以下、図面を参照し、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明を適用可能なシステムの構成例を示す図である。
本システムは、PC101と、画像形成装置111、112と、PC101と画像形成装置111、112を接続するLANとを備える。図1には例として2台の画像形成装置が示されているが、画像形成装置は1台であってもよい。以下では、画像形成装置111を用いて印刷が行われる実施形態を説明する。
尚、本実施形態では、PC101と画像形成装置111、112は、ネットワークを介して接続する形態をとっているが、パラレルケーブルやシリアルケーブル、USBケーブル等により接続する形態をとってもよい。また、ネットワーク接続の形態は、LANに限らず、インターネットであってもよい。
図2は、PC101の構成例を示すブロック図である。
PC101は、CPU201、RAM202、補助記憶装置203、画像表示装置204、ユーザコマンド入力装置205、ネットワークインタフェースカード206、メインバス209を備える。補助記憶装置203は、例えば、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、CD-ROM等である。画像表示装置204は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ等である。画像表示装置204は、ユーザにメッセージ等を通知する。ユーザコマンド入力装置205は、例えば、マウス、キーボード等である。ユーザコマンド入力装置205は、ユーザによるコマンド入力を受け付ける。ネットワークインタフェースカード206は、LAN220を介して他のネットワーク機器と相互にデータをやりとりする。
図3は、画像形成装置111の構成例を示すブロック図である。
CPU301は、PC101から受け取った印刷用ジョブを解釈し、印字制御等を行う。補助記憶装置303は、例えば、ハードディスク、CD−ROM等である。画像表示装置304は、例えば、タッチパネルである。画像表示装置304は、画像形成装置111のステータスや各種メッセージを表示する。ユーザコマンド入力装置305は、例えば、タッチパネルである。ログインユーザは、ユーザコマンド入力装置305を操作することによって、画像形成装置111へのログインや、印刷用ジョブの指定を行う。尚、画像表示装置304とユーザコマンド入力装置305は、単一のタッチパネルであってもよい。
印刷エンジン307は、PC101から受け取った印刷用ジョブに基づいて印刷制御を行う。読取部308は、原稿台に置かれた紙原稿を読み取り白黒2値やカラー多値の電子データ等を生成する。DSU(Digital Service Unit:デジタル回線終端装置)310は、デジタル回線330を介して他の機器との間でデータ送受信を行う。NCU(Network Contorol Unit)312は、アナログ回線340を介して他の機器との間でデータ送受信を行う。モデム311は、送受信データの変調・復調を行う。USB通信部314は、USBを用いて他の情報端末とデータの送受信を行う。
尚、本実施形態では、読取部308、DSU310、モデム311、NCU312、デジタル回線330、アナログ回線340は必須ではない。
図4は、PC101と画像形成装置111の機能を概略的に示すブロック図である。
PC101は、XPSデータやPDFデータ等の文書データを画像形成装置111に送信するための送信プログラム401を搭載する。送信プログラム401は、ユーザの指示にしたがって、データ送受信部402を介して、画像形成装置111に文書データを送信する機能を有する。
画像形成装置111は、データ送受信部403、データ変換部404、データ管理部405、画面制御部406、印刷制御部407、メインコントロール部408を備える。メインコントロール部408は、画像形成装置111を統括的に制御する。データ送受信部403は、NIC306を介して、PC101から文書データを受け取る。データ変換部404は、メインコントロール部408の指示にしたがって、PC101から受け取った文書データを、印刷エンジン307が印刷処理可能なデータ形式に変換する。印刷制御部407は、メインコントロール部408の指示にしたがって、データ変換部404から得られた印刷処理可能なデータに基づいて印刷制御を行う。データ管理部405は、メインコントロール部408の指示にしたがって、補助記憶装置303にデータを保存し、又は、補助記憶装置303に保存されているデータを読み出しRAM302等の記憶部に格納する。
図5は、PC101に搭載された送信プログラム401がPC101のディスプレイに表示する送信設定画面の一例を示す図である。
送信設定画面500は、プリンタ指定領域501と、送信文書指定領域502と、送信文書参照領域503と、文書操作用パスワードを指定するためのパスワード指定領域504、505、506とを有する。
文書操作用パスワードとは、「文書を開くパスワード」、「権限パスワード」又は「添付ファイルを開くパスワード」である。「文書を開くためのパスワード」とは、画像形成装置111において印刷データをプレビュー表示する際に使用されるパスワードである。「権限パスワード」とは、印刷データの印刷、又は、印刷データの編集(削除、パスワード変更等)を行う際に使用されるパスワードである。「添付ファイルを開くパスワード」とは、文書ファイルに別の文書データが添付されている場合に、その添付文書データを使用(プレビュー表示、印刷、編集)する際に使用されるパスワードである。
プリンタ指定領域501は、文書データの送信先の画像形成装置111を指定するための領域である。
送信用設定画面500は、更に、文書データ送信後に画像形成装置111が行う処理種別を指定するための処理種別指定領域507、文書データの保存場所を指定するための保存場所指定領域508、送信ボタン509、キャンセルボタン510を有する。
送信文書参照領域503は、PC101内の補助記憶装置203等に保存されている文書を参照する際に使用する領域である。
処理種別指定領域507において「印刷のみ」が指定された場合、画像形成装置111は、印刷データの印刷のみを行う。「印刷して保存」が指定された場合、画像形成装置111は、印刷データを印刷するとともに、保存場所指定入力領域508で指定された保存場所に当該印刷データを保存する。「保存のみ」が指定された場合、画像形成装置111は、印刷データを印刷せずに、保存場所指定領域508で指定された保存場所に当該印刷データを保存する。
保存場所指定領域508は、画像形成装置111内のデータ管理部405で管理する保存場所(例えば、00〜99までの100個の保存場所)を指定するための領域である。
ユーザが送信ボタン509を押下すると、送信プログラム401は、データ送受信部402を介して、プリンタ指定領域501で指定された画像形成装置111に対して、送信文書指定領域502で指定された文書データを送信する。一方、ユーザがキャンセルボタン510を押下すると、送信プログラム401は送信処理を中止する。
図6は、画像形成装置111が有するタッチパネル部とキー入力部の外観を示す図である。これは、前述した画面表示装置304及びユーザコマンド入力装置305に相当する。
タッチパネル部601は、画像形成装置111が提供する機能をタブページの形式で表示すると共に、ユーザからの指示を受け付ける。キー入力部602は、テンキー等のキーを備え、ユーザからの指示を受け付ける。キー入力部602は、タッチパネル部601と併用される。
図7は、タッチパネル部901が表示するユーザ認証画面の一例を示す図である。
ユーザ認証画面700は、ユーザID入力領域701、パスワード入力領域702、ログインボタン703を有する。
ユーザ認証で使用されるユーザIDやパスワード等のユーザ情報は、画像形成装置111内のデータ管理部405で管理されている。尚、当該ユーザ情報は、画像形成装置111とサーバ(ユーザ認証サーバ等)とが連携してユーザ認証を行うユーザ認証システムで管理されてもよい。
ログインユーザは、ユーザID入力領域701とパスワード入力領域702にユーザIDとパスワードを入力し、ログインボタン703を押下することによりログインを試みる。メインコントロール部408は、入力されたユーザIDとパスワードとに基づいて、そのログインユーザのログインの許可/不許可を決定する。
図8は、タッチパネル部901が表示する保存ジョブタブページの一例を示す図である。
保存ジョブタブページ800は、印刷用ジョブ表示領域801、印刷ボタン802、プレビュー表示ボタン803、編集ボタン804、削除ボタン805、スクロールバー806を有する。
印刷用ジョブ表示領域801には、PC101から受け取った文書データを印刷可能形式に変換することにより得られた印刷用ジョブ、すなわち、印刷データの名前が一覧表示される。すなわち、印刷用ジョブ表示領域801には、画像形成装置111が記憶装置に保存している印刷データの一覧が表示される。これらの一覧表示された印刷データの名前の中からログインユーザが印刷対象の印刷データの名前を選択すると、その名前の表示色が変わる。こうして、ログインユーザは、処理対象の印刷データを指定することができる。図8に示す例では、「議事録」という名前の印刷データがログインユーザにより指定されている。
印刷ボタン802は、印刷用ジョブ表示領域801で指定されている印刷データを印刷するためのボタンである。
プレビュー表示ボタン803は、印刷用ジョブ表示領域801で指定されている印刷データのプレビュー画像を表示させるためのボタンである。
編集ボタン804は、印刷用ジョブ表示領域801で指定されている印刷データの編集(「ページの削除」等)を行うためのボタンである。
削除ボタン805は、印刷用ジョブ表示領域801で指定されている印刷データを削除するためのボタンである。
スクロールバー806は、印刷用ジョブ表示領域801内に収まりきらない数の印刷データが存在する場合に、印刷データ一覧を上下にスクロールさせるためのスクロールバーである。
図9は、PC101に搭載された送信プログラム401と画像形成装置111との間のデータの流れを示す図である。具体的には、図9は、PC101が文書データ等を画像形成装置111に送信し、画像形成装置111が受け取った文書データ等を印刷データに変換して記憶装置に格納するまでの流れを示す。
ユーザは、PC101において、送信プログラム401が提示する送信用設定画面500を介して、前述した設定・指示を行う。具体的には、ユーザは、送信文書指定領域502で送信文書を選択し(S901)、パスワード指定領域504、505、506で文書操作用パスワードを入力する(S902)。次いで、ユーザは、処理種別指定領域507で処理種別を指定し(S903)、保存場所指定領域508で文書データの保存場所を指定し(S904)、送信ボタン509を押下することにより文書データの送信を指示する(S905)。
文書データの送信が指示されると、送信プログラム401は、PC101へのログイン用のユーザID701を取得し(S906)、文書データと文書操作用パスワードとユーザIDとを画像形成装置111に送信する(S907)。
画像形成装置111は、受け取った文書データを印刷可能な印刷データに変換(S908)すると共に、各種パスワードとユーザIDに基づき文書情報を生成する(S909)。文書情報には、文書作成者、「文書を開くパスワード」、「権限パスワード」、「添付ファイルを開くパスワード」が含まれる。文書情報の詳細については後述する。
次いで、画像形成装置111は、当該文書情報を印刷データに埋め込み、印刷データを補助記憶装置303に保存する(S910)。S908〜S910の詳細については、後述する。
図10は、印刷データを保存した後の画像形成装置111の処理の流れを示す図である。
ログインユーザは、ユーザ認証画面700でユーザIDとパスワードを入力することにより画像形成装置111にログインし、ユーザ認証を受ける(S1001、S1002)。
次いで、ログインユーザがタッチパネル部601で保存ジョブタブを選択すると(S1003)、メインコントロール部408は、保存ジョブタブページ800に、データ管理部405に保存されている印刷データの名前の一覧を表示する(S1004)。次いで、ログインユーザは、保存ジョブタブページ800で処理対象の印刷データを指定し、印刷データに対する操作(印刷、プレビュー表示、編集)を選択する(S1005)。印刷データに対する操作が選択されると、メインコントロール部408は、ログインユーザの操作権限を判定し(S1006)、その操作権限に応じて印刷データに対する処理を行う(S1007)。S1005〜S1007の詳細については、後述する。最後に、ログインユーザは、画像形成装置111からログオフする(S1008)。
図11は、印刷データのデータ構造の一例を示す図である。
本実施形態では、印刷データは複数ページのデータからなるとする。印刷データは、ベクタデータ1101と、メタデータ1102、ディスプレイリスト1103とから構成される。印刷データは、ドキュメントヘッダ(x1)を先頭とする階層構造をとる。
ベクタデータ1101は、解像度非依存の論理描画データである。ベクタデータ1101は、ページヘッダ(x2)と、サマリ情報(x3)と、オブジェクト(x4)とから構成される。メタデータ1102は、ドキュメント情報(x5)と、ドキュメント詳細情報(x6)と、ページ情報(x7)と、ページ詳細情報(x8)とから構成される。ディスプレイリスト1103は、ページヘッダ(x9)と描画展開用のインストラクション(x10)とから構成される。
ドキュメントヘッダ(x1)には、ベクタデータ(x2)の格納場所とディスプレイリスト1103の格納場所とが記述されている。つまり、ベクタデータ1101とディスプレイリスト1103はドキュメントヘッダ(x1)によって関連付けられている。
ページヘッダ(x2)には、ページの大きさや向きなどのレイアウト情報が記述される。オブジェクト(x4)には、ライン、多角形、ベジェ曲線等の描画データが記述される。複数のオブジェクト(x4)は、まとめてサマリ情報(x3)に関連付けられる。サマリ情報(x3)は、複数のオブジェクトの特徴をまとめて表現するものである。サマリ情報(x3)には、像域の元となる情報などが記述される。オブジェクト(x4)には、イメージオブジェクトも含まれる。
メタデータ1102は、描画処理には使用しない付加情報である。本実施形態では、メタデータ1102内のドキュメント情報(x5)の格納領域に、文書作成者、「文書を開くパスワード」、「権限パスワード」、「添付ファイルを開くパスワード」等の文書情報が格納される。
ドキュメント詳細情報(x6)には、たとえば文書全体の印刷体裁などの文書詳細情報が含まれる。メタデータ1102はドキュメントヘッダ(x1)に関連付けられているため、ドキュメントヘッダ(x1)からドキュメント詳細情報(x6)を参照できる。
ページ情報(x7)には、例えばメタデータがイメージモードデータから生成されたものなのか、文字オブジェクトを含むPDLから生成されたものなのか、などの情報が含まれる。ページ詳細情報(x8)には、セキュリティ関係の属性情報や、付加情報として生成された文字列(文字コード列)が含まれる。
メタデータ1102は、ベクタデータ1301のサマリ情報(x3)に関連付けられているため、サマリ情報(x3)からページ詳細情報(x8)を参照できる。
ディスプレイリスト1103は、ベクタデータ1101をドットイメージに展開するための中間コードである。ディスプレイリスト1103には、ベクタデータ1101に含まれる各オブジェクト(図形、写真、フォント等)を実際に用紙に印刷するための配置情報やレイアウト情報等の描画情報が記述される。
ページヘッダ(x9)には、ページ内のインストラクション(x10)の管理テーブルなどが記述される。インストラクション(x10)は、解像度依存な描画情報である。
図12は、図11に示す印刷データを格納するメモリの領域を示す図である。図12に示す配置で、ドキュメントヘッド(x1)、ベクタデータ1101、メタデータ1102及びディスプレイリスト1103はメモリに格納される。図13は、図11に示す印刷データの記憶するファイルを示す図である。図13に示すように、印刷データは一つのファイルに記憶される。
図14は、文書情報の一例を示す図である。
文書情報1400は、前述したS909(図9)の処理で新規に生成される。また、文書情報は、S1005〜S1007(図10)の処理において、画像形成装置111のメインコントロール部408によって更新可能である。文書情報の更新については後述する。
文書情報1400には、文書作成者のユーザID1401、「文書を開くパスワード」1402、「権限パスワード」1406、「添付ファイルを開くパスワード」1409が含まれる。
文書作成者のユーザID1401には、S906(図9)の処理により、送信プログラム401が取得したPC101へのログイン用のユーザIDが設定される。「文書を開くパスワード」1402には、送信設定画面500(図5)の領域504に入力されたパスワードが設定される。「権限パスワード」1406には、送信設定画面500の領域505に入力されたパスワードが設定される。「添付ファイルを開くパスワード」1409には、送信設定画面500の領域506に入力されたパスワードが設定される。
文書情報1400には、更に、パスワード毎に、既にパスワードを解除したユーザの数と、それらのユーザのユーザIDも設定される。図14に示す文書情報の場合、「文書を開くパスワード」の解除ユーザ数は2人(1403)であり、それらのユーザのユーザIDは「KITANI」1401と「INOUE」1405である。また、「権限パスワード」の解除ユーザ数は1人(1407)であり、そのユーザのユーザIDは「KITANI」である。さらに「添付ファイルを開くパスワード」の解除ユーザ数は0人である。
文書情報1400は、随時、参照又は更新が可能な情報である。
図15は、画像形成装置111による文書データの印刷データへの変換処理と印刷データの保存処理(S908〜S910)の一例を示すフローチャートである。
S1501において、画像形成装置111は、PC101から文書データを受け取る。
S1502において、画像形成装置111は、文書データに「権限パスワード」が付加されているか判定する。文書データに「権限パスワード」が付加されていない場合には、画像形成装置111は、文書データを印刷データに変換し、S1506において当該印刷データを保存する。前述したように、「権限パスワード」とは、印刷データの印刷、又は、印刷データの編集(削除、パスワード変更等)を行う際に使用されるパスワードである。
「権限パスワード」が文書データに付加されている場合には、S1503において、画像形成装置111は、ユーザにより画像形成装置111に「権限パスワード」が指定されているか判定する。本実施形態では、画像形成装置111で扱う印刷データは最終的に印刷されることを想定しているため、印刷に必要な「権限パスワード」が指定されていない場合には、当該文書データは無効なデータとして処理される。
「権限パスワード」が画像形成装置111に指定されている場合、S1504において、画像形成装置111は、データ変換部404を用いて、指定された「権限パスワード」又は「文書を開くパスワード」を用いて文書データを印刷データに変換する。
S1505において、画像形成装置111は、PC101から受け取った文書作成者と文書操作用パスワードとに基づいて文書情報1400を生成し、ドキュメント情報(x5)の格納領域に格納する。
S1506において、画像形成装置111は、データ管理部405を用いて、文書情報が埋め込まれた印刷データを補助記憶装置303に保存する。
以上の処理により、画像形成装置111における印刷データの保存は完了する。
図16は、画像形成装置111に保存されている印刷データに対する操作処理(S1005〜S1007)の一例を示すフローチャートである。
S1602において、ログインユーザは、画像形成装置111にログインするためにユーザ認証画面700を用いてユーザIDとパスワードを入力する。画像形成装置111のメインコントロール部408は、入力されたユーザIDを任意のタイミングで参照できるものとする。
ログインが成功すると、S1604において、ログインユーザは、保存ジョブタブページ800に表示される印刷データ一覧801の中から処理対象の印刷データを選択する。
S1605において、ログインユーザは、処理対象の印刷データに対する操作を選択する。すなわち、印刷ボタン802、プレビュー表示ボタン803、編集ボタン804又は削除ボタン805のいずれかのボタンを押下する。
S1606において、画像形成装置111は、押下されたボタンにより、選択された操作を判定する。
画像形成装置111は、印刷が選択された場合には1607の処理に進み、プレビュー表示が選択された場合にはS1614の処理に進み、編集が選択された場合にはS1621の処理に進む。
まず、印刷が選択された場合の処理を説明する。
印刷が選択された場合、S1607において、画像形成装置111は、印刷データの文書情報1400に「権限パスワード」が設定されているか判定し、「権限パスワード」が設定されていない場合、S1609において印刷データを印刷し、処理を終了する。これに対して、「権限パスワード」が設定されている場合、画像形成装置111は、S1608の処理に進む。
S1608において、画像形成装置111は、S1602で入力されたユーザIDが文書情報1400(図14)に設定されている文書作成者のユーザID1401又は「権限パスワード」の解除ユーザのユーザID1408と一致するか判定する。すなわち、画像形成装置111は、画像形成装置111へのログインユーザが文書作成者又は「権限パスワード」の解除ユーザであるかを判定する。
画像形成装置111へのログインユーザが文書作成者又は「権限パスワード」の解除ユーザである場合、画像形成装置111は、S1609において印刷データを印刷し、処理を終了する。これに対して、ログインユーザが文書作成者又は「権限パスワード」の解除ユーザでない場合、画像形成装置111は、S1610の処理に進む。
S1610、S1611において、画像形成装置111は、パスワード入力画面を表示し、ログインユーザに「権限パスワード」を入力させる。
S1612において、画像形成装置111は、ログインユーザが入力したパスワードが、文書情報1400に設定されている「権限パスワード」1406と一致するかどうかを判定する。一致しない場合には、画像形成装置111は、S1610の処理に戻り、再び、ログインユーザに「権限パスワード」の入力を促す。これに対して、一致する場合には、画像形成装置111は、S1613の処理に進む。
S1613において、画像形成装置111は、S1602において入力されたユーザIDを「権限パスワード」のパスワード解除ユーザのユーザIDとして文書情報1400に追加し(S1613)、S1609において印刷データを印刷し、処理を終了する。
次に、プレビュー表示が選択された場合の処理を説明する。
S1605においてプレビュー表示が選択された場合、S1614において、画像形成装置111は、印刷データの文書情報1400に「文書を開くパスワード」が設定されているか判定する。「文書を開くパスワード」が設定されていない場合、画像形成装置111は、S1616においてプレビュー表示を行い、処理を終了する。これに対して、「文書を開くパスワード」が設定されている場合、画像形成装置111は、S1615の処理に進む。
S1615において、画像形成装置111は、S1602で入力されたユーザIDが文書情報1400に設定されている文書作成者のユーザID1401又は「文書を開くパスワード」の解除ユーザのユーザID1404又は1405と一致するか判定する。すなわち、画像形成装置111は、画像形成装置111へのログインユーザが文書作成者又は「文書を開くパスワード」の解除ユーザであるかを判定する。
画像形成装置111へのログインユーザが文書作成者又は「文書を開くパスワード」の解除ユーザである場合、画像形成装置111は、S1616において印刷データをプレビュー表示し、処理を終了する。これに対して、ログインユーザが文書作成者又は「文書を開くパスワード」の解除ユーザでない場合、画像形成装置111は、S1617の処理に進む。
S1617、S1618において、画像形成装置111は、パスワード入力画面を表示し、ログインユーザに「文書を開くパスワード」を入力させる。
S1619において、画像形成装置111は、ログインユーザが入力したパスワードが、文書情報1400に設定されている「文書を開くパスワード」1402と一致するかどうかを判定する。一致しない場合には、画像形成装置111は、S1617の処理に戻り、再び、ログインユーザに「文書を開くパスワード」の入力を促す。これに対して、一致する場合には、画像形成装置111は、S1620の処理に進む。
S1620において、画像形成装置111は、S1602において入力されたユーザIDを「文書を開くパスワード」のパスワード解除ユーザのユーザIDとして文書情報1400に追加し、S1616において印刷データをプレビュー表示し、処理を終了する。
次に、編集が選択された場合の処理を説明する。
S1605において編集が選択された場合、S1621において、画像形成装置111は、印刷データの文書情報1400に「権限パスワード」が設定されているか判定する。「権限パスワード」が設定されていない場合、画像形成装置111は、S1623において編集を行い、処理を終了する。これに対して、「権限パスワード」が設定されている場合、画像形成装置111は、S1622の処理に進む。
S1622において、画像形成装置111は、S1602で入力されたユーザIDが文書情報1400に設定されている文書作成者のユーザID1401又は「権限パスワード」の解除ユーザのユーザID1406と一致するか判定する。すなわち、画像形成装置111は、画像形成装置111へのログインユーザが文書作成者又は「権限パスワード」の解除ユーザであるかを判定する。
画像形成装置111へのログインユーザが文書作成者又は「権限パスワード」の解除ユーザである場合、画像形成装置111は、S1623において印刷データを編集し、処理を終了する。これに対して、ログインユーザが文書作成者又は「権限パスワード」の解除ユーザでない場合、画像形成装置111は、S1624の処理に進む。
S1624、S1625において、画像形成装置111は、パスワード入力画面を表示し、ログインユーザに「権限パスワード」を入力させる。
S1626において、画像形成装置111は、ログインユーザが入力したパスワードが、文書情報1400に設定されている「権限パスワード」1406と一致するかどうかを判定する。一致しない場合には、画像形成装置111は、S1624の処理に戻り、再び、ログインユーザに「権限パスワード」の入力を促す。これに対して、一致する場合には、画像形成装置111は、S1627の処理に進む。
S1627において、画像形成装置111は、S1602において入力されたユーザIDを「権限パスワード」のパスワード解除ユーザのユーザIDとして文書情報1400に追加し、S1623において印刷データを編集し、処理を終了する。
印刷データの編集には、パスワードの変更も含まれる。以下にパスワードの変更操作について説明する。
図17は、タッチパネル部901が表示するパスワード変更画面の一例を示す図である。
パスワード変更画面1700は、「文書を開くパスワード」編集領域1701、「権限パスワード」編集領域1702、「添付ファイルを開くパスワード」編集領域1703、変更ボタン1704、キャンセルボタン1705を有する。
ログインユーザがパスワード編集領域1701〜1703のいずれかに変更するパスワードを入力し、変更ボタン1704を押下すると、メインコントロール部408は、印刷データのドキュメント情報(x5)に含まれている文書情報1400を編集する。
例えば、「文書を開くパスワード」が変更された場合、文書情報1400に設定されているパスワード解除ユーザ数1403は0に初期化され、ユーザ1のユーザID(1404)とユーザ2のユーザID(1405)は削除される。また、「権限パスワード」が変更された場合、文書情報1400に設定されているパスワード解除ユーザ数1407は0に初期化され、ユーザ1のユーザID(1408)は削除される。また、「添付ファイルを開くパスワード」が変更された場合、文書情報に設定されているパスワード解除ユーザ数は0に初期化され、パスワード解除ユーザ数は削除される。尚、図14に示す例では、元々、「添付ファイルを開くパスワード」1409のパスワード解除ユーザ数1410は0であるため、初期化等の処理は行われない。
以上説明した通り、本実施形態では、画像形成装置111がPC101から受け取った文書データを印刷データに変換するに際し、文書データに設定されている文書作成者と文書操作用のパスワードとが印刷データに文書情報として設定される。したがって、文書作成者は、文書操作用のパスワードを入力しなくても印刷、プレビュー表示、編集を行えるため、利便性が向上する。また、本実施形態では、既に文書操作用のパスワードを用いて印刷文書にアクセスしたことのあるユーザのユーザIDは、パスワード解除ユーザIDとして文書情報に設定される。したがって、文書作成者でなくとも、文書操作用パスワードを解除したことのあるユーザであるならば、同じ文書操作用のパスワードを入力しなくても印刷文書にアクセスできるため、印刷データに対するアクセスを効率的に行うことができる。
本実施形態で用いられるパスワードは、「文書を開くパスワード」、「権限パスワード」又は「添付ファイルを開くパスワード」であるが、これら以外のパスワードであってもよい。
[その他の実施形態]
本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
前述した実施形態の機能を実現するプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶させ、該記録媒体に記憶されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も上述の実施形態の範疇に含まれる。また、前述のプログラムが記憶された記録媒体はもちろんそのプログラム自体も上述の実施形態に含まれる。
かかる記録媒体としては、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性メモリーカード、ROMがある。
また、前述の記録媒体に記憶されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウェア、拡張ボードの機能と共同して、OS上で動作し、前述の実施形態の動作を実行するものも前述した実施形態の範疇に含まれる。