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JP5447558B2 - 空燃比ばらつき異常検出装置 - Google Patents

空燃比ばらつき異常検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、気筒間空燃比のばらつき異常を検出するための装置に係り、特に、多気筒内燃機関において気筒間の空燃比が比較的大きくばらついていることを検出する装置に関する。
一般に、触媒を利用した排気浄化システムを備える内燃機関では、排気中有害成分の触媒による浄化を高効率で行うため、内燃機関で燃焼される混合気の空気と燃料との混合割合、すなわち空燃比のコントロールが欠かせない。こうした空燃比の制御を行うため、内燃機関の排気通路に空燃比センサを設け、これによって検出された空燃比を所定の目標空燃比に一致させるようフィードバック制御を実施している。
一方、多気筒内燃機関においては、通常全気筒に対し同一の制御量を用いて空燃比制御を行うため、空燃比制御を実行したとしても実際の空燃比が気筒間でばらつくことがある。このときばらつきの程度が小さければ、空燃比フィードバック制御で吸収可能であり、また触媒でも排気中有害成分を浄化処理可能なので、排気エミッションに影響を与えず、特に問題とならない。
しかし、例えば一部の気筒の燃料噴射系が故障するなどして、気筒間の空燃比が大きくばらつくと、排気エミッションを悪化させてしまい、問題となる。このような排気エミッションを悪化させる程の大きな空燃比ばらつきは異常として検出するのが望ましい。特に自動車用内燃機関の場合、排気エミッションの悪化した車両の走行を未然に防止するため、気筒間空燃比ばらつき異常を車載状態(オンボード)で検出することが要請されており、最近ではこれを法規制化する動きもある。
例えば特許文献1に記載の装置では、内燃機関の空燃比の変動に基づいて、気筒間の空燃比のばらつき異常を検出する。更に、複数の気筒のそれぞれに設けられた複数の燃料噴射弁につき、これら複数の燃料噴射弁の間における噴射割合を、複数種類の所定の割合の間で変更し、当該変更の前後にわたる空燃比の変動に基づいて、当該ばらつき異常の原因が、どの燃料噴射弁にあるかを識別している。
特開2009−180171号公報
しかし、特許文献1の構成では、噴射割合を変更した場合にいずれかの燃料噴射弁の噴射量が小さいと、噴射量の制御の精度が低くなるため、狙い通りの空燃比を実現できず、このため異常のある燃料噴射弁がどれかを識別することが困難になりうる。
そこで本発明は、上記の事情に鑑みて創案され、その目的は、複数の気筒のそれぞれに設けられた複数の燃料噴射弁につき、ばらつき異常の原因がどの燃料噴射弁にあるかを識別する構成において、噴射量の制御の精度の低下を抑制して、識別を良好に行うことにある。
本発明の一の態様は、
内燃機関の複数の気筒のそれぞれに設けられた複数の燃料噴射弁と、
前記複数の燃料噴射弁を制御するコントローラであって、前記複数の燃料噴射弁の間における噴射割合を変更可能であり、且つ、所定の噴射割合により燃料を噴射したときの前記内燃機関の所定の出力の変動に基づいて、前記複数の燃料噴射弁のそれぞれにつき空燃比のばらつき異常を検出するコントローラと、
を備えた空燃比ばらつき異常検出装置であって、
前記コントローラは、前記所定の噴射割合による場合における前記複数の燃料噴射弁のうち少なくともいずれかの燃料噴射量が、所定の基準値より小さい場合に、当該燃料噴射量が前記基準値以上になるように燃料噴射量を増量することを特徴とする空燃比ばらつき異常検出装置である。
燃料噴射弁は、噴射量の小さい領域において、噴射量の精度が低下するおそれがある。しかしながら本発明では、空燃比のばらつき異常を検出するための所定の噴射割合により噴射する場合における複数の燃料噴射弁のうち少なくともいずれかの燃料噴射量が、所定の基準値より小さい場合に、コントローラが、当該燃料噴射量が前記基準値以上になるように燃料噴射量を増量する。したがって、噴射量の制御の精度の低下を抑制して、ばらつき異常の原因がどの燃料噴射弁にあるかの識別を良好に行うことができる。この所定の基準値は、噴射量の精度の低下が許容できるような限界として決定することができる。
好適には、前記コントローラは、一部の燃料噴射弁につき燃料噴射量を増量する場合には、その増量の比率に対応した比率で、残余の燃料噴射弁についての燃料噴射量も増量する。
この態様では、噴射量の制御の精度の低下を抑制しながら、ばらつき異常の検出のための所定の噴射割合を維持することができる。
また好適には、前記コントローラは、排出ガスの空燃比を目標空燃比に一致させるように空燃比フィードバック補正量を算出し、当該空燃比フィードバック補正量を用いて燃料噴射量を補正する空燃比フィードバック処理と、機関空燃比と理論空燃比との間の定常的なずれを補償するための空燃比学習値を前記空燃比フィードバック補正量に基づいて学習し、その学習される空燃比学習値を前記フィードバック処理に反映させる空燃比学習処理と、前記増量の実行中には、前記空燃比フィードバック処理及び前記空燃比学習処理の実行を禁止する禁止処理と、を実行する。
この態様では、コントローラは、増量の実行中に、空燃比フィードバック処理及び空燃比学習処理の実行を禁止する。したがって、燃料噴射量の増量に起因する空燃比フィードバック処理及び空燃比学習処理への影響を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る内燃機関の概略図である。 触媒前センサおよび触媒後センサの出力特性を示すグラフである。 噴射割合を設定するためのマップを示す。 空燃比センサ出力の変動を示すタイムチャートである。 図4のV部に相当する拡大図である。 インバランス割合と空燃比変動パラメータの関係を示すグラフである。 リッチずれ異常検出の原理を説明するための図である。 ばらつき異常検出処理のルーチンを示すフローチャートである。 燃料噴射量を増量するためのガード処理のルーチンを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき説明する。
図1に本発明の実施形態に係る内燃機関を概略的に示す。図示される内燃機関(エンジン)10は直列4気筒デュアル噴射式ガソリンエンジンである。各気筒#1〜#4に、吸気通路噴射用インジェクタ2と筒内噴射用インジェクタ3とが設けられている。
吸気通路噴射用インジェクタ2は、いわゆる均質燃焼を実現するよう、対応気筒の吸気通路特に吸気ポート6内に向けて燃料を噴射する。以下、吸気通路噴射用インジェクタを「PFI」ともいう。他方、筒内噴射用インジェクタ3は、いわゆる成層燃焼を実現するよう、対応気筒の筒内(燃焼室内)に向けて燃料を直接噴射する。以下、筒内噴射用インジェクタを「DI」ともいう。
吸気を導入するための吸気通路7は、前記吸気ポート6の他、集合部としてのサージタンク8と、各気筒の吸気ポート6およびサージタンク8を結ぶ複数の吸気マニホールド9と、サージタンク8の上流側の吸気管10とを含む。吸気管10には、上流側から順にエアフローメータ11と電子制御式スロットルバルブ12とが設けられている。エアフローメータ11は吸気流量に応じた大きさの信号を出力する。各気筒には、筒内の混合気に点火するための点火プラグ13が設けられる。
排気ガスを排出するための排気通路14は、各気筒の排気ポート15と、これら排気ポート15の排気ガスを集合させる排気マニホールド16と、排気マニホールド16の下流端に接続する排気管17とを含む。そして排気管17の上流側と下流側にはそれぞれ三元触媒からなる触媒、すなわち上流触媒18と下流触媒19が直列に設けられている。上流触媒18の上流側及び下流側に、それぞれ排気ガスの空燃比を検出するための空燃比センサ、即ち触媒前センサ20及び触媒後センサ21が設置されている。これらセンサ20,21は、排気中の酸素濃度に基づいて空燃比を検出する。このように、排気通路14の集合部には全気筒につき共通のセンサ20,21が設置されている。
上述のPFI2、DI3、スロットルバルブ12及び点火プラグ13等は、コントローラとしての電子制御ユニット(以下ECUと称す)100に電気的に接続されている。ECU100は、何れも図示されないCPU、ROM、RAM、入出力ポート、および記憶装置を含む。ECU100には、図示されるように、前述のエアフローメータ11、触媒前センサ20、触媒後センサ21のほか、エンジン1のクランク角を検出するためのクランク角センサ22、アクセル開度を検出するためのアクセル開度センサ23、エンジン1の冷却水の温度を検出するための水温センサ24、及びその他の各種センサが、図示されないA/D変換器を介して電気的に接続されている。ECU100は、各種センサの検出値に基づいて、所望の出力が得られるように、PFI2、DI3、スロットルバルブ12及び点火プラグ13を含む各種アクチュエータを制御し、燃料噴射量、燃料噴射時期、スロットル開度、点火時期等を制御する。またECU100は、クランク角センサ22の出力に基づきエンジン1のクランク角を検出すると共に、エンジンの回転速度を計算する。
触媒前センサ20は、所謂広域空燃比センサからなり、比較的広範囲に亘る空燃比を連続的に検出可能である。図2に触媒前センサ20の出力特性を示す。図示するように、触媒前センサ20は、排気ガスの空燃比に比例した大きさの電圧信号Vfを出力する。排気空燃比がストイキ(理論空燃比、例えばA/F=14.6)であるときの出力電圧はVreff(例えば約3.3V)である。
他方、触媒後センサ21は所謂O2センサからなり、ストイキを境に出力値が急変する特性を持つ。図2に触媒後センサ21の出力特性を示す。図示するように、排気ガスの空燃比がストイキであるときの出力電圧、すなわちストイキ相当値はVrefr(例えば0.45V)である。触媒後センサ21の出力電圧は所定の範囲(例えば0〜1(V))内で変化する。排気空燃比がストイキよりリーンのとき、触媒後センサの出力電圧はストイキ相当値Vrefrより低くなり、排気空燃比がストイキよりリッチのとき、触媒後センサの出力電圧はストイキ相当値Vrefrより高くなる。
上流触媒18及び下流触媒19は、それぞれに流入する排気ガスの空燃比A/Fがストイキ近傍のときに排気中の有害成分であるNOx、HCおよびCOを同時に浄化する。この三者を同時に高効率で浄化できる空燃比の幅(ウィンドウ)は比較的狭い。
上流触媒18に流入する排気ガスの空燃比がストイキ近傍に制御されるように、空燃比フィードバック制御(ストイキ制御)が、ECU100により実行される。この空燃比フィードバック制御は、触媒前センサ20によって検出された排気空燃比を所定の目標空燃比であるストイキに一致させるような主空燃比制御(主空燃比フィードバック制御)と、触媒後センサ21によって検出された排気空燃比をストイキに一致させるような補助空燃比制御(補助空燃比フィードバック制御)とからなる。
主空燃比制御及び補助空燃比制御のいずれにおいても、検出された空燃比が目標空燃比であるストイキよりもリッチである間には、空燃比フィードバック補正係数γとして、燃料噴射量を徐々に減量する値が与えられる。検出された空燃比がリーンに変わったときには、応答性向上のために、空燃比フィードバック補正係数γとして、燃料噴射量を増量する値がスキップ的に与えられる。
逆に、検出された空燃比が目標空燃比であるストイキよりもリーンである間には、空燃比フィードバック補正係数γとして、燃料噴射量を徐々に増量する値が与えられる。検出された空燃比がリッチに変わったときには、応答性向上のために、空燃比フィードバック補正係数γとして、燃料噴射量を減量する値がスキップ的に与えられる。このようにして、空燃比を常に目標空燃比に維持すべく、空燃比フィードバック補正係数γが生成される。
さらに、フィードバック制御に反映させるための空燃比学習処理が、ECU100により実行される。この空燃比学習処理では、ECU100は、機関空燃比と理論空燃比との間の定常的なずれを補償するための空燃比学習値を、空燃比フィードバック補正量に基づいて学習し、その学習される空燃比学習値をフィードバック処理に反映させる。例えば、リッチからリーンへの反転時の空燃比フィードバック係数の最新の記憶値と、リーンからリッチへの反転時の空燃比フィードバック係数の最新の記憶値との平均値から、所定の基準値が減算され、偏差に所定の学習ゲインG(0<G<1)を乗じた値が、現在の学習値に加算される。
また本実施形態では、1気筒で1噴射サイクル中に噴射される全燃料噴射量を、所定の噴射割合α,βに応じて、PFI2及びDI3に分担させる噴き分けが行われる。このときECU100は、噴射割合α,βに応じて、PFI2から噴射される燃料量(ポート噴射量という)と、DI3から噴射される燃料量(筒内噴射量という)とを設定し、これら燃料量に応じて各インジェクタ2,3を通電制御する。噴射割合α,βは、ここでは全燃料噴射量に対するポート噴射量または筒内噴射量の百分率値をいい、0〜100の値を持つ(β=100−α)。全燃料噴射量をQtとした場合、ポート噴射量Qpはα×Qt/100で表され、筒内噴射量Qdはβ×Qt/100で表され、両者の噴射割合はQp:Qd=α:βである。このように噴射割合α,βはPFI2とDI3、もしくはポート噴射量Qpと筒内噴射量Qdとの噴射割合を規定する値である。全燃料噴射量は、ECU100によりエンジン運転状態(例えばエンジン回転数と負荷)に基づいて設定される。
図3に、噴射割合αを設定するためのマップを示す。図示するように、噴射割合αは、エンジン回転数Neと負荷KLで規定される各領域に応じてα1からα4まで変化する。例えばα1=0、α2=35、α3=50、α4=70であるが、これらの値や領域分けは任意に変更可能である。この例では、低回転高負荷側に向かうほどポート噴射量の割合が増加する。またα=α1の領域では噴き分けは行われず筒内噴射のみで燃料が供給される。
さて、例えば全気筒のうちの一部の気筒のインジェクタが故障し、気筒間に空燃比のばらつき(インバランス:imbalance)が発生したとする。例えば#1気筒が他の#2〜#4気筒よりも燃料噴射量が多くなり、#1気筒の空燃比が他の#2〜#4気筒の空燃比よりも大きくリッチ側にずれる場合である。このとき、全気筒について、前述の主空燃比フィードバック制御により比較的大きな補正量を与えれば、トータルガスの空燃比をストイキに制御できる場合がある。しかし、気筒別に見ると、#1気筒がストイキより大きくリッチ、#2,#3,#4気筒がストイキよりリーンであり、全体のバランスとしてストイキとなっているに過ぎず、エミッション上好ましくないことは明らかである。そこで本実施形態では、かかる気筒間空燃比ばらつき異常を検出する処理が実装されている。
図4はエンジン1における空燃比センサ出力の変動を示す。図示するように、空燃比センサによって検出される排気空燃比A/Fは、1エンジンサイクル(=720°CA)を1周期として周期的に変動する傾向にある。そして気筒間空燃比ばらつきが発生すると、1エンジンサイクル内での変動が大きくなる。(B)の空燃比線図a,b,cはそれぞればらつき無し、1気筒のみ20%のインバランス割合でリッチずれ、及び1気筒のみ50%のインバランス割合でリッチずれの場合を示す。見られるように、ばらつき度合いが大きくなるほど空燃比変動の振幅が大きくなる。
ここでインバランス割合(%)とは、気筒間空燃比のばらつき度合いを表すパラメータである。即ち、インバランス割合とは、全気筒のうちある1気筒のみが燃料噴射量ズレを起こしている場合に、その燃料噴射量ズレを起こしている気筒(インバランス気筒)の燃料噴射量がどれくらいの割合で、燃料噴射量ズレを起こしていない気筒(バランス気筒)の燃料噴射量即ち基準噴射量からズレているかを示す値である。インバランス割合をIB、インバランス気筒の燃料噴射量をQib、バランス気筒の燃料噴射量即ち基準噴射量をQsとすると、IB=(Qib−Qs)/Qsで表される。インバランス割合IBが大きいほど、インバランス気筒のバランス気筒に対する燃料噴射量ズレが大きく、空燃比ばらつき度合いは大きい。
[気筒間空燃比ばらつき異常検出]
上記の説明から理解されるように、空燃比ばらつき異常が発生すると、空燃比センサ出力の変動が大きくなる。そこでこの出力変動に基づいてばらつき異常を検出することが可能である。
ここで、ばらつき異常の種類としては、1気筒の燃料噴射量がリッチ側(過剰側)にずれているリッチずれ異常と、1気筒の燃料噴射量がリーン側(過少側)にずれているリーンずれ異常とがある。本実施形態では、リッチずれ異常を空燃比センサ出力変動に基づいて検出する。但し、リーンずれ異常を検出してもよく、また、リッチずれ異常およびリーンずれ異常を区別せず、広くばらつき異常を検出してもよい。
リッチずれ異常の検出に際しては、空燃比センサ出力の変動度合いに相関するパラメータである空燃比変動パラメータを算出すると共に、この空燃比変動パラメータを所定の異常判定値と比較して異常を検出する。ここで異常検出は、空燃比センサである触媒前センサ20の出力を用いて行う。
以下、空燃比変動パラメータの算出方法を説明する。図5は、図4のV部に相当する拡大図であり、特に1エンジンサイクル内の触媒前センサ出力の変動を示す。触媒前センサ出力としては、触媒前センサ20の出力電圧Vfを空燃比A/Fに換算した値を用いる。但し触媒前センサ20の出力電圧Vfを直接用いることも可能である。
(B)図に示すように、ECU100は、1エンジンサイクル内において、所定のサンプル周期τ(単位時間、例えば4ms)毎に、触媒前センサ出力A/Fの値を取得する。そして今回のタイミング(第2のタイミング)で取得した値A/Fnと、前回のタイミング(第1のタイミング)で取得した値A/Fn-1との差ΔA/Fnの絶対値を次式(1)により求める。この差ΔA/Fnは、今回のタイミングにおける微分値あるいは傾きと言い換えることができる。
Figure 0005447558
最も単純には、この差ΔA/Fnが触媒前センサ出力の変動を表す。変動度合いが大きくなるほど空燃比線図の傾きが大きくなり、差ΔA/Fnが大きくなるからである。そこで所定の1タイミングにおける差ΔA/Fnの値を空燃比変動パラメータとすることができる。
但し、本実施形態では精度向上のため、複数の差ΔA/Fnの平均値を空燃比変動パラメータとする。本実施形態では、1エンジンサイクル内において、各タイミング毎に差ΔA/Fnを積算し、最終積算値をサンプル数Nで除し、1エンジンサイクル内の差ΔA/Fnの平均値を求める。そしてさらに、Mエンジンサイクル分(例えばM=100)だけ差ΔA/Fnの平均値を積算し、最終積算値をサイクル数Mで除し、Mエンジンサイクル内の差ΔA/Fnの平均値を求める。こうして求められた最終的な平均値を空燃比変動パラメータとし、以下「X」で表示する。
触媒前センサ出力の変動度合いが大きいほど空燃比変動パラメータXは大きくなる。そこで空燃比変動パラメータXが所定の異常判定値以上であれば異常ありと判定され、空燃比変動パラメータXが異常判定値より小さければ異常なし、即ち正常と判定される。なお、ECU100の気筒判別機能により、点火気筒とこれに対応する空燃比変動パラメータXとの関連付けは可能である。
なお、触媒前センサ出力A/Fは増加する場合と減少する場合とがあるので、これら各場合の一方についてだけ上記差ΔA/Fnあるいはその平均値を求め、これを変動パラメータとすることができる。特に1気筒のみリッチずれの場合、当該1気筒に対応した排気ガスを触媒前センサが受けた時にその出力が急速にリッチ側に変化(すなわち急減)するので、減少側のみの値をリッチずれ検出のために用いることも可能である(リッチインバランス判定)。この場合には、図5のグラフにおける右下がりの領域のみを、リッチずれ検出のために利用することになる。一般にリーンからリッチへの移行は、リッチからリーンへの移行よりも急峻に行われる場合が多いため、この方法によればリッチずれを精度よく検出することが期待できる。もっとも、これに限定されず、増加側の値のみを用いること、あるいは、減少側と増加側の双方の値を用いる(差ΔA/Fnの絶対値を積算し、この積算値をしきい値と比較することで)ことも可能である。
図6には、インバランス割合IBと空燃比変動パラメータXの関係を示す。図示されるように、インバランス割合IBと空燃比変動パラメータXの間には強い相関性があり、インバランス割合IBが増加するほど空燃比変動パラメータXも増加する。ここで図中のIB1は、正常と異常の境目であるクライテリアに相当するインバランス割合IBの値であり、例えば60(%)である。
以下、図7を用いて本実施形態のリッチずれ異常検出の原理を説明する。本実施形態では空燃比変動パラメータXを用い、且つ噴射割合α,βを変更して、吸気系の故障等に起因する空燃比ずれ即ち吸気系異常をも検出するようにしている。図7中左側の状態Iは、PFI2の噴射割合αが基準値A=40%の場合である。また図7中右側の状態IIは、噴射割合αが基準値Aよりも大きいB=80%の場合である。状態Iから状態IIに変わると、噴射割合αは40%から80%に変化し、DI3の噴射割合は60%から20%に減少し、ポート噴射量割合が増大する。ここでは仮に、異常判定値Zをインバランス割合20%相当の値として定める。
図7(a)は、何れの気筒のPFI2およびDI3にも異常が生じておらず、また吸気系にも異常が生じていない正常時を示す。この場合、状態Iではインバランス割合0%相当の空燃比変動パラメータXAが得られ、状態IIでもインバランス割合0%相当の空燃比変動パラメータXBが得られる。XA<Z且つXB<Zであり、この場合には正常と判定する。
図7(b)は、何れの気筒のPFI2およびDI3にも異常が生じていないが、吸気系にインバランス割合50%相当の異常が生じている吸気系異常50%時を示す。この場合、状態Iではインバランス割合50%相当の空燃比変動パラメータXAが得られ、状態IIでもインバランス割合50%相当の空燃比変動パラメータXBが得られる。XA≧ZかつXB≧Zであり、かつ|XA−XB|<Y(Yは所定の基準値)の場合には、吸気系異常と判定する。なお状態Iと状態IIとで空燃比変動パラメータXの値が変わらない理由は、PFI2およびDI3が正常なので空燃比が噴射割合αの変化の影響を受けないからである。
図7(c)は、1気筒のDI3にインバランス割合50%相当の異常が生じており、残りのPFI2およびDI3には異常が生じておらず、吸気系にも異常が生じていないDI異常50%時を示す。この場合、状態Iではインバランス割合30%相当の空燃比変動パラメータXAが得られる。なぜならDI3の噴射割合は(100−40)=60(%)であり、50%×60%=30%、つまりDI3の異常の影響が噴き分けの結果減じられてしまうからである。他方、状態IIではインバランス割合10%相当の空燃比変動パラメータXBが得られる。なぜならDI3の噴射割合は(100−80)=20(%)であり、50%×20%=10%だからである。XA≧Z且つXB<Zであり、この場合にはDI異常と判定する。
図7(d)は、1気筒のPFI2にインバランス割合50%相当の異常が生じており、残りのPFI2およびDI3には異常が生じておらず、吸気系にも異常が生じていないPFI異常50%時を示す。この場合、状態Iではインバランス割合20%相当の空燃比変動パラメータXAが得られる。なぜならPFI2の噴射割合は40であり、50%×40%=20%、つまりPFI2の異常の影響が噴き分けの結果減じられてしまうからである。他方、状態IIではインバランス割合40%相当の空燃比変動パラメータXBが得られる。なぜならPFI2の噴射割合は80%であり、50%×80%=40%だからである。XA<Z且つXB≧Zであり、この場合にはPFI異常と判定する。このような原理に従い、リッチずれ異常と吸気系異常とが検出される。
図8は、本実施形態における空燃比ばらつき異常検出処理のルーチンを示す。この処理はECU100によって、所定の算出タイミング、例えば1000km走行したことをトリガとして1トリップ中に所定の複数回数連続して行われる。当該処理の実行を1トリップにつき複数回行うことにより、複数回の実行の間における検出条件の違いが少ないため精度を向上することができる。また当該処理は、所定のエンジン回転数以上での定常走行中及び緩やかな加減速時、すなわち、急激な加速及び減速を除く運転条件のときに実行される。
まずECU100は、PFI2及びDI3からの噴射割合α,βを第1の所定割合A:B(例えば70:30)として燃料を噴射する場合についてのガード処理を行う(S110)。このガード処理は図9に示されるサブルーチンに従って行われ、これについては後述する。
ガード処理が終了すると、ECU100は、噴射割合α,βを第1の所定割合A:B(例えば70:30)として、PFI2及びDI3から燃料を噴射させる(S120)。そして空燃比センサである触媒前センサ20の出力に基づいて、空燃比変動パラメータXAを算出する(S130)。
まずECU100は、噴射割合α,βを第2の所定割合C:D(例えば30:70)として燃料を噴射する場合についてのガード処理を行う(S140)。このガード処理も図9に示されるサブルーチンに従って行われる。
ガード処理が終了すると、ECU100は、噴射割合α,βを第2の所定割合C:D(例えば30:70)として、PFI2及びDI3から燃料を噴射させる(S150)。そして空燃比センサである触媒前センサ20の出力に基づいて、空燃比変動パラメータXBを算出する(S160)。
このようにして空燃比変動パラメータXA,XBが算出されると、ECU100はこれらを用いて、異常判定を行う(S170〜S230)。
ECU100はまず、空燃比変動パラメータXA,XBをそれぞれ上述の異常判定値Zと比較し、XA<ZかつXB<Zであるかを判定する(S170)。この判定は「インバランスがないか?」の判定に相当する。肯定の場合には正常判定がされ(S210)、その旨が所定のメモリ領域に記録されて本ルーチンを抜ける。
ステップS170で否定の場合(すなわち、PFI2、DI3又は吸気系にインバランスが存在する場合)には、次にECU100は、空燃比変動パラメータXA,XBの差の絶対値を、第2の異常判定値Yと比較する(S180)。この判定は「吸気系が異常か?」の判定に相当する。肯定の場合には、吸気系が異常である旨の判定がされ(S220)、その旨が所定のメモリ領域に記録されて本ルーチンを抜ける。
ステップS180で否定、つまり異常がPFI2とDI3とのいずれかにある場合には、空燃比変動パラメータXAが同XBよりも大であるかが判定される(S190)。ここで肯定、すなわち空燃比変動パラメータXAが同XBよりも大である場合には、異常がPFI2にある旨の判定がされ(S200)、その旨が所定のメモリ領域に記録されて本ルーチンを抜ける。
ステップS190で否定、すなわち空燃比変動パラメータXBが同XA以上である場合には、異常がDI3にある旨の判定がされ(S230)、その旨が所定のメモリ領域に記録されて本ルーチンを抜ける。
ステップS110,S140のガード処理は、図9のサブルーチンに従って行われる。ガード処理は、異常判定に先立って行われる前処理である。ガード処理では、異常検出のために所定の噴射割合で噴射される場合におけるいずれかの燃料噴射弁の燃料噴射量が、所定の基準値より小さい場合に、当該燃料噴射量が前記基準値以上になるように、燃料噴射量が増量される。
図9において、まずECU100は、PFI2及びDI3から噴射される燃料の合計の量、すなわち必要燃料量を算出する(S310)。この必要燃料量は、走行のために必要とされる燃料の量であって、現在の運転条件すなわちエンジン回転数及び要求負荷及び他の所定のパラメータに基づいて、マップの参照によって求めることができる。
次に、ECU100は、各燃料噴射弁2,3からの燃料噴射量Qp,Qdを算出する(S320)。この演算は、必要燃料量を第1の所定割合A:B(例えば70:30)に従って各燃料噴射弁2,3に割り当てることで実行される。
次にECU100は、PFI2からの燃料噴射量であるポート噴射量Qpが、所定のポート噴射量下限値Qpminよりも大であるかを判断する(S330)。このポート噴射量下限値Qpminは、ポート噴射量Qpがそれよりも小さいときに噴射量の誤差が許容できなくなるような値として予め定められている。肯定の場合には、ポート噴射量Qpの誤差が許容できるため、現在の燃料噴射量Qp,Qdが仮の値Qp’,Qd’に代入され保持される。
ステップS330で否定、すなわちポート噴射量Qpがポート噴射量下限値Qpmin以下である場合には、ポート噴射量Qpの誤差が許容できないため、ポート噴射量Qpが修正される(S350)。具体的には、ポート噴射量の仮の値Qp’に、ポート噴射量下限値Qpminが代入される。次に、この修正に伴うポート噴射量Qpの増加割合Kpが、Kp=Qp’/Qpの演算によって算出される(S360)。算出された増加割合Kpは、DI3の燃料噴射量である筒内噴射量Qdに乗算され、算出された積値が仮の値Qd’に代入される(S370)。
次にECU100は、筒内噴射量の仮の値Qd’が、筒内噴射量下限値Qdminよりも大であるかを判断する(S380)。この筒内噴射量下限値Qdminは、筒内噴射量Qdがそれよりも小さいときに噴射量の誤差が許容できなくなるような値として予め定められている。筒内噴射量下限値Qdminは、ポート噴射量下限値Qpminと同じ値であっても異なる値であってもよい。肯定の場合には、筒内噴射量Qdの誤差が許容できるため、現在の燃料噴射量の仮の値Qp’,Qd’が、最終値Qp’’,Qd’’に代入され保持される。
ステップS380で否定、すなわち筒内噴射量Qdが筒内噴射量下限値Qdmin以下である場合には、筒内噴射量Qdの誤差が許容できないため、筒内噴射量Qdが修正される(S400)。具体的には、筒内噴射量の最終値Qd’’に、噴射量下限値Qdminが代入される。次に、この修正に伴う筒内噴射量Qdの増加割合Kdが、Kd=Qd’’/Qd’の演算によって算出される(S410)。算出された増加割合Kdは、ポート噴射量Qpの仮の値Qp’に乗算され、算出された積値が最終値Qp’’に代入される(S420)。
最後に、最終値Qp’’,Qd’’が、それぞれの当初の値Qp,Qdと等しいかが判断される(S430)。肯定の場合には処理がリターンされる。ステップS430で否定、すなわちガード処理によって燃料噴射量Qp,dの少なくともいずれかが増大されている場合には、噴射量増加に伴う制御変更が行われる(S440)。この噴射量増加に伴う制御変更の内容は、(1)空燃比フィードバック処理の禁止、及び(2)空燃比学習処理の禁止である。その結果、図8に示される空燃比ばらつき異常検出処理の実行中に、空燃比フィードバック処理及び空燃比学習処理は実行されない。
以上詳述したとおり、本実施形態では、空燃比のばらつき異常を検出するための所定の噴射割合により噴射する場合における複数の燃料噴射弁のうち少なくともいずれかの燃料噴射量Qp,Qdが、所定の基準値Qpmin,Qdminより小さい場合に、ECU100が、当該燃料噴射量が前記基準値以上になるように燃料噴射量を増量する。したがって、噴射量の小さい領域の利用を抑制して、噴射量の制御の精度の低下を抑制し、ばらつき異常の原因がどの燃料噴射弁にあるかの識別を良好に行うことができる。
ECU100は、一部の燃料噴射弁につき燃料噴射量を増量する場合には、その増量の比率と同じ比率で、残余の燃料噴射弁についての燃料噴射量も増量する。したがって、噴射量の制御の精度の低下を抑制しながら、噴き分け比率を維持することができる。なお当該残余の燃料噴射弁についての燃料噴射量を増量する比率Kp,Kdは、前記一部の燃料噴射弁についての増量の比率と同一である場合のほか、他の目的による補正が加えられていてもよく、一定の対応関係があれば足りる。
ECU100は、燃料噴射量の前記増量の実行中には、空燃比フィードバック処理及び前記空燃比学習処理の実行を禁止する禁止処理を実行する(S440)。もし増量の実行中にフィードバック処理及び学習処理を仮に実行すると、増量の結果として排気がリッチ側に偏向されるため、空燃比フィードバック補正係数γとして燃料噴射量を減量する値が与えられ、空燃比の過度のリーン化によって燃焼が不安定になり又は失火が生じ、エミッションが悪化することになってしまう。これとは対照的に、本実施形態では増量の実行中にフィードバック処理及び学習処理を禁止するので、燃料噴射量の増量に起因する空燃比フィードバック処理及び空燃比学習処理への影響を抑制することができる。
以上、本発明の好適な実施形態を詳細に述べたが、本発明の実施形態は他にも様々なものが考えられる。例えば、気筒間の空燃比ばらつき異常は、内燃機関の回転変動に基づいて検出してもよい。この場合には、ある気筒につきTDC(上死点)近傍でクランクシャフトが30°CA回転するのに要した時間が、他の気筒における値に対してなす比率をもって、空燃比変動パラメータとすることができる。触媒前センサ出力の変動度合いに相関する如何なる値をも空燃比変動パラメータとすることができる。例えば、1エンジンサイクル内の触媒前センサ出力の最大値と最小値の差(所謂ピークトゥピーク; peak to peak)に基づいて、空燃比変動パラメータを算出することもできる。触媒前センサ出力の変動度合いが大きいほど当該差も大きくなるからである。空燃比フィードバック補正量に基づいて、空燃比ばらつき異常を検出してもよい。
燃料噴射量の増大(S370,S420)を行った場合における制御変更(S440)として、トルクの不要な増大を相殺するための処理を追加的に実行してもよい。そのような処理としては、以下のうちの1又は2以上のものを採用することができる。
(i)点火時期の遅角
(ii)スロットル開度の低減
(iii)可変ノズルターボチャージャを有するエンジンにおけるノズルベーンの制御
(iv)可変バルブタイミング装置を有するエンジンにおけるバルブタイミングの制御
(v)バルブリフト量可変装置を有するエンジンにおけるバルブリフト量の制御
(vi)可変吸気システムを有するエンジンにおける吸気量の制御
(vii)ハイブリッド車における運動エネルギー回収。
別の構成として、ガード処理(図9)又は燃料噴射量の増大(S370,S420)を、トルクの不要な増大が許容できるような運転状態、例えばアイドリング中のみに限って実行してもよい。
上記実施形態では単一のECU100が、複数の燃料噴射弁2,3の制御、燃料噴射弁2,3の間における噴射割合の変更、空燃比のばらつき異常の検出及び燃料噴射量の増量を含む一連の処理を実行したが、これらの処理は複数のプロセッサの協働により実行されても良く、その場合には当該複数のプロセッサが本発明におけるコントローラを構成することになる。
本発明ではエンジンの気筒数、形式、用途は特に限定されない。エンジンはV型あるいは水平対向型であってもよい。1気筒あたりの燃料噴射弁の数は任意の複数でよい。複数の燃料噴射弁は吸気ポートと筒内のいずれに設けられていてもよく、全てが吸気ポートに設けられ、あるいは全てが筒内に設けられていてもよい。ガソリンエンジンのような火花点火式内燃機関の場合、代替燃料(アルコール、CNG等の気体燃料等)の使用も可能である。本明細書における「所定の」とは、予め定められた値を広く含み、固定値のほか運転条件に応じて変更され又は動的に取得される可変値であってもよい。
本発明の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 内燃機関
2 吸気通路噴射用インジェクタ(PFI)
3 筒内噴射用インジェクタ(DI)
11 エアフローメータ
18 上流触媒
19 下流触媒
20 触媒前センサ
21 触媒後センサ
22 クランク角センサ
100 電子制御ユニット(ECU)

Claims (2)

  1. 内燃機関の複数の気筒のそれぞれに設けられた複数の燃料噴射弁と、
    前記複数の燃料噴射弁を制御するコントローラであって、前記複数の燃料噴射弁の間における噴射割合を変更可能であり、且つ、所定の噴射割合により燃料を噴射したときの前記内燃機関の所定の出力の変動に基づいて、前記複数の燃料噴射弁のそれぞれにつき空燃比のばらつき異常を検出するコントローラと、
    を備えた空燃比ばらつき異常検出装置であって、
    前記コントローラは、前記所定の噴射割合による場合における前記複数の燃料噴射弁のうち少なくともいずれかの燃料噴射量が、所定の基準値より小さい場合に、当該燃料噴射量前記基準値増量し、且つその増量の比率に対応した比率で、残余の燃料噴射弁についての燃料噴射量を増量することを特徴とする空燃比ばらつき異常検出装置。
  2. 請求項に記載の空燃比ばらつき異常検出装置であって、前記コントローラは、
    排出ガスの空燃比を目標空燃比に一致させるように空燃比フィードバック補正量を算出し、当該空燃比フィードバック補正量を用いて燃料噴射量を補正する空燃比フィードバック処理と、
    機関空燃比と理論空燃比との間の定常的なずれを補償するための空燃比学習値を前記空燃比フィードバック補正量に基づいて学習し、その学習される空燃比学習値を前記フィードバック処理に反映させる空燃比学習処理と、
    前記増量の実行中には、前記空燃比フィードバック処理及び前記空燃比学習処理の実行を禁止する禁止処理と、
    を実行するように構成されていることを特徴とする空燃比ばらつき異常検出装置。
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