JP5456001B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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Description
本実施の形態1では、厨房家具に形成された設置口に設置されるいわゆるビルトイン型の誘導加熱調理器に本発明を適用した場合を例に説明する。
図1は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器を示す上面図である。
図2は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器を示す分解斜視図である。
なお、図1、図2及び後述の各図において、同一の符号を付したものは、同一のまたはこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。
なお、本実施の形態1では天板2の後方に通気孔を形成する例を示しているが、通気孔の形成位置はこれに限定されるものではなく、例えば、天板2の後方には通気孔を設けず、本体1の前面及び背面に通気孔を形成してもよい。
第一加熱部3aの加熱手段は、加熱口のほぼ中央に配置された中央コイル4と、中央コイル4の周辺に配置された複数の周辺コイル5とを備える。中央コイル4と周辺コイル5の形状及び配置の例については後述する。中央コイル4と周辺コイル5は、コイル支持台(図示せず)によって保持されている。
なお、以降の説明において、中央コイル4と周辺コイル5を、「加熱コイル」と総称する場合がある。
なお、1つの加熱口に対応して設けられた中央コイル4および周辺コイル5は、本発明における「加熱コイル群」を構成する。
なお、駆動回路10は、本発明における「駆動部」に相当する。
なお、本実施の形態1では、報知部16は、表示部7や、図示しないブザー、音声出力装置等により構成されているが、使用者に対して視覚的あるいは聴覚的に情報を報知できる装置であれば具体的構成は問わない。
なお、制御部13は、本発明の「鍋ずれ検知部」に相当する。
なお、温度センサ20は、本発明における「温度検知装置」に相当する。
なお、負荷検知部14は、本発明の「コイル負荷検知部」に相当する。
図4は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の加熱コイルと温度センサの配置を説明する図である。
図4において、中央コイル4は、円形の平面形状を有し、絶縁被膜された任意の金属からなる導電線が円周方向に巻回されることにより構成されている。
また、中央コイル4は、導電線が円周方向に巻回されて構成され円形の平面形状を有する内側中央コイル4aと、内側中央コイル4aよりも径方向外側において導電線が円周方向に巻回されて構成され環状の平面形状を有する外側中央コイル4bとを有する。
内側中央コイル4aと外側中央コイル4bとの間には、環状の隙間が設けられている。内側中央コイル4aと外側中央コイル4bは、直列に接続されており、単一の駆動回路10(インバータ回路)で駆動される。
なお、内側中央コイル4aと外側中央コイル4bとを並列駆動してもよく、この場合は、それぞれ独立した駆動回路(インバータ回路)を用いて駆動することができる。
なお、温度センサ20の数および配置位置はこれに限定するものではない。
また、複数の温度センサ20のうち少なくとも1つ以上は、なるべく加熱コイルの近くに配置するのが好ましい。温度センサ20と加熱コイルとが離れすぎていると、温度検出位置と加熱位置とが離れすぎることとなり、被加熱物の温度を精度よく検出することができないためである。
次に、上記のような温度センサ20の検出値等に基づいて、被加熱物9が予め定められた領域から外れて載置された状態である鍋ずれを判断する動作の概要について説明する。
図5(a)、(b)では、それぞれ被加熱物9の異なる載置状態を示しており、図5(a)は被加熱物9が予め定められた領域から外れて載置された状態(鍋ずれ状態)を示し、図5(b)は被加熱物9が予め定められた領域に載置され、鍋ずれが発生していない状態を示している。
また、図面左側には加熱コイル及び被加熱物9の配置を示し、図面右側には加熱時間と各温度センサ20の検出温度の変化を概念的に示している。
なお、本実施の形態においては、被加熱物9が少なくとも中央コイル4の全面を覆う載置位置から外れた状態を鍋ずれ状態とする例を説明する。なお、鍋ずれ状態を判断する載置位置はこれに限るものではない。
以下の説明では、図5に示す被加熱物9の載置位置で、当該被加熱物9が誘導加熱が開始された状態(加熱初期)、または加熱された高温の被加熱物9が図5に示す位置に移動された状態(載置直後)であるものとする。なお、加熱動作の詳細は後述する。
この場合、被加熱物9によって覆われている温度センサ20bの検出温度は、加熱時間の経過とともに上昇していく。これに対し、被加熱物9によって覆われていない温度センサ20a、20c、20dの検出温度は、天板2を介した伝熱によって上昇するものの、温度センサ20bの検出温度と比べると低い値となる。また、被加熱物9からの距離が離れている温度センサ20dの検出温度は、最も低い値となる。
このように、被加熱物9と温度センサ20との位置関係によって温度センサ20の検出温度が異なるので、各温度センサ20による温度検出値の最大値Tmaxと最小値Tminの差分に基づいて、被加熱物9の鍋ずれ(鍋位置)を判断することができる。
この場合、被加熱物9によって覆われている温度センサ20a、20b、20cの検出温度は、加熱時間の経過とともに上昇し、ほぼ同様の値となる。また、被加熱物9によって覆われていない温度センサ20dの検出温度は、他の温度センサ20の検出温度よりは低いものの、被加熱物9との距離が近いために他の温度センサ20の検出温度と近い値となる。
このように、各温度センサ20による温度検出値の最大値Tmaxと最小値Tminとの差分が小さいため、被加熱物9の鍋ずれが発生していないと判断することができる。
次に、加熱コイルの周囲に生じる磁界の分布と、その磁界により誘導加熱される被加熱物9の加熱分布について説明する。
図6は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の加熱コイルの周囲に生じる磁界の状態と被加熱物の加熱分布を説明する図である。また、図6の上段は加熱コイルの周囲に生じる磁界Hの状態を概念的に示し、図6の下段はその磁界により誘導加熱された被加熱物9の加熱分布を示している。
上述したように、各温度センサ20の温度検出値に基づき鍋ずれを判断している。このため、上記のような温度分布が生じると、被加熱物9によって覆われている複数の温度センサ20の間で温度差が生じることとなる。
つまり、被加熱物9の鍋ずれが生じていない場合であっても、加熱コイルの駆動状態と温度センサ20の位置によっては、温度検出値の最大値Tmaxと最小値Tminとの差分が大きくなり、鍋ずれと判断される場合がある。また、鍋ずれが生じている場合であっても、加熱コイルの駆動状態と温度センサ20の位置によっては、温度検出値の最大値Tmaxと最小値Tminとの差分が小さくなり、鍋ずれと判断されない場合がある。
次に、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の加熱動作と、鍋ずれ判断の詳細について説明する。
図7は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器の加熱動作を説明するフローチャートである。
使用者が、天板2上に被加熱物9を載置し、操作部8により所望の火力で調理を行うよう火力を設定し、加熱開始のスイッチ等を押下すると、制御部13は、操作部8から火力設定に関する情報と加熱開始指示の信号を受ける(S1)。
なお、加熱コイル上の一部に被加熱物9が載置されている状態を検出するようにしても良い。例えば、加熱コイルの上方のほぼ半分以上の範囲に被加熱物9が載置された場合には、その加熱コイル上への載置状態を検出し、加熱コイルの上方のほぼ半分未満の範囲に被加熱物9が載置された場合には、その加熱コイル上の一部の載置状態を検出する。なお、以降の説明において、加熱コイル上の一部に被加熱物9が載置された加熱コイルを「一部負荷あり加熱コイル」と称する場合がある。
なお、一部負荷あり加熱コイルについても高周波電流が供給されるように、駆動制御部12を制御するようにしても良い。このとき、一部負荷あり加熱コイルに設定する火力(投入電力)は負荷あり加熱コイルよりも小さくするようにしても良い。
ここで、被加熱物9の載置位置と加熱コイルの駆動状態の具体例を図8により説明する。
図8に示すように、楕円形の被加熱物9が中央コイル4上と周辺コイル5b、5d上の全面に載置され、周辺コイル5a、5c上の一部(半分未満の範囲)に載置された場合、制御部13は、負荷なしコイルである周辺コイル5a、5cについては高周波電流を供給せず、負荷あり加熱コイルである中央コイル4及び周辺コイル5a、5dについては高周波電流を供給し、設定された火力(投入電力)が得られるように、駆動制御部12を制御する。
このように、加熱コイルの上方への被加熱物9の載置状態に応じた駆動をすることで、小型の鍋や、楕円形の鍋、角形の鍋など、被加熱物9の形状に応じて、効率よく加熱することができる。
制御部13は、各加熱コイルの駆動状態(駆動モードおよび火力等)と温度センサ20の配置関係とに基づいて、各温度センサ20のそれぞれについて補正係数を決定する(S4)。
この補正係数の決定は、例えば、予め、各加熱コイルの駆動状態とそれに対応する各温度センサ20の補正係数の情報を記憶しておき、これを参照することで決定することができる。一例を図9、図10により説明する。
ここでは、図8で示したような楕円形の被加熱物9が載置され、周辺コイル5a、5cについては高周波電流を供給せず、中央コイル4及び周辺コイル5b、5dについて高周波電流を供給する場合を説明する。
図9(a)に示すように、中央コイル4及び周辺コイル5b、5dに流れる電流が同位相に制御され、互いに近接する巻き線には逆方向の電流が流れる駆動モードをケース1とする。つまり、ケース1では、ある瞬間における電流の向きは何れも同じ方向(電流方向A)となる。
図9(b)に示すように、中央コイル4及び周辺コイル5bに流れる電流が逆位相に、中央コイル4及び周辺コイル5dに流れる電流も逆位相に制御され、互いに近接する巻き線には同じ方向の電流が流れる駆動モードをケース2とする。つまり、ケース2では、ある瞬間における電流の向きは、周辺コイル5bと周辺コイル5dが同じ方向(電流方向A)で、中央コイル4が逆方向(電流方向B)となる。
図9(c)に示すように、中央コイル4及び周辺コイル5bに流れる電流が逆位相に制御され、中央コイル4及び周辺コイル5bの互いに近接する巻き線には同じ方向の電流が流れ、中央コイル4及び周辺コイル5dに流れる電流が同位相に制御され、中央コイル4及び周辺コイル5dの互いに近接する巻き線には逆方向の電流が流れる駆動モードをケース3とする。つまり、ケース3では、ある瞬間における電流の向きは、中央コイル4と周辺コイル5dが同じ方向(電流方向B)で、周辺コイル5bが逆方向(電流方向A)となる。
図10の上段は、駆動モードの各ケースと火力とに応じた温度センサ20(TH)とその補正係数の一例を示している。
図10の下段は、各ケースにおける温度センサ20の配置位置と被加熱物9の加熱量(発熱量)の大小を示している。
このように、対応情報におけるコイルおよびTHと、各加熱コイルおよび温度センサ20とを対応させることで、予め設定する対応情報を一般化することができる。例えば、中央コイル4及び周辺コイル5a、5cを駆動させ、周辺コイル5b、5dを停止させる駆動モードにおいても、同一の対応情報を用いてコイルとTHとを対応付けすれば良い。
すなわち、隣り合う部分において逆方向に電流が流れる中央コイル4と周辺コイル5との間に配置された温度センサ20の補正係数を、高周波電流の供給が停止中の周辺コイル5と中央コイル4との間に配置された温度センサ20の補正係数より、小さく設定する。
さらに、設定された火力が大きい程、補正係数の値を大きく設定する。
すなわち、隣り合う部分において同じ方向に電流が流れる中央コイル4と周辺コイル5との間に配置された温度センサ20の補正係数を、高周波電流の供給が停止中の周辺コイル5と中央コイル4との間に配置された温度センサ20の補正係数より、大きく設定する。
さらに、設定された火力が大きい程、補正係数の値を大きく設定する。
このため、TH1の配置位置における被加熱物9の加熱量は小さくなり、TH1による温度検出値は、TH3、TH4による検出値より相対的に低くなる。このため、TH1の補正係数をTH3、TH4よりも大きく設定している。
また、TH2の配置位置における被加熱物9の加熱量は大きくなり、TH2による温度検出値は、TH3、TH4による検出値より相対的に高くなる。このため、TH2の補正係数をTH3、TH4よりも小さく設定している。
すなわち、隣り合う部分において同じ方向に電流が流れる中央コイル4と周辺コイル5との間に配置された温度センサ20の補正係数を、隣り合う部分において逆方向に電流が流れる中央コイル4と周辺コイル5との間に配置された温度センサ20、および、高周波電流の供給が停止中の周辺コイル5と中央コイル4との間に配置された温度センサ20の補正係数より、大きく設定する。
また、隣り合う部分において逆方向に電流が流れる中央コイル4と周辺コイル5との間に配置された温度センサ20の補正係数を、隣り合う部分において同じ方向に電流が流れる中央コイル4と周辺コイル5との間に配置された温度センサ20、および、高周波電流の供給が停止中の周辺コイル5と中央コイル4との間に配置された温度センサ20の補正係数より、小さく設定する。
さらに、設定された火力が大きい程、補正係数の値を大きく設定する。
また、図10の例では、駆動モードとして3つのケースを説明したが、本発明はこれに限るものではない。被加熱物9に加熱分布に影響を与える任意の駆動条件に対応する補正係数を適宜設定することができる。例えば、駆動周波数が高いほど被加熱物9への加熱量は大きくなるため、各加熱コイルの駆動周波数の高低に応じて、補正係数を設定するようにしても良い。
また、図10の例では、駆動する加熱コイルが3つの場合を説明したが、本発明はこれに限るものではない。駆動する加熱コイルの数とその配置関係とに応じて同種の対応情報を予め記憶させるようにすればよい。
また、本実施の形態では、温度センサ20を中央コイル4と周辺コイル5との間に配置する場合を説明するが、温度センサ20の配置位置はこれに限定されるものではない。例えば、隣接する周辺コイル5の間に配置しても良いし、中央コイル4、周辺コイル5の内側に配置しても良い。この場合においても、同様に、温度センサ20の配置位置における被加熱物9の加熱分布に応じて補正係数を設定する。
制御部13は、温度検出部21から、各温度センサ20による温度検出値をそれぞれ取得し、各温度センサ20の温度検出値のそれぞれについて、決定した補正係数を用いて補正する(S5)。例えば、温度センサ20の温度検出値に補正係数を乗算する補正をする。
このような補正により、被加熱物9の加熱分布が高い箇所での温度検出値が小さく補正され、加熱分布が低い箇所での温度検出値が大きく補正される。
そして、制御部13は、最大値Tmaxと最小値Tminの差分が所定のしきい値Aを超えているか否か判断する(S10)。ここでは、報知によって使用者が鍋ずれを解消したか否かを、再び判断しているのである。
所定時間αの経過前においては(S11;No)、制御部13は、ステップS9に戻って上述した動作を繰り返し、鍋ずれの判断を行う。
所定時間αが経過した場合には(S11;Yes)、制御部13は、駆動制御部12を制御して、操作部8にて設定された火力に対して火力制限を行う(S12)。このようにすることで、鍋ずれ状態が生じている場合における被加熱物9や加熱コイルの過度な昇温を抑制することができる。
鍋ずれを判断するに際して検出温度を参照する温度センサ20を、ステップS2での負荷検知結果に基づいて選定してもよい。例えば、複数の温度センサ20のうち、ステップS2にて負荷なし加熱コイルと判断された加熱コイル近傍の温度センサ20については、その検出温度を参照しないようにする。このように、加熱コイル上への被加熱物9への載置の有無に基づいて参照する温度センサ20を選定することで、鍋ずれ判断の誤差を低減することができる。
温度センサ20の検出値の最大値Tmaxと最小値Tminの差分を判断するしきい値を、ステップS2での負荷検知結果に基づいて異なる値としてもよい。例えば、最小値Tminを検出した温度センサ20が、負荷なし加熱コイルの近傍のものである場合には、鍋ずれ判断に用いるしきい値を、負荷あり加熱コイルの近傍のものを用いる場合よりも、大きい値とする。本実施の形態1では、中央コイル4と複数の周辺コイル5は独立して駆動可能であり、例えば1つ以上の負荷なし加熱コイルがある場合でも効率よく加熱調理が可能な点が特徴の1つである。
このような状態で加熱している場合には、負荷なし加熱コイル近傍の温度センサ20の検知温度はほとんど上昇が見込めないため、鍋ずれ判断のしきい値が小さいと、加熱可能であるにもかかわらず鍋ずれと判断してしまい、被加熱物9の形状、大きさ、載置位置の自由度が高いという本実施の形態1の加熱部の特徴を生かすことができず、使用者の使いにくさにつながりうる。
このため、負荷なし加熱コイルの近傍の温度センサ20の検出値を参照する場合には、しきい値を大きい値に設定することで、被加熱物9の自由度が高いという特徴を生かしつつ、鍋ずれの判断も行うことができる。
(1)火力制限の動作例
火力制限を行う場合には、駆動中の加熱コイルのすべてについて、投入電力を低下または停止させてもよい。このようにすることで、被加熱物9や加熱コイル全体の急激な温度上昇を抑制することができる。
また、複数の周辺コイル5のうち、最小値Tminを検出した温度センサ20の近傍に配置されている加熱コイルへの投入電力を、選択的に低下または停止させてもよい。また、最小値Tminを検出した温度センサ20の方向(加熱コイルの中央を基準とした方向)に配置されている加熱コイルへの投入電力を、選択的に低下または停止させてもよい。
すなわち、温度センサ20の検出温度に基づいて、被加熱物9が載置されていない、あるいは載置面積が小さい可能性の高い加熱コイルを判定し、その加熱コイルについて選択的に投入電力を低下または停止させるのである。
このようにすることで、被加熱物9の加熱に寄与しない無駄な電力を削減でき、また、加熱コイルの過度な温度上昇を抑制することができる。
鍋ずれの検知に伴って火力制限を行う前に、報知部16により、火力制限を行う旨の報知を行ってもよい。このようにすることで、使用者に対して鍋ずれの解消を促すことができる。そして、火力制限を行う旨の報知を行った後、再び温度センサ20の検出値の最大値Tmaxと最小値Tminの差分としきい値Aとの比較を行い、差分がしきい値Aを下回っていれば、報知部16による報知を停止するとともに、火力制限を行わないこととする。鍋ずれが解消されれば、火力制限が行われないため、使用者にとっての調理感を損なうこともなく、使い勝手のよい誘導加熱調理器とすることができる。なお、火力制限を行う旨の報知を行った後においても、最大値Tmaxと最小値Tminの差分がしきい値よりも大きい場合には火力制限を行うものとする。
図7では、ステップS7にて鍋ずれが検知された場合、ステップS8にて鍋ずれの報知を行った後、所定時間αが経過してから火力制限を行うものとして説明した。しかし、制御部13は、ステップS7にて鍋ずれを検知した場合、鍋ずれの報知と火力制限を、同時に行うこととしてもよい。このようにすることで、より早期に火力制限が行え、被加熱物9や加熱コイルの過度な温度上昇を抑制することができる。
このため、被加熱物9の加熱分布に高い箇所と低い箇所とが生じる場合であっても、被加熱物9の鍋ずれを精度良く判断することができる。よって、被加熱物9の位置を精度よく検知することができる。
このため、被加熱物9の加熱分布が高い箇所での温度検出値は相対的に小さく、加熱分布が低い箇所での温度検出値は相対的に大きくすることができ、被加熱物9の加熱分布に高い箇所と低い箇所とが生じる場合であっても、被加熱物9によって覆われている複数の温度センサ20の間での温度差を少なくすることができる。よって、補正係数により補正した温度検出値を用いることで、被加熱物9の鍋ずれを精度良く判断することができる。
このため、磁界を強め合う領域に配置され、検出温度が相対的に大きくなる温度センサ20の検出値を、磁界を弱め合う領域に配置され、検出温度が相対的に小さくなる温度センサ20の検出値より小さく補正でき、被加熱物9の加熱分布に高い箇所と低い箇所とが生じる場合であっても、被加熱物9によって覆われている複数の温度センサ20の間での温度差を少なくすることができる。よって、被加熱物9の鍋ずれを精度良く判断することができる。
このため、磁界を強め合う領域に配置され、検出温度が相対的に大きくなる温度センサ20の検出値を、検出温度が相対的に小さくなる温度センサ20の検出値より小さく補正でき、被加熱物9の加熱分布に高い箇所と低い箇所とが生じる場合であっても、被加熱物9によって覆われている複数の温度センサ20の間での温度差を少なくすることができる。よって、被加熱物9の鍋ずれを精度良く判断することができる。
本実施の形態2では、加熱コイルと温度センサの他の配置例を説明する。
なお、本実施の形態2では、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
本実施の形態2における中央コイル4と周辺コイル5は、円形の平面形状を有し、絶縁被膜された任意の金属からなる導電線が円周方向に巻回されることにより構成されている。本実施の形態2では、中央コイル4の方が周辺コイル5よりも径が大きく、また、導電線の巻数も多いが、これに限定するものではない。
なお、温度センサ20の数および配置位置はこれに限定するものではない。
また、上記説明では、第一加熱部3a、第二加熱部3b、及び第三加熱部3cのうちいずれかの加熱手段を、例えば輻射によって加熱するタイプの電気ヒータ(例えばニクロム線やハロゲンヒータ、ラジエントヒータ)で構成してもよい。
Claims (15)
- 被加熱物が載置される天板と、
前記天板に形成され、前記被加熱物の載置位置を示す加熱口と、
前記加熱口に対応して前記天板の下方に配置され、複数の加熱コイルから構成される加熱コイル群と、
前記複数の加熱コイルのそれぞれに、高周波電流を供給する駆動部と、
前記加熱口に対応して前記天板の下方に設けられた複数の温度検知装置と、
前記複数の温度検知装置の検出値に基づいて、前記被加熱物が予め定められた領域から外れて載置された状態である鍋ずれを判断する鍋ずれ検知部と、
前記駆動部を制御する制御部とを備え、
前記鍋ずれ検知部は、
前記温度検知装置で検出される値をその温度検知装置の配置位置で生じる磁界が強い程小さくする補正係数を、前記各加熱コイルの駆動状態と、該各加熱コイルに対する前記温度検知装置の配置関係と、に基づいて設定し、
前記複数の温度検知装置による検出値と、前記補正係数とに基づいて、前記鍋ずれを判断する
ことを特徴とする誘導加熱調理器。 - 前記各加熱コイル上への前記被加熱物の載置状態を検知するコイル負荷検知部を備え、
前記制御部は、
前記コイル負荷検知部により検知された前記被加熱物の載置位置に基づいて、前記複数の加熱コイルに供給する高周波電流を可変する
ことを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。 - 前記鍋ずれ検知部は、
前記補正係数を用いて補正した前記複数の温度検知装置の検出値の最大値と最小値との差異が、所定のしきい値を超えたとき、前記鍋ずれと判断する
ことを特徴とする請求項1または2記載の誘導加熱調理器。 - 前記温度検知装置は、隣接する前記加熱コイル間に配置され、
前記鍋ずれ検知部は、
隣り合う部分において逆方向に電流が流れる前記加熱コイル間に配置された前記温度検知装置の前記補正係数を、
隣り合う部分において同じ方向に電流が流れる前記加熱コイル間に配置された前記温度検知装置の前記補正係数より、小さく設定する
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。 - 前記鍋ずれ検知部は、
隣り合う部分において逆方向に電流が流れる前記加熱コイル間に配置された前記温度検知装置の前記補正係数を、
高周波電流の供給が停止中の前記加熱コイルと高周波電流が供給中の前記加熱コイルとの間に配置された前記温度検知装置の前記補正係数より、小さく設定する
ことを特徴とする請求項4記載の誘導加熱調理器。 - 前記制御部は、
設定された火力に応じて、前記複数の加熱コイルに供給する高周波電流を可変するよう前記駆動部を制御し、
前記鍋ずれ検知部は、
設定された火力が大きい程、前記補正係数の値を大きく設定する
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。 - 前記制御部は、
前記鍋ずれ検知部により前記鍋ずれと判断された場合、
前記複数の加熱コイルの少なくとも1つへの高周波電流の供給を低下または停止させるよう、前記駆動部を制御する
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。 - 前記制御部は、
前記鍋ずれ検知部により前記鍋ずれと判断された場合には、
前記複数の温度検知装置のうち、最小値を検出した温度検知装置の最も近くに配置された前記加熱コイルへの高周波電流の供給を低下または停止させるよう、前記駆動部を制御する
ことを特徴とする請求項7記載の誘導加熱調理器。 - 前記鍋ずれ検知部は、
前記コイル負荷検知部によって上方に前記被加熱物が載置されていないと検知された前記加熱コイルの、最も近くに配置された前記温度検知装置を除く前記温度検知装置の検出値に基づいて、前記鍋ずれを判断する
ことを特徴とする請求項2、請求項2に従属する請求項3〜8の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。 - 前記鍋ずれ検知部は、
前記コイル負荷検知部によって上方に前記被加熱物が載置されていないと検知された前記加熱コイルの、最も近くに配置された前記温度検知装置が、前記最小値を検出した場合には、他の前記温度検知装置が前記最小値を検出した場合よりも大きい値のしきい値を用いて、前記鍋ずれを判断する
ことを特徴とする請求項9記載の誘導加熱調理器。 - 前記鍋ずれ検知部により前記鍋ずれと判断された際に、鍋ずれが生じている旨の報知を行う報知部を備えた
ことを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。 - 前記報知部は、
前記加熱コイルへの高周波電流の供給を低下または停止させる前に、高周波電流の供給を低下または停止させる旨の報知を行う
ことを特徴とする請求項11記載の誘導加熱調理器。 - 前記鍋ずれ検知部が、前記鍋ずれと判断すると、
報知部により鍋ずれが生じている旨の報知を行い、
当該報知後、前記鍋ずれ検知部は、再び、前記鍋ずれを判断する
ことを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。 - 前記鍋ずれ検知部が、前記鍋ずれと判断すると、
前記制御部が、前記複数の加熱コイルのうち少なくともいずれかへの高周波電流の供給を選択的に低下もしくは停止させるよう、前記駆動部を制御するとともに、
報知部により鍋ずれが生じている旨の報知を行う
ことを特徴とする請求項1〜13の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。 - 前記加熱コイル群を構成する前記加熱コイルとして、中央コイルと、前記中央コイルの周辺に配置された複数の周辺コイルとを備えた
ことを特徴とする請求項1〜14の何れか一項に記載の誘導加熱調理器。
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