JP5521285B2 - コールドクルーシブル溶解炉の凝固塊の除去方法 - Google Patents
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Description
ここで従来用いられているコールドクルーシブル溶解炉は、周方向に複数分割された円弧状の水冷銅セグメントを絶縁材を介して周方向に互いに繋ぎ合わせて筒状の水冷のるつぼ(銅るつぼ)を構成し、そしてその外側に溶解用コイルを配置した形態のもので、るつぼ内部に装入した原料金属を溶解用コイルによる高周波誘導加熱により溶解する。
このコールドクルーシブル溶解炉による溶解技術は未だ発展途上にある技術であり、現状ではるつぼ内で溶解した金属を銅るつぼ及び溶解用コイルごと傾動させて出湯する方法が一般に用いられている。
そこで図5に示すように、るつぼ底部に出湯用のノズル200を設け、るつぼ内の溶湯をるつぼ底部からノズル200を通じて外部下方に出湯する方法が種々検討されている。
コールドクルーシブル溶解炉を用いた溶解では、るつぼ内部の金属溶湯はるつぼ底部に接する部分が、るつぼ底部による冷却によって凝固金属(スカル)となり、金属の溶解中はその凝固金属によって出湯用ノズルが閉塞された状態にある。
尚、出湯用のノズル200への凝固塊の付着の問題を解決することを目的とした出湯用ノズル装置が幾つか提案されているが(例えば下記特許文献1,特許文献2)、未だ十分に上記の問題を解決できてはいない。
図示のようにこの出湯用ノズル装置では、ノズル200の上端開口を閉塞している、るつぼ底部の凝固金属を加熱により溶解して出湯を生ぜしめる上側の出湯用コイル201に加え、出湯後に凝固塊k-1(図5)を高周波誘導加熱し、これをノズル200から除去する除去用コイル203を設け、それらによりノズルコイル202を構成している。
そこで除去用コイルをノズルの下端から0.5D〜2Dの高さにかけてノズルの下端部に配置し、ノズルの下端部を集中的に加熱することで、詳しくは下端部の内壁で冷えて固まった凝固金属を集中的に加熱し溶解することで、上側の凝固金属と分断させることができ、そのことと錘の作用とによって、凝固塊を良好にノズルの下端から脱落させ除去することができる。
しかるにこの請求項2によれば、そうした面倒や錘の落下といった不都合を生じることなく、良好に凝固塊をノズルから下方に脱落させ、除去することが可能となる。
但しそのためには除去用コイルに15kHz以上の高周波数で通電を行うことが必要である。
図1において、10はコールドクルーシブル溶解炉で、水冷の銅製のるつぼ12と、その外側に配置された溶解用コイル14とを有している。
るつぼ12は周方向に複数分割された円弧状の水冷銅セグメントを絶縁材を介して円筒形状に繋ぎ合わせて構成してある。
16は平板状をなするつぼ底部で水冷銅製である。
ここでノズルコイル22は、出湯後において加熱を行い、ノズル20の下端にぶら下り状態に残った凝固塊k-1(図4参照)を除去する下側の除去用コイル24と、出湯時において加熱を行い、ノズル20の上端を閉塞している、るつぼ底部の凝固金属Kを加熱して出湯を行わせる上側の出湯用コイル26とを備えている。
ここで下側の除去用コイル24と、上側の出湯用コイル26とはそれぞれ独立に切り離して設けられている。
このノズル20も周方向に分割構造の水冷銅から成るもので、各セグメントを絶縁材を介して周方向に繋ぎ合わせて構成してある。
尚、28はコールドクルーシブル溶解炉10の下方に設置された鋳型であり、またMはるつぼ12内部で溶解された金属の溶湯を、Kはるつぼ12への接触による冷却によって凝固した凝固金属を表している。
溶解した金属の溶湯Mは、溶解用コイル14による電磁誘導に基づくローレンツ斥力によってるつぼ12の壁部から離れ、るつぼ12内で中心部が上向きに盛り上がったドーム状に半浮遊した状態となる。
そしてるつぼ底部16に接して冷却された底部が凝固して凝固金属Kを形成する。
このとき、凝固金属Kはノズル20の上部の漏斗部20-1の開口を閉塞した状態にある。
具体的には、出湯用コイル26への通電を行って、ノズル20の漏斗部20-1の開口を閉塞している凝固金属Kを高周波誘導加熱により溶解し、閉塞状態にあった漏斗部20-1を開口せしめる。
これにより、るつぼ12内の金属の溶湯Mが、ノズル20を通過して下方の鋳型28へと出湯される。
そしてこの後、除去用コイル24への通電を行って、ノズル20の下端からぶら下り状態で残った凝固塊k-1(図4参照)をノズル20から脱落させ、除去する。
即ち除去用コイル24は、ノズル20の下端部の高さH(図2)までの部分を加熱できるようなコイル高さで構成してある。
ここでは除去用コイル24を、図1及び図2に示す位置に配置した状態とし、また凝固塊k-1に錘Wをぶら下げた状態とし、その状態で除去用コイル24に通電を行って凝固塊k-1を除去する。
また除去用コイル24のコイル高さが上記より高く、上下方向の中心位置が上方に移行すると、除去用コイル24による加熱の中心部が上方に移行し、その結果ノズル下端部に位置する凝固金属k-2に対する加熱のパワーが不足して、同様に凝固塊k-1を良好にノズル20から脱落除去することができない。
上方で部分的に溶融した凝固金属k-2の溶湯が単に下方に垂れ下がってツララ状となるのみで、凝固塊k-1を引きちぎって脱落させることができない。
また除去用コイル24の出力は、凝固塊k-1を短時間で引きちぎって脱落させるために、200kW以上が好ましい。
尚出湯用コイルにて出湯時の加熱を行うときには、これよりも低い周波数で加熱を行う。尚、この場合も、除去用コイル24の出力は、凝固塊k-1を短時間で脱落させるために、200kW以上が好ましい。
ノズル20の口部の口径をφ50mm,除去用コイル24の下端をノズル20の下端と同一としてコイル高さ20〜110mm(0.4D〜2.2D)のものを用い、また錘Wを8〜20kgとして、除去用コイル24を出力250kW−10kHz,2分間の条件で誘導加熱させ、表1に示す各種条件で凝固塊k-1の除去試験を行った。
実施例1と同様に、ノズル20の口部の口径をφ50mmとし、錘Wを使用せずに除去用コイル24を表2に示す各種条件で通電して誘導加熱を行い、凝固塊k-1の除去試験を行った。
結果が表2に併せて示してある。
尚この試験は図1及び図2に示す装置、即ち下側に除去用コイル24を、上側に出湯用コイル26を配置したものを用いて行い、出湯時と出湯後における凝固塊k-1の除去とでコイルへの通電を切り替えて試験を行った。
これに対してコイル高さ,出力,周波数ともに本発明の条件を満たす実施例については凝固塊k-1を良好に除去することができた。
12 るつぼ
14 溶解用コイル
16 るつぼ底部
18 出湯用ノズル装置
20 ノズル
20-1 漏斗部
20-2 ストレート部
22 ノズルコイル
24 除去用コイル
26 出湯用コイル
M 溶湯
K 凝固金属
k-1 凝固塊
k-2 凝固金属
W 錘
Claims (4)
- 水冷のるつぼの内部に装入した原料金属を該るつぼの外側に設けた溶解用コイルにて高周波誘導溶解し、該原料金属を該るつぼ内で半浮遊状態に溶解するコールドクルーシブル溶解炉のるつぼ底部に溶湯の出湯用のノズルを設けるとともに、該ノズルの外側にノズルコイルを設けて成り、該ノズルコイルにより該るつぼ底部で凝固した凝固金属を高周波誘導溶解して前記るつぼ内の溶湯を出湯するようになしたコールドクルーシブル溶解炉の出湯用ノズル装置における前記ノズルコイルを、出湯後に前記ノズルの下端に付着状態に残った凝固塊を高周波誘導加熱にて除去する除去用コイルを備えたものとなして、該凝固塊の除去時に該除去用コイルを前記ノズルの下端部に、且つ該除去用コイルの下端が該ノズルの下端以上の高さに、また上端が該ノズルの出湯口径をDとして該ノズルの下端から0.5D〜2Dの高さに位置する状態に配置し、前記凝固塊に10kg以上の錘をぶら下げて該除去用コイルに通電を行い、該凝固塊を除去するようになしたことを特徴とするコールドクルーシブル溶解炉の凝固塊の除去方法。
- 水冷のるつぼの内部に装入した原料金属を該るつぼの外側に設けた溶解用コイルにて高周波誘導溶解し、該原料金属を該るつぼ内で半浮遊状態に溶解するコールドクルーシブル溶解炉のるつぼ底部に溶湯の出湯用のノズルを設けるとともに、該ノズルの外側にノズルコイルを設けて成り、該ノズルコイルにより該るつぼ底部で凝固した凝固金属を高周波誘導溶解して前記るつぼ内の溶湯を出湯するようになしたコールドクルーシブル溶解炉の出湯用ノズル装置における前記ノズルコイルを、出湯後に前記ノズルの下端に付着状態に残った凝固塊を高周波誘導加熱にて除去する除去用コイルを備えたものとなして、該凝固塊の除去時に該除去用コイルを前記ノズルの下端部に、且つ該除去用コイルの下端が該ノズルの下端以上の高さに、また上端が該ノズルの出湯口径をDとして該ノズルの下端から0.5D〜2Dの高さに位置する状態に配置し、前記除去用コイルに15kHz以上で通電を行い、前記凝固塊を除去するようになしたことを特徴とするコールドクルーシブル溶解炉の凝固塊の除去方法。
- 請求項1,2の何れかにおいて、前記除去用コイルを上下にスライド移動可能となし、上方にスライド移動させることによって出湯時に加熱を行う出湯用コイルとして用いるようになしたことを特徴とするコールドクルーシブル溶解炉の凝固塊の除去方法。
- 請求項1,2の何れかにおいて、前記ノズルの下端部に前記除去用コイルを固定的に設けるとともに、該除去用コイルの上側に、出湯時に加熱を行う出湯用コイルを該除去用コイルに対して独立に設け、
該出湯時においては上側の出湯用コイルに通電を行い、出湯後においては下側の前記除去用コイルに通電を行って前記凝固塊の除去を行うようになしたことを特徴とするコールドクルーシブル溶解炉の凝固塊の除去方法。
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