で表される(真円状は扁平率約1となる)。
扁平状のガラス繊維を使用するときは、扁平率は1.5〜10が好ましい。
ガラス繊維の中でも、優れた機械的強度特性をポリアミド樹脂組成物に付与できるという観点から、数平均繊維径が3〜30μmであり、重量平均繊維長が100〜750μmであり、重量平均繊維長(L)と数平均繊維径(D)とのアスペクト比(L/D)が10〜100であるものが好ましい。
なお、数平均繊維径及び重量平均繊維長は、例えば、ポリアミド樹脂組成物を電気炉に入れて、含まれる有機物を焼却処理し、残渣分から、例えば100本以上のガラス繊維を任意に選択し、SEMで観察して繊維径を測定することにより数平均繊維径を測定でき、倍率1000倍でのSEM写真を用いて繊維長を計測することにより重量平均繊維長を求めることができる。
配合量を1質量部以上とすることにより、ポリアミド組成物の強度向上効果が十分に発現し、また、配合量を200質量部以下とすることにより、押出性、成形性、表面外観に優れるポリアミド組成物が得られる。
(B)ガラス繊維は、シランカップリング剤等の表面処理剤により処理を施してもよい。シランカップリング剤としては、特に制限されないが、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランやN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノシラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランやγ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシラン類;エポキシシラン類;ビニルシラン類が挙げられる。
これらは1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよく、アミノシラン類がより好ましい。
さらに、(B)ガラス繊維には、必要に応じて集束剤による処理を施してもよい。
集束剤としては、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体と前記カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体とを構成単位として含む共重合体、エポキシ化合物、ポリウレタン樹脂、アクリル酸のホモポリマー、アクリル酸とその他の共重合性モノマーとのコポリマー、並びにこれらの第一級、第二級、及び第三級アミンとの塩、並びにカルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体と前記カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体を含む共重合体等が挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
特に、ポリアミド樹脂組成物の機械的強度の観点から、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体と前記カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体とを構成単位として含む共重合体、エポキシ化合物及びポリウレタン樹脂、並びにこれらの組み合わせが好ましく、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体と前記カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体とを構成単位として含む共重合体及びポリウレタン樹脂、並びにこれらの組み合わせがより好ましい。
一方、前記カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体とは、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体とは異なる不飽和ビニル単量体をいう。
前記カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体としては、以下に挙げるものに制限されるものではないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、2,3−ジクロロブタジエン、1,3−ペンタジエン、シクロオクタジエン、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレートが挙げられる。特に、スチレンやブタジエンが好ましい。
これらの組み合わせの中でも、無水マレイン酸とブタジエンとの共重合体、無水マレイン酸とエチレンとの共重合体、及び無水マレイン酸とスチレンとの共重合体、並びにこれらの混合物よりなる群から選択される1種以上であることがより好ましい。
なお、本実施形態における重量平均分子量はゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GPC)により測定できる。
ポリアクリル酸の塩の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、3,000〜50,000の範囲であることが好ましい。ガラス繊維の集束性向上の観点から、3,000以上が好ましく、強度及び剛性の向上を図る観点から、50,000以下が好ましい。
なお、上記したモノマーのうちエステル系モノマーを1種以上有することが好ましい。
アクリル酸とその他の共重合性モノマーとのコポリマーの塩としては、以下の例に限定されるものではないが、第一級、第二級、第三級のアミンが挙げられる。例えば、トリエチルアミン、トリエタノールアミンやグリシンが挙げられる。
中和度は、他の併用薬剤(シランカップリング剤など)との混合溶液の安定性向上や、アミン臭低減の観点から、20〜90%とすることが好ましく、40〜60%とすることがより好ましい。
前記繊維ストランドをロービングとしてそのまま使用してもよく、さらに切断工程を得て、チョップドガラスストランドとして使用してもよい。
かかる集束剤は、ガラス繊維100質量%に対し、固形分率として0.2〜3質量%相当を付与(添加)することが好ましく、より好ましくは0.3〜2質量%付与(添加)する。
(B)ガラス繊維の集束を維持する観点から、集束剤の添加量が、ガラス繊維100質量%に対し固形分率として0.2質量%以上であることが好ましい。
一方、ポリアミド樹脂組成物の熱安定性向上の観点から、3質量%以下であることが好ましい。
また、ストランドの乾燥は切断工程後に行ってもよく、ストランドを乾燥した後に切断してもよい。
本実施形態のポリアミド組成物は、(C)ガラス繊維(B)以外の無機充填材を含有する。(C)ガラス繊維(B)以外の無機充填材の配合量は、上述した(A)ポリアミド100質量部に対して1〜200質量部であり、好ましくは2〜150質量部であり、より好ましくは3〜120質量部であり、さらに好ましくは5〜100質量部であり、さらにより好ましくは10〜80質量部である。
配合量を1質量部以上とすることにより、ポリアミド組成物の剛性向上効果が発現し、また、配合量を200質量部以下とすることにより、押出性、成形性に優れるポリアミド組成物が得られる。
特に、本実施形態のポリアミド組成物の、強度、剛性、表面外観の観点から、ウォラストナイト、カオリン、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、クレーが好ましく、より好ましくは、ウォラストナイト、カオリン、マイカ、タルクであり、さらに好ましくは、ウォラストナイト、マイカであり、さらにより好ましくはウォラストナイトである。
上記の(C)無機充填材は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
平均粒径を38μm以下にすることにより、靭性、表面外観に優れるポリアミド組成物が得られ、また、0.01μm以上、さらには0.1μm以上にすることにより、コスト面、粉体のハンドリング面と物性のバランスが良好なものとなる。
また、無機充填材の中でも、ウォラストナイトのような、針状の形状を持つものに関しては、平均繊維径を平均粒径とする。さらに、断面が円でない場合はその長さの最大値を繊維径とする。
針状の形状を持つものの重量平均繊維長(L)と数平均繊維径(D)とのアスペクト比(L/D)に関しては、成形品外観、射出成形機等の金属性パーツの磨耗の観点から、1.5〜10が好ましく、2.0〜5がさらに好ましく、2.5〜4がよりさらに好ましい。
平均粒径の測定方法としては、走査電子顕微鏡(SEM)(日本電子(株)製、JSM−6700F)を用いて、無機充填材の繊維像を倍率1000倍から50000倍で撮影し、任意に選んだ500本の無機充填材から粒径(針状の場合は繊維長と繊維径)を測定する。針状の場合、繊維径は、断面が円でない場合、その長さの最大値を繊維径とする。
(C)ガラス繊維(B)以外の無機充填材は、シランカップリング剤等により表面処理を施してもよい。
前記シランカップリング剤としては、下記の例に限定されるものではないが、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノシラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランやγ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシラン類;エポキシシラン類;ビニルシラン類が挙げられる。
特に、上記の列挙した成分から選択される1種以上であることが好ましく、アミノシラン類がより好ましい。
表面処理剤は、予め(C)無機充填材の表面に処理することもできるし、(A)ポリアミド、(B)ガラス繊維、(C)無機充填材を混合する際に添加してもよい。
表面処理剤の量は、(C)無機充填材100質量部に対して、0.05質量部〜1.5質量部の範囲である。
本実施形態のポリアミド組成物においては、本実施形態の目的を損なわない範囲で、フェノール系熱安定剤、リン系熱安定剤、アミン系熱安定剤、周期律表の第Ib族、第IIb族、第IIIa族、第IIIb族、第IVa族及び第IVb族の元素の金属塩、並びにアルカリ金属及びアルカリ土類金属のハロゲン化物よりなる群から選択される1種以上の熱安定剤を配合することができる。
フェノール系熱安定剤としては、特に制限されるものではないが、例えば、ヒンダートフェノール化合物が挙げられる。
フェノール系熱安定剤、特にヒンダードフェノール化合物は、ポリアミド等の樹脂や繊維に耐熱性や耐光性を付与する性質を有する。
ヒンダードフェノール化合物としては、以下に制限されないが、例えば、N,N'−へキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド)、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N'−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス{2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピニロキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサピロ[5,5]ウンデカン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、及び1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸が挙げられる。
フェノール系熱安定剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
特に、耐熱エージング性向上の観点から、N,N'−へキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド)]が好ましい。フェノール系熱安定剤を用いる場合、ポリアミド組成物中のフェノール系熱安定剤の配合量は、ポリアミド組成物100質量部に対して、好ましくは0.01〜1質量部であり、より好ましくは0.1〜1質量部である。上記の範囲内の場合、耐熱エージング性を一層向上させ、さらに発生ガス量を低減化させることができる。
リン系熱安定剤としては、以下に制限されないが、例えば、ペンタエリスリトール型ホスファイト化合物、トリオクチルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、トリスイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニル(トリデシル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(ブトキシエチル)ホスファイト、4,4'−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−テトラ−トリデシル)ジホスファイト、テトラ(C12〜C15混合アルキル)−4,4'−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、4,4'−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェニル)・ジ(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ビフェニル)ホスファイト、テトラ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタンジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル)ジホスファイト、テトラ(C1〜C15混合アルキル)−4,4'−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、4,4'−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェニル)・ジ(ノニルフェニル)ホスファイト、9,10−ジ−ヒドロ−9−オキサ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ホスファイト、水素化−4,4'−イソプロピリデンジフェニルポリホスファイト、ビス(オクチルフェニル)・ビス(4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル))・1,6−ヘキサノールジホスファイト、ヘキサトリデシル−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ジホスファイト、トリス(4,4'−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェニル))ホスファイト、トリス(1,3−ステアロイルオキシイソプロピル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、2,2−メチレンビス(3−メチル−4,6−ジ−t−ブチルフェニル)2−エチルヘキシルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4'−ビフェニレンジホスファイト、及びテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4'−ビフェニレンジホスファイトが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ペンタエリスリトール型ホスファイト化合物としては、以下の例に限定されるものではないが、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・フェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・メチル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2−エチルヘキシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・イソデシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ラウリル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・イソトリデシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ステアリル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・シクロヘキシル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ベンジル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・エチルセロソルブ・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ブチルカルビトール・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・オクチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・ノニルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2,6−ジ−t−ブチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2,4−ジ−t−ブチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2,4−ジ−t−オクチルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2−シクロヘキシルフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t−アミル−4−メチルフェニル・フェニル・ペンタエリストリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−アミル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、及びビス(2,6−ジ−t−オクチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが挙げられる。
これらは、1種のみ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記の範囲内の場合、耐熱エージング性を一層向上させ、さらに発生ガス量を低減させることができる。
アミン系熱安定剤としては、以下の例に限定されるものではないが、例えば、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(エチルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(シクロヘキシルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−カーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−オキサレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−マロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−テレフタレート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−エタン、α,α'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−p−キシレン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルトリレン−2,4−ジカルバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,4−トリカルボキシレート、1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}ブチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、及び1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β',β'−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエタノールとの縮合物が挙げられる。
本実施形態においては、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
周期律表の第Ib族、第IIb族、第IIIa族、第IIIb族、第IVa族及び第IVb族の元素の金属塩としては、特に限定されるものではないは、好ましくは銅塩である。銅塩は、以下の例に限定されるものではないが、例えば、ハロゲン化銅(ヨウ化銅、臭化第一銅、臭化第二銅、塩化第一銅等)、酢酸銅、プロピオン酸銅、安息香酸銅、アジピン酸銅、テレフタル酸銅、イソフタル酸銅、サリチル酸銅、ニコチン酸銅及びステアリン酸銅、並びにエチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸等のキレート剤に銅の配位した銅錯塩が挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
かかる好ましい銅塩を用いた場合、耐熱エージング性に優れ、かつ押出時のスクリューやシリンダー部の金属腐食(以下、単に「金属腐食」ともいう)を抑制可能なポリアミド組成物が得られる。
銅塩を用いる場合、ポリアミド組成物中の銅塩の配合量は、ポリアミド組成物100質量部に対して、好ましくは0.01〜0.2質量部であり、より好ましくは0.02〜0.15質量部である。
上記範囲内の場合、耐熱エージング性が一層向上するとともに、銅の析出や金属腐食を抑制することができる。
また、耐熱エージング性を向上させる観点から、ポリアミド組成物全量に対し、銅元素の含有濃度として、好ましくは10〜500ppmであり、より好ましくは30〜500ppmであり、さらに好ましくは50〜300ppmである。
アルカリ金属及びアルカリ土類金属のハロゲン化物としては、以下の例に限定されるものではないが、例えば、ヨウ化カリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、ヨウ化ナトリウム及び塩化ナトリウム、並びにこれらの混合物が挙げられる。
特に、耐熱エージング性の向上及び金属腐食の抑制という観点から、好ましくはヨウ化カリウム及び臭化カリウム、並びにこれらの混合物であり、より好ましくはヨウ化カリウムである。
銅塩とアルカリ金属及びアルカリ土類金属のハロゲン化物との割合は、ハロゲンと銅とのモル比(ハロゲン/銅)が2/1〜40/1となるように、ポリアミド組成物に含有させることが好ましく、より好ましくは5/1〜30/1である。上記した範囲内の場合、耐熱エージング性を一層向上させることができる。
上記ハロゲン/銅が2/1以上である場合、銅の析出及び金属腐食を抑制することができるため好適である。
一方、上記のハロゲン/銅が40/1以下である場合、靭性等の機械的な物性を殆ど損なうことなく、成形機のスクリュー等の腐食を防止できるため好適である。
本実施形態のポリアミド組成物は、本実施形態の目的を損なわない範囲で、ポリアミドに慣用的に用いられる添加剤、例えば、顔料及び染料等の着色剤(着色マスターバッチ含む)、難燃剤、フィブリル化剤、潤滑剤、蛍光漂白剤、可塑化剤、酸化防止剤、安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、流動性改良剤、充填剤、補強剤、展着剤、核剤、ゴム、強化剤並びに他のポリマー等を含有してもよい。
本実施形態のポリアミド組成物の製造方法としては、前記(A)ポリアミドと、(B)ガラス繊維、(C)前記(B)以外の無機充填材とを混合する方法であれば、特に限定されるものではない。
(A)ポリアミドと(B)ガラス繊維、(C)無機充填材の混合方法としては、例えば、これらをヘンシェルミキサー等により混合し、溶融混練機に供給し混練する方法や、単軸又は2軸押出機で溶融状態にしたポリアミドに、サイドフィダーから(B)ガラス繊維、(C)無機充填材を配合する方法等が挙げられる。
例えば、トップフィード口より(A)ポリアミドを供給し、一つ又は複数のサイドフィード口より(B)ガラス繊維、(C)前記(B)以外の無機充填材を供給する方法等が挙げられる。
溶融混練温度は、樹脂温度にして250〜375℃程度であることが好ましい。
溶融混練時間は、0.25〜5分程度であることが好ましい。
溶融混練を行う装置としては、特に限定されるものではなく、公知の装置、例えば、単軸又は2軸押出機、バンバリーミキサー、及びミキシングロール等の溶融混練機を用いることができる。
また、ポリアミド組成物における測定値が、前記ポリアミドの測定値として好ましい範囲と同様の範囲にあることにより、耐熱性、成形性、及び耐薬品性に優れるポリアミド組成物を得ることができる。
本実施形態のポリアミド組成物の成形体は、公知の成形方法、例えばプレス成形、射出成形、ガスアシスト射出成形、溶着成形、押出成形、吹込成形、フィルム成形、中空成形、多層成形、及び溶融紡糸等、一般に知られているプラスチック成形方法を用いて得ることができる。
本実施形態のポリアミド組成物から得られる成形体は、耐熱性、剛性、靭性、強度、成形性、低吸水性に優れ、さらには表面外観にも優れている。
本実施形態のポリアミド組成物は、自動車用、電気及び電子用、産業資材用、日用品、家庭用品等の各種部品材料として、また、押出用途等にも好適に用いられる。
自動車用としては、特に限定されるものではなく、例えば、自動車アンダーフード構造部品、自動車機構部品、自動車内装部品、自動車外装部品、及び自動車電装部品等が挙げられる。
自動車内装部品としては、例えば、シフトレバーブラケット、ステアリングホイール、ステアリングブラケット、ステアリングロックブラケット、キーシリンダー、ドアインナーハンドル、ドアハンドルカウル、室内ミラーブラケット、エアコンスイッチ、インパネリインフォース、インストルメンタルパネル、コンソールボックス、グローブボックス、及びトリム等が挙げられる。
自動車外装部品としては、特に限定されるものではなく、例えば、サンルーフデフレクター、ルーフレール、ドアミラーステイ、ミラーブラケット、フード、フロントフェンダー、リアクオーターパネル、バックドアパネル、バックドアインナー、アウタードアハンドル、モール、ランプハウジング、フロントグリル、マッドガード、及びサイドバンパー等が挙げられる。
自動車電装部品としては、特に限定されるものではなく、例えば、コネクターやワイヤーハーネスコネクター、モーター部品、ランプソケット、センサー車載スイッチ、及びコンビネーションスイッチなどが挙げられる。
産業機器用としては、特に限定されるものではなく、例えば、ギヤ、カム、絶縁ブロック、バルブ、電動工具部品、農機具部品、エンジンカバー等に用いられる。
日用及び家庭用品としては、特に限定されるものではなく、例えば、ボタン、食品容器、オフィス家具等に用いられる。
押出し用途としては、特に限定されるものではなく、例えば、フィルム、シート、フィラメント、チューブ、棒、及び中空成形品等に用いられる。
先ず、下記実施例及び比較例において適用する原料、及び物性測定法及び評価方法を示す。
なお、本明細書において、1kg/cm2は、0.098MPaであるものとする。
ポリアミド組成物の原料としての、(A)ポリアミド、(B)ガラス繊維、(C)前記(B)ガラス繊維以外の無機充填材を下記に示す。
(a)ジカルボン酸
(1)1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(CHDA) イーストマンケミカル製 商品名 1,4−CHDA HPグレード(トランス体/シス体(モル比)=25/75)(2)テレフタル酸(TPA) 和光純薬工業製 商品名 テレフタル酸
(3)アジピン酸(ADA) 和光純薬工業製 商品名 アジピン酸
(4)セバシン酸(C10DA) 和光純薬工業製 商品名 セバシン酸
(5)ドデカン二酸(C12DA) 和光純薬工業製 商品名 ドデカン二酸
(6)2−メチルペンタメチレンジアミン(2MPD) 東京化成工業製 商品名 2−メチル−1,5−ジアミノペンタン
(7)ヘキサメチレンジアミン(HMD) 和光純薬工業製 商品名 ヘキサメチレンジアミン
(8)1,9−ノナメチレンジアミン(NMD) アルドリッチ製 商品名 1,9−ノナンジアミン
(9)2−メチルオクタメチレンジアミン(2MOD) 特開平05−17413号公報に記載されている製法を参考にして製造した。
(10)ε−カプロラクタム(CPL) 和光純薬工業製 商品名 ε−カプロラクタム
(11)ガラス繊維(GF) 日本電気硝子製 商品名 ECS03T275H 平均繊維径(平均粒径)10μm(真円状)、カット長3mm
(12)ウォラストナイト(C−1) NYCO製 商品名 NYAD400平均繊維径(平均粒径)7.0μm 平均繊維長35μm
(13)ウォラストナイト(C−2) NYCO製 商品名 NYAD5000 平均繊維径(平均粒径)2.2μm 平均繊維長7.2μm
(14)ウォラストナイト(C−3) NYCO製 商品名 NYGLOS M20 平均繊維径(平均粒径)20μm 平均繊維長100μm
(15)マイカ(C−4) 山口雲母工業所(株)製 商品名 A−21 平均粒径22μm
(16)タルク(C−5) 富士タルク工業(株)製 商品名 PKP−80平均粒径14μm
(17)カオリン(C−6) 林化成(株)製 商品名 TRANSLINK445 平均粒径1.5μm
(a−1)脂環族ジカルボン酸のモル%は、(原料モノマーとして加えた(a−1)脂環族ジカルボン酸のモル数/原料モノマーとして加えた全(a)ジカルボン酸のモル数)×100として、算出した。
(1)融点Tm1、Tm2(℃)
JIS−K7121に準じて、PERKIN−ELMER社製Diamond−DSCを用いて測定した。
測定条件は、窒素雰囲気下、試料約10mgを昇温速度20℃/minでサンプルの融点に応じて300〜350℃まで昇温したときに現れる吸熱ピーク(融解ピーク)の温度をTm1(℃)とし、昇温の最高温度の溶融状態で温度を2分間保った後、降温速度20℃/minで30℃まで降温し、30℃で2分間保持した後、昇温速度20℃/minで同様に昇温したときに現れる吸熱ピーク(融解ピーク)の最大ピーク温度を融点Tm2(℃)とし、その全ピーク面積を融解熱量ΔH(J/g)とした。
なお、ピークが複数ある場合には、ΔHが1J/g以上のものをピークとみなした。例えば、融点295℃、ΔH=20J/gと融点325℃、ΔH=5J/gの二つのピークが存在する場合、融点(Tm2)は325℃とした。
ポリアミド30〜40mgをヘキサフルオロイソプロパノール重水素化物1.2gに溶解し、1H−NMRで測定した。
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の場合、トランス異性体に由来する1.98ppmのピーク面積とシス異性体に由来する1.77ppmと1.86ppmのピーク面積の比率からトランス異性体比率を求めた。
JIS−K7121に準じて、PERKIN−ELMER社製Diamond−DSCを用いて測定した。
測定条件は、試料をホットステージ(Mettler社製EP80)で溶融させて得られた溶融状態のサンプルを、液体窒素を用いて急冷し、固化させ、測定サンプルとした。そのサンプル10mgを用いて、昇温スピード20℃/minの条件下、30〜350℃の範囲で昇温して、ガラス転移温度を測定した。
JIS−K6810に準じて実施した。
具体的には、98%硫酸を用いて、1%の濃度の溶解液((ポリアミド1g)/(98%硫酸100mL)の割合)を作製し、25℃の温度条件下で測定した。
後述する実施例及び比較例で得られたポリアミド組成物ペレットを、射出成形機[PS−40E:日精樹脂株式会社製]を用いて、射出+保圧時間25秒、冷却時間15秒、金型温度をTg+20℃、シリンダー温度=(Tm2+10)℃〜(Tm2+30)℃に設定し、ISO 3167、多目的試験片A型の成形片を成形した。
得られた多目的試験片(A型)を用いて、ISO 527に準拠し、引張速度5mm/minで引張試験を行い、引張強度を測定した。
また、上記引張試験により、破断したときのチャック間の変位量を試験前の初期チャック間距離に対する割合を引張伸度(%)とした。引張伸度(%)は下記式により算出した。引張伸度(%)=100×破断変位量/初期チャック間距離
上記引張強度試験において用いた多目的試験片(A型)の成形片から曲げ弾性率測定用の試験片を切削した。
曲げ弾性率測定用の試験片を用いて、ISO 178に準拠し、クロスヘッドスピード5mm/min、スパン64mmで曲げ試験を行い、曲げ弾性率を測定した。
上記多目的試験片(A型)を成形後の絶乾状態(dry as mold)で、試験前質量(吸水前質量)を測定した。
次に80℃の純水中に24時間浸漬させた。
その後、水中から試験片を取り出し、表面の付着水分をふき取り、恒温恒湿(23℃、50RH%)雰囲気下に30分放置後、試験後質量(吸水後質量)を測定した。
吸水前質量に対しての吸水後質量の増分を吸水量とし、吸水前質量に対する吸水量の割合を、試行数n=3で求め、その平均値を吸水率(%)とした。
後述する実施例及び比較例で作製したポリアミド組成物ペレットを、射出成形機[FN−3000:日精樹脂株式会社製]を用いて、冷却時間25秒、スクリュー回転数200rpm、金型温度をTg+20℃、シリンダー温度=(Tm2+10)℃〜(Tm2+30)℃に設定し、充填時間が1.0±0.1秒の範囲となるように、射出圧力及び射出速度を適宜調整し、平板プレート成形片(13cm×13cm、厚さ3mm)を作製した。このようにして作製した平板プレート成形片の中央部を、光沢計(HORIBA製IG320)を用いてJIS−K7150に準じて60度グロスを測定した。
後述する実施例及び比較例で作製したポリアミド組成物ペレットを、射出成形機[FN−3000:日精樹脂株式会社製]を用いて、射出圧力65MPa、射出時間5秒、冷却時間25秒、スクリュー回転数200rpm、金型温度をTg+20℃、シリンダー温度=(Tm2+10)℃〜(Tm2+30)℃に設定し、平板プレート成形片(6cm×9cm、厚さ3mm)を得た。
このようにして作製した平板プレート成形片用いて、表面粗さ計により、JIS B 0601−1994に従って、表面粗さを測定した。
具体的には、図1(a)、(b)に示すように、平板プレート成形片1の所定の6箇所(樹脂流動方向3箇所、樹脂流動直角方向3箇所、図1(a)中の破線(1)〜(3)、図1(b)中の破線(4)〜(6))において、表面粗度を測定し、算術平均粗さRaを求めた。
なお、測定条件は、カットオフ値8mm、評価長さ40mmとし、表面粗さ計は、(株)ミツトヨ製(サーフテスト 形式SJ−400)を用いた。
<製造例1>
「熱溶融重合法」により、ポリアミドの重合反応を実施した。
(a)ジカルボン酸:CHDA896g(5.20モル)、及び(b)ジアミン:2MPD604g(5.20モル)を、蒸留水1500gに溶解させ、原料モノマーの等モル50質量%均一水溶液を作製した。
この均一水溶液に(b)ジアミン:2MPD15g(0.13モル)を追添した。
このようにして得られた水溶液を、内容積5.4Lのオートクレーブ(日東高圧製)に仕込み、液温(内温)が50℃になるまで保温して、オートクレーブ内を窒素置換した。オートクレーブの槽内の圧力が、ゲージ圧として(以下、槽内の圧力は全てゲージ圧として表記する。)、約2.5kg/cm2になるまで、液温を約50℃から加熱を続けた(この系での液温は約145℃であった。)。
槽内の圧力を約2.5kg/cm2に保つため水を系外に除去しながら、加熱を続けて、水溶液の濃度が約75質量%になるまで濃縮した(この系での液温は約160℃であった。)。
水の除去を止め、槽内の圧力が約30kg/cm2になるまで加熱を続けた(この系での液温は約245℃であった。)。
槽内の圧力を約30kg/cm2に保つため水を系外に除去しながら、最終温度−50℃になるまで加熱を続けた。液温が最終温度−50℃(ここでは300℃)まで上昇した後に、加熱は続けながら、槽内の圧力が大気圧(ゲージ圧は0kg/cm2)になるまで120分ほどかけながら降圧した。
その後、樹脂温度(液温)の最終温度が約350℃になるようにヒーター温度を調整した。樹脂温度はその状態のまま、槽内を真空装置で400torrの減圧下に30分維持した。その後、窒素で加圧し下部紡口(ノズル)からストランド状にし、水冷、カッティングを行いペレット状で排出して、ポリアミドを得た。
このようにして得られたポリアミドを、窒素気流中で乾燥させ、水分率を約0.2質量%に調整してから、ポリアミドについて、上記(1)〜(4)の測定を行った。測定結果を下記表2に示す。
(a)ジカルボン酸、(b)ジアミン、(c)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸として、下記表1に示す化合物と量に従って用い、樹脂温度の最終温度を下記表1に示す温度にした。
その他の条件は、上記製造例1と同様の方法により、ポリアミドの重合を行った(「熱溶融重合法」)。
このようにして得られたポリアミドを、窒素気流中で乾燥させ、水分率を約0.2質量%に調整した。このポリアミドについて、上記(1)〜(4)の測定を行った。測定結果を下記表2に示す。
(a)ジカルボン酸、(b)ジアミン、(c)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸として、下記表1に示す化合物と量に従って用い、樹脂温度の最終温度を下記表1に示す温度にした。
その他の条件は、上記製造例1と同様の方法により、ポリアミドの重合を行った(「熱溶融重合法」)。
比較製造例1においては、重合途中で、オートクレーブ内で固化したため、ストランドでの取り出しができなかった。よって冷却後、塊で取り出し、粉砕機にて粉砕して、ペレット程度の大きさに調節した。
このようにして得られたポリアミドを、窒素気流中で乾燥させ、水分率を約0.2質量%に調整した。このポリアミドについて、上記(1)〜(4)の測定を行った。測定結果を下記表2に示す。
(a)ジカルボン酸、(b)ジアミン、(c)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸として、下記表1に示す化合物と量に従って用い、樹脂温度の最終温度を下記表1に示す温度にした。
その他の条件は、上記製造例1と同様の方法により、ポリアミドの重合を行った(「熱溶融重合法」)。
このようにして得られたポリアミドを、窒素気流中で乾燥させ、水分率を約0.2質量%に調整した。このポリアミドについて、上記(1)〜(4)の測定を行った。測定結果を下記表2に示す。
<実施例1>
2軸押出機(東芝機械(株)製TEM35、L/D=47.6(D=37mmφ)、設定温度融点Tm2+20℃(この場合、327+20=347℃)、スクリュー回転数300rpm)を用いて、押出し機最上流部に設けられたトップフィード口より上述した製造例1のポリアミド(100質量部)を供給した。
さらにサイドフィード口を二ヶ所設け、押出し機上流側(トップフィード口より供給された樹脂が十分溶融している状態)のサイドフィード口1より(B)ガラス繊維(GF)を供給した。押出し機下流側(トップフィード口より供給された樹脂が十分溶融している状態)のサイドフィード口2より、(C)前記(B)以外の無機充填材を、下記表2に示す種類及び量(質量部)に従って供給した。ダイヘッドより押し出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズしてポリアミド組成物を得た。
得られたポリアミド組成物又は成形体について、上記(5)〜(10)の測定を行った。測定結果を下記表2に示す。
ポリアミド100質量部に対して供給する(B)ガラス繊維(GF)の供給量、(C)前記(B)以外の無機充填材の種類及び供給量を、下記表2に示す種類及び量(質量部)に変更した。その他の条件は実施例1と同様の方法により、ポリアミド組成物を作製した。
得られたポリアミド組成物又は成形体について、上記(5)〜(10)の測定を行った。測定結果を下記表2に示す。
製造例1のポリアミドに代えて、上述した製造例2〜11、比較製造例1〜6の各ポリアミドを用いた。
さらには、ポリアミド100質量部に対して供給する(B)ガラス繊維(GF)の供給量、(C)前記(B)以外の無機充填材の種類及び供給量を、下記表2に示す種類及び量(質量部)に変更した。
その他の条件は、実施例1と同様の方法により、ポリアミド組成物を作製した。
得られたポリアミド組成物又は成形体について、上記(5)〜(10)の測定を行った。測定結果を下記表2に示す。
なお、比較例1については、押出状態が非常に不安定であり、ポリアミド組成物が得られなかった。
Claims (10)
- (A):(a)少なくとも50モル%の脂環族ジカルボン酸を含有するジカルボン酸と、
(b)少なくとも50モル%の炭素数3〜20の分岐状飽和脂肪族ジアミンを含有するジアミンと、を重合させたポリアミドと、
(B):ガラス繊維と、
(C):前記ガラス繊維(B)以外の無機充填材と、
を、含有し、
前記(A)ポリアミド100質量部に対して、前記(C)前記ガラス繊維(B)以外の無機充填材1〜200質量部を含有するポリアミド組成物。 - 前記(b)ジアミン中に含有されている前記炭素数3〜20の分岐状飽和脂肪族ジアミンが、2−メチルペンタメチレンジアミンである請求項1に記載のポリアミド組成物。
- 前記(a)ジカルボン酸中に含有されている前記脂環族ジカルボン酸が、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸である請求項1又は2に記載のポリアミド組成物。
- 前記(a)ジカルボン酸が、炭素数10以上の脂肪族ジカルボン酸を、さらに含有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
- 前記(A)ポリアミドは、(c)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸が、さらに共重合されているポリアミドである請求項1乃至4のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
- 前記(A)ポリアミドの融点Tm2が270〜350℃である請求項1乃至5のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
- 前記(A)ポリアミドにおけるトランス異性体比率が50〜85%である請求項1乃至6のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
- (A):(a)少なくとも50モル%の脂環族ジカルボン酸を含有するジカルボン酸と(b)少なくとも50モル%の炭素数3〜20の分岐状飽和脂肪族ジアミンを含有するジアミンと、を重合させたポリアミド:100質量部と、
(B):ガラス繊維:1〜200質量部と、
(C):ウォラストナイト、カオリン、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、クレーからなる群から選ばれる少なくとも1種の無機充填材:1〜200質量部と、
を、含有する請求項1乃至7のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。 - 前記(C)前記ガラス繊維(B)以外の無機充填材の平均粒径が0.01〜38μmである、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
- 請求項1乃至9のいずれか一項に記載のポリアミド組成物からなる成形体。
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