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JP5418385B2 - 炭化珪素単結晶インゴットの製造方法 - Google Patents

炭化珪素単結晶インゴットの製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、種結晶上に炭化珪素ガスを供給して炭化珪素単結晶インゴットを製造する炭化珪素単結晶インゴットの製造方法に関する
炭化珪素(SiC)は、耐熱性及び機械的強度に優れ、放射線にも強い等の物理的、化学的性質から、耐環境性半導体材料として注目されている。このSiCは、化学組成が同じで多数の異なった結晶構造を取る、いわゆる結晶多形(ポリタイプ)構造を持つ代表的物質であり、また、このポリタイプは、結晶構造においてSiとCの結合した分子を一単位として考えた場合、この単位構造分子が結晶のc軸方向([0001]方向)に積層する際の周期構造が異なることにより生じる。代表的なポリタイプとしては、6H、4H、15R又は3Cがある。ここで、最初の数字は積層の繰り返し周期を示し、アルファベットは結晶系(Hは六方晶系、Rは菱面体晶系、Cは立方晶系)を表す。そして、各ポリタイプは、それぞれ物理的、電気的な特性が異なり、その違いを利用して各種用途への応用が考えられており、例えば、6Hは、近年、青色から紫外にかけての短波長光デバイス用基板として用いられ、また、4Hは、高周波高耐圧電子デバイス等の基板ウェハとしての応用が考えられている。
しかしながら、大きな電圧・電流を高歩留まりで制御できる高品質・大面積なSiC単結晶を、工業的規模で安定に供給し得る結晶成長技術は、未だ確立されていない。それ故、SiCは、上述のような多くの利点及び可能性を有する半導体材料にもかかわらず、その実用化が極めて限定されている。
従来、研究室程度の規模では、例えば、昇華再結晶法(レーリー法)でSiC単結晶を成長させ、半導体素子の作製が可能なサイズのSiC単結晶を得ていた。しかしながら、この方法では、得られた単結晶の面積が小さく、その寸法及び形状を高精度に制御することは困難である。また、SiCが有する結晶多形及び不純物キャリア濃度の制御も容易ではない。
この問題点を解決するために、SiC単結晶[0001]面基板を種結晶として用いて昇華再結晶を行う、改良型のレーリー法が提案されている(非特許文献1)。この方法では、種結晶を用いているため結晶の核形成過程が制御でき、また、不活性ガスにより雰囲気圧力を100Pa〜15kPa程度に制御することにより、結晶の成長速度等を再現性良くコントロールすることができる。
図1を用いて、改良レーリー法の原理を説明する。坩堝1は、通常、黒鉛製であって坩堝容器1bと坩堝蓋1aとからなり、坩堝蓋1aにSiC単結晶からなる種結晶2が取り付けられ、また、坩堝容器1b内にSiC結晶粉末からなる原料粉末3が収納され、アルゴン等の不活性ガス雰囲気(133〜13.3kPa)中で2000〜2400℃に加熱される。この際、原料粉末3に比べ種結晶2がやや低温になるように、温度勾配が設定される。原料粉末3は、加熱されて昇華ガス(原料ガス)となり、濃度勾配(温度勾配により形成される)により種結晶2方向へ拡散、輸送される。単結晶成長は、種結晶2に到着した原料ガスが種結晶2上で再結晶化することにより実現され、成長結晶4が製造される。この際、成長結晶4の体積抵抗率は、不活性ガスからなる雰囲気中に不純物ガスを添加する、あるいは、原料粉末3中に不純物元素あるいはその化合物を混合することにより、成長結晶4の単結晶構造中のシリコン又は炭素原子の位置を不純物元素にて置換させる(ドーピング)ことにより制御することができる。SiC単結晶中の置換型不純物として代表的なものに、窒素(n型)、ホウ素、アルミニウム(p型)がある。これらの不純物によりキャリア型及び濃度を制御しながら、SiC単結晶を成長させることができる。現在、上記の改良レーリー法で作製したSiC単結晶から口径2インチ(50.8mm)から4インチ(100.0mm)のSiC単結晶基板が切り出され、エピタキシャル薄膜成長、デバイス作製に供されている。
また、化学気相成長法(CVD法)を用いて、珪素(Si)等の異種基板(種結晶)上にヘテロエピタキシャル成長させることにより、SiC単結晶を成長させることも行われている。この方法では、大面積の単結晶は得られるが、基板との格子不整合が約20%もあること等により、多くの欠陥(〜107cm-2)を含むSiC単結晶しか成長させることができず、高品質のSiC単結晶を得ることは容易でない。
上記したように、種結晶上に原料ガス(炭化珪素ガス)を供給してこの種結晶上でSiC単結晶を成長させることによりSiC単結晶インゴットを製造する場合、種結晶を平面加工する工程が原因となって種結晶最表面に結晶ダメージが発生し、この結晶ダメージが残存することにより、その上に成長させる成長インゴットには各種の転位欠陥が発生し易く、結晶品質向上が阻害される原因になっていた。特に、貫通系の転位(貫通らせん転位、貫通刃状転位)は、一度発生すると結晶成長中も結晶インゴット中を伝播していくため、インゴットから切り出した全ウェハに共通の転位欠陥となる。このため、種結晶と成長結晶インゴットとの界面における各種転位欠陥発生を抑制するためには、種結晶最表面の結晶ダメージ層による影響を防止したり、あるいは、この結晶ダメージ層を除去する等の必要があり、これまでにも様々な提案がされている。
この種結晶最表面における結晶ダメージ層の影響を防止する方法としては、例えば、種結晶の表面に、白金やアルミニウム等の不純物からなり、らせん転位の中心として機能する特異点を予め人為的に導入し、この特異点をらせん転位の中心として機能させることにより、結晶成長中にランダムにらせん転位が発生するのを抑制した単結晶の成長方法(特許文献1)や、珪素単結晶基板上にCVD法により炭素、鉄、アルミニウム、シリコン、二酸化シリコン等のアチソン結晶と同様の不純物を含む炭化珪素単結晶層を成長させ、その上に昇華再結晶法でアチソン結晶と同様の組成を有する炭化珪素単結晶を形成し、得られた結晶を種結晶として高品質のバルク状炭化珪素単結晶を得る炭化珪素単結晶の製造方法(特許文献2)や、シリコン単結晶基板上にセリウム、スカンジウム等の希土類元素や窒素等の第3の元素をドーピングした3C型炭化珪素単結晶膜をエピタキシャル成長させ、得られた3C型炭化珪素単結晶膜を高温で熱処理して4H型炭化珪素単結晶膜に多形変態させ、この4H型炭化珪素単結晶膜を種結晶として用いることにより高品位の4H型炭化珪素単結晶を成長させる方法(特許文献3)や、結晶成長初期に種結晶上に窒素、ホウ素、アルミニウム、チタン、スズ等の不純物が添加されたバッファー結晶層を成長させ、得られたバッファー結晶層上に炭化珪素単結晶を成長させる方法(特許文献4、5)や、種結晶の表面にCVD法等で炭化珪素からなる被覆材料を積層させ、次いで所定の条件下で熱処理して種結晶内のマイクロパイプ欠陥を閉塞させる方法(特許文献6)等が提案されている。
また、結晶ダメージ層除去を狙った方法としては、高温下の化学気相成長法(高温CVD法)により種結晶上に炭化珪素単結晶をヘテロエピタキシャル成長させる際に、水素等のエッチングガスを導入して種結晶の表面をクリーニングし、正常面を露出させてからSiC単結晶を成長させる方法(特許文献7〜9)や、結晶成長が開始される前に、原料部と種結晶の温度勾配を逆転させて(種結晶の方が高温となるような温度分布に設定することで)種結晶表面を昇華させる方法(非特許文献2、特許文献10)や、結晶成長が開始される前に、種結晶の表面にCVD法でSiC被覆層を形成し、次いで熱処理して種結晶内のマイクロパイプ欠陥のSiC被覆層側を閉塞し、このSiC被覆層を熱エッチングで除去して、種結晶のマイクロパイプ欠陥が閉塞された表面を露出させ、この露出した表面上に結晶成長させる方法(特許文献11)や、種結晶上に原料ガス(炭化珪素ガス)を供給して結晶を成長させ、次いで種結晶から成長した結晶をエッチングガスにより除去して種結晶の清浄面を露出させ、この露出した清浄面上に結晶を成長させる方法(特許文献12)や、予め別の方法、例えば溶融水酸化カリウム浴中に浸漬する方法で種結晶の表面をエッチングして除去する方法(特許文献13)が提案されている。
特開平08-059,389号公報 特開平11-079,896号公報 特開平11-268,995号公報 特開平10-067,600号公報 特開平10-182,296号公報 特開2001-158,695号公報 特表平11-508,531号公報 特開2006-193,384号公報 特開2007-326,743号公報 特開2003-063,890号公報 特開2000-053,498号公報 特開2006-111,510号公報 特開2009-012,998号公報
Yu. M. Tairov and V.F. Tsvetkov, Journal of Crystal Growth, vol. 52 (1981) pp.146-150 M. Anikin, O. Chaix, E. Pernot, B. Pelissier, M. Pons, A. Pisch, C. Bernard, P. Grosse, C. Faure, Y. Grange, G. Basset, C. Moulin and R. Mader, Material Science Forum, vol. 338-342(2000) pp.13-16
しかしながら、上述した結晶ダメージ層の影響を防止する方法や結晶ダメージ層除去を狙った方法においては、いずれの方法においても、種結晶最表面に残存する結晶ダメージ層の影響による各種転位欠陥発生を充分には抑制することができず、満足できる高品質な炭化珪素単結晶インゴットの製造が困難であった。
例えば、非特許文献2や特許文献10の方法においては、実際にこの方法を行ってみると、温度、圧力、昇華ガス組成という各パラメーターに求められる条件範囲が非常に狭く、実質的に制御はできないことが判明した。例えば、非特許文献2にあるような1800℃という比較的高温の場合、実際に3インチφというような大きさの種結晶を用いる場合にはウェハ面内における温度分布が大きくなり、部分的に昇華が発生したりしなかったりとばらつきが発生してしまうため制御が困難である。また、圧力や昇華ガス組成に関しては、非常にエッチングが安定して生じる条件範囲が狭く、どうしても場所によってはシリコン原子が過剰に昇華した結果として表面に炭素が残る炭化状態となり、その上に成長した結晶の品質が著しく低下する。このため、実際にはこの方法では大面積の種結晶上に高品質な結晶を成長させることは不可能であった。
また、例えば、特許文献13の方法においては、この場合も実際に試みると、エッチング浴の温度分布によりかなりエッチング速度にむらがありうねったような表面形状となることが抑えきれない。しかも、種結晶の表面をエッチングすることによりこの種結晶の結晶ダメージ層を修復して結晶成長を行う場合には、本来は、表面のエッチング層の除去及びその後の結晶成長を連続して行うのが望ましいが、この方法ではこのような連続操作が不可能であり、また、実際にこの手法で大面積の種結晶全面に亘り高品質な結晶インゴットを成長させることはやはり不可能であった。
本発明は、上記問題に鑑み、種結晶上に炭化珪素ガスを供給して炭化珪素単結晶インゴットを製造する方法において、従来技術上の種結晶に起因する問題を解決し、結晶性の良好な炭化珪素単結晶インゴットを容易に製造することができる炭化珪素単結晶インゴットの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した炭化珪素単結晶インゴット製造上の種結晶に起因する問題点を解決することができ、これによって種結晶上に炭化珪素ガスを供給して結晶性の良好な炭化珪素単結晶インゴットを容易に製造することができる方法について鋭意検討した結果、少なくとも結晶成長面にシリコンを含むと共に炭化珪素単結晶を成長させる温度より低い温度で融解する薄膜を有する種結晶を使用することにより、結晶性の良好な炭化珪素単結晶インゴットを容易に製造することができることを見い出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は次の通りである。
(1)炭化珪素単結晶からなる種結晶上に炭化珪素ガスを供給して炭化珪素単結晶インゴットを製造する方法であって、該種結晶が、該種結晶の少なくとも結晶成長面に、シリコン及びシリコン以外の添加金属元素を含み、かつ、炭化珪素単結晶を成長させる温度より低い1200℃以上2100℃以下の温度範囲で融解する薄膜を有することを特徴とする炭化珪素単結晶インゴットの製造方法。
(2)前記薄膜に含まれる添加金属元素が、4A族及び6A族の金属元素の中から選ばれる1種以上であることを特徴とする上記(1)記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法。
(3)前記添加金属元素が、チタン又はクロムであることを特徴とする上記(2)記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法。
(4)前記薄膜の厚さが、0.1μm以上1000μm以下であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法。
(5)炭化珪素単結晶インゴットの製造過程では、前記薄膜の融解温度より高く、かつ、炭化珪素単結晶を成長させる温度より低い温度に10分以上20時間以下の範囲で保持することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法。
(6)前記薄膜は、薄膜の融解温度よりも150℃以下の温度範囲内の温度だけ高い温度に保持されることを特徴とする上記(5)記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法である。
本発明によれば、種結晶上に炭化珪素ガスを供給して炭化珪素単結晶インゴットを製造する方法、例えば、昇華再結晶法(改良型レーリー法)や高温CVD法等によって、炭化珪素単結晶インゴットを製造する際に、種結晶直上における成長開始時に発生する各種転位欠陥を低減することができ、これによって結晶性の良好な炭化珪素単結晶を容易に得ることができる。
図1は、炭化珪素単結晶インゴットの製造方法としての昇華再結晶法(改良レ−リ−法)を説明するための説明図である。
図2は、昇華再結晶法により本発明に係る炭化珪素単結晶インゴットの製造方法を実施するための炭化珪素単結晶製造装置の概略説明図である。
図3は、図2の炭化珪素単結晶製造装置により炭化珪素単結晶インゴットを製造する際に用いられた種結晶を説明するための説明図である。
図4は、本発明方法において、種結晶の結晶成長面に形成された薄膜が種結晶の結晶成長面における結晶ダメージ層をどのようにして修復するかを説明するための説明図である。
図5は、本発明方法における転位欠陥の発生抑制効果を、従来の方法と比較して説明するための説明図である。
以下に、昇華再結晶法(改良レーリー法)を例にして、以下に本発明の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法を説明する。
先ず、本発明方法が実施される炭化珪素単結晶インゴットの製造装置は、図2に示すように、坩堝蓋1a及び坩堝容器1bからなる黒鉛製(通常、黒鉛製であるが、高融点材料、黒鉛コート高融点材料、高融点材料コート黒鉛等の黒鉛以外の材料を部分的に使用される場合もある。)の坩堝1と、この坩堝1の外面を被覆する熱シールドのための黒鉛製の断熱材9と、黒鉛製の支持棒8により支持されたこれら坩堝1及び断熱材9を内部に収容する二重石英管7と、この二重石英管7の外周に配置されて高周波誘導加熱により坩堝1を加熱し、この坩堝1内に配置される原料粉末3及び種結晶2を加熱するワークコイル10とを備えている。また、前記二重石英管7は、真空排気装置13により高真空(10-3Pa以下)下に維持され、かつ、その内部雰囲気がガス配管11からガス流量調節計12を通って導入されるArガス等の不活性ガスにより圧力制御されている。ここで、坩堝温度の計測は、坩堝1の下部及び上部を覆う断熱材9の中央部に直径2〜4mmの光路を設け、これらの光路からの光を取り出し、二色温度計を用いて行われる。また、必要により、各種ド−ピングガス(窒素、トリメチルアルミニウム、トリメチルボロン)も、ガス流量調節計12を通して導入することができる。
前記坩堝1の形状としては、種結晶2を保持でき、原料粉末3を収容できれば、円柱、円錐、多角柱、多角錐等のどのような形状でもよいが、坩堝1から外部への放熱に関して、周方向における放熱量の均一性に優れている円柱形がより好適である。また、結晶成長に用いる種結晶2は、図3に示すように、[0001]面を結晶成長面とする炭化珪素単結晶2aに、該炭化珪素単結晶2aの結晶成長面全体に形成されたシリコンを含む薄膜2bを有するものであり、この薄膜2bは、炭化珪素単結晶2aの結晶成長面に予めスパッタリング法等により形成され、0.1μm以上1000μm以下の厚さを有し、炭化珪素単結晶を成長させる温度よりも低い温度で融解するものである。更に、原料粉末3は、通常、アチソン(Acheson)法で作製された炭化珪素結晶粉末からなる。
種結晶2は黒鉛製の坩堝蓋5の内面に取り付けられ、また、原料粉末3は黒鉛製の坩堝容器4の内部に充填される。結晶成長は、原料粉末3を昇華させ、種結晶2上で再結晶化させることにより行われる。坩堝1内は、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中(133Pa〜13.3kPa)、2000〜2400℃に加熱され、この際に、原料粉末3側に比べて種結晶2側がやや低温になるように(例えば、100〜200℃低くなるように)、温度勾配が設定される。坩堝1内では、原料粉末3は、昇華して炭化珪素ガス(原料ガス)となり、温度勾配によって形成される濃度勾配により、種結晶2方向へ拡散し、輸送される。炭化珪素単結晶の結晶成長は、種結晶2に到着した原料ガスが種結晶2上で再結晶化することにより実現される。
本発明の方法においては、この結晶成長の過程で、二重石英管7の内部を高真空排気した後、ワークコイル10に電流を印加して加熱を開始し、種結晶2に形成した薄膜2bの融点よりも所定の温度だけ低い温度まで加熱し、そこから、所定の時間をかけて薄膜2bの融点である温度(炭化珪素単結晶を成長させる温度より低い温度)まで加熱し、更に、この融点温度で一定時間保持する薄膜加熱処理を行う。この薄膜加熱処理においては、融点温度での保持時間については、種結晶である炭化珪素単結晶2a表面に形成した薄膜2bの厚さによっても最適値が異なるが、通常10分以上20時間以下、好ましくは1時間以上10時間以下の範囲内が好ましい。この理由については、後述する前記薄膜2bの作用に基づくものである。簡単には、10分より短いと、薄膜2bの融解が十分に完了しない場合があり、反対に、10時間を超えると、融解層6の蒸発が完了し、部分的に種結晶2aから直接シリコン原子が昇華し始めて炭化が起き易くなる場合がある。
この薄膜加熱処理により、図4に示すように、種結晶である炭化珪素単結晶2aの表面に形成された薄膜2bが融解し、該結晶2aの少なくとも結晶成長面全体において融解層6(シリコンを含む融解層であり、添加金属元素が含まれている場合にはこの時点で添加金属元素がこのシリコン融解層中に溶け込んでいる。)を形成し、この融解層6に接触している炭化珪素単結晶2aの最表面(結晶ダメージ層5)が融解層6中に溶け出し、これによって結晶2aの最表面に残存する結晶ダメージ層5がエッチングされ、種結晶2aの結晶ダメージの無い高品質な表面が露出する(図4の(a)⇒(b)参照)。
この薄膜加熱処理が終了した後、坩堝1内の温度を、炭化珪素単結晶を成長させる温度の2000〜2400℃にまで、上昇させていくことにより、融解層6の蒸発が完了し、その後から開始される結晶成長に悪影響を及ぼすことは無い。坩堝1内の温度が結晶成長温度にまで到達し、坩堝1内に充填した原料粉末3からの昇華ガス(炭化珪素ガス)が新たに露出した種結晶2aの結晶成長面に到達することにより、結晶成長が開始されて従来通りの結晶成長モードに移行する。このように、前記融解層6が蒸発して出現した良質な種結晶表面の状態を、真空下で清浄に保ったまま、直ちにその直後の結晶成長につなげられることも本発明の優れた点である。
本発明の方法では、上述したように、結晶成長開始前に種結晶の表面に予め施したシリコンを含む薄膜2bが該薄膜の融点にて溶解する際に、種結晶の表面に液相(融解層)として一時的に存在し、この液相(融解層)によって種結晶の表面の原子が除去されることにより、種結晶の表面の結晶ダメージ層を除去することができる。これによって種結晶の表面における形成された各種転位欠陥を低減でき、欠陥が低減された種結晶の表面を結晶成長面として結晶を成長させることができるので、高品質の炭化珪素単結晶インゴットが容易に得られるのである。
本発明の方法が従来の方法に比べて優れている点は、従来の方法においては、図5(a)に示すように、種結晶2の表面に結晶ダメージ層5が残存したままで結晶成長が進み、この種結晶2の結晶ダメージの影響を受けて成長結晶4中に各種の転位欠陥4aが生成し、転位欠陥密度が大きくなってしまうのに対して、本発明の方法においては、図5(b)に示すように、薄膜2bが融解して融解層6が形成された際に、結晶ダメージ層5がこの融解層6中に溶け出し、これによって種結晶の表面から結晶ダメージが除去されて良質な表面が露出する。この良質な表面を結晶成長面として炭化珪素単結晶の成長を行うことができるので、その結果として各種転位欠陥密度の小さい高品質な炭化珪素単結晶インゴットを育成することができる。
本発明の方法が、原料部と種結晶の温度勾配を逆転させて種結晶表面を昇華させるという前記非特許文献2の方法に対して優れているところは、シリコンを含む薄膜の融解という現象が発生すれば種結晶表面の結晶ダメージ層を容易に除去できる、今までない新たな技術思想に基づくことである。このため、非特許文献2では、温度、圧力、昇華ガス組成といった複数の要素の制御が必要であって、極めて限定された条件範囲(実際には、種結晶の結晶成長面全面をこの条件範囲内に納めることは困難である。)内でしか結晶成長できないのと比べて、本発明の方法は、より広い範囲で結晶成長でき、実際にはほぼ温度による制御のみで高品質な炭化珪素単結晶を得る条件を満たすことができる。更に、本発明の方法は、炭化珪素単結晶を成長させる温度より低い温度で薄膜を融解させて行われるので、非特許文献2の温度(1800℃)よりも低温で実施することができ、温度制御の点でもより簡易であり、かつ低温化により大面積の種結晶面内の温度分布もより小さく抑えられる、といった有利な点もある。
また、本発明の方法が前記特許文献13の方法に対して優れているところは、特許文献13の方法では、予め水酸化カリウム溶融塩により種結晶をエッチングした際に、エッチング速度が比較的大きいためにエッチング面のむらができ易く、どうしても種結晶の裏面もエッチングされて平坦化のための再研磨が必要となる、等の問題があるが、本発明の方法では、そのような問題が無いほか、種結晶表面の結晶ダメージ層が除去されて得られる理想的な結晶成長面(ここでは、高精度エッチングとも言える)が大気に晒されて新たな汚染等の問題を引き起こすこともなく、良質な結晶成長面を維持したまま直ちに結晶成長に移行できることである。
なお、本発明では、結晶成長が行われる二重石英管7内部の圧力としては、薄膜2bが融解する時点まで高真空下に保つ方法と、薄膜2bを融解させる時点で既に後の結晶成長を開始させる時の条件であるアルゴン等の不活性ガス導入による一定圧力下の条件にする方法のいずれも可能であり、薄膜2bの膜厚等の変化に応じてそれぞれ最適な雰囲気制御を選択することができる。
本発明において、炭化珪素単結晶インゴットを製造する際に用いられる種結晶は、炭化珪素単結晶からなる種結晶の少なくとも結晶成長面に薄膜を有するものであるが、前記薄膜は、少なくとも種結晶の結晶成長面に有し、この結晶成長面を覆うものであればよく、また、種結晶の側面から裏面まで、種結晶の表面全体を覆うものであってもよい。
前記種結晶としては、例えば、炭化珪素単結晶の6H型、4H型、15R型、3C型等のポリタイプのものを例示することができ、製造目的の炭化珪素単結晶インゴットに求められる結晶構造に応じて選択される。
また、この種結晶の少なくとも結晶成長面に有する薄膜については、シリコンを含む薄膜であって炭化珪素単結晶を成長させる温度より低い温度で融解する薄膜であることが必要である。そして、この薄膜の材質については、シリコン単体でもよいほか、シリコンに加えてシリコン以外の他の添加金属元素を含むものであってもよいが、好ましくはシリコンを50モル%以上含有するシリコンを主成分とするものであるのがよい。シリコンを主成分とする薄膜は、上述の結晶ダメージ層をより効果的に除去できる。
ここで、シリコン以外の他の添加金属元素としては、シリコンに添加されることによって薄膜の融解温度が炭化珪素単結晶を成長させる温度より高くならないものであれば、特に制限されるものではないが、好ましくは、添加することによって該薄膜の融解温度が下がるものであるのがよく、例えば、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)等の2A族金属元素、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)等の3A族金属元素、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)等の4A族金属元素、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)等の5A族金属元素、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等の6A族金属元素、マンガン(Mn)等の7A族金属元素、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)等の8族金属元素、金(Au)、銅(Cu)等の1B族金属元素、亜鉛(Zn)等の2B族金属元素、アルミニウム(Al)等の3B族金属元素等が挙げられる。結晶ダメージ層をより効率的に除去できるという観点から、より好ましくは4A族金属元素及び6A族金属元素であり、特に4A族金属元素のチタン(Ti)及び6A族金属元素のクロム(Cr)が更に好適である。
この薄膜の融解温度については、炭化珪素単結晶を成長させる温度より低ければよいが、昇華再結晶法(改良レーリー法)の場合、炭化珪素単結晶を成長させる温度が通常2000〜2400℃であるので、好ましくは1200℃以上2100℃以下、より好ましくは1200℃以上1600℃以下の範囲あるのがよく、このような融解温度の範囲とすることにより、炭化珪素単結晶インゴットを製造する際における温度制御が容易になる。
また、この薄膜の厚さについては、除去したい結晶ダメージ層の量によって適宜調整すればよいが、通常0.1μm以上1000μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以上100μm以下であるのがよい。この薄膜の厚さが0.1μmより薄いと、融解した際に種結晶の成長平面(ウェハ全面)を覆いきれずに島状化して、成長面全体の結晶ダメージ層を除去できない場合がある。反対に、1000μmより厚くすると、融解して種結晶表面の結晶ダメージ層を除去できるが、薄膜の成分が蒸発し切らずに表面に残存する場合がある。これは、マイクロパイプ(大型の貫通らせん転位)欠陥発生の原因となる場合がある。
前記種結晶の少なくとも結晶成長面に、前記薄膜を形成する薄膜形成法については、特に制限されるものではなく、例えば蒸着法、スパッタリング法、CVD法、レーザーアブレーション法等を例示することができる。
以下に、本発明を実施例及び比較例に基づいて説明する。
[実施例1]
図2に示す炭化珪素単結晶インゴットの製造装置を用いて、炭化珪素単結晶インゴットの製造を行った。
この実施例1においては、先ず、結晶成長に用いる種結晶として、以下の種結晶に薄膜を有するものを作製した。すなわち、種結晶としては口径76mmの[0001]面を有した4Hポリタイプの炭化珪素単結晶ウェハを用意した。この種結晶のオフセット角度は[0001]面から4°の角度を有するものを使用した。この種結晶を洗浄して乾燥させた後、スパッタリング法により厚さ300μmの薄膜(原子百分率でシリコン84%及びチタン16%含有;融解温度1330℃)を種結晶の結晶成長面である[0001]C面に形成した。
次に、この種結晶を坩堝の坩堝蓋の内面に取り付け、また、坩堝の坩堝容器内にはアチソン法により作製したSiC結晶原料粉末からなる原料粉末を充填した。二重石英管の内部を真空排気した後、ワークコイルに電流を流し、種結晶温度が薄膜の融点より100℃高温になるまで温度を上げ、その後その温度で3時間保持する薄膜加熱処理を行った。次に、雰囲気ガスとして高純度アルゴン(Ar)ガス(純度99.9995%)を流入させ、二重石英管内の圧力を結晶成長の全体を通じて1.3kPaに保った。この圧力下において、再び温度を上昇させ、種結晶温度が目的温度である2300℃まで上昇させ、その後、同温度を保って45時間結晶成長を続けた。この成長時間中、窒素流量を0.5×10-6m3/sec(同流量にて、成長結晶中の窒素濃度が1×1019cm-3となる)とし、成長終了時まで保った。
このようにして得られた炭化珪素単結晶インゴットは、その口径が76mmで、高さが20mm程度であった。また、この炭化珪素単結晶インゴットについて、ラマン散乱により分析したところ、種結晶と同じ4Hポリタイプを有する炭化珪素単結晶が、種結晶の結晶成長面の全面に亘って成長したことが確認された。
次に、得られた炭化珪素単結晶インゴットについて、外周加工等を施した後、成長方向に対して水平になるようにワイヤーソーにてウェハを切り出した。
複数枚得られたウェハのうち、もっとも種結晶に近い部分、すなわちインゴットの底部に近い位置(底部位置)、インゴットの高さにして略中央の位置(中央位置)、そして最もインゴットの頂部に近い位置(頂部位置)からそれぞれ各1枚、合計3枚のウェハを選び、ダイヤモンドパウダーにて研磨して鏡面となるまで仕上げた。
これらのウェハに対して、520℃に保持した水酸化カリウム溶融塩中に5分間浸漬してエッチングを施し、現れたエッチピットを観察したところ、最も種結晶に近い部分で850個/cm2、インゴット高さにして中央の位置で820個/cm2、最もインゴット頂部に近い位置で790個/cm2であった。これらは、いずれも従来法で得られるウェハでのエッチピットの平均値5000〜9000個/cm2に比べて、顕著に低密度であることが判明した。この結果より、インゴット全体を通じて各種転位密度の小さい高品質炭化珪素単結晶が得られたことが確認された。
参考例2
種結晶として、口径100mmの種結晶の結晶成長面に電子ビーム蒸着法により形成された厚さ50μmの薄膜(原子百分率でシリコン100%;融解温度1410℃)とを有するものを用い、薄膜加熱処理において薄膜の融点より50℃高い温度で30分間保持し、また、薄膜が融解する前の温度上昇中から二重石英管内の圧力を1.3kPaに保った以外は、前記実施例1と同様にして実施した。
得られた炭化珪素単結晶インゴットは、その口径が100mmで、高さは15mm程度であった。また、実施例1と同様にしてラマン散乱により分析したところ、種結晶と同じ4Hポリタイプを有する炭化珪素単結晶が、種結晶の結晶成長面の全面に亘って成長したことが確認された。
次に、実施例1と同様にして3枚のウェハを切り出し、実施例1と同様にしてエッチピットを観察したところ、インゴット底部位置が950個/cm2であり、インゴット中央位置が890個/cm2であり、また、インゴット頂部位置が860個/cm2であって、実施例1の場合と同様に、従来法での平均値5000〜9000個/cm2に比べて、著しく低密度であることが判明した。
[実施例3]
種結晶として、口径50mmの種結晶の結晶成長面にスパッタリング法により形成された厚さ900μmの薄膜(原子百分率でシリコン84%及びクロム元素16%含有;融解温度1320℃)とを有するものを用い、薄膜加熱処理において薄膜の融点より75℃高い温度で10時間保持した以外は、前記実施例1と同様にして実施した。
得られた炭化珪素単結晶インゴットは、その口径が50mmで、高さは30mm程度であった。また、実施例1と同様にしてラマン散乱により分析したところ、種結晶と同じ4Hポリタイプを有する炭化珪素単結晶が、種結晶の結晶成長面の全面に亘って成長したことが確認された。
次に、実施例1と同様にして3枚のウェハを切り出し、実施例1と同様にしてエッチピットを観察したところ、インゴット底部位置が750個/cm2であり、インゴット中央位置が720個/cm2であり、また、インゴット頂部位置が680個/cm2であって、実施例1の場合と同様に、従来法での平均値5000〜9000個/cm2に比べて、著しく低密度であることが判明した。
[実施例4〜18]
次に、種結晶の結晶成長面に表1に示す薄膜を形成し、表1に示す薄膜加熱処理を行った以外は、実施例1と同様にして炭化珪素単結晶インゴットを製造し、得られたインゴットから実施例1と同様にして3枚のウェハを切り出し、実施例1と同様にしてエッチピットを観察した。
結果を、前記実施例1、参考例2、及び実施例3の結果と共に、表1に示す。
[比較例1]
種結晶の表面に薄膜を形成しないこと、及び温度上昇時に薄膜加熱処理を行わなかったこと以外は、前記実施例1と同様にして結晶成長を実施した。
得られた炭化珪素単結晶インゴットについて、実施例1と同様にラマン散乱により分析したところ、種結晶と同じ4Hポリタイプを有する炭化珪素単結晶が、種結晶の結晶成長面の全面に亘って成長したことが確認された。
次に、実施例1と同様にして3枚のウェハを切り出し、実施例1と同様にしてエッチピットを観察したところ、インゴット底部位置が8500個/cm2であり、インゴット中央位置が8200個/cm2であり、また、インゴット頂部位置が7800個/cm2であって、従来法での平均値5000〜9000個/cm2の範囲内であり、本発明の方法に比べて、各種転位欠陥密度の多い、低品質の結晶であることが確認された。
[比較例2]
次に、種結晶の結晶成長面に表1に示す薄膜を形成し、薄膜加熱処理を行なわなかった以外は、実施例1と同様にして炭化珪素単結晶インゴットを製造したところ、結晶全面に渡りマイクロパイプ欠陥が著しく発生した。得られたインゴットから実施例1と同様にして3枚のウェハを切り出し、実施例1と同様にしてエッチピットを観察したところ、インゴット底部位置が40000個/cm2であり、インゴット中央位置が32000個/cm2であり、また、インゴット頂部位置が28000個/cm2であって、実際に転位欠陥が大量に発生していることが確認できた。
結果を、前記実施例1、参考例2、実施例3〜18及び比較例1の結果と共に、表1に示す。マイクロパイプ発生の原因は、種結晶の結晶成長面に形成した薄膜(原子百分率でシリコン100%;融解温度1410℃)が十分昇華し切らないうちに成長が開始されたため、種結晶表面で成長が乱れてマイクロパイプ欠陥が大量に発生したためと考えられた。
[比較例3]
次に、種結晶の結晶成長面に表1に示す薄膜を形成し、薄膜加熱処理を行わなかった以外は、実施例3と同様にして炭化珪素単結晶インゴットを製造したところ、結晶全面に渡りマイクロパイプ欠陥が著しく発生した。得られたインゴットから実施例3と同様にして3枚のウェハを切り出し、実施例1と同様にしてエッチピットを観察した。
結果を、前記実施例1、参考例2、実施例3〜18及び比較例1の結果と共に、表1に示す。マイクロパイプ発生の原因は、種結晶の結晶成長面に形成した薄膜(原子百分率でシリコン84%及びクロム16%含有;融解温度1320℃)が十分昇華し切らないうちに成長が開始されたため、種結晶表面で成長が乱れてマイクロパイプ欠陥が大量に発生したためと考えられた。
Figure 0005418385
1…坩堝、1a…坩堝蓋、1b…坩堝容器、2…種結晶、2a…炭化珪素単結晶、2b…薄膜、3…原料粉末、4…成長結晶、4a…転位欠陥、5…結晶ダメージ層、6…融解層、7…二重石英管、8…支持棒、9…断熱材、10…ワークコイル、11…ガス配管、12…ガス流量調節計、13…真空排気装置。

Claims (6)

  1. 炭化珪素単結晶からなる種結晶上に炭化珪素ガスを供給して炭化珪素単結晶インゴットを製造する方法であって、該種結晶が、該種結晶の少なくとも結晶成長面に、シリコン及びシリコン以外の添加金属元素を含み、かつ、炭化珪素単結晶を成長させる温度より低い1200℃以上2100℃以下の温度範囲で融解する薄膜を有することを特徴とする炭化珪素単結晶インゴットの製造方法。
  2. 前記薄膜に含まれる添加金属元素が、4A族及び6A族の金属元素の中から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法。
  3. 前記添加金属元素が、チタン又はクロムであることを特徴とする請求項2に記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法。
  4. 前記薄膜の厚さが、0.1μm以上1000μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法。
  5. 炭化珪素単結晶インゴットの製造過程では、前記薄膜の融解温度より高く、かつ、炭化珪素単結晶を成長させる温度より低い温度に10分以上20時間以下の範囲で保持することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法。
  6. 前記薄膜は、薄膜の融解温度よりも150℃以下の温度範囲内の温度だけ高い温度に保持されることを特徴とする請求項5に記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法。
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