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JP5483241B2 - 車両複合試験装置及び車両試験方法 - Google Patents

車両複合試験装置及び車両試験方法 Download PDF

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JP5483241B2
JP5483241B2 JP2012025737A JP2012025737A JP5483241B2 JP 5483241 B2 JP5483241 B2 JP 5483241B2 JP 2012025737 A JP2012025737 A JP 2012025737A JP 2012025737 A JP2012025737 A JP 2012025737A JP 5483241 B2 JP5483241 B2 JP 5483241B2
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Description

本発明は、他種類の車両の評価試験に対応することができる車両複合試験装置及び車両試験方法に関するものである。
従来から、車両の評価試験、例えばブレーキ制動やスピードなどの測定(検査)は、通常、整備工場などの床に穴を掘って、ピットとし、このピットに設置した車両複合試験装置で行っている。この車両複合試験装置は、検査時、車両の前後左右の車輪が載る一対のローラを備えた両ローラー試験部を有してなる。
従来のこの種の試験装置としては、例えば下記のようなものが提案されている。
特開2009−042223号公報
このような試験装置において、他種類の車両の評価試験に対応するには、車種によって、ホイールベースの幅(長さ)がいろいろと異なるため、ホイールベースに合わせて、前後の車輪のいずれかのローラー試験部を移動される必要がある。
他種類の車両としては、小型車(軽自動車など)、中型車(中型乗用車、ファミリータイプや商用タイプなどのワゴン車など)、さらには、大型車(トラック、バスなど)といろいろな車種がある。
このため、より多くの車種に対応するためには、通常、ピット内で移動可能な移動型のローラー試験部と、ピット内に固定される固定型のローラー試験部を組み合わせ、その際、移動型のローラー試験部の移動ストロークを大きくする必要がある。
この要求に答えるためには、移動型のローラー試験部が収納されるピット部分の長さも、その分だけ長くする必要がある。
ところが、移動ストロークが大きくなると、移動機構部分のコストアップとなる。また、移動ストロークが大きくなり、その分だけ、ピット長さが長くなると、ピットの施工コストの上昇も招く。さらに、作業時、ローラー試験部の移動スピードが一定であれば、移動ストロークが大きい場合、装置の移動時間が長くなるという問題も生じる。
さらにまた、ローラー試験部の移動時、ピット上面の開口部分も大きくなるため、これを塞ぐためのカバー手段を設ける場合、この部分のコストアップも避けられない。
また、このカバー手段には、測定車両の進入、退出時、大きな荷重が掛かるため、カバー手段が長くなるほど、耐荷重性において、不利になるという問題もある。
このようなことから、移動型のローラー試験部における、移動ストロークは、極力小さくすることが望まれる。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであって、他種類の車両の測定試験に対応する車両複合試験装置において、1台の移動型のローラー試験部に対して、少なくとも2台の固定側のローラー試験部を設置し、これらの複数の固定側のローラー試験部と移動型のローラー試験部の移動ストロークとの組み合わせにより、測定車両のより多くのホイールベースに対応することができ、また、結果として、移動型のローラー試験部の移動ストロークを小さく抑えた優れた車両複合試験装置及び車両試験方法を提供するものである。
本発明に係る請求項1記載の発明は、測定車両の前後左右の車輪が載る一対のローラからなるローラー試験部を床面のピットに複数設置してなる車両複合試験装置であって、
前記ローラー試験部の左右の1台を、測定車両の前後方向に移動可能に設置した移動型とし、前記ローラー試験部の少なくとも左右の2台を、前記移動型のローラー試験部に対向させ、かつ、離間させて設置した固定型とする一方、
前記各ローラー試験部の一対のローラの一方を回転自在のフリーローラとし、その他方を駆動ローラとし、かつ、前記移動型のローラー試験部の左右のフリーローラは、それぞれの回転軸をクラッチを介して連結させると共に、前記固定型のローラー試験部の左右のフリーローラは、それぞれの回転軸をクラッチを介して連結させる一方、
前記移動型のローラー試験部の左右のフリーローラにあっては、前記固定型のローラー試験部の左右のフリーローラのそれぞれと、クラッチ機構を有する2系統の回転伝達手段を介して、連結させる共に、前記各フリーローラの一部又は全部に速度計を設け、さらに、前記駆動ローラには、当該駆動ローラ用の駆動源を連結させる共に、その一部又は全部に制動力計を設け、前記左右1台の移動型のローラー試験部に対する前記少なくとも左右2台の固定型のローラー試験部の組み合わせにより、前記測定車両の複数のホイールベースに対応することを特徴とする車両複合試験装置にある。
本発明に係る請求項3記載の発明は、前記フリーローラの回転伝達手段を、ベルト伝動又はチェン伝動とし、かつ、前記移動型のローラー試験部のフリーローラと前記固定型のローラー試験部のフリーローラ間には、ベルト伝動又はチェン伝動用のリンクフレーム機構を介在させたことを特徴とする請求項2記載の車両複合試験装置にある。
本発明に係る請求項4記載の発明は、前記ピット内に設置されて回転自在とした速度制限装置用のフライホイールを有する慣性補償手段を、クラッチ機構を介して、着脱自在に連結させたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の車両複合試験装置にある。
本発明に係る請求項5記載の発明は、前記移動型のローラー試験部に、当該ローラー試験部の移動により開放されるピットの開口部を、当該移動に連動して塞ぐ複数の移動踏板と、当該移動踏板の左右の縁部に設けられたガイドコロと、当該ガイドコロが案内されると共に、前記ピット内の装置フレーム側の左右に付設された概略倒U型のガイドレールとからなる連動カバー手段を設けたことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の車両複合試験装置にある。
本発明に係る請求項6記載の発明は、概略倒U型のガイドレールの倒U型底面部分を、前記ローラー試験部の一対のローラの回転軸間上に架設し、かつ、当該架設部分の回転軸にはベアリング部品を装着させたことを特徴とする請求項5記載の車両複合試験装置にある。
本発明に係る請求項7記載の発明は、前記固定型のローラー試験部の駆動ローラに対して、測定車両の車輪の後方に対峙させた車輪用の移動防止ローラと、当該移動防止ローラの駆動シリンダを有する車輪移動防止手段を設けたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の車両複合試験装置にある。
本発明に係る請求項8記載の発明は、前記請求項1〜6から選ばれるいずれかの車両複合試験装置において、
測定車両のホイールベースが、移動型のローラー試験部と固定型のローラー試験部のなす最長距離より長いとき、前記測定車両の前後の車輪を、それぞれの単独でローラー試験部にのせて検査することを特徴とする車両試験方法にある。
本発明に係る請求項1記載の発明では、1台の移動型のローラー試験部と、少なくとも2台の固定型のローラー試験部を有するため、これらの固定側のローラー試験部と移動型のローラー試験部の移動ストロークとの組み合わせにより、測定車両のより多くのホイールベースに対応することができる。
例えば、移動型のローラー試験部における、ローラーの移動ストロークを、1425mmと小さめに抑えても、この移動型のローラー試験部と隣接する1台目の固定型のローラー試験部間の両ローラーの最接近距離を1150mmとし、これと2台目の固定型のローラー試験部間の両ローラーの距離を1425mmとすれば、ほぼ4000mmまでのホイールベースの測定車両の検査に対して、対応することができる。
この4000mmまでのホイールベースに対応するため、仮に、1台の移動型のローラー試験部と1台の固定型のローラー試験部の組み合わせで行うとすれば、移動型のローラー試験部と固定型のローラー試験部間を1150mmとした場合、移動型のローラー試験部における、ローラーの移動ストロークを、2850mmとする必要がある。
つまり、本発明例の2倍の長さとなる。勿論、移動部分のピット長さも長くなる。
また、本発明例では、移動型のローラー試験部の移動ストロークを、1.5m程度と小さく抑えることができるため、移動機構部分のコストダウンが可能となる。
勿論、移動ストロークが小さくなる分だけ、ピット長さも短く、ピット施工コストの低減が期待できる。さらに、作業時、ローラー試験部の移動スピードが一定であれば、移動ストロークが小さい分だけ、装置の移動時間が短縮できる。優れた迅速性が得られる。
さらにまた、ローラー試験部の移動時における、ピット上面の開口部分も小さくなるため、これを塞ぐためのカバー手段のコストダウンも可能となる。
また、このカバー手段には、測定車両の進入、退出時、大きな荷重が掛かるため、カバー手段が短くなる分だけ、耐荷重性の点においても有利である。
さらに、少なくとも、ローラー試験部のフリーローラと速度計により、測定車両のスピード検査を行うことができ、また、駆動ローラと制動力計により、測定車両のブレーキ制動検査を行うことができる。
つまり、ホイールベースの異なるいろいろな車種の測定車両に対して、1台の装置で、複数の検査に対応することができる。
本発明に係る請求項3記載の発明では、移動型のローラー試験部と固定型のローラー試験部間を連結するため、両フリーローラ間の回転伝達手段を、ベルト伝動又はチェン伝動と、動作時、リンクフレーム機構を介在させた構成としてあるため、移動型のローラー試験部の移動に連動させて、スムーズに回転力を伝えることができる。
本発明に係る請求項4記載の発明では、移動型のローラー試験部に対して、速度制限装置用のフライホイールを有する回転制動手段を、着脱自在に連結させてあるため、例えば、トラックなどの速度制限対象(時速90Km)の速度車両において、その制限速度の検査時、フライホイールにより、車輪速度の急激な回転上昇をスムーズに抑えることができる。これにより、高い信頼性が得られる。
本発明に係る請求項5記載の発明では、移動型のローラー試験部に、複数の移動踏板と、移動踏板のガイドコロと、ガイドコロが案内される概略倒U型のガイドレールとからなる連動カバー手段を設けてあるため、ローラー試験部の移動により生じる、ピット上面の開口部を、自動的に塞ぐことができる。これにより、自由な測定車両の進入、退出が可能となり、また、作業員の高い安全性が得られる。
本発明に係る請求項6記載の発明では、概略倒U型のガイドレールの倒U型底面部分を、前記ローラー試験部の一対のローラの回転軸間で支えるため、大きな荷重に耐えられる、耐荷重性に優れた連動カバー手段が得られる。
本発明に係る請求項7記載の発明では、固定型のローラー試験部の駆動ローラに対して、測定車両の車輪の後方に対峙させた車輪移動防止手段を設けてあるため、測定車両のブレーキ制動検査時、測定車輪、即ち、車両の揺動を防止することができる。これらは、特にサイド(駐車)ブレーキの制動検査時において有用である。
本発明に係る請求項8記載の発明では、ホイールベースが、移動型のローラー試験部と固定型のローラー試験部のなす最長距離より長い測定車両、例えば、ホイールベースが4000mmを超える、大型のトラックやバスなどであっても、検査することができる。
大型のトラックやバスの場合、通常車輪が種々の間隔の多軸構造をとるが、1台の移動型のローラー試験部と複数の固定型のローラー試験部を有する、本発明の車両複合試験装置を用いれば、種々のバリエイションにスムーズに対応することができる。
本発明に係る車両複合試験装置の原理を示した概略原理図である。 図1の本発明装置との比較を示した装置の概略原理図である。 本発明に係る車両複合試験装置の他の例になる概略原理図である。 本発明に係る車両複合試験装置の一例になる概略平面図である。 図3の車両複合試験装置の概略側面図である。 図3の車両複合試験装置の要部を示した説明図である。 図3の車両複合試験装置におけるローラー試験部の駆動ローラ部分を示した概略斜視図である。 図3の車両複合試験装置におけるローラー試験部の駆動ローラの車輪移動防止手段を示した概略斜視図である。 図8の車輪移動防止手段の動作を説明した概略説明図である。 図8の車輪移動防止手段の拡大概略説明図である。 図8の車輪移動防止手段のタイヤ検知部の概略斜視図である。 図3の車両複合試験装置におけるローラー試験部に連結された慣性補償手段部分を示した概略斜視図である。 図3の車両複合試験装置における連動カバー手段の移動踏板部分を示した概略平面図である。 (a)〜(b) 図6の車両複合試験装置における連動カバー手段の移動踏板部分示した概略側面図である。 (a)〜(b) 図3の本発明の車両複合試験装置を用いて、測定車両を検査する本発明の車両試験方法を示した概略説明図である。
本発明に係る車両複合試験装置の概略原理図を示すと、図1の如くである。
図1中、100は測定車両の車輪が載る一対のローラ110a、110bからなる移動型のローラー試験部、200A、200Bは同じく、測定車両の車輪が載る一対のローラ210a、210bからなる固定型のローラー試験部、Tは測定車両の車輪である。
これらの各ローラー試験部100、200A、200Bは、測定車両の前後方向に直交する形で、整備工場などの床面のピットP(穴)に設置される。
1台の移動型のローラー試験部100に対して、本例では、2台の固定型のローラー試験部200A、200Bを設けてあり、これが、本発明の大きな特徴である。
各ローラー試験部100、200A、200Bの設置間隔は、特に限定されないが、例えば、図1中に示した寸法値の如くである。
本例の場合、移動型のローラー試験部100の移動ストロークを、1425mmとし、約1.5mと短めに設定してあるが、2台の固定型のローラー試験部200A、200Bとの関係(組み合わせ)により、測定車両のホイルベースとして、4000mmまで、確保することができる。
つまり、移動型のローラー試験部100+固定型のローラー試験部200Aで、ホイールベースの幅(長さ)が、1150〜2575mmまでの測定車両に対応できる。
また、移動型のローラー試験部100+固定型のローラー試験部200Bでは、ホイールベースの幅が、2575〜4000mmまでの測定車両に対応できる。
この結果、この装置では、殆どの小型車(軽自動車など)から中型車(中型乗用車、ファミリーや商用タイプなどのワゴン車など)までを、対象車種とすることができる。
このようなホイールベースが、4000mmまでの測定車両を対応するにおいて、共に1台の移動型のローラー試験部100+固定型のローラー試験部200で対応する場合、図2の如き、結果となる。すなわち、移動型のローラー試験部100の移動ストロークを2850mmと相当長くする必要がある。この場合、装置自体のコストアップは避けられない。また、ピットPの長さも長くなるため、施工コストのコストアップともなる。
また、後述する本発明のように、移動型のローラー試験部100と固定型のローラー試験部200の間の回転伝達手段を構成するにおいて、リンクフレーム機構を用いる場合、ピット側にリンク用のスペースが必要とされるため、移動ストロークが大きいと、その分、深いピットPが必要とされる。これもコストアップ要因となる。
さらにまた、移動ストロークが大きくなれば、移動型のローラー試験部において、ピットP上面の開口部分も大きくなるため、この開口部を塞ぐ連動カバー手段なども長くなるため、これもコストアップ要因となる。耐荷重性低下の問題も起こる。
本発明の場合、上記のように、2台の固定型のローラー試験部200A、200Bの採用により、移動型のローラー試験部100の移動ストロークが、短めで済むため、このようなコストアップ要因を回避することができる。
ただし、本発明装置の場合、ホイールベースが4000mmを超える測定車両に対しては、同時に前後の車輪を載せて、検査することはできない。
しかし、後述するように、本発明の車両試験方法によれば、ホイールベースが4000mmを超える大型のトラックやバスなどの場合、車軸が多軸構造であっても、測定車両の前輪側だけ、後輪側だけと、順に行なえば、対応することができる。
さらに、本発明の他の例の車両複合試験装置としては、例えば、図3に示す如き、構成のものも可能である。この構成では、3台の固定型のローラー試験部200A、200B、200Cがあるため、ホイールベースが、8000mm程度までの大型のトラックやバスなどの測定車両にも、対応することができる。
この場合、各ローラー試験部100、200A、200B、200Cの設置間隔は、特に限定されないが、図3中に示した寸法値としてある。
この装置の場合、測定車両の前後輪を、同時に所定のローラー試験部100、200A、200B、200Cに載せて、検査できるため、迅速な検査が可能となる。
ただ、移動型のローラー試験部100の移動ストロークが、やや長くなる。しかし、装置や施設コストより、迅速な検査や、使い勝手の向上を優先させる場合、有効な構成と言える。これをさらに進めて、本発明の場合、固定型のローラー試験部の台数を、さらに増やして、4台以上とすることも可能である。
次に、本発明に係る車両複合試験装置で、上記図1に対応する、より具体的な態様について、図4〜図14により、詳説する。
100は移動型のローラー試験部、200A、200Bは固定型のローラー試験部で、これらは、測定車両の前後左右の車輪に対応するため、ほぼ左右対称に設けてある。
そして、移動型のローラー試験部100は、深いピットP部分(図6中右側)の装置フレーム部分(図示省略)に移動可能に設置し、固定型のローラー試験部200A、200Bは、浅いピットP部分(図6中左側)に固定して設置してある。
各ローラー試験部100、200A、200Bは、それぞれ一対のローラを有し、例えば、図4、図5において、測定車両の進入方向(図4、図5の矢印A方向)に対して、前方となる一方(図中右側)が、回転自在のフリーローラ110a、210aで、その他方(図中左側)が、駆動ローラ110b、210bである。
移動型のローラー試験部100のフリーローラ110a側は、固定型のローラー試験部200A、200Bのフリーローラ210aのそれぞれと、電磁クラッチ機構310a、310bを有する、2系統の回転伝達手段300A、300Bを介して、連結させてある。
また、これらのフリーローラ110a、210aの一部(全部も可)には、ロータリーエンコーダなどの速度計410(図5)が設けてある。
さらに、各駆動ローラ110b、210bには、電動モーターなどの駆動源500(図6、図7)が連結させてあり、その全部(一部も可)には、ロードセルなどの制動力計420(図7)を設けてある。
各ローラー試験部100、200A、200Bの左右の各フリーローラ110a、210a間の回転軸120、220には、電磁式のクラッチ130、230a、230bが設けてあり、必要により、その連結を着脱できる。
また、各フリーローラ110a、210a間、及び駆動ローラ110b、210b間には、測定車両の進入、退出用のリフト板430(図4)が設けてある。このリフト板430には、図示しないが、油圧などのシリンダ装置が、その底面側に連結してあって、昇降自在としてある。
移動型のローラー試験部100のフリーローラ110aと、内側(第1)の固定型のローラー試験部200Aのフリーローラ210aとを連結させる、上記回転伝達手段300Aは、図5に示すように、ベルト伝動としてある(なお、チェン伝動も可)。
具体的には、各ローラー試験部100の回転軸120、220に可動可能に軸着させた板状のフレーム部材からなるリンクフレーム321a、321b(本例では2重構造)と、これらの2重のリンクフレーム321a、321bの遊端側に軸着させたリンク軸322とからなる、リンクフレーム機構320があって、さらに、ローラー試験部100の回転軸120に装着され、かつ、電磁クラッチ機構310aを備えた回動プーリー331と、リンク軸322に装着された回動プーリー332と、ローラー試験部200Aの回転軸220に装着された固定プーリー333と、回動プーリー331と回動プーリー332間に設けたベルト341と、回動プーリー332と固定プーリー333間に設けたベルト342などの部品を有してなる。
ここで、好ましくは、ベルト341、342は、伝動精度向上のため、歯付きベルトの使用が望ましい。この場合には、勿論各プーリー側も歯付きのものとする。
この構造の回転伝達手段300Aにより、移動型のローラー試験部100のフリーローラ110aの回転を、第1の固定型のローラー試験部200Aのフリーローラ210aに伝えることができる。
また、移動型のローラー試験部100は、測定車両のホイールベースに合わせて、適宜移動するわけであるが、この移動に対しても、リンクフレーム機構320のリンク作用(折れ曲がり作用)によって、迅速、かつ、スムーズに対応することができる。
なお、移動型のローラー試験部100自体の移動は、図示しないが、装置内に組み込んだ油圧などのシリンダや、電動モーターなどによって行われる。
次に、移動型のローラー試験部100のフリーローラ110aと、外側(第2)の固定型のローラー試験部200Aのフリーローラ210aとを連結させる、回転伝達手段300Bついて、説明する。この手段も、基本的には、上記回転伝達手段300Aと同構造のもので、ベルト伝動としてある(なお、チェン伝動も可)。
具体的には、移動型のローラー試験部100の回転軸120と装置フレーム側(図示省略)に設けた固定軸323に可動可能に軸着させたリンクフレーム321a、321b(本例では2重構造)と、これらの2重のリンクフレーム321a、321bの遊端側に軸着させたリンク軸322とからなるリンクフレーム機構320があって、さらに、ローラー試験部100の回転軸120に装着され、かつ、電磁クラッチ機構310bを備えた回動プーリー331と、リンク軸322に装着された回動プーリー332と、装置フレーム側の固定軸323に装着された回動プーリー334と、ローラー試験部200Bの回転軸220に装着された固定プーリー333と、回動プーリー331と回動プーリー332間に設けたベルト341と、回動プーリー332と回動プーリー334間に設けたベルト342と、回動プーリー334と固定プーリー333間に設けたベルト343などの部品を有してなる。
ここで、好ましくは、ベルト341、342、343は、伝動精度の向上のため、歯付きベルトの使用が望ましい。この場合には、勿論各プーリー側も歯付きのものとする。
この構造の回転伝達手段300Bにより、移動型のローラー試験部100のフリーローラ110aの回転を、第2の固定型のローラー試験部200Bのフリーローラ210aに伝えることができる。
つまり、移動型のローラー試験部100のフリーローラ110aの回転を、2系統の回転伝達手段300A、300Bにより、第1や第2の固定型のローラー試験部200A、200Bのそれぞれのフリーローラ210aに、別々に伝えることができる他、多数の付設のクラッチ310a、310b、130、230a、230bの制御状態(ON、OFF)により、さまざまな態様で伝達することができる。
これにより、さまざまな要求に答える高い汎用性が得られる。
この2系統の回転伝達手段300A、300Bは、移動型のローラー試験部100の移動時、特に、第1の固定型のローラー試験部200Aや、第2の固定型のローラー試験部200B側に接近するとき、それぞれのリンクフレーム機構320がV字型に折れ曲がるため、その下端がピット底側に降下する。このとき、ローラー試験部100の移動ストロークが、本発明の図1に示した1425mmほどの場合、2000mmほどのピット深さで対応することができる。通常のピット深さの範囲内ということができる。
これに対して、上記図2に示した装置における移動ストローク2850mmの場合には、3000mmほどのピット深さが必要となり、これは、かなりの深さと言える。
勿論、ピット深さが浅くて済めば、施工コストの低減が得られる。
一方、各ローラー試験部100、200A、200Bの駆動ローラ110b、210bにあっては、電動モーターなどの駆動源500を中心とした駆動系が装備させてある。
図7は、この駆動系の固定型のローラー試験部200A、200B側のものを示したものである(なお、移動型のローラー試験部100の駆動系は、図示しないが、これと同構造のものである)。
図7において、駆動ローラ210bの回転軸220の外側の延長部には、チェーンスプロケット510、ワンウエイクラッチ機構520、制動力計420のための反力受けアーム530、回転減速機540が装着されていて、回転減速機540のプーリー541と駆動源500のプーリー501間には、ベルト550が設けてある。
また、チェーンスプロケット510とフリーローラ210aの回転軸220の外側の延長部に装着されたプロケット560間には、チェーン570が設けてある。なお、581、582は各回転軸220の軸受け(ピロー)である。
駆動ローラ210bは、測定車両のブレーキ制動測定時、回転駆動されるローラである(移動型のローラー試験部100の110bも同様)。
ブレーキ制動測定時には、駆動ローラ210bを駆動源500により、回転減速機540、ワンウエイクラッチ機構520を通じ、減速して回転させる。
そして、所定の速度となったら、この駆動ローラ210bとフリーローラ210a間に載って、一緒に回転している車輪の測定車両側で、ブレーキ制動を行う。
そうすると、車両の車輪が停止しようとし、その反力が、駆動ローラ210bに伝えられ、さらに、反力受けアーム530を通じて、制動力計420にも伝えられる。
これにより、制動力計420が押し下げられるため、当接部との圧力変化によって、ブレーキ制動力を検査することができる。
一方、測定車両のスピード検査時には、測定車両を駆動させて、車輪と共にフリーローラ210aと駆動ローラ210bを一緒に回転させるわけであるが、その際、ワンウエイクラッチ機構520の働きにより、その回転力は、駆動源500側に伝わらないようにしてある。
この駆動ローラ210b部分の後方側(フリーローラ210a側の反対側)には、例えば、図6、図8に示すように、車輪移動防止手段600を設けてある。
これは、ブレーキ制動検査時、特に、サイド(駐車)ブレーキの制動検査時、測定車両の車輪が、駆動ローラ210bの後方側に飛び出したりする移動を防止するためのものである。サイドブレーキの場合、通常後輪側だけにブレーキ制動が掛かり、前輪側はフリー状態となるため(ペダルブレーキでは前後輪にブレーキ制動が掛かる)、検査時、車体が不安定になり易く、後輪が飛び出す懸念があり、これを防止するものである。
この車輪移動防止手段600は、車輪用の移動防止ローラ610を、駆動ローラ210b部分の後方側に対峙させる形で設けてあり、そして、その下方に設置された駆動シリンダ620により、駆動されるようになっている。
より具体的には、駆動ローラ210bの両端の回転軸220にホルダー板630を回動可能に軸着させ、この両ホルダー板630の遊端側に移動防止ローラ610を、中心軸611を通じて、取り付けてある。また、両ホルダー板630間には、例えば、棒状の連結部材640が取り付けてあって、この連結部材640に駆動シリンダ620のピストンロッド621の先端部が連携させてある。この構成により、移動防止ローラ610は、駆動ローラ210bに対して、揺動(回動)可能に対峙される。
この移動防止ローラ610は、図9、図10に示すように、不使用時には、ピットP内に格納させておく(図中Ha、格納位置)。使用時には、駆動シリンダ620を駆動させて、移動防止ローラ610を、測定車両の車輪Tに当接させる(図中Hb、タイヤ接触位置)。予め、タイヤ接触位置としておくことも可能である。
この車輪Tとの接触は、例えば、図11に示す、ピストンロッド621の先端部付近に設けた車輪検知部650で、検知されるようになっている。
この車輪検知部650は、補助リンク片651と知器(センサ)653取り付けられた固定ホルダー板652を有する。補助リンク片651は連結部材640に可動可能に軸着させてある。一方、固定ホルダー板652は連結部材640に固着させてある。
補助リンク片651の遊端側(図11中左側)には、ピストンロッド621の先端部が軸着させてある。また、補助リンク片651の図中、上下に相当する固定ホルダー板652側には、ストッパー654、655が設けてある。さらに、上側ストッパー654と補助リンク片651の図中上側には、バネなどの弾性体656を介在させてある。補助リンク片651の各ストッパー側と反対側(検知器側)には、検知器用の突出部などからなるセンサ動作部651aが設けてある。
この車輪検知部650において、車輪移動防止手段600の駆動シリンダ620が駆動して、移動防止ローラ610と測定車両の車輪とが当接すると、補助リンク片651の遊端側が、図11中上側に上昇する。そうすると、補助リンク片651の上端側が、弾性体656を介して、ストッパー654に突き当る一方、補助リンク片651のセンサ動作部651aが検知器653を動作させる。これにより、車輪が検知される。
検知器653が車輪を検知してONとなると、この検知信号により、駆動シリンダ620を再度駆動させて、検知器654がOFFとなるまで、戻す。
つまり、図11中の破線の補助リンク片651の位置から、実線位置まで戻す。
この戻り動作で、駆動シリンダ620と連動する移動防止ローラ610は、測定車両の車輪Tから少々離間される(図10中Hc、車輪検知後の退避位置)。これらの動作は、装置のコントローラ(図示省略)により、自動的に行われるように設定してある。
この退避状態は、ロック手段(図示省略)を付設して、移動防止ローラ610の両ホルダー板630や連結部材640側などをロックして、固定することもできる。この場合、移動防止ローラ610はより強固に固定される。
これにより、ブレーキ制動検査時、特に、サイド(駐車)ブレーキの制動検査時において、車輪が後方に飛び出そうとしても、車輪後方に対峙する移動防止ローラ610によって、効果的に防止される。高い安全性の確保が図られる。
また、上記移動型のローラー試験部100の駆動ローラ110b側には、速度制限装置用のフライホイール710を有する慣性補償手段700を、クラッチ機構720a、720bを介して、着脱自在に連結させてある。
速度制限装置は、近年、トラックなどの車両に組み込まれる装置で、交通事故削減の目的から、車両速度が制限速度(時速90Km)を超えるのを制限するものである。
具体的には、深いピットP部分(図6中右側)の装置フレーム部分(図示省略)にあって、左右のローラー試験部100の駆動ローラ110b側に対応して、2台のフライホイール710を軸受け711などにより、回転自在に設置してある。
この両フライホイール710の回転軸712の内側(図12中の中央部分)には、電磁クラッチなどからなるクラッチ機構720a、720bが装着してあり、また、このクラッチ機構720a、720bに付設された回動プーリー721と駆動ローラ110bの回転軸120に装着された固定プーリー111との間には、ベルト730が設けてある。
ここで、好ましくは、ベルト730は、伝動精度の向上のため、歯付きベルトの使用が望ましい。この場合には、勿論各プーリー側も歯付きのものとする。なお、チェン伝動とすることも可能である。
この慣性補償手段700は、例えば、トラックなどの速度制限(時速90Km未満)が義務付けられている測定車両のスピード検査時に使用するものである。
トラックなどの測定車両の場合、移動型のローラー試験部100部分にエンジン駆動の伝達される、駆動側の車輪Tを載せて、スピードを上げようとすると、フリーローラ110a及び駆動ローラ110b側が、無荷重の場合、その回転が瞬時に高速回転に至る。
この急速な高速回転に対して、フライホイール710の荷重により、急速な高速回転を抑える、慣性補償を与えることができる。
これにより、測定車両側のスピードを、目的とする時速90Km付近まで、安定して、上げていくことができる。つまり、高い安全性の確保が可能となる。
本発明の場合、1個のフライホイール710で、その慣性トン数は1トンとしてあり、2個のフライホイール710の使用では、合計2トンの慣性トン数が得られる。
この慣性補償手段700は、移動型のローラー試験部100のフリーローラ110a及び駆動ローラ110b側に慣性補償を与えればよい手段であるため、この手段は、フリーローラ110a側、又は両ローラに設けることも可能である。
また、クラッチ機構720a、720bを省略して、2個のフライホイール710を連結させた構造としたり、さらに、1個や2個のフライホイール710として、重量のことなる幾つかのものを用意して、適宜交換できる構造することもできる。
本発明装置の場合、移動型のローラー試験部100が移動したとき、それに応じて、ピット上面には開口部が生じる。この開口部があると、自由な測定車両の進入や退出ができず、また、作業員にとっても危険である。
このため、本発明装置では、この開口部を塞ぐため、ローラー試験部100の移動に連動された連動カバー手段800を設けてある。
この連動カバー手段800は、ローラー試験部100の移動により開放されるピットPの開口部を塞ぐための複数の移動踏板810と、移動踏板810の左右の縁部に設けられたガイドコロ820と、ガイドコロ820が案内されると共に、ピットP内の装置フレーム(図示省略)側の左右に付設された概略倒U型のガイドレール830とからなる。
概略倒U型のガイドレール830の場合、図6に示すように、倒U型の底面部分が、丁度ピット上面とフラットをなる形で付設され、底面部分の長さが、ほぼローラー試験部100の移動ストロークに対応する長さとしてある。
また、この倒U型の底面部分は、ローラー試験部の一対のローラ110a、110bの回転軸120、120間上に架設し、かつ、この架設部分の回転軸120、120にはベアリング部品121、121を装着させてある。
このガイドレール830は、図4に示すように、測定車両の左右の車輪に対応するため、左右のローラー試験部100のそれぞれの両側に設けてある。
このレール部材は、特に限定されないが、測定車両の進入、退出時、大きな荷重が掛かるため、高強度の溝型チャンネル材などが好ましい。
この部材では、溝型の開口部を、内側に向けて付設すれば、移動踏板810の両縁部のガイドコロ820は、この開口部に嵌め込むのみでよい。
レール部材のピット上面側の付設部分にあっては、図6、図14に示すように、このレール部材を、フリーローラ110a、駆動ローラ110b側の回転軸120、120上に載せる形で架設した場合、回転軸120、120は、軸1本当たり、10トン前後の荷重耐性があるため、結果として、高い耐荷重特性の連動カバー手段800が得られる。
この連動カバー手段800の移動踏板810は、複数(多数)あって、これらはキャタピラー(登録商標)構造に連結され、適度の可撓性(折曲り性)を持たせてある。
1枚の移動踏板810の底面側には、例えば、図13に示すように、2本の角型フレーム材811が取り付けてあって、ガイドコロ820は、この角型フレーム材811の両縁部に設けてある。この角型フレーム材811として、高強度の部材を用いれば、荷重耐性の高い移動踏板810を得ることができる。
この移動踏板810は、具体的には、図6、図14に示すように、ローラー試験部100の前後方向の両側に、分割する形で取り付けてある。
各分割された多数の移動踏板群の遊端側には、好ましくは、図6、図14に示すように、錘(カウンターウエイト)840を設けるとよい。錘840があると、ローラー試験部100が、図14(a)〜(b)に示すように、いずれかの前後方向に移動するとき、スムーズな移動が得られる。
また、この連動カバー手段800は、ローラー試験部100に取り付けてあるため、この移動に連動して、ピット上面の開口部を自動的に塞ぐことができる。
これにより、ローラー試験部100の移動都度、主動で操作する必要はなく、自由な測定車両の進入、退出が可能となり、また、作業員の高い安全性が得られる。
このような構成からなる本発明装置の場合、通常のこの種の装置と同様にして、スピード検査やブレーキ制動検査を行うことができる。
スピード検査では、測定車両の駆動する車輪の載せられた側のローラー試験部の一対のローラを回転自在の状態に設定して、車両エンジンを駆動させ、そのときのローラの回転数を、速度計410で検知することにより、行うことができる。
ブレーキ制動検査では、測定車両のブレーキ制動される車輪の載せられた側のローラー試験部の一対のローラのうち、駆動ローラを、駆動源により駆動させ、この状態で、測定車両のブレーキ操作(ブレーキペダルの踏込み)をすることで、行うことができる。このブレーキ制動の検知は、制動力計420で行う。
ただ、本発明装置では、測定車両のホイールベースの長さや、車種の特性(フルタイム4WD車、トラクションコントロール付き車)、サイド(駐車)ブレーキの制動検査、速度制限のあるトラックのスピード検査などに対応して、以下のように適宜行える。
つまり、1台の移動型のローラー試験部100と2台の固定型のローラー試験部200A、200Bを備え、また、2系統の回転伝達手段300A、300Bや、駆動ローラ210b側の車輪移動防止手段600、フライホイール710を有する慣性補償手段700を有するため、広範なバリエイションに対応することができる。
〈スピード検査〉
I.通常車両(フルタイム4WD車、トラクションコントロール付き車を除く)
(ホイールベースの長さ=1150〜2575mmまでの車両)
測定車両の前後輪を、移動型のローラー試験部100と第1の固定型のローラー試験部200Aに載せる。このときは、クラッチ130、230aはON(連結)とし、電磁クラッチ機構310a、310bはOFF(非連結)として、上記のスピード検査を行う。
(ホイールベースの長さ=2575〜4000mmまでの車両)
測定車両の前後輪を、移動型のローラー試験部100と第2の固定型のローラー試験部200Bに載せる。このときは、クラッチ130、230bはON(連結)とし、電磁クラッチ機構310bはOFF(非連結)として、上記のスピード検査を行う。
II.特殊車両(フルタイム4WD車、トラクションコントロール付き車)
(ホイールベースの長さ=1150〜2575mmまでの車両)
測定車両の前後輪を、移動型のローラー試験部100と第1の固定型のローラー試験部200Aに載せる。このときは、クラッチ130、230a、電磁クラッチ機構はON(連結)とし、他のクラッチ、クラッチ機構はOFF(非連結)として、上記のスピード検査を行う。
つまり、回転伝達手段300Aにより、移動型のローラー試験部100と第1の固定型のローラー試験部200Aのそれぞれのフリーローラ110a、210aを連結し、連動回転させて行う。
(ホイールベースの長さ=2575〜4000mmまでの車両)
測定車両の前後輪を、移動型のローラー試験部100と第2の固定型のローラー試験部200Bに載せる。このときは、クラッチ130、230b、電磁クラッチ機構310bはON(連結)とし、他のクラッチ、クラッチ機構はOFF(非連結)として、上記のスピード検査を行う。
つまり、回転伝達手段300Bにより、移動型のローラー試験部100と第2の固定型のローラー試験部200Bのそれぞれのフリーローラ110a、210aを連結し、連動回転させて行う。
〈ブレーキ制動検査〉
I.通常車両、フルタイム4WD車、トラクションコントロール付き車
(ホイールベースの長さ=1150〜2575mmまでの車両)
測定車両の前後輪を、移動型のローラー試験部100と第1の固定型のローラー試験部200Aに載せる。このときは、全てのクラッチ、クラッチ機構はOFF(非連結)として、上記のブレーキ制動検査を行う。
また、このブレーキ制動検査が、サイド(駐車)ブレーキのときには、通常、後輪側がブレーキ制動されるため、第1の固定型のローラー試験部200Aの駆動ローラ210b側の車輪移動防止手段600を駆動させる。
(ホイールベースの長さ=2575〜4000mmまでの車両)
測定車両の前後輪を、移動型のローラー試験部100と第2の固定型のローラー試験部200Bに載せる。全てのクラッチ、クラッチ機構はOFF(非連結)として、上記のブレーキ制動検査を行う。
また、このブレーキ制動検査が、サイド(駐車)ブレーキのときには、通常、後輪側がブレーキ制動されるため、第2の固定型のローラー試験部200Bの駆動ローラ210b側の車輪移動防止手段600を駆動させる。
〈車両試験方法〉
大型多軸車(大型のトラックやバス)
ホイールベースの長さが4000mmを超える車両の場合、移動型のローラー試験部100と固定型のローラー試験部200A、200Bのなす最長距離より長いため、本発明装置に車両の前後輪を同時に載せて、種々の検知を行うことはできない。
しかし、本発明装置を用いて、この大型多軸車両の前輪側だけ、後輪側だけと、順に載せて行う、本発明の車両試験方法をとれば、種々の検査を行うことができる。
大型多軸車の場合、通常、後輪駆動車が多いため、このときには、例えば、図15(a)に示すように、後輪(2軸後輪)側を、移動型のローラー試験部100と第1の固定型のローラー試験部200Aに載せる。
そして、スピード検査のときには、車両エンジンを駆動させ、そのときの後輪の前側の車輪TF1(通常この車輪が駆動輪)のローラ110a、110bの回転数を、速度計410で検知すればよい。なお、後輪の後側の車輪TF2も、駆動輪である場合には、ローラ210a、210bの回転数を、速度計410で検知することもできる。
この大型多軸車で、後輪の前側の車輪TF1が駆動するタイプにおいて、組み込まれている速度制限装置(制限速度、時速90Km)を検査するときには、速度制限装置用のフライホイール710を有する慣性補償手段700を、クラッチ機構720a、720bを介して、移動型のローラー試験部100の駆動ローラ110b側に連結させる。
このとき、クラッチ機構720aのみをONとすれば、1トンの慣性トン数を与え、クラッチ機構720a、720bの両方をONとすれば、2トンの慣性トン数を与えることができる。これにより、車輪速度の急激な回転上昇や下降を抑え、スムーズに目的の制限速度まで上昇させることができる。つまり、高い信頼性が得られる。
なお、上記ホイールベースの長さが4000mmまでの車両でも、速度制限装置を検査する必要があるときには、この場合と同時にして、移動型のローラー試験部100の駆動ローラ110bを用いて、行えばよい。

また、大型多軸車で、前輪が駆動するタイプの場合、上記後輪が駆動するタイプのときと同様して、スピード検査、速度制限装置の検査を行えばよい。
大型多軸車のブレーキ制動検査の場合、前後輪のそれぞれの車輪について、それぞれの駆動ローラ110b、210bにより、行えばよい。
このとき、例えば、図15(b)に示すように、2軸の前輪の前側の車輪TF1を、移動型のローラー試験部100に載せ、前輪の後側の車輪TF2を、第2の固定型のローラー試験部200Bに載せる。勿論、前輪の両車輪TF1、TF2の間隔が、最も狭いときには、後側の車輪TF2を、第1の固定型のローラー試験部200Aに載せる。
この状態で、前輪の左右の両車輪TF1、TF2を、一度に検査することができる。
この例では、後輪が1軸であるため、この後輪のブレーキ制動検査にあたっては、車両を前進させて、移動型のローラー試験部100(固定型のローラー試験部200A、200Bも可)に載せて、行えばよい。

この車両試験方法によると、本発明の車両複合試験装置を用い、これは1台の移動型のローラー試験部100と少なくとも2台の固定型のローラー試験部200A、200Bを有するため、測定車両が大型の多軸車で、2軸間における車輪の前側と後側の間隔が大きく異なるケースであっても、殆どのケースに対応することができる。
この結果、全車輪毎に、その都度、測定車両を移動させて、位置合わせをするなどの面倒な作業数の低減が図れる。つまり、使い勝手が格段に改善される。また、作業時間の短縮ともなるので、作業性が向上も図れる。
特に、ユーザー車検と言って、ユーザーが自分でこれらの操作を行う場合、測定車両の位置合わせなどは、結構大変で、しかも、作業工程数が多いと、その実用性が大幅に低下する懸念がある。本試験方法では、この懸念の大幅な緩和が期待できる。
なお、本発明の上記説明は、代表的な検査の態様を示したものであり、この態様に限定されるものではない。即ち、本発明の装置の種々の動作態様や、本発明の車両試験方法の趣旨、精神を逸脱しない範囲の他の態様も含まれるものである。
100・・・移動型のローラー試験部、110a・・・フリーローラ、110b・・・駆動ローラ
200A、200B・・・固定型のローラー試験部、210a・・・フリーローラ、210b・・・駆動ローラ
300A、300B・・・回転伝達手段、320・・・リンクフレーム機構
410・・・速度計、420・・・制動力計
500・・・駆動源、520・・・ワンウエイクラッチ機構、530・・・反力受けアーム、540・・・回転減速機
600・・・車輪移動防止手段、610・・・移動防止ローラ、620・・・駆動シリンダ
700・・・慣性補償手段、710・・・フライホイール、720a、720b・・・クラッチ機構
800・・・連動カバー手段、810・・・移動踏板、820・・・ガイドコロ、830・・・概略倒U型のガイドレール

Claims (7)

  1. 測定車両の前後左右の車輪が載る一対のローラからなるローラー試験部を床面のピットに複数設置してなる車両複合試験装置であって、
    前記ローラー試験部の左右の1台を、測定車両の前後方向に移動可能に設置した移動型とし、前記ローラー試験部の少なくとも左右の2台を、前記移動型のローラー試験部に対向させ、かつ、離間させて設置した固定型とする一方、
    前記各ローラー試験部の一対のローラの一方を回転自在のフリーローラとし、その他方を駆動ローラとし、かつ、前記移動型のローラー試験部の左右のフリーローラは、それぞれの回転軸をクラッチを介して連結させると共に、前記固定型のローラー試験部の左右のフリーローラは、それぞれの回転軸をクラッチを介して連結させる一方、
    前記移動型のローラー試験部の左右のフリーローラにあっては、前記固定型のローラー試験部の左右のフリーローラのそれぞれと、クラッチ機構を有する2系統の回転伝達手段を介して、連結させる共に、前記各フリーローラの一部又は全部に速度計を設け、さらに、前記駆動ローラには、当該駆動ローラ用の駆動源を連結させる共に、その一部又は全部に制動力計を設け、前記左右1台の移動型のローラー試験部に対する前記少なくとも左右2台の固定型のローラー試験部の組み合わせにより、前記測定車両の複数のホイールベースに対応することを特徴とする車両複合試験装置。
  2. 前記フリーローラの回転伝達手段を、ベルト伝動又はチェン伝動とし、かつ、前記移動型のローラー試験部のフリーローラと前記固定型のローラー試験部のフリーローラ間には、ベルト伝動又はチェン伝動用のリンクフレーム機構を介在させたことを特徴とする請求項1記載の車両複合試験装置。
  3. 前記移動型のローラー試験部に対して、前記ピット内に設置されて回転自在とした速度制限装置用のフライホイールを有する慣性補償手段を、クラッチ機構を介して、着脱自在に連結させたことを特徴とする請求項2記載の車両複合試験装置。
  4. 前記移動型のローラー試験部に、当該ローラー試験部の移動により開放されるピットの開口部を、当該移動に連動して塞ぐ複数の移動踏板と、当該移動踏板の左右の縁部に設けられたガイドコロと、当該ガイドコロが案内されると共に、前記ピット内の装置フレーム側の左右に付設された概略倒U型のガイドレールとからなる連動カバー手段を設けたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の車両複合試験装置。
  5. 概略倒U型のガイドレールの倒U型底面部分を、前記ローラー試験部の一対のローラの回転軸間上に架設し、かつ、当該架設部分の回転軸にはベアリング部品を装着させたことを特徴とする請求項4記載の車両複合試験装置。
  6. 前記固定型のローラー試験部の駆動ローラに対して、測定車両の車輪の後方に対峙させた車輪用の移動防止ローラと、当該移動防止ローラの駆動シリンダを有する車輪移動防止手段を設けたことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の車両複合試験装置。
  7. 前記請求項1〜6から選ばれるいずれかの車両複合試験装置において、
    測定車両のホイールベースが、移動型のローラー試験部と固定型のローラー試験部のなす最長距離より長いとき、前記測定車両の前後の車輪を、それぞれの単独でローラー試験部にのせて検査することを特徴とする車両試験方法。
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