JP5433680B2 - 紙幣結束装置及び紙幣結束方法 - Google Patents

Description

本発明は、例えば、特定金種の紙幣を所定枚数単位で結束する紙幣結束装置及び紙幣結束方法に関する。

従来、このような紙幣結束装置では、結束対象紙幣を分類集積する結束用集積部と、所定枚数の結束対象紙幣を結束帯で結束する結束部と、結束用集積部に集積中の結束対象紙幣が所定枚数に到達した場合、結束用集積部に集積中の所定枚数の結束対象紙幣を結束部に搬送する束搬送部とを有する技術が知られている(例えば、特許文献１〜２参照)。

例えば、特許文献１では、紙幣の表裏及び天地をバラバラな状態にして投入された結束対象紙幣を搬送し、表裏及び天地を揃えて結束対象紙幣を結束用集積部に集積し、結束用集積部に集積した結束対象紙幣を一定の結束位置に結束帯で結束するようにしたので、結束対象紙幣の表裏及び天地を揃えて一定の結束位置で結束帯を結束することができる。

しかしながら、特許文献１では、紙幣の金種に関係なく、結束対象紙幣の結束位置は一定であるため、紙幣の金種に応じて結束対象紙幣の結束位置を設定変更することはできない。

これに対して、特許文献２では、紙幣の金種に応じて、結束対象紙幣を集積する結束用集積部内部の集積位置を設定変更するようにしたので、金種に応じて結束対象紙幣の結束位置を変更することができる。

また、特許文献２では、結束用集積部の集積位置を固定にし、結束用集積部に集積する結束対象紙幣を把持する束搬送部の把持位置を金種に応じて設定変更するようにしたので、金種に応じて結束対象紙幣の結束位置を変更することができる。

また、特許文献２では、結束用集積部毎に異なる結束位置を設定し、金種に応じて集積対象の結束用集積部を設定変更するようにしたので、金種に応じて結束対象紙幣の結束位置を変更することができる。

日本国特開２００２−１３７８６２号公報 日本国特開２００８−２５０９８２号公報

しかしながら、上記従来の紙幣結束装置では、金種に応じて、結束用集積部の集積位置、束搬送部の結束対象紙幣の把持位置や、集積対象の結束用集積部を設定変更することで、金種に応じて結束対象紙幣の結束位置を設定変更するようにしたが、結束用集積部の集積位置、束搬送部の把持位置や集積対象の結束用集積部を設定変更するには複雑な機構を要するのが実情である。

本発明は上記点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複雑な機構を要することなく、結束対象紙幣の結束位置を自在に設定することができる紙幣結束装置及び紙幣結束方法を提供することにある。

更に、本発明の目的とするところは、複雑な機構を要することなく、結束対象紙幣に対する結束作業効率の大幅向上を図ることができる紙幣結束装置及び紙幣結束方法を提供することにある。

上記目的を達成するために本発明の紙幣結束装置は、結束対象紙幣を集積する結束用集積部と、前記結束用集積部に集積された所定枚数の前記結束対象紙幣を結束帯で結束する結束部とを有する紙幣結束装置であって、前記結束対象紙幣から紙幣情報を取得する紙幣情報取得部と、前記紙幣情報取得部にて取得した前記結束対象紙幣の紙幣情報に基づき、前記結束対象紙幣に対する前記結束帯の結束位置を設定する結束位置設定部とを備え、前記結束位置設定部は、前記結束用集積部に集積された所定枚数の前記結束対象紙幣の内、最初に集積された紙幣又は最後に集積された紙幣から取得された前記紙幣情報に基づき、最上面に配置した前記結束対象紙幣表面に印刷された肖像画に前記結束帯が被さらないよう、前記結束対象紙幣に対する前記結束帯の結束位置を設定することを要件とする。

また、本発明の紙幣結束装置は、結束対象紙幣を集積する結束用集積部と、前記結束用集積部に集積された所定枚数の前記結束対象紙幣を結束帯で結束する結束部とを有する紙幣結束装置であって、前記結束位置設定部は、前記紙幣の正券及び前記紙幣の損券を識別する正損識別情報を含む前記紙幣情報に基づき、前記紙幣が損券の場合、前記結束対象紙幣の複数個所に前記結束帯の結束位置を設定することを要件とする。

また、上記目的を達成するために本発明の紙幣結束方法は、結束対象紙幣を集積する結束用集積部と、前記結束用集積部に集積された所定枚数の前記結束対象紙幣を結束帯で結束する結束部とを有する紙幣結束装置を用いて前記結束対象紙幣を前記結束帯で結束する紙幣結束方法であって、前記所定枚数の結束対象紙幣の紙幣情報を取得する紙幣情報取得ステップと、紙幣情報に基づき、前記結束対象紙幣に対する前記結束帯の結束位置を設定する結束位置設定ステップとを含み、前記結束位置設定ステップでは、前記結束用集積部に集積された所定枚数の前記結束対象紙幣の内、最初に集積された紙幣又は最後に集積された紙幣から取得された前記紙幣情報に基づき、最上面に配置した前記結束対象紙幣表面に印刷された肖像画に前記結束帯が被さらないよう、前記結束対象紙幣に対する前記結束帯の結束位置を設定することを要件とする。

上記のように構成された本発明の紙幣結束装置では、結束用集積部に集積された所定枚数の結束対象紙幣の内、この結束用集積部に最初に集積した紙幣の紙幣情報又は最後に集積した紙幣の紙幣情報に基づき、結束対象紙幣に対する結束帯の結束位置を設定するようにしたので、複雑な機構を要することなく、結束対象紙幣の結束位置を自在に設定することができるという効果を奏する。

また、本発明の紙幣結束装置では、上記発明の効果に加えて、紙幣表面に印刷した肖像画の位置情報に基づき、結束対象紙幣の肖像画に結束帯が被さらないように、結束対象紙幣に対する結束帯の結束位置を設定するようにしたので、結束対象紙幣の肖像画に結束帯がかかることを禁止する運用にも十分対応することができるという効果を奏する。

また、本発明の紙幣結束装置では、上記発明の効果に加えて、紙幣状態情報に基づき、結束対象紙幣に対する結束帯の結束位置を設定するようにしたので、ユーザは、結束帯の結束位置で結束紙幣の紙幣状態、例えば、正損状態を認識することができるという効果を奏する。

また、本発明の紙幣結束装置では、上記発明の効果に加えて、紙幣が損券の場合、結束対象紙幣の中央部に結束帯の結束位置を設定するようにしたので、ユーザは、中央部の結束帯で損券の結束紙幣と認識することができるという効果を奏する。

また、本発明の紙幣結束装置では、上記発明の効果に加えて、紙幣が損券の場合、結束対象紙幣の複数個所に結束帯の結束位置を設定するようにしたので、ユーザは、複数個所の結束帯で損券の結束紙幣と認識することができるという効果を奏する。

また、本発明の紙幣結束装置では、上記発明の効果に加えて、金種情報に基づき、結束対象紙幣に対する結束帯の結束位置を設定するようにしたので、ユーザは、結束帯の結束位置で結束紙幣の金種を認識することができるという効果を奏する。

また、本発明の紙幣結束装置では、上記発明の効果に加えて、結束対象紙幣を結束帯で結束する都度、一端側の結束位置又は他端側の結束位置を交互に順次設定するようにしたので、複数の結束紙幣を積み重ねたとしても、嵩張ることなく、複数束の結束紙幣を安定的に積み重ねることができるという効果を奏する。

また、本発明の紙幣結束装置では、上記発明の効果に加えて、結束対象紙幣に対する結束帯の結束位置を設定した後、この結束位置で同一金種の結束対象紙幣を結束帯で結束した結束回数をカウントし、その結束回数が所定回数に到達する都度、設定中の結束位置を紙幣長手方向に所定間隔単位ずらして順次設定する。その結果、ユーザは、同一金種でも、結束回数が所定回数、例えば５回に到達、すなわち５個の結束紙幣を作成する都度、結束位置を紙幣長手方向に所定間隔、例えば１０ｍｍずらすことになるため、同一金種の結束紙幣に関する束数の計数作業を良好にするという効果を奏する。

また、本発明の紙幣結束装置では、上記発明の効果に加えて、金種情報及び発行刷版情報に基づき、結束対象紙幣に対する結束帯の結束位置を設定するようにしたので、ユーザは、結束帯の結束位置で結束紙幣の新券・旧券を認識することができるという効果を奏する。

また、本発明の紙幣結束装置では、上記発明の効果に加えて、束搬送部を通じて結束対象紙幣の端部を把持した状態で、結束部内の結束対象紙幣を紙幣長手方向に移動可能とし、束搬送部にて結束対象紙幣の端部を把持した状態で、結束部が結束対象紙幣を結束帯で結束するようにしたので、束搬送部で結束対象紙幣の端部を把持したまま、結束対象紙幣を結束することになるため、結束作業前に結束対象紙幣がバラバラになるような事態を回避しながら、その結束作業速度の向上を図ることで、結束作業効率の大幅向上を図ることができるという効果を奏する。

また、本発明の紙幣結束装置では、上記発明の効果に加えて、束搬送部を通じて結束対象紙幣の短手側端部を把持した状態で、結束部内の結束対象紙幣を紙幣長手方向に移動可能とし、束搬送部にて結束対象紙幣の短手側端部を把持した状態で、結束部が結束対象紙幣を結束帯で結束するようにしたので、束搬送部で結束対象紙幣の短手側端部を把持したまま、結束対象紙幣を結束することになるため、結束作業前に結束対象紙幣がバラバラになるような事態を回避しながら、結束作業速度の向上を図ることがで、結束作業効率の大幅向上を図ることができるという効果を奏する。

また、上記のように構成された本発明の紙幣結束装置では、束搬送部を通じて結束対象紙幣を把持した状態で、結束部を通じて結束対象紙幣を結束するようにしたので、複雑な機構を要することなく、結束作業前に結束対象紙幣がバラバラになるような事態を回避しながら、その結束作業速度の向上を図ることで、結束作業効率の大幅向上を図ることができるという効果を奏する。

また、本発明の紙幣結束装置では、上記発明の効果に加えて、束搬送部が把持する端部が結束対象紙幣の短手側端部としたので、結束作業前に結束対象紙幣がバラバラになるような事態を回避することができるという効果を奏する。

また、本発明の紙幣結束装置では、上記発明の効果に加えて、束搬送部で結束対象紙幣を把持したまま、結束帯で結束対象紙幣を結束した後、その結束紙幣を把持したまま、結束紙幣を結束部外へ搬送するようにしたので、束搬送部は、結束作業中も結束対象紙幣を把持したままであることから、結束紙幣を結束部外へ搬送する作業速度の大幅向上を図ることができるという効果を奏する。

また、上記のように構成された本発明の紙幣結束方法では、所定枚数の結束対象紙幣の内、最初に集積した紙幣の紙幣情報又は最後に集積した紙幣の紙幣情報に基づき、結束対象紙幣に対する結束帯の結束位置を設定するようにしたので、複雑な機構を要することなく、結束対象紙幣の結束位置を自在に設定することができるという効果を奏する。

上記のように構成された本発明の紙幣結束方法では、束搬送部を通じて結束対象紙幣を把持した状態で結束対象紙幣を結束するようにしたので、複雑な機構を要することなく、結束作業前に結束対象紙幣がバラバラになるような事態を回避しながら、その結束作業速度の向上を図ることで、結束作業効率の大幅向上を図ることができるという効果を奏する。

図１は、本実施例の紙幣分類結束処理装置の外観構成を端的に示す斜視図である。 図２は、紙幣分類結束処理装置内部の概略構成を示す説明図である。 図３は、紙幣反転部の反転処理を端的に示す説明図である。 図４は、結束用集積部の概略構成を示す斜視図である。 図５は、結束用集積部の一部を省略した平面図である。 図６は、紙幣分類結束処理装置内部の概略構成を示すブロック図である。 図７は、結束用集積部の寸法調整機構の動作遷移を端的に示す説明図である。 図８は、結束前搬送部の動作遷移を端的に示す説明図である。 図９は、把持搬送部の動作遷移を端的に示す説明図である。 図１０は、結束ステージ上の把持搬送部の動作を端的に示す説明図である。 図１１は、放出搬送部の動作遷移を端的に示す説明図である。 図１２は、結束位置設定処理に関わる制御部の処理動作を示すフローチャートである。

符号の説明

３ 紙幣結束装置
１４ 紙幣識別部
２１ 結束用集積部
２２ 結束部
２５ 結束前搬送部
２７ 把持搬送部
１５０ 駆動制御部
１７２ 紙幣種別取得部
１７３ 結束位置管理部
１７４ 結束位置設定部
Ｐ 結束対象紙幣
Ｐ１ 結束紙幣
Ｒ 結束帯

以下、図面に基づき本発明の紙幣結束装置及び紙幣結束方法に関わる紙幣分類処理装置の実施例について詳細に説明する。

まず、最初に本実施例の概要を説明するとすれば、その概要は、結束対象紙幣を分類集積する結束用集積部と、所定枚数の結束対象紙幣を結束帯で結束する結束部と、結束用集積部に集積する結束対象紙幣が１００枚に到達した場合、結束用集積部に集積された所定枚数の結束対象紙幣を結束部に搬送する結束前搬送部とを有する紙幣結束装置であって、結束対象紙幣から紙幣種別を取得する紙幣種別取得部と、紙幣種別取得部にて取得した１００枚の結束対象紙幣の内、この結束用集積部に最初に集積した紙幣の紙幣種別又は最後に集積した紙幣の紙幣種別に基づき、結束対象紙幣に対する結束帯の結束位置を設定する結束位置設定部とを有している。

その結果、本実施例では、１００枚の結束対象紙幣の内、この結束用集積部に最初に集積した紙幣の紙幣種別又は最後に集積した紙幣の紙幣種別に基づき、結束対象紙幣に対する結束帯の結束位置を設定するようにしたので、複雑な構成を要することなく、結束対象紙幣の結束位置を自在に設定することができる。

図１は、本実施例の紙幣分類結束処理装置の外観構成を端的に示す斜視図、図２は、紙幣分類結束処理装置内部の概略構成を示す説明図である。

紙幣分類結束処理装置１は、取引紙幣を連続入金し、これら入金した紙幣を紙幣種別毎に分類集積すると共に、その紙幣の入金枚数を紙幣種別毎に計数する紙幣処理装置２と、紙幣処理装置２にて分類した特定金種の紙幣を所定枚数、例えば１００枚単位で結束する紙幣結束装置３と、例えば、計数結果等の各種情報を表示する表示装置４とを有している。

紙幣処理装置２は、取引紙幣を装置内に投入するホッパ部１１と、このホッパ部１１に投入した紙幣を１枚単位で繰り出す繰出部１２と、この繰出部１２にて繰り出した紙幣を搬送する搬送ベルト等の紙幣搬送部１３と、この紙幣搬送部１３で搬送した紙幣の種別を識別する紙幣識別部１４と、紙幣識別部１４の紙幣種別、例えば、表裏情報に基づき、紙幣搬送部１３で搬送した紙幣を表面及び裏面の内、何れか一方の特定面に向けるように紙幣を反転する紙幣反転部１５とを有している。

また、紙幣処理装置２は、紙幣種別に応じて紙幣搬送部１３で搬送した紙幣を分類集積する４個のスタッカ１６と、スタッカ１６及び紙幣結束装置３に対応する紙幣種別に該当しない紙幣をリジェクトする２個の第１リジェクト部１７とを有している。尚、スタッカ１６及び第１リジェクト部１７には、搬送紙幣を１枚単位で紙幣集積空間内の所定位置に集積する羽根車１６Ｅ（１７Ｃ）を配置している。

４個のスタッカ１６は、設定中の紙幣種別毎に搬送紙幣を分類集積し、第１スタッカ１６Ａ、第２スタッカ１６Ｂ、第３スタッカ１６Ｃ及び第４スタッカ１６Ｄで構成している。尚、紙幣種別とは、例えば、ユーロ紙幣の場合、５ユーロ、１０ユーロ、２０ユーロ、５０ユーロ、１００ユーロ、２００ユーロ及び５００ユーロの７種類の金種の他に、真券・偽券を識別する真偽情報、正券・損券を識別する正損情報や、表裏を識別する表裏情報等がある。また、その他の通貨では、金種毎の新券・旧券を識別する刷版情報等もある。

また、紙幣結束装置３は、紙幣処理装置２内部の紙幣搬送路１８から本装置内へ特定金種紙幣を搬送する紙幣搬送部１３と、装置内の上下方向に三段配置し、その搬送された特定金種紙幣を分類集積する３個の結束用集積部２１と、これら３個の結束用集積部２１の下方位置に配置し、結束用集積部２１に分類集積する結束対象紙幣が所定枚数、例えば、１００枚に到達した場合、その１００枚の結束対象紙幣を結束帯で結束する結束部２２とを有している。

さらに、紙幣結束装置３は、ホッパ部１１近傍に配置し、結束部２２にて結束した紙幣、すなわち結束紙幣をオペレータ側に放出する束放出口２３と、結束用集積部２１の近傍に配置し、取引終了時に結束用集積部２１に集積中の端数紙幣をオペレータに放出する端数返却口２４とを有している。

また、紙幣結束装置３は、結束用集積部２１に集積中の結束対象紙幣を結束部２２又は端数返却口２４に搬送する結束前搬送部２５と、結束部２２内の結束対象紙幣を紙幣長手方向に把持搬送すると共に、結束部２２にて結束した結束紙幣を束放出口２３に搬送する結束後搬送部２６とを有している。

結束前搬送部２５は、結束用集積部２１に集積中の結束対象紙幣の内、１００枚の結束対象紙幣の長手側を把持して、これら１００枚の結束対象紙幣を結束部２２内の結束ステージ２２Ａ上に搬送すると共に、取引終了時に、結束用集積部２１に集積中の結束対象紙幣の内、集積中の１００枚に満たない端数紙幣を把持して、これら端数紙幣を端数返却口２４へ搬送するものである。尚、結束部２２の結束ステージ２２Ａとは、結束部２２の結束作業領域に相当するものである。

また、結束後搬送部２６は、結束前搬送部２５で結束対象紙幣を結束部２２内の結束ステージ２２Ａ上に搬送した後、この搬送した結束対象紙幣の短手側を把持し、この把持した結束対象紙幣を紙幣長手方向に搬送すると共に、結束部２２にて結束した結束紙幣を把持搬送する把持搬送部２７と、この把持搬送部２７にて把持搬送した結束紙幣を束放出口２３に搬送する放出搬送部２８とを有している。

把持搬送部２７は、結束前搬送部２５で結束部２２内の結束ステージ２２Ａ上の作業準備位置に搬送した後、この作業準備位置で結束対象紙幣の短手側を把持するものである(後述する図９（Ｃ）参照)。尚、結束前搬送部２５は、把持搬送部２７による結束対象紙幣の短手側の把持動作に応じて、結束対象紙幣の長手側の把持を開放するものである。

尚、作業準備位置とは、結束作業を実行する結束ステージ２２Ａ上の結束作業位置に対して結束対象紙幣の移動調整、すなわち結束対象紙幣長手方向への移動を開始する位置に相当するものである。また、結束作業位置は、結束対象紙幣に結束帯を結束する作業位置に相当するものである。

把持搬送部２７は、結束部２２の結束ステージ２２Ａ上の作業準備位置に結束対象紙幣を把持すると、結束ステージ２２Ａ上の結束作業位置に結束対象紙幣の結束位置を配置すべく、結束対象紙幣を結束対象紙幣の長手方向に移動調整するものである(後述する図９（Ｅ）参照)。尚、結束部２２は、この結束作業位置に結束対象紙幣の結束位置を配置することで、同結束対象紙幣の結束位置に結束帯を巻回することができるものである。

把持搬送部２７は、結束部２２を通じて結束ステージ２２Ａ上の結束作業位置で、結束対象紙幣の短手側を把持したまま、結束対象紙幣の結束作業が完了すると、その結束紙幣を作業準備位置に搬送し、この結束紙幣を放出搬送部２８内に搬送するものである。

放出搬送部２８は、把持搬送部２７にて把持搬送した結束紙幣を紙幣結束装置３上部に搬送する結束紙幣リフト部６１と、この結束紙幣リフト部６１にて紙幣結束装置３上部に搬送した結束紙幣を束放出口２３方向（装置正面方向）に押し出す押出機構６２と、押出機構６２で装置正面に押し出した結束紙幣を収納すると共に、結束紙幣を束放出口２３に放出保持する放出保持機構６３とを有している。

また、紙幣分類結束処理装置１は、ホッパ部１１と接続し、スタッカ１６の上方位置に配置した第１搬送路１８Ａ、第１搬送路１８Ａと接続し、スタッカ１６の配置方向に折り返すように配置した第２搬送路１８Ｂ及び、第２搬送路１８Ｂと接続すると共に、スタッカ１６及び結束用集積部２１と接続する第３搬送路１８Ｃを含む紙幣搬送路１８を有している。尚、紙幣識別部１４は、第１搬送路１８Ａ上に配置し、紙幣反転部１５は、第２搬送路１８Ｂ上に配置しているものとする。また、第２搬送路１８Ｂは、紙幣分類結束処理装置１の第１搬送路１８Ａ及び第３搬送路１８Ｃに接続する着脱可能なユニットで構成するものである。

また、紙幣搬送路１８上には、搬送路上の分岐箇所、合流箇所や装置間の連結箇所等の搬送紙幣の進入及び通過を検知する検知センサ１９を夫々配置するものである。

第３搬送路１８Ｃの最終端には、第２リジェクト部２０を配置しているものである。尚、第２リジェクト部２０には、搬送紙幣を１枚単位で紙幣集積空間内の所定位置に集積する札たたきベルト２０Ａを配置している。

また、紙幣分類結束処理装置１内の紙幣搬送路１８上の分岐箇所には、紙幣搬送路１８上を搬送する搬送紙幣を、スタッカ１６、結束用集積部２１、第１リジェクト部１７又は第２リジェクト部２０に振り分ける分岐部１３Ａを配置している。尚、分岐部１３Ａは、検知センサ１９を通じて搬送紙幣の先端の進入を検知すると、図示せぬソレノイドが駆動することで搬送紙幣を振り分けるものである。

紙幣反転部１５は、紙幣識別部１４の紙幣種別である表裏情報に基づき、紙幣反転部１５の手前に設けられた分岐部１３Ａで反転ルート又は無反転ルートに振り分け、紙幣の表面及び裏面の内、特定面に揃えて第３搬送路１８Ｃに搬送するものである。

反転ルートでは、紙幣の搬送方向に延在する曲面をもった反転部材１５Ａと、一部が反転部材１５Ａの曲面に沿うようにして、反転部材１５Ａの長手方向に対して斜めに掛けられた、図示せぬ搬送ベルトと、搬送ベルトを駆動する図示せぬ駆動モータと、搬送ベルト及び反転部材１５Ａで挟まれ、反転部材１５Ａの曲面に巻き付けられながら、反転部材１５Ａの長手方向に搬送される紙幣の表面を摺動案内する図示せぬガイド部とを有している（日本国特許第４１１９６６４号公報参照）。

紙幣反転部１５では、駆動モータで搬送ベルトが駆動されている状態で紙幣が搬送されると、紙幣が搬送ベルトと反転部材１５Ａとの間に挟まれ、搬送ベルトの移動に追従して搬送方向に移動するものである。この際、搬送ベルトは、反転部材１５Ａの長手方向に対して斜めに沿うように曲面に掛けられているため、紙幣は、曲面に巻き付けられながら搬送されると共に、自転しながら表裏反転されることになる。また、表裏反転の際、ガイド部で紙幣の表面を摺動案内させることで、搬送途中における紙幣の動きを規制しながら紙幣を確実に表裏反転させることが可能になるものである。

図３は、紙幣反転部１５の反転処理を端的に示す説明図である。

紙幣反転部１５は、図３に示すように、例えば、搬送紙幣のＡ面（表面）をＡ面（表面）のまま、第３搬送路１８Ｃに搬送する場合、無反転ルートを通じて紙幣反転部１５の反転処理を実行することなく、Ａ面(表面)のまま、搬送紙幣を第３搬送路１８Ｃに搬送するものである。

また、図３に示すように、例えば、Ｂ面(裏面)の搬送紙幣をＡ面(表面)に反転して第３搬送路１８Ｃに搬送する場合、反転ルートを通じて紙幣反転部１５の長手反転処理を実行することで、Ｂ面(裏面)をＡ面(表面)に反転し、その搬送紙幣を第３搬送路１８Ｃに搬送するものである。

図４は、結束用集積部２１の概略構成を示す斜視図、図５は、結束用集積部２１を一部省略した平面図である。

結束用集積部２１は、左右の側壁部３１Ａ及び背面壁部３１Ｂで構成する集積空間３１内に昇降可能に配置し、搬送紙幣を集積するステージ部３２と、搬送紙幣を集積空間３１内に集積し、集積した搬送紙幣を整位する札たたきベルト３３と、集積空間３１内への搬送紙幣の進入を検知する進入検知センサ３４と、結束用集積部２１に集積設定中の設定紙幣の設定寸法に応じて集積空間３１を調整する寸法調整機構３５とを有している。尚、ステージ部３２は、一番上に集積した紙幣の高さを一定に保持すべく、搬送紙幣を集積する都度、順次降下するものである。

寸法調整機構３５は、集積設定中の設定紙幣の設定寸法に応じて集積空間３１に集積する結束対象紙幣の長手方向を整位する紙幣整理機構３６と、設定紙幣の設定寸法に応じて集積空間３１の短手寸法を調整する短手調整機構３７とを有している。

紙幣整理機構３６は、集積空間３１内の側壁部３１Ａの端部に対して回動可能に配置し、集積空間３１の内方向Ｙへ回動する左右のアーム部３６Ａと、設定紙幣に応じた設定回動位置に、左右のアーム部３６Ａを回動するステッピングモータ３６Ｂとを有し、設定紙幣に応じて設定回動位置に回動した左右のアーム部３６Ａの先端部で、集積空間３１内のステージ部３２上に集積する集積紙幣の端面を叩き、集積紙幣の長手方向を整位するものである。

短手調整機構３７は、集積空間３１の背面壁部３１Ｂを紙幣搬送の前後方向Ｘに移動可能にし、集積空間３１に集積設定中の設定紙幣の短手寸法に応じて集積空間３１の短手寸法を調整するものである。

また、背面壁部３１Ｂには、結束前搬送部２５のハンド部４１（図２参照）の集積空間３１内への進入を可能とする、例えば、３個の切欠部３１Ｃを形成し、切欠部３１Ｃを通じて進入したハンド部４１が集積空間３１内の結束対象紙幣の長手側を把持し、その把持した結束対象紙幣を集積空間３１から引抜可能にすべく、その背面壁部３１Ｂの下部は開閉可能なシャッタ構成としている。

また、結束前搬送部２５は、図２に示すように、結束用集積部２１に集積中の結束対象紙幣の長手側を一括把持するハンド部４１を備えた搬送ユニット４２と、搬送ユニット４２を前後方向（水平方向）に移動させる水平移動機構４３と、搬送ユニット４２を上下方向（垂直方向）に移動させる垂直移動機構４４とを有している。

垂直移動機構４４は、紙幣結束装置３内の下端から上端に到る垂直に設置されたガイド軸４４Ａと、このガイド軸４４Ａで案内して搬送ユニット４２を昇降する駆動ベルト４４Ｂとを有している。

結束前搬送部２５内の搬送ユニット４２は、水平移動機構４３内の駆動ベルト４３Ａを通じて前進又は後退可能なハンド部４１を備え、ハンド部４１は、例えば、上ハンド４１Ａの３本の把持爪及び、下ハンド４１Ｂの３本の把持爪同士を対峙し、把持爪同士で結束用集積部２１に集積中の結束対象紙幣の長手側を把持するものである。尚、下ハンド４１Ｂは、固定であるのに対し、上ハンド４１Ａは、駆動ベルト４１Ｃを通じて上下動可能である。

搬送ユニット４２は、上ハンド４１Ａ及び下ハンド４１Ｂの把持爪同士で結束対象紙幣の長手側を把持し、把持した結束対象紙幣を結束部２２内の結束ステージ２２Ａ上の作業準備位置又は端数返却口２４に搬送するものである。

結束前搬送部２５は、搬送ユニット４２を通じて１００枚の結束対象紙幣の長手側を把持した状態で、結束部２２内の結束ステージ２２Ａ上の作業準備位置に結束対象紙幣を搬送配置するものである。

また、把持搬送部２７は、搬送ユニット４２を通じて１００枚の結束対象紙幣の長手側を把持した状態で、結束部２２内の結束ステージ２２Ａ上の作業準備位置の１００枚の結束対象紙幣の短手側を把持するものである。尚、結束前搬送部２５内の搬送ユニット４２は、把持搬送部２７の結束対象紙幣の短手側の把持動作に応じて、搬送ユニット４２側で把持した結束対象紙幣の長手側の把持を開放し、待機位置に移動するものである。

把持搬送部２７は、紙幣の短手側を一括把持する上下ハンドの把持部２７Ａを有し、把持部２７Ａは、結束対象紙幣の結束位置を結束ステージ２２Ａ上の結束作業位置に位置決め配置すべく、作業準備位置から結束対象紙幣の長手方向に結束対象紙幣を把持搬送するものである。

結束部２２は、把持搬送部２７の把持部２７Ａを通じて結束対象紙幣の短手側を把持した状態で、結束対象紙幣の結束位置を結束ステージ２２Ａ上の結束作業位置に位置決め配置すると、結束対象紙幣の結束位置に結束帯を結束する結束作業を実行するものである。

また、結束部２２は、結束帯を収容する結束帯リール５１と、結束対象紙幣の結束位置を結束作業位置に位置決め配置した状態で、結束帯リール５１から引き出した結束帯の先端を結束対象紙幣の結束位置に止める結束帯止め部５２と、結束対象紙幣の結束位置に止めた結束帯を結束帯リール５１から引き出し、引き出した結束帯を結束対象紙幣の結束位置に巻き付ける旋回アーム５３と、結束対象紙幣の結束位置に巻き付けた結束帯の他端を切断するカッタ部５４と、そのカッタ部５４で切断した結束帯の他端を熱溶着するヒータ部５５とを有し、結束対象紙幣を結束帯で結束することで、結束紙幣を作成するものである。

把持搬送部２７の把持部２７Ａは、結束部２２を通じて結束対象紙幣の結束動作が完了すると、この結束紙幣を作業準備位置に戻し、結束紙幣を放出搬送部２８内の結束紙幣リフト部６１内に搬送するものである。尚、把持搬送部２７は、結束紙幣を結束紙幣リフト部６１内に搬送すると、結束紙幣の短手側の把持を開放するものである。

結束紙幣リフト部６１は、把持搬送部２７の把持部２７Ａにて把持搬送した結束紙幣を紙幣結束装置３上部の押出機構６２に搬送するものである。

押出機構６２は、結束紙幣リフト部６１にて紙幣結束装置３上部に搬送した結束紙幣を束放出口２３方向（装置正面方向）の放出保持機構６３に押出搬送するものである。

放出保持機構６３は、押出機構６２に押出搬送された結束紙幣を収納する結束紙幣収納部６３Ａと、結束紙幣収納部６３Ａ内に収納した結束紙幣を載置する結束紙幣ステージ６３Ｂとを有し、押出機構６２に押出搬送された結束紙幣が結束紙幣ステージ６３Ｂ上の最上部の結束紙幣の上に収納できるように、結束紙幣ステージ６３Ｂの高さを調整するものである。

図６は、紙幣分類結束処理装置１内部の概略構成を示すブロック図である。

図６に示す紙幣分類結束処理装置１は、紙幣識別部１４の他に、紙幣処理装置２内部のスタッカ側メカ機構１１０と、紙幣結束装置３内部の結束側メカ機構１２０と、様々なコマンドを入力する操作部１３０と、表示装置４を表示制御する表示制御部１４０と、スタッカ側メカ機構１１０及び結束側メカ機構１２０を駆動制御する駆動制御部１５０と、結束側メカ機構１２０内部の寸法調整機構３５を調整制御する寸法調整駆動制御部１６０と、この紙幣分類結束処理装置１全体を制御する制御部１７０とを有している。

スタッカ側メカ機構１１０は、繰出部１２、紙幣搬送部１３、紙幣反転部１５、羽根車１６Ｅ（１７Ｃ）及び、紙幣処理装置２内部の検知センサ１９及び分岐部１３Ａを有している。

結束側メカ機構１２０は、紙幣結束装置３内部の検知センサ１９、紙幣搬送部１３、分岐部１３Ａ、結束部２２、結束前搬送部２５、結束後搬送部２６、寸法調整機構３５及び札たたきベルト３３を有している。尚、結束後搬送部２６は、把持搬送部２７及び放出搬送部２８を有し、寸法調整機構３５は、紙幣整理機構３６及び短手調整機構３７を有している。

制御部１７０は、例えば、スタッカ１６、第１リジェクト部１７、第２リジェクト部２０及び結束用集積部２１に集積する紙幣種別（集積紙幣）を設定するものである。尚、制御部１７０は、例えば、第１スタッカ１６Ａに５ユーロ紙幣、第２スタッカ１６Ｂに５０ユーロ紙幣、第３スタッカ１６Ｃに１００ユーロ紙幣、第４スタッカ１６Ｄに２００ユーロ紙幣、第１リジェクト部１７Ａに５００ユーロ紙幣、更に初期設定として、第１結束用集積部２１Ａに１０ユーロ紙幣、第２結束用集積部２１Ｂに２０ユーロ紙幣、第３結束用集積部２１Ｃに予備を設定するものである。尚、第１リジェクト部１７Ａについては、５００ユーロ紙幣のようにまれな種別の紙幣を集積するスタッカとしても使用可能である。

また、制御部１７０は、検知センサ１９の検知結果に基づき、搬送路上の紙幣詰まり（ジャム）等の障害を認識するものである。

また、制御部１７０は、３個の結束用集積部２１の内、一の結束用集積部２１に集積中の結束対象紙幣が１００枚に到達したか否かを判定する結束枚数判定部１７１と、結束枚数判定部１７１にて結束用集積部２１に集積中の結束対象紙幣が１００枚に到達した場合、１００枚に到達した結束対象紙幣の内、この結束用集積部２１に最後に集積した紙幣の紙幣種別を取得する紙幣種別取得部１７２と、紙幣種別に応じた結束位置を登録管理する結束位置管理部１７３と、紙幣種別取得部１７２にて取得した紙幣種別に対応する結束位置を結束位置管理部１７３から取得し、取得した結束位置を設定する結束位置設定部１７４とを有している。

紙幣種別取得部１７２は、第１結束用集積部２１Ａ、第２結束用集積部２１Ｂ又は第３結束用集積部２１Ｃの何れか一に集積中の結束対象紙幣が１００枚に到達した場合、紙幣識別部１４の識別結果に基づき、１００枚の結束対象紙幣の内、この結束用集積部２１に最後に集積した紙幣、すなわち最上面に配置した結束対象紙幣の紙幣情報を取得するものである。

結束位置管理部１７３は、紙幣種別単位で紙幣長手方向の結束位置を管理するものである。

結束位置設定部１７４は、紙幣種別取得部１７２にて結束対象紙幣の最後に集積した紙幣の紙幣種別を取得すると、紙幣種別に対応する結束位置を結束位置管理部１７３から読み出し、読み出した結束位置を駆動制御部１５０内に設定するものである。

その結果、駆動制御部１５０は、結束位置設定部１７４にて設定した結束位置に基づき、結束部２２の結束ステージ２２Ａ上の結束作業位置に結束対象紙幣の結束位置を位置決め配置すべく、把持搬送部２７の把持部２７Ａを駆動制御するものである。

また、駆動制御部１５０は、紙幣識別部１４にて識別した搬送紙幣の紙幣種別を取得すると、紙幣搬送路１８を搬送中の搬送紙幣がスタッカ１６、又は結束用集積部２１に設定中の紙幣種別（集積紙幣）の場合、この搬送紙幣を該当スタッカ１６、又は結束用集積部２１に分類集積すべく、紙幣搬送部１３及び分岐部１３Ａを駆動制御するものである。

また、駆動制御部１５０は、紙幣搬送路１８を搬送中の搬送紙幣がスタッカ１６及び結束用集積部２１に設定中の紙幣以外の場合や、搬送異常等により識別できない紙幣の場合、この搬送紙幣を第１リジェクト部１７に搬送すべく、紙幣搬送部１３及び分岐部１３Ａを駆動制御するものである。

また、駆動制御部１５０は、紙幣搬送路１８を搬送中の搬送紙幣が結束用集積部２１に設定中の紙幣種別（集積紙幣）の場合、この搬送紙幣を結束用集積部２１に分類集積すべく、紙幣搬送部１３及び分岐部１３Ａを駆動制御するものである。

駆動制御部１５０は、例えば、第１結束用集積部２１Ａに１０ユーロ紙幣、第２結束用集積部２１Ｂに２０ユーロ紙幣、第３結束用集積部２１Ｃに予備を紙幣種別（集積紙幣）として設定中に、第１結束用集積部２１Ａに集積する結束対象紙幣が１００枚に到達した場合、結束前搬送部２５の搬送ユニット４２内のハンド部４１を通じて第１結束用集積部２１Ａに集積中の結束対象紙幣を引き抜くべく、結束前搬送部２５を駆動制御するものである。

さらに、制御部１７０は、第１結束用集積部２１Ａに集積する１０ユーロ紙幣が１００枚に到達した場合、予備の第３結束用集積部２１Ｃの紙幣種別（集積紙幣）を１０ユーロ紙幣に切替設定すると共に、搬送ユニット４２内のハンド部４１を通じて１００枚に到達した１０ユーロ紙幣を引き抜いて紙幣集積可能となる第１結束用集積部２１Ａの紙幣種別(集積紙幣)を予備に切替設定するものである。

さらに、寸法調整駆動制御部１６０は、例えば、第１結束用集積部２１Ａに集積する１０ユーロ紙幣が１００枚に到達し、予備の第３結束用集積部２１Ｃの紙幣種別（集積紙幣）を１０ユーロ紙幣に切替設定する際、設定紙幣、つまり、１０ユーロ紙幣の紙幣寸法に応じて第３結束用集積部２１Ｃを調整すべく、第３結束用集積部２１Ｃの寸法調整機構３５を駆動制御するものである。尚、寸法調整駆動制御部１６０は、紙幣種別毎に、紙幣整理機構３６内のアーム部３６Ａの設定回動位置及び短手調整機構３７内の短手寸法を管理している。

図７は、結束用集積部２１の寸法調整機構３５の動作遷移を端的に示す説明図である。

寸法調整駆動制御部１６０は、集積設定中の設定紙幣に応じて、背面壁部３１ＢをＸ方向に移動して集積空間３１を調整すべく、短手調整機構３７を駆動制御すると共に、その設定紙幣の長手寸法に応じて紙幣整理機構３６のアーム部３６Ａの設定回動位置を設定すべく、紙幣整理機構３６を駆動制御するものである。

先ず、寸法調整駆動制御部１６０は、設定紙幣の短手寸法に応じた位置に背面壁部３１Ｂを移動配置し、設定寸法の長手寸法に応じた設定回動位置に紙幣整理機構３６のアーム部３６Ａを保持した状態となる（図７（Ａ）参照）。

次に、寸法調整駆動制御部１６０は、進入検知センサ３４を通じて集積空間３１内の搬送紙幣の進入を検知すると、左右のアーム部３６Ａを拡開する（図７（Ｂ）参照）。

さらに、寸法調整駆動制御部１６０は、進入検知センサ３４を通じて搬送紙幣の通過完了を検知した後、その所定時間経過後に、左右のアーム部３６Ａを設定回動位置に回動し、左右のアーム部３６Ａの先端部同士で集積空間３１内に集積中の搬送紙幣の長手方向を整位する（図７（Ｃ）参照）。

図８は、結束前搬送部２５の動作遷移を端的に示す説明図である。

結束前搬送部２５は、搬送ユニット４２を通じて結束用集積部２１に集積中の結束対象紙幣Ｐを引き抜く場合、引抜対象の結束用集積部２１内のステージ部３２を最下端まで降下する（図８（Ａ）参照）。

さらに、結束前搬送部２５は、ガイド軸４４Ａを通じた駆動ベルト４４Ｂの動作で引抜対象の結束用集積部２１に対する位置、すなわち結束用集積部２１に集積中の結束対象紙幣Ｐの最下端の紙幣よりも下ハンド４１Ｂの上面が低くなる位置にまで搬送ユニット４２を降下する（図８（Ａ）参照）。

さらに、結束前搬送部２５は、結束用集積部２１に集積中の結束対象紙幣Ｐの最上端の紙幣よりも上ハンド４１Ａの下面が高くなる位置まで駆動ベルト４１Ｃを通じて搬送ユニット４２の上ハンド４１Ａを上昇する（図８（Ａ）参照）。その結果、上ハンド４１Ａ及び下ハンド４１Ｂ間は拡開した状態となる。

また、搬送ユニット４２は、水平移動機構４３の駆動ベルト４３Ａの動作に応じて前進し、この前進動作に応じて結束用集積部２１の背面壁部３１Ｂに形成した切欠部３１Ｃを通じて結束用集積部２１内に上ハンド４１Ａ及び下ハンド４１Ｂが進入し、これら上ハンド４１Ａ及び下ハンド４１Ｂ間に結束対象紙幣Ｐが位置することになる（図８（Ｂ）参照）。

さらに、搬送ユニット４２は、駆動ベルト４１Ｃを通じて上ハンド４１Ａを下降し、この下降動作に応じて、上ハンド４１Ａ及び下ハンド４１Ｂ間でステージ部３２上の結束対象紙幣の長手側を強固に把持することになる（図８（Ｃ）参照）。

そして、搬送ユニット４２は、水平移動機構４３の駆動ベルト４３Ａの動作に応じて後退し、この後退動作に応じて、上ハンド４１Ａ及び下ハンド４１Ｂで把持した結束対象紙幣Ｐを、垂直移動機構４４を通じて結束部２２内の結束ステージ２２Ａ上の作業準備位置又は端数返却口２４に移動可能な状態となる（図８（Ｄ）参照）。

また、図６に示す駆動制御部１５０は、結束用集積部２１に集積する結束対象紙幣が１００枚に到達した場合、背面壁部３１Ｂの切欠部３１Ｃを通じて結束前搬送部２５内の搬送ユニット４２のハンド部４１が集積空間３１内に進入し、このハンド部４１でステージ部３２上の結束対象紙幣の長手側を把持し、この把持した結束対象紙幣を結束用集積部２１から引き抜き、この引き抜いた結束対象紙幣を、垂直移動機構４４及び水平移動機構４３を通じて結束部２２に搬送すべく、結束前搬送部２５を駆動制御するものである。

また、駆動制御部１５０は、取引終了時に、結束用集積部２１に集積中の結束対象紙幣が１００枚に満たない場合、背面壁部３１Ｂの切欠部３１Ｃを通じて搬送ユニット４２のハンド部４１が集積空間３１内に進入し、このハンド部４１でステージ部３２上の結束対象紙幣の長手側を把持し、この把持した端数の結束対象紙幣を結束用集積部２１から引き抜き、この引き抜いた端数の結束対象紙幣を、垂直移動機構４４及び水平移動機構４３を通じて端数返却口２４に搬送すべく、結束前搬送部２５を駆動制御するものである。

その後、駆動制御部１５０は、結束用集積部２１に集積中の結束対象紙幣の引抜後、結束用集積部２１内のステージ部３２を上昇させて、通常の紙幣集積待ち位置に復帰することになる。

また、駆動制御部１５０は、検知センサ１９を通じて第１リジェクト部１７Ｂより上流で搬送紙幣の障害を検出した場合、第１リジェクト部１７Ｂより上流の搬送紙幣を第１リジェクト部１７Ｂに順次搬送するものである。

また、駆動制御部１５０は、検知センサ１９を通じて第１リジェクト部１７Ｂから下流で搬送紙幣の障害を検出した場合、第１リジェクト部１７Ｂから下流の搬送紙幣を第２リジェクト部２０に順次搬送すべく、紙幣搬送部１３及び分岐部１３Ａを駆動制御するものである。尚、例えば、第２搬送路１８Ｂ又は第３搬送路１８Ｃ等の第１リジェクト部１７Ｂから下流では、紙幣単体の紙幣搬送路１８上の斜行、紙幣搬送路１８上の紙幣の連鎖、紙幣搬送路１８上の紙幣重送等の障害の場合、紙幣搬送を停止するよりも、障害紙幣を第２リジェクト部２０まで搬送した方が迅速に障害復旧できるものである。

図９は、把持搬送部２７の動作遷移を端的に示す説明図、図１０は、結束ステージ２２Ａ上の把持搬送部２７の動作遷移を端的に示す説明図である。

図９において結束前搬送部２５の搬送ユニット４２は、結束用集積部２１に集積中の結束対象紙幣Ｐの長手側を把持して水平移動機構４３及び垂直移動機構４４を通じて結束部２２の入口付近に搬送するものである（図９（Ａ）参照）。尚、把持搬送部２７の把持部２７Ａは、図９（Ａ）に示すように結束ステージ２２Ａ上の作業準備位置に配置しているものである。

更に、結束前搬送部２５の搬送ユニット４２は、水平移動機構４３を通じて結束対象紙幣を結束部２２内の結束ステージ２２Ａ上に搬送し(図９（Ｂ）参照)、結束対象紙幣を結束ステージ２２Ａ上の作業準備位置に搬送するものである(図９（Ｃ）参照)。その結果、把持搬送部２７の把持部２７Ａは、搬送ユニット４２による結束対象紙幣Ｐの作業準備位置への搬送に応じて、作業準備位置で結束対象紙幣Ｐの短手側を把持するものである(図９（Ｃ）参照)。

結束前搬送部２５の搬送ユニット４２は、把持搬送部２７の把持部２７Ａの結束対象紙幣Ｐの把持動作に応じて、結束対象紙幣Ｐの長手側の把持を開放し(図９（Ｄ）参照)、通常の紙幣集積待ち位置に戻るものである。

把持搬送部２７の把持部２７Ａは、結束位置設定部１７４にて設定した結束位置に基づき、結束対象紙幣Ｐの結束位置を結束ステージ２２Ａ上の結束作業位置に位置決め配置すべく、結束対象紙幣Ｐの長手方向に移動するものである(図９（Ｅ）参照)。尚、結束部２２は、把持部２７Ａにて結束対象紙幣Ｐの短手側を把持したまま、結束ステージ２２Ａ上の結束作業位置に位置決めされた結束対象紙幣Ｐの結束位置に結束帯Ｒを巻回し、結束対象紙幣Ｐの結束位置に結束帯Ｒを結束するものである。

尚、図１０（Ａ）において把持部２７Ａで把持した結束対象紙幣Ｐの結束位置が結束対象紙幣Ｐの中央部の場合、把持部２７Ａは、結束対象紙幣Ｐの結束位置である中央部に結束作業位置を位置決め配置し、結束部２２を通じて結束対象紙幣Ｐの中央部に結束帯Ｒを巻回して結束することで、結束紙幣Ｐ１を作成するものである。

また、図１０（Ｂ）において把持部２７Ａで把持した結束対象紙幣Ｐの結束位置が結束対象紙幣Ｐの把持側の端部の場合、把持側端部に結束作業位置を位置決め配置し、結束部２２を通じて結束対象紙幣Ｐの把持側端部に結束帯Ｒを巻回して結束することで、結束紙幣Ｐ１を作成するものである。

また、図１０（Ｃ）において把持部２７Ａで把持した結束対象紙幣Ｐの結束位置が結束対象紙幣Ｐの把持反対側の端部の場合、把持反対側端部に結束作業位置を位置決め配置し、結束部２２を通じて結束対象紙幣Ｐの把持反対側端部に結束帯Ｒを巻回して結束することで、結束紙幣Ｐ１を作成するものである。

次に、把持搬送部２７の把持部２７Ａは、結束ステージ２２Ａ上の結束作業位置に位置決め配置した結束紙幣Ｐ１を作業準備位置に移動し(図９（Ｆ）参照)、結束紙幣Ｐ１を放出搬送部２８に搬送するものである(図９（Ｇ）参照)。

図１１は、結束後搬送部２６の放出搬送部２８の動作遷移を端的に示す説明図である。

放出搬送部２８の結束紙幣リフト部６１は、把持搬送部２７で把持搬送した結束紙幣Ｐ１を載置するための搬送リフト６１Ａを最下位に待機する（図１１（Ａ）参照）。

次に、把持搬送部２７は、結束紙幣リフト部６１の搬送リフト６１Ａ上に結束紙幣Ｐ１を把持搬送し（図１１（Ｂ）参照）、結束紙幣リフト部６１側で搬送リフト６１Ａを上昇することで搬送リフト６１Ａ上に結束紙幣Ｐ１を載置し（図１１（Ｃ）参照）、把持搬送部２７の結束紙幣Ｐ１の把持を開放し（図１１（Ｄ）参照）、この把持搬送部２７を作業準備位置へと移動する（図１１（Ｅ）参照）。

その後、結束紙幣リフト部６１は、結束紙幣Ｐ１を載置した搬送リフト６１Ａを上昇し、搬送リフト６１Ａの上昇に応じてリンク機構６１Ｂで押出機構６２の押出搬送部６２Ａを押出状態とし（図１１（Ｆ）参照）、搬送リフト６１Ａ上に載置した結束紙幣Ｐ１を押出搬送部６２Ａにセットする（図１１（Ｇ）参照）。

押出搬送部６２Ａは、セットした結束紙幣Ｐ１を装置正面の束放出口２３方向に押出搬送する（図１１（Ｈ）参照）。

その後、結束紙幣リフト部６１は、搬送リフト６１Ａを最下位へ下降し、その下降動作に連動したリンク機構６１Ｂの動作に応じて押出搬送部６２Ａを元の待機状態に戻し、さらに、結束紙幣Ｐ１を放出保持機構６３内の結束紙幣収納部６３Ａに収納する（図１１（Ｉ）及び（Ｊ）参照）。

放出保持機構６３は、結束紙幣収納部６３Ａ内に収納中の最上部の結束紙幣Ｐ１を束放出口２３に保持すべく、結束紙幣収納部６３Ａ内の結束紙幣ステージ６３Ｂを調整することになる（図１１（Ｋ）参照）。

尚、本願請求項記載の紙幣結束装置は紙幣結束装置３、結束用集積部は結束用集積部２１、結束部は結束部２２、束搬送部は結束前搬送部２５及び把持搬送部２７、紙幣情報取得部は紙幣識別部１４及び紙幣種別取得部１７２、結束位置設定部は結束位置管理部１７３、結束位置設定部１７４及び駆動制御部１５０に対応するものである。

次に、本実施例の紙幣分類結束処理装置１の動作について説明する。図１２は、結束位置設定処理に関わる制御部１７０内部の処理動作を示すフローチャートである。

図１２に示す結束位置設定処理とは、結束用集積部２１に集積中の結束対象紙幣が１００枚に到達した場合、１００枚の結束対象紙幣の内、最後に結束用集積部２１に集積した紙幣の紙幣種別に基づき、結束対象紙幣の結束位置を設定する処理である。

図１２に示す制御部１７０の結束枚数判定部１７１は、結束用集積部２１の内、集積中の結束対象紙幣が１００枚に到達したか否かを判定する(ステップＳ１１)。

制御部１７０の紙幣種別取得部１７２は、集積中の結束対象紙幣が１００枚に到達した場合(ステップＳ１１肯定)、同結束用集積部２１に集積中の結束対象紙幣の内、最後に集積した結束対象紙幣の紙幣種別を取得する(ステップＳ１２)。

制御部１７０の結束位置設定部１７４は、最後に集積した結束対象紙幣の紙幣種別を取得すると、紙幣種別に対応する結束位置を結束位置管理部１７３から取得し(ステップＳ１３)、結束位置管理部１７３から取得した結束対象紙幣の結束位置を設定し(ステップＳ１４)、図１２に示す処理動作を終了する。その結果、駆動制御部１５０は、ステップＳ１４にて設定した結束位置に基づき、結束ステージ２２Ａ上の結束作業位置に結束対象紙幣の結束位置を位置決め配置すべく、把持搬送部２７を駆動制御することになる。

紙幣種別取得部１７２は、結束対象紙幣が１００枚に到達しない場合(ステップＳ１１否定）、図１２に示す処理動作を終了する。

図１２に示す結束位置設定処理では、結束用集積部２１に集積中の結束対象紙幣の内、結束対象紙幣が１００枚に到達した場合、１００枚の結束対象紙幣の最後に集積した紙幣の紙幣種別を取得し、取得した紙幣種別に対応する結束位置を結束対象紙幣の結束位置に設定するようにしたので、把持搬送部２７は、設定した結束位置に基づき、結束ステージ２２Ａ上の結束作業位置に結束対象紙幣の結束位置を位置決め配置し、結束部２２を通じて結束対象紙幣の結束位置に結束帯を結束することができる。

次に、把持搬送部２７の動作について説明する。

把持搬送部２７は、結束部２２内の結束ステージ２２Ａ上の作業準備位置に結束前搬送部２５を通じて把持搬送した結束対象紙幣の短手側を把持する。

更に、把持搬送部２７は、結束ステージ２２Ａ上の結束作業位置に結束対象紙幣の結束位置を位置決め配置すべく、作業準備位置から結束作業位置へと結束対象紙幣の長手方向に結束対象紙幣を搬送する。

結束部２２は、結束ステージ２２Ａ上の結束作業位置に結束対象紙幣の結束位置を位置決め配置し、結束対象紙幣の結束位置に結束帯止め部５２で結束帯の先端を止め、結束対象紙幣の結束位置に旋回アーム５３で結束帯を巻回し、結束帯の他端をカッタ部５４で切断した後、切断した結束帯の他端をヒータ部５５で熱溶着することで結束対象紙幣を結束して結束紙幣を作成する。

その後、把持搬送部２７は、結束ステージ２２Ａ上の結束作業位置に配置中の結束紙幣を作業準備位置に搬送した後、結束紙幣を放出搬送部２８内の結束紙幣リフト部６１に搬送する。

把持搬送部２７は、結束紙幣を結束紙幣リフト部６１内に把持搬送すると、結束紙幣の短手側の把持を開放する。その結果、放出搬送部２８は、結束紙幣リフト部６１及び押出機構６２を経て、結束紙幣を放出保持機構６３に搬送することになる。

本実施例では、結束用集積部２１に集積された１００枚の結束対象紙幣の内、結束用集積部２１に最後に集積した紙幣の紙幣種別に基づき、結束対象紙幣に対する結束帯の結束位置を設定するようにしたので、複雑な機構を要することなく、結束対象紙幣の結束位置を自在に設定することができる。

本実施例では、把持搬送部２７を通じて結束対象紙幣の短手側を把持した状態で、結束部２２内の結束ステージ２２Ａ上の結束対象紙幣を紙幣長手方向に移動可能とし、結束ステージ２２Ａの結束作業位置に結束対象紙幣の結束位置を位置決め配置すべく、結束対象紙幣を移動調整するようにしたので、把持搬送部２７を通じて結束対象紙幣の短手側を把持したまま、結束ステージ２２Ａ上の結束対象紙幣を結束することになるため、複雑な機構を要することなく、結束前に結束対象紙幣がバラバラになるような事態を回避すると共に、その結束作業速度の向上を図ることで、結束作業効率の大幅向上を図ることができる。

また、本実施例では、把持搬送部２７で結束対象紙幣を把持したまま、結束帯で結束対象紙幣を結束した後、その結束紙幣を把持したまま、結束紙幣を束放出口２３方向に搬送するようにしたので、把持搬送部２７は、結束作業中も結束対象紙幣を把持したままであることから、結束紙幣を束放出口２３方向に搬送する作業速度の大幅向上を図ることができる。

尚、本実施例では、１００枚到達の結束対象紙幣の内、最後に集積した紙幣の紙幣種別を取得し、紙幣種別に対応する結束位置を結束対象紙幣の結束位置として設定するようにしたが、１００枚到達の結束対象紙幣の内、最初に集積した紙幣の紙幣種別を取得し、最初に集積した紙幣の紙幣種別に対応する結束位置を結束対象紙幣の結束位置として設定するようにしても、同様の効果が得られることは言うまでもない。

また、本実施例では、結束対象紙幣の紙幣種別毎に結束位置を設定するようにしたが、他国では紙幣表面の肖像画に結束帯がかかるのを禁止する運用もあるため、このような運用に対処すべく、結束対象紙幣の紙幣表面に印刷した肖像画の位置情報を管理し、この肖像画位置情報に基づき、結束対象紙幣の肖像画に結束帯が被さらないように、結束対象紙幣に対する結束帯の結束位置を設定するようにしても良く、この場合、結束対象紙幣の肖像画上に結束帯が被さるのを禁止する運用にも十分対応することができる。

また、本実施例では、結束対象紙幣の紙幣金種毎に結束位置を設定するようにしたが、正券や損券に基づき、結束対象紙幣に対する結束帯の結束位置を設定するような事態も考えられるため、このような事態に対処すべく、正券や損券の正損情報に基づき、結束対象紙幣に対する結束帯の結束位置を設定するようにしても良く、この場合、ユーザは、結束帯の結束位置で結束紙幣の正損を認識することができる。

例えば、結束対象紙幣が損券の場合、結束対象紙幣の中央部を結束位置に設定するようにしても良く、この場合、ユーザは、中央部の結束帯で損券紙幣と認識することができる。

また、結束対象紙幣が損券の場合、結束対象紙幣の複数個所を結束位置に設定するようにしても良く、この場合、ユーザは、複数個所の結束帯で損券紙幣と認識することができる。

また、本実施例では、結束対象紙幣の紙幣金種毎に結束位置を設定するようにしたが、新券や旧券の刷版情報に基づき、結束対象紙幣に対する結束帯の結束位置を設定するような事態も考えられるため、このような事態に対処すべく、新券や旧券の刷版情報に基づき、結束対象紙幣に対する結束帯の結束位置を設定するようにしても良く、この場合、ユーザは、結束帯の結束位置で結束紙幣の新券及び旧券を認識することができる。

また、本実施例では、紙幣種別が同一の場合、同一結束位置を設定することになるが、同一結束位置の結束紙幣を順次載置した場合、複数束の結束紙幣を積み重ねると、結束紙幣の結束位置とは反対側の紙幣端部が嵩張ることになるため、このような事態に対処すべく、紙幣種別が同一の場合、通常の結束位置と、結束位置とは反対側の結束位置を管理し、結束対象紙幣を結束する都度、通常の結束位置又は反対側結束位置を交互に順次設定することで、紙幣種別が同一の場合、複数束の結束紙幣を積み重ねたとしても、嵩張ることなく、複数束の結束紙幣の安定的に積み重ねることができる。

また、本実施例では、紙幣種別が同一の場合、同一結束位置を設定することになるが、例えば、結束対象紙幣に対する結束帯の結束位置を設定した後、この結束位置で同一金種の結束対象紙幣を結束帯で結束した結束回数をカウントし、その結束回数が所定回数、例えば５回に到達する都度、設定中の結束位置を紙幣長手方向に所定間隔、例えば１０ｍｍ単位ずらして順次設定するようしても良く。この場合、ユーザは、同一金種でも、結束回数が５回に到達、すなわち５個の結束紙幣を作成する都度、結束位置を紙幣長手方向に１０ｍｍずれているため、同一金種の結束紙幣に関する束数の計数作業を良好にすることができる。

また、本実施例では、３個の結束用集積部２１の内、１個の結束用集積部２１の集積紙幣を予備、残り２個の結束用集積部２１の集積紙幣に異なる金種の紙幣を設定するようにしたが、残り２個の結束用集積部２１の集積紙幣に同一金種の紙幣を設定するようにしても、同様の効果が得られることは言うまでもない。

また、本実施例では、結束用集積部２１に集積中の結束対象紙幣が１００枚に到達した場合、結束前搬送部２５の搬送ユニット４２を通じて結束対象紙幣を引き抜き、この引き抜いた結束対象紙幣を結束部２２内の結束ステージ２２Ａ上に搬送するようにしたが、例えば、引き抜いた結束対象紙幣を結束部２２の入口付近まで搬送し、把持搬送部２７の把持部２７Ａが結束部２２の入口付近で結束対象紙幣の短手側を把持した後、この結束対象紙幣を結束ステージ２２Ａ上の作業準備位置に搬送するようにしても、同様の効果が得られることは言うまでもない。

また、本実施例では、結束対象紙幣を結束帯で結束する紙幣結束装置３を例に挙げて説明したが、商品券や有価証券等の紙葉類を結束帯で結束する場合にも、同様の効果が得られることは言うまでもない。

以上、本実施例について説明したが、本実施例によって本発明の技術的思想の範囲が限定されるものではなく、請求の範囲に記載した技術的思想の範囲を逸脱しない限り、各種様々な実施の形態が実施可能であることは言うまでもない。また、本実施例に記載した効果は、これに限定されるものではない。

また、本実施例で説明した各種処理の内、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動で行うことも可能であることは勿論のこと、その逆に、手動で行われるものとして説明した処理の全部又は一部を自動で行うことも可能であることは言うまでもない。また、本実施例で説明した処理手順、制御手順、具体的名称、各種データやパラメータを含む情報についても、特記した場合を除き、適宜変更可能であることは言うまでもない。

また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的に記載したものであって、必ずしも物理的に図示のように構成されるものではなく、その各装置の具体的な態様は図示のものに限縮されるものでは到底ないことは言うまでもない。

さらに、各装置で行われる各種処理機能は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）（又はＭＰＵ（Micro Processing Unit）、ＭＣＵ（Micro Controller Unit）等のマイクロ・コンピュータ）上、又は同ＣＰＵ（又はＭＰＵ、ＭＣＵ等のマイクロ・コンピュータ）で解析実行するプログラム上、又はワイヤードロジックによるハードウェア上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良いことは言うまでもない。

本発明の紙幣結束装置では、所定枚数の結束対象紙幣の内、この結束対象紙幣集積部に最初に集積した紙幣の紙幣情報又は最後に集積した紙幣の紙幣情報に基づき、結束対象紙幣に対する結束帯の結束位置を設定するようにしたので、複雑な機構を要することなく、結束対象紙幣の結束位置を自在に設定することができるため、例えば、金融機関等で使用する紙幣結束装置に有用である。

Claims (3)

1. 結束対象紙幣を集積する結束用集積部と、前記結束用集積部に集積された所定枚数の前記結束対象紙幣を結束帯で結束する結束部とを有する紙幣結束装置であって、
   前記結束対象紙幣から紙幣情報を取得する紙幣情報取得部と、
   前記紙幣情報取得部にて取得した前記結束対象紙幣の紙幣情報に基づき、前記結束対象紙幣に対する前記結束帯の結束位置を設定する結束位置設定部と
   を備え、
   前記結束位置設定部は、前記結束用集積部に集積された所定枚数の前記結束対象紙幣の内、最初に集積された紙幣又は最後に集積された紙幣から取得された前記紙幣情報に基づき、最上面に配置した前記結束対象紙幣表面に印刷された肖像画に前記結束帯が被さらないよう、前記結束対象紙幣に対する前記結束帯の結束位置を設定する
   ことを特徴とする紙幣結束装置。
2. 結束対象紙幣を集積する結束用集積部と、前記結束用集積部に集積された所定枚数の前記結束対象紙幣を結束帯で結束する結束部とを有する紙幣結束装置であって、
   前記結束対象紙幣から紙幣情報を取得する紙幣情報取得部と、
   前記紙幣情報取得部にて取得した前記結束対象紙幣の紙幣情報に基づき、前記結束対象紙幣に対する前記結束帯の結束位置を設定する結束位置設定部と
   を備え、
   前記結束位置設定部は、前記紙幣の正券及び前記紙幣の損券を識別する正損識別情報を含む前記紙幣情報に基づき、前記紙幣が損券の場合、前記結束対象紙幣の複数個所に前記結束帯の結束位置を設定する
   ことを特徴とする紙幣結束装置。
3. 結束対象紙幣を集積する結束用集積部と、前記結束用集積部に集積された所定枚数の前記結束対象紙幣を結束帯で結束する結束部とを有する紙幣結束装置を用いて前記結束対象紙幣を前記結束帯で結束する紙幣結束方法であって、
   前記所定枚数の結束対象紙幣の紙幣情報を取得する紙幣情報取得ステップと、
   前記紙幣情報に基づき、前記結束対象紙幣に対する前記結束帯の結束位置を設定する結束位置設定ステップと
   を含み、
   前記結束位置設定ステップでは、前記結束用集積部に集積された所定枚数の前記結束対象紙幣の内、最初に集積された紙幣又は最後に集積された紙幣から取得された前記紙幣情報に基づき、最上面に配置した前記結束対象紙幣表面に印刷された肖像画に前記結束帯が被さらないよう、前記結束対象紙幣に対する前記結束帯の結束位置を設定する
   ことを特徴とする紙幣結束方法。

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